JP2019141359A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2019141359A
JP2019141359A JP2018029109A JP2018029109A JP2019141359A JP 2019141359 A JP2019141359 A JP 2019141359A JP 2018029109 A JP2018029109 A JP 2018029109A JP 2018029109 A JP2018029109 A JP 2018029109A JP 2019141359 A JP2019141359 A JP 2019141359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endoscope
insertion portion
residual strain
region
flexible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018029109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7156805B2 (ja
Inventor
憲生 染川
Norio Somekawa
憲生 染川
祐貴 田島
Yuki Tajima
祐貴 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2018029109A priority Critical patent/JP7156805B2/ja
Publication of JP2019141359A publication Critical patent/JP2019141359A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7156805B2 publication Critical patent/JP7156805B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
  • Endoscopes (AREA)

Abstract

【課題】挿入部に曲り癖が発生し難いようにすることにより、挿入部の挿入性が向上した内視鏡を提供する。【解決手段】観察対象物の内部へ挿入されるための長尺の挿入部20を備える内視鏡10において、挿入部20は、三点曲げを行った後に残存する残存歪み量が長手方向に交差する方向に5mm以下の正の値である領域を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡に関する。
生体又は建造物の内部を観察するために、内視鏡が用いられている。内視鏡は、生体又は建造物等の観察対象物の内部へ挿入するための長尺の挿入部を有している。挿入部は、観察対象物の内部の形状に合わせて曲がるようになっている。挿入部の先端が観察対象物の内部へ挿入された後、内視鏡を使用する使用者が挿入部を長手方向に沿って押しこむことにより、挿入部はより挿入されていく。例えば、挿入部は、人体の肛門から大腸へ挿入され、大腸の形状に合わせて曲がりながら挿入されていく。円滑な観察を行うためには、内視鏡の挿入性、即ち挿入のしやすさを高めることが必要である。特許文献1には、内視鏡の挿入性を向上させるための技術の例が開示されている。
特開2014−83293号公報
内視鏡の挿入部には、ある部分が他の部分よりも曲がり易くなるか、又はある部分において特定の向きに曲がり易く他の向きに曲がり難くなる曲り癖が発生することがある。例えば、ケースに梱包されている輸送時、又は洗浄消毒若しくは滅菌等の際に、挿入部を曲げた状態で熱負荷が加わった場合に、挿入部に曲り癖が発生することがある。挿入部に曲り癖が発生した内視鏡は、挿入性が悪化する。例えば、曲り癖のある挿入部を使用者が長手方向に沿って押しこんだ場合に、曲り癖のある部分で挿入部が屈曲し、挿入部が使用者の意図通りに移動しないことがある。また、曲り癖のある挿入部を使用者が手元側で横手方向に捻じる操作をした場合に、捻じる力が大きくなったり、小さくなったりすることがある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、挿入部に曲り癖が発生し難いようにすることにより、挿入部の挿入性が向上した内視鏡を提供することにある。
本発明に係る内視鏡は、観察対象物の内部へ挿入されるための長尺の挿入部を備える内視鏡において、前記挿入部は、三点曲げを行った後に残存する残存歪み量が長手方向に交差する方向に5mm以下の正の値である領域を有することを特徴とする。
本発明にあっては、挿入部を屈曲させた後に残存する残存歪み量が小さいことにより、挿入部に曲り癖が発生し難くなり、挿入部の挿入性が向上する。従って、挿入部の挿入性が向上した内視鏡が得られる等、本発明は優れた効果を奏する。
