JP2019133152A - 液晶素子及びエマルジョン組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
の切り替えができる液晶素子及び該液晶素子に用いることのできるエマルジョン組成物に
関する。
くなってきている。スマートガラスに用いられる調光材としては、液晶方式、エレクトロ
クロミック方式、SPD(Suspend Particle Device)方式等が
提案されている。この中でも、液晶方式は応答時間が圧倒的に短く、利用者にストレスを
感じさせないために注目されている。
Crystals)が広く知られている(非特許文献1)。PDLCは粒子状の液晶が高
分子マトリクスに分散した液晶−高分子複合膜が、2枚の透明導電基板に挟まれた構造を
持つ。
LCに対して、電圧を印加していない状態では、液晶分子が高分子マトリクスの壁面に沿
って配向し、液晶領域と高分子マトリクスとで屈折率の不一致が生じる。この不一致によ
り光散乱を起こして着色することで、目隠しとして機能する。一方、PDLCに電圧を印
加した場合、液晶分子が電界方向へ配向することにより、液晶領域と高分子マトリクスと
で屈折率が一致し、光を透過して透明になる。
等において、意匠性やプライバシーの保護等を目的とした調光シャッターとして実用化さ
れている。また、文字や図形を表示する表示装置としても用いられている。特に窓として
応用する場合には、透明状態に極力濁りが小さいことが望まれる。
にすることができる。加えて、フィルム素子を切断整形することが可能である。このよう
な特徴を生かし、利用者が簡単にガラスに貼りつけ施工することができる。
日射量を制御することで冷暖房負荷を減らす試みがなされている。ところがPDLCの場
合、光散乱の有無を切り替えることができるものの、散乱はほとんどが前方散乱であるた
め光が素子を透過してしまう。そのため、透過光量をほとんど制御できず、省エネに寄与
できない。
ガラスが開示されている。ゲストホスト液晶方式は液晶素子の吸光度を電気的に切り替え
ることにより透明状態と着色状態を切り替える方式であるため、透過光量を制御すること
ができる。
Cが開示されており、透過光量を制御可能なフィルム素子が期待されている。
る。
る。このエマルジョン組成物を用いた製造法は、特許文献4の重合誘起相分離による製造
法と比べ、所望の膜構造を得ることが容易であり、かつ高分子マトリクスの硬化不良に由
来する信頼性の低下が生じない利点がある。
ためには、PDLCのごとく、液晶を囲み、かつ膜構造を支持するマトリクスが必要とな
る。
特許文献4に記載されているような、光重合による重合誘起相分離を用いて製造される
PDLCの場合、色素の光吸収による高分子マトリクスの硬化不良が起こるため、液晶素
子の信頼性に問題がある。
性色素のオーダーパラメータSが0.75以上であれば、PDLCの可視光透過率の変化
幅が30%以上で、かつ透明状態のヘーズが10%以下になると記載されている。
しかしながら、ここでの可視光透過率は散乱光が含まれていない直線光による直線透過
率を示しており、前方散乱された光を含めると、透過光量の変化幅はなおも非常に小さい
ため、日射量がほとんど制御できない課題がある。
また、透明状態のヘーズが10%以下といっても、特許文献5に記載の方法ではヘーズ
8%しか実現できておらず、透明状態の濁りが強く、視界がぼやけてしまい満足のゆくも
のではない。
視界が確保され、更に、切断整形可能な液晶素子は提供されていなかった。
球を併用して全透過率を測定する方法が適切であることを見出した。さらに、前記測定方
法により、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の素子構成であり、
特定のヘーズ及び全透過率であることで解決できることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
明導電膜付き基板の間に挟持された液晶−高分子複合膜とを備え、
前記液晶−高分子複合膜が、高分子マトリクスと、前記高分子マトリクスに液晶組成物
が囲まれた液晶領域とを有する液晶素子であって、
前記液晶組成物は二色性色素を含有し、
前記液晶−高分子複合膜は電圧の印加により透明状態と着色状態を切り替えることがで
き、
前記透明状態のヘーズが6%以下であり、
前記透明状態と着色状態の全透過率の差が25%以上である、液晶素子。
[2]前記液晶組成物の誘電率異方性が正であり、前記液晶組成物の屈折率異方性が0.2
0以下であり、前記液晶領域の平均粒径が2μm以上50μm以下である、[1]に記載の
液晶素子。
[3]前記高分子複合膜において、前記高分子マトリクスの全質量を1とすると、前記液晶
組成物の全質量が0.5以上4以下である、[1]又は[2]に記載の液晶素子。
[4]前記液晶領域の粒径分布において、変動係数が0.001以上0.8以下である、[
1]〜[3]のいずれか1に記載の液晶素子。
[5]前記二色性色素がアントラキノン系色素を含有するものである、[1]〜[4]のいずれ
か1に記載の液晶素子。
[6]前記液晶組成物の二色性色素の含有量が3%以上20%以下である、[1]〜[5]のい
ずれか1に記載の液晶素子。
[7]前記高分子マトリクスがポリウレタンを含有するものである、[1]〜[6]のいずれか
1に記載の液晶素子。
[8]前記着色状態のヘーズが90%以下である、[1]〜[7]いずれか1に記載の液晶素子
。
[9]水を含有する媒体に液晶組成物が分散したエマルジョン組成物であって、
前記媒体は、高分子が分散又は溶解したものであり、
前記液晶組成物は、二色性色素を含有し、
前記液晶組成物の誘電率異方性が正であり、
前記液晶組成物の屈折率異方性が0.01以上0.2以下であり、
前記液晶組成物の平均粒径が2μm以上50μm以下である。
[10]前記高分子の全質量1とすると、液晶組成物の全質量が、0.5以上4以下である
、[9]に記載のエマルジョン組成物。
[11]前記液晶組成物の粒径分布において、変動係数が0.001以上0.8以下である
、[9]又は[10]に記載のエマルジョン組成物。
[12]前記二色性色素がアントラキノン系色素を含有するものである、[9]〜[11]のい
ずれか1に記載のエマルジョン組成物。
[13]前記液晶組成物に二色性色素を3%以上20%以下含有する、[9]〜[12]のいず
れか1に記載のエマルジョン組成物。
[14]前記高分子がポリウレタンを含有するものである、[9]〜[13]のいずれか1に記
載のエマルジョン組成物。
る。また、当該素子において、透明状態に濁りが小さくすっきりした視界が確保される。
板と、前記2枚の透明導電膜付き基板の間に挟持された液晶−高分子複合膜とを備え、前
記液晶−高分子複合膜が、高分子マトリクスと、前記高分子マトリクスに液晶組成物が囲
まれた液晶領域とを有する液晶素子である。前記液晶組成物は二色性色素を含有しており
、前記液晶−高分子複合膜は電圧の印加により透明状態と着色状態を切り替えることがで
きる。前記透明状態と着色状態の全透過率の差が25%以上であり、前記透明状態のヘー
ズが6%以下である。
前記液晶−高分子複合膜が、高分子マトリクスと前記高分子マトリクスに液晶組成物が
囲まれた液晶領域とを有することで、可撓性を有する切断整形可能な液晶素子となる。前
記透明状態と着色状態の全透過率の差が25%以上あることで、透過光量の多い状態と少
