JP2019133055A - 接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置 - Google Patents

接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置 Download PDF

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【課題】 アイレリーフが長く、広視野角かつ全系が小型であり、高い光学性能を有する接眼光学系を得ること。【解決手段】 画像表示面に表示された画像を観察するための接眼光学系であって、画像表示面から観察側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、正の屈折力の第3レンズより構成され、第1レンズと第2レンズと第3レンズの各材料の屈折率の平均値nd−ave、第2レンズの焦点距離f2、第3レンズの焦点距離f3、接眼光学系の焦点距離fを各々適切に設定すること。【選択図】 図1

Description

本発明は、接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置に関する。
従来、液晶パネルなど画像表示素子に表示された画像を観察するため、複数枚のレンズよりなる接眼光学系を用いた観察装置が知られている。これに用いる接眼光学系は視認性を高めるため、観察視野が十分に大きく(高倍率化)、アイレリーフが長く、諸収差が良好に補正されている高い光学性能を有すること等が求められている。更に、カメラなどの撮像装置は小型化され、これらの撮像装置に用いる観察装置は、画像表示素子の画像表示面の対角長が20mm以下の比較的小型な画像表示素子を用いることが求められている。
従来、これらの要求を満足する観察装置に好適な接眼光学系が種々と提案されている(特許文献1乃至3)。特許文献1乃至3では、物体側(画像表示素子側)より射出側(観察者側)に向かって、順に配置された正の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、正の屈折力の第3レンズによって構成された接眼光学系を開示している。
特開2016−166969号公報 特開2014−228583号公報 特開2015−135471号公報
観察装置に用いられる接眼光学系において、観察倍率が高く(観察視野角が大きく)、しかもアイレリーフを長く確保しつつ良好な光学性能を得るには、接眼光学系のレンズ構成及び各レンズの屈折力等を適切に設定することが重要になってくる。この他、小型の画像表示面を有する画像表示素子を用いるときは、画像表示面の大きさに対する接眼光学系の屈折力の比等を適切に設定することが重要になってくる。
例えば、前述した3つのレンズよりなる接眼光学系において、全系の焦点距離と比較して第3レンズの焦点距離が長いと、観察視野角を大きくするのが困難になる。また第1レンズの焦点距離と比較して第2レンズの焦点距離が長いと、一定以上の高視野角を得るのが困難になる。また全系の小型化を図るために、高屈折材料よりレンズを構成すると各レンズの製造が難しくなってくる等の傾向がある。
本発明は、アイレリーフが長く、広視野角かつ全系が小型であり、高い光学性能を有する接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置の提供を目的とする。
本発明の接眼光学系は、画像表示面に表示された画像を観察するための接眼光学系であって、
前記画像表示面から観察側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、正の屈折力の第3レンズより構成され、
前記第1レンズと前記第2レンズと前記第3レンズの各材料の屈折率の平均値をnd−ave、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記接眼光学系の焦点距離をfとするとき、
1.620<nd−ave<1.699
−0.93<f2/f3<−0.50
0.73<f3/f<1.10
なる条件式を満たすことを特徴としている。
本発明によれば、アイレリーフが長く、広視野角かつ全系が小型であり、高い光学性能を有する接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置が得られる。
本発明の実施例1の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図 本発明の実施例1の接眼光学系の各収差図 本発明の実施例2の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図 本発明の実施例2の接眼光学系の各収差図 本発明の実施例3の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図 本発明の実施例3の接眼光学系の各収差図 本発明の実施例4の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図 本発明の実施例4の接眼光学系の各収差図 本発明の実施例5の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図 本発明の実施例5の接眼光学系の各収差図 本発明の撮像装置の要部概略図
以下、本発明の接眼光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置等について添付の図面に基づいて説明する。本発明の接眼光学系は、画像表示面に表示された画像を観察するためのものであり、画像表示面側より観察側(アイポイント側)へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズG1、負の屈折力の第2レンズG2、正の屈折力の第3レンズG3から構成される。
図1は、視度−1.0ディオプター(基準状態)における、実施例1の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図である。図2は、実施例1の接眼光学系の基準状態における収差図である。図3は、視度−1.0ディオプターにおける、実施例2の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図である。図4は、実施例2の接眼光学系の基準状態における収差図である。図5は、視度−1.0ディオプターにおける、実施例3の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図である。図6は、実施例3の接眼光学系の基準状態における収差図である。
図7は、視度−1.0ディオプターにおける、実施例4の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図である。図8は、実施例4の接眼光学系の基準状態における収差図である。図9は、視度−1.0ディオプターにおける、実施例5の接眼光学系を有する観察装置のレンズ断面図である。図10は、実施例5の接眼光学系の基準状態における収差図である。図11は本発明の観察装置を有する撮像装置の要部概略図である。
レンズ断面図において、LAは観察装置、L0は接眼光学系である。IPは画像表示素子の画像表示面、GAは画像表示面IPの保護部材、G1は接眼光学系L0の第1レンズ、G2は接眼光学系L0の第2レンズ、G3は接眼光学系L0の第3レンズである。GBは接眼光学系L0のカバーガラス、EPは観察者のアイポイント位置(観察位置)を示す。第3レンズG3の観察側のレンズ面からアイポイントEPまでの距離がアイレリーフである。
