JP2019133138A - 光学素子、光学機器および撮像装置 - Google Patents

光学素子、光学機器および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 異なる材料の光学要素の剥がれを防止しつつ、加熱した後に元の温度に戻した場合の加熱前後の面形状変化が少ない光学素子を提供することを目的とする。【解決手段】 少なくとも、凸形状を有する第1の光学要素11と、凹形状を有する第3の光学要素13との間に、第2の光学要素12を有する光学素子10であって、第1の光学要素11と第2の光学要素12との対向面及び/又は第2の光学要素12と第3の光学要素13との対向面は、接着層14で接合されている。接着層14の20℃の弾性率をEad1、60℃の弾性率をEad2としたとき、0.2≦Ead2/Ead1≦0.5を満たす。また、第1の光学要素11及び第3の光学要素13の20℃から60℃の線膨張係数を各々α1及びα3としたとき、0.25≦α1/α3<1.0を満たす。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の光学要素からなる光学素子、それを有する光学機器および撮像装置に関するものである。
複数の光学要素からなる光学素子は、レンズとしてデジタルカメラやビデオカメラなどの光学系に用いられ、小型で、かつ、高い光学性能を有することが求められている。このような光学素子では、異種材料を組み合わせて用いることにより、一種の材料では達成できない性能が得られる。例えば、色収差を低減させる光学素子として、特許文献1は、樹脂、ガラスなどの光学要素を複数含む光学素子を提案している。
異種材料の光学要素を組み合わせた光学素子は、材料間の密着力が低いことや、温度変化による特性が異なるため、形状の変形が起こりやすく、クラックや亀裂が生じやすいという問題がある。その問題を解決するため、特許文献2は、温湿度による膨張収縮変形による応力の発生を抑制した光学素子を提案している。
特開2011−102906号公報 特開2010−266496号公報
しかしながら、線膨張係数が大きく異なる光学要素を用いた光学素子の場合、特許文献2に規定されているように挟み込む光学要素の線膨張係数を揃えても、光学素子の変形や、光学要素間の界面で剥がれが起こり易い。
この界面での剥がれを解決するために、例えば、熱硬化または光硬化樹脂材料を光学要素に成形した後に、接着剤で形成する接着層でもう一方の光学要素と張り合わせ、変形を抑えることが知られている。高温にすると弾性率が大幅に低くなる接着層は、異なる2つの光学要素の界面における剥がれを良好に防止できる。しかし、このような接着層を用いた光学素子は、高温にした後に元の温度に戻した場合の面形状変化が大きくなり光学性能が低下するおそれがあった。
本発明は、異なる材料の光学要素の剥がれを防止しつつ、加熱前後の面形状変化が少ない光学素子を提供することを目的とする。
本発明の光学素子は、少なくとも、第1の光学要素と、第3の光学要素と、の間に、第2の光学要素を有する光学素子であって、前記第1の光学要素と前記第2の光学要素との対向面及び/又は前記第2の光学要素と第3の光学要素との対向面は、接着層で接合されており、前記第1の光学要素は、前記第2の光学要素に対向する面において凸形状であり、前記第3の光学要素は、前記第2の光学要素に対向する面において凹形状であり、前記接着層の20℃の弾性率をEad1、60℃の弾性率をEad2としたとき、下記式(1)を満たし
0.2≦Ead2/Ead1≦0.5 (1)
前記第1の光学要素及び前記第3の光学要素の20℃から60℃の線膨張係数を各々α1及びα3としたとき、下記式(2)を満たす
0.25≦α1/α3<1.0 (2)
ことを特徴とする。
本発明によれば、異なる光学要素の剥がれを防止しつつ、高温にした後に室温に戻した場合の面形状変化が少ない光学素子を提供することができる。
本実施形態の光学素子の断面図である。 本実施形態の光学素子の製造方法を示す図である。 実施例2の光学素子の断面図である。 実施例3の光学素子の断面図である。 実施例6の光学素子の断面図である。 本実施形態の撮像装置を示す図である。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
(光学素子)
本発明の実施形態である光学素子は、図1に示すように、少なくとも3つの光学要素で構成されている。光学素子10は、少なくとも第1の光学要素11と、第2の光学要素12と、第3の光学要素13を有している。第1の光学要素11と第2の光学要素12との対向面及び/又は第2の光学要素12と第3の光学要素13との対向面は、接着剤から形成される接着層14で接合されている。以下に、第2の光学要素12と第3の光学要素13とが接着層14で接合されている例を用いて説明する。