ない状態で切り替えることができるので、たとえばスマートガラスとして窓へ適用する場
合、日射を制御し、空調負荷を減らすことができる。
一方、前記透明状態のヘーズが6%以下であることで、濁りが小さくすっきりした視界
が確保され、通常の窓ガラスと同様の視界が得られる。
。例えば、建物及び乗り物の窓、パーテーション等に視野遮断素子として用いることがで
きる。また、公告板、ショーウインドウ、コンピューター端末、プロジェクション等のデ
ィスプレイとして利用することができる。
あり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の液晶素子は、透明導電膜が対向するように配置された2枚の透明導電膜付き基
板と、前記2枚の透明導電膜付き基板の間に挟持された液晶−高分子複合膜とを備え、前
記液晶−高分子複合膜が、高分子マトリクスと、前記高分子マトリクスに液晶組成物が囲
まれた液晶領域とを有する液晶素子である。前記液晶組成物は二色性色素を含有しており
、前記液晶−高分子複合膜は電圧の印加により透明状態と着色状態を切り替えることがで
きる。
液晶−高分子複合膜は、電圧無印加時に透明状態であり、電圧印加時に着色状態であっ
てもよい。また、電圧印加時に透明状態であり、電圧無印加時に着色状態であってもよい
。
なお、本発明において電圧とは、閾値以上の実効値を持つ、直流電圧、交流電圧、パル
ス電圧又はそれらの組み合わせを表す。
膜の状態を表し、電圧印加時と電圧無印加時において、液晶−高分子複合膜の全透過率が
大きい方を透明状態とする。
また、本発明において、着色状態とは、上記電圧印加時又は電圧無印加時の液晶−高分
子複合膜の状態を表し、電圧印加時と電圧無印加時において、液晶−高分子複合膜の全透
過率が小さい方を透明状態とする。
本明細における全透過率は、JIS B7081で規定された、積分球を備えた分光光
度計を使用する方法で測定される。また本明細において、光とは可視光(波長380nm
〜780nm)を示すものとし、全透過率は可視光領域で測定されるものとする。本発明
の液晶素子は、透明状態と着色状態の全透過率の差が25%以上であることを特徴とする
。全透過率の差が25%以上であることで、液晶素子の透過光量を制御することができる
。好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上である。
また、透明導電膜付き基板の透過率が低いと導電膜の電気抵抗が低くなり、液晶素子の
駆動電圧や応答時間が良好になる傾向があるため、全透過率の差は90%以下であること
が好ましく、より好ましくは85%以下であり、さらに好ましくは80%以下である。
液晶素子において、透明状態と着色状態の全透過率の差が25%以上である波長域は少
なくとも1つ存在すればよく、2つ以上存在してもよい。
色素の光吸収を大きくする方法、(2)透明状態に二色性色素の光吸収を小さくする方法
、及び(3)透明状態に後方散乱する光を低減することが挙げられる。
(1)のごとく着色状態の二色性色素の光吸収を大きくするためには、
(1−1)二色性色素の吸光係数を大きくする、
(1−2)二色性色素を可能な限り多量に液晶組成物に溶解させる、
(1−3)着色状態における液晶−高分子複合膜の光散乱を低減する、
(1−4)二色性色素の吸収軸の方位を入射光の光電場振動方位と合わせる、等が挙げら
れる。
さらに、(1−3)のごとく着色状態における液晶−高分子複合膜の光散乱を低減する
ためには、液晶組成物の異常光屈折率(ne)を高分子マトリクスの屈折率に近づける、
液晶領域の平均粒径(r)を光波長より十分大きい範囲にする等の方法が挙げられる。
(2)のごとく透明状態に二色性色素の光吸収を小さくするためには、二色性色素のオ
ーダーパラメータを大きくする方法等が挙げられる。
(3)のごとく透明状態に後方散乱する光を低減するためには、液晶組成物のneを高
分子マトリクスの屈折率に近づける、液晶領域のrを光波長より十分大きい範囲にする等
の方法が挙げられる。
全透過率の差を25%以上とする波長域は液晶組成物に含有させる二色性色素の吸収波
長域と対応しているため、着色させたい色彩に応じて二色性色素を選定する方法が挙げら
れる。
り、さらに好ましくは60%以上である。着色状態の全透過率としては、50%以下が好
ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。なお、透明状
態と着色状態の全透過率は、透明状態の方が必ず高い。
なお、全透過率の範囲は、用途に応じて決めることができる。たとえば背景を観察した
いことが多い用途では透明性を重視して全透過率を透明状態70%、着色状態45%のよ
うに高い範囲にすればよく、外光のまぶしさを低減したいことが多い用途では透明状態4
0%、着色状態15%のように低い範囲にすればよい。
本明細におけるヘーズは、JIS K7136の方法で測定される。本発明の液晶素子
は、透明状態のヘーズが6%以下であることを特徴とする。透明状態のヘーズが6%以下
であることで、濁りが小さくすっきりした視界が確保され、通常の窓ガラスと同様の視界
が得られる。好ましくは4%以下であり、より好ましくは2%以下である。
一方、透明導電膜付き基板のヘーズを勘案すると、透明状態のヘーズは0.1%以上が
好ましく、より好ましくは0.3%以上であり、さらに好ましくは0.5%以上である。
液晶素子の透明状態のヘーズを6%以下とする方法は特に限定されないが、液晶組成物
の常光屈折率(no)を高分子マトリクスの屈折率に近づける、液晶領域のrを光波長よ
り十分大きい範囲にする等が挙げられる。
、さらに好ましくは70%以下である。90%以下であることで、着色状態の二色性色素
の光吸収を大きくすることができ、より透過光量を小さくできる傾向がある。一方10%
以上が好ましく、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上である。10
%以上であることで、外光のまぶしさをより低減できる傾向がある。
に制御することで、透明状態と着色状態の全透過率の差を25%以上にし、かつ透明状態
のヘーズを6%以下にすることのできる液晶素子を見出したものである。
本発明の液晶素子が含む液晶−高分子複合膜は、高分子マトリクスと、前記高分子マト
リクスに液晶組成物が囲まれた液晶領域とを有する。このような液晶−高分子複合膜は、
一般にPDLCとして知られている。
液晶−高分子複合膜は、高分子マトリクスと、前記高分子マトリクスに液晶組成物が囲
まれた液晶領域とを有することで、液晶素子が可撓性を有する。また、このような構造を
持つことで、液晶素子を切断しても液晶組成物の漏洩が最小限に留められ、加えて高分子
マトリクスが酸素や水分等の劣化要因から液晶組成物を保護するため、切断整形が可能と
なる。
液晶領域の形状としては、真球、回転楕円体、円柱、三角柱、四角柱、六角柱等の多角柱
のいずれでもよく、またこれらの形状が歪であってもよい。これらの中でも、真球、回転
楕円体、円柱、正三角柱、正四角柱、正六角柱等の正多角柱が液晶−高分子複合膜の光散
乱が弱くなり、着色時の二色性色素の光吸収が大きくなるとともに、透明状態のヘーズが
小さくなる傾向があるため好ましい。
が好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、50μm以下であることが好
