JP2019142237A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電層の同じ面に配置される2種類の共通電極の電位をそれぞれ均一にする。【解決手段】圧電層42の上面には、共通電極44、45が配置されている。共通電極44は、紙送り方向に2列に配列された複数の個別電極43の略中央部と対向する複数の対向部44aと、各列の対向部を互いに接続する2つの接続部44bと、2つの接続部の上端部を互いに接続する連結部44cを備えている。共通電極45は、2つの接続部と連結部とにより三方を囲まれるように配置されている。共通電極44、45には、振動板41の上面に引き出された配線47a〜47dが接続されており、このうち、配線47eは、共通電極44、45を覆うように圧電層42の上面に配置された絶縁層の上面において、絶縁層に形成された貫通孔46aを介して共通電極44に接続されているとともに連結部をまたいで延びている。【選択図】図4

Description

本発明は、圧電層が個別電極と共通電極とにより挟まれた構造を有する圧電アクチュエ
ータに関する。
特許文献1には、流路ユニットの上端に配置されたトッププレート(振動板)上に圧電層が積層されており、これらの圧電層の一方の面に、圧力室と対向する個別電極が配置され、他方の面に個別電極の略中央部に対向する第1の定電位電極、及び、個別電極の短手方向の両端部と対向する第2の定電位電極が配置された圧電アクチュエータが記載されている。そして、このような構成を有する圧電アクチュエータにおいては、圧電層の個別電極と第1定電位電極と対向する部分、及び、個別電極と第2定電位電極と対向する部分が同時に変形することにより、圧電層及び振動板の圧力室に対向する部分が変形するようになっており、これにより、圧電層のある圧力室と対向する部分の変形が他の圧力室と対向する部分に伝播する、いわゆるクロストークを防止することができるようになっている。
また、特許文献2には、振動板の上面に圧電層が積層されており、圧電層の振動板側の面における一方向に沿って2列に配列された圧力室に対向する部分に個別電極が配置されているとともに、圧電層の振動板と反対側の面に、複数の圧力室にまたがって連続的に延びた共通電極が配置されており、これらの電極に接続された配線が、振動板の上面に引き出されて、同じく、振動板の上面に配置されたドライバICに接続された圧電アクチュエータが記載されている。そして、このような構成の圧電アクチュエータにおいては、数の多い個別電極に接続される配線が、個別電極が配置されているのと同じ面上を引き回されてドライバICに接続されているので、個別電極とドライバICとの接続の信頼性が高くなる。
特開2009−96173号公報(図16) 特開2006−6096号公報
本願の発明者は、上記特許文献1、2に記載の圧電アクチュエータから、2種類の共通電極に接続される配線が、振動板の上面に引き出されてドライバICに接続された圧電アクチュエータを考えた。このような構成の圧電アクチュエータでは、特許文献1に記載されているのと同様、クロストークを防止することもでき、さらに、上記2種類の共通電極を圧電層の振動板と反対側に配置するとともに、複数の個別電極を圧電層の振動板側の面に配置すれば、特許文献2に記載されているのと同様、数の多い個別電極に接続される配線が、個別電極が配置されているのと同じ面上を引き回されてドライバICに接続されることとなり、個別電極とドライバICとの接続の信頼性が高くなる。
ここで、圧電アクチュエータにおいては、各圧力室に対応する部分の駆動特性を均一にするため、共通電極の電位が、すべての部分において均一であることが好ましい。共通電極に対して、1箇所に配線を接続した場合には、配線と接続された部分から電気的に接続されている距離が長くなるほど、共通電極において電圧が降下することとなる。この電圧降下を抑制するために、共通電極において、互いに離隔した複数箇所に配線を接続する必要がある。
また、上記2種類の共通電極は、一方向に2列に配列された圧力室(個別電極)に対応して設けられたものであるため、2種類の共通電極のうちの少なくとも一方は、各列の個別電極に対応する2つの部分が、上記一方向と直交する方向に関して、他方の共通電極を挟んで互いに離隔して配置されることになる。したがって、これら互いに離隔した2つの部分間で電位を均一にするために、これらの部分を互いに導通させる必要がある。
上記互いに離隔した部分を有する共通電極を、これらの部分を導通させる部分がないものとした場合には、圧電層の共通電極が配置された面上において、2種類の共通電極に、それぞれ、互いに離隔した部分に配線を接続することが可能である。しかしながら、この場合には、上記互いに離隔した部分の間で電位のばらつきが生じてしまう虞がある。
本発明の目的は、圧電層の同じ面に互いに異なる電位に保持された2種類の共通電極が配置された構成を有しているとともに、2種類の共通電極の電位を、それぞれ、全ての部分において均一にすることが可能な圧電アクチュエータを提供することである。
第1の発明に係る圧電アクチュエータは、振動板と、前記振動板上に積層された圧電層と、前記圧電層の一方の面に配置された複数の個別電極と、前記圧電層の前記複数の個別電極と反対側の面に配置されているとともに、互いに異なる電位に保持された第1共通電極及び第2共通電極と、前記振動板上に配置され、前記第1共通電極と接続される複数の第1配線部と、前記第1共通電極と前記複数の第1配線部をそれぞれ接続する複数の第1接続配線と、前記振動板上に配置され、前記第2共通電極と接続される複数の第2配線部と、前記第2共通電極と前記複数の第2配線部をそれぞれ接続する複数の第2接続配線と、備えており、前記複数の個別電極は、一方向に沿って2列に配列されており、前記第1共通電極は、前記複数の個別電極のそれぞれにおける一部分と対向する複数の第1対向部と、前記複数の第1対向部をそれぞれ互いに接続する第1接続部とを有しており、前記第2共通電極は、前記複数の個別電極のそれぞれにおける前記一部分とは別の部分と対向する複数の第2対向部と、前記複数の第2対向部をそれぞれ互いに接続する第2接続部を有しており、前記複数の第1接続配線は、前記第1接続部における互いに離隔した複数箇所に接続されており、前記複数の第2接続配線は、前記第2接続部における互いに離隔した複数個所に接続されており、前記第1接続配線の少なくとも1つが、前記第2接続部をまたいで前記第1接続部と前記第1配線部を接続するように配置されているか、または、前記第2接続配線の少なくとも1つが前記第1接続部をまたいで前記第2接続部と前記第2配線部を接続するように配置されていることを特徴とするものである。
