JP2019139990A - イオン源及びイオン注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属材料の加熱気体と放電補助ガスを原料気体導入管を介してイオン生成容器に導入し、当該金属のイオンを生成する場合に、原料気体導入管と放電補助ガス供給管の先端部との接続部分に金属材料の気体が固体化して付着し、放電補助ガス供給管の導入口を塞ぐことを防止する技術を提供する。【解決手段】本発明のイオン源は、原料気体導入管4を介して導入された金属材料30の加熱気体を真空放電させて当該金属のイオンを生成するイオン生成容器2と、原料気体導入管4に接続され原料気体導入管4を介してイオン生成容器2内に放電補助ガス40を供給する放電補助ガス供給管6とを有する。イオン生成容器2の近傍に、原料気体導入管4に接続された放電補助ガス供給管6の先端部分の領域を加熱してその温度を原料気体導入管4の温度に近接させるように制御する温度制御機構8が設けられている。【選択図】 図2

Description

本発明は、イオン源に関し、特に、マグネシウム(Mg)をイオン化して基板に注入するイオン注入装置に用いるイオン源の技術に関する。
近年、例えば窒化ガリウム(GaN)からなる基板にマグネシウム(Mg)イオンをドーパントとして注入するプロセスを行う技術が実用化しつつあり、マグネシウムのイオンビームを生成するイオン源を有するイオン注入装置が開発されている。
このようなイオン源において、マグネシウムイオンを生成するには、真空中で容器内に配置された固体のマグネシウムを加熱して昇華させて気化し、このマグネシウムの気体をイオン生成容器内においてアーク放電させてプラズマを生成し、イオン化する方法がある。
この場合、装置構成の簡素化を目的として、イオン生成容器内においてマグネシウムの放電を補助(アシスト)するために例えばアルゴン等の放電補助ガスを供給する管をマグネシウムの気体を導入する原料気体導入管に接続し、一つの原料気体導入管のみを介してこれら2種類の気体をイオン生成容器内に導入することが広く行われている。
しかし、放電補助ガスをマグネシウムの気体と共に原料気体導入管を介してイオン生成容器内に導入すると、常温に近い温度の放電補助ガスが原料気体導入管内に流入するため、原料気体導入管と放電補助ガス供給管の先端部との接続部分にマグネシウムの気体が固体化して付着し、放電補助ガス供給管の導入口を塞いでしまうことがあるという問題があった。
特開2014−003046号公報 特表2009−540534号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、金属材料の加熱気体と放電補助ガスを原料気体導入管を介してイオン生成容器に導入し、当該金属のイオンを生成する場合に、原料気体導入管と放電補助ガス供給管の先端部との接続部分に金属材料の気体が固体化して付着し、放電補助ガス供給管の導入口を塞ぐことを防止する技術を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、原料気体導入管を介して導入された金属材料の加熱気体を真空放電させて当該金属のイオンを生成するイオン生成容器と、前記原料気体導入管に接続され、当該原料気体導入管を介して前記イオン生成容器内に放電補助ガスを供給する放電補助ガス供給管とを有し、前記イオン生成容器の近傍に、前記原料気体導入管に接続された前記放電補助ガス供給管の先端部分の領域を加熱してその温度を前記原料気体導入管の温度に近接させるように制御する温度制御機構が設けられているイオン源である。
本発明では、前記温度制御機構は、前記放電補助ガス供給管の先端部分の領域に、前記イオン生成容器の近傍で、かつ、前記原料気体導入管を取り囲むように配置された被加熱部分を有し、さらに、当該被加熱部分を周囲から取り囲むように熱反射部材が設けられている場合にも効果的である。
本発明では、前記金属材料がマグネシウムであり、前記放電補助ガスがアルゴンである場合にも効果的である。
また、本発明は、上述したいずれかのイオン源を有し、当該イオン源から放出されたイオンビームを基板に照射して注入するように構成されているイオン注入装置である。
本発明にあっては、原料気体導入管に接続された放電補助ガス供給管の先端部分の領域を加熱して原料気体導入管の温度に近接させるように制御する温度制御機構が設けられていることから、放電補助ガス供給管から放電補助ガスを原料気体導入管内に流入させる場合に、放電補助ガス供給管の先端部分の領域が加熱されてその温度が上昇し、これにより金属材料の加熱気体の温度に近接させた温度(温度差100℃程度)まで加熱させた放電補助ガスを原料気体導入管に流入させて金属材料の加熱気体に混入させることができる。