第1の光学要素11は、第2の光学要素12に対向する面が凸形状となっている。第1の光学要素11としては例えば、ガラスやプラスチックを用いることができる。温度変化による体積変化が小さいという観点で、第1の光学要素11には、ガラスを用いることが好ましい。第1の光学要素の線膨張係数は30×10−7/℃以上81×10−7/℃以下が好ましい。
第2の光学要素は、光軸L方向の最大厚みt2cが0.3mm以上10mm以下のものを用いることができる。最大厚みt2cは、好ましくは0.3mm以上2.0mm以下である。光軸Lは、光学素子10を光の入射方向から見たときの光学素子10の中心を通る。そのため、最大厚みt2cは、第1光学要素11もしくは第3光学要素13の中心を始点とした法線方向の厚みと換言することができる。第2の光学要素12としては、例えば、樹脂などの有機材料を用いることができる。第2の光学要素12に用いる樹脂としては、例えば、d線の屈折率ndが1.60以上1.67以下、アッベ数νdが16.7以上21.5以下、部分分散比θgFが0.70以上0.76以下のものを用いることができる。このようなθgFが高い材料を用いることにより、可視光の中の短波長の光の色収差を効率的に低減する光学系を設計することができる。
このような第2の光学要素12に用いる樹脂としては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する下記一般式(1)で示される化合物が重合又は共重合したものを用いることができる。
Figure 2019133138
〔式(1)において、X及びYは、それぞれ下記に示される置換基から選択されるいずれかの置換基である。
Figure 2019133138
(*は、R又はRとの結合手を表す。)
及びRは、それぞれ水素原子、炭素数1乃至2のアルキル基及び(メタ)アクリロイル基から選択されるいずれかの置換基である。Z及びZは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至2のアルコキシ基、炭素数1乃至2のアルキルチオ基、無置換の炭素数1乃至2のアルキル基及び下記式(3)に示す置換基から選択されるいずれかの置換基である。
Figure 2019133138
(式(3)において、**は、結合手を表し、mは0又は1であり、nは2乃至4のいずれかの整数であり、Rは水素又はメチル基である。)
a及びbは、それぞれ0乃至2のいずれかの整数である。aが2のとき2つのZは、同じであってもよいし異なっていてもよい。bが2のとき2つのZは、同じであってもよいし異なっていてもよい。〕
第3の光学要素13は、第2の光学要素に対向する面で、凹形状となっている。第3の光学要素13としては、例えば、ガラス又はプラスチックを用いることができる。温度変化による体積変化が小さいという観点で、第3の光学要素13としては、ガラスを用いることが好ましい。第3の光学要素13の線膨張係数は、66×10−7/℃以上136×10−7/℃以下が好ましい。
接着層14を形成する接着剤は、例えば、アクリル系光硬化性樹脂、エポキシ系硬化樹脂等を用いることができる。これらの中で、成形性に優れているので、アクリル系光硬化樹脂を用いることが好ましい。接着層14は、20℃の弾性率をEad1、60℃の弾性率をEad2としたとき、下記式(1)を満たす。
0.2≦Ead2/Ead1≦0.5 (1)
0.2>Ead2/Ead1だと、高温時に接着層14の弾性率が低くなり過ぎて光学要素界面で剥がれが発生する。また、Ead2/Ead1>0.5だと、高温にしたときに接着層弾性変形しにくいので光学要素の界面で剥がれが発生する。
本実施形態の式(1)を満たす接着層14は、60℃の弾性率が20℃の弾性率に比較して低く、高温の時に変形しやすい。したがって、線膨張係数の差が大きい複数の光学要素を接合した光学素子10において、高温にしたときに生じる光学要素の剥がれを抑制することができる。また、接着層14の厚みは特に限定されないが、例えば10μm以上30μm以下である。
式(1)を満たす高温の時に熱変形しやすい接着層を用いた光学素子10は、高温にした後に元の温度に戻した場合に、接着層の形状が変化して光学性能が低下するという課題を本発明者が見出した。これは、接着層を高温にした後に元の温度に戻した場合、元の形状に対して、接着層は曲率が小さくなる(曲率半径が大きくなる)ように変形するためである。
本実施形態の光学素子10は、第1の光学要素11及び第3の光学要素13の20℃から60℃の線膨張係数を各々α1及びα3としたとき、下記式(2)を満たす。
0.25≦α1/α3<1.0 (2)
本実施形態の光学素子10は、式(2)を満たすと、第3の光学要素13が接着層14の曲率を大きくする方に作用するので、高温にした後に元の温度に戻した場合の接着層14の形状変化を抑えて光学性能の低下を防止することができると考えられる。
