JP2019141040A - 炊飯米の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高歩留りであってもべたつかず、劣化が抑制される炊飯米の製造方法を提供すること。【解決手段】水分に浸漬させていない生米を蒸気処理する蒸気処理工程と、前記蒸気処理工程で得られた米を炊飯する炊飯工程とを含み、炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下である炊飯米の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、炊飯米の製造方法に関する。
近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに陳列される、おにぎりやお弁当の需要が増加するとともに、メーカーで大量炊飯され、常温、冷蔵、又は冷凍状態で比較的長時間保持される米飯の需要が高まっている。
従来、米飯を製造する技術としては、生米を蒸気処理することにより、ピラフや炒飯等、冷凍食品として長期保存可能で電子レンジ調理に適した米飯類を工業的に大量に製造する方法(例えば、特許文献1参照)、前処理をしていない生米を蒸気処理し、レトルト殺菌することにより、粘りを無くし洋風米飯に好適なパラパラした外観とポロポロした食感を有するレトルト米飯の製造方法(例えば、特許文献2参照)、無浸漬の原料米を、散水しながら過熱水蒸気雰囲気下におくことにより、吸水工程における所要時間が大幅に削減された米飯の製造方法(例えば、特許文献3参照)、生米を10〜240秒間蒸気処理することより、割れた米飯や煮崩れている米飯の発生等を抑制し、品質の改良されたレトルト粥を製造する方法(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの提案の技術は、低歩留りの米飯を対象としていたり、歩留りが高すぎる米飯を対象としていたりするため、上記した大量炊飯され、常温、冷蔵、又は冷凍状態で比較的長時間保持される米飯の製造に適しているとはいえないという問題がある。
上記した大量炊飯され、常温、冷蔵、又は冷凍状態で比較的長時間保持される米飯は、家庭のように炊飯後高温状態で保持される米飯とは異なり、でん粉の老化をはじめとする各種の劣化が進行するという問題がある。また、これらの米飯は食べる際、再加熱されないこともあるため、この点からも、特に劣化防止技術が求められている。
劣化防止の目的で、炊飯時の加水量を増加させることにより、米飯を高歩留りとすることが考えられるが、この場合、米飯のべたつきが増加し、成型性が低下するという問題がある。
上記した大量炊飯され、常温、冷蔵、又は冷凍状態で比較的長時間保持される米飯は、炊飯後流通の前に成型工程を経て製造されるものが多いが、通常の炊飯条件で炊飯しても、成型工程で機械等設備に付着しやすいという問題があり、その問題を解決するために油脂等を添加しても、成型性を十分に改善することができていないのが現状である。
そのため、仮に、劣化防止のために米飯を高歩留まりとすると、更に成型性が悪化してしまうと考えられる。
したがって、米飯の劣化を抑制することができ、かつ成型性に優れた炊飯米の製造方法は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められている。
特開2001−333707号公報 特開平6−303926号公報 特開2014−226062号公報 特開2006−180737号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高歩留りであってもべたつかず、劣化が抑制される炊飯米の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、水分に浸漬させていない生米を蒸気処理する蒸気処理工程と、前記蒸気処理工程後に米を炊飯する炊飯工程とを含み、炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下である製造方法を採用することにより、高歩留りであってもべたつかず、劣化が抑制される炊飯米が製造できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 水分に浸漬させていない生米を蒸気処理する蒸気処理工程と、
前記蒸気処理工程後に米を炊飯する炊飯工程とを含み、
炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下であることを特徴とする炊飯米の製造方法である。
<2> 前記蒸気処理後の生米の質量の増加量が、生米100質量部に対して10質量部以下である前記<1>に記載の炊飯米の製造方法である。
<3> 前記蒸気処理の処理時間が3分間以上60分間以下である前記<1>又は<2>に記載の炊飯米の製造方法である。
<4> 前記炊飯米が、加熱殺菌処理されることなく常温、又は冷蔵にて流通される前記<1>〜<3>のいずれかに記載の炊飯米の製造方法である。
<5> さらに、前記炊飯米を成型する成型工程を含む前記<1>〜<4>のいずれかに記載の炊飯米の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高歩留りであってもべたつかず、劣化が抑制される炊飯米の製造方法を提供することができる。