これによると、第2接続部をまたいで第1接続部と第1配線部とを接続する第1接続配線、または、第1接続部をまたいで第2接続部と第2配線部とを接続する第2接続配線のいずれかを設けることにより、圧電層の同じ面に配置された第1及び第2共通電極の互いに離隔した複数箇所に第1及び第2接続配線を接続することができ、第1、第2共通電極の電位をそれぞれ均一にすることができる。
第2の発明に係る圧電アクチュエータは、第1の発明に係る圧電アクチュエータであって、前記第1接続配線の少なくとも1つが、前記第2接続部をまたいで前記第1接続部と前記第1配線部を接続するように配置されているとともに、前記第1接続配線と前記第2接続部とが絶縁材料を介して隔離されているか、または、前記第2配線部材の少なくとも1つが、前記第1接続部をまたいで前記第2接続部と前記第2配線部を接続するように配置されているとともに、前記第2配線部材と前記第1接続部とが絶縁材料を介して隔離されていることを特徴とするものである。
これによると、第1接続配線が第2接続部をまたいでいる場合には、第1接続配線と第2接続部とが絶縁材料を介して隔離されているため、第1接続配線と第2接続部とが導通してしまうのを防止することができ、第2接続配線が第1接続部をまたいでいる場合には、第1接続部と第2接続配線とが絶縁材料を介して隔離されているため、第1接続配線と第2接続部とが導通してしまうのを防止することができる。
第3の発明に係る圧電アクチュエータは、第2の発明に係る圧電アクチュエータであって、前記圧電層の前記複数の個別電極と反対側の面に配置された絶縁層をさらに備えており、前記絶縁層が前記第2接続部を覆っているとともに、前記複数の第1接続配線の前記少なくとも1つにおける前記第2接続部をまたいでいる部分が、前記絶縁層の前記圧電層と反対側の面上に配置されているか、または、前記絶縁層が前記第1接続部を覆っているとともに、前記複数の第2接続配線の前記少なくとも1つにおける前記第1接続部をまたいでいる部分が、前記絶縁層の前記圧電層と反対側の面上に配置されていることを特徴とするものである。
これによると、第1接続配線が第2接続部をまたいでいる場合には、第1接続配線と第2接続部の間に絶縁層が配置されており、第2接続配線が第1接続部をまたいでいる場合には、第1接続部と第2接続配線との間に絶縁層が配置されているため、圧電アクチュエータの厚さを薄くすることができる。
第4の発明に係る圧電アクチュエータは、振動板と、前記振動板上に積層された圧電層と、前記圧電層の一方の面に配置された複数の個別電極と、前記圧電層の前記複数の個別電極と反対側の面に配置されているとともに、互いに異なる電位に保持された第1共通電極及び第2共通電極と、前記振動板上に配置され、前記第1共通電極と接続される複数の第1配線部と、前記第1共通電極と前記第1配線部を接続する複数の第1接続配線と、前記振動板上に配置され、前記第2共通電極と接続される複数の第2配線部と、前記第2共通電極と前記第2配線部を接続する複数の第2接続配線と、を備えており、前記複数の個別電極は、一方向に沿って2列に配列されており、前記第1共通電極は、前記複数の個別電極のそれぞれにおける一部分と対向する複数の第1対向部と、少なくとも2つの前記第1対向部をそれぞれ互いに接続する2以上の第3接続部とを有しており、前記第2共通電極は、前記複数の個別電極のそれぞれにおける前記一部分とは別の部分と対向する複数の第2対向部と、前記複数の第2対向部をそれぞれ互いに接続する第2接続部とを有しており、各第3接続部に前記第1接続配線が接続されており、前記複数の第1接続配線と前記2以上の第3接続部との接続箇所は、互いに離隔しており、前記複数の第2接続配線は、前記第2接続部における互いに離隔した複数個所に接続されており、前記2以上の第3接続部は、前記第2共通電極をまたいで延びたバイパス配線を介して互いに接続されていることを特徴とするものである。
これによると、第1共通電極においては、互いに離隔した複数箇所に第1接続配線が接続されているとともに、2以上の第1接続部が、第2共通電極をまたいで延びたバイパス配線を介して互いに接続されているため、その電位が均一になる。また、第2共通電極においては、互いに離隔した複数箇所に第2接続配線が接続されているため、その電位が均一になる。
第5の発明に係る圧電アクチュエータは、第4の発明に係る圧電アクチュエータであって、前記バイパス配線が、絶縁材料を介して前記第2共通電極と隔離されていることを特徴とするものである。
これによると、バイパス配線と第2共通電極との間に絶縁材料が配置されているため、バイパス配線と第2共通電極とが導通してしまうのを防止することができる。
第6の発明に係る圧電アクチュエータは、第5の発明に係る圧電アクチュエータであって、前記圧電層の前記複数の個別電極と反対側の面に配置されており、前記第2共通電極の少なくとも一部を覆う絶縁層をさらに備えており、前記バイパス配線が、前記絶縁層の前記圧電層と反対側の面上に配置されていることを特徴とするものである。
これによると、バイパス配線と第2共通電極との間に絶縁層が配置されているため、圧電アクチュエータの厚さを薄くすることができる。
第7の発明に係る圧電アクチュエータは、第1〜第4のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータであって、前記複数の個別電極が、前記圧電層の前記振動板側の面に配置されており、前記複数の個別電極に接続された配線部、前記第1配線部及び前記第2配線部が、前記振動板の前記圧電層側の面に配置されたドライバICに接続されていることを特徴とするものである。
これによると、圧電層の振動板側の面と、振動板の圧電層側の面とは、これらの積層方向に関して同じ位置にある面であるので、数の多い個別電極に接続される配線部が、個別電極が形成されているのと同じ面内に引き出されることとなり、これにより、個別電極と配線との接続の信頼性が高くなる。
本発明によれば、圧電層の同じ面に配置された第1共通電極及び第2共通電極の電位をそれぞれ均一にすることができる。