ましく、30μm以下であることがより好ましい。平均粒径が上記下限値より大きいこと
で、液晶−高分子複合膜の光散乱が弱くなり、透明状態のヘーズが小さくなる傾向がある
。
同時に着色状態の液晶−高分子複合膜の光散乱も弱くなることで、二色性色素の光吸収
の効率が向上し、より全透過率が低くなる傾向がある。平均粒径が上記上限値より小さい
ことで、液晶領域の粒状感が無くなってゆき、液晶素子の外観の均一性が良好になる傾向
がある。なお、平均粒径は個数基準のメディアン径とする。
膜面から観察した際に、液晶領域の形状が円ではなく、楕円、三角形、四角形、六角形
等の多角形、又はこれらの形状が歪である場合、粒径は最小包含円の直径を参照すればよ
い。
標準偏差(σ)に対し、変動係数(CV)をCV=σ/mとする。変動係数は、0.8以
下であることが好ましく、0.5以下であることが好ましく、0.3以下がより好ましく
、0.1以下がさらに好ましい。変動係数が上記上限値以下であることで、散乱を起こす
小粒子及び粒状感を生じさせる大粒子が、十分少なくなる傾向にある。
一方、変動係数が上記下限値以上であることが好ましく、0.005以上がより好まし
く、0.01以上がさらに好ましい。変動係数が0.001以上であることで、エマルジ
ョン組成物の生産性が向上する傾向にある。
ことが好ましく、累積10%以下がより好ましく、累積5%以下がさらに好ましい。累積
20%以下であることで、液晶−高分子複合膜の光散乱が弱くなり、着色状態の二色性色
素の光吸収が大きくなるとともに、透明状態のヘーズが小さくなる傾向がある。
一方、累積0.1%以上であることが好ましく累積0.5%以上がより好ましく、累積
1%以上がさらに好ましい。累積0.1%以上であることで、エマルジョン組成物の生産
性が向上する傾向にある。
また、粒径50μm以上は累積20%以下が好ましく、累積10%以下がより好ましく
、累積5%以下がさらに好ましい。累積20%以下であることで、液晶領域の粒状感が無
くなってゆき、液晶素子の外観の均一性が良好になる傾向がある。
一方、累積0.1%以上であることが好ましく累積0.5%以上がより好ましく、累積
1%以上がさらに好ましい。累積0.1%以上であることで、エマルジョン組成物の生産
性が向上する傾向にある。
本発明の液晶組成物は、二色性色素を含有する液晶を含有する。このような液晶組成物
は、一般的にゲストホスト液晶として知られている。
特に限定はされないが、液晶組成物の二色性色素の含有量は3%以上であることが好ま
しく、4%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらに好ましい。また
、液晶組成物の二色性色素の含有量は20%以下であることが好ましく、15%以下であ
ることがより好ましく、12%以下であることがさらに好ましい。
上記下限値以上であることで、液晶素子が着色状態により大きな光吸収を示し、透過光
量が小さくなる傾向にある。また、上記上限値以下であることで、二色性色素の分離や析
出が生じにくくなり、液晶素子の信頼性が向上する傾向にある。
状態の透過率を高くすることができるので好ましい。
液晶組成物の屈折率異方性(Δn)は、0.01以上0.2以下であることが好ましい
。Δnが上記上限値以下であることで、高分子マトリクスと液晶領域との界面での光散乱
が維持され、透明状態のヘーズ低下を抑制できる傾向にある。また、同時に着色状態の光
散乱も維持されるため、二色性色素の光吸収の効率が抑制され、全透過率を高くできる傾
向にある。一方、Δnが上記下限値以上であることで、液晶組成物のオーダーパラメータ
が大きくなる傾向がある。
ック液晶等が使用できる。安価に利用できることを鑑みると、ネマチック液晶又はコレス
テリック液晶が好ましい。また、ネマチック液晶にカイラル剤を添加してコレステリック
液晶にしてもよい。
編;「液晶デバイスハンドブック」日本工業新聞社(1989年)、第152頁〜第19
2頁及び液晶便覧編集委員会編;「液晶便覧」丸善株式会社(2000年)、第260頁
〜第330頁に記載されているようなビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シクロ
ヘキシルシクロヘキサン系等の各種低分子系の化合物又は混合物を使用することができる
。また、液晶便覧編集委員会編;「液晶便覧」丸善株式会社(2000年)、第365頁
〜第415頁に記載されているような高分子系化合物又は混合物を使用することもできる
。ネマチック液晶を構成する化合物としては例えば、以下の化合物等が挙げられる。
が、液晶素子の高速応答性やエマルジョンの製造性の点で好ましい。
カイラル剤としては、ホスト液晶へ相溶するカイラル化合物であればいずれでもよく、
合成品でも市販品でよい。また、自身が液晶性を示すものでもよいし、重合性の官能基を
有していてもよい。さらに、右旋性でも左旋性でもよく、右旋性のカイラル剤と左旋性の
カイラル剤を併用してもよい。
また、カイラル剤としては、それ自身の誘電異方性が正に大きく、粘度の低いものが液
晶素子の駆動電圧低減及び応答速度の観点から好ましく、カイラル剤が液晶をねじる力の
指標とされるHelical Twisting Powerが大きいほうが好ましい。
カイラル剤としては、例えばCB15(商品名 メルク社製)、C15(商品名 メル
ク社製)、S−811(商品名 メルク社製)、R−811(商品名 メルク社製)、S
−1011(商品名 メルク社製)、R−1011(商品名 メルク社製)等が挙げられ
る。
もよい。具体的には高分子前駆体、重合開始剤、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止
剤、光増感剤、接着剤、消泡剤、界面活性剤等を有していてもよい。
液晶組成物に使用する二色性色素としては、ホスト液晶へ相溶する二色性色素化合物で
あればいずれでもよく、正の二色性色素でも負の二色性色素でもよい。また、自身が液晶
性を示すものでもよい。
具体的にはアゾ系色素、アントラキノン系色素、ナフトキノン系色素、ペリレン系色素
、キノフタロン系色素、テトラジン系色素、ベンゾチアジアゾール系色素等が挙げられる
。公知の二色性色素を用いる場合、日本学術振興会第142委員会編;「液晶デバイスハ
ンドブック」日本工業新聞社(1989年)、第192頁〜第196頁及び第724頁〜
第730頁に記載されているようなアゾ系色素、アントラキノン系色素又はこれらの混合
物を使用することができる。これらのなかでも、アントラキノン系色素を含むことが、吸
光係数が大きく、液晶への溶解度が大きくなり、耐光性が高くなる傾向になるため好まし
い。
二色性色素は1種類でもよく、複数種を混合して用いてもよい。特に限定はないが、好
ましくは二色性色素のうち、アントラキノン系を20質量%以上含むことが好ましく、5
0質量%以上含むことが好ましい。
る。
Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、これらの置換基を有してもよいシクロヘ
キシル基、フェニル基、フェニルシクロヘキシル基又はシクロヘキシルシクロヘキシル基
を示す。
本発明の高分子マトリクスは、特に限定されないが、屈折率が液晶組成物の常光屈折率
(no)と一致するように選択することが好ましい。典型的には液晶組成物のnoは1.
