JP2019140755A - 結線切換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】三相電動機の結線の切換え時における電力損失を抑制可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】結線切換装置は、直流電源4、三相の巻線6a1〜6a3を含む三相電動機6と、三相インバータ回路1と、三相の巻線6a1〜6a3の結線をスター結線及びデルタ結線の一方から他方に切換える結線切換部5と、結線切換部5による結線の切換え時に、三相の巻線6a1〜6a3の電圧を特定の電圧内にクランプして回生する回生部7とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、三相電動機の結線切換装置に関する。
エアコン等に使用されている熱交換装置の熱交換能力は、圧縮機を高回転で運転させると高くなる。近年の熱交換装置では、インバータによって圧縮機の回転速度を調整することにより、熱交換能力を細かく調整されるものが多い。
通常、圧縮機には電動機が組み込まれることによって、圧縮機の回転数は電気的に制御される。なお、電動機のコイルの巻線数によって、最も効率の良い回転数が決まる。そのため、コイルの巻き数が一定である従来の電動機では、低回転から高回転までの全域で効率を良くすることは困難であった。
その解決方法として、電動機の固定子巻線の結線方式を低回転域ではスター結線に、高回転域ではデルタ結線へ切換える技術が近年提案されている。この技術によれば、低回転域から高回転域への回転数の推移に応じて巻線数を実質的に減らすことができる。このように、回転数に応じて巻線数を実質的に変更することによって、低回転域における電流量をより低く抑え、高回転域における回転数を上げることにより高出力の確保を実現することができる。この結果、低回転域から高回転域までの効率を改善することが可能となる。
以上のような電動機のデルタ結線からスター結線への切換え、またはスター結線からデルタ結線への切換えを行う場合、電動機を一旦停止させてから切換えを行う方法が考えられる。しかしながら、電動機を一旦停止すると電動機の回転が一旦停止することになり、電動機を再起動して元の状態に戻すのに時間を要することになる。このため、電動機のスムーズな回転が必要となる場合には、電動機の停止は問題となる。
そこで、特許文献1または特許文献2に開示の技術のように、電動機を停止することなく、短時間で結線を切換える手法として、電動機の巻線に電流を流している状態で結線を切換える技術が提案されている。
特許文献1の技術では、スター結線及びデルタ結線を切換える際に、一旦予備負荷に接続する。これにより、スター結線及びデルタ結線を切換えるための接続スイッチがいずれも開放状態になった場合でも、巻線電流を予備負荷側へ電流を流すことができるので、巻線の残留エネルギーによる開放端の急激な電圧の変動を抑えることが可能となる。しかしながら、上記技術では、予備負荷に電流が流れることで電力損失が生じてしまうだけでなく、高速の切換えを行うための半導体スイッチにおいても電力損失が生じてしまうという問題がある。
特許文献2の技術では、三相デルタ結線の固定子巻線を備える電動機と、駆動回路と、固定子巻線の各相の中点にそれぞれ接続される三相ブリッジ整流回路と、この三相ブリッジ整流回路の出力端子間に接続される半導体スイッチング素子とを備え、半導体スイッチング素子をオンすることで、三相スター結線に切換える。
しかしながら、このような技術では、電動機の巻線構造が複雑であるという問題がある。また、半導体スイッチのオン時においてコンデンサからの逆流電流によりスイッチング損失が生じてしまうだけでなく、デルタ結線においてコンデンサに並列に接続されている抵抗においても電力損失が生じる。また、スター結線時には三相ブリッジ整流回路に電動機の電流が流れるため、三相ブリッジ整流回路においても電力損失が生じる。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、三相電動機の結線の切換え時における電力損失を抑制可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る結線切換装置は、直流電源と、三相の巻線を含む三相電動機と、前記直流電源の正極及び負極と接続され、前記三相の巻線のそれぞれの一端に正電圧または負電圧を付与する三相インバータ回路と、前記三相の巻線の結線をスター結線及びデルタ結線の一方から他方に切換える結線切換部と、前記結線切換部による結線の切換え時に、前記三相の巻線の電圧を特定の電圧内にクランプして回生する回生部とを備える。