第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2における振動板の上面の平面図である。 図2における圧電層の上面の平面図である。 図2のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 変形例1の図4相当の図である。 変形例2の図6相当の図である。 変形例3の図6相当の図である。 変形例4の図4相当の図である。 第2実施形態における図4相当の図である。 変形例5の図4相当の図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。
図1は第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、搬送ローラ4などを備えている。キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に延びたガイド軸5に沿って往復移動する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2の下面に配置されており、その下面に配置されたノズル15(図2参照)からインクを吐出する。搬送ローラ4は、記録用紙Pを紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する。
そして、プリンタ1においては、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3から、搬送ローラ4により紙送り方向に搬送される記録用紙Pにインクを吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行う。また、印刷が完了した記録用紙Pは搬送ローラ4によって紙送り方向に搬送されることにより排出される。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は図1のインクジェットヘッド3の平面図である。図3は図2における後述する振動板41の上面の平面図である。図4は図2における後述する圧電層42の上面の平面図である。なお、位置関係をわかりやすくするために、図3においては、後述する圧電層42を、図4においては、後述する絶縁層46の貫通孔46a、及び、配線47eの絶縁層46の上面に配置されている部分をそれぞれ、二点鎖線で示している。
インクジェットヘッド3は、圧力室10やノズル15などを含むインク流路が形成された流路ユニット31と、流路ユニット31の上面に配置されており、圧力室10内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ32とを備えている。
流路ユニット31は、図5、および図6に示すように、キャビティプレート21、ベースプレート22、マニホールドプレート23及びノズルプレート24の4枚のプレートが互いに積層されることにより形成されている。これら4枚のプレート21〜24のうちノズルプレート24を除く3枚のプレート21〜23は、ステンレスなどの金属材料からなり、ノズルプレート24は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。あるいは、ノズルプレート24も、他の3枚のプレート21〜23と同様の金属材料により構成されていてもよい。
キャビティプレート21には、複数の圧力室10とインク供給口9(図2参照)が配置されている。圧力室10は、走査方向(図2の左右方向)を長手方向とする略楕円の平面形状を有しており、紙送り方向(一方向)に沿って2列に配列されている。ベースプレート22には、複数の圧力室10の走査方向に関する両端部と対向する部分に、それぞれ、略円形の貫通孔12、13が配置されている。また、インク供給口9は、後述するマニホールド流路11に連通する位置に形成されている。
マニホールドプレート23には、各列の圧力室10の走査方向に関して貫通孔12側の略半分と重なるように紙送り方向(図2の上下方向)に延びたマニホールド流路11が形成されている。ここで、マニホールド流路11には、インク供給口9からインクが供給される。また、マニホールドプレート23には、貫通孔13と重なる部分に、略円形の貫通孔14が形成されている。ノズルプレート24には、貫通孔14と重なる部分にノズル15が形成されている。
そして、流路ユニット31においては、マニホールド流路11が貫通孔12を介して圧力室10と連通しているとともに、圧力室10が貫通孔13、14を介してノズル15に連通している。このように、流路ユニット31には、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズル15にいたる複数の個別インク流路が形成されている。
圧電アクチュエータ32は、振動板41、圧電層42、複数の個別電極43、共通電極44、45、絶縁層46及び複数の配線47を備えている。
振動板41は、複数の圧力室10を覆うようにキャビティプレート21の上面に配置されている。振動板41は、例えば、アルミナ、ジルコニア、後述するPZTなどのセラミックス材料や、ステンレスなどの金属材料などにより構成されている。ただし、振動板41が金属材料により構成されている場合には、導電性を有する振動板41と後述する個別電極43及び配線47との導通を防止するために、振動板41の上面にセラミックス材料などからなる絶縁層(図示省略)を配置し、その上に個別電極43及び配線47を配置する必要がある。
圧電層42は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料(PZT)からなる。圧電層42は、振動板の上面に配置されており、複数の圧力室10と対向する部分にまたがって連続的に延びている。
複数の個別電極43は、振動板41の上面(圧電層42の下面(一方の面))に、複数の圧力室10に対応して配置されている。複数の個別電極43は、圧力室10よりも若干大きい略楕円の平面形状を有しており、複数の圧力室10を完全に覆うように配置されている。これにより、複数の個別電極43は、複数の圧力室10と同様、紙送り方向に2列に配列されている。また、複数の個別電極43は、後述するようにドライバIC50に接続されており、ドライバIC50により、グランド電位及び所定の正電位(例えば、20V程度)のいずれかの電位が選択的に付与される。
共通電極44(第1共通電極)は、圧電層42の上面に配置されているとともに、後述するようにドライバIC50に接続されており、ドライバIC50により、常にグランド電位に保持されている。また、共通電極44は、複数の対向部44a(第1対向部)、2つの接続部44b及び連結部44cを有している。なお、本実施の形態では、2つの接続部44bと連結部44cとをあわせたものが本発明に係る第1接続部に相当する。
