JP2017119752A - ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤ - Google Patents

ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤ Download PDF

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【課題】ゴム組成物としての加工性に優れ、かつ、優れた低発熱性を有するゴム架橋物を与えることのできるゴム組成物の提供。【解決手段】重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)と、カーボンブラック(C)とを含有するゴム組成物。架橋剤を更に含有するゴム組成物。前記ゴム組成物を架橋してなるゴム架物及びタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤに関し、さらに詳しくは、ゴム組成物としての加工性に優れ、かつ、優れた低発熱性を有するゴム架橋物を与えることのできるゴム組成物、ならびに、このようなゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物およびタイヤに関する。
近年、省資源や環境対策などが重視されるにつれて、自動車の低燃費化に対する要求は、ますます厳しくなり、自動車タイヤについても、転動抵抗を小さくすることにより、低燃費化に寄与することが求められている。タイヤの転動抵抗を小さくするには、タイヤ用ゴム材料として、一般に、発熱性の低いゴム架橋物を与えることができるゴム材料の使用が有効である。
タイヤ用ゴムとしては、一般的に天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン‐ブタジエンゴムなどの共役ジエン系ゴムが用いられる。近年、補強材として使用されるシリカやカーボンブラックと親和性のある変性基を重合体鎖末端に導入した共役ジエン系ゴムを含んでなるゴム組成物を用いることにより、発熱性を低下させることが提案されている。
これに対して、たとえば、シクロペンテンを開環メタセシス重合して得られる環状オレフィン開環重合体は、シリカと親和性のある変性基としてアルコキシシリル基を有するオレフィン性不飽和炭化水素化合物を重合時に加えることで、容易に重合体鎖末端にアルコキシシリル基を導入することができ、低発熱性に優れたゴム架橋物を与えるタイヤ用ゴム組成物となることが知られている(特許文献1,2参照)。
特開2013−144813号公報 国際公開第2011/87072号
しかしながら、上記特許文献1,2の技術によれば、環状オレフィン開環重合体と、シリカとの親和性を良好なものとできるため、低発熱性に優れたゴム架橋物が得られるものの、特許文献1,2の技術では、環状オレフィン開環重合体のカーボンブラックに対する親和性が十分でなく、シリカに代えて、カーボンブラックを配合するとムーニー粘度が上昇してしまい、加工性に劣るという課題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、ゴム組成物としての加工性に優れ、かつ、優れた低発熱性を有するゴム架橋物を与えることのできるゴム組成物、ならびに、このようなゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物およびタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体に、イソシアネート基を含有するシランカップリング剤、およびカーボンブラックを配合してなるゴム組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)と、カーボンブラック(C)とを含有するゴム組成物が提供される。
本発明のゴム組成物は、架橋剤をさらに含有することが好ましい。
また、本発明によれば、上記ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物、およびこのようなゴム架橋物を含んでなるタイヤが提供される。
本発明によれば、ゴム組成物としての加工性に優れ、かつ、優れた低発熱性を有するゴム架橋物を与えることのできるゴム組成物、ならびに、このようなゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物およびタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)と、カーボンブラック(C)とを含有するゴム組成物である。
本発明者の知見によれば、重合体鎖末端にオキシシリル基などの変性基を有する環状オレフィン開環重合体は、シリカに対する親和性は高いものの、カーボンブラックに対する親和性は十分なものではなく、そのため、このような環状オレフィン開環重合体に、カーボンブラックを配合すると、カーボンブラックの分散が不十分となり、結果として、得られるゴム組成物のムーニー粘度が上昇してしまい、加工性に劣るという不具合があった。
これに対し、本発明者が鋭意研究した結果、環状オレフィン開環重合体として、重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)を使用し、かつ、これをイソシアネート基含有シランカップリング剤(B)と組み合わせることで、重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)が、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)を介して、カーボンブラック(C)に対して良好な親和性を示すものとなり、ゴム組成物中におけるカーボンブラック(C)の分散性が向上すること、そして、これにより、ゴム組成物のムーニー粘度の上昇を抑制し、加工性を良好なものとすることができること、さらには、このようなゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物が優れた低発熱性をも備えるものとなること、を見出し、このような知見に基づき、上記構成を採用するものである。
以下、本発明のゴム組成物について、詳細に説明する。
<重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)>
本発明で用いる重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)(以下、単に「環状オレフィン開環重合体(A)」とする。)は、その主鎖を構成する繰返し単位として環状オレフィンを開環重合してなる繰返し単位を含有してなり、実質的に環状オレフィンを開環重合してなる繰返し単位のみからなることが好ましく、その重合体鎖末端にオキシシリル基を含有するものである。
本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)を形成するための環状オレフィンとしては、特に限定されず、たとえば、モノ環状オレフィン、モノ環状ジエン、モノ環状トリエンや多環の環状オレフィン、多環の環状ジエン、多環の環状トリエンなどが挙げられる。モノ環状オレフィンとしては、置換基を有していてもよいシクロペンテン、置換基を有していてもよいシクロオクテンが例示され、シクロペンテンが好ましい。モノ環状ジエンとしては、置換基を有していてもよい1,5−シクロオクタジエンが例示される。モノ環状トリエンとしては、置換基を有していてもよい1,5,9−シクロドデカトリエンが例示される。また、多環の環状オレフィン、多環の環状ジエン、および多環の環状トリエンとしては、2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの置換基を有していてもよいノルボルネン化合物が例示される。本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)としては、その主鎖を構成する繰返し単位としてモノ環状オレフィン由来の構造単位を有するものが好ましく、環状オレフィン開環重合体(A)中の全繰返し構造単位に対して、モノ環状オレフィン由来の構造単位の含有割合を50モル%以上とすることが好ましく、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上とする。また、モノ環状オレフィン由来の構造単位のなかでも、シクロペンテン由来の構造単位が好ましい。モノ環状オレフィン由来の構造単位の含有割合を上記範囲とすることにより、環状オレフィン開環重合体のガラス転移温度を低くすることができ、これにより、低温でのゴム特性を良好なものとすることができる。