5前後であるので、1.45以上1.55以下が好ましい。
高分子マトリクスを構成する高分子としては、ゼラチン、アラビアゴム等の天然高分子
;ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル、ポリアミン、ポリ
アミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル等の合成
高分子及びそれらの変性体;メタクリレート/アクリロニトリル、ウレタン/アクリレー
ト、アクリレート/アクリロニトリル等の共重合体;等を用いてもよい。また、架橋剤を
用いて高分子に架橋構造を導入してもよい。
高分子は水への分散性又は溶解性が高いことが好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル、ポリアミン及びそれらの変性体が好ま
しい。さらに好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリル及びそれ
らの変性体であり、特に好ましくはポリウレタン、ポリアクリル及びそれらの変性体であ
る。
なお、高分子は1種類のみでもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ポリウレタンはポリイソシアネートとポリオールのそれぞれの骨格により分類される。
ポリイソシアネート骨格としては、脂肪族炭素骨格からなる脂肪族系ポリウレタン、ポリ
イソシアネートに芳香環を含有する芳香族系ポリウレタン等が挙げられる。中でも脂肪族
系ポリイソシアネートが耐光性が高い点で好ましい。ポリオール骨格としては、ポリエー
テル系、ポリエステル系及びポリカーボネート系が挙げられ、中でもポリエーテル系が膜
の密着性が良好であり好ましい。
ポリアクリルは種々のアクリレートの重合体から成り、アクリルモノマーとしては、以
下式(1)で表される化合物等が挙げられる。
R1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上20以下の置換基を有
していてもよい直鎖状もしくは分枝状アルキル基、炭素数1以上20以下の置換基を有し
てもよい直鎖状もしくは分枝状アルコキシ基又は炭素数1以上10以下の置換基を有して
もよい環状炭化水素基を示す。
アクリレート−スチレン、アクリレート−酢酸ビニル、アクリレート−アクリロニトリル
、アクリレート−ウレタン、アクリレート−エステル、アクリレート−シリコーン等が挙
げられる。主鎖をアクリレートと他のモノマーとの共重合体で構成してもよいし、ポリア
クリル主鎖に他のポリマーをグラフトさせてもよい。
ていてもよい。具体的には光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止剤、光増感剤、接着剤
、消泡剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明の液晶−高分子複合膜において、高分子マトリクスの全質量に対し、液晶組成物
の全質量を1とすると、0.5以上であることが好ましく、1以上であることがより好ま
しい。また、4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
高分子マトリクスの全質量に対し、液晶組成物の全質量が上記下限値以上であることで
、透明状態のヘーズが低く、かつ駆動電圧が低くなる傾向がある。また、高分子マトリク
スの全質量に対し、液晶組成物の全質量が上記上限値以下であることで、液晶−高分子複
合膜の耐衝撃性及び密着性が向上する傾向がある。
本発明の液晶素子の代表的な構成を以下に説明する。しかし、これらに限定されるもの
ではない。
基板の材質としては、例えば、ガラスや石英等の無機透明物質、金属、金属酸化物、半
導体、セラミック、プラスチック板、プラスチックフィルム等の無色透明のものが挙げら
れる。これらの基板を単板で用いても、複数積層してもよい。
また、基板にはキズや汚れから守る目的でハードコート層や特定波長域の光線を遮断す
るシャープカット層やバンドパス層を付与してもよい。
電極は、上記基板の上に、例えば、金属酸化物、金属、半導体、有機導電物質等の薄膜
を基板全面或いは部分的に、既知の塗布法や印刷法やスパッタ等の蒸着法等により形成さ
れる。また、導電性の薄膜形成後に部分的にエッチングしたものでもよい。特に大面積の
液晶素子を得るためには、生産性及び加工性の面からPET等の透明高分子フィルム上に
ITO(酸化インジウムと酸化スズの混合物)電極をスパッタ等の蒸着法や印刷法等を用
いて形成した電極基板を用いることが望ましい。なお、基板上に電極間或いは電極と外部
を結ぶための配線が設けられていてもよい。例えば、セグメント駆動用電極基板やマトリ
ックス駆動用電極基板、アクティブマトリックス駆動用電極基板等であってもよい。
合物等の有機化合物、SiO2、TiO2、ZrO2等の無機化合物、又はこれらの混合
物よりなる保護膜や配向膜で全面或いは一部が覆われていてもよい。なお、基板は、液晶
を基板面に対して配向させるよう配向処理されていてもよく、配向処理されている場合、
例えば、2枚の基板ともホモジニアス配向又はホメオトロピック配向であってもよいし、
一方がホモジニアス配向で、他方がホメオトロピック配向である、いわゆるハイブリッド
であっても構わない。これらの配向処理には、電極表面を直接ラビングしてもよく、TN
液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜を使用してもよいし、光配
向処理を施してもよい。
い。
本発明における液晶素子の端部あるいは切断面を、粘着テープ、熱圧着テープ、熱硬化
性テープ等のテープ類、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化型樹脂、室温硬化型接着
剤、嫌気性接着剤、エポキシ系接着剤、シリコ−ン系接着剤、フッ素樹脂系接着剤、ポリ
エステル系接着剤、塩化ビニル系接着剤等の硬化性樹脂類や熱可塑性樹脂類等で封止する
ことで、内部の液晶組成物等の染み出しを防ぐことができる。また、この封止により、液
晶素子の劣化を防ぐ効果が得られる場合もある。その際の端面の保護法としては、端面を
全体に覆ってもよいし、端部から液晶素子内部に硬化性樹脂類や熱可塑性樹脂類を流し込
み固化させてもよく、更にこの上をテープ類で覆ってもよい。
いはプラスチックフィルム等のスペーサーを存在させてもよい。スペーサーは、本発明の
エマルジョン組成物の成分として含有させることで、基板間の液晶−高分子複合膜に存在
させてもよく、液晶素子組み立ての際に基板上に散布したり、接着剤と混合して接着層の
中に存在させたりしてもよい。
本発明の液晶−高分子複合膜は、電極基板上にエマルジョン組成物を塗布し、乾燥させ
ることで製造することができる。塗布方法としては、バーコート、ブレードコート、ナイ
フコート、ダイコート、スクリーンコート、マイクログラビアロールコート、リバースロ
ールコート、キスロールコート、ディップロールコート、スピンコート、スプレーコート
等、公知の塗布方法が使用できる。基板の性状に応じ、適宜基板洗浄をしてもよい。
塗布時のウェット膜厚は10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。また
、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。ウェット膜厚が上記上限値以
上であることで、液晶粒子の粗密が無くなり、均一に塗布できる傾向がある。またウェッ
ト膜厚が上記下限値以下であることで、駆動電圧が実用的な値まで下がり、かつ透明状態
のヘーズが低くなる傾向がある。
エマルジョン組成物を塗布し、乾燥する際の乾燥温度は、40℃以上が好ましく、60
℃以下がより好ましい。また、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
乾燥温度が上記下限値以上であることで、乾燥時間が実用的な時間に短縮されるとともに
、膜中に残留する水分量が少なくなることで液晶素子の信頼性が向上する傾向にある。ま
た、乾燥温度が上記上限値以下であることで、乾燥中のエマルジョン組成物の合一や逆相
化等の構造破壊が生じにくくなる傾向がある。
本発明のエマルジョン組成物は、水を含有する媒体に液晶組成物が分散したエマルジョ
ンであって、前記媒体には高分子が分散又は溶解している。また、前記液晶組成物に二色
性色素を含有しており、前記液晶組成物の誘電率異方性が正であり、前記液晶組成物の屈
折率異方性が0.01以上0.2以下であり、前記液晶組成物の平均粒径が2μmより大
きく50μmより小さいことを特徴とする。
られる液晶組成物が挙げられる。また、エマルジョン組成物に含まれる水を含む媒体も特
には限定されず、純水又は水と有機溶媒の混合物が挙げられる。
有機溶媒の例としては、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、カルボン酸、アミ
ン等が挙げられる。有機溶媒は水溶性でもよいし、水にわずかに溶ける程度の油溶性でも
よいが、水と均一に溶解する量を混合することが好ましい。
媒体に分散又は溶解している高分子は、ゼラチン、アラビアゴム等の天然高分子;ポリ
ビニルアルコール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル、ポリアミン、ポリアミド