複数の対向部44aは、圧力室10よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、複数の圧力室10(個別電極43)の略中央部(一部分)と対向するように配置されている。これにより、複数の対向部44aは、複数の個別電極43と同様、紙送り方向に2列に配列されている。2つの接続部44bは、それぞれ、紙送り方向(一方向)に延びており、左側の列を構成する複数の対向部44aの左側の端部、及び、右側の列を構成する複数の対向部44aの右側の端部を互いに接続している。連結部44cは、走査方向に延びており、2つの接続部44bの上端部同士を接続している。
共通電極45(第2共通電極)は、共通電極44が配置されているのと同じ圧電層42の上面における、2つの接続部44bと連結部44cとによって囲まれた領域に配置されており、複数の対向部45a(第2対向部)及び接続部45b(第2接続部)を備えている。複数の対向部45aは、圧力室10の共通電極44と対向する部分の外側の部分と対向するように配置されている。接続部45bは、共通電極45のうち複数の対向部45aを除いた部分であって、複数の対向部45aを互いに接続している。
また、共通電極45は、後述するようにドライバIC50に接続されており、ドライバIC50により、常に上記所定の正電位に保持されている。
ここで、前述した圧電層42のうち、個別電極43と共通電極44(対向部44a)とに挟まれた部分、および、個別電極43と共通電極45(対向部45a)とに挟まれた部分は、圧電層42の厚さ方向に分極されている。
絶縁層46は、アルミナ、ジルコニア、PZTなどのセラミックス材料、合成樹脂材料など、絶縁性を有する材料からなり、圧電層42の上面のほぼ全域に、共通電極44、45を覆うように配置されている。共通電極44と共通電極45とは、同じ圧電層42の上面に互いに近接して配置されているが、これらを覆う絶縁層46が配置されていることにより、電極を形成する材料がマイグレーションを起こすことで共通電極44と共通電極45とが導通してしまうのが防止されている。また、絶縁層46には、共通電極45図2における右上端部と対向する部分に、内部に導電材料が充填された略円形の貫通孔46aが形成されている。
複数の配線47は、複数の個別電極43に個別に接続される複数の配線47a、共通電極44に接続される2つの配線47b、47c、及び、共通電極45に接続される2つの配線47d、47eを含んでおり、これらの配線47は、その一端が、各電極43、44、45に接続されているとともに、他端が、振動板41上において、同じく振動板41上に配置されたドライバIC50接続されている。なお、図2〜図4では、複数の配線47のうち、電極43〜45との接続部分の近傍の部分、及び、ドライバIC50との接続部分近傍の部分のみを図示しており、その他の部分については図示を省略している。
配線47a〜47eについてより詳細に説明すると、配線47aは、その一端が個別電極43の走査方向に関するノズル15と反対側の端部に接続されているとともに、この部分から、個別電極43が配置されているのと同じ面上に位置する振動板41の上面を引き回されて、その他端がドライバIC50に接続されている。
ここで、配線47のうち、個別電極43に対して個別に設けられる配線47aは、その数が最も多くなるが、配線47aが、個別電極43が配置されているのと同じ面上で引き回されてドライバIC50に接続されているため、断線などが起こりにくく、接続の信頼性が高くなる。
2つの配線47b、47cは、その一端が、それぞれ、圧電層42の上面において、図2の左側の接続部44b及び右側の接続部44bの上端部に接続されているとともに、この接続部分から、それぞれ、圧電層42の図2における左側及び右側の側面を通って振動板41の上面まで引き出されており、さらに、振動板41上を引き回されて、その他端がドライバIC50に接続されている。なお、本実施の形態では、2つの配線47b、47cのうち、振動板41の上面に配置されている部分が本発明に係る第1配線部に相当し、この第1配線部と接続部44bとを接続している部分が本発明に係る第1接続配線に相当する。
配線47dは、その一端が、圧電層42の上面において、共通電極45の図2における左下端部(接続部45b)に接続されているとともに、この接続部分から、圧電層42の図2の下側の側面を通って振動板41の上面まで引き出されており、さらに、振動板41の上面を引き回されて、その他端がドライバIC50に接続されている。
配線47eは、その一端が、絶縁層46の上面(圧電層42と反対側の面)の貫通孔46aと対向する部分に位置していることにより貫通孔46a内に充填された導電材料を介して共通電極45の図2における右上端部(接続部45b)に接続されているともに、絶縁層46の上面を、この接続部分から図2の上方に共通電極44の連結部44cをまたいで絶縁層46の図2における上端まで延びている。
そして、配線47eは、図6に示すように、さらに絶縁層46及び圧電層42の側面を通って振動板41の上面まで引き出されているとともに、振動板41上を引き回されて、その他端がドライバIC50に接続されている。
なお、本実施の形態では、配線47d、47eのうち、振動板41の上面に配置されている部分が、本発明に係る第2配線部に相当し、この第2配線部と共通電極45(接続部45b)とを接続している部分が、本発明に係る第2接続配線に相当する。そして、第1実施形態では、上述のように、第2接続配線が、第1接続部をまたいで延びている。
ここで、個別電極43に接続される配線47aとは異なり、共通電極44、45に接続される配線47b〜47eは、各電極との接続部分から、この接続部分とは異なる高さに位置する振動板41の上面まで引き出されている。すなわち、第1、第2配線部に接続される第1、第2接続配線が、第1、第2配線部が配置されているのとは高さ(振動板41と圧電層42との積層方向に関する位置)の異なる面に配置されている。したがって、配線47aと比較すれば、接続の信頼性は低くなる。しかしながら、上述したように、共通電極44には2つの配線47b、47cが接続されており、共通電極45には2つの配線47d、47eが接続されているため、仮に、2つの配線のいずれかが断線したとしても、電極の電位が大幅に変動してしまい、圧電アクチュエータ32を駆動できなくなってしまうということはない。
