JP2019142824A - 整髪剤組成物 - Google Patents

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【課題】 ボリューム感のある整髪力、そのスタイリングのキープ力等が優れるという従来から評価される特性を確保したもとで、バサバサ感のあるドライな仕上がりを得るゲル状の整髪剤組成物を提供する。【解決手段】 (A)無機金属塩1〜50質量%、(B)スメクタイト族粘土鉱物及び(C)水を含有し、ゲル状である整髪剤組成物。より好ましくは、(B)成分が合成ヘクトライトであり、更に好ましくは(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が0.5〜10である。【選択図】 なし

Description

本発明は整髪剤組成物に関し、更に詳しくは、水と共に粘土鉱物を配合したゲル状の整髪剤組成物に関する。
従来から、ゲル形成能を有する一定の粘土鉱物を水と共に配合したゲル状の整髪剤組成物が知られている。粘土鉱物を用いて形成したゲルはチクソトロピー性(剪断応力を受けた状態では粘度が低下する性質)を示す。そのため、例えば、噴霧容器を用いて低粘度下で霧状に吐出し、毛髪に対して広範囲に均一に塗布できる反面、塗布後は相対的に高粘度となって毛髪からの垂れ落ちがなく、操作性も良好であるという利点がある。また、粘土鉱物を配合した整髪剤はベタつきが少なく、セット力が高いという利点もある。
例えば、下記の特許文献1はヘクトライト等の水膨潤性粘土鉱物、水及びカルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子を含有するゲル状ミスト組成物を提案している。特許文献2はスメクタイト族粘土鉱物と共に無水ケイ酸あるいは疎水化無水ケイ酸を含有するジェル状の整髪剤用ミスト組成物を提案し、特許文献3も特許文献2の発明と類似した組成のジェル状整髪剤用組成物を提案している。
特開2003−137729号公報 特許第5414659号公報 特許第5823114号公報
ところで、最近、整髪用組成物において「束っぽくバサバサとしたドライな質感」という斬新な整髪感が注目されている。この整髪感は、例えば頭部に風を受けて頭髪が搖れる際に、髪の毛が一本ずつバラバラにならず数十〜数百本ずつの束となり豊かな搖動感を伴ってバサバサとしなやかに搖れる状態をいう。しかも、その毛髪の束はべたつきがなく、ドライであるがゴワつきのない質量感を与える。このような整髪感を、以下、「バサバサ感」ともいう。
上記の特許文献1に係るゲル状ミスト組成物は、ヘクトライト等の水膨潤性粘土鉱物を配合するため、ベタつきがなく、ゲルの離水性が抑制されてゲルの安定性も期待できる、としている。上記の特許文献2、3に係るジェル状整髪剤用ミスト組成物あるいはジェル状整髪剤用組成物は、スメクタイト族粘土鉱物と共に無水ケイ酸あるいは疎水化無水ケイ酸を含有するため、ベタつきのないドライな仕上がりとなり整髪力も期待できる、としている。しかし、特許文献1〜3に開示された従来の整髪用組成物は、いずれも、バサバサ感、即ち束っぽくバサバサとしたドライな質感を実現できなかった。
そこで本発明は、ボリューム感のある整髪力、そのスタイリングのキープ力、容器吐出性及び毛髪塗布性が優れるという従来から評価される特性を確保したもとで、バサバサ感のあるドライな仕上がりを得るゲル状の整髪剤組成物を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
本願発明者は、「束っぽくバサバサとしたドライな質感」の実現という新規な評価基準に立脚して多くの試行錯誤を重ねた結果、高配合の無機金属塩とスメクタイト族粘土鉱物(特に合成粘土鉱物)との組合せ配合に係るゲル状整髪剤によって課題を解決できることを究明し、本願発明を完成した。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明は、(A)無機金属塩1〜50質量%、(B)スメクタイト族粘土鉱物及び(C)水を含有し、ゲル状である整髪剤組成物である。
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明においては、前記第1発明に係る整髪剤組成物が、せん断応力の作用下に吐出して使用されるものである。
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明においては、前記第1発明又は第2発明に係る整髪剤組成物の(B)成分が合成ヘクトライトである。