本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)は、重合体鎖末端にオキシシリル基を有するものであり、オキシシリル基は、ケイ素−酸素結合を有する基であり、具体的には、−Si−O−で示される化学構造を有するものである。オキシシリル基としては、たとえば、下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
Figure 2017119752
(上記一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ、水素原子、またはヘテロ原子が介在していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。aは1〜3の整数である。)
上記一般式(1)において、ヘテロ原子が介在していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アシル基、アルキルシリル基、アリールシリル基が例示される。これらの中でも、アミノ基含有シランカップリング剤(B)との親和性が高いという観点より、炭素数が1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
また、上記一般式(1)において、aは1〜3の整数であるが、aが2または3であることが好ましく、生産性の観点より、aが3であることがより好ましい。
このようなオキシシリル基としては、アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基、アシロキシシリル基、アルキルシロキシシリル基、アリールシロキシシリル基、ヒドロキシシリル基が例示される。これらの中でも、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)との親和性がより高く、これにより、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)を介して、カーボンブラック(C)との親和性をより高めることができ、加工性および低発熱性の向上効果をより高めることができるという点より、アルコキシシリル基がより好ましい。
アルコキシシリル基は、1つ以上のアルコキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリメトキシシリル基、(ジメトキシ)(メチル)シリル基、(メトキシ)(ジメチル)シリル基、トリエトキシシリル基、(ジエトキシ)(メチル)シリル基、(エトキシ)(ジメチル)シリル基、(ジメトキシ)(エトキシ)シリル基、(メトキシ)(ジエトキシ)シリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基などが挙げられる。
アリーロキシシリル基は、1つ以上のアリーロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリフェノキシシリル基、(ジフェノキシ)(メチル)シリル基、(フェノキシ)(ジメチル)シリル基、(ジフェノキシ)(エトキシ)シリル基、(フェノキシ)(ジエトキシ)シリル基などが挙げられる。なお、これらのうち、(ジフェノキシ)(エトキシ)シリル基、(フェノキシ)(ジエトキシ)シリル基は、アリーロキシ基に加え、アルコキシ基をも有するため、アルコキシシリル基にも分類されることとなる。
アシロキシシリル基は、1つ以上のアシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリアシロキシシリル基、(ジアシロキシ)(メチル)シリル基、(アシロキシ)(ジメチル)シリル基などが挙げられる。
アルキルシロキシシリル基は、1つ以上のアルキルシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、トリメチルシロキシ(ジメチル)シリル基、トリエチルシロキシ(ジエチル)シリル基、トリス(ジメチルシロキシ)シリル基などが挙げられる。
アリールシロキシシリル基は、1つ以上のアリールシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリス(トリフェニルシロキシ)シリル基、トリフェニルシロキシ(ジメチル)シリル基、トリス(ジフェニルシロキシ)シリル基などが挙げられる。
ヒドロキシシリル基は、1つ以上のヒドロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、具体例としては、トリヒドロキシシリル基、(ジヒドロキシ)(メチル)シリル基、(ヒドロキシ)(ジメチル)シリル基、(ジヒドロキシ)(エトキシ)シリル基、(ヒドロキシ)(ジエトキシ)シリル基などが挙げられる。なお、これらのうち、(ジヒドロキシ)(エトキシ)シリル基、(ヒドロキシ)(ジエトキシ)シリル基は、ヒドロキシ基に加え、アルコキシ基をも有するため、アルコキシシリル基にも分類されることとなる。
本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端における、オキシシリル基の導入割合は、特に限定されないが、オキシシリル基が導入された環状オレフィン開環重合体の重合体鎖末端数/環状オレフィン開環重合体の重合体鎖数の百分率の値として、20%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは80%以上である。オキシシリル基の導入割合が高いほど、タイヤ用のゴム材料とする際に、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)との親和性をより高め、これにより、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)を介して、カーボンブラック(C)との親和性をもより高めることができ、加工性および低発熱性の向上効果をより高めることができるため、好ましい。なお、重合体鎖末端へのオキシシリル基の導入割合を測定する方法としては、特に限定されないが、たとえば、H−NMRスペクトル測定により求められるオキシシリル基に対応するピーク面積比と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィから求められる数平均分子量とから求めることができる。
また、本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10万〜80万であり、より好ましくは15万〜75万であり、さらに好ましくは20万〜70万である。環状オレフィン開環重合体(A)がこのような分子量を有することにより、得られるゴム架橋物の機械強度を適切なものとすることができる。
本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、通常5.0以下であり、好ましくは4.5以下であり、より好ましくは4.0以下である。このようなMw/Mnを有することにより、得られるゴム架橋物の機械強度を適切なものとすることができる。