光学素子10が、0.25>α1/α3の場合は、第1の光学要素11と第3の光学要素13の線膨張係数が大きく異なるので、接着層14を高温にしたときの形状変化が大きくなり、元の温度に戻しても形状変化が残ってしまい光学性能が低下する。α1/α3≧1.0の場合は、接着層14を高温にした後に元の温度に戻したときに、接着層14の形状変化を元に戻す復元力が小さいので、高温にした後に室温に戻した場合の面形状変化が大きくなる。
第1の光学要素11、第2の光学要素12及び第3の光学要素13の20℃から60℃の線膨張係数をそれぞれα1、α2、α3とする。本実施形態光学素子10は、下記式(3)及び下記式(4)を満たすと、光学要素界面での剥がれを抑制することができる。
9.0≦α2/α1≦24.5 (3)
5.0≦α2/α3≦11.0 (4)
また、第2の光学要素12の光軸L方向の最大の厚さをt2c、外径の厚さをt2eとしたとき、下記式(5)を満たす場合、接着層14の形状変化を元に戻す復元力が大きくなるので好ましい。
0.005≦t2e/t2c<0.95 (5)
また、t2e/t2cは、下記式(6)を満たすことがより好ましい。
0.005≦t2e/t2c≦0.05 (6)
(光学機器)
図6は、本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である、一眼レフデジタルカメラの構成を示している。図6において、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されているが、レンズ鏡筒601はカメラ本体602に対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒601の筐体内の撮影光学系の光軸上に配置された複数のレンズ603、605などからなる光学系を通過して撮影される。本発明の光学素子は例えば、レンズ603、605に用いることができる。
ここで、レンズ605は内筒604によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒601の外筒に対して可動支持されている。
撮影前の観察期間では、被写体からの光は、カメラ本体の筐体621内の主ミラー607により反射され、プリズム611を透過後、ファインダレンズ612を通して撮影者に撮影画像が映し出される。主ミラー607は例えばハーフミラーとなっており、主ミラーを透過した光はサブミラー608によりAF(オートフォーカス)ユニット613の方向に反射され、例えばこの反射光は測距に使用される。また、主ミラー607は主ミラーホルダ640に接着などによって装着、支持されている。不図示の駆動機構を介して、撮影時には主ミラー607とサブミラー608を光路外に移動させ、シャッタ609を開き、撮像素子610にレンズ鏡筒601から入射した撮影光像を受光(結像)させる。また、絞り606は、開口面積を変更することにより撮影時の明るさや焦点深度を変更できるよう構成される。
(光学素子の製造方法)
本実施形態の光学素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図2(a)のように、第1の光学要素11であるガラスと型15との間に、未硬化の紫外線硬化樹脂12aを充填する。
次に、図2(b)のように、未硬化の紫外線硬化樹脂12aに第1の光学要素11側から紫外線を照射して、第1の光学要素11のガラスの上に、第2の光学要素12としての紫外線硬化樹脂を設ける。
図2(c)に示すように、第2の光学要素12の第1の光学要素11と接していない面側に、不図示のディスペンサー等を用いて紫外線硬化樹脂を含有する接着剤14aを塗工する。
図2(d)に示すように、第2の光学要素12の紫外線硬化樹脂と、凹形状の第3の光学要素13であるガラスとを接着剤14aで接合する。そして、接着剤14aに、第3の光学要素13側から紫外線を照射して、接着層14を設けることにより光学素子10を得る。
光学素子の製造方法は光学要素の成形及び接合順が変化してもよく、凹形状の第3の光学要素13に第2の光学要素12を成形し、その後、接着剤14aにより第1の光学要素11を接合して作成しても良い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
実施例・比較例では、下記の方法で測定・評価した。
(熱耐久性)
光学素子の熱耐久性の評価では、まず、光学素子を20℃から60℃に40分かけて昇温した後、60℃で10分保持した後、室温20℃の環境で冷却した。次に、冷却開始から1時間後に光学素子の温度が25℃以下になっていることを確認した。そして、第1の光学要素11と第3の光学要素13の面形状をレーザー干渉計GPI(ZYGO社製)で計測して、その面形状の変化をニュートンリングに換算し、判定した。光学要素の面形状の設計値を球面Rとした時、Rが小さくなる方向に変化した場合をプラス、大きくなる方向に変化した場合をマイナスとした。熱耐久性は、以下の基準で評価した。