内視鏡の外観図である。 先端部の端面の外観図である。 可撓管の断面図である。 残存歪み量の測定方法を説明するための説明図である。 残存歪み量の測定時に測定子が軟性部を押し込む押し込み量の時間変化を模式的に示すグラフである。 残存歪み量の測定時に荷重測定器が測定する押圧力の時間変化を模式的に示すグラフである。 低歪み領域の位置を示す模式図である。 残存歪み量が異なる複数の軟性部のサンプルについて挿入部の挿入性を評価した結果を示す図表である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、内視鏡10の外観図である。例えば、内視鏡10は、下部消化管向けの軟性鏡である。より具体的には、内視鏡10は、例えば、大腸用内視鏡である。内視鏡10は、挿入部20、操作部40、ユニバーサルコード59及びコネクタ部50を有する。挿入部20は、人体内へ挿入される部分である。操作部40は、内視鏡10を操作する操作者が手で握って操作する部分である。操作部40は、湾曲ノブ41及びチャンネル入口42を有する。チャンネル入口42には、処置具等を挿入する挿入口を有する鉗子栓43が固定されている。
挿入部20は長尺の管状であり、先端とは逆の端(他端)が操作部40に接続されている。挿入部20と操作部40との境には折れ止め部24が設けられている。挿入部20は、操作部40側から順に軟性部21、湾曲部22及び先端部23を有する。軟性部21は、軟性であり、可撓性を有する。軟性部21が可撓性を有していることにより、挿入部20が観察対象物の内部へ挿入された場合に観察対象物の内部の形状に合わせて挿入部20が曲がることができる。軟性部21の表面は、後述するチューブ状の可撓管30である。湾曲部22は、湾曲ノブ41の操作に応じて湾曲する。例えば、挿入部20の全長は1400mm以上である。
以後の説明では、挿入部20の長手方向に沿って操作部40に近い側を操作部側、操作部40から遠い側を先端側と言う。挿入部20の長手方向は、挿入部20が観察対象物の内部へ挿入される挿入方向と一致する。ユニバーサルコード59は長尺であり、一端が操作部40に、他端がコネクタ部50にそれぞれ接続されている。ユニバーサルコード59は、軟性である。コネクタ部50は、図示しないビデオプロセッサ、光源装置、表示装置及び送気送水装置等に接続される。
図2は、先端部23の端面の外観図である。先端部23の端面には、観察窓51、二個の照明窓52、送気ノズル53、送水ノズル54及びチャンネル出口55等が設けられている。先端部23の端面は、略円形である。観察窓51は、図2において端面の中心よりも上側に設けられている。観察窓51の左右に照明窓52が設けられている。観察窓51の右下に、送気ノズル53及び送水ノズル54が、それぞれの出射口を観察窓51に向けて設けられている。観察窓51の左下に、チャンネル出口55が設けられている。
コネクタ部50、ユニバーサルコード59、操作部40及び挿入部20の内部には、導光を行うファイバーバンドル、信号を伝達するケーブル束、送気チューブ及び送水チューブ等が挿通されている。光源装置から出射した照明光は、ファイバーバンドルを介して、照明窓52から照射される。照明光により照らされた範囲を、観察窓51を介して図示しない撮像素子で撮影する。撮像素子からケーブル束を介してビデオプロセッサへ映像信号が伝送される。
送気送水装置から供給された空気は、送気チューブを介して送気ノズル53から観察窓
51へ向けて放出される。同様に、送気送水装置から供給された水は、送水チューブを介して送水ノズル54から観察窓51へ向けて放出される。送気ノズル53及び送水ノズル54は、内視鏡使用中の観察窓51の清掃等に使用される。チャンネル入口42とチャンネル出口55との間は、軟性部21及び湾曲部22の内部を通るチューブ状のチャンネルにより接続されている。チャンネル入口42から図示しない処置具を挿入することにより、チャンネル出口55から処置具の先端を突出させて、大腸ポリープの切除等の手技を行うことができる。
図3は、可撓管30の断面図である。可撓管30は、軟性部21の外装部材である。図3は、挿入部20の長手方向に沿って可撓管30を切断した断面を示す。可撓管30は、帯状の金属を螺旋状に巻いた螺旋管31の外側が、網状管32、外皮33及びトップコート34で順次覆われて構成されている。螺旋管31は、軟性部21を屈曲した場合に、内部に挿通されたファイバーバンドル、ケーブル束及び各種チューブ等の内蔵物が潰されないように保護する。なお、可撓管30は、螺旋管31の代わりに、連結された複数の関節駒を用いて構成されていてもよい。
網状管32は、細線状の素材を編組して形成されている。細線状の素材は、例えば、ステンレス鋼線又は銅合金線等である。細線状の素材は、非金属でも良い。外皮33は、網状管32の外側に成形された樹脂の層である。外皮33の材料は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等である。外皮33は、複数の樹脂層の積層体でもよい。複数の樹脂材料を混合して、外皮33を形成してもよい。トップコート34の材料は、例えば、ウレタン系樹脂又はフッ素樹脂である。トップコート34は、内視鏡10の洗浄及び消毒に用いる薬液等から外皮33を保護する。