また、共通電極44、45に接続される配線の数をさらに増やせば、接続の信頼性を向上させることも可能であり、この場合でも、数の多い個別電極43に接続される配線の数を増加させることに比べれば容易である。
ここで、圧電アクチュエータ32の駆動方法について説明する。圧電アクチュエータ32においては、複数の個別電極43は、予めグランド電位に保持されている。この状態では、個別電極43と共通電極45(対向部45a)との間に電位差が生じており、圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分には、分極方向と平行な向きの電界が生じている。これにより、圧電層42のこの部分は、電界の方向と直交する水平方向に収縮しており、その結果、振動板41、圧電層42及び絶縁層46の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10と反対側に凸となるように変形しており、圧力室10の容積は、変形していない状態と比較して大きくなっている。
圧電アクチュエータ32を駆動させる際には、複数の個別電極43のうちのいずれかの電位をグランド電位から所定の正電位に切り替える。すると、圧電層42の、個別電極43と共通電極45とに挟まれた部分が収縮前の状態に戻る。一方、圧電層42の個別電極43と共通電極44(対向部44a)とにより挟まれた部分に、分極方向と平行な向きの電界が発生し、圧電層42のこの部分が電界の方向と直交する水平方向に収縮する。これにより、振動板41、圧電層42及び絶縁層46の対応する圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10側に凸となるように変形し、圧力室10の容積が小さくなる。その結果、圧力室10内のインクの圧力が上昇し、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。そして、インクの吐出後、個別電極43の電位を所定の正電位からグランド電位に切り替えて、圧電アクチュエータ32を最初の状態に戻す。
このとき、圧電アクチュエータ32においては、個別電極43の電位をグランド電位から所定の正電位に切り替えたときに、圧電層42の個別電極43と対向部44aとに挟まれた部分が水平方向に収縮すると同時に、圧電層42の個別電極43と対向部45aとに挟まれた部分が収縮した状態から収縮前の状態に伸張する。これにより、圧電層42の上記収縮と上記伸張とが互いに吸収しあうことになり、その結果、圧電層42のある圧力室10に対向する部分の変形が、別の圧力室10に対向する部分に伝播する、いわゆるクロストークを防止することができる。
ここで、圧電アクチュエータ32を駆動したときの、各ノズル15から吐出されるインク滴の体積や吐出速度などを均一にするためには、圧電層42に生じる電界を均一にする必要があるが、このためには、共通電極44、45の電位をそれぞれ全ての部分において均一にする必要がある。仮に、共通電極44、45のそれぞれにおいて一箇所のみで配線47に接続されているとすると、共通電極44、45は、複数の圧力室10(個別電極43)にまたがって設けられた比較的大型の電極であるため、共通電極44、45のそれぞれ全ての部分で電位を均一にすることが困難である。すなわち、配線47に接続されている部分から遠ざかるにつれて、共通電極44、45の電位が降下してしまう。そのため、電位を均一にするために、上述したように、共通電極44、45の互いに離隔した複数箇所に配線47(第1、第2接続配線)を接続する必要がある。
さらに、共通電極44については、2つの接続部44bが走査方向に互いに離隔して配置されているため、共通電極44の電位を均一にするためには、2つの接続部44bを互いに接続する必要がある。
しかしながら、共通電極44、45の互いに離隔した複数箇所に接続される配線47を、すべて圧電層42の上面において共通電極44、45に接続させ、かつ2つの接続部44bを圧電層42の上面において互いに接続させることは困難である。
具体的に説明すると、本実施の形態のように、個別電極44が、連結部44cを有するものであり、圧電層42の上面において2つの接続部44b同士が連結部44cにより接続されている場合には、2つの接続部44bの間で電位は均一となる。しかしながら、この場合には、共通電極45が、2つの接続部44bと連結部44cとによって三方を囲まれることとなるため、共通電極45に接続される配線47については、共通電極45の下端部にのみ接続することとなる。この場合には、配線47との接続部分から離隔した共通電極45の上端部において電位が降下してしまう虞がある。
一方、共通電極44を連結部44cのないものとすれば、圧電層42の上面において共通電極45(接続部45b)の上端部及び下端部に配線47を接続し、共通電極45の電位を均一にすることはできる。しかしながら、この場合には、2つの接続部44b同士が接続されていないため、2つの接続部44bの間に電位のばらつきが生じる虞がある。
これに対して、本実施の形態では、上述したように、共通電極44については、2つの接続部44bが連結部44cによって接続されており、共通電極45については、接続部45bの下端部に配線47dが接続されているとともに、接続部45bの上端部に、絶縁層46の上面において接続部44bをまたいで延びた配線47e(第2接続配線)が接続されているため、共通電極44、45の電位をそれぞれ均一にすることができる。
また、連結部44cをまたいで共通電極45に接続される配線47eが、共通電極44、45を覆う絶縁層46の上面に配置されているため、配線47cが連結部44cと導通してしまうことを防止することができる。
次に、第1実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例(変形例1)では、図7に示すように、共通電極44が、2つ接続部44b下端部同士を接続する連結部44dをさらに備えており、これにより、共通電極45は、2つの接続部44bと2つの連結部44c、44dとにより四方を囲まれている。
また、配線47dの代わりに配線47fが設けられており、配線47fの一端が、絶縁層46の同図左下端部の共通電極45と対向する部分に形成された貫通孔46b内に充填された導電材料を介して共通電極45の左下端部に接続されているとともに、この接続部分から絶縁層46(図5参照)の上面を、連結部44dをまたいで下方に延びている。
