以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
まず、第1実施形態の車両異常通知システム101について、図1〜図10を参照しながら説明する。
図1は、車両異常通知システム101の構成図である。車両異常通知システム101には、車載機10、電子キー20、スマートフォン30、およびウェアラブルデバイス40が備わっている。車載機10は、ECU(電子制御装置)であって、自動四輪車から成る車両1に搭載されている。電子キー20、スマートフォン30、およびウェアラブルデバイス40は、車載機10に登録されたデバイスであって、車両1の利用者により携帯され、利用者に伴って車両1の内外へ移動する。
、
電子キー20は、FOBから成り、利用者の掌サイズに形成されている。スマートフォン30は、利用者が片手で把持できる矩形の平板状に形成されている。ウェアラブルデバイス40は、本例では、利用者が直接身に付けることができる腕時計型の携帯機である。電子キー20とウェアラブルデバイス40は、スマートフォン30より小型である。電子キー20とスマートフォン30は、利用者が直接身に付けることができず、洋服のポケットやカバンなどに収納された状態で利用者に携帯される。ウェアラブルデバイス40は、本発明の「第1携帯機」の一例である。スマートフォン30は、本発明の「第2携帯機」の一例である。
車載機10には、制御部11、記憶部12、LF(Low Frequency)送信部13、UHF(Ultra High Frequency)受信部14、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)送受信部15、および車内通信部16が備わっている。
制御部11は、マイクロコンピュータから成り、車載機10の各部の動作を制御する。制御部11には、異常検出部11aが設けられている。記憶部12は、情報の読み出しが可能なメモリや、情報の書き換えが可能なメモリなどから成る。記憶部12には、制御部11が各部の動作を制御するための情報や、車両1の異常状態に関する情報などが記憶されている。
LF送信部13は、電子キー20へLF信号を送信するための回路(図示省略)とアンテナ13aから成る。UHF受信部14は、電子キー20からUHF信号を受信するための回路(図示省略)とアンテナ14aから成る。制御部11は、LF送信部13とUHF受信部14により、電子キー20に対してLF信号やUHF信号を無線で送受信する。これらのLF信号やUHF信号には、所定の情報が含まれる。
LF送信部13により電子キー20へ送信するLF信号には、リクエスト信号が含まれている。電子キー20からUHF受信部14により受信するUHF信号には、リクエスト信号に対するアンサー信号が含まれている。LF送信部13のアンテナ13aは、車両1の車室外に複数設けられ、車室内にも設けられている(詳細図示省略)。
制御部11は、LF送信部13の各アンテナ13aからリクエスト信号を所定周期で間欠的に送信し、該各リクエスト信号に対するアンサー信号のUHF受信部14による受信の有無に基づいて、電子キー20が車両1の車室内にあるか、または車室外にあるかを判定する。また、制御部11は、上記各リクエスト信号に対するアンサー信号の受信の有無の変化や、アンサー信号の受信強度(RSSI値)に基づいて、電子キー20の移動状態、および電子キー20を携帯している利用者の車両1に対する乗車・降車の状態を判定する。
BLE送受信部15は、近距離通信規格であるBLEに基づいたBLE信号を、BLE対応デバイスに対して無線で送受信するための回路(図示省略)とアンテナ15aから成る。本例では、BLE対応デバイスとして、車載機10、スマートフォン30、およびウェアラブルデバイス40が設けられている。制御部11は、BLE送受信部15により、スマートフォン30に対してBLE信号を無線で送受信する。このBLE信号には、所定の情報が含まれる。
車内通信部16は、CAN(Controller Area Network)などの車内通信用のバス2を介して、車両1に搭載された他の装置と通信するための回路から成る。他の装置には、車載機10以外のECU3、IG(イグニション)スイッチ4、および警告装置5などが含まれている。
ECU3は、図1では便宜上1つのブロックで示しているが、実際には車両1に複数設けられている。ECU3には、たとえば、車両1のエンジンやドアなどの車載機器を制御するECU、ボディコントロール用のECU、およびセキュリティ用のECUなどがある。ECU3は、車両1の各部の状態をバス2を介して車載機10へ送信する。IGスイッチ4は、車両1のIGや電源の状態を検知して、バス2を介して車載機10へ出力する。車載機10の異常検出部11aは、車内通信部16によりECU3やIGスイッチ4から受信した情報や信号に基づいて、車両1の異常状態を検出する。また、異常検出部11aは、その車両1における異常状態の発生箇所も検出する。
警告装置5は、図1では便宜上1つのブロックで示しているが、車両1に搭載された照明類、ディスプレイ装置、ホーン、またはスピーカなどから成り、利用者に対して視覚的または聴覚的に警告を行う。車両1の所定の異常状態が車載機10の異常検出部11aにより検出されると、制御部11が、車内通信部16により警告装置5に動作指令を送信し、警告装置5により利用者に対して警告を行う。
電子キー20には、制御部21、LF受信部23、およびUHF送信部24が備わっている。制御部21は、マイクロコンピュータから成り、電子キー20の各部の動作を制御する。制御部21の内部メモリには、電子キー20の識別情報(ID)などが記憶されている。この識別情報は、車載機10が電子キー20を認証するときに利用される。