本発明によれば、結線切換部による結線の切換え時に、三相電動機における三相の巻線の電圧を特定の電圧内にクランプして回生するので、電力損失を抑制することができる。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。図1の結線切換装置は、三相インバータ回路1と、電流検出抵抗2と、電解コンデンサ3と、直流電源4と、結線切換部5と、三相(U,V,W)の巻線6a1,6a2,6a3を含む三相電動機6と、回生部7と、コンデンサ9とを備える。
図1は、本発明の実施の形態1に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。図1の結線切換装置は、三相インバータ回路1と、電流検出抵抗2と、電解コンデンサ3と、直流電源4と、結線切換部5と、三相(U,V,W)の巻線6a1,6a2,6a3を含む三相電動機6と、回生部7と、コンデンサ9とを備える。
なお図1の例では、直流電源4は通常の直流電源である。しかし本実施の形態1に係る直流電源4は、正極及び負極を有する直流電源であればよく、例えば、半導体スイッチングからなるAC−DCコンバータ、及び、整流器からなる整流電圧装置などであってもよい。
三相インバータ回路1は、直流電源4の正極及び負極と接続され、三相の巻線6a1〜6a3のそれぞれの一端に正電圧または負電圧を付与する。なお、以下の説明において、三相の巻線6a1〜6a3のそれぞれの、三相インバータ回路1と接続された端を「一端」と記すこともあり、三相の巻線6a1〜6a3のそれぞれの、一端と逆側の端を「他端」と記すこともある。
本実施の形態1では、三相インバータ回路1は、直流電源4の正極側の第1半導体スイッチング素子1a,1b,1cと、直流電源4の負極側の第2半導体スイッチング素子1d,1e,1fとを含む。
第1半導体スイッチング素子1aは、巻線6a1の一端と、直流電源4の正極との間に接続されている。第1半導体スイッチング素子1bは、巻線6a2の一端と、直流電源4の正極との間に接続されている。第1半導体スイッチング素子1cは、巻線6a3の一端と、直流電源4の正極との間に接続されている。
第2半導体スイッチング素子1dは、巻線6a1の一端と、直流電源4の負極との間に実質的に接続されている。第2半導体スイッチング素子1eは、巻線6a2の一端と、直流電源4の負極との間に実質的に接続されている。第2半導体スイッチング素子1fは、巻線6a3の一端と、直流電源4の負極との間に実質的に接続されている。
第1半導体スイッチング素子1a,1b,1cは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、それぞれボディダイオード1g,1h,1iを内蔵している。同様に、第2半導体スイッチング素子1d,1e,1fは、例えばIGBTであり、それぞれボディダイオード1j,1k,1lを内蔵している。
以上のように構成された三相インバータ回路1が、三相(U,V,W)の巻線6a1〜6a3に位相が120度ずつ異なる3パターンの交流電流を流すように、三相インバータ回路1の第1半導体スイッチング素子1a〜1c及び第2半導体スイッチング素子1d〜1fがパルス幅変調(PWM)動作によって制御される。
簡略化のために図示されていないフィードバック回路は、電流検出抵抗2または図中に記載されていないカレントトランスなどの電流検出手段を用いて検出される三相インバータ回路1の交流電流の電流量や、ホール素子等の電動機の回転数を監視して、三相インバータ回路1におけるパルス幅変調動作を制御する。これにより、フィードバック回路は、三相インバータ回路1の交流電流の電流量や、ホール素子等の電動機の回転数を制御することが可能となっている。
例えば、図1に示す回路が空調機などの圧縮機に利用される場合には、フィードバック回路は、空調の対象となる部屋の温度に応じて、三相電動機6の回転量を制御する。具体的には、部屋の温度と目標温度との温度差が大きいときには、フィードバック回路は、定格出力に近い高速回転で三相電動機6を回転することにより熱交換力を高める。そして、部屋の温度が目標温度近傍に近づいたときには、フィードバック回路は、低速回転で三相電動機6を回転する。そして、最適温度が安定して維持されるように、フィードバック回路は、巻線6a1〜6a3のそれぞれを流れる交流電流の電流量及び周波数を細かくフィードバック制御する。
結線切換部5は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をスター結線及びデルタ結線の一方から他方に切換える。本実施の形態1では、結線切換部5は、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3と、スター結線用スイッチ5b1〜5b3とを含む。なお以下の説明において、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3と、スター結線用スイッチ5b1〜5b3とを区別しない場合には、それぞれを「スイッチ」と記すこともある。