、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル等の合成高分子
及びそれらの変性体;メタクリレート/アクリロニトリル、ウレタン/アクリレート、ア
クリレート/アクリロニトリル等の共重合体;等が挙げられる。
高分子は水への分散性又は溶解性が高いことが好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル、ポリアミン及びそれらの変性体が好ま
しく、さらに好ましくはポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリル及びそれら
の変性体であり、特に好ましくはポリウレタンである。
なお、高分子は1種類のみでもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
、高分子の溶解とは高分子が溶媒和により十分小さく解離され、均一系をなす状態のこと
を示す。高分子の分散及び溶解に関しては、「色材」一般社団法人色材協会(2004年
),77巻4号,169〜176頁に詳しい。
散していてもよく、液晶組成物の周辺部を高分子、シリカ化合物、無機ナノ粒子等でカプ
セル化したマイクロカプセル液晶の形で分散していてもよい。
マイクロカプセル液晶のカプセルとなる高分子としては、ゼラチン、アラビアゴム等の
天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル、ポリア
ミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル等の合成高分子及びそれらの変性体;メタクリレート/アクリロニトリル、ウレタン/
アクリレート、アクリレート/アクリロニトリル等の共重合体;等が挙げられる。
していてもよい。具体的には界面活性剤、乳化剤、分散剤、沈降防止剤、造膜助剤、レベ
リング剤、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止剤、光増感剤、接着剤、消泡剤等が挙
げられる。
Δnが上記上限値以下であることで、液晶−高分子複合膜の光散乱が弱くなり、着色状態
の二色性色素の光吸収が大きくなるとともに、透明状態のヘーズが小さくなる傾向がある
。一方、Δnが上記下限値以上であることで、液晶組成物のオーダーパラメータが大きく
なるため、透明状態の二色性色素の光吸収が小さくなる傾向がある。
5μm以上であることがより好ましい。また、50μm以下であることが好ましく、30
μm以下であることがより好ましい。平均粒径が上記下限値より大きいことで、液晶−高
分子複合膜における高分子マトリクスと液晶領域との界面での光散乱が弱くなり、透明状
態のヘーズが小さくなる傾向がある。同時に着色状態の光散乱も弱くなることで、二色性
色素の光吸収の効率が向上し、より着色状態の全透過率が低くなる傾向がある。
また、平均粒径が上記上限値より小さいことで、液晶領域の粒状感が無くなってゆき、
液晶素子の外観の均一性が良好になる傾向がある。なお、平均粒径は個数基準のメディア
ン径とする。
対し、変動係数CV=σ/mとする。変動係数(CV)は、0.8以下が好ましく、0.
5以下であることが好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい
。変動係数が上記上限値以下であることで、散乱を起こす小粒子及び粒状感を生じさせる
大粒子が十分少なくなる傾向にある。
一方、変動係数が上記下限値以上であることが好ましく、0.005以上がより好まし
く、0.01以上がさらに好ましい。変動係数が0.001以上であることで、エマルジ
ョン組成物の生産性が向上する傾向にある。
ことが好ましく、累積10%以下がより好ましく、累積5%以下がさらに好ましい。累積
20%以下であることで、液晶−高分子複合膜の光散乱が弱くなり着色状態の二色性色素
の光吸収が大きくなるとともに、透明状態のヘーズが小さくなる傾向がある。
一方、累積0.1%以上であることが好ましく累積0.5%以上がより好ましく、累積
1%以上がさらに好ましい。累積0.1%以上であることで、エマルジョン組成物の生産
性が向上するので好ましい。
また、粒径50μm以上は累積20%以下が好ましく、累積10%以下がより好ましく
、累積5%以下がさらに好ましい。累積20%以下であることで、液晶領域の粒状感が無
くなってゆき、液晶素子の外観の均一性が良好になる傾向がある。
一方、累積0.1%以上であることが好ましく累積0.5%以上がより好ましく、累積
1%以上がさらに好ましい。累積0.1%以上であることで、エマルジョン組成物の生産
性が向上するので好ましい。
上であることが好ましく、1以上であることがより好ましい。また、4以下であることが
好ましく、3以下であることがより好ましい。
高分子の全質量に対し、液晶組成物の全質量が上記下限値以上であることで、エマルジ
ョン組成物を用いて得られる液晶素子の透明状態のヘーズが低く、かつ駆動電圧が低くな
る傾向がある。また、高分子全質量に対し、液晶組成物の全質量が上記上限値以下である
ことで、エマルジョン組成物を用いて得られる液晶素子の耐衝撃性及び密着性が向上する
。
エマルジョン組成物に含まれる二色性色素は特に限定されず、上述した液晶素子に用い
られる二色性色素が挙げられる。そのなかでも、アントラキノン系色素を含むことが、吸
光係数が大きく、液晶への溶解度が大きくなり、耐光性が高くなる傾向になるため好まし
い。
二色性色素は1種類でもよく、複数種を混合して用いてもよい。特に限定はないが、好
ましくは二色性色素のうち、アントラキノン系を20質量%以上含むことが好ましく、5
0質量%以上含むことが好ましい。
本発明のエマルジョン組成物の製造法は特に限定されないが、例えば以下のように製造
することができる。
製造方法(1) 油相である液晶組成物と水相である水を含有する媒体を混合し、乳化工
程を経た後に、水を含有する媒体に高分子が分散又は溶解している液を添加する。
製造方法(2) 油相である液晶組成物と水相である水を含有する媒体に高分子が分散又
は溶解している液を混合し、乳化工程を行う。
製造方法(3) 液晶組成物の周辺部を高分子、シリカ化合物、無機ナノ粒子等でカプセ
ル化したマイクロカプセル液晶の粉体又はスラリーと水を含有する媒体を混合し、分散工
程を経た後に、水を含有する媒体に高分子が分散又は溶解している液を添加する。
製造方法(4) 前記マイクロカプセル液晶の粉体又はスラリーと水を含有する媒体に高
分子が分散又は溶解している液を混合し、分散工程を行う。
この中でも製造方法(1)及び製造方法(3)は、混合物が低粘度の状態で乳化工程又
は分散工程を行うことができるため、低エネルギーで製造でき、さらに、液晶組成物の粒
径を制御しやすいので好ましい。
ジョンが使用できる。以下具体例を示す。
水性ウレタンエマルジョン: DSM社製 NeoRez R−9660、NeoRe
z R−972、NeoRez R−9637、NeoRez R−9679、NeoR
ez R−960、NeoRez R−2170、NeoRez R−966、NeoR
ez R−967、NeoRez R−986、NeoRez R−9603、NeoR
ez R−4000、NeoRez R−9404、NeoRez R−600、Neo
Rez R−650、NeoRez R−1010、第一工業製薬社製 スーパーフレッ
クス 126、スーパーフレックス 130、スーパーフレックス 150、スーパーフ
レックス 150HS、スーパーフレックス 170、スーパーフレックス 210、ス
ーパーフレックス 300、スーパーフレックス 420、スーパーフレックス 420
NS、スーパーフレックス 460、スーパーフレックス 460S、スーパーフレック
ス 470、スーパーフレックス 500M、スーパーフレックス 620、スーパーフ
レックス 650、スーパーフレックス 740、スーパーフレックス 820、スーパ
ーフレックス 830HS、スーパーフレックス 860、スーパーフレックス 870
、スーパーフレックス E−2000、スーパーフレックス E−4800、日華化学社
製 ネオステッカー 200、ネオステッカー 400、ネオステッカー 700、ネオ
ステッカー 1200、ネオステッカー X−7096、エバファノール HA−107
C、エバファノール HA−50C、エバファノール HA−170、エバファノール
HA−560、エバファノール HA−15、エバファノール AP−12、エバファノ
ール APC−55。
水性アクリルエマルジョン: DSM社製 NeoCryl A−633、NeoCr
yl A−639、NeoCryl A−655、NeoCryl A−662、Neo
Cryl A−1091、NeoCryl A−1092、NeoCryl A−109
3、NeoCryl A−1094、NeoCryl A−2091、NeoCryl
A−2092、NeoCryl A−6016、NeoCryl A−6057、Neo
Cryl A−6069、NeoCryl A−6092、NeoCryl A−614
、NeoCryl A−550、NeoCryl A−1105、NeoCryl A−
1125、NeoCryl A−1127、NeoCryl XK−12、NeoCry
l XK−16、NeoCryl XK−30、NeoCryl XK−36、NeoC