LF受信部23は、車載機10からLF信号を受信するための回路(図示省略)とアンテナ23aから成る。UHF送信部24は、車載機10へUHF信号を送信するための回路(図示省略)とアンテナ24aから成る。制御部21は、UHF送信部24とLF受信部23により、車載機10に対してUHF信号やLF信号を無線で送受信する。これらのUHF信号やLF信号には、識別情報などの所定の情報が含まれる。
スマートフォン30には、制御部31、記憶部32、表示操作部33、BLE送受信部35、および公衆通信部36が備わっている。制御部31は、マイクロコンピュータから成り、スマートフォン30の各部の動作を制御する。制御部31には、重要度判定部31b、通知選択部31c、および対応策提示部31dが設けられている。
記憶部32は、情報の読み出しが可能なメモリや、情報の書き換えが可能なメモリなどから成る。記憶部32には、制御部31が各部の動作を制御するための情報や、車両1の異常状態に関する情報などが記憶されている。車両1の異常状態に関する情報には、異常重要度テーブルT1、異常通知テーブルT2、および異常対応テーブルT3が含まれている。
表示操作部33は、タッチパネル33a、スピーカ33b、およびバイブレータ33cなどを有している。車載機10の異常検出部11aにより検出された車両1の異常状態のうち、所定の異常状態(後述)は、表示操作部33により利用者に通知される。スマートフォン30は、ウェアラブルデバイス40より大型であるため、タッチパネル33aは、ウェアラブルデバイス40のタッチパネル43aより大きくて、表示する情報量が多く、利用者にとって見易くなっている。表示操作部33は、本発明の「異常通知部」の一例である。タッチパネル33aは、本発明の「変更操作部」と「確認操作部」の一例である。
BLE送受信部35は、BLE信号をBLE対応デバイスに対して無線で送受信するための回路(図示省略)とアンテナ35aから成る。制御部31は、BLE送受信部35により、車載機10やスマートフォン30に対してBLE信号を無線で送受信する。このBLE信号には、所定の情報が含まれる。公衆通信部36は、基地局51を介して公衆電話網(図示省略)やインターネット52に接続され、他の電話装置(携帯電話や固定電話)や情報処理装置(パーソナルコンピュータやサーバ)などと通信するための回路から成る。
ウェアラブルデバイス40には、制御部41、記憶部42、表示操作部43、BLE送受信部45、および公衆通信部46が備わっている。制御部41は、マイクロコンピュータから成り、ウェアラブルデバイス40の各部の動作を制御する。記憶部42は、情報の読み出しが可能なメモリや、情報の書き換えが可能なメモリなどから成る。記憶部42には、制御部41が各部の動作を制御するための情報や、車両1の異常状態に関する情報などが記憶されている。
表示操作部43は、タッチパネル43a、スピーカ43b、およびバイブレータ43cなどを有している。車載機10の異常検出部11aにより検出された車両1の異常状態のうち、所定の異常状態(後述)は、表示操作部43によって利用者に通知される。表示操作部43は、本発明の「異常通知部」の一例である。タッチパネル43aは、本発明の「確認操作部」の一例である。
BLE送受信部45は、BLE信号をBLE対応デバイスに対して無線で送受信するための回路(図示省略)とアンテナ45aから成る。制御部41は、BLE送受信部45により、スマートフォン30に対してBLE信号を無線で送受信する。このBLE信号には、所定の情報が含まれる。スマートフォン30は、車載機10とウェアラブルデバイス40との間で、BLE信号の送受信を中継する。
ウェアラブルデバイス40の公衆通信部46は、基地局51を介して公衆電話網やインターネット52に接続され、他の電話装置や情報処理装置などと通信するための回路から成る。
上述したように、車載機10とスマートフォン30とウェアラブルデバイス40との間の無線通信方式(BLE通信)は、車載機10と電子キー30との間の無線通信方式(LF通信・UHF通信)と異なっている。
図2は、車両異常通知システム101の車両警告通知動作を示したフローチャートである。車両警告通知動作では、対象の車両1の異常状態(後述の図5参照)を検出して、車両1に搭載された警告装置5による警告と、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40による通知とを実行する。
図2において、まず車載機10の制御部11が、ECU3やIGスイッチ4から受信する情報や信号に基づいて、異常検出部11aにより車両警告通知対象の車両1の異常状態の有無を常時監視する(図2のステップS1)。そして、異常検出部11aにより車両警告通知対象の車両1の異常状態が検出されると(図2のステップS2:YES)、制御部11は、車内通信部16を介して警告装置5に警告指令を送信し、警告装置5により利用者に対して警告を行う(図2のステップS3)。また、車載機10、スマートフォン30、およびウェアラブルデバイス40において、後述する異常通知処理が実行される(図2のステップS4)。異常検出部11aは、車両警告通知対象の車両1の異常状態の検出時に、該異常状態の発生箇所と発生日時も検出する。
図3は、車両異常通知システム101の降車通知動作を示したフローチャートである。降車通知動作では、利用者の車両1からの降車時に、対象の車両1の異常状態(後述の図5参照)を検出して、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40による通知を実行する。また、降車時は、利用者が車両1から離れて行くので、車両1側での警告を省略する。
図3において、まず車載機10の制御部11が、LF送信部13により電子キー20に対してリクエスト信号を送信する(図3のステップS11)。電子キー20の制御部21は、LF受信部23によりリクエスト信号を受信すると(図3のステップS12:YES)、UHF送信部24により車載機10に対してアンサー信号を送信する(図3のステップS13)。車載機10の制御部11は、UHF受信部14によりアンサー信号を受信すると(図3のステップS14:YES)、該アンサー信号の受信強度をUHF受信部14により計測する。