デルタ結線用スイッチ5a1は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をデルタ結線にするためのスイッチであり、巻線6a1の他端と、巻線6a2の一端との間に接続されている。デルタ結線用スイッチ5a2は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をデルタ結線にするためのスイッチであり、巻線6a2の他端と、巻線6a3の一端との間に接続されている。デルタ結線用スイッチ5a3は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をデルタ結線にするためのスイッチであり、巻線6a3の他端と、巻線6a1の一端との間に接続されている。
スター結線用スイッチ5b1は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をスター結線にするためのスイッチであり、三相の巻線6a1の他端と、スター結線用スイッチ5b2,5b3との間に接続されている。スター結線用スイッチ5b2は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をスター結線にするためのスイッチであり、三相の巻線6a2の他端と、スター結線用スイッチ5b1,5b3との間に接続されている。スター結線用スイッチ5b3は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をスター結線にするためのスイッチであり、三相の巻線6a3の他端と、スター結線用スイッチ5b1,5b2との間に接続されている。
なお、スイッチは、電力損失の小さいリレーや電磁接触器等の開閉器であってもよいし、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT等の半導体スイッチであってもよいし、開閉器と半導体スイッチとの組み合わせであってもよい。なお、スイッチが、並列接続された開閉器と半導体スイッチと組み合わせである場合には、高速な切換えと、機械スイッチの接点寿命の延長とが可能である。ただし、スイッチは、以上に限ったものではない。
回生部7は、結線切換部5による結線の切換え時に、三相の巻線6a1〜6a3の電圧を特定の電圧内にクランプして直流電源4の正極及び負極に選択的に帰還することによって、三相の巻線6a1〜6a3に蓄積されたエネルギーを回生する。ここで、特定の電圧は、例えば直流電源4の電圧、または、直流電源4の電圧程度の電圧である。
本実施の形態1では、回生部7は、第1ダイオード7a1,7a2,7a3と、第2ダイオード7b1,7b2,7b3とを含む。
第1ダイオード7a1は、巻線6a1の他端と結線切換部5のデルタ結線用スイッチ5a1とに接続されたアノードと、直流電源4の正極と接続されたカソードとを有する。第1ダイオード7a2は、巻線6a2の他端と結線切換部5のデルタ結線用スイッチ5a2とに接続されたアノードと、直流電源4の正極と接続されたカソードとを有する。第1ダイオード7a3は、巻線6a3の他端と結線切換部5のデルタ結線用スイッチ5a3とに接続されたアノードと、直流電源4の正極と接続されたカソードとを有する。
第2ダイオード7b1は、巻線6a1の他端と結線切換部5のデルタ結線用スイッチ5a1とに接続されたカソードと、直流電源4の負極と接続されたアノードとを有する。第2ダイオード7b2は、巻線6a2の他端と結線切換部5のデルタ結線用スイッチ5a2とに接続されたカソードと、直流電源4の負極と接続されたアノードとを有する。第2ダイオード7b3は、巻線6a3の他端と結線切換部5のデルタ結線用スイッチ5a3とに接続されたカソードと、直流電源4の負極と接続されたアノードとを有する。
なお、本実施の形態1では、第1ダイオード7a1,7a2,7a3のそれぞれの順電圧は、ボディダイオード1g,1h,1iのそれぞれの順電圧よりも大きく、第2ダイオード7b1,7b2,7b3のそれぞれの順電圧は、ボディダイオード1j,1k,1lのそれぞれの順電圧よりも大きい。以下の説明では、第1ダイオード7a1〜7a3及び、第2ダイオード7b1〜7b3の順電圧を「Vf」と記すこともある。
電解コンデンサ3及びコンデンサ9のそれぞれは、ともにバイパスコンデンサである。電解コンデンサ3は、主に電力を蓄えておくための大容量のコンデンサである。コンデンサ9は、スイッチングによる高周波成分をバイパスして除去するための低容量のコンデンサであり、サージ電圧の吸収作用も有する。