また球面収差図において、実線のdはd線(波長587.6nm)、二点鎖線のgはg線(波長435.8nm)に対する球面収差を示している。非点収差図において、実線のΔSはd線のサジタル像面、点線のΔMはd線のメリディオナル像面である。歪曲収差はd線について示している。倍率色収差図ではg線における倍率色収差を示している。Hは画像表示面IPの対角線長の半分である。
画像表示面IPの対角長が約20mm以下の小型の表示パネル(画像表示素子)を広視野角(視野角30度以上)で観察するためには、接眼光学系L0全体で強い正の屈折力を持つ必要がある。一般に、各レンズを強い正の屈折力、または負の屈折力にすると、像面湾曲、倍率色収差等の諸収差の補正が難しくなる。
そこで本発明の各実施例の接眼光学系L0では、画像表示面IP側から順に配置した正の屈折力の第1レンズG1、負の屈折力の第2レンズG2、正の屈折力の第3レンズG3によって構成している。そして最適な屈折力配置を設定することで、アイレリーフが長く、広視野角で、かつ全系が小型であり、高い光学性能を有する接眼光学系を得ている。
そして第1レンズG1と第2レンズG2と第3レンズG3の各材料の屈折率の平均値をnd−aveとする。第2レンズG2の焦点距離をf2、第3レンズG3の焦点距離をf3、接眼光学系L0の焦点距離をfとする。このとき、
1.620<nd−ave<1.699 ・・・(1)
−0.93<f2/f3<−0.50 ・・・(2)
0.73<f3/f<1.10 ・・・(3)
なる条件式を満たす。
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(1)は、接眼光学系L0が有するレンズの材料の屈折率の平均値を規定したものである。条件式(1)の下限値を下回ると広視野角化することが困難になり、好ましくない。また上限値を上回ると、各レンズの高精度な加工が困難になってくる。
条件式(2)は第2レンズG2と第3レンズG3の焦点距離の比を規定したものである。条件式(2)の下限値を下回ると広視野角化が困難になり、好ましくない。また上限値を上回ると色収差が増加して光学性能が低下してしまうため、好ましくない。
条件式(3)は接眼光学系L0全系の焦点距離と第3レンズG3の焦点距離の比を規定したものである。条件式(3)の下限値を下回ると、広視野角化が難しくなるため、好ましくない。上限値を上回ると光学性能が低下するため、好ましくない。
尚、各実施例において、好ましくは条件式(1)、(2)、(3)を数値範囲を次の如く設定するのが良い。
1.620<nd−ave<1.685 ・・・(1a)
−0.91<f2/f3<−0.52 ・・・(2a)
0.732<f3/f<1.090 ・・・(3a)
各実施例において更に好ましくは次の条件式のうち1つ以上を満足するのが良い。第1レンズG1の画像表示面側のレンズ面の曲率半径をR11、観察側のレンズ面の曲率半径をR12とする。第2レンズG2の材料の屈折率とアッベ数を各々nd2、νd2とする。
各実施例の接眼光学系L0を画像表示素子の画像表示面IPに表示される画像を観察するために用いるとき、画像表示素子の画像表示面IPの対角線長の半分をHとする。このとき次の条件式のうち1つ以上を満足するのが良い。
−0.20<(R11+R12)/(R11−R12)<1.20 ・・・(4)
−1.10<f2/f<−0.50 ・・・(5)
1.55<nd2<1.75 ・・・(6)
19.0<νd2<32.0 ・・・(7)
0.25<H/f<0.40 ・・・(8)
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(4)は第1レンズG1の画像表示面IP側と観察面EP側のレンズ面の曲率を規定したものである。条件式(4)の下限値を下回ると第1レンズG1の正の屈折力が弱まり、広視野角化が難しくなるため好ましくない。また上限値を上回ると軸外光束の光学性能が低下してしまうため、好ましくない。
条件式(5)は接眼光学系L0全系の焦点距離と第2レンズG2の焦点距離の比を規定したものである。条件式(5)の下限値を下回ると、第2レンズG2の各レンズ面の曲率が強くなり成形難易度が上がるため、好ましくない。上限値を上回ると色収差の補正が困難になるため、好ましくない。
条件式(6)は第2レンズG2の屈折率を規定したものである。条件式(6)の下限値を下回ると第2レンズG2の各レンズ面の曲率が強くなり過ぎ、成形難易度が上がるため好ましくない。上限値を上回ると接眼光学系L0のペッツバール和が増大し像面湾曲、非点収差が増加してしまうため、好ましくない。
条件式(7)は第2レンズG2の材料のアッベ数を規定したものである。条件式(7)の下限値を下回って第2レンズG2の材料のアッベ数νdが小さくなると、色収差が過剰に補正されることになり好ましくない。また、上限値を上回ると色収差の補正が不十分になるため、好ましくない。
条件式(8)は、画像表示素子の画像表示面IPの有効面の対角長さの半分と全系の焦点距離の比を規定している。条件式(8)は所定の長さのアイレリーフを確保しつつ、高倍率を確保するためのものである。この条件式(8)の上限を超えると全系の焦点距離が短くなる為、高倍率化には有利だが、高い光学性能の確保が難しくなる。下限値を下回ると、全系の屈折力(パワー)が弱くなり、高倍率を確保することが難しくなる。また好ましくは条件式(4)乃至(8)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.50<(R11+R12)/(R11−R12)<1.10 ・・・(4a)
−0.90<f2/f<−0.52 ・・・(5a)
1.60<nd<1.70 ・・・(6a)
19.0<νd<25.0 ・・・(7a)
0.28<H/f<0.38 ・・・(8a)
各実施例において接眼光学系L0として、第1レンズG1を硝子材料、第2レンズG2を樹脂材料、第3レンズG3を樹脂材料で構成することが好ましい。これは硝子材料の枚数を削減することで軽量化を図るとともに硝子材料を用いたレンズを小径化することが容易となる。3枚のレンズ構成の接眼光学系L0においては、通常第1レンズG1が最も小径であるため、第1レンズG1を硝子材料とすることが好ましい。接眼光学系L0として、第2レンズG2は少なくとも片面が非球面形状であるのが良い。
次に、各実施例に示した接眼光学系を用いた撮像装置の実施形態について、図11を用いて説明する。撮像光学系101により形成された物体像は、光電変換素子である撮像素子102により電気信号に変換される。撮像素子102としては、CCDセンサやCMOSセンサなどが用いられる。
撮像素子102からの出力信号が画像処理回路103において処理され、画像が形成される。形成された画像は、半導体メモリ、磁気テープ、光ディスクなどの記録媒体104に記録される。また、画像処理回路103において形成された画像は、観察装置105に表示される。観察装置105は、画像表示素子1051及び各実施例の接眼光学系1052を備える。画像表示素子1051は、液晶表示素子LCDやCRT等から構成される。画像表示素子1051で表示された画像情報は接眼光学系1052を介してアイポイント106より観察される。
このように本発明の接眼光学系1052を、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に適用することにより、広視野角かつ小型であり、高い光学性能を有する撮像装置を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