その結果、本発明によれば、金属材料の加熱気体と放電補助ガスを原料気体導入管を介してイオン生成容器に導入し、当該金属のイオンを生成する場合に、原料気体導入管と放電補助ガス供給管の先端部との接続部分に金属材料の気体が固体化して付着し、放電補助ガス供給管の導入口を塞ぐことを防止することができる。
しかも、本発明では、放電補助ガス供給管の先端部分の領域を加熱して原料気体導入管の温度に近接させるように制御する温度制御機構が、イオン生成の際に高温になるイオン生成容器の近傍に設けられていることから、新たな加熱手段を設けることなく容易に放電補助ガス供給管の先端部分の領域を加熱することができるので、簡素なイオン源を提供することができる。
そして、このような本発明によれば、安定したイオンビーム電流を得ることができる。
また、本発明において、温度制御機構として、放電補助ガス供給管の先端部分の領域に、イオン生成容器の近傍で、かつ、原料気体導入管を取り囲むように配置された被加熱部分を有し、さらに、当該被加熱部分を周囲から取り囲むように熱反射部材を設けるように構成すれば、冷却機構を有する真空槽内の壁部に対して当該被加熱部分から放出される輻射熱を抑制することができるので、この熱反射部材によって放電補助ガス供給管の先端部分の温度低下を確実に防止することができる。
本発明のイオン源を用いたイオン注入装置の全体を示す概略構成図 本発明に係るイオン源の構成例を示す断面図 本実施の形態における温度制御機構の例の要部を示す平面図 本実施の形態における温度制御機構の例の要部を示す断面図 本実施の形態における温度制御機構の例の要部を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のイオン源を用いたイオン注入装置の実施の形態の全体を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施の形態のイオン注入装置1は、後述するイオン生成室12と、主真空室11と、注入室13と、を有している。イオン生成室12と注入室13とは主真空室11を介して接続されている。
この注入室13には真空排気装置19が接続されており、イオン生成室12の内部と主真空室11の内部と注入室13の内部とは真空雰囲気にされている。
注入室13の内部には、基板配置装置36が配置されている。図1では、基板配置装置36上に、イオンを注入する基板である注入対象物15が配置されている。
イオン生成室12の内部には、後述するイオン生成容器2が配置されており、イオン生成室12の外部には、図2に示す放電補助ガス(アシストガス)40を供給するためのガス供給装置21が配置されている。
ガス供給装置21は後述する温度制御機構8を介してイオン生成容器2に接続されており、イオン生成容器2は主真空室11に接続されている。
イオン生成容器2は主真空室11の走行部14に接続されており、この走行部14の内部には、スリット20とイオン引出電極23とが配置されている。
主真空室11と、注入室13と、イオン生成室12とは接地電位に接続され(図示せず)、イオン生成容器2には正電圧が印加され、イオン引出電極23には負電圧が印加されている。ここで、符号31はイオン生成容器2とイオン引出電極23とに電圧を印加する電源である。
そして、上述したイオン引出電極23とイオン生成容器2とによって形成された電界により、イオン生成容器2の内部に形成されたプラズマから陽イオンがスリット20を通過して走行部14の内部に引き出され、引き出された陽イオンは走行部14の内部を進行する。
一方、引き出された陽イオンの進行方向前方の主真空室11には質量分析装置24が設けられている。
質量分析装置24は電磁石25a、25bを有している。
主真空室11の外部には、制御装置18と分析用電源32とが配置されており、電磁石25a、25bには分析用電源32から電流が供給され、これにより質量分析装置24の内部に磁界が形成される。
分析用電源32は制御装置18に接続されており、分析用電源32が電磁石25a、25bに供給する電流は制御装置18によって制御される。したがって、質量分析装置24の内部に形成される磁界の強度は制御装置18によって制御される。
このような構成において、イオン引出電極23によって引き出されたイオンが質量分析装置24の内部に入射すると、入射したイオンは電磁石25a、25bが形成する磁界によってローレンツ力を受け、イオンの電荷質量比の値と、形成された磁界の強度とに応じてイオンの飛行方向が湾曲される。