次に、結線切換部5が行う三相電動機6の結線の切換えについて説明する。三相電動機6は、例えば3相ブラシレスモータである。三相電動機6の巻線数が大きいと低回転での効率が高く、高回転での効率が低下するが、三相電動機6の巻線数が小さいと低回転での効率が低く、高回転での効率が高くなる。
図1の回路構成では、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3がオンされ、スター結線用スイッチ5b1〜5b3がオフされると、三相電動機6の結線は、巻線数が比較的小さいデルタ結線になる。そして、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3がオフされ、スター結線用スイッチ5b1〜5b3がオンされると、三相電動機6の結線は、巻線数が比較的大きいスター結線になる。このように、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3及びスター結線用スイッチ5b1〜5b3を制御することで、三相電動機6の結線、ひいては三相電動機6の巻線数を変更することが可能となっている。
本実施の形態1では、スター結線時の三相電動機6の巻線数を基準とすると、デルタ結線時の三相電動機6の相対的な巻数比は1/31/2となっている。そこで、本実施の形態1に係る結線切換装置は、三相電動機6の回転速度が上昇したときに、三相電動機6の結線を相対的な巻数比が小さいデルタ結線に切換え、三相電動機6の回転速度が低下したときに、三相電動機6の結線を相対的な巻数比が大きいスター結線に切換える。これにより、三相電動機6の効率低下を抑制することが可能となっている。
図2は、デルタ結線及びスター結線の一方から他方に切換えることで、三相インバータ回路1及び三相電動機6の合計の効率が改善することを示す図である。低速動作領域では、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3がオフされ、スター結線用スイッチ5b1〜5b3がオンされることで、三相電動機6の巻線6a1〜6a3はスター結線で結線される。高速動作領域では、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3がオンされ、スター結線用スイッチ5b1〜5b3がオフされることで、三相電動機6の巻線6a1〜6a3はデルタ結線で結線される。
ここで、両スイッチ(デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3及びスター結線用スイッチ5b1〜5b3)を同時にオンした場合には、三相インバータ回路1の三相(U,V,W)のそれぞれの出力間が短絡されることになり、三相インバータ回路1が故障する可能性がある。また、この場合には、巻線6a1〜6a3のそれぞれの両端が短絡されることになり、三相電動機6がブレーキ動作によって停止する不具合が生じる。
そのため、結線切換部5は、三相の巻線6a1〜6a3の結線を、スター結線及びデルタ結線の一方から移行期間を経て他方に切換えるように構成されている。本実施の形態1では、移行期間は、両スイッチがオンとはならずにオフとなるデッドタイムである。
図3は、本実施の形態1に係るスイッチの切換えについてのタイミングチャートを示す図である。なお、図3には、スイッチがリレーである例が示されている。
三相電動機6の回転数Nの上昇において、回転数Nが、予め定められた基準周波数に対応する基準回転数N0を経てN0+ΔNになると(時点T1)、スター結線用スイッチ5b1〜5b3にオフ信号が入力される。なお、ΔNは、結線の切換え時の誤動作を防止するための回転数のヒステリシスである。その後、時点T2において、スター結線用スイッチ5b1〜5b3の接点がオフになる。早くても時点T1の後に、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3にオン信号が入力されることによって、時点T2後の時点T3において、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3の接点がオンになる。
三相電動機6の回転数Nの下降において、回転数Nが、予め定められた基準周波数に対応する基準回転数N0を経てN0−ΔNになると(時点T4)、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3にオフ信号が入力される。その後、時点T5において、デルタ結線用スイッチ5a1〜5a3の接点がオフになる。早くても時点T4の後に、スター結線用スイッチ5b1〜5b3にオン信号が入力されることによって、時点T5後の時点T6において、スター結線用スイッチ5b1〜5b3の接点がオンになる。