本実施形態においては、軟性部21は、屈曲後の残存歪み量が5mm以下である領域を含んでいる。残存歪み量の定義及び測定方法を説明する。図4は、残存歪み量の測定方法を説明するための説明図である。図4は、三点曲げ試験機60を上から見た図である。三点曲げ試験機60は、四個の押さえ柱63と、二個の押さえ柱64と、荷重測定器61と、駆動部65とを含む。荷重測定器61は、一面から突出した測定子62に加わる荷重を測定する測定器である。駆動部65は、荷重測定器61を移動させる機構である。
押さえ柱63及び64は、円柱形であり互いに略平行に配置されている。四個の押さえ柱63は、直線状に配置されている。中央側に位置する二個の押さえ柱63の中心軸間の距離は200mmである。二個の押さえ柱64は四個の押さえ柱63と対向する位置に配置されている。押さえ柱63の並びに沿って軟性部21が直線状に配置される。押さえ柱63は軟性部21の側面に接触する。押さえ柱64は反対側の側面に接触する。軟性部21は、押さえ柱63と押さえ柱64との間に挟まれて保持される。中央側に位置する二個の押さえ柱63の中間の位置で、軟性部21を挟んで押さえ柱63の反対側から測定子62が軟性部21の長手方向に対して直交するように当接される。
残存歪み量の測定時には、駆動部65は、軟性部21の長手方向に対して直交する方向に荷重測定器61を移動させる。これにより、軟性部21は測定子62により長手方向に交差する方向に押し込まれる。図4に二点鎖線で示すように、軟性部21は中央側に位置する二個の押さえ柱63と測定子62との3点で屈曲する三点曲げの状態になる。本実施形態では、図4に示すように、測定子62により軟性部21を長手方向に対して直交する方向へ20mm押し込む。20mm押し込んだ状態を180秒間保持した後、駆動部65は、荷重測定器61の位置を移動を開始した元の位置まで戻すように荷重測定器61を移
動させる。荷重測定器61の位置が元の位置まで戻った状態で、荷重測定器61は移動を終了する。三点曲げによって残存歪みが発生した場合は、軟性部21の形状は完全には直線状には戻らない。荷重測定器61は、測定子62が軟性部21を押圧する押圧力を測定し続ける。荷重測定器61が測定する押圧力は、軟性部21の反発力と同値である。
図5は、残存歪み量の測定時に測定子62が軟性部21を押し込む押し込み量の時間変化を模式的に示すグラフである。横軸は時間を示し、縦軸は押し込み量を示す。押し込み量は長さである。測定子62は、移動開始時点に移動を開始し、移動によって軟性部21を押し込む。押し込み量は、測定子62の位置の変化と同値である。押し込み量が20mmとなった時点が保持開始時点である。測定子62は、保持開始時点から保持終了時点まで、押し込み量が20mmである状態を180秒間保持する。保持終了時点以降の時点では、測定子62は、元の位置に戻るために移動する。測定子62が元の位置に戻った時点が移動終了時点であり、移動終了時点で測定子62は移動を終了する。
図6は、残存歪み量の測定時に荷重測定器61が測定する押圧力の時間変化を模式的に示すグラフである。横軸は時間を示し、縦軸は押圧力を示す。押圧力の単位はN(ニュートン)である。移動開始時点から保持開始時点までは、押圧力は増加する。保持開始時点で押圧力は最大値に達する。押し込み量が20mmである状態が保持されている間に、押圧力は減衰する。即ち、軟性部21の反発力が減衰する。保持開始時点での押圧力(押圧力の最大値)から保持終了時点での押圧力を減算することにより、反発力の減衰量が計算される。また、反発力の減衰量を押圧力の最大値で除することにより、反発力の減衰率が計算される。
保持終了時点から移動終了時点までは、押圧力は減少する。押圧力は、移動終了時点に達する前の時点で、最大値に比べて十分に小さい値になる。即ち、軟性部21の反発力は、測定子62が元の位置に戻る前にゼロに十分近い値になる。本実施形態では、荷重測定器61が測定する押圧力が0.1Nになるときの測定子62の位置を弾発限界点とする。測定子62が弾発限界点から元の位置に戻るまでの距離を残存歪み量とする。残存歪み量は、測定子62が弾発限界点に達した時点から移動終了時点までの経過時間と、測定子62の移動速度とを乗じることにより、計算される。測定子62の移動速度は、例えば、3.2mm/sである。
前述したように、本実施形態においては、軟性部21は、残存歪み量が5mm以下である低歪み領域を含んでいる。図7は、低歪み領域211の位置を示す模式図である。図7に示すように、低歪み領域211は、軟性部21に含まれており、軟性部21の両端から長手方向に沿って300mm以上離れた範囲を占めている。即ち、低歪み領域211は、軟性部21の中で、長手方向に沿って湾曲部22から300mm以上離れ、しかも折れ止め部24から300mm以上離れた領域である。軟性部21の中で長手方向に沿って湾曲部22に300mmより近い領域は、軟性部21の端部であり、三点曲げ試験機60による残存歪み量の測定が困難又は不可能であるので、低歪み領域211には含まれない。また、軟性部21の中で長手方向に沿って折れ止め部24に300mmより近い領域は、操作部40に近く、観察対象物の深部へ挿入されることはないので、挿入性には影響し難い。