図1は、製造例1−1〜1−6及び比較製造例1−1で製造した炊飯米の物性測定結果を示すグラフである。 図2Aは、製造例1−3の蒸気処理10分後のサンプルをエオシン染色したときの光学顕微鏡写真である。 図2Bは、製造例1−3の水道水浸漬1時間後のサンプルをエオシン染色したときの光学顕微鏡写真である。 図2Cは、製造例1−3で製造した炊飯米をエオシン染色したときの光学顕微鏡写真である。 図2Dは、比較製造例1−1の水道水浸漬前のサンプルをエオシン染色したときの光学顕微鏡写真である。 図2Eは、比較製造例1−1の水道水浸漬1時間後のサンプルをエオシン染色したときの光学顕微鏡写真である。 図2Fは、比較製造例1−1で製造した炊飯米をエオシン染色したときの光学顕微鏡写真である
(炊飯米の製造方法)
本発明の炊飯米の製造方法は、水分に浸漬させていない生米を蒸気処理する蒸気処理工程と、前記蒸気処理工程で得られた米を炊飯する炊飯工程とを含み、さらにその他の工程を含むことができる。
<蒸気処理工程>
前記蒸気処理工程は、水分に浸漬させていない生米を蒸気処理する工程である。
本発明において、水分に浸漬させていない生米とは、実質的に加水していない生米をいい、例えば直前に水を用いた洗米処理を行なった米は含まれない。
前記生米としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白米、無洗米、玄米、七分づき米、胚芽米、風で糠等を除去した生米などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明では蒸気処理前に水分に浸漬させない点から、無洗米、又は風で糠等を除去した生米が好ましく、品質の点から、無洗米がさらに好ましい。
米の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、うるち米、糯米又はこれらの組合せなどが挙げられ、前記うるち米としては、低アミロース米、高アミロース米、通常のうるち米などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、食味、成形性の点から、うるち米が好ましい。
米の品種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、あきたこまち、ななつぼし、はえぬき、キヌヒカリ、まっしぐら、あさひの夢、ゆめぴりか、こしいぶき、きぬむすめ、つがるロマン、夢つくし、つや姫、又はこれらの組合せなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記蒸気処理の種類としては、散水しながら蒸気処理を行うものでない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飽和蒸気処理、過熱蒸気処理などが挙げられる。
前記飽和蒸気処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蒸気庫内などに静置する方法が挙げられる。
前記飽和蒸気処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、蒸気処理の効率、糊化速度、歩留りの点から、80℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。
前記過熱蒸気処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチームオーブン内などに静置する方法が挙げられる。
前記過熱蒸気処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、過度な乾燥、焦げを防ぐため、100℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上150℃以下がより好ましく、100℃以上120℃以下がさらに好ましい。
前記過熱蒸気処理の絶対湿度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、350g/m以上550g/m以下が好ましい。
前記蒸気処理の処理時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3分間以上60分間以下が好ましく、5分間以上60分間以下がより好ましく、5分間以上30分間以下がさらに好ましい。
前記処理時間の下限値としては、べたつき、及び劣化の防止の点から、3分間以上が好ましく、5分間以上がより好ましく、10分間以上がさらに好ましい。
前記処理時間の上限値としては、べたつき、及び劣化の防止の点から、60分間以下が好ましく、30分間以下がより好ましく、20分間以下がさらに好ましい。また、蒸気処理時間が長くなりすぎると、粘りが低下しすぎるため米粒同士が付着せず、成型後の米飯の形が壊れやすくなり、加えて米粒が硬くなることがある。
前記蒸気処理後の生米の質量の増加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘りが生じやすくなり、機械適性の低下を防止する点から、生米100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以上10質量部以下がより好ましい。