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明においては、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る整髪剤組成物の(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が0.5〜10である。
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明においては、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る整髪剤組成物が(A)成分として2価以上の金属の塩を含む。
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための本願第6発明においては、前記第1発明〜第5発明のいずれかに係る整髪剤組成物が(A)成分として1価の金属の塩と2価以上の金属の塩を含む。
(本願発明の効果)
本願の各請求項に係る発明の効果は下記の通りであるが、本願発明全体としての効果は次のように考えている。
即ち、本願発明の整髪剤組成物は、(B)スメクタイト族粘土鉱物及び(C)水を含有するため、良好な整髪力やキープ力を示すチクソトロピー性のゲルを形成する。そして、更に無機材料として(A)無機金属塩を1〜50質量%という高い配合レベルで配合するため、バサバサ感が向上する。従って、(A)〜(C)成分の配合により、上記の整髪力やキープ力を維持したままで、ユニークなバサバサ感が実現される。同時に、良好なボリューム感も得られる。これらの種々の特性は、質量比(A)/(B)の調整や、(A)成分の種類の選択により、更に好ましく実現される。
(第1発明の効果)
第1発明の整髪剤組成物は(A)無機金属塩1〜50質量%、(B)スメクタイト族粘土鉱物及び(C)水を含有するので、ボリューム感のある整髪力や、そのスタイリングのキープ力等も優れる点に加え、バサバサ感のあるドライな仕上がりを得ることができる。
特許文献2、3に関して前記したように、整髪剤組成物にスメクタイト族の粘土鉱物と無水ケイ酸を配合すると、ベタつきのないドライな仕上がりとなるが、「束っぽくバサバサとしたドライな質感」即ちバサバサ感は実現できない。本願発明者は、(B)スメクタイト族粘土鉱物と共に(A)無機金属塩を配合することにより、バサバサ感を実現することに成功した。
但し、(A)成分の含有量が少量であると、良好なバサバサ感を実現できず、毛髪のボリューム感も不足しがちとなるため、(A)成分を1質量%以上配合する必要がある。一方、(A)成分を50質量%を超えて配合すると、無機金属塩が過剰のためゲルが不安定化して使用感が低下し、あるいは塩が析出する恐れがある。
また、スメクタイト族以外の粘土鉱物を配合した場合はゲル形成力が不足したり、ゲルの耐塩性が不十分であったりする。特許文献2、3の例から分かるように、(A)成分に代えて金属塩ではない無機物を配合しても、バサバサ感は得られない。
(第2発明の効果)
本発明のゲル状整髪剤組成物の使用形態は限定されず、例えばチューブ容器等に収容して使用時に絞り出し、櫛等を用いて毛髪に塗布することもできる。しかし、噴霧容器によるミスト状吐出、又はポンプ容器によるゲル押出し吐出等の使用形態とすると、吐出時にはせん断応力が作用してゲルが流動し易いため容易に吐出でき、毛髪への塗布後は相対的に高粘度のゲルとなって毛髪からの垂れ落ちがないという良好な操作性が得られる。
(第3発明の効果)
(B)成分であるスメクタイト族粘土鉱物としては、不純物の混入が少ない合成粘土鉱物が好ましい。スメクタイト族粘土鉱物の種類は限定されないが、ゲル形成力やゲルの耐塩性の面でヘクトライトが好ましい。従って、(B)成分としては合成ヘクトライトが特に好ましい。
(第4発明の効果)
整髪剤組成物における(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)は限定されないが、この質量比を0.5〜10の範囲内として(A)成分と(B)成分のバランスを保つことで、ボリューム感のある整髪力や、そのスタイルのキープ力、バサバサ感などを特に良好に実現することができる。
(第5発明の効果)
(A)無機金属塩の種類は限定されないが、アルカリ土類金属塩等の2価以上の金属の塩を含有することが、バサバサ感を良好に実現するために特に好ましい。
(第6発明の効果)
(A)無機金属塩の種類としては、2価以上の金属の塩と、アルカリ金属塩等の1価の金属の塩を併せ含有することが、ボリューム感とバサバサ感を良好に実現するためにとりわけ好ましい。
以下に本発明の実施形態をその最良の形態を含めて説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施形態によって限定されない。
〔整髪剤組成物〕