低歪み領域211の残存歪み量が異なる複数の軟性部21のサンプルを作成し、夫々について挿入性を評価する実験を行った。図8は、残存歪み量が異なる複数の軟性部21のサンプルについて挿入部20の挿入性を評価した結果を示す図表である。可撓管30の構成が異なる軟性部21のサンプルであるサンプルA〜Iを作成し、夫々の残存歪み量及び反発力の減衰率を測定した。図8に示した各サンプルの残存歪み量及び反発力の減衰率は、長手方向の複数の箇所について測定した値の平均を示す。また、図8には、各サンプル
を構成する可撓管30のパラメータを示している。パラメータとして、可撓管30が螺旋管31を用いているか又は関節駒を用いているかの違い、外皮33の残留歪み、トップコート34の厚み、及び可撓管30の可撓性が示されている。
外皮33の残留歪みは、外皮33を引き延ばした後に生じる歪みである。外皮33の残留歪みは、精密万能試験器を用いて測定される。例えば、測定には、JIS(Japan Industrial Standard)K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に定められた、ダンベル状3号型の試験片を使用する。外皮33に使用する樹脂材料を、所定の厚さの薄板に成形した後に、所定の打ち抜き刃により打ち抜くことにより、試験片を作成することが可能である。前述のJIS規格には、残留歪みの測定方法は規定されていないので、測定方法の概略を以下に説明する。なお、測定には、前述のJIS規格と同一の精密万能試験器およびつかみ具を使用することができる。
外皮33の試験片を精密万能試験器に取り付ける。精密万能試験器のつかみ具間の距離は、50mmに設定する。速さ20mm/sでつかみ具間を引き離して、試験片を5mm伸ばす。伸ばした状態で、180秒間保持する。その後、速さ20mm/sでつかみ具を元の位置に戻し、試験片をつかみ具から取り外す。取り外した試験片の伸び量を、試験時に伸ばした距離(本例では5mm)で除することにより、残留歪みが計算される。
図8には、可撓管30の可撓性として、先端部23の先端から300mmの位置、及び先端部23の先端から1000mmの位置での可撓性が示されている。また、長手方向の複数の箇所についての可撓性の平均を示す。可撓性は、軟、中、及び硬の三段階で示されている。図8に示すように、外皮33の残留歪みが小さいほど、及びトップコート34の厚みが小さいほど、可撓性は軟らかくなる。また、可撓管30が関節駒を用いている場合は、螺旋管31を用いている場合よりも可撓性は硬くなる。
また、図8には、各サンプルについて評価された挿入部20の挿入性が示されている。挿入性は、最良を1、良好を2、不良を3として示されている。サンプルA〜Dは、いずれも低歪み領域211の残存歪み量が5mm以下であり、挿入部20の挿入性は最良である。挿入部20の挿入性は最良であったことから、低歪み領域211の残存歪み量は5mm以下であることが望ましい。残存歪み量が小さいということは、軟性部21を屈曲させた後であっても、軟性部21がより直線状に近い形状に戻ることを示す。挿入部20を曲げた状態で内視鏡10を保管した場合等、軟性部21を屈曲させた場合であっても、軟性部21には曲り癖が発生し難い。
また、低歪み領域211の残存歪み量と反発力の減衰率とは相関関係にある。残存歪み量が低下するに従って、反発力の減衰率も低下する。反発力の減衰率が低すぎる場合は、反発力が強くなり過ぎ、軟性部21の柔軟性が低下し、挿入部20の挿入性が悪化する。具体的には、反発力の減衰率が15%未満である場合は、反発力が強くなり過ぎ、軟性部21の柔軟性が低下する。低歪み領域211の残存歪み量が3mm未満である場合に、反発力の減衰率は15%未満となる。このため、低歪み領域211の残存歪み量は、3mm以上であり、反発力の減衰率は15%以上であることが望ましい。
低歪み領域211の残存歪み量と反発力の減衰率とは、可撓管30の構成によって変化する。外皮33の残留歪みが小さいほど、及びトップコート34の厚みが小さいほど、低歪み領域211の残存歪み量と反発力の減衰率とは低下する。特に、サンプルA及びBについて示されているように、外皮33の残留歪みが18〜22%、及びトップコート34の厚みが10〜30μmの場合は、低歪み領域211の残存歪み量が3.5〜4mm、及び反発力の減衰率が15〜20%となり、挿入部20の挿入性は最良である。
また、サンプルDとサンプルEとを比較すれば、可撓管30が関節駒を用いている場合は、螺旋管31を用いている場合よりも低歪み領域211の残存歪み量が低下する。即ち、挿入部20の挿入性を向上させるためには、可撓管30が関節駒を用いていることがより好適である。
サンプルE及びFは、挿入部20の挿入性は良好である。サンプルE及びFについて示されているように、低歪み領域211の残存歪み量が5mmを多少超過している場合でも、反発力の減衰率が20〜30%であれば、挿入部20の挿入性が良好となる。このため、反発力の減衰率は30%以下であることが望ましい。また、サンプルE及びFについて示されているように、外皮33の残留歪みが27%、及びトップコート34の厚みが30〜60μmの場合は、低歪み領域211の残存歪み量が6〜7mmであっても、反発力の減衰率が20〜30%である。即ち、反発力の減衰率を30%以下とし、挿入部20の挿入性を良好にするためには、外皮33の残留歪みが27%以下、及びトップコート34の厚みが60μm以下であることが望ましい。