時点T2から時点T3までのデッドタイム、及び、時点T5から時点T6までのデッドタイムのそれぞれは、例えば数ミリ秒の時間であり、信号が切換わってから接点が切換わるまでの動作遅延時間とバウンス時間とを考慮して設定される。
ここで、第1ダイオード7a1〜7a3及び第2ダイオード7b1〜7b3を含む回生部7がない、本実施の形態1に係る結線切換装置と異なる結線切換装置を想定する。このような装置では、巻線6a1〜6a3のそれぞれに電流が流れているデッドタイムにおいて、巻線6a1〜6a3に蓄積された(1/2)×L×I2のエネルギーが、その電流の向きによってプラス側、またはマイナス側へ急激に電圧を変動させる。この結果、直流電源4から三相インバータ回路1に入力される電圧以上の大きな電圧が、巻線6a1〜6a3の他端に発生し、回路図には示されていない巻線や、スイッチなどに寄生する浮遊容量と共振することで、電力が無駄に消費される。
これに対して本実施の形態1に係る結線切換装置によれば、結線切換部5による結線の切換え時に、巻線6a1〜6a3に蓄積されているエネルギーを回生部7によってクランプして回生するので、エネルギーの損失(電力損失)を小さくすることができる。
また、クランプによって結線の切換時の電圧変動を、直流電源4の電圧+Vf程度以内に制限することができる。つまり、切換時における正極側の電圧変動を、直流電源4の正極側の電圧+Vf程度以内に抑えることができ、切換時における負極側の電圧変動を、直流電源4の負極側の電圧−Vf程度以内に抑えることができる。これにより、高電圧の発生による、三相電動機6の巻線6a1〜6a3や各スイッチへの不具合を抑制することができる。この結果、これらの電子部品を高耐圧化する必要がなくなる。さらに、各スイッチをオンしたときの電流変動の抑制化も期待できる。
ここで、デルタ結線になった場合において、第1ダイオード7a1〜7a3は、ボディダイオード1g〜1iと並列接続され、第2ダイオード7b1〜7b3は、ボディダイオード1j〜1lと並列接続される。
三相インバータ回路1では、U、V、Wの出力間においてキャリア周波数(一般に数十キロHz)でスイッチングが行われており、各出力は、直流電源4の正極側から三相電動機6側へ電流を供給する第1半導体スイッチング素子1a〜1c(以下「上側アーム」と記す)と、三相電動機6側から直流電源4の負極側へ電流を引き込む第2半導体スイッチング素子1d〜1f(以下「下側アーム」と記す)を有している。上側アームと下側アームとが同時にオンとなることを避けるため、キャリア周波数のスイッチングにおいてもデッドタイムが存在する。このデッドタイムにおいて、三相インバータ回路1ではオーバーシュートやアンダーシュートが発生するが、直流電源4に導通可能なボディダイオード1g〜1lが、オーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制している。
しかしながら、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3のそれぞれの順電圧が、ボディダイオード1g〜1lのそれぞれの順電圧よりも小さい場合には、キャリア周波数におけるデッドタイムにおいて、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3が先に導通する。このため、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3での電力損失が増大する。
これに対して本実施の形態1では、第1ダイオード7a1〜7a3のそれぞれの順電圧は、ボディダイオード1g〜1iのそれぞれの順電圧よりも大きく、第2ダイオード7b1〜7b3のそれぞれの順電圧は、ボディダイオード1j〜1lのそれぞれの順電圧よりも大きい。このため、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3は、キャリア周波数のスイッチング時に導通せずに、デルタ結線とスター結線との切換時に導通するので、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3での電力損失を小さくすることができる。また、装置の小型化も期待できる。
<実施の形態2>
図4は、本発明の実施の形態2に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。以下、本実施の形態2に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。以下、本実施の形態2に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
本実施の形態2に係る結線切換部5は、実施の形態1に係るデルタ結線用スイッチ5a1〜5a3及びスター結線用スイッチ5b1〜5b3の代わりに、有接点リレーである電磁継電器5c1〜5c3を含む。