本発明の整髪剤組成物は、(A)無機金属塩1〜50%、(B)スメクタイト族の粘土鉱物及び(C)水を含有し、ゲル状である。これらの含有成分の他にも、後述する種々の成分を任意に配合することができる。
〔(A)成分〕
(A)成分は無機金属塩、即ち無機酸と金属との塩である。無機酸としては、限定はされないが、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等を例示できるが、特に塩酸、硫酸が好ましい。金属としては、限定はされないが、1価金属としてナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、2価以上の金属としてマグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属や、アルミニウム、亜鉛等を好ましく例示できる。
整髪剤組成物における(A)成分の含有量は、「第1発明の効果」欄で前記した理由から1〜50質量%の範囲内であるが、より好ましくは3〜30量%の範囲内、特に好ましくは5〜20質量%の範囲内である。
無機金属塩としては、上記の各種無機酸と各種金属との任意の組み合わせに係るものを使用できるが、例えば塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硝酸カリウム(KNO3)、塩化マグネシウム(MgCl2)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化アルミニウム(AlCl3)、硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3)、硫酸アルミニウム・カリウム(ミョウバン:AlK(SO4)2)、ピロリン酸マグネシウム(Mg2P2O7)等を例示することができる。無機金属塩としては、その他に、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の多数種類の塩が含まれた食塩、海塩又は岩塩等も例示できる。無機金属塩は1種類のみを配合しても良く、2種類以上を併せ配合しても良い。以下、単に「金属塩」あるいは「金属の塩」という場合は無機金属塩を意味する。
2種類以上の金属塩を併せ配合する場合において、1価の金属の塩と2価以上の金属の塩を併せ配合することが、「第6発明の効果」欄で前記した理由から特に好ましい。この場合、前記した金属塩の配合効果(整髪力、キープ力及びバサバサ感)の内、1価の金属の塩が特にボリューム感の向上に貢献し、2価以上の金属の塩が特にバサバサ感の実現に貢献して、結果的に金属塩の配合効果が特に好ましく発現する。
そして、2価以上の金属の塩の配合量に対する1価の金属の塩の配合量の質量比(1価/2価以上)が0.01〜50の範囲内、より好ましくは0.05〜10の範囲内、特に好ましくは0.1〜5の範囲内であることが、バサバサ感とボリューム感のバランスの面で好ましい。
〔(B)成分〕
(B)成分はスメクタイト族の粘土鉱物であり、ヘクトライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト等が例示されるが、ヘクトライトが特に好ましい。また、天然のスメクタイト族粘土鉱物は不純物が多いため、水熱合成法等により合成されたものが好ましい。従って、とりわけ、合成ヘクトライトが好ましい。合成ヘクトライトの具体例としてはケイ酸(Li/Mg/Na)、ケイ酸(Al/Mg)、ケイ酸(Na/Mg)、フルオロケイ酸(Na/Mg)等が例示され、例えばクニミネ工業(株)のスメクトン(商標)-SWN、スメクトン(商標)-SWN-L、スメクトン(商標)-SA、スメクトン(商標)-ST、ラポナイト XLG -XR、ラポナイト XL-21を例示できる。特に好ましくは、ケイ酸(Li/Mg/Na)であるスメクトン(商標)-SWN、スメクトン(商標)-SWN-Lを例示できる。
整髪剤組成物における(B)成分の含有量は、1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは2〜5質量%の範囲内である。(B)成分の含有量が上記の含有量範囲の下限値以上であることは、整髪のキープ力やゲル安定性の面から、上限値以下であることは、バサバサ感や使用感のために好適なゲルの柔らかさの面から、それぞれ好ましい。
〔(A)成分と(B)成分の含有量比率〕
整髪剤組成物における(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)は、「第3発明の効果」の欄で前記した理由から、好ましくは0.5〜10の範囲内であり、より好ましくは1〜8.5の範囲内である。
〔(C)成分〕