サンプルG〜Iは、何れも、低歪み領域211の残存歪み量が7.5mm以上、反発力の減衰率は30%以上であり、挿入部20の挿入性は不良である。サンプルG〜Iでは、外皮33の残留歪みが29%であるか、又はトップコート34の厚みが60〜120μmである。外皮33の残留歪みが大きい又はトップコート34の厚みが大きい可撓管30を用いた挿入部20では、低歪み領域211の残存歪み量及び反発力の減衰率が大きく、挿入性が不良となる。
以上詳述した如く、本実施形態においては、軟性部21に含まれる低歪み領域211の残存歪み量を5mm以下とし、より望ましくは残存歪み量を3mm以上5mm以下としている。残存歪み量が小さいことにより、軟性部21には曲り癖が発生し難くなる。例えば、ケースに梱包されている輸送時、又は洗浄消毒若しくは滅菌等の際に挿入部を曲げた状態で熱負荷が加わった場合であっても、軟性部21には曲り癖が発生し難くなる。軟性部21に曲り癖が発生し難いことによって、内視鏡10の使用時に使用者が意図しない方向に軟性部21が屈曲することが抑制され、挿入部20の挿入性が向上する。例えば、挿入部20を使用者が長手方向に沿って押しこんだ場合に、曲り癖のある部分で使用者が意図しない方向に軟性部21が屈曲することが抑制され、挿入部20が使用者の意図通りに移動し易くなる。また、挿入部20を使用者が横手方向に捻じる動作をした場合においても、捻じる力が大きくなったり小さくなったりすることがなくなり、取り回しが向上する。このように、内視鏡10を使用する際の使用者による挿入部20の取り回しが向上し、挿入部20の挿入性が向上する。従って、本実施の形態においては、挿入部20の挿入性が向上した内視鏡10が得られる。
なお、本実施形態においては、照明光が図示しない光源装置から得られる形態を示したが、内視鏡10は、コネクタ部50、操作部40又は挿入部20の内部に光源を設けた形態であってもよい。また、本実施形態においては、残存歪み量の測定の際に押圧力が0.1Nになるときの測定子62の位置を弾発限界点とする例を示したが、軟性部21の反発力に対応する押圧力がゼロに十分近くなったことを判定するための閾値として、0.1N以外の値を用いてもよい。
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10 内視鏡
20 挿入部
21 軟性部
211 低歪み領域
22 湾曲部
23 先端部
24 折れ止め部
30 可撓管
40 操作部
50 コネクタ部
59 ユニバーサルコード
60 三点曲げ試験機
61 荷重測定器
62 測定子
63 押さえ柱

Claims (4)

  1. 観察対象物の内部へ挿入されるための長尺の挿入部を備える内視鏡において、
    前記挿入部は、三点曲げを行った後に残存する残存歪み量が長手方向に交差する方向に5mm以下の正の値である領域を有すること
    を特徴とする内視鏡。
  2. 前記領域での残存歪み量は3mm以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記挿入部は、可撓性を有する軟性部を有し、
    前記領域は、前記軟性部に含まれており、前記軟性部の両端から長手方向に沿って300mm以上離れた範囲を占めること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡。
  4. 前記領域では、三点曲げを所定時間継続した際に反発力が減衰する減衰率が15%以上30%以下であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の内視鏡。
JP2018029109A 2018-02-21 2018-02-21 内視鏡 Active JP7156805B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029109A JP7156805B2 (ja) 2018-02-21 2018-02-21 内視鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029109A JP7156805B2 (ja) 2018-02-21 2018-02-21 内視鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019141359A true JP2019141359A (ja) 2019-08-29
JP7156805B2 JP7156805B2 (ja) 2022-10-19

Family

ID=67772961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018029109A Active JP7156805B2 (ja) 2018-02-21 2018-02-21 内視鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7156805B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5938588A (en) * 1997-06-25 1999-08-17 Circon Corporation Superelastic control wire sheath for flexible endoscope