本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)を構成する繰返し単位中に存在する二重結合において、そのシス/トランス比は、特に限定されないが、通常10/90〜90/10の範囲で設定されるが、低温下で優れた特性を示すゴム架橋物を与えることができる環状オレフィン開環重合体を得る観点からは、30/70〜90/10の範囲であることが好ましい。
また、本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)は、ゴム弾性を良好に示すという観点より、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは−40℃以下であり、より好ましくは−60℃以下、さらに好ましくは−90℃以下である。一方、ガラス転移温度(Tg)の下限は、特に限定されないが、好ましくは−120℃以上である。
本発明で用いる環状オレフィン開環重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、たとえば、オレフィン性不飽和結合基を有する、オキシシリル基を有する化合物であるオキシシリル基含有オレフィン化合物の存在下で、環状オレフィンを開環重合させる方法が挙げられる。オキシシリル基含有オレフィン化合物の存在下で、開環重合を行うことにより、環状オレフィンの開環重合と、オキシシリル基含有オレフィン化合物による末端変性を同時に行うことができるため、簡便であり、好ましい。
環状オレフィンを開環重合する際において、用いるオキシシリル基含有オレフィン化合物としては、特に限定されず、重合体鎖末端に導入するオキシシリル基の種類に応じて適宜選択すればよいが、たとえば、下記一般式(2)または(3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2017119752
(上記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ、水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは、それぞれ、水素原子、またはヘテロ原子が介在していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。また、Lは、単結合またはオキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合を形成している炭素原子とを結ぶ基であり、bは1〜3の整数である。)
Figure 2017119752
(上記一般式(3)中、R10、R11は、それぞれ、水素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、R、R12、R13は、それぞれ、水素原子、またはヘテロ原子が介在していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。また、L、Lは、それぞれ、単結合、またはオキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合を形成している炭素原子とを結ぶ基であり、c,dは1〜3の整数である。)
上記一般式(2)、(3)において、ヘテロ原子が介在していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アシル基、アルキルシリル基、アリールシリル基が例示される。
上記一般式(2)、(3)において、R〜R、R10、R11は水素原子であることが好ましく、これらを水素原子とすることにより、オキシシリル基含有オレフィン化合物をメタセシス反応性により優れたものとすることができる。
また、上記一般式(2)、(3)において、L〜Lは、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合を形成している炭素原子とを結合可能な基であればよく特に限定されないが、オキシシリル基含有オレフィン化合物をメタセシス反応性により優れたものとすることができという点より、炭化水素基、エーテル基、または三級アミノ基が好ましく、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基がより好ましい。また、オキシシリル基とオレフィン性炭素−炭素二重結合を形成している炭素原子とは、これらの基を介さずに、直接結合するような構成であってもよい。
なお、上記一般式(2)、(3)で示される化合物のうち、一般式(2)で示される化合物を用いた場合には、これらがメタセシス反応することにより、環状オレフィン開環重合体(A)の片末端にオキシシリル基を導入することができ、また、一般式(3)で示される化合物を用いた場合には、これらがメタセシス反応することにより、環状オレフィン開環重合体(A)の両末端にオキシシリル基を導入することができる。
一般式(2)で示される化合物の好ましい具体例としては、ビニル(トリメトキシ)シラン、ビニル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリメトキシ)シラン、アリル(メトキシ)(ジメチル)シラン、アリル(トリエトキシ)シラン、アリル(エトキシ)(ジメチル)シラン、スチリル(トリメトキシ)シラン、スチリル(トリエトキシ)シラン、スチリルエチル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリエトキシシリルメチル)エーテル、アリル(トリエトキシシリルメチル)(エチル)アミンなどのアルコキシシラン化合物;ビニル(トリフェノキシ)シラン、アリル(トリフェノキシ)シラン、アリル(フェノキシ)(ジメチル)シランなどのアリーロキシシラン化合物;ビニル(トリアセトキシ)シラン、アリル(トリアセトキシ)シラン、アリル(ジアセトキシ)メチルシラン、アリル(アセトキシ)(ジメチル)シランなどのアシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどのアルキルシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリフェニルシロキシ)シランなどのアリールシロキシシラン化合物;1−アリルヘプタメチルトリシロキサン、1−アリルノナメチルテトラシロキサン、1−アリルノナメチルシクロペンタシロキサン、1−アリルウンデカメチルシクロヘキサシロキサンなどのポリシロキサン化合物;などが挙げられる。
一般式(3)で示される化合物の好ましい具体例としては、ビス(トリメトキシシリル)エチレン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、2−ブテン−1,4−ジ(トリメトキシシラン)、2−ブテン−1,4−ジ(トリエトキシシラン)、1,4−ジ(トリメトキシシリルメトキシ)−2−ブテンなどのアルコキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ(トリフェノキシシラン)などのアリーロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ(トリアセトキシシラン)などのアシロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]などのアルキルシロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ[トリス(トリフェニルシロキシ)シラン]などのアリールシロキシシラン化合物;2−ブテン−1,4−ジ(ヘプタメチルトリシロキサン)、2−ブテン−1,4−ジ(ウンデカメチルシクロヘキサシロキサン)などのポリシロキサン化合物;などが挙げられる。
