JP2019135693A - 車両用照明装置、車両用灯具、およびソケットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、高熱伝導性樹脂を含むソケット本体と;前記ソケット本体の一方の端部側に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;前記ソケット本体と、前記発光モジュールと、の間であって、前記ソケット本体の一方の端部に埋め込まれた伝熱部と;前記伝熱部と、前記ソケット本体と、の間の隙間に設けられた充填部と;前記隙間と、前記ソケット本体の外部と、を連通する孔の内部に設けられた栓と;を具備している。
【選択図】図3
Description
車両用照明装置に設けられるソケットには、発光モジュールにおいて発生した熱の放熱性が高く、且つ、軽量であることが望まれている。
そのため、高熱伝導性樹脂を含むソケットが提案されている。
また、ソケット本体と伝熱部とを別々に形成し、ソケット本体と伝熱部とを接着剤で接合したり、ソケット本体と伝熱部との間に熱伝導グリスからなる層を設けたりする技術も提案されている。しかしながら、この様にすると、接着剤や熱伝導グリスが発光モジュールの外側にはみ出すおそれがある。また、製造工程が煩雑となったり、製造コストが増大したりするおそれもある。
そこで、インサート成形法を用いて、ソケット本体と伝熱部とを一体に成形する場合であっても放熱性を向上させることができる技術の開発が望まれていた。
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイライトランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図3は、図1における車両用照明装置1のA−A線断面図である。
図1〜図3に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、および給電部30が設けられている。
この場合、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれる。そのため、ソケット本体10aは、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムや炭素などからなるフィラーを混合させたものとすることができる。
伝熱部10bの形状には特に限定はないが、図2および図3に示すように、板状を呈する伝熱部10bとすることができる。板状を呈する伝熱部10bとすれば、伝熱部10bの製造が容易となる。
なお、充填部10cに関する詳細は後述する。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、抵抗23、制御素子24、枠部25、および封止部26を有する。
基板21は、例えば、伝熱部10bの面10b1に接着することができる。接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、炭素などとすることができる。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装することができる。チップ状の発光素子22は、例えば、上部電極型の発光素子、上下電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子などとすることができる。図1〜図3に例示をした発光素子22は、上下電極型の発光素子である。上部電極型または上下電極型の発光素子22は、配線21bにより配線パターン21aと電気的に接続することができる。発光素子22と配線パターン21aとは、例えば、ワイヤーボンディング法により電気的に接続することができる。フリップチップ型の発光素子22は、配線パターン21aの上に直接実装することができる。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1および図2に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。枠部25は、基板21の上に設けられている。枠部25は、基板21に接着されている。枠部25は、発光素子22を囲んでいる。例えば、枠部25は、環状形状を有し、内側に複数の発光素子22が配置されるようになっている。枠部25は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
すなわち、枠部25は、封止部26の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。
また、枠部25を設けずに封止部26のみを設けることもできる。封止部26のみを設ける場合には、例えば、ドーム状の封止部26が基板21の上に設けられるようにすることができる。
給電端子31は、棒状体とすることができる。給電端子31は、凹部11aの底面11a1から突出している。給電端子31は、複数設けられている。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けられている。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光モジュール20側の端面、および絶縁部32の放熱フィン14側の端面から突出している。複数の給電端子31の発光モジュール20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続されている。すなわち、給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けされている。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10a2の内部に露出している。孔10a2の内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。給電端子31は、導電性を有する。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