A:第1の光学要素11と第3の光学要素13のニュートンリングの変化がそれぞれ±3本以内であり、かつ第1の光学要素11と第3の光学要素13の合計のニュートンリングの変化が4本以内であり熱耐久性が高い。
B:第1の光学要素11又は第3の光学要素13のニュートンリングの変化が±3本を越えている、又は第1の光学要素11と第3の光学要素13の合計のニュートンリングの変化が4本を超えていて熱耐久性に改善の余地がある。
(弾性率)
紫外線硬化樹脂、接着層などの弾性率は、光学素子を切断して作成した測定用のサンプルを用いて測定した。具体的には、弾性率は、ナノインデンターG200(Keysight Technologies社製)を用いて測定した。弾性率の温度依存性を測定するために、加熱ステージを用いて20℃から60℃まで1分に2℃昇温する設定において、10℃ごとの弾性率を測定した。
(線膨張係数)
紫外線硬化樹脂、接着層などの線膨張係数は、光学素子を切断して作成した測定用のサンプルにより、TMA法を用いた熱機械分析装置で測定した。具体的には、測定用サンプルに対し、一定の荷重をかけた状態で温度を変化させた場合の伸縮を測定した。温度は、20℃から80℃までを10分かけて昇温し、10分間80℃で保持した後に、80℃から20℃まで10分かけて降温した。通常、初回の測定値は誤差を大きく反映しやすいため、温度の上げ下げを1サイクルとし、3サイクルの測定を行った後、初回を除く2回のデータから平均値を算出し、線膨張係数とした。
(剥がれ)
光学素子を作成した後、オーブンで高温にすることにより剥がれの試験を行った。具体的には、作成した光学素子をオーブンに投入し、20℃から60℃までを4時間かけて昇温し、60℃で1時間保持した後、60℃から20℃まで4時間かけて降温した。剥がれの確認は、降温後1時間経ったものについて顕微鏡観察を行い、剥がれの有無を確認した。顕微鏡観察の結果、はがれが観測されなかったものをAとした。評価がAの光学素子は耐久性が高い光学素子であったことを意味する。また、顕微鏡観察の結果、はがれが1つ以上観測されたものをBとした。評価がBの光学素子は、耐久性に改善の余地があることを意味する。
(実施例1)
実施例1は、図1に示す形状の光学素子を作製した。
第1の光学要素11の光学ガラス(20℃の弾性率118GPa、20℃から60℃までの線膨張係数62×10−7/℃)と型15の間に、未硬化のアクリル系UV硬化樹脂12aを塗工した。第1の光学要素11の側から高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を用いて紫外線を照射して、アクリル系UV硬化樹脂を硬化した。紫外線の照射条件は、25mW/cm、200秒で行った。このようにして、第1の光学要素11のガラスの上に、第2の光学要素12のアクリル系UV硬化樹脂(20℃の弾性率2.6GPa、線膨張係数728×10−7/℃)を設けた。第2の光学要素12の光軸方向の厚みは1mmであり、外周の厚みは0.05mmであった。
その後、第2の光学要素12の第1の光学要素11と接していない面に、接着剤14aを塗工して、第2の光学要素12と第3の光学要素13を接合した。接着剤14aは、アクリル系UV硬化樹脂を用いており、紫外線の照射条件は、10mW/cm、100秒で行った。このようにして接着剤14a硬化された接着層14は、20℃の弾性率が0.65GPaであり、60℃の弾性率は0.23GPaであり、60℃の弾性率に対する20℃の弾性率の比は0.35であった。また、接着層14の厚みは20μmであった。第3の光学要素13は、光学ガラス(20℃の弾性率が90GPa、20℃から60℃までの線膨張係数が66×10−7/℃)を用いた。
実施例1の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(比較例1)
比較例1は、第1の光学要素11と第3の光学要素13を表1に記載するものに替えた以外は実施例1と同様に光学素子を製造した。具体的には、第1の光学要素11、第3の光学要素13をともに、20℃の弾性率が118GPa、20℃から60℃までの線膨張係数69×10−7/℃の光学ガラスを用いた。
比較例1の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(実施例2)
実施例2は、図3の形状の光学素子を製造した。
実施例2は、第1の光学要素21は、20℃の弾性率が82GPa、20℃から60℃までの線膨張係数が30×10−7/℃の光学ガラスを用いた。第2の光学要素22は20℃の弾性率が2.6GPa、20℃から60℃までの線膨張係数が728×10−7/℃のアクリル系UV硬化樹脂を用いた。第2の光学要素22は、第1の光学要素21上に成形され、その光軸方向の最大厚みは1mmであり、外周の厚みは0.03mmであった。