上記各処理は繰り返し実行され、車載機10の制御部11は、各リクエスト信号に対するアンサー信号の有無とアンサー信号の受信強度の変化とに基づいて、LF信号の到達範囲に対する電子キー20の移動状態を判断する。そして、制御部11は、電子キー20がLF信号の到達範囲内から到達範囲外に移行したと判定すると(図3のステップS15:YES)、利用者が降車したと判断し、異常検出部11aにより降車通知対象の車両1の異常状態の有無を確認する。このとき、降車通知対象の車両1の異常状態が異常検出部11aにより検出されると(図3のステップS16:YES)、車載機10、スマートフォン30、およびウェアラブルデバイス40において異常通知処理が実行される(図3のステップS17)。異常検出部11aは、降車通知対象の車両1の異常状態の検出時に、該異常状態の発生箇所と発生日時も検出する。
図4は、車両異常通知システム101の異常通知処理の詳細を示したフローチャートである。本異常通知処理は、図2のステップS4、図3のステップS17、および後述する図10のステップS54の詳細を示している。
図4において、まず車載機10の制御部11が、異常検出部11aにより検出した車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、および発生日時を示す異常情報(BLE信号)を、BLE送受信部15によりスマートフォン30に送信する(図4のステップS21)。
スマートフォン30では、車載機10からの異常情報をBLE送受信部35により受信すると(図4のステップS22:YES)、重要度判定部31bが、記憶部32に記憶された異常重要度テーブルT1を参照して、異常情報に含まれる車両1の異常状態の重要度を判定する(図4のステップS23)。
図5は、異常重要度テーブルT1を示した図である。図5(a)は、異常重要度テーブルT1の初期設定状態を示し、図5(b)は、異常重要度テーブルT1の設定変更後の状態を示している。異常重要度テーブルT1には、車載機10の異常検出部11aにより検出される車両1の異常状態の一例と、該異常状態毎に設定された重要度とが示されている。重要度は、数値が大きい程高くなっている。車両1の異常状態には、車両警告通知対象の異常状態と、降車通知対象の異常状態とが含まれている。
他の例として、利用者の車両1への乗車時に警告または通知する異常状態を、異常重要度テーブルT1に含めてもよい。また、図5には、車載機器や電子キー20に関する異常状態だけを示しているが、この他にも、車両1の車体やタイヤなどの部品に関する異常状態や、乗員や不審者に関する異常状態などを、異常重要度テーブルT1に含めてもよい。
図5(a)に示す異常重要度テーブルT1の初期設定状態において、たとえば、車両1の異常状態が「電源の切り忘れ」であった場合は、重要度が「3」に設定されているため、重要度判定部31bが該異常状態の重要度を「3」と判定する。また、車両1の異常状態が「車室内に電子キー置き忘れ」であった場合は、重要度が「2」に設定されているため、重要度判定部31bが該異常状態の重要度を「2」と判定する。さらに、車両1の異常状態が「電子キーの電池電圧低下」であった場合は、重要度が「1」に設定されているため、重要度判定部31bが該異常状態の重要度を「1」と判定する。
図4において、通知選択部31cは、記憶部32に記憶された異常通知テーブルT2を参照し、重要度判定部31bにより判定された重要度に応じて、車両1の異常状態の通知を実行する携帯機(スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40)を選択する(図4のステップS24)。
図6は、異常通知テーブルT2を示した図である。図6(a)は、異常通知テーブルT2の初期設定状態を示し、図6(b)は、異常通知テーブルT2の設定変更後の状態を示している。異常通知テーブルT2には、車両1の異常状態の重要度と、該重要度毎に設定された通知を実行する携帯機、すなわちスマートフォン30またはウェアラブルデバイス40とが示されている。詳しくは、「スマートフォン」や「ウェアラブルデバイス」の欄の下方に示された、「○」が通知の実行許可を示し、「×」が通知の実行禁止を示している。
図6(a)に示す異常通知テーブルT2の初期設定状態において、たとえば、重要度判定部31bが車両1の異常状態の重要度を「3」と判定した場合は、通知選択部31cが異常状態の通知を実行する携帯機として、スマートフォン30とウェアラブルデバイス40の両方を選択する。また、重要度判定部31bが車両1の異常状態の重要度を「2」と判定した場合は、通知選択部31cが異常状態の通知を実行する携帯機として、ウェアラブルデバイス40のみを選択する。さらに、重要度判定部31bが車両1の異常状態の重要度を「1」と判定した場合は、通知選択部31cが異常状態の通知を実行する携帯機として、スマートフォン30のみを選択する。
図4において、対応策提示部31dは、記憶部32に記憶された異常対応テーブルT3を参照して、異常情報に含まれる車両1の異常状態の対応策を提示する(図4のステップS25)。このステップS25の処理は、ステップS23やステップS24の前に実行してもよいし、ステップS23やステップS24と同時に実行してもよい。
図7は、異常対応テーブルT3を示した図である。異常対応テーブルT3には、車両1の異常状態と、該異常状態毎に設定された対応策とが示されている。たとえば、車両1の異常状態が「電源の切り忘れ」であった場合は、対応策提示部31dが対応策として「電源オフ」を提示する。