ryl XK−52、NeoCryl XK−190、NeoCryl XK−188、
NeoCryl XK−240、ジャパンコーティングレジン社製 リカボンド 702
、リカボンド 727、リカボンド 743N、リカボンド 745、リカボンド 75
2、リカボンド 801、リカボンド 940、リカボンド 972、リカボンド 17
11、リカボンド 1752、リカボンド 6520、リカボンド 6720、リカボン
ド 7110、リカボンド 7180、リカボンド 7525、リカボンド 7820、
リカボンド 8020、リカボンド 8030、リカボンド DM60、リカボンド D
M772、リカボンド DM774、リカボンド LDM6740、リカボンド LDM
7522、リカボンド LDM7523、リカボンド ES−65、リカボンド ES−
90、リカボンド ET−700、リカボンド ET−831、リカボンド HS−5、
リカボンド HS−531、リカボンド AP−601、リカボンド AP−96、リカ
ボンド AP−620、リカボンド AP−700、リカボンド AP−80、リカボン
ド 710A、リカボンド 730L、リカボンド 731L、リカボンド 952B、
リカボンド 966A、リカボンド 7320、リカボンド 7400、リカボンド F
K−420、リカボンド FK−64S、リカボンド FK−66IS、FK−66N、
FK−68H、リカボンド FK−471、リカボンド FK−475、リカボンド F
K−489、リカボンド FK−284、リカボンド FK−600S、リカボンド F
K−3830、リカボンド FK−3840、リカボンド FK−6100、モビニール
VDM7410、モビニール 4061、モビニール 4080、モビニール 409
0、モビニール 4050、モビニール S−71、モビニール 461、モビニール
650、モビニール AP−60L、モビニール 490。
上記の中でも、NeoRez R−966、NeoRez R−967、NeoCry
l A−1125、NeoCryl A−1127、リカボンド FK−471、モビニ
ール 4061、モビニール 4080、モビニール 4090が油相の分散安定性に優
れ好ましい。
は分散安定剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては特に限定はなく、イオン性
でも非イオン性でもよく、低分子でも高分子でもよく、非反応性でも反応性でもよい。
界面活性剤の添加量は特に限定されないが、液晶組成物に対し、0.1質量%以上であ
ることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、20質量%以下
が好ましく、10質量%以下がより好ましい。界面活性剤が上記の範囲にあることで、エ
マルジョンの分散が安定化するとともに、液晶組成物の粒径を所望の範囲に制御すること
ができる傾向にある。
添加してもよい。
界面活性剤の例としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エス
テル塩等のアニオン性界面活性剤;
アミン塩、4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;
アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルアミンオキサイド、ベタイン、スルホベタイン、ア
ミドスルホベタイン、カルボベタイン、イミダゾリン等の両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
、ポリオキシエチレンアラルキルエーテル、ポリオキシエチレンアラルキルアリールエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック付加物、アルキルグルコシド、
ポリエーテル変性シリコーン等のエーテル型、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖脂肪酸エ
ステル等のエステル・エーテル型、アセチル変性ポリビニルアルコール等のアセチル型、
脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤:等が挙げられる。
この中でもアニオン性界面活性剤は水溶性と分散安定性が高い点で好ましく、特に、ス
ルホン酸塩が好ましい。また、非イオン性界面活性剤は液晶素子の電気的な信頼性を高く
できる傾向があり好ましい。中でもエーテル型又はエステル型が好ましく、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエ
チレンアラルキルエーテル、ポリオキシエチレンアラルキルアリールエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロック付加物、アセチル変性ポリビニルアルコール等
が特に好ましい。
、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリウレタン、ポリアミン、ポリアミド、ポリエーテル、マレイン酸共重合
物、ゼラチン、デンプン、キトサン、コーンスターチ等の高分子及びこれらの変性体;
メタクリレート/アクリロニトリル、ウレタン/アクリレート、アクリレート/アクリ
ロニトリル等の共重合体;
シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子等の無機酸化物の微粒子:等が挙げら
れる。この中でもポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの変性体、ポリウレタン
、ポリアミド等が、分散安定性が高く好ましい。
5mol%以上であることがより好ましい。また、95mol%以下が好ましく、91m
ol%以下がより好ましい。これらの範囲であることで、水を含有する媒体への溶解度が
高い傾向にある、
また、ポリビニルアルコールの重合度は100以上であることが好ましく、300以上
であることがより好ましい。また、2500以下であることが好ましく、1000以下で
あることがより好ましい。これらの範囲であることで、膜が可撓性に優れる傾向にある。
具体的には日本合成化学社製 ゴーセノール GL−03、ゴーセノール GL−05
、ゴーセノール GM−14L、ゴーセノール GM14、ゴーセノール GH−17、
ゴーセノール GH−20、ゴーセノール GH−23、ゴーセノール AL−06、ゴ
ーセノール P−610、ゴーセノール C−500、クラレ社製 クラレポバール 2
5−88KL、クラレポバール 32−97KL、クラレポバール 3−86SD、クラ
レポバール 105−88KX、クラレポバール 200−88KX。デンカ社製 デン
カポバール H−12、デンカポバール H−17、デンカポバール H−24、デンカ
ポバール B−05、デンカポバール B−17、デンカポバール B−20、デンカポ
バール B−24、デンカポバール B−33等が挙げられる。
モジナイザー、ホモミキサー、ディスパーサー、高圧乳化機、ブレンダー、コロイドミル
、超音波分散機等を用いた機械的に粒子を破砕する方法;多孔膜、マイクロチャネル、イ
ンクジェット等を用いて液を孔から押し出す方法;等が挙げられる。
上記の中でも、多孔膜を用いて液を孔から押し出す方法(膜乳化法)が、粒子の粒度分
布を精密に制御でき、かつ製造が容易であるため好ましい。多孔膜としては特に制限はな
いが、シラス多孔ガラス等を用いることができる。
高分子複合膜の耐水性及び耐衝撃性が向上する傾向がある。
架橋剤としては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジル
エーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン等のエポキシ
系化合物;
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルジエトキシメチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ
シラン系化合物;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン系化合物;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン系化合物;
カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジ
ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジド系化合物;
セミカルバジド樹脂;
ポリカルボジイミド系樹脂;
テトラメチロールメタン−トリス(β−アジリジニルプロピオナート)、トリメチロール
プロパン−トリス(β−アジリジニルプロピオナート)、メチレンビス[N−(1−アジリ
ジニルカルボニル)−4−アニリン]、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−アジリジン
カルボアミド)、N,N’−ヘキサアミノエチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカル
ボキシアミド)等のアジリジン系(エチレンイミノ基含有)化合物;