ここで、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、−40℃〜85℃となる。そのため、絶縁部32の材料の熱膨張係数は、ソケット本体10aの材料の熱膨張係数となるべく近くなるようにすることが好ましい。この様にすれば、絶縁部32とソケット本体10aとの間に発生する熱応力を低減させることができる。例えば、絶縁部32の材料は、ソケット本体10aの材料である高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂とすることができる。
絶縁部32は、例えば、ソケット本体10aに設けられた孔10a1に圧入したり、孔10a1の内壁に接着したりすることができる。
放熱性を向上させるためには、ソケット本体10aと伝熱部10bとを密着させることが好ましい。この場合、インサート成形法を用いれば、ソケット本体10aと伝熱部10bとを一体に成形することができる。ところが、インサート成形法を用いて、ソケット本体10aと伝熱部10bとを一体に成形すると、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間に隙間が生じる場合がある。例えば、溶融した高熱伝導性樹脂が硬化する際に高熱伝導性樹脂が収縮するので、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間に隙間が生じる場合がある。隙間には空気やガスが存在するが、気体は固体に比べて熱伝導率が低いので、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間に隙間が生じると、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間の伝熱が妨げられることになる。
また、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間の隙間と、ソケット本体10aの外部とを連通する少なくとも1つの孔10a4が設けられている。図2および図3に例示をしたものの場合には、ソケット本体10aの、伝熱部10bと対峙する面10a3に、ソケット本体10aの外部と連通する孔10a4が設けられている。また、孔10a4の内部には栓10a5が設けられている。栓10a5は孔10a4を閉鎖している。
接着剤は、前述した無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることが好ましい。この場合、硬化後に弾性を有する接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、シリコーン系樹脂に無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。硬化後に弾性を有する接着剤とすれば、弾性を有する充填部10cとすることができるので、車両用照明装置1の使用環境の温度が変動して熱膨張や収縮が発生したり、車両用照明装置1の点灯と消灯に伴う熱膨張や収縮が発生したりしても、充填部10cとソケット本体10aとの間、充填部10cと伝熱部10bとの間に隙間が生じるのを抑制することができる。
すなわち、充填部10cは、樹脂を含むことができる。この場合、樹脂は、シリーコーンとすることができる。充填部10cは、無機材料を用いたフィラーをさらに含むことができる。充填部10cは、ソケット本体10aに含まれる高熱伝導性樹脂を含むことができる。
前述したように、ソケット本体10aと伝熱部10baとの間の隙間と、ソケット本体10aの外部とを連通する孔10a4が設けられている。そのため、孔10a4を介して、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間の隙間に、接着剤、溶融した樹脂、熱伝導グリスを充填することができる。また、孔10a4の内部に栓10a5を設けることで、充填した接着剤、樹脂、熱伝導グリスが漏れ出すのを防ぐことができる。
なお、ヒケ(隙間)の位置や大きさなどは、高熱伝導性樹脂の流動性、ソケット本体10aや伝熱部10bの大きさや形状などの影響を受ける。そのため、適切な隙間を形成するための条件は、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。なお、隙間を形成するための条件が一定であれば、ヒケ(隙間)の位置や大きさなどを安定させることができる。
また、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間の隙間は、金型により形成してもよい。金型により隙間を形成すれば、隙間の位置や大きさなどをさらに安定させることができる。
孔10a4は、金型により形成することもできるし、金型の内部において伝熱部10bを保持する押さえピンにより形成することもできる。
例えば、隙間に熱伝導グリスが充填される場合には、金属製や樹脂製の栓10a5を孔10a4に圧入したり、接着したりすることができる。また、ネジ状の栓10a5を孔10a4にねじ込むこともできる。
接着剤や溶融した樹脂を孔10a4に充填し、これらを硬化させることで栓10a5を形成することもできる。