図4において、前述したように、通知選択部31cが通知を実行する携帯機として、スマートフォン30を選択した場合は(図4のステップS26:YES)、制御部31が、車両1の異常状態を表示操作部33により利用者に通知する(図4のステップS27)。このとき、図8に示すように、車両1の異常状態とともに、該異常状態の発生箇所と対応策とを表示操作部33のタッチパネル33aに表示する。また、このタッチパネル33aの表示が行われたことを利用者に気付かせるために、スピーカ33bから所定の音を一時的に出力したり、バイブレータ33cを一時的に振動させたりする。また、制御部31は、車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、および発生日時などの異常情報を、異常履歴として記憶部32に記録する(図4のステップS28)。
図8は、スマートフォン30による車両1の異常状態の通知例を示した図である。図4のステップS27により、スマートフォン30の表示操作部33のタッチパネル33aには、車両1の異常状態を通知する「車両情報」の画面G1が表示される。この画面G1中には、車両1の異常状態の一例である「ドア開」を通知するため、「バックドアが開いています」のメッセージM1が表示されている。この場合、バックドアが当該異常状態の発生箇所である。また、その対応策として、「バックドアを閉めて下さい」のメッセージM2が表示されている。さらに、画面G1中には、「確認」ボタンB1が表示されている。利用者が画面G1の内容を視認して、「確認」ボタンB1をタップ操作すると、画面G1は消去される。画面G1、車両1の異常状態などと対応策に対応するメッセージM1、M2、およびボタンB1などのデータは、予め記憶部32に記憶されている。
図4において、通知選択部31cが通知を実行する携帯機として、スマートフォン30を選択しなかった場合は(図4のステップS26:NO)、制御部31が、表示操作部33による通知を実行することなく、異常情報を異常履歴として記憶部32に記録する(図4のステップS28)。
また、通知選択部31cが通知を実行する携帯機として、ウェアラブルデバイス40を選択した場合は(図4のステップS29:YES)、制御部31が、車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、発生日時、および対応策を含めた異常情報をBLE送受信部35によりウェアラブルデバイス40へ送信する(図4のステップS30)。
ウェアラブルデバイス40では、スマートフォン30からの異常情報をBLE送受信部45により受信すると(図4のステップS31:YES)、制御部41が、該異常情報に含まれる車両1の異常状態を表示操作部43により利用者に通知する(図4のステップS32)。このとき、図9に示すように、車両1の異常状態とともに、該異常状態の発生箇所と対応策とを表示操作部43のタッチパネル43aに表示する。また、このタッチパネル43aの表示が行われたことを利用者に気付かせるために、スピーカ43bから所定の音を一時的に出力したり、バイブレータ43cを一時的に振動させたりする。また、制御部41は、車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、および発生日時などの異常情報を、異常履歴として記憶部42に記録する(図4のステップS33)。
図9は、ウェアラブルデバイス40による車両1の異常状態の通知例を示した図である。図4のステップS32により、ウェアラブルデバイス40の表示操作部43のタッチパネル43aには、車両1の異常状態を通知する「車両情報」の画面G2が表示される。この画面G2中には、車両1の異常状態の一例である「車室内に電子キー置き忘れ」を通知するため、「電子キーが車室内にあります」のメッセージM3が表示されている。この場合、車室内が当該異常状態の発生箇所である。また、その対応策として、「電子キーを回収して下さい」のメッセージM4が表示されている。さらに、画面G2中には、「確認」ボタンB2が表示されている。利用者が画面G2の内容を視認して、「確認」ボタンB2をタップ操作すると、画面G2は消去される。画面G2、車両1の異常状態などと対応策に対応するメッセージM3、M4、およびボタンB2などのデータは、予め記憶部42に記憶されている。
図5に示した異常重要度テーブルT1と図6に示した異常通知テーブルT2の内容は、利用者がスマートフォン30の表示操作部33のタッチパネル33aで所定の操作を行うことにより、表示操作部33に表示される。そして、異常重要度テーブルT1の重要度の設定(「3」と「2」と「1」)と、異常通知テーブルT2の携帯機の設定(「○」と「×」)は、利用者がタッチパネル33aでさらに所定の操作を行うことにより、それぞれ任意に変更することができる。
図5(a)の異常重要度テーブルT1に対して、図5(b)の異常重要度テーブルT1では、「車室内に電子キー置き忘れ」と「窓開(開度小)」の重要度の設定が変更されている。図6(a)の異常通知テーブルT2に対して、図6(b)の異常通知テーブルT2では、重要度「2」の携帯機の設定が変更されている。
車載機10の異常検出部11aが検出する車両1の異常状態の種類は、図1に示すように、車載機10に対してバス2と入出力ポート6を介して接続された書換装置7により更新される。また、この更新に合わせて、スマートフォン30の記憶部32に記憶された車両1の異常状態に関する情報(テーブルT1、T3の内容とタッチパネル33aの表示内容など)も更新される。さらに、ウェアラブルデバイス40の記憶部42に記憶された車両1の異常状態に関する情報(タッチパネル43aの表示内容など)も更新される。
たとえば、スマートフォン30の制御部31が、公衆通信部36により基地局51とインターネット52を介して情報配信装置53から車両1の異常状態に関する更新情報を取得し、該更新情報に基づいて記憶部32に記憶された車両1の異常状態に関する情報を更新する。また、ウェアラブルデバイス40の制御部41が、公衆通信部46により基地局51とインターネット52を介して情報配信装置53から車両1の異常状態に関する更新情報を取得し、該更新情報に基づいて記憶部42に記憶された車両1の異常状態に関する情報を更新する。