主真空室11のうち、質量分析装置24が設けられた部分の槽壁は所定方向に湾曲され、飛行方向が槽壁の湾曲に対応して湾曲されたイオンが質量分析装置24を通過する。イオンのうちでも他の湾曲率のイオンは、主真空室11の湾曲した槽壁に設けられた部材に衝突し、質量分析装置24を通過できない。
イオンの飛行方向の湾曲は、質量分析装置24の内部に形成された磁界の強度とイオンの電荷質量比の値によって決まる大きさであり、制御装置18が電磁石25a、25bへの通電量を制御することで磁界強度が変化され、所望の電荷質量比を有するイオンを通過させることができる。この場合は他の電荷質量比を有するイオンは質量分析装置24を通過できない。
質量分析装置24を通過するイオンは、所定の電荷質量比を有するイオンであり、その進行方向前方の主真空室11には、加速部28が配置されている。
加速部28は、第一スリット26と、第一スリット26に対してイオンの進行方向前方に配置された第二スリット27とを有しており、第一スリット26と第二スリット27との間には、複数の加速電極29が配置されている。
そして、第一スリット26を通過したイオンは複数の加速電極29の間を通過する際に加速電極29によって加速され、第二スリット27を通過する。符号37は加速電極29に電圧を印加する電源を示している。
第二スリット27を通過したイオンは静電スキャン部33の内部に形成された電界の中に入射すると、電界によって飛行方向が湾曲されて静電スキャン部33を通過する。
ここで、静電スキャン部33内では、制御電極34に電圧を印加する電源38が制御装置18に接続され、制御電極34に出力する電圧の大きさが制御装置18によって制御され(図示せず)、イオンの飛行方向の湾曲の大きさが制御装置18によって変化され、基板配置装置36上の所望の位置にイオンが照射されるようになっている。
静電スキャン部33を通過したイオンの進行方向前方には、注入室13が配置されており、静電スキャン部33を通過したイオンは注入室13の内部に入射する。
そして、注入室13に入射したイオンは、上述した基板配置装置36上に配置された注入対象物15に照射され、注入対象物15の表面に注入される。
注入対象物15の表面へ所定量のイオンが注入されるとその注入対象物15に対するイオン注入作業は終了し、注入室13から外部に搬出される。
図2は、本発明に係るイオン源の構成例を示す断面構成図である。
図2に示すように、本例のイオン源10は、上述したイオン注入装置1(図1参照)の真空状態にされたイオン生成室12内に配置されるものである。
このイオン生成室12は、その内壁部分が図示しない冷却機構によって常温程度の温度となるように制御されている。
イオン生成室12内には、後述する金属材料30のイオンを生成するイオン生成容器2が設けられている。
このイオン生成容器2は、金属からなるもので、例えば長方体の箱型形状に形成されている。
本実施の形態のイオン生成容器2は、イオン放出(進行)方向に対して直交する方向にその長手方向を向けて配置されている。
そして、イオン生成容器2のイオン放出方向の下流側には、生成されたイオンを放出するスリット2Aが設けられている。
一方、イオン生成容器2のイオン放出方向上流側には、金属材料30(本実施の形態ではマグネシウム:Mg)の気体を発生させイオン生成容器2に供給するためのイオン原料供給部3が設けられている。
そして、イオン原料供給部3は、イオン生成容器2のイオン放出方向の上流側の部分に、後述する原料気体導入管4を介して接続されている。
本実施の形態のイオン生成容器2は、導入された気体をアーク放電によってプラズマ状態にするもので、公知の構成を有している。
イオン生成容器2の内部のイオン放出方向と直交する方向の一方の壁部には、熱陰極による加熱によって熱電子を放出する熱電子放出部2aが設けられ、またイオン放出方向と直交する方向の他方の壁部には、熱電子放出部2aと対向するように設けられ、負の電位となるように構成された対向反射電極(リペラー)2bが設けられている。
一方、イオン原料供給部3は、上述したイオン生成室12内の雰囲気と隔離され且つ大気と連通された収容室12a内に配置されており、原料気体導入管4を介して内部が真空状態となるように構成されている。
イオン原料供給部3は、熱伝導効率の良好な金属からなり、その内部には、イオンを生成する固体状態のイオン原料である金属材料30が収容されている。
イオン原料供給部3の近傍には、金属材料30を加熱するためのヒータ7が設けられている。
イオン生成室12内には、プラズマ生成の際に放電を補助する上記放電補助ガス40(例えばアルゴン:Ar)を導入するための放電補助ガス供給管6が設けられている。
この放電補助ガス供給管6は、図示しないガス供給源から放電補助ガス40が供給されるようになっており、イオン生成室12内の原料気体導入管4を介してイオン生成容器2内にガスを導入するように構成されている。