第3の光学要素23は、弾性率が76GPa、線膨張係数が117×10−7/℃の光学ガラスを用いた。これらを変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を製造した。
実施例2の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(比較例2)
比較例2は、図3の形状の光学素子を製造した。
第1の光学要素21は、20℃の弾性率が82GPa、20℃から60℃の線膨張係数30×10−7/℃の光学ガラスを用いた。第2の光学要素22は、20℃の弾性率が2.6GPa、20℃から60℃の線膨張係数728×10−7/℃のアクリル系UV硬化樹脂を用いた。第2の光学要素22は第1の光学要素21上に成形され、その光軸方向の最大厚みは1mmであり、外周の厚みは0.03mmであった。第3の光学要素23は20℃の弾性率70GPa、20℃から60℃の線膨張係数が145×10−7/℃の光学ガラスを用いた。これらを変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を製造した。
比較例2の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(実施例3)
実施例3は、図4の形状の光学素子を製造した。
実施例3では、第1の光学要素31は、20℃の弾性率80GPa、20℃から60℃の線膨張係数72×10−7/℃の光学ガラスを用いた。第2の光学要素32は20℃の弾性率2.6GPa、20℃から60℃の線膨張係数728×10−7/℃のアクリル系UV硬化樹脂を用いた。第2の光学要素32は第1の光学要素31上に成形され、その光軸方向の最大厚みは1mmであり、外周の厚みは0.01mmであった。
第3の光学要素33は、20℃の弾性率76GPa、20℃から60℃の線膨張係数が117×10−7/℃の光学ガラスを用いた。接着層34の20℃の弾性率は1.87GPaであり、60℃時の弾性率は0.63GPaであり、60℃時の弾性率に対すると20℃時の弾性率の比は0.34であった。また、接着層34の厚みは20μmであった。これらの材料・構成以外は実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
実施例3の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(実施例4)
実施例4は、図1の形状の光学素子を製造した。実施例4では、第1の光学要素11は、20℃の弾性率78GPa、20℃から60℃の線膨張係数81×10−7/℃の光学ガラスを用いた。第2の光学要素12は20℃の弾性率2.6GPa、20℃から60℃の線膨張係数728×10−7/℃のアクリル系UV硬化樹脂を用いた。第2の光学要素12は第1の光学要素11上に成形され、その光軸方向の最大厚みは1mmであり、外周の厚みは0.05mmであった。第3の光学要素13は20℃の弾性率70GPa、20℃から60℃の線膨張係数136×10−7/℃の光学ガラスを用いた。接着層14の20℃の弾性率は0.31GPaであり、60℃時の弾性率は0.15GPaであり、60℃の弾性率に対する20℃時の弾性率の比は0.48であった。また、接着層14の厚みは20μmであった。これらの材料・構成以外は実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
実施例4の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(実施例5)
実施例5は、図1の形状の光学素子を製造した。実施例5では、第1の光学要素11は、20℃の弾性率80GPa、20℃から60℃の線膨張係数72×10−7/℃の光学ガラスを用いた。第2の光学要素12は20℃の弾性率2.6GPa、20℃から60℃の線膨張係数728×10−7/℃のアクリル系UV硬化樹脂を用いた。第2の光学要素12は光学要素11上に成形され、その光軸方向の最大厚みは1mmであり、外周の厚みは0.05mmであった。
第3の光学要素13は20℃の弾性率76GPa、20℃から60℃の線膨張係数117×10−7/℃の光学ガラスを用いた。接着層14の20℃の弾性率は0.62GPaであり、60℃時の弾性率は0.13GPaであり、60℃時の弾性率に対する20℃時の弾性率の比は0.21であった。また、接着層14の厚みは20μmであった。これらの材料・構成以外は実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