アセトアセトキシ基含有化合物;オキサゾリン基含有化合物;
ポリエチレンポリアミン;ポリエチレンイミン;ポリアミドポリアミン;ポリアミドポ
リ尿素;アルキル化ポリメチロールメラミン;グリオキザール;
水分散イソシアネート;ブロックドイソシアネート;カルボジイミド基含有化合物;ビ
スビニルスルホン;乳酸チタネート;等が挙げられる。
エポキシ系化合物及びエポキシシラン系化合物を用いる場合には、イミダゾール系化合
物、アミン系化合物、リン系化合物等の触媒を加えてもよい。
上記の中でも好ましくは、ヒドラジド系化合物、オキサゾリン基含有化合物、カルボジ
イミド基含有化合物、ブロックドイソシアネートが架橋速度が速く、毒性が低いために好
ましい。
高分子と架橋剤は任意の組み合わせで使用することができるが、ポリウレタンとオキサ
ゾリン基含有化合物、ポリウレタンとカルボジイミド基含有化合物、ポリウレタンとブロ
ックドイソシアネート、ポリアクリルとヒドラジド系化合物の組み合わせが、架橋反応性
が高くなる傾向にあり好ましい。
ことが好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。また、20質量%以下であ
ることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。架橋剤の添加量が上記
の範囲にあることで、液晶−高分子複合膜の耐水性及び耐衝撃性が向上し、かつ可撓性が
保持される傾向にある。
架橋剤の添加タイミングは、初めからエマルジョン組成物に添加しておく1液型にして
もよく、基板への塗布直前に添加する2液型でもよい。
さらに好ましい。また、10000mPa・s以下が好ましく、2000mPa・s以下
がさらに好ましい。上記の範囲にあることで、膜厚を均一に塗布することが容易になり、
かつ塗布速度を速くすることができて生産性が高くなる傾向がある。
粘度を上記の範囲に収めるために、増粘剤、チクソ剤、減粘剤等の粘度調整剤を用いて
もよい。粘度調整剤としては特に限定はないが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、
ポリメタクリル酸、ポリウレタン、ポリアミン、ポリアミド、マレイン酸共重合物、ゼラ
チン、デンプン、キトサン、コーンスターチ等の高分子及びこれらの変性体;メタクリレ
ート/アクリロニトリル、ウレタン/アクリレート、アクリレート/アクリロニトリル等
の共重合体;シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子等の無機酸化物の微粒子等
が挙げられる。上記の中でも、ポリビニルアルコール及びこの変性体、ポリウレタン、ポ
リアミドが、粘度調整と粒子の分散安定性を両立できる傾向にあり、好ましい。
以上がさらに好ましい。また、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がさらに好ま
しい。液晶組成物の含有量が上記範囲内にあることで、エマルジョン組成物を基板へ塗布
した際に生じるハジキが抑制され、かつ液晶組成物の粒径とエマルジョン組成物の粘度を
上記の範囲に収めることが容易になる傾向にある。
より好ましい。また、1000nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。上
記の範囲内にあることで、エマルジョン組成物の粘度を上記の範囲に収めることが容易に
なる傾向にある。また高分子の分子量は1.0×103以上が好ましく、1.0×104
以上がより好ましい。また、1.0×106以下が好ましく、1.0×105以下がより
好ましい。上記の範囲内にあることで、エマルジョン組成物の粘度を上記の範囲に収める
ことが容易になる傾向にある。
り、以下の実施例により限定されるものではない。
Δn=0.08、Δε=+5.0のネマチック液晶96質量%と(D−1)で表される
アントラキノン系二色性色素4質量%を混合し、D−1を溶解させて液晶組成物(L−1
)を得た。L−1 50質量%に対し、4質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム水溶液を50質量%加え、シラス多孔質ガラスに通して乳化し、o/wエマルジョン(
E−1)を得た。
E−1 45質量部にポリウレタン粒子を40質量%含む水系ラテックスのNeore
z R−967(DSM社製)を38質量部加え、さらに不揮発分10wt%の変性ポリ
アミド AQH−800(楠本化成社製)を4.4質量部加え、均一になるまで撹拌して
エマルジョン組成物(I−1)を得た。
I−1中の液晶組成物の平均粒径は6.2μm、変動係数は0.57であった。I−1
における、水相中に分散又溶解している高分子(P−1)の質量を1とすると、L−1の
質量は、1.44であった。
ムを用いた。この基板のITO上に、バーコートでI−1をウェット膜厚30μmで塗布
し、80℃で乾燥して液晶−高分子複合膜を得た。
この液晶−高分子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に
平均粒径7.6μm、変動係数0.25の液晶組成物が分散した構造を有していた。
該フィルムと、もう1枚の基板とを80℃で向い合せに貼り合わせ、液晶素子(F−1
)を得た。F−1は可撓性を有し、ハサミで切断して整形することができた。
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ50.7%、全透過率はλmax=6
70nmで62.6%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは2.1%、全
透過率はλmax=670nmで32.0%になり、ΔT=30.7%を示した。透明状
態のF−1越しに背景を目視で観察したところ、濁りが小さくすっきりした視界が確保さ
れた。
エマルジョン組成物中の液晶組成物の平均粒径を2.9μm、変動係数0.31に変更
した以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン組成物I−2を得た。I−2における、
水相中に分散又溶解している高分子(P−1)の質量を1とすると、L−1の質量は、1
.44であった。
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径4.3μ
m、変動係数0.20の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−2は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
F−2は電圧OFF時には青色に着色し、電圧ON時(50Vrms)に透明になるノ
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ51.2%、全透過率はλmax=6
70nmで63.7%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは4.1%、全
透過率はλmax=670nmで34.9%になり、ΔT=28.8%を示した。透明状
態のF−2越しに背景を目視で観察したところ、濁りが小さくすっきりした視界が確保さ
れた。
Δn=0.12、Δε=+10.8のネマチック液晶96質量%と(1)で表される二
色性色素4質量%を混合し、アントラキノン系二色性色素(D−1)を溶解させて液晶組
成物(L−2)を得た。液晶組成物をL−2に変更した以外は、実施例1と同様にしてエ
マルジョン組成物(I−3)を得た。I−3中の液晶組成物の平均粒径は7.3μm、変
動係数0.34であった。I−3における、水相中に分散又溶解している高分子(P−1
)の質量を1とすると、L−2の質量は、1.44であった。
I−3を用い、実施例1と同様にして液晶素子(F−3)を得た。F−3の液晶−高分
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径8.5μ
m、変動係数0.29の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−3は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ50.6%、全透過率はλmax=6
70nmで61.0%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは3.9%、全
透過率はλmax=670nmで32.3%になり、ΔT=28.7%を示した。透明状
態のF−3越しに背景を目視で観察したところ、濁りが小さくすっきりした視界が確保さ
れた。
E−1 45質量部に加えるNeorez R−967の量を21.8質量部に変更し
た以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン組成物(I−4)を得た。I−4中の液晶
組成物の平均粒径は6.0μm、変動係数0.31であった。I−4における、水相中に
分散又溶解している高分子(P−3)の質量を1とすると、L−1の質量は、2.51で
あった。
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径7.7μ