本実施の形態においては、イオン原料供給部3とイオン生成容器2との間で、イオン生成容器2の近傍に、以下に説明する、温度制御機構8が設けられている。
図3〜図5は、本実施の形態における温度制御機構の例の要部を示すもので、図3は平面図、図4は断面図、図5は斜視図である。
本実施の形態の温度制御機構8は、放電補助ガス供給管6に設けられた被加熱部分6Aと、この被加熱部分6Aの周囲に設けられた熱反射部材9とを有している。
本実施の形態の温度制御機構8は、放電補助ガス供給管6の先端部分の領域において、以下のように湾曲形成されて被加熱部分6Aが構成されている。
この放電補助ガス供給管6は、イオン生成容器2の近傍に設けられ、主としてイオン生成容器2が発する熱により加熱される。
図3及び図4に示すように、放電補助ガス供給管6の先端部である被加熱部分6Aのガス供給側端部60が原料気体導入管4の内部空間に接続されている。
そして、放電補助ガス供給管6のガス供給側端部60と連続する部分に第1の導入部分61が設けられ、この第1の導入部分61は、原料気体導入管4と近接して平行に延びるように形成されている。
そして、イオン生成容器2側の近傍の部分に、原料気体導入管4の延びる方向に対して直交する方向に延びるように直線状に形成された第2の導入部分62が上記第1の導入部分61と連続して直線状に形成されている。
そして、この第2の導入部分62に連続して、例えば原料気体導入管4の周囲を取り囲むように原料気体導入管4より外径の大きな半周以上の円弧状の第3の導入部分63が、例えば原料気体導入管4の延びる方向に対して直交する方向に延びるように第2の導入部分62と同じ高さ位置に設けられている。
さらに、放電補助ガス供給管6の第3の導入部分63に連続して、例えばイオン原料供給部3に向って(図2参照)例えば原料気体導入管4に対して平行に延びるように直線状に形成された第4の導入部分64が設けられている。
そして、この第4の導入部分64に連続して、例えば原料気体導入管4の延びる方向に対して直交するように直線状に形成された第5の導入部分65が設けられている。
本実施の形態では、第5の導入部分65の先端部が、熱反射部材9から外方に突出するように配置構成されている。
本実施の形態では、放電補助ガス供給管6のガス導入側の先端部分に設けられた被加熱部分6Aは、例えば放電補助ガス供給管6の被加熱部分6Aの外径より大きな外径を有する円筒形状に形成された熱反射部材9によって、その周囲が取り囲まれている。
本例では、熱反射部材9は、熱反射率の大きい材料(例えばステンレス)からなり、その内表面及び外表面は鏡面加工が施されている。
このような構成を有する本実施の形態では、熱反射部材9によって取り囲まれた放電補助ガス供給管6の被加熱部分6Aが、被加熱部分6Aから放出される輻射熱が熱反射部材9による遮蔽によって、常温程度の冷温部であるイオン生成室12の内壁部に対してできる限り伝わらないように構成することが好ましい。
このためには、例えば、放電補助ガス供給管6の被加熱部分6Aにおいて、熱反射部材9によって取り囲まれている各部位(ガス供給側端部60、第1〜第5の導入部分61〜65、特に第2及び第3の導入部位)の表面と、イオン生成室12の内壁部の表面の各部位とを直線で結んだ場合に、各直線が熱反射部材9を通過するように、放電補助ガス供給管6の被加熱部分6Aと熱反射部材9の形状及び配置を設定するとよい。
換言すると、放電補助ガス供給管6の被加熱部分6Aの表面の上記各部位からイオン生成室12の内壁部の表面の各部位を見た場合に、イオン生成室12の内壁部の表面の各部位が熱反射部材9によって遮られて見えなくなるように構成することが好ましい。
この理由は、仮に放電補助ガス供給管6の被加熱部分6Aの上記各部位からイオン生成室12の内壁部の表面の各部位を見た場合に見える部位(輻射熱が遮られない部位)が存在すると、被加熱部分6Aにおいて放出される輻射熱の熱抵抗が減少した部位が並列接続される構成となることで、当該熱抵抗が小さい部位の影響が支配的となり、その結果、放電補助ガス供給管の被加熱部分6Aのガス供給側端部60における温度低下を招くことになるからである。
したがって、このような現象を防止するためには、上述した構成を採用することが好ましい。
なお、放電補助ガス供給管6の第5の導入部分65は、熱反射部材9に設けられた小さな孔を介して熱反射部材9から取り出され、イオン生成室12の外部に向って引き回されるように構成されている(図5、図2参照)。