前記蒸気処理工程と、後述する炊飯工程、又は後述する蒸気処理後の浸漬工程との間の時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、24時間以内が好ましく、12時間以内がより好ましく、1時間以内がさらに好ましく、30分以内が特に好ましい。前記蒸気処理工程と、後述する炊飯工程、又は後述する蒸気処理後の浸漬工程との間の時間が長くなると、蒸気処理した米の表面が再老化し、炊飯時に割れが生じやすくなり、結果的に粘りが生じやすくなり、機械適性が低下することがある。また、食味も低下することがある。
<炊飯工程>
前記炊飯工程は、前記蒸気処理工程後に米を炊飯する工程である。
前記炊飯の方法としては、加水して米を炊く方法であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱して糊化及びα化を行う加熱処理と、追い炊き処理と、蒸らし処理とを含む方法が挙げられるが、炊飯方法として慣用される手段、公知の方法であればいずれも採用できる。また、家庭用炊飯設備を用いた炊飯方法、業務用の炊飯設備を用いた炊飯方法のいずれも採用できる。
前記炊飯に用いる調理器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炊飯釜、炊飯鍋などが挙げられる。
前記加水量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炊飯後の歩留りとして、炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下となるように加水することができる。
前記炊飯後の歩留りとしては、炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食味の点から、生米100質量部に対して、250質量部以上265質量部以下がより好ましく、250質量部以上260質量部以下がさらに好ましい。生米100質量部に対して250質量部未満であると、劣化を抑制することができず、生米100質量部に対して270質量部より多いと、食味や成型性が低下する。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蒸気処理後の浸漬工程、炊飯後の冷却工程、炊飯後の成型工程、炊飯後の冷凍工程、添加物等の添加工程などが挙げられる。
<<蒸気処理後の浸漬工程>>
前記蒸気処理後の浸漬工程は、前記蒸気処理後の米を水分に浸漬させる工程である。
前記浸漬の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3分間以上が好ましく、5分間以上がより好ましく、15分間以上がさらに好ましい。
前記浸漬の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5℃以上30℃以下が好ましい。
前記浸漬後の質量の増加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中心まで十分に糊化させるために生米100質量部に対して、20質量部以上50質量部以下がより好ましく、30質量部以上50質量部以下がさらに好ましく、35質量部以上50質量部以下が特に好ましい。
<<炊飯後の冷却工程>>
前記炊飯後の冷却工程は、前記炊飯後の炊飯米を冷却する工程である。
前記冷却としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、しゃもじを用いて炊飯米をほぐすことによる放冷、差圧冷却、真空冷却、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記冷却後の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、衛生上の点から、30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましい。
<<炊飯後の成型工程>>
前記炊飯後の成型工程は、前記炊飯後の炊飯米を成型する工程である。
前記成型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、型、容器などを用いた成型が挙げられる。
前記型の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、三角型、四角形、俵型、丸型、星型などが挙げられる。 また、比較的平型に米飯を盛り付ける弁当盛り付け装置や、おにぎり成型機、寿司ロボット等の充填設備による成型工程もこれに含まれる。
<<炊飯後の冷凍工程>>
前記炊飯後の冷凍工程は、前記炊飯後の炊飯米を冷凍する工程である。
前記冷凍としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、食品に対して通常行われる冷凍処理を採用することができ、急速冷凍でも良く、緩慢冷凍でも良い。
<<添加物等の添加工程>>
添加物等の添加工程は、本発明の炊飯米の製造方法におけるいずれかの工程において、添加物等を添加する工程である。