電磁継電器5c1は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をデルタ結線及びスター結線に選択的に切換えるための電磁継電器であり、巻線6a1の他端と接続された入力端と、巻線6a2の一端と接続された接点と、電磁継電器5c2,5c3と接続された接点とを有する。電磁継電器5c2は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をデルタ結線及びスター結線に選択的に切換えるための電磁継電器であり、巻線6a2の他端と接続された入力端と、巻線6a3の一端と接続された接点と、電磁継電器5c1,5c3と接続された接点とを有する。電磁継電器5c3は、三相の巻線6a1〜6a3の結線をデルタ結線及びスター結線に選択的に切換えるための電磁継電器であり、巻線6a3の他端と接続された入力端と、巻線6a1の一端と接続された接点と、電磁継電器5c1,5c2と接続された接点とを有する。
第1ダイオード7a1は、巻線6a1の他端と電磁継電器5c1の入力端とに接続されたアノードと、直流電源4の正極と接続されたカソードとを有する。第1ダイオード7a2は、巻線6a2の他端と電磁継電器5c2の入力端とに接続されたアノードと、直流電源4の正極と接続されたカソードとを有する。第1ダイオード7a3は、巻線6a3の他端と電磁継電器5c3の入力端とに接続されたアノードと、直流電源4の正極と接続されたカソードとを有する。
第2ダイオード7b1は、巻線6a1の他端と電磁継電器5c1の入力端とに接続されたカソードと、直流電源4の負極と接続されたアノードとを有する。第2ダイオード7b2は、巻線6a2の他端と電磁継電器5c2の入力端とに接続されたカソードと、直流電源4の負極と接続されたアノードとを有する。第2ダイオード7b3は、巻線6a3の他端と電磁継電器5c3の入力端とに接続されたカソードと、直流電源4の負極と接続されたアノードとを有する。
以上のように、電磁継電器5c1〜5c3を用いる構成によれば、U,V,Wの各相の出力間の短絡や、各巻線6a1〜6a3の両端の短絡が無くなるので、三相インバータ回路1の故障や三相電動機6がブレーキ動作により停止する不具合を抑制することができる。
なお、電磁継電器5c1〜5c3は機械スイッチであるため、2接点間の短絡防止のためのデッドタイムは不要となるが、切換時において、入力がいずれの接点にも接続されない期間が存在する。
ここで、第1ダイオード7a1〜7a3及び第2ダイオード7b1〜7b3を含む回生部7がない、本実施の形態2に係る結線切換装置と異なる結線切換装置では、上述したように、電力が無駄に消費される。
これに対して本実施の形態2に係る結線切換装置によれば、実施の形態1と同様に、結線切換部5による結線の切換え時に、巻線6a1〜6a3に蓄積されているエネルギーを回生部7によってクランプして回生するので、エネルギーの損失(電力損失)を小さくすることができる。また、クランプによって切換時の電圧変動を制限することができるので、三相電動機6の巻線6a1〜6a3や各スイッチへの、高電圧の発生による不具合を抑制することができる。この結果、これらの電子部品を高耐圧化する必要がなくなる。さらに、各スイッチをオンしたときの電流変動の抑制化も期待できる。
<実施の形態3>
図5は、本発明の実施の形態3に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。以下、本実施の形態3に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。以下、本実施の形態3に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
本実施の形態3では、図1の第1ダイオード7a1,7a2,7a3が、直列接続された複数の第1ダイオード7a1,7a2,7a3によってそれぞれ構成され、図1の第2ダイオード7b1,7b2,7b3が、直列接続された複数の第2ダイオード7b1,7b2,7b3によってそれぞれ構成されている。
このような構成によれば、複数の第1ダイオード7a1,7a2,7a3のそれぞれの合計順電圧が、ボディダイオード1g,1h,1iの順電圧よりも大きくすること、及び、複数の第2ダイオード7b1,7b2,7b3のそれぞれの合計順電圧が、ボディダイオード1j,1k,1lの順電圧よりも大きくすることが容易となる。よって、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3での電力損失を容易に小さくすることができる。
<実施の形態4>