以上述べた本実施の形態にあっては、原料気体導入管4に接続された放電補助ガス供給管6の先端部分の領域を加熱して原料気体導入管4の温度に近接させるように制御する温度制御機構8が設けられていることから、放電補助ガス供給管6から放電補助ガス40を原料気体導入管4内に流入させる場合に、放電補助ガス供給管6の先端部分の領域が加熱されてその温度が上昇し、これにより金属材料(Mg)30の加熱気体の温度に近接させた温度(温度差100℃程度)まで加熱させた放電補助ガス(Ar)40を原料気体導入管4に流入させて金属材料30の加熱気体に混入させることができる。
その結果、本実施の形態によれば、金属材料30の加熱気体と放電補助ガス40を原料気体導入管4を介してイオン生成容器2に導入し、当該金属のイオンを生成する場合に、原料気体導入管4と放電補助ガス供給管6の先端部との接続部分に金属材料30の気体が固体化して付着して放電補助ガス供給管6の導入口を塞ぐことを防止することができる。
しかも、本実施の形態では、放電補助ガス供給管6の先端部分の領域を加熱して原料気体導入管4の温度に近接させるように制御する温度制御機構8が、イオン生成の際に高温になるイオン生成容器2の近傍に設けられていることから、新たな加熱手段を設けることなく容易に放電補助ガス供給管6の先端部分の領域を加熱することができるので、簡素なイオン源を提供することができる。
そして、このような本実施の形態によれば、安定したイオンビーム電流を得ることができる。
また、本実施の形態においては、温度制御機構8として、放電補助ガス供給管6の先端部分の領域に、イオン生成容器2の近傍で、かつ、原料気体導入管4を取り囲むように配置された被加熱部分6Aを有し、さらに、当該被加熱部分6Aを周囲から取り囲むように熱反射部材9が設けられており、冷却機構を有するイオン生成室12の内壁部に対して当該被加熱部分6Aから放出される輻射熱を抑制することができるので、この熱反射部材9によって放電補助ガス供給管6の先端部分の温度低下を確実に防止することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限られず、種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施の形態においては、温度制御機構8として、放電補助ガス供給管6の先端部分の領域に原料気体導入管4を取り囲むように配置された被加熱部分6Aを設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、この被加熱部分6Aの大きさや形状は適宜変更することができる。
また、被加熱部分6Aを周囲から取り囲むように設けた熱反射部材9についても、イオン生成室12の内壁部に対する被加熱部分6Aからの熱輻射を抑制できる限り、上記実施の形態に限られず適宜大きさや形状を変更することができる。
最後に、本発明において、イオン生成容器の構成は上記実施の形態に限られず、種々の構成のものを用いることができる。
1……イオン注入装置
2……イオン生成容器
2a…熱電子放出部
2b…対向反射電極
3……イオン原料供給部
4……原料気体導入管
6……放電補助ガス供給管
6A…被加熱部分
8……温度制御機構
9……熱反射部材
10……イオン源
11……主真空室
12……イオン生成室
13……注入室
20……スリット
21……ガス供給装置
30……金属材料
40……放電補助ガス

Claims (4)

  1. 原料気体導入管を介して導入された金属材料の加熱気体を真空放電させて当該金属のイオンを生成するイオン生成容器と、
    前記原料気体導入管に接続され、当該原料気体導入管を介して前記イオン生成容器内に放電補助ガスを供給する放電補助ガス供給管とを有し、
    前記イオン生成容器の近傍に、前記原料気体導入管に接続された前記放電補助ガス供給管の先端部分の領域を加熱してその温度を前記原料気体導入管の温度に近接させるように制御する温度制御機構が設けられているイオン源。
  2. 前記温度制御機構は、前記放電補助ガス供給管の先端部分の領域に、前記イオン生成容器の近傍で、かつ、前記原料気体導入管を取り囲むように配置された被加熱部分を有し、さらに、当該被加熱部分を周囲から取り囲むように熱反射部材が設けられている請求項1記載のイオン源。
  3. 前記金属材料がマグネシウムであり、前記放電補助ガスがアルゴンである請求項1又は2のいずれか1項記載のイオン源。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載のイオン源を有し、
    当該イオン源から放出されたイオンビームを基板に照射して注入するように構成されているイオン注入装置。
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