実施例5の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
(実施例6)
実施例6は、図5の形状の光学素子を製造した。第1の光学要素41は、20℃の弾性率118GPa、20℃から60℃の線膨張係数62×10−7/℃の光学ガラスを用いた。第2の光学要素42は、20℃の弾性率2.6GPa、20℃から60℃の線膨張係数728×10−7/℃のアクリル系UV硬化樹脂を用いた。第2の光学要素42は第1の光学要素41上に成形され、その光軸方向の最大厚みは2mmであり、外周の厚みは0.01mmであった。第3の光学要素43は20℃の弾性率76GPa、20℃から60℃の線膨張係数117×10−7/℃の光学ガラスを用いた。これらの材料・構成以外は実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
実施例6の光学素子の構成および評価結果を、表1にまとめた。
Figure 2019133138
(光学要素界面での剥がれ)
実施例1の光学素子において、表2に示すように弾性率が異なる接着層を用いて、光学要素間での剥がれの発生を観察した。
弾性率が異なる接着層を用いた参考例1〜6の接着層の弾性率および評価結果は、表2のようになった。
Figure 2019133138
10、20、30、40 光学機器
11、21、31、41 第1の光学要素
12、22、32、42 第2の光学要素
13、23、33、43 第3の光学要素
14、24、34、44 接着層

Claims (10)

  1. 少なくとも、第1の光学要素と、第3の光学要素と、の間に、第2の光学要素を有する光学素子であって、
    前記第1の光学要素と前記第2の光学要素との対向面及び/又は前記第2の光学要素と第3の光学要素との対向面は、接着層で接合されており、
    前記第1の光学要素は、前記第2の光学要素に対向する面において凸形状であり、
    前記第3の光学要素は、前記第2の光学要素に対向する面において凹形状であり、
    前記接着層の20℃の弾性率をEad1、60℃の弾性率をEad2としたとき、下記式(1)を満たし
    0.2≦Ead2/Ead1≦0.5 (1)
    前記第1の光学要素及び前記第3の光学要素の20℃から60℃の線膨張係数を各々α1及びα3としたとき、下記式(2)を満たすことを特徴とする光学素子。
    0.25≦α1/α3<1.0 (2)
  2. 第2の光学要素は、光軸方向の最大厚さが0.3mm以上10mm以下の樹脂である請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第2の光学要素の光軸方向の最大厚さが、2.0mm以下である請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記第1の光学要素および前記第3の光学要素の材料は、ガラスである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記第2の光学要素の20℃から60℃の線膨張係数をα2としたとき、下記式(3)及び下記式(4)を満たす請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学素子。
    9.0≦α2/α1≦24.5 (3)
    5.0≦α2/α3≦11.0 (4)
  6. 前記第2の光学要素の光軸方向の最大厚さをt2c、外径の厚さをt2eとしたとき、下記式(5)を満たす請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学素子。
    0.005≦t2e/t2c<0.95 (5)
  7. 前記t2e/t2cが下記式(6)を満たす請求項6の光学素子。
    0.005≦t2e/t2c≦0.05 (6)
  8. 筐体と、該筐体内に複数のレンズからなる光学系を備える光学機器であって、
    前記レンズの少なくとも1つが請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学素子であることを特徴とする光学機器。
  9. 筐体と、該筐体内に複数のレンズからなる光学系と、該光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を備える撮像装置であって、
    前記レンズの少なくとも1つが請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学素子であることを特徴とする撮像装置。
  10. 前記撮像装置がカメラであることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
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