例えば、隙間に接着剤が充填される場合には、孔10a4の内部にも接着剤を充填し、これを硬化することで栓10a5を形成することができる。溶融した樹脂を孔10a4に充填し、これを硬化させることで栓10a5を形成することもできる。また、前述したものと同様に、金属製や樹脂製の栓10a5を孔10a4に圧入したり、接着したりすることもできる。ネジ状の栓10a5を孔10a4にねじ込むこともできる。
以上に説明したように、ソケット本体10aと伝熱部10bとの間の隙間には充填部10cが設けられている。そのため、インサート成形法を用いて、ソケット本体10aと伝熱部10bとを一体に成形する場合であっても放熱性を向上させることができる。
前述した伝熱部10bは板状を呈しているが、伝熱部10baは、少なくとも一方の端部側が放熱フィン14側に屈曲した形状を有している。なお、図4に例示をした伝熱部10baは、両側の端部が放熱フィン14側に屈曲した形状を有している。伝熱部10baの端部は、放熱フィン14の内部に設けることができる。この様にすれば、発光モジュール20において発生した熱を放熱フィン14に伝達するのが容易となる。そのため、車両用照明装置1の放熱性を向上させることができる。
また、前述した伝熱部10bの場合と同様に、充填部10c、孔10a4、栓10a5などが設けられている。
そのため、インサート成形法を用いて、ソケット本体10aと伝熱部10baとを一体に成形する場合であっても放熱性を向上させることができる。
本実施の形態に係るソケットの製造方法においては、まず、インサート成形法により、ソケット本体10aと伝熱部10b(伝熱部10ba)とを一体に成形する。
また、この工程において、ソケット本体10aと伝熱部10b(伝熱部10ba)との間にヒケを生じさせることで隙間を形成したり、金型により隙間を形成したりする。
また、この工程において、ソケット本体10aと伝熱部10b(伝熱部10ba)との間の隙間と、ソケット本体10aの外部とを連通する孔10a4を形成する。
次に、孔10a4の内部に栓10a5を設けることで孔10a4を閉鎖する。
以上の様にして、ソケット10を形成することができる。
すなわち、本実施の形態に係るソケットの製造方法は、以下の工程を備えることができる。
インサート成形法を用いて、高熱伝導性樹脂を含むソケット本体10aと、ソケット本体10aの一方の端部側に位置する伝熱部10bと、を一体に成形する工程。
ソケット本体10aと、伝熱部10bと、の間に形成された隙間に、熱伝導グリスまたは樹脂を充填する工程。
この場合、熱伝導グリスまたは樹脂を充填する工程において、隙間と、ソケット本体10aの外部と、を連通する孔10a4を介して、熱伝導グリスまたは前記樹脂を充填する。
また、孔10a4を塞ぐ工程をさらに備えることができる。
なお、各工程の内容は前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図5に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
例えば、図5に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている。シール部材105aは、孔10a2の内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10a2に挿入された際には、孔10a2が水密となるように密閉される。
Claims (12)
- 高熱伝導性樹脂を含むソケット本体と;
前記ソケット本体の一方の端部側に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
前記ソケット本体と、前記発光モジュールと、の間であって、前記ソケット本体の一方の端部に埋め込まれた伝熱部と;
前記伝熱部と、前記ソケット本体と、の間の隙間に設けられた充填部と;
前記隙間と、前記ソケット本体の外部と、を連通する孔の内部に設けられた栓と;
を具備した車両用照明装置。 - 前記充填部は、熱伝導グリスを含む請求項1記載の車両用照明装置。
- 前記熱伝導グリスは、シリーコーンと、無機材料を用いたフィラーと、を含む請求項2記載の車両用照明装置。
- 前記充填部は、樹脂を含む請求項1記載の車両用照明装置。
- 前記充填部は、無機材料を用いたフィラーをさらに含む請求項4記載の車両用照明装置。
- 前記樹脂はシリーコーンである請求項4または5に記載の車両用照明装置。
- 前記充填部は、前記高熱伝導性樹脂を含む請求項1記載の車両用照明装置。
- 前記栓の材料は、前記充填部の材料とは異なる請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記栓の材料は、前記充填部の材料と同じである請求項1、4〜7のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。 - 車両用照明装置に設けられるソケットを製造する方法であって、
インサート成形法を用いて、高熱伝導性樹脂を含むソケット本体と、前記ソケット本体の一方の端部側に位置する伝熱部と、を一体に成形する工程と;
前記ソケット本体と、前記伝熱部と、の間に形成された隙間に、熱伝導グリスまたは樹脂を充填する工程と;
を具備し、
前記熱伝導グリスまたは前記樹脂を充填する工程において、前記隙間と、前記ソケット本体の外部と、を連通する孔を介して、前記熱伝導グリスまたは前記樹脂を充填するソケットの製造方法。 - 前記孔を塞ぐ工程をさらに具備した請求項11記載のソケットの製造方法。
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