前記添加物等とは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、添加物、調味料、米以外の具材などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酵素(アミラーゼ、トランスグルタミナーゼ等)、油脂(サラダ油、大豆油、菜種油、コ−ン油、ごま油、バター等)、日持ち向上剤、品質改善剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加物の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記調味料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、砂糖、甘味料、塩、胡椒、酢、醤油、味噌、だし、コンソメ、グルタミン酸ナトリウム、ケチャップ、カレ−粉、サフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記調味料の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記米以外の具材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、野菜、きのこ、こんにゃく、油揚げ、肉、魚介、海藻類、豆などがあげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記米以外の具材の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(炊飯米)
以上の工程により本発明の炊飯米が製造される。
前記炊飯米は、炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食味の点から、生米100質量部に対して、250質量部以上265質量部以下がより好ましく、250質量部以上260質量部以下がさらに好ましい。生米100質量部に対して250質量部未満であると、劣化を抑制することができず、生米100質量部に対して270質量部より多いと、食味や成型性が低下する。
前記炊飯米の用途として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加熱殺菌処理されることなく常温、又は冷蔵にて流通される炊飯米として好適に用いることができる。このような炊飯米は、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに陳列される、おにぎりやお弁当に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<炊飯米の製造>
(製造例1−1)
−蒸気処理工程−
平成28年産新潟県産こしひかり(生米、無洗米)300gをザルに計量し、蒸気庫(スチーマーボックスK−1DX、荒畑製作所社製)内に入れ、90℃以上の温度で3分間静置した。蒸気処理後に、質量を測定した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)を表1に示した(表1:蒸気処理後増加量(%))。
−蒸気処理後の浸漬工程−
質量の測定後すぐに、25℃に調温した2Lの水道水を入れたボウルに浸漬した。25℃の恒温槽で1時間静置した。1時間後、水切りし、炊飯鍋(直径18cmのIH鍋)に入れて、水浸漬後の質量を測定した。生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)を表1に示した(表1:水浸漬後増加量(%))。
−炊飯工程−
生米に対して1.65倍量の水道水、終濃度が0.5%の油(大豆油、味の素社製)、終濃度が2.1%の酢(穀物酢、ミツカン社製)を添加した。IHの出力700wで10分間、次いで200wで10分間加熱した後、恒温槽にて90℃で30分間蒸して炊飯米を製造した。炊飯直後の炊飯米質量を測定し、歩留りを算出した(炊飯後の炊飯米質量÷生米質量×100)。生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)を表1に示した(表1:歩留(%))。また、物性測定結果を図1に示した。
−成型工程−
得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表1に示した。
−−炊飯米の物性測定−−
炊飯直後の炊飯米の物性測定を実施した。物性測定には、テンシプレッサー(My Boy、有限会社タケトモ電機製)を用いた。φ30mmのパンクチャープローブを用い、ステージに炊飯米1粒を乗せ「低・高圧縮測定解析2」にて20粒測定した値の平均値から表層の粘りを算出した。
−−成型性評価−−
三角おにぎり型にて成型したおにぎりの製造時の付着性、べたつき、崩れやすさを下記の基準にて評価した。
(評価基準)
5:付着性、べたつき、崩れやすさに問題がない
4:粘りがないため、やや崩れやすい
3:成型容器に付着する、やや崩れる
2:成型容器に付着する、べたつく、崩れる
1:成型容器にかなり付着する、べたつく、崩れる
(製造例1−2)
蒸気処理工程における、蒸気処理の時間を、3分間から5分間に変えた以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)、生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。物性測定結果を図1に示した。