オキシシリル基含有オレフィン化合物の使用量は、製造する環状オレフィン開環重合体(A)の分子量に応じて適宜選択すればよいが、重合に用いる単量体に対して、モル比で、通常1/100〜1/100,000、好ましくは1/200〜1/50,000、より好ましくは1/500〜1/10,000の範囲である。なお、オキシシリル基含有オレフィン化合物は、環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端へのオキシシリル基の導入作用に加え、分子量調整剤としても作用する。
また、オキシシリル基含有オレフィン化合物の存在下で環状オレフィンを開環重合する方法において用いることができる開環重合触媒としては、たとえば、ルテニウムカルベン錯体を挙げることができる。
ルテニウムカルベン錯体は、環状オレフィンの開環重合触媒となるものであれば、特に限定されない。好ましく用いられるルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)−3,3−ジフェニルプロペニリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリドなどを挙げることができる。
ルテニウムカルベン錯体の使用量は、特に限定されるものではないが、(触媒中の金属ルテニウム:重合体に用いる単量体)のモル比として、通常1:1,000〜1:2,000,000、好ましくは1:2,000〜1:1,500,000、より好ましくは1:3,000〜1:1,000,000の範囲である。使用量が少なすぎると、重合反応が十分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、得られる環状オレフィン開環重合体(A)からの触媒残渣の除去が困難となる。
重合反応は、無溶媒中で行ってもよいが、重合反応の制御等の観点より、溶液中で行うことが望ましい。溶液中で重合する場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であり、重合に用いる環状オレフィンや重合触媒などを溶解させ得る溶媒であれば特に限定されないが、炭化水素系溶媒またはハロゲン系溶媒を用いることが好ましい。炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;などを挙げることができる。また、ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのアルキルハロゲン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン;などを挙げることができる。
重合温度は、特に限定されないが、通常−50〜100℃の範囲で設定される。また、重合反応時間は、好ましくは1分間〜72時間、より好ましくは5時間〜20時間である。重合転化率が所定の値に達した後、公知の重合停止剤を重合系に加えることにより、重合反応を停止させることができる。
あるいは、オキシシリル基含有オレフィン化合物の存在下で、環状オレフィンを開環重合する方法において用いることができる別の開環重合触媒としては、モリブデン化合物やタングステン化合物を挙げることができる。開環重合触媒として用いられ得るモリブデン化合物の具体例としては、モリブデンペンタクロリド、モリブデンオキソテトラクロリド、モリブデン(フェニルイミド)テトラクロリドなどを挙げられる。また、タングステン化合物の具体例としては、タングステンヘキサクロリド、タングステンオキソテトラクロリド、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド、モノカテコラートタングステンテトラクロリド、ビス(3,5−ジターシャリブチル)カテコラートタングステンジクロリド、ビス(2−クロロエテレート)テトラクロリド、タングステンオキソテトラフェノレートなどを挙げることができる。
モリブデン化合物やタングステン化合物を開環重合触媒として用いる場合には、助触媒として、有機金属化合物を組み合わせて使用してもよい。この助触媒として用いられ得る有機金属化合物としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周期表第1、2、12、13または14族金属原子の有機金属化合物が挙げられる。なかでも、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物が好ましく用いられ、有機リチウム化合物、有機スズ化合物、有機アルミニウム化合物がより好ましく用いられ、有機アルミニウム化合物が特に好ましく用いられる。
助触媒として用いられ得る、有機リチウム化合物の具体例としては、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、ネオペンチルリチウム、ネオフィルリチウムなどが挙げられる。有機マグネシウム化合物の具体例としては、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミド、ネオペンチルマグネシウムクロリド、ネオフィルマグネシウムクロリドなどが挙げられる。有機亜鉛化合物の具体例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛が挙げられる。有機スズ化合物の具体例としては、テトラメチルスズ、テトラ(n−ブチル)スズ、テトラフェニルスズが挙げられる。有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムハライド;下記一般式(4)で表される化合物;などが挙げられる。
Figure 2017119752
(上記一般式(4)中、R14およびR15は、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、xは、0<x<3である。)
上記一般式(4)において、R14やR15で表される炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基などのアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基などのアリール基;などを挙げることができる。なお、R14とR15で表される炭素数1〜20の炭化水素基は、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよいが、環状オレフィン開環重合体の繰返し単位中に存在する二重結合において、シス構造の割合を高くして、ゴム材料としての物性に優れる環状オレフィン開環重合体(A)を得る観点からは、少なくとも、R14で表される炭化水素基が、炭素原子が4個以上連続して結合してなるアルキル基であることが好ましく、特に、n−ブチル基、2−メチル−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基のいずれかであることが好ましい。
また、上記一般式(4)において、xは、0<x<3であるが、環状オレフィン開環重合体(A)の繰返し単位中に存在する二重結合において、シス構造の割合を高くして、ゴム材料としての特性に優れる環状オレフィン開環重合体(A)を得る観点からは、一般式(4)におけるxが、0.5<x<1.5の範囲である有機アルミニウム化合物を助触媒として用いることが好ましい。
モリブデン化合物やタングステン化合物を開環重合触媒として用いる場合の重合反応条件などは、ルテニウムカルベン錯体を用いる場合で述べた条件の範囲で適宜設定すればよい。