以下に本発明の各実施例に対応する数値データを示す。数値データにおいて、画像表示面IPから観察側EPへ順に「ri」は第i番目の面の近軸曲率半径を示す。r1、r2は画像表示素子の面であり、r1は画像表示面である。r3、r4は保護部材の面である。r11、r12はカバーガラスの面である。diは画像表示面IPから順に第i番目の面と第i+1番目の面との間の軸上面間隔を示す。さらに、ndiは第i番目の材料のd線(波長=578.6nm)に対する屈折率を示し、νdiは第i番目の材料のd線に対するアッベ数を示す。
なお、数値データでは、記載されている長さの単位は、特記の無い場合[mm]が使われている。ただし、接眼光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は[mm]に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが出来る。なお、数値データにおいて近軸曲率半径の欄に「*」の添え字が書かれている面は次の数1式によって定義される非球面形状である。
なお、数1において、xはレンズ面の頂点からの光軸方向の距離、hは光軸と垂直な方向の高さ、Rはレンズ面の頂点での近軸曲率半径、kは円錐定数、A4、A6、A8は多項式係数である。非球面係数において、「E−i」は10を底とする指数表現、すなわち「10−i」を表している。各数値データにおける前述の各条件式の計算結果を表1に示す。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
LA 観察装置 L0 接眼光学系 G1 第1レンズ
G2 第2レンズ G3 第3レンズ