(C)成分である水は整髪剤組成物をゲル状とするための必須成分であるが、その含有量は特段に限定されないが、粘土鉱物の分散、無機金属塩の溶解等の面から、20質量%以上であることが好ましい。
〔整髪剤組成物におけるその他の成分〕
本願発明の整髪剤組成物には、本願発明の効果を損なわない限りにおいて、(A)成分以外の各種の無機成分や、(B)成分以外の各種の粘土鉱物を、適宜な量的制限下に配合することができる。
(A)成分以外の無機成分として、シリカ、無水ケイ酸、無水ケイ酸表面をシリコーン類で疎水化処理した疎水化無水ケイ酸等を例示することができる。(B)成分以外の粘土鉱物として、アロフェン、イモゴライト、タルク、ゼオライト等の非晶質粘土鉱物、カオリナイト、ハロイサイト、バーミキュライト等の結晶質粘土鉱物等を例示することができる。
本願発明の整髪剤組成物には、本願発明の効果を損なわない限りにおいて、上記以外にも、油剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、セット樹脂、シリコーン等を配合できる。
油剤としてはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールや、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素や、オクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、乳酸セチル、酢酸ラノリン等のエステル油や、アボガド油、椿油、マカデミアナッツ油等の植物油や、キャンデリラロウ、ミツロウ、鯨ロウ等の動物油を例示できる。
セット樹脂としては、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP、アクリル樹脂アルカノールアミン〔(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPなど〕、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール共重合体、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリウレタン−14などを例示できる。
シリコーンとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンなどを例示できる。
増粘剤としてはカルボキシビニルポリマー、カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド)コポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸などを例示できる。pH調整剤としては水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、各種有機酸を例示できる。界面活性剤としてはアニオン性、カチオン性、両性またはノニオン性の各種界面活性剤を例示できる。
更に本願発明の整髪剤組成物には、本願発明の効果を損なわない限りにおいて、各種の保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、防腐剤、香料、抗菌剤、酸化防止剤、色素等の整髪剤に配合されることがある各種の公知成分を任意に配合することができる。
〔整髪剤組成物の使用形態〕
本願発明のゲル状整髪剤組成物の使用形態は限定されないが、特に好ましくは、噴霧容器(ミスト容器)に収容し、ミスト状(霧状)に吐出して毛髪に塗布される。噴霧容器の種類には限定がなく、例えばポンプ式のディスペンサーやトリガー式のディスペンサー等を使用できる。手動式のポンプ押出し容器等を用いて、ミスト状ではなくゲル状液体のままで吐出口から押出し、櫛やブラシを用いて毛髪に塗布することもできる。単なるチューブ容器等に収容して、使用の際に必要量を絞り出しブラシ等を用いて頭髪に適用することもできる。
次に本発明の実施例及び比較例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例や比較例によって限定されない。
〔整髪剤組成物の調製〕
末尾の表1〜表3に示す実施例1〜実施例16及び比較例1〜比較例5に係る整髪剤組成物を常法に従い調製した。これらの整髪剤組成物は比較例1、4を除き全てゲル状である。
各表の成分名の欄に示す各成分に関して、本願発明の(A)成分、(B)成分に該当する成分については、それぞれ表の左欄外に(A)、(B)の記号を付記した。また、(A)成分に対する比較用の成分には(a)、(B)成分に対する比較用の成分には(b)の記号を、それぞれ表の左欄外に付記した。なお、表に示す「ヘクトライト」としては、クニミネ工業(株)製のスメクトン-SWNを用い、「サポナイト」としてはクニミネ工業(株)製のスメクトン-SAを用い、「カオリナイト」としては和光純薬工業製のカオリンを用いている。