また、得られる環状オレフィン開環重合体(A)には、所望により、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などの老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤の添加量は、その種類などに応じて適宜決定すればよい。さらに、環状オレフィン開環重合体(A)には、所望により、伸展油を配合してもよい。
さらに、重合反応を行う際に、溶媒を用い、重合反応を溶媒中で行なった場合において、重合体溶液から、環状オレフィン開環重合体(A)を取得する方法としては、公知の方法を採用すればよく、特に限定されないが、たとえば、スチームストリッピングなどで溶媒を分離した後、固体をろ別し、さらにそれを乾燥して固形状ゴムを取得する方法などが採用できる。
<イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)>
本発明で用いるイソシアネート基含有シランカップリング剤(B)としては、イソシアネート基を有するシラン化合物であればよく、特に限定されないが、たとえば、一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
O=C=N−Y−Si(OR16(R173−p (5)
(上記一般式(5)中、R16およびR17は、それぞれ、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Yは炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。pは1〜3の整数である。)
上記一般式(5)において、R16およびR17は、それぞれ、炭素数1〜20の炭化水素基であり、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
上記一般式(5)において、Yは炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であることがより好ましい。
イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)の具体例としては、2−(トリメトキシシリル)エチルイソシアネート、3−(トリメトキシシリル)プロピルイソシアネート、4−(トリメトキシシリル)ブチルイソシアネート、6−(トリメトキシシリル)ヘキシルイソシアネート、8−(トリメトキシシリル)オクチルイソシアネート、2−(トリエトキシシリル)エチルイソシアネート、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、4−(トリエトキシシリル)ブチルイソシアネート、6−(トリエトキシシリル)ヘキシルイソシアネート、8−(トリエトキシシリル)オクチルイソシアネート、(ジメトキシメチルシリル)メチルイソシアネート、2−(ジメトキシメチルシリル)エチルイソシアネート、3−(ジメトキシメチルシリル)プロピルイソシアネート、4−(ジメトキシメチルシリル)ブチルイソシアネート、2−(ジエトキシメチルシリル)エチルイソシアネート、3−(ジエトキシメチルシリル)プロピルイソシアネート、4−(ジエトキシメチルシリル)ブチルイソシアネート、2−(ジメトキシエチルシリル)エチルイソシアネート、2−(ジエトキシエチルシリル)エチルイソシアネート、2−(ジエチルメトキシシリル)エチルイソシアネート、2−(ジメチルエトキシシリル)エチルイソシアネートなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物中における、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)の配合量は、ゴム組成物中の環状オレフィン開環重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは0.05〜25重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)の配合量を上記範囲とすることにより、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)を介した、環状オレフィン開環重合体(A)と、カーボンブラック(C)と親和性をより高めることができ、これにより、加工性および低発熱性の向上効果をより高めることができる。
<カーボンブラック(C)>
本発明のゴム組成物は、上述した環状オレフィン開環重合体(A)およびイソシアネート基含有シランカップリング剤(B)に加えて、カーボンブラック(C)を含有する。カーボンブラック(C)としては、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられる。これらの中でも、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、SAF−HS、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEF、T−HF、T−NSなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カーボンブラック(C)は、窒素吸着比表面積(NSA)が、好ましくは5〜200m/g、より好ましくは80〜130m/gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸着量は、好ましくは5〜300ml/100g、より好ましくは80〜160ml/100gである。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D−4820に準拠して、BET法にて測定することができる。
本発明のゴム組成物中における、カーボンブラック(C)の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜140重量部、さらに好ましくは15〜120重量部である。カーボンブラック(C)の配合量を上記範囲とすることにより、加工性および低発熱性の向上効果をより高めることができる。
また、本発明のゴム組成物には、カーボンブラック(C)に加えて、カーボンブラック(C)以外の無機粒子、たとえば、シリカを配合してもよい。
シリカとしては、特に限定されず、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカ・デュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。これらのなかでも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリカは、窒素吸着比表面積が、好ましくは50〜300m/g、より好ましくは80〜220m/g、特に好ましくは100〜170m/gである。また、シリカのpHは、7未満であることが好ましく、より好ましくは5〜6.9である。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠して、BET法にて測定することができる。
シリカを配合する場合における、本発明のゴム組成物中のシリカの配合量は、加工性と低発熱性とをバランスよく両立させるという観点より、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜140重量部、さらに好ましくは30〜120重量部である。また、本発明のゴム組成物中における、カーボンブラック(C)とシリカの合計の配合量は、加工性と低発熱性とをバランスよく両立させるという観点より、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは45〜120重量部である。
<架橋剤>
また、本発明のゴム組成物は、上述した環状オレフィン開環重合体(A)、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)、およびカーボンブラック(C)に加えて、さらに架橋剤を含有するものであることが好ましい。