共通電極45が2つの接続部44bと2つの連結部44c、44dとにより四方を囲まれている場合には、圧電層42の上面において、共通電極45に配線を接続することができないが、このような場合であっても、共通電極45に接続される配線をすべて連結部44c、44dをまたいで延びる配線47e、47fを設けることにより、共通電極45の互いに離隔した部分に配線を接続することができ、共通電極45の電位を均一にすることができる。
また、この場合には、連結部44cによって2つの接続部44bの上端部が互いに接続されているに加えて、連結部44dによって2つの接続部44bの下端部が互いに接続されているので、共通電極44の電位がさらに均一になる。
また、第1実施形態では、配線47eの連結部44cをまたいで延びる部分(第2接続配線)が、共通電極44、45の全体を覆うように圧電層42の上面に配置された絶縁層46の上面に配置されていたが、これには限られない。
別の一変形例(変形例2)では、図8に示すように、圧電層42の上面に、連結部44cのみを覆うように絶縁層81が配置されており、配線47eの連結部44cをまたいで延びている部分が、絶縁層81の上面に配置されている。さらに、絶縁層81及び配線47eの上記部分が配置された圧電層42の上面に、共通電極44、45を覆うように、別の絶縁層82が配置されており、絶縁層82により、圧電層42の上面において共通電極44と共通電極45とが導通してしまうのが防止されている。
この場合でも、絶縁層81により、配線47eと連結部44cとが導通してしまうのを防止することができる。
また、別の一変形例(変形例3)では、図9に示すように、絶縁層46の貫通孔46aに導電材料が充填されておらず、共通電極45における貫通孔46aから露出した部分(接続部45b)、及び、振動板41の上面に配置された配線47gに、それぞれ、ワイヤボンディング線91の一端及び他端が接続されており、これにより、共通電極45と配線47gとが接続されている。さらに、ワイヤボンディング線91の剥離を防止するために、ワイヤボンディング線91を、共通電極45及び配線47gとの接続部分を含めて覆うように、ポッティングにより形成された、合成樹脂材料などからなる絶縁材料92が配置されている。なお、この場合には、配線47gが本発明に係る第2配線部に相当し、ワイヤボンディング線91が、本発明に係る第2接続配線に相当する。
ここで、ワイヤボンディング線91と共通電極45及び配線47gとを接続するためには、例えば、ワイヤボンディング線91の一端及び他端を、それぞれ、共通電極45の上記部分及び配線47gに押し付けて(圧力を加えて)当接させた状態で、当接させた部分に超音波を付与する。これにより、これらの部分が合金化して、ワイヤボンディング線91と共通電極45及び配線47gとが接続される。
この場合でも、ワイヤボンディング線91により、共通電極45の接続部44b(図4参照)と連結部44cとに囲まれた部分と配線47gとを接続することができるため、第1実施形態と同様、共通電極45の電位を均一にすることができる。
なお、ポッティングにより絶縁材料92を形成する際には、絶縁材料92はワイヤボンディング線91の下側の部分にも流れ込むので、絶縁層46のうち、連結部44cを覆う部分はなくてもよい。さらには、ワイヤボンディング線91は、連結部44cから離隔した状態で配置されているため、絶縁材料92は形成されていなくてもよい。
また、第1実施形態及び変形例1〜3では、配線47e、47f、47g及びワイヤボンディング線91が連結部44c、44dをまたいでいたが、これらは、2つの接続部44bのいずれかをまたいでいてもよい。
また、第1実施形態では、共通電極44(第1共通電極)が、個別電極43が2列に配列されているのに対応して設けられた2つの接続部44bと、これら2つの接続部44bを接続する連結部44cとを有するものであり、共通電極45(第2共通電極)が2つの接続部44bと連結部44cとによって囲まれたものであったが、これには限られない。
別の一変形例(変形例4)では、図10に示すように、圧電層42の上面に、共通電極44、45の代わりに共通電極74、75が配置されている。共通電極74(第1共通電極)は、複数の対向部74a(第1対向部)と、複数の対向部74aを互いに接続する接続部74b(第1接続部)とを有している。
共通電極75(第2共通電極)は、共通電極74を取り囲むように配置されており、複数の対向部75a(第2対向部)と、複数の対向部75aを互いに接続する接続部75b(第2接続部)とを有している。
また、共通電極74には接続部74bの上端部及び下端部にそれぞれ配線47h、47iが接続されており、共通電極75には、その右上端部及び左下端部(接続部75b)に、それぞれ、配線47j、47kが接続されている。
配線47h、47iは、その一端が、絶縁層46(図5参照)における接続部74bの上端部及び下端部と対向する部分に形成された貫通孔46c、46dに充填された導電材料を介して接続部74bの上端部及び下端部に接続されているとともに、この接続部分から絶縁層46の上面を、それぞれ、共通電極75(接続部)をまたぐように、図中上方及び左方に延びており、さらに絶縁層46及び圧電層42の図中上側及び左側の側面をそれぞれ通って振動板41の上面に引き出されている。
また、配線47j、47kは、それぞれ、その一端が、圧電層42の上面において共通電極75の上述した部分に接続されているとともに、圧電層42の図中右側及び下側の側面を通って振動板41の上面に引き出されている。
そして、第1実施形態における他の配線と同様、振動板41の上面に引き出された配線47h〜47kは、振動板41の上面を引き回されてその他端がドライバIC50に接続されている。
なお、変形例4では、配線47h、47iうち、振動板41の上面に配置されている部分が本発明に係る第1配線部に相当し、共通電極75をまたいでこの第1配線部と、接続部74bの上端部及び下端部とを接続している部分が、本発明に係る第1接続配線に相当する。また、配線47j、47kうち、振動板41の上面に配置されている部分が本発明に係る第2配線部に相当し、この第2配線部と共通電極45とを接続している圧電層42の側面を通る部分が、本発明に係る第2接続配線に相当する。そして、変形例4では、上述のように、第1接続配線が、第2接続部をまたいで延びている。