図10は、第1実施形態による車両異常通知システム101の通知確認動作を示したフローチャートである。通知確認動作では、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40の表示操作部33、43による重要度が高い(重要度が「2」と「3」)車両1の異常状態の通知を、利用者が確認したことを監視し、また該通知の確認を促す。
図4に示した異常通知処理が終了(図10のステップS41)した後、スマートフォン30の制御部31は、重要度判定部31bによる車両1の異常状態の重要度の判定結果を示す重要度信号(BLE信号)を、BLE送受信部35により車載機10へ送信する(図10のステップS42)。
車載機10では、スマートフォン30からの重要度信号をBLE送受信部15により受信すると(図10のステップS43:YES)、制御部11が、該重要度信号で示された車両1の異常状態の重要度を確認する。そして、制御部11は、当該重要度が「2」以上であれば(図10のステップS44:YES)、所定時間が経過するまで(図10のステップS46:NO)、スマートフォン30から通知成功信号(BLE信号)が送信されて来るのを待つ(図10のステップS45)。通知成功信号とは、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40の表示操作部33、43による車両1の異常状態の通知が利用者により確認されたことを示す信号である。
スマートフォン30では、表示操作部33による車両1の異常状態の通知を実行した場合(図10のステップS47:YES)、制御部31が、該通知を確認したことを示す利用者の確認操作が行われたか否かを確認する(図10のステップS48)。図8に示したような、タッチパネル33aに表示された画面G1の内容を、利用者が視認して「確認」ボタンB1をタップ操作すると、制御部31は、車両1の異常状態の通知の確認操作が行われたと判断する(図10のステップS48:YES)。そして、制御部31は、BLE送受信部35により通知成功信号を車載機10へ送信する(図10のステップS50)。
一方、車両1の異常状態の通知の確認操作が行われなければ(図10のステップS48:NO)、制御部31は、ウェアラブルデバイス40から通知成功信号を受信したか否かを確認する(図10のステップS49)。
また、表示操作部33による車両1の異常状態の通知を実行していない場合(図10のステップS47:NO)、すなわち、スマートフォン30ではなくウェアラブルデバイス40で車両1の異常状態の通知を実行した場合も、制御部31は、ウェアラブルデバイス40から通知成功信号を受信したか否かを確認する(図10のステップS49)。
ウェアラブルデバイス40では、表示操作部43による車両1の異常状態の通知を実行した場合(図10のステップS51:YES)、制御部41が、該通知を確認したことを示す利用者の確認操作が行われるのを待つ(図10のステップS52)。図9に示したような、タッチパネル43aに表示された画面G2の内容を、利用者が視認して「確認」ボタンB2をタップ操作すると、制御部41は、車両1の異常状態の通知の確認操作が行われたと判断する(図10のステップS52:YES)。そして、制御部41は、BLE送受信部45により通知成功信号をスマートフォン30へ送信する(図10のステップS53)。
スマートフォン30では、ウェアラブルデバイス40からの通知成功信号をBLE送受信部45により受信すると(図10のステップS49:YES)、制御部31は、該通知成功信号をBLE送受信部35により車載機10へ送信(転送)する(図10のステップS50)。
車載機10では、BLE送受信部15により重要度信号を受信してから(図10のステップS43:YES)、所定時間が経過するまでに(図10のステップS46:NO)、スマートフォン30からの通知成功信号を受信すると(図10のステップS45:YES)、通知確認動作が終了する。
一方、BLE送受信部15により重要度信号を受信してから(図10のステップS43:YES)、通知成功信号を受信することなく(図10のステップS45:NO)、所定時間が経過すると(図10のステップS46:YES)、制御部11が、異常通知処理を再度実行する(図10のステップS54)。このように、車載機10が異常通知処理を再度実行すると、スマートフォン30とウェアラブルデバイス40も異常通知処理を再度実行する。このため、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40が、同一の重要度「2」以上の車両1の異常状態の表示操作部33、43による通知を再度実行する。
以上の第1実施形態の車両異常通知システム101によると、車両1の異常状態を利用者に通知する携帯機として、利用者が直接身に付けることができるウェアラブルデバイス40と、利用者が直接身に付けることができないスマートフォン30とを用いている。このため、従来のように、単一の携帯機により利用者に車両1の異常状態を通知する場合に比べて、利用者は異常状態に気付き易くなる。また、車載機10の異常検出部11aで検出された車両1の異常状態の重要度を、スマートフォン30の重要度判定部31bで判定している。そして、当該重要度に応じて、車両1の異常状態の通知を実行する携帯機(スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40)を、スマートフォン30の通知選択部31cで選択している。このため、車両1の異常状態の重要度に応じて、該異常状態を、利用者が直接身に付けることで即座に確認可能なウェアラブルデバイス40で通知したり、利用者が直接身に付けていないスマートフォン30で通知したり、ウェアラブルデバイス40とスマートフォン30の両方で通知したりすることができる。よって、車両1の異常状態を重要度に応じた態様で利用者に通知することで、利用者の安全性と利便性とを確保することが可能となる。