(製造例1−3)
蒸気処理工程における、蒸気処理の時間を、3分間から10分間に変えた以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)、生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。物性測定結果を図1に示した。
蒸気処理10分後、水道水浸漬1時間後、及び炊飯後のサンプルを、エオシン液で染色し、光学顕微鏡で観察した。光学顕微鏡写真を図2Aから図2Cにそれぞれ示した。
−−エオシン染色−−
蒸気処理10分後、水道水浸漬1時間後、及び炊飯後のサンプルについて、ミクロトームを用いて、10μmの厚さの輪切りの薄層切片を作製した。前記薄層切片をエオシン液に5分間浸漬させることにより染色し、前記薄層切片を光学顕微鏡で観察した。
−−−エオシン液の調製−−−
1%エオシンY液(武藤化学社製)を60%エタノールにて6倍希釈したもの500mLに対し、酢酸(純正化学社製)を0.5mL添加して混合した。
(製造例1−4)
蒸気処理工程における、蒸気処理の時間を、3分間から20分間に変えた以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)、生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。物性測定結果を図1に示した。
(製造例1−5)
蒸気処理工程における、蒸気処理の時間を、3分間から30分間に変えた以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)、生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。物性測定結果を図1に示した。
(製造例1−6)
蒸気処理工程における、蒸気処理の時間を、3分間から60分間に変えた以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)、生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。物性測定結果を図1に示した。
(比較製造例1−1)
蒸気処理工程において、蒸気処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。物性測定結果を図1に示した。
水道水浸漬前、水道水浸漬1時間後、及び炊飯後のサンプルを、エオシン液で染色後、光学顕微鏡で観察した。光学顕微鏡写真を図2Dから図2Fにそれぞれ示した。
(比較製造例1−2)
蒸気処理工程において、蒸気処理を散水しながら10分間蒸気処理を行った以外は、実施例1と同様に炊飯米を製造した。生米の質量に対する蒸気処理後の質量増加量(%)、生米の質量に対する水浸漬後の質量増加量(%)、生米の質量に対する炊飯後の歩留り(%)、及び成型性評価を表1に示した。
表1の結果より、蒸気処理を3分間から60分間行った、製造例1−1〜1−6では、蒸気処理後の質量増加量が、110%以下であることが分かった。一方、散水しながら蒸気処理を行った比較製造例1−2では、蒸気処理後の質量増加量が、110%より多いことが分かった。
また、蒸気処理を3分間から60分間行った製造例1−1〜1−6において、歩留りが250%と高い炊飯米であり、かつ、成型性に優れた炊飯米を製造できることが分かった。一方、蒸気処理を行わなかった比較製造例1−1、及び散水しながら蒸気処理を行った比較製造例1−2では、軟らかくべちゃついた、成型性に問題のある炊飯米となり、品質が良くなかった。
蒸気処理を10分間行った、製造例1−3では、蒸気処理10分後(図2A参照)、及び水道水浸漬1時間後(図2B参照)に、米の表面に膜のような層が見られたが、蒸気処理をしていない、比較製造例1−1では、前記層は見られず(図2D及びE参照)、炊飯米の表面におねばと思われる物質が蒸気処理した炊飯米よりも多く見られた。
図2の結果より、比較製造例1−1では、炊飯米の表層の粘りが強く、成型性が悪いことが分かった。一方、蒸気処理を3分間から60分間行った製造例1−1〜1−6では、蒸気処理時間が長くなるにつれて表層の粘りが抑えられ、成型性が優れることが分かった。
以上より、蒸気処理を行うことにより、高歩留まりであり、かつ、表層の粘りが抑えられ、成型性が優れる炊飯米が製造できることが分かった。また、蒸気処理を行うことにより、米表面を一部糊化させ、米内部からのデンプン(粘性物質)の流出を抑えることができるため、炊飯米の表層の粘りを抑えることができると推測された。
<常温保存後の炊飯米の食感評価>
(製造例2−1〜2−6)
−成型工程−
製造例1−1〜1−6で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
−−食感評価(常温保存)−−
成型直後と常温で静置保管した炊飯米の食感を10名のパネルにより下記評価基準にて評価し、平均点を求めた。
(評価基準)
食感
5点:まったく違和感がなく、おいしく食べることのできる食感
4点:若干柔らかい、あるいは硬く感じるものの、かなりおいしく食べることのできる食感
3点:柔らかさや硬さを感じるものの、商品として問題の無い食感
2点:かなり柔らかさや硬さが影響し、商品としては支障のある食感