Claims (8)

  1. 画像表示面に表示された画像を観察するための接眼光学系であって、
    前記画像表示面から観察側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、正の屈折力の第3レンズより構成され、
    前記第1レンズと前記第2レンズと前記第3レンズの各材料の屈折率の平均値をnd−ave、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記接眼光学系の焦点距離をfとするとき、
    1.620<nd−ave<1.699
    −0.93<f2/f3<−0.50
    0.73<f3/f<1.10
    なる条件式を満たすことを特徴とする接眼光学系。
  2. 前記第1レンズの画像表示面側のレンズ面の曲率半径をR11、観察側のレンズ面の曲率半径をR12とするとき、
    −0.20<(R11+R12)/(R11−R12)<1.20
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の接眼光学系。
  3. 前記接眼光学系は、
    −1.10<f2/f<−0.50
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の接眼光学系。
  4. 前記第1レンズは硝子材料によって構成され、前記第2レンズおよび前記第3レンズは樹脂材料によって構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接眼光学系。
  5. 前記第2レンズの材料の屈折率とアッベ数を各々nd2、νd2とするとき、
    1.55<nd2<1.75
    19.0<νd2<32.0
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接眼光学系。
  6. 画像を表示する画像表示素子と、該画像表示素子の画像表示面に表示される画像を観察するために用いられる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の接眼光学系を有することを特徴とする観察装置。
  7. 前記画像表示素子の画像表示面の対角線長の半分をHとするとき、
    0.25<H/f<0.40
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項6に記載の観察装置。
  8. 物体像を撮像する撮像光学系と、前記撮像光学系で撮像された物体像を表示する画像表示素子と、該画像表示素子で表示される画像を観察するための請求項6または7に記載の観察装置を有することを特徴とする撮像装置。
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