また、第1実施形態では、重要度が高い(重要度「2」以上)異常状態を、少なくともウェアラブルデバイス40の表示操作部43によって利用者に通知している。このため、利用者は、車両1に重要度の高い異常が発生したことに容易に気付くことができる。
また、第1実施形態では、重要度が最も高い(重要度「3」)異常状態を、ウェアラブルデバイス40とスマートフォン30の各表示操作部43、33によって利用者に通知している。このため、重要度が最も高い異常状態の通知が2箇所で行われるので、利用者は、車両1に重要度の最も高い異常が発生したことに一層気付き易くなる。
また、第1実施形態では、重要度が低い(重要度「1」)車両1の異常状態を、ウェアラブルデバイス40の表示操作部43で通知せず、スマートフォン30の表示操作部33だけで通知している。このため、利用者が他のことで急いでいても、ウェアラブルデバイス40による通知を煩わしく感じることはなく、利用者が後で必要に応じて、スマートフォン30により重要度の低い異常状態を確認することができる。
また、第1実施形態では、ウェアラブルデバイス40のタッチパネル43aより大型の、スマートフォン30のタッチパネル33aに、車両1の異常状態の通知を表示することで、該異常状態やこれの関連情報を利用者に詳しく通知することができる。具体的には、たとえば、車両1における複数の異常状態とそれらの対応策などを、一度にスマートフォン30のタッチパネル33aに表示することができる。
また、第1実施形態では、通知選択部31cによりスマートフォン30が選択された場合は、スマートフォン30自身が表示操作部33により車両1の異常状態を通知し、通知選択部31cによりウェアラブルデバイス40が選択された場合は、スマートフォン30が車載機10とウェアラブルデバイス4との間のBLE信号の無線通信を中継して、車載機10から受信した異常情報をウェアラブルデバイス40へ転送している。このため、車両1の異常状態の重要度に応じて、該異常状態を示す異常情報を車載機10からスマートフォン30またはウェアラブルデバイス40へ送信し、当該異常状態をスマートフォン30またはウェアラブルデバイス40によって利用者に的確に通知することができる。また、スマートフォン30に重要度判定部31bと通知選択部31cと設けているので、車載機10やウェアラブルデバイス40の構成を簡単にし、処理負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、スマートフォン30において、異常重要度テーブルT1の重要度の設定と、異常通知テーブルT2の携帯機の設定を、表示操作部33のタッチパネル33aで変更できるようにしている。このため、利用者がタッチパネル33aを操作することにより、重要度判定部31bの内容を表示して、車両1の異常状態毎に重要度の設定を任意に変更したり、異常通知テーブルT2の内容を表示して、重要度毎に通知を実行させる携帯機の設定を任意に変更したりすることができる。
また、第1実施形態では、車載機10が、異常検出部11aにより車両1の異常状態が発生した発生箇所も検出して、該発生箇所を異常情報に含めている。そして、その異常情報がスマートフォン30やウェアラブルデバイス40に送信されて、これらのタッチパネル33a、43aの画面G1、G2に、車両1の異常状態とともに該異常状態の発生箇所が表示される。このため、利用者は、タッチパネル33a、43aの画面G1、G2の表示を確認することで、車両1の異常状態とこの発生箇所を認識して、該異常状態に対応することが可能となる。
また、第1実施形態では、スマートフォン30において、対応策提示部31dが、異常対応テーブルT3を参照して車両1の異常状態の対応策を提示し、該対応策が車両1の異常状態などとともに、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40のタッチパネル33a、43aの画面G1、G2に表示される。このため、利用者はタッチパネル33a、43aの画面G1、G2の表示を確認することで、車両11の異常状態とこの対応策を認識して、該異常状態に容易かつ迅速に対応することが可能となる。
また、第1実施形態では、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40の表示操作部33、43により、重要度が高い異常状態の通知を実行した後、該通知を確認したことを示す表示操作部33、43の確認操作が利用者により行われなかった場合に、当該異常状態の通知が表示操作部33、43で再度実行される。このため、重要度が高い異常状態に気付いていない利用者に対して、当該異常状態の確認を促すことができる。
さらに、第1実施形態では、車載機10と電子キー20との無線通信方式と、車載機10とスマートフォン30とウェアラブルデバイス40の無線通信方式とが異なっている。このため、電子キー20に関わる車両1の異常状態の検出を妨げることなく、車載機10とスマートフォン30とウェアラブルデバイス40の通信を実行して、スマートフォン30やウェアラブルデバイス40によって車両1の異常状態を利用者に通知することができる。
次に、第2実施形態の車両異常通知システム102について、図11および図12を参照しながら説明する。なお、第2実施形態の車両異常通知システム102の構成および動作は、以下で説明する点を除いて、第1実施形態の車両異常通知システム101の構成および動作と同様である。
図11は、車両異常通知システム102の構成図である。車両異常通知システム102では、車載機10の制御部11に、重要度判定部11b、通知選択部11c、および対応策提示部11dが設けられている。また、車載機10の記憶部12に、異常重要度テーブルT1、異常通知テーブルT2、および異常対応テーブルT3が記憶されている。