架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄などのハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどの有機過酸化物;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリンなどの有機多価アミン化合物;メチロール基をもったアルキルフェノール樹脂;などが挙げられ、これらの中でも、硫黄が好ましい。これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明のゴム組成物中における、架橋剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
<その他の成分>
また、本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、環状オレフィン開環重合体(A)以外のゴムをさらに含んでいてもよい。環状オレフィン開環重合体(A)以外のゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合SBR(スチレン−ブタジエン共重合ゴム)、溶液重合ランダムSBR(結合スチレン5〜50重量%、ブタジエン部分の1,2−結合含有量10〜80%)、高トランスSBR(ブタジエン部のトランス結合含有量70〜95%)、低シスBR(ポリブタジエンゴム)、高シスBR、高トランスBR(ブタジエン部のトランス結合含有量70〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニルSBRブロック共重合ゴム、ポリイソプレン−SBRブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。なかでも、ゴム架橋物の物性を高めるという観点より、NR、BR、IR、SBRが好ましく、NRが特に好ましい。これらのゴムは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物が、ゴム成分として、環状オレフィン開環重合体(A)以外のゴムを含有する場合、当該環状オレフィン開環重合体(A)の割合を、ゴム組成物中のゴム成分の全量に対して、10重量%以上とすることが好ましく、20〜90重量%の範囲とすることがより好ましく、30〜80重量%の範囲とすることが特に好ましい。この割合が低すぎると、ゴム架橋物の物性に劣るおそれがある。
また、本発明のゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、架橋促進剤;架橋活性化剤;老化防止剤;活性剤;プロセス油;可塑剤;ワックス;シリカおよびカーボンブラック以外の充填剤;などの配合剤をそれぞれ必要量配合できる。
架橋促進剤としては、たとえば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系架橋促進剤;1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジン、1−オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系架橋促進剤;ジエチルチオウレアなどのチオウレア系架橋促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩などのチアゾール系架橋促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系架橋促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸系架橋促進剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサントゲン酸系架橋促進剤;などが挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが特に好ましい。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋促進剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
架橋活性化剤としては、たとえば、ステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛などを用いることができる。架橋活性化剤の配合量は適宜選択されるが、高級脂肪酸の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部であり、酸化亜鉛の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
プロセス油としては、鉱物油や合成油を用いてよい。鉱物油は、アロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイルなどが通常用いられる。
本発明のゴム組成物は、常法に従って各成分を混練することにより得ることができる。たとえば、架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤と環状オレフィン開環重合体(A)などのゴム成分とを混練後、その混練物に架橋剤と架橋促進剤とを混合してゴム組成物を得ることができる。架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤と環状オレフィン開環重合体(A)などのゴム成分との混練温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは120〜180℃であり、その混練時間は、好ましくは30秒間〜30分間である。架橋剤と架橋促進剤との混合は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下まで冷却後に行われる。
本発明のゴム組成物は、環状オレフィン開環重合体(A)が、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)を介して、カーボンブラック(C)に対して良好な親和性を示ことにより、ゴム組成物中においてカーボンブラック(C)が良好に分散したものであるため、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が、好ましくは25〜100、より好ましくは30〜95と低く抑えられたものであり、加工性に優れたものである。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明のゴム組成物を用い、たとえば、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜12時間、特に好ましくは3分〜6時間である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のゴム組成物を用いて得られるものであり、上述したように、本発明のゴム組成物は、環状オレフィン開環重合体(A)と、カーボンブラック(C)とが、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)を介して良好な親和性を示すものであり、これにより、カーボンブラック(C)が良好に分散されたものであり、加工時においては、優れた加工性を備え、しかも、これを用いて得られる本発明のゴム架橋物は、優れた低発熱性を有するものである。そして、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、たとえば、タイヤにおいて、キャップトレッド、ベーストレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位の材料;ホース、ベルト、マット、防振ゴム、その他の各種工業用品の材料;樹脂の耐衝撃性改良剤;樹脂フィルム緩衝剤;靴底;ゴム靴;ゴルフボール;玩具;などの各種用途に用いることができる。特に、本発明のゴム架橋物は、低発熱性に優れたものであることから、低燃費タイヤや、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、およびスタッドレスタイヤなどの各種タイヤなどのタイヤトレッド、サイドウォール、アンダートレッド、カーカス、ビート部などの材料として好適である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