図6は、本発明の実施の形態4に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。以下、本実施の形態4に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図6は、本発明の実施の形態4に係る三相電動機の結線切換装置を示す回路図である。以下、本実施の形態4に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
本実施の形態4では、図4の第1ダイオード7a1,7a2,7a3が、直列接続された複数の第1ダイオード7a1,7a2,7a3によってそれぞれ構成され、図4の第2ダイオード7b1,7b2,7b3が、直列接続された複数の第2ダイオード7b1,7b2,7b3によってそれぞれ構成されている。
このような構成によれば、複数の第1ダイオード7a1,7a2,7a3のそれぞれの合計順電圧が、ボディダイオード1g,1h,1iの順電圧よりも大きくすること、及び、複数の第2ダイオード7b1,7b2,7b3のそれぞれの合計順電圧が、ボディダイオード1j,1k,1lの順電圧よりも大きくすることが容易となる。よって、第1及び第2ダイオード7a1〜7a3,7b1〜7b3での電力損失を容易に小さくすることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 三相インバータ回路、1a,1b,1c 第1半導体スイッチング素子、1d,1e,1f 第2半導体スイッチング素子、1g,1h,1i,1j,1k,1l ボディダイオード、4 直流電源、5 結線切換部、5a1,5a2,5a3 デルタ結線用スイッチ、5b1,5b2,5b3 スター結線用スイッチ、6 三相電動機、6a1,6a2,6a3 巻線、7 回生部、7a1,7a2,7a3 第1ダイオード、7b1,7b2,7b3 第2ダイオード、5c1,5c2,5c3 電磁継電器。
Claims (5)
- 直流電源と、
三相の巻線を含む三相電動機と、
前記直流電源の正極及び負極と接続され、前記三相の巻線のそれぞれの一端に正電圧または負電圧を付与する三相インバータ回路と、
前記三相の巻線の結線をスター結線及びデルタ結線の一方から他方に切換える結線切換部と、
前記結線切換部による結線の切換え時に、前記三相の巻線の電圧を特定の電圧内にクランプして回生する回生部と
を備える、結線切換装置。 - 請求項1に記載の結線切換装置であって、
前記回生部は、
それぞれが、前記三相の巻線のいずれかの他端と前記結線切換部とに接続されたアノードと、前記直流電源の前記正極と接続されたカソードとを有する複数の第1ダイオードと、
それぞれが、前記三相の巻線のいずれかの他端と前記結線切換部とに接続されたカソードと、前記直流電源の前記負極と接続されたアノードとを有する複数の第2ダイオードと
を含む、結線切換装置。 - 請求項2に記載の結線切換装置であって、
前記三相インバータ回路は、
それぞれが、前記三相の巻線のいずれかの前記一端と、前記直流電源の前記正極との間に接続された複数の第1半導体スイッチング素子と、
それぞれが、前記三相の巻線のいずれかの前記他端と、前記直流電源の前記負極との間に接続された複数の第2半導体スイッチング素子と
を含み、
前記複数の第1ダイオードの順電圧は、前記複数の第1半導体スイッチング素子に内蔵されたボディダイオードの順電圧よりも大きく、
前記複数の第2ダイオードの順電圧は、前記複数の第2半導体スイッチング素子に内蔵されたボディダイオードの順電圧よりも大きい、結線切換装置。 - 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の結線切換装置であって、
前記結線切換部は、
前記三相の巻線の結線を、スター結線及びデルタ結線の一方から移行期間を経て他方に切換える、結線切換装置。 - 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の結線切換装置であって、
前記結線切換部は、複数のスイッチまたは電磁継電器を含む、結線切換装置。
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CN111371372A (zh) * | 2020-04-16 | 2020-07-03 | 广东美的制冷设备有限公司 | 电机连接电路、驱动电路、方法、介质、系统和空调器 |
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CN111371372B (zh) * | 2020-04-16 | 2023-04-11 | 广东美的制冷设备有限公司 | 电机连接电路、驱动电路、方法、介质、系统和空调器 |
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