表中の各成分の含有量を示す数値の単位は質量%である。表中の各実施例、各比較例に係る整髪剤組成物に関して、「(A)含有量」の欄は(A)成分の含有量を意味し、「(B)含有量」の欄は(B)成分の含有量を意味し、「(A)/(B)」の欄は(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比を意味する。更に、「(1価)/(2価以上)」の欄は、各実施例、各比較例に係る整髪剤組成物における2価以上の金属の塩の配合量に対する1価の金属の塩の配合量の質量比を意味する。
〔整髪剤組成物の評価〕
10名の専門のパネラーがそれぞれ、実施例1〜実施例16及び比較例1〜比較例5に係る整髪剤組成物を、ポンプ式ミスト容器(Y-150、吉野工業所社製、吐出量0.1mL/1プッシュ)を用いて評価用のセミロングのウィッグに対して整髪剤組成物1グラムを均一に塗布して一定の整髪を行った後、ウィッグに対する手触りにより下記の「バサバサ感」、「ボリューム感」及び「キープ力」を評価した。
(バサバサ感)
整髪されたウィッグに「束っぽくバサバサとしたドライな質感」、即ちバサバサ感があるか否かを評価した。10名のパネラー中、「バサバサ感がある」と評価したパネラーが8名以上であった場合には「極めて良好である」として4ポイントを与え、6〜7名であった場合には「良好である」として3ポイントを与え、4〜5名であった場合には「やや悪い」として2ポイントを与え、3名以下であった場合には「悪い」として1ポイントを与えた。その結果を各表の「バサバサ感」の欄に表記した。
(ボリューム感)
整髪されたウィッグにボリューム感があるか否かを評価した。10名のパネラー中、「ボリューム感がある」と評価したパネラーが8名以上であった場合には「極めて良好である」として4ポイントを与え、6〜7名であった場合には「良好である」として3ポイントを与え、4〜5名であった場合には「やや悪い」として2ポイントを与え、3名以下であった場合には「悪い」として1ポイントを与えた。その結果を各表の「ボリューム感」の欄に表記した。
(キープ力)
整髪されたウィッグにキープ力があるか否かを評価した。10名のパネラー中、「キープ力がある」と評価したパネラーが8名以上であった場合には「極めて良好である」として4ポイントを与え、6〜7名であった場合には「良好である」として3ポイントを与え、4〜5名であった場合には「やや悪い」として2ポイントを与え、3名以下であった場合には「悪い」として1ポイントを与えた。その結果を各表の「キープ力」の欄に表記した。
〔使用感の確認〕
前記各実施例に係るゲル状整髪剤組成物のミスト容器からの吐出の容易さ及びウィッグへの均一塗布の容易さを評価したところ、いずれも良好であった。
〔上記以外の処方例〕
上記実施例1〜実施例16以外の本発明の処方例1〜3を末尾の表4に示す。これらの表中の各成分の含有量を示す数値の単位は質量%である。また、処方例1の成分名「DPG」はジプロピレングリコールを、処方例2の成分名「BG」はブチレングリコールを、処方例3の成分名「PG」はプロピレングリコールを、それぞれ意味する。
Figure 2019142824
Figure 2019142824
Figure 2019142824
Figure 2019142824
本願発明によれば、ボリューム感のある整髪力、そのスタイリングのキープ力等の従来から評価される特性を確保したもとで、バサバサ感のあるドライな仕上がりを得るゲル状の整髪剤組成物が提供される。

Claims (6)

  1. (A)無機金属塩1〜50質量%、(B)スメクタイト族粘土鉱物及び(C)水を含有し、ゲル状である整髪剤組成物。
  2. 前記整髪剤組成物が、せん断応力の作用下に吐出して使用されるものである請求項1に記載の整髪剤組成物。
  3. 前記(B)成分が合成ヘクトライトである請求項1又は請求項2に記載の整髪剤組成物。
  4. 前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の比率(A)/(B)が0.5〜10である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の整髪剤組成物。
  5. 前記(A)成分として2価以上の金属の塩を含む請求項1〜請求項4のいずれかに記載の整髪剤組成物。
  6. 前記(A)成分として1価の金属の塩と2価以上の金属の塩を含む請求項1〜請求項5のいずれかに記載の整髪剤組成物。

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