<分子量>
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム HLC−8220(東ソー社製)で、HタイプカラムHZ−M(東ソー社製)二本を直列に連結して用い、テトラヒドロフランを溶媒として40℃で測定し、環状オレフィン開環重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレン換算値として測定した。なお、検出器は示差屈折計RI−8320(東ソー社製)を用いた。
<ガラス転移温度(Tg)>
環状オレフィン開環重合体のガラス転移温度(Tg)を、示差走査型熱量計(DSC,日立ハイテクサイエンス社製X−DSC7000)を用いて、−140℃〜40℃までを10℃/分の昇温で測定した。
<重合体鎖末端への官能基導入率>
環状オレフィン開環重合体の重クロロホルム溶液について、H−NMRスペクトル測定により、官能基特有のピーク積分値(製造例1では、トリエトキシシリル基特有のピーク積分値、製造例2では、水酸基特有のピーク積分値)およびオレフィン由来のピーク積分値の比率の測定を行なった。そして、測定したピーク積分値の比率、および上記したGPCによる数平均分子量(Mn)の測定結果に基づいて、重合体鎖末端への官能基導入率(トリエトキシシリル基導入率、水酸基導入率)を算出した。重合体鎖末端への官能基導入率は、環状オレフィン開環重合体鎖数に対する官能基の個数の割合とした。すなわち、官能基導入率=100%は、1分子の環状オレフィン開環重合体鎖に対し、1個の割合で官能基が導入されている状態を示し、官能基導入率=200%は、1分子の環状オレフィン開環重合体鎖の両末端に官能基が導入されている状態を示す。
<ゴム組成物のムーニー粘度>
ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)をJIS K6300に従って測定した。
<低発熱性>
ゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋することにより、試験片を作製し、得られた試験片について、粘弾性測定装置(商品名「ARES−G2」、ティー・エー・インスツルメント社製)を用い、せん断歪み2%、周波数10Hzの条件60℃におけるtanδを測定した。そして、得られた測定結果を、比較例1のサンプルの測定値を100とする指数で算出した。この指数が小さいほど、低発熱性に優れる。
(製造例1)両末端にトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A−1)の製造
窒素雰囲気下、攪拌子の入ったガラス容器に、1.0重量%のWCl/トルエン溶液580部、および2.5重量%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ヘキソキシド)/トルエン溶液285部を加え、15分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。
次いで、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン1500部および1,4−ビス(トリエトキシシリル)−2−ブテン6.2部を加え、ここに、上記にて調製した触媒溶液865部を加えて、20℃で4時間重合反応を行った。4時間後、重合溶液にエチルアルコールを加えて重合を停止した後、大過剰のエタノールに注いで、環状オレフィン開環重合体(A−1)の沈殿物を得た。そして、この沈殿物に、老化防止剤としてイルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を環状オレフィン開環重合体(A−1)100部に対して0.2部となるように添加した後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、両末端にトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A−1)375部を得た。得られた環状オレフィン開環重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は428,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.98、Tgは−105℃で、重合体鎖末端へのトリエトキシシリル基の導入率は、約200%であった。
(製造例2)両末端に水酸基を有する環状オレフィン開環重合体(A’−2)の製造
窒素雰囲気下、磁気攪拌子を入れた耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン300部、および2−ブテン−1,4−ジオール0.013部を加えた。次に、トルエン10部に溶解した(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.0062部を加え、0℃で10時間重合反応を行った。10時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のビニルエチルエーテルを加えて重合を停止した後、大過剰のイソプロパノールに注いで、環状オレフィン開環重合体(A’−2)の沈殿物を得た。次いで、この沈殿物を回収し、イソプロパノールで洗浄後、40℃で3日間、真空乾燥することにより、両末端に水酸基を有する環状オレフィン開環重合体(A’−2)195部を得た。得られた環状オレフィン開環重合体(A’−2)の重量平均分子量(Mw)は419,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.78、Tgは−95℃であった。重合体鎖末端への水酸基の導入率は192%であった。
(実施例1)
製造例1で得られた両末端にトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A−1)50部、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(イソシアネート基含有シランカップリング剤(B))1.5部および天然ゴム50部を、容量250mlのバンバリーミキサー中で、30秒間素練りし、次いで、HAF−HSカーボンブラック(商品名「シーストKH」、東海カーボン社製、カーボンブラック(C))50部およびプロセスオイル(商品名「アロマックス T−DAE」、新日本石油社製)5部を添加して、115℃を混練の開始温度として1.5分間混練後、酸化亜鉛(亜鉛華1号)3部、ステアリン酸(商品名「SA−300」、ADEKA社製)2部、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1部を添加し、2.5分混練して、混練終了後、バンバリーミキサーからゴム混練物を排出させた。そして、得られたゴム混練物を、室温まで冷却した後、再度、バンバリーミキサー中で、3分間混練し、混練終了後、バンバリーミキサーからゴム混練物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られたゴム混練物に、硫黄1.5部、およびN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS」、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)1.1部を混練することにより、シート状のゴム組成物を得た。