そして、この場合でも、共通電極74、75の互いに離隔した部分に配線47h〜47kが接続されているため、共通電極74、75の電位を、それぞれ均一にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。ただし、第2実施形態は、圧電アクチュエータの構成の一部が第1実施形態と異なるだけであるので、以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図11は、第2実施形態の図4相当の図である。図11に示すように、第2実施形態においては、共通電極44が圧電層42上に連結部44c(図4参照)を有しておらず、2つの接続部44bが、走査方向(図11の左右方向)に関して共通電極45を挟んで互いに離隔して配置されている。また、共通電極45には、配線47e(図4参照)の代わりに配線47lが接続されている。
配線47lは、その一端が、圧電層42の上面において、共通電極45の右上端部(接続部45b)に接続されているとともに、圧電層42の図中上側の側面を通って振動板41の上面に引き出されており、さらに振動板41の上面を引き回されてドライバIC50に接続されている。なお、配線47lのうち、振動板41の上面に配置されている部分が本発明に係る第1配線部に相当し、この第1配線部と共通電極45とを接続している圧電層42の側面を通る部分が、本発明に係る第1接続配線に相当する。
また、絶縁層46(図5参照)の上面には、バイパス配線101が配置されている。バイパス配線101は、共通電極45をまたいで走査方向に延びており、その一端及び他端が、絶縁層46の2つの接続部44bの図中上端部に対向する部分に形成された貫通孔46e、46fに充填された導電材料を介して、2つの接続部44bの上端部にそれぞれ接続されており、これにより、2つの接続部44bは、バイパス配線101によって互いに接続されている。
この場合でも、第1実施形態と同様、圧電層42の上面において、共通電極45の互いに離隔した左下端部及び右上端部(複数箇所)に、それぞれ、配線47d、47l(第2接続配線)が接続されているため、共通電極45の電位が均一になる。
さらに、走査方向に関して、共通電極45を挟んで互いに離隔して配置された2つの接続部44bが、共通電極45をまたいで延びたバイパス配線101によって互いに接続されているため、共通電極44の電位が均一になる。
次に、第2実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、第2実施形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
第2実施形態では、互いに離隔して配置された2つの接続部44b同士が、バイパス配線101によって接続されていたがこれには限られない。
一変形例(変形例5)では、図12に示すように、共通電極44が、2つの接続部44bの略中央部同士を接続する連結部44fをさらに備えており、これにより、共通電極45の接続部45bが、図中上下方向に関して、連結部44fを挟んで互いに離隔した2つの部分に分断されている。
なお、この場合には、第2実施形態とは逆に、共通電極45が本発明に係る第1共通電極に相当し、共通電極44が本発明に係る第2共通電極に相当する。また、2つの部分に分断された接続部45bの各部分が、それぞれ本発明に係る第3接続部に相当する。すなわち、共通電極45が2つの第3接続部を有している。
また、これに伴って、変形例5では、第1配線部に相当する部分と第2配線部に相当する部分、及び、第1接続配線に相当する部分と第2接続配線に相当する部分とが、それぞれ、第2実施形態とは逆になる。
さらに、絶縁層46(図5参照)の上面に、バイパス配線102が配置されている。バイパス配線102は、連結部44fをまたいで紙送り方向に(図12の左右方向)対して若干傾斜した方向に延びており、その一端及び他端が、絶縁層46における共通電極45の上記2つの部分と対向する部分にそれぞれ形成された2つの貫通孔46g、46h内に充填された導電材料を介して、接続部45bの上記2つの部分にそれぞれ接続されている。これにより、接続部45bの2つの部分は、バイパス配線102によって互いに接続されている。
そして、この場合でも、共通電極44、45の電位を、それぞれ、すべての部分で均一にすることができる。
また、第2実施形態においても、絶縁層46の上面に配置されたバイパス配線101の代わりに、上述の変形例3と同様のワイヤボンディング線によって2つの接続部44bが互いに接続されていてもよい。
また、第2実施形態では、バイパス配線101が、2つの接続部44bの上端部同士を接続していたが、バイパス配線101が、2つの接続部44bの他の部分同士を接続していてもよい。また、バイパス配線は、2以上設けられていてもよい。
また、第2実施形態では、共通電極44(第1共通電極)が、個別電極43の列に対応して2つの接続部44b(第1接続部)を備えていたが、第1接続部は、少なくとも2つの第1対向部を互いに接続していれば、個別電極43の列に対応して設けられることには限られない。また、第1接続部の数についても2つであることには限られず、第1共通電極が3以上の第1接続部を有していてもよい。なお、第1接続部が3以上ある場合には、例えば、これら3以上の第1接続部のうち、互いに異なる2つずつを接続する複数のバイパス配線を設けるなどすれば、すべての第1接続部を互いに導通させることができる。
また、上述の第1、第2実施形態では、複数の個別電極43が圧電層42の下面に配置されているとともに、共通電極44、45が圧電層42の上面に配置されていたが、これとは逆に、共通電極44、45が圧電層42の下面に配置されているとともに、複数の個別電極43が圧電層42の上面に配置されていてもよい。
この場合には、例えば、圧電層42と振動板41との間に絶縁層を配置し、この絶縁層の下面に、配線47e、47f、47h、47iのうち、連結部44c、44d、共通電極75をまたいで延びた部分(第1接続配線及び第2接続配線)や、バイパス配線101を配置する。
また、第1、第2実施形態では、共通電極44(対向部44a)が、圧力室10の略中央部と対向しているとともに、共通電極45(対向部45a)が、圧力室10略中央部以外の部分と対向していたが、これには限られず、例えば、これとは逆に、第2対向部が圧力室10の略中央部と対向しているとともに、第1対向部が圧力室10の略中央部以外の部分と対向している、第1、第2共通電極の対向部は、圧力室10の第1実施形態とは異なる部分と対向していてもよい。そして、この場合には、第1、第2共通電極の対向部の位置、形状などにあわせて、各共通電極の接続部の位置、形状などを適宜変更すればよい。