1点:炊飯米として適切でなく、食べることに抵抗のある食感
(製造例2−7)
蒸気処理の時間を、3分間から10分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.68倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(製造例2−8)
蒸気処理の時間を、3分間から10分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.75倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(製造例2−9)
蒸気処理の時間を、3分間から10分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.82倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−1)
蒸気処理を行わず、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−2)
炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−3)
蒸気処理の時間を、3分間から5分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−4)
蒸気処理の時間を、3分間から10分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−5)
蒸気処理の時間を、3分間から20分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−6)
蒸気処理の時間を、3分間から30分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−7)
蒸気処理の時間を、3分間から60分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−8)
比較製造例1−1で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
(比較製造例2−9)
蒸気処理の時間を、3分間から10分間に変え、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.9倍量に変えた以外は、製造例1−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の三角おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。成型性評価を表2−1に示した。成型直後のおにぎりの食感評価を表2−2に示した。20℃で24時間静置保管したときの食感評価を表2−3に示した。
表2−1〜2−3の結果より、歩留り230%となるよう加水した比較製造例2−1〜2−7では、成型直後と比較して、20℃で24時間静置後では、食感が劣ることが分かった。
歩留り250%となるよう加水した比較製造例2−8(蒸気処理なし)では、軟らかく、べちゃっとした食感であり、水分が多く劣化は少ないが機械で成型できないことが分かった。
歩留り275%となるよう加水した比較製造例2−9(蒸気処理10分)では、蒸気処理を行ったにもかかわらずべちゃっとした食感となり、食感が劣ることが分かった。
一方、蒸気処理を行い、歩留りが250%〜270%になるよう加水した製造例2−1〜2−9では、成型性が優れ、劣化が少なく、成型直後の食感が維持されることが分かった。
以上より、最適な処理時間は3分間以上60分間以下、その際の加水量は、炊飯後歩留りが、250〜270%になる量が適当であることが分かった。
<冷蔵保存後の炊飯米の食感評価>
(製造例3−1)
−蒸気処理工程−
平成28年産新潟県産こしひかり(生米、無洗米)300gをザルに計量し、蒸気庫(スチーマーボックスK−1DX、荒畑製作所社製)内に入れ、90℃以上の温度で10分間静置した。
−蒸気処理後の浸漬工程−
蒸気処理後すぐに、25℃に調温した2Lの水道水を入れたボウルに浸漬した。25℃の恒温槽で1時間静置した。1時間後、水切りし、炊飯鍋(直径18cmのIH鍋)に入れて、水浸漬後の質量を測定した。
−炊飯工程−
生米に対して1.65倍量の水道水、終濃度が0.5%の油(大豆油、味の素社製)、終濃度が2.1%の酢(穀物酢、ミツカン社製)を添加した。IH炊飯ジャー(SR−HC103:パナソニック社製)の早炊きモードで炊飯し、炊飯約30分間、保温約20分間で炊飯開始から50分後に取り出して質量を測定し、歩留りを算出した(炊飯後の炊飯米質量÷生米質量×100)。
−成型工程−
炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の俵おにぎり型にて成型した。10℃で24時間静置保管したときの食感評価を表3に示した。
−−食感評価(冷蔵保存)−−
冷蔵で静置保管した炊飯米を電子レンジで500Wで加熱し、粗熱がとれた状態での食感を10名のパネルにより下記評価基準にて評価し、平均点を求めた。結果を以下に示す。
(評価基準)
食感
5点:まったく違和感がなく、おいしく食べることのできる食感