そして、得られたゴム組成物を用いて、上記方法にしたがって、ムーニー粘度および低発熱性の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
製造例1にて得られた両末端にトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A−1)50部、および天然ゴム50部を、容量250mlのバンバリーミキサー中で、30秒間素練りし、次いで、HAF−HSカーボンブラック(商品名「シーストKH」、東海カーボン社製、カーボンブラック(C))50部、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(イソシアネート基含有シランカップリング剤(B))2.5部およびプロセスオイル(商品名「アロマックス T−DAE」、新日本石油社製)5部を添加して、115℃を混練の開始温度として1.5分間混練後、酸化亜鉛(亜鉛華1号)3部、ステアリン酸(商品名「SA−300」、ADEKA社製)2部、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1部を添加し、2.5分混練して、混練終了後、バンバリーミキサーからゴム混練物を排出させた。そして、得られたゴム混練物を、室温まで冷却した後、再度、バンバリーミキサー中で、3分間混練し、混練終了後、バンバリーミキサーからゴム混練物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られたゴム混練物に、硫黄1.5部、およびN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS」、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)1.1部を混練することにより、シート状のゴム組成物を得た。
そして、得られたゴム組成物を用いて、上記方法にしたがって、ムーニー粘度および低発熱性の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート2.5部に代えて、3−(トリメトキシシリル)プロピルイソシアネート(イソシアネート基含有シランカップリング剤(B))0.5部を使用した以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート2.5部に代えて、(ジメトキシメチルシリル)メチルイソシアネート(イソシアネート基含有シランカップリング剤(B))2.5部を使用した以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
製造例1で得られた両末端にトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A−1)50部、および天然ゴム50部を、容量250mlのバンバリーミキサー中で、30秒間素練りし、次いでシリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ソルベイ社製)30部、および3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート1.5部を添加した。次いで、80℃を混練の開始温度として、1.5分間混練後、FEFカーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製)20部、プロセスオイル(商品名「フッコール エラミック30」、新日本石油社製)5部、酸化亜鉛(亜鉛華1号)3部、ステアリン酸(商品名「SA−300」、ADEKA社製)2部、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)2部、およびワックス(商品名「サンノック」、大内新興化学工業社製)2部を添加し、2.5分混練して、混練終了後、バンバリーミキサーからゴム混練物を排出させた。そして、得られたゴム混練物を、室温まで冷却した後、再度、バンバリーミキサー中で、3分間混練し、混練終了後、バンバリーミキサーからゴム混練物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られたゴム混練物に、硫黄2部、および架橋促進剤(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS」、大内新興化学工業社製)1.5部と1,3−ジフェニルグアニジン(商品名「ノクセラーD」、大内新興化学工業社製)0.5部との混合物)2部を混練することにより、シート状のゴム組成物を得た。
そして、得られたゴム組成物を用いて、上記方法にしたがって、ムーニー粘度および低発熱性の測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート2.5部を配合しなかった以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
両末端にトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A−1)50部に代えて、製造例2で得られた両末端に水酸基を有する環状オレフィン開環重合体(A’−2)50部を使用した以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017119752
表1に示す結果より、重合体鎖末端にオキシシリル基としてのトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体と、イソシアネート基含有シランカップリング剤と、カーボンブラックとを含有するゴム組成物は、ムーニー粘度が低く、ゴム組成物としての加工性に優れ、また、得られるゴム架橋物は、低発熱性に優れるものであった(実施例1〜5)。
一方、イソシアネート基含有シランカップリング剤を配合しなかった場合には、ゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、ゴム組成物としての加工性に劣るものであった(比較例1)。
さらに、重合体鎖末端にオキシシリル基としてのトリエトキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体に代えて、重合体鎖末端に水酸基を有する環状オレフィン開環重合体を使用した場合には、イソシアネート基含有シランカップリング剤を配合しても、ゴム組成物のムーニー粘度は低くなるものの、ゴム架橋物とした際の低発熱性に劣るものであった(比較例2)。

Claims (4)

  1. 重合体鎖末端にオキシシリル基を有する環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基含有シランカップリング剤(B)と、カーボンブラック(C)とを含有するゴム組成物。
  2. 架橋剤をさらに含有する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項2に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  4. 請求項3に記載のゴム架橋物を含んでなるタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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