また、以上では、圧電アクチュエータに、配線47e、47f、47h、47i及びワイヤボンディング線91のような、2種類の共通電極の一方をまたいで他方に接続された配線、及び、バイパス配線101、102のような、2種類の共通電極の一方をまたいで、他方における2以上の接続部を互いに接続するバイパス配線のいずれか一方のみが配置されていたが、2種類の共通電極の配置によっては、圧電アクチュエータに、これら2種類の配線がともに配置されていてもよい。
また、以上では、絶縁層上に配線47e、47f、47h、47iが配置され、あるいは、ポッティングにより絶縁材料をワイヤボンディング線91の周囲に配置していたが、これには限られず、これらの配線47やワイヤボンディング線91、およびバイパス配線101、102を被覆された電線で形成してもよい。
また、以上では、キャリッジとともに走査方向に往復移動しつつノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアル式のプリンタのインクジェットヘッドに用いられる圧電アクチュエータに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、記録用紙の幅方向の全長にわたって延びているとともにプリンタに固定された、いわゆるラインヘッドに用いられる圧電アクチュエータに本発明を適用してもよい。さらには、インクジェットヘッド以外の装置に用いられる圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能である。
32 圧電アクチュエータ
41 振動板
42 圧電層
43 個別電極
44、45 共通電極
44a、45a 対向部
44b、45b 接続部
44c 連結部
46 絶縁層
47(47a〜47l) 配線
74、75 共通電極
74a、75a 対向部
74b、75b 接続部
101、102 バイパス配線

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数のノズルに、それぞれ連通する複数の圧力室を有する流路ユニットと、
    前記流路ユニットの一方面側に配置された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記流路ユニットと反対側に配置された複数の個別電極と、
    前記絶縁層の前記流路ユニットと反対側に配置され、前記複数の個別電極を覆うように配置された圧電層と、
    前記圧電層の前記流路ユニットと反対側に配置され、前記複数の個別電極と対向する複数の対向部分を有する共通電極と、
    前記圧電層の側面に形成された部分であって、前記共通電極と電気的に接続された配線の一部である第1配線部分と、
    前記絶縁層の前記流路ユニットと反対側の面に配置され、前記第1配線部分と電気的に接続された第1端子と、を備え、
    前記共通電極は、
    前記流路ユニットの前記一方面と平行な方向である第1の方向に沿って延在する第1部分と、
    前記第1の方向に沿って延在する部分であって、前記流路ユニットの前記一方面と平行な方向であって前記第1の方向と交差する第2の方向において前記第1部分と離間して配置された部分である第2部分と、
    前記第2の方向に沿って延在する部分であって、前記第1部分と前記第2部分とを接続する部分である第3部分と、
    前記第2の方向に沿って延在する部分であって、前記第1部分と前記第2部分とを接続し、前記第1の方向において前記第3部分と離間して配置された部分である第4部分と、を有する延在部分を備え、
    前記延在部分は、前記複数の対向部分と接続されており、前記複数の対向部分を囲うように形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記第1部分は、前記第1の方向における両端である第1端と第2端とを有し、
    前記第1配線部分は、前記第1部分と接続されており、
    前記第1配線部分は、前記第1の方向における両端である第3端と第4端とを有し、
    前記第1の方向における前記第1端から前記第2端までの距離は、前記第1の方向における前記第3端から前記第4端までの距離よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記圧電層の側面に前記第1配線部分とは離間して形成された部分であって、前記共通電極と電気的に接続された配線の一部である第2配線部分を備えたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記複数の個別電極は、前記第1の方向に沿って配列されており、
    前記第1配線部分は、前記第1の方向において、前記複数の個別電極のうち前記第1の方向において最も前記第1端に近い位置に配置された個別電極と前記第1端との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記複数の個別電極は、
    前記第1の方向に沿って配列された複数の第1個別電極と、
    前記第1の方向に沿って配列された複数の個別電極であって、前記第2の方向において、前記複数の第1個別電極と離間して配置された複数の個別電極である複数の第2個別電極と、を備えることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記圧電層は前記第1の方向に沿って延在する側面を有し、前記第1配線部分は前記第1の方向に沿って延在する前記側面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記第1端子がICと接続されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記複数の個別電極と接続される複数の配線を有し、
    前記複数の個別電極と接続される前記複数の配線のそれぞれは、前記流路ユニットの前記一方面と直交する第3の方向において前記延在部分と重なる位置において、幅が前記個別電極の幅よりも狭くなる部分を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
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