JP2001058009A (ja) * 1999-06-18 2001-03-06 Usami Nano Technology:Kk カテーテル及びガイドワイヤー
JP2002000552A (ja) * 2000-06-16 2002-01-08 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡用可撓管
JP2011000332A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Hoya Corp 内視鏡可撓管
JP2015154924A (ja) * 2014-01-17 2015-08-27 富士フイルム株式会社 可撓管、内視鏡型医療機器およびトップコート層用の樹脂組成物
JP2017000222A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 富士フイルム株式会社 内視鏡システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5938588A (en) * 1997-06-25 1999-08-17 Circon Corporation Superelastic control wire sheath for flexible endoscope
JP2001058009A (ja) * 1999-06-18 2001-03-06 Usami Nano Technology:Kk カテーテル及びガイドワイヤー
JP2002000552A (ja) * 2000-06-16 2002-01-08 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡用可撓管
JP2011000332A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Hoya Corp 内視鏡可撓管
JP2015154924A (ja) * 2014-01-17 2015-08-27 富士フイルム株式会社 可撓管、内視鏡型医療機器およびトップコート層用の樹脂組成物
JP2017000222A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 富士フイルム株式会社 内視鏡システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7156805B2 (ja) 2022-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5355824B1 (ja) 樹脂チューブ及び内視鏡
JP2006014960A (ja) 内視鏡
JP4360849B2 (ja) 内視鏡用可撓管および内視鏡
US20090030280A1 (en) Endoscope
WO2011161983A1 (ja) 内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡
US10806338B2 (en) Endoscope
JP5927103B2 (ja) 内視鏡挿入部、内視鏡、及び曲げ剛性プロファイル補正具
CN111801042B (zh) 应力估算系统、应力估算装置、内窥镜系统和应力估算方法
JP2005027717A (ja) 内視鏡用可撓管および内視鏡
JP2015119839A (ja) 内視鏡
KR20210117251A (ko) 의료기기를 위한 삽입 유닛 및 그의 삽관 시스템
JP6727405B2 (ja) 内視鏡
US20120209122A1 (en) Shape-Controllable Catheters and Catheter System
JP6710277B2 (ja) 可撓管挿入装置
JP4589484B2 (ja) 内視鏡用可撓管
JP2019141359A (ja) 内視鏡
JP4475747B2 (ja) 内視鏡用可撓管
JP7309740B2 (ja) 内視鏡用チューブ及び内視鏡
JP6554609B2 (ja) 可撓管挿入装置
JPWO2018131648A1 (ja) 挿入補助システム、補助具、および、挿入具
JP2018166984A (ja) 内視鏡
JP4360848B2 (ja) 内視鏡用可撓管および内視鏡
US20160100742A1 (en) Insertion apparatus
JP5331424B2 (ja) 内視鏡
JP5283464B2 (ja) 内視鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7156805

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150