図12は、車両異常通知システム102の異常通知処理の詳細を示したフローチャートである。まず車載機10において、重要度判定部11bが、記憶部12に記憶された異常重要度テーブルT1を参照して、異常検出部11aにより検出した車両1の異常状態の重要度を判定する(図12のステップS20a)。
次に、通知選択部11cが、記憶部12に記憶された異常通知テーブルT2を参照し、重要度判定部11bにより判定された重要度に応じて、車両1の異常状態の通知を実行する携帯機(スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40)を選択する(図12のステップS20b)。
また、対応策提示部11dが、記憶部12に記憶された異常対応テーブルT3を参照して、異常情報に含まれる車両1の異常状態の対応策を提示する(図12のステップS20c)。
そして、制御部11が、車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、発生日時、通知選択部11cの選択結果(通知を実行する携帯機)、および対応策提示部11dの提示内容(異常状態の対応策)を含んだ異常情報を、BLE送受信部15によりスマートフォン30に送信する(図12のステップS21a)。
スマートフォン30では、車載機10からの異常情報をBLE送受信部35により受信すると(図12のステップS22a:YES)、制御部31が該異常情報を確認する。そして、異常情報の通知選択部11cの選択結果において、通知を実行する携帯機としてスマートフォン30が選択されている場合は(図12のステップS26a:YES)、制御部31が、異常情報に含まれている車両1の異常状態などを表示操作部33によって利用者に通知する(図12のステップS27)。また、制御部31は、車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、および発生日時などの異常情報を、異常履歴として記憶部32に記録する(図12のステップS28)。
一方、異常情報の通知選択部11cの選択結果において、通知を実行する携帯機としてスマートフォン30が選択されていなかった場合は(図12のステップS26a:NO)、制御部31が、表示操作部33による通知を実行することなく、異常情報を異常履歴として記憶部32に記録する(図12のステップS28)。
また、異常情報の通知選択部11cの選択結果において、通知を実行する携帯機としてウェアラブルデバイス40が選択されている場合は(図12のステップS29a:YES)、制御部31が、異常情報をBLE送受信部35によりウェアラブルデバイス40へ送信する(図12のステップS30)。
この後、ウェアラブルデバイス40では、スマートフォン30からの異常情報をBLE送受信部45により受信すると(図12のステップS31:YES)、制御部41が、該異常情報に含まれる車両1の異常状態などを表示操作部43によって利用者に通知する(図12のステップS32)。また、制御部41は、車両1の異常状態、該異常状態の発生箇所、および発生日時などの異常情報を、異常履歴として記憶部42に記録する(図12のステップS33)。
以上の第2実施形態の車両異常通知システム102によっても、車両1の異常状態の重要度に応じて、該異常状態を、ウェアラブルデバイス40またはスマートフォン30で通知することができる。このため、車両1の異常状態を重要度に応じた態様で利用者に通知して、利用者の安全性と利便性とを確保することが可能となる。
また、第2実施形態では、車載機10が、重要度判定部11b、通知選択部11c、および対応策提示部11dを有している。そして、通知選択部11cによりウェアラブルデバイス40が選択された場合は、車載機10から異常情報がスマートフォン30を経由してウェアラブルデバイス40へ送信される。また、通知選択部11cによりスマートフォン30が選択された場合は、車載機10から異常情報がスマートフォン30へ送信される。つまり、車両1の異常状態などを示す異常情報が、該異常状態の重要度に応じて、車載機10からウェアラブルデバイス40またはスマートフォン30へ送信される。このため、車両1の異常状態などをウェアラブルデバイス40またはスマートフォン30の表示操作部33、43によって利用者に通知することができる。また、車載機10に重要度判定部11b、通知選択部11c、および対応策提示部11dを設けているので、スマートフォン30やウェアラブルデバイス40の構成を簡単にし、処理負担を軽減することができる。
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、車載機10またはスマートフォン30に、重要度判定部11b、31b、通知選択部11c、31c、および対応策提示部11d、31dを設けた例を示したが、これらは車載機10、スマートフォン30、ウェアラブルデバイス40のいずれに設けてもよい。また、重要度判定部、通知選択部、および対応策提示部を、同一装置に設けず、車載機10、スマートフォン30、またはウェアラブルデバイス40のいずれかに分散して設けてもよい。さらに、重要度判定部、通知選択部、および対応策提示部は、異なる装置に重複して設けてもよい。
また、以上の実施形態では、車載機10の記憶部12またはスマートフォン30の記憶部32に、異常重要度テーブルT1、異常通知テーブルT2、および異常対応テーブルT3を記憶させた例を示したが、これらのテーブルT1〜T3は、車載機10、スマートフォン30、ウェアラブルデバイス40のいずれかの記憶部に記憶されていてもよい。また、テーブルT1〜T3を、同一装置の記憶部に記憶させず、車載機10、スマートフォン30、またはウェアラブルデバイス40のいずれかの記憶部に分散して記憶させてもよい。さらに、車載機10、スマートフォン30、またはウェアラブルデバイス40の記憶部のうち、2つ以上の記憶部にいずれかのテーブルT1〜T3を重複して記憶させてもよい。