m、変動係数0.21の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−4は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
F−4は電圧OFF時には青色に着色し、電圧ON時(50Vrms)に透明になるノ
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ35.2%、全透過率はλmax=6
70nmで68.6%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは1.2%、全
透過率はλmax=670nmで43.5%になり、ΔT=25.1%を示した。透明状
態のF−4越しに背景を目視で観察したところ、濁りが小さくすっきりした視界が確保さ
れた。
Δn=0.240、Δε=15.6のネマチック液晶96質量%と(1)で表される二
色性色素4質量%を混合し、アントラキノン系二色性色素(D−1)を溶解させて液晶組
成物(L−3)を得た。液晶組成物をL−3に変更した以外は、実施例1と同様にしてエ
マルジョン組成物(I−5)を得た。I−5中の液晶組成物の平均粒径は5.9μm、変
動係数0.24であった。I−3における、水相中に分散又溶解している高分子(P−1
)の質量を1とすると、L−3の質量は、1.44であった。
I−5を用い、実施例1と同様にして液晶素子(F−5)を得た。F−5の液晶−高分
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径6.8μ
m、変動係数0.19の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−5は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ89.0%、全透過率はλmax=6
70nmで66.4%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは10.4%、
全透過率はλmax=670nmで42.0%になり、ΔT=24.4%を示した。透明
状態のF−5越しに背景を目視で観察したところ、濁りが大きくぼやけた印象の視界とな
った。
エマルジョン組成物中の液晶組成物の平均粒径を1.2μm、変動係数0.16に変更
した以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン組成物I−6を得た。I−6における、
水相中に分散又溶解している高分子(P−1)の質量を1とすると、L−1の質量は、1
.44であった。
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径1.9μ
m、変動係数0.18の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−6は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
F−6は電圧OFF時には青色に着色し、電圧ON時(50Vrms)に透明になるノ
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ49.3%、全透過率はλmax=6
70nmで62.5%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは15.2%、
全透過率はλmax=670nmで41.5%になり、ΔT=21.0%を示した。透明
状態のF−6越しに背景を目視で観察したところ、濁りが大きくぼやけた印象の視界とな
った。
E−1 17質量部にポリアクリル粒子と架橋剤アジピン酸ジヒドラジドを合計20質
量%含む水系ラテックスのNeoCryl A−1125(DSM社製)を100質量部
加え、均一になるまで撹拌してエマルジョン組成物(I−7)を得た。I−7中の液晶組
成物の平均粒径は4.9μm、変動係数0.37であった。I−7における、水相中に分
散又溶解している高分子(P−4)の質量を1とすると、L−1の質量は、1.67であ
った。
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径5.1μ
m、変動係数0.39の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−7は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
F−7は電圧OFF時には青色に着色し、電圧ON時(50Vrms)に透明になるノ
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ73.1%、全透過率はλmax=6
70nmで38.9%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは3.4%、全
透過率はλmax=670nmで69.1%になり、ΔT=30.2%を示した。透明状
態のF−7越しに背景を目視で観察したところ、濁りが小さくすっきりした視界が確保さ
れた。
E−1 50質量部にポリアクリル粒子と架橋剤アジピン酸ジヒドラジドを合計55質
量%含む水系ラテックスのリカボンド FK−471(ジャパンコーティングレジン社製
)を50質量部と、ケン化度86.5mol%〜89.0mol%、重合度500のポリ
ビニルアルコール20質量%水溶液を10質量部加え、均一になるまで撹拌してエマルジ
ョン組成物(I−8)を得た。I−8中の液晶組成物の平均粒径は5.9μm、変動係数
0.27であった。I−8における、水相中に分散又溶解している高分子(P−5)の質
量を1とすると、L−8の質量は、1.26であった。
子複合膜を膜面上から顕微鏡で観察したところ、高分子マトリクス中に平均粒径6.1μ
m、変動係数0.30の液晶組成物が分散した構造を有していた。F−8は可撓性を持ち
、ハサミで切断して整形することができた。
F−8は電圧OFF時には青色に着色し、電圧ON時(50Vrms)に透明になるノ
ーマルモード駆動を示した。電圧OFF時はヘーズ60.9%、全透過率はλmax=6
70nmで39.1%であった。電圧50Vrmsを印加すると、ヘーズは3.1%、全
透過率はλmax=670nmで68.1%になり、ΔT=29.0%を示した。透明状
態のF−8越しに背景を目視で観察したところ、濁りが小さくすっきりした視界が確保さ
れた。
Claims (14)
- 透明導電膜が対向するように配置された2枚の透明導電膜付き基板と、前記2枚の透明
導電膜付き基板の間に挟持された液晶−高分子複合膜とを備え、
前記液晶−高分子複合膜が、高分子マトリクスと、前記高分子マトリクスに液晶組成物
が囲まれた液晶領域とを有する液晶素子であって、
前記液晶組成物は二色性色素を含有し、
前記液晶−高分子複合膜は電圧の印加により透明状態と着色状態を切り替えることがで
き、
前記透明状態のヘーズが6%以下であり、
前記透明状態と着色状態の全透過率の差が25%以上である、液晶素子。 - 前記液晶組成物の誘電率異方性が正であり、前記液晶組成物の屈折率異方性が0.20
以下であり、前記液晶領域の平均粒径が2μm以上50μm以下である、請求項1に記載
の液晶素子。 - 前記高分子複合膜において、前記高分子マトリクスの全質量を1とすると、前記液晶組
成物の全質量が0.5以上4以下である、請求項1又は2に記載の液晶素子。 - 前記液晶領域の粒径分布において、変動係数が0.001以上0.8以下である、請求
項1〜3のいずれか1項に記載の液晶素子。 - 前記二色性色素がアントラキノン系色素を含有するものである、請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の液晶素子。 - 前記液晶組成物の二色性色素の含有量が3%以上20%以下である、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の液晶素子。 - 前記高分子マトリクスがポリウレタンを含有するものである、請求項1〜6のいずれか
1項に記載の液晶素子。 - 前記着色状態のヘーズが90%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶
素子。 - 水を含有する媒体に液晶組成物が分散したエマルジョン組成物であって、
前記媒体は、高分子が分散又は溶解したものであり、
前記液晶組成物は、二色性色素を含有し、
前記液晶組成物の誘電率異方性が正であり、
前記液晶組成物の屈折率異方性が0.01以上0.2以下であり、
前記液晶組成物の平均粒径が2μm以上50μm以下である。 - 前記高分子の全質量1とすると、液晶組成物の全質量が0.5以上4以下である、請求
項9に記載のエマルジョン組成物。 - 前記液晶組成物の粒径分布において、変動係数が0.001以上0.8以下である、請
求項9又は10に記載のエマルジョン組成物。 - 前記二色性色素がアントラキノン系色素を含有するものである、請求項9〜11のいず
れか1項に記載のエマルジョン組成物。 - 前記液晶組成物に二色性色素を3%以上20%以下含有する、請求項9〜12のいずれ
か1項に記載のエマルジョン組成物。 - 前記高分子がポリウレタンを含有するものである、請求項9〜13のいずれか1項に記
載のエマルジョン組成物。
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