4点:若干硬く、あるいはほぐれが悪いが、かなりおいしく食べることのできる食感
3点:硬さを感じる、もしくはほぐれがわるいものの、商品として問題の無い食感
2点:硬さ、あるいはほぐれがないことが影響し、商品としては支障のある食感
1点:炊飯米として適切でなく、食べることに抵抗のある食感
(比較製造例3−1)
蒸気処理を行わず、炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例3−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の俵おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。10℃で24時間静置保管したときの食感評価を表3に示した。
(比較製造例3−2)
蒸気処理を行わなかった以外は、製造例3−1と同様の方法で得られた炊飯米をしゃもじでほぐし、約50℃まで放冷し、その後、真空冷却機にて20℃まで急速に冷却し、市販の俵おにぎり型にて成型し、おにぎりを製造した。10℃で24時間静置保管したときの食感評価を表3に示した。
表3の結果より、蒸気処理を行い、かつ高歩留りとなるよう炊飯した炊飯米は、冷蔵保存後の品質が向上することが分かった。
<冷凍保存後の炊飯米の食感評価>
(製造例4−1)
製造例3−1と同様の方法で製造したおにぎりを、冷凍機(ホシザキ電気株式会社製、「FR−603D−S形」)で急速凍結(設定温度:−30℃)した。この冷凍おにぎりを−20℃で14日間静置保管したときの食感評価を表4に示し、べたつき度合評価を表5に示した。
−−食感評価(冷凍保存)−−
冷凍で静置保管した炊飯米を電子レンジで500Wで加熱し、粗熱がとれた状態での食感を10名のパネルにより下記評価基準にて評価し、平均点を求めた。結果を以下に示す。
(評価基準)
食感
5点:まったく違和感がなく、おいしく食べることのできる食感
4点:若干柔らかい、あるいは硬く感じるものの、かなりおいしく食べることのできる食感
3点:柔らかさや硬さを感じるものの、商品として問題の無い食感
2点:かなり柔らかさや硬さが影響し、商品としては支障のある食感
1点:炊飯米として適切でなく、食べることに抵抗のある食感
−−べたつき度合評価−−
冷凍で静置保管した炊飯米を電子レンジで500Wで加熱し、粗熱がとれた状態での食感を10名のパネルにより下記評価基準にて評価し、平均点を求めた。結果を以下に示す。
(評価基準)
べたつき度合
5点:冷凍前とほぼ同等の非常に良好な品質(べたつきのなさ)である
4点:米同士の接着がわずかで、良好である
3点:米同士の接着がやや見られるが、商品として問題が無い
2点:米同士の接着が多く、不良である
1点:米同士の接着が顕著で、非常に不良である
(製造例4−2)
炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.68倍量に変えた以外は、製造例4−1と同様の方法で製造したおにぎりを、−20℃で14日間静置保管したときの食感評価を表4に示し、べたつき度合評価を表5に示した。
(比較製造例4−1)
比較製造例3−1と同様の方法で製造したおにぎりを、−20℃で14日間静置保管したときの食感評価を表4に示し、べたつき度合評価を表5に示した。
(比較製造例4−2)
比較製造例3−2と同様の方法で製造したおにぎりを、−20℃で14日間静置保管したときの食感評価を表4に示し、べたつき度合評価を表5に示した。
(比較製造例4−3)
炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.68倍量に変えた以外は、比較製造例4−2と同様の方法で製造したおにぎりを、−20℃で14日間静置保管したときの食感評価を表4に示し、べたつき度合評価を表5に示した。
(比較製造例4−4)
炊飯時の水道水の量を、生米に対して1.65倍量から1.46倍量に変えた以外は、製造例4−1と同様の方法で製造したおにぎりを、−20℃で14日間静置保管したときの食感評価を表4に示し、べたつき度合評価を表5に示した。
表4及び表5の結果より、蒸気処理を行い、かつ高歩留りとなるよう炊飯した炊飯米は、冷凍米飯をレンジ加熱した際に生ずる課題である、食感、べたつき度合の面で優れており、粒感にも優れていた。よって、冷凍保存後の品質が向上することが分かった。

Claims (5)

  1. 水分に浸漬させていない生米を蒸気処理する蒸気処理工程と、
    前記蒸気処理工程後に米を炊飯する炊飯工程とを含み、
    炊飯直後の炊飯米の質量が生米100質量部に対して250質量部以上270質量部以下であることを特徴とする炊飯米の製造方法。
  2. 前記蒸気処理後の生米の質量の増加量が、生米100質量部に対して10質量部以下である請求項1に記載の炊飯米の製造方法。
  3. 前記蒸気処理の処理時間が3分間以上60分間以下である請求項1又は2に記載の炊飯米の製造方法。
  4. 前記炊飯米が、加熱殺菌処理されることなく常温、冷蔵、又は冷凍にて流通される請求項1〜3のいずれかに記載の炊飯米の製造方法。
  5. さらに、前記炊飯米を成型する成型工程を含む請求項1〜4のいずれかに記載の炊飯米の製造方法。
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