また、以上の実施形態では、図8や図9に示したように、スマートフォン30やウェアラブルデバイス40のタッチパネル33a、43aに車両1の異常状態などをメッセージなどの文字情報で表示した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、タッチパネル33a、43aに車両1の模式図を表示し、該模式図中に異常状態と該異常状態の発生箇所などを文字または図で表示してもよい。また、異常の発生日時を、表示操作部33、43で通知してもよい。さらに、利用者が容易に想到可能な異常状態の対応策は、スマートフォン30やウェアラブルデバイス40による通知を省略してもよい。
また、図10の実施形態では、スマートフォン30やウェアラブルデバイス40で重要度が高い車両1の異常状態の通知を実行した後、表示操作部33、43で利用者による確認操作が行われない場合に、車載機10において該異常状態の通知を再度実行した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、以下で説明する図13や図14の実施形態のように、ウェアラブルデバイス40またはスマートフォン30だけで、重要度が高い異常状態の通知に対する利用者の確認操作を監視し、該確認操作が行われなければ、異常状態の通知を再度実行してもよい。
図13は、第3実施形態によるウェアラブルデバイス40の通知確認動作を示したフローチャートである。なお、第3実施形態において、図13の通知確認動作以外の動作については、第1実施形態または第2実施形態と同様である。また、前提として、前述したように、ウェアラブルデバイス40が表示操作部43により通知する車両1の異常状態は、重要度が高い(「2」以上)ものである。ウェアラブルデバイス40において、表示操作部43により車両1の異常状態の通知を実行した後(図13のステップS61:YES)、制御部41は、所定時間が経過するまで(図13のステップS62:NO)、該通知を利用者が確認したことを示す確認操作が行われるのを待つ(図13のステップS63)。利用者が表示操作部43により確認操作を行うことなく、所定時間が経過すると(図13のステップS63:YES)、制御部41が、表示操作部43により同一の車両1の異常状態の通知を再度実行する(図13のステップS64)。
図14は、第4実施形態によるスマートフォン30の通知確認動作を示したフローチャートである。なお、第4実施形態において、図14の通知確認動作以外の動作については、第1実施形態または第2実施形態と同様である。スマートフォン30において、表示操作部33により車両1の異常状態の通知を実行した後(図14のステップS71:YES)、制御部31が、当該異常状態の重要度が「2」以上であるか否かを確認する。重要度が「2」以上であれば(図14のステップS72:YES)、制御部31は、所定時間が経過するまで(図14のステップS74:NO)、車両1の異常状態の通知を利用者が確認したことを示す確認操作が行われるのを待つ(図14のステップS73)。利用者が表示操作部33により確認操作を行うことなく、所定時間が経過すると(図14のステップS74:YES)、制御部31は、表示操作部33により同一の車両1の異常状態の通知を再度実行する(図14のステップS75)。
また、他の例として、スマートフォン30において、重要度が低い異常状態の通知に対する利用者の確認操作を監視し、該確認操作が行われなければ、異常状態の通知を再度実行してもよい。また、スマートフォン30またはウェアラブルデバイス40における、異常状態の通知の再度実行の許可・禁止を、該異常状態の重要度に応じて利用者が表示操作部33、43の所定の操作で設定できるようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、車載機10とウェアラブルデバイス40との無線通信を、スマートフォン30が中継した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、車載機10とウェアラブルデバイス40とが、直接異常情報や通知成功信号などを無線で通信してもよい。また、たとえば、車載機10とスマートフォン30との無線通信を、ウェアラブルデバイス40が中継してもよい。
また、以上の実施形態では、車載機10、スマートフォン30、およびウェアラブルデバイス40がBLEにより無線通信を行う例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。車載機10と、スマートフォン30と、ウェアラブルデバイス40との間の無線通信方式は、たとえば、インターネット、公衆通信網、またはその他の規格に基づく通信方式でもよい。
また、以上の実施形態では、腕時計型のウェアラブルデバイス40を第1携帯機として用い、スマートフォン30を第2携帯機として用いた例を示したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。たとえば眼鏡型のウェアラブルデバイスや、その他の直接身に付けることが可能な携帯通信端末を、第1携帯機として用いてもよい。また、スマートフォン30以外の携帯通信端末(たとえばタブレット端末)を、第2携帯機として用いてもよい。また、電子キーの機能を有する携帯通信端末を、第1携帯機または第2携帯機として用いてもよい。さらに、第1携帯機と第2携帯機の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
さらに、以上の実施形態では、自動四輪車から成る車両1に搭載される車両異常通知システム101、102に、本発明を適用した例を挙げたが、たとえば自動二輪車や大型自動車などの他の車両に搭載される車両異常通知システムに対しても、本発明は適用が可能である。