JP2019132890A - パターン付き基板、隔壁形成方法、パターン付き基板の製造方法、隔壁形成装置、およびパターン付き基板の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦な表面形状の塗布パターンを有するパターン付き基板、および平坦な表面形状の塗布パターンを形成させるための隔壁形成方法、パターン付き基板の製造方法、隔壁形成装置、およびパターン付き基板の製造装置を提供する。【解決手段】略平坦な表面を有する基板本体Wと、基板本体Wの表面に形成された堤防状の隔壁部Bと、隔壁部Bによって挟まれる空間に隔壁部Bの側壁と接するように充填された塗布パターンPと、を有し、少なくとも隔壁部Bの側壁が塗布パターンPの表面端部と接する箇所において、隔壁部Bの側壁が基板本体Bの表面と成す角度と、隔壁部Bの側壁の表面の材料と塗布パターンPの材料である塗布液33との間の接触角とが、略等しい。【選択図】図3
Description
本発明は、インクジェット法を用いて形成されるパターン付き基板、そのパターン付き基板の製造方法およびパターン付き基板の製造装置、また、基板にパターンを形成するための隔壁形成方法および隔壁形成装置に関するものである。
カラー液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、色形成の中核を成す部材としてカラーフィルタが用いられている。カラーフィルタは、ガラス基板上に微細なR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の画素が多数並べられて形成されている。
このカラーフィルタを製造する方法として、従来は主にフォトリソグラフィ法が用いられてきた。具体的には、隔壁によって仕切られて形成された多数の微細な画素領域を有するガラス基板面の全体にスリットコーティングなどによりたとえばRの塗布液を塗布し、次に、Rの画素を配置すべき画素領域に塗布された部分のみを露光などにより硬化させることで画素を形成させる。この工程をRのほかにG、Bの塗布液を塗布する度に行うことで、3色の画素のカラーフィルタを製作する方法が用いられてきた。しかし、この方法は、硬化させた部分以外の塗布液は除去する必要があるため、カラーフィルタを製作するために必要な塗布液の量が画素を構成する量に比べて大量(3倍以上)となり、製作コストが高いといった欠点があった。
それに対し、近年、特許文献1に示すように、その色の画素の配置が必要な画素領域にのみR、G、Bの各塗布液をインクジェットヘッドから吐出して塗布し、R、G、Bの色画素を形成するというインクジェット法が用いられるようになってきている。この方法では、無駄な塗布液を塗布する必要ないため、フォトリソグラフィ法と比較して製作コストの低減が可能である。
特許文献1:特開2006−000691号公報
しかしながら、特許文献1のようにインクジェット法を用いて色画素を形成した場合、画素の色調ムラや輝度の低下などが発生するおそれがあった。図7にフォトリソグラフィ法、およびインクジェット法で製作したカラーフィルタの概略図を示す。図7(a)はフォトリソグラフィ法によるもの、図7(b)はインクジェット法によるものであり、それぞれ、基板本体W上に隔壁部Bで仕切られて形成された画素領域内に塗布液を塗布し、画素のパターンを形成したものを表している。ここで、図7(a)に示すフォトリソグラフィ法によるものであれば、表面が平坦となるように塗布液を塗布することは容易であり、その後露光し、不要な塗布液を除去することでパターンP1のような形状の画素を形成することが可能である。これに対し、図7(b)に示すインクジェット法によるものでは、通常、塗布液の塗布によって形成されるパターンP2は、中央部が盛り上がった、丸い形状を有する。これは、塗布液自身の表面張力の影響に加え、塗布液が隔壁部Bを乗り越えて隣の画素領域に混入することを防ぐために、隔壁部Bの表面が撥液性になっているためであり、塗布液は、この撥液性の影響を受けて収縮し、丸い形状をとる。このパターンP2のように中央と端とで厚みに差がある形状のままで塗布液が乾燥、固化し、最終的に画素が形成されると、画素の色調ムラや輝度の低下など、カラーフィルタの品質面での不具合が発生するという問題があった。
本発明は、上記問題点を鑑み、平坦な表面形状の塗布パターンを有するパターン付き基板、および平坦な表面形状の塗布パターンを形成させるための隔壁形成方法、パターン付き基板の製造方法、隔壁形成装置、およびパターン付き基板の製造装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のパターン付き基板は、略平坦な表面を有する基板本体と、前記基板本体の表面に形成された堤防状の隔壁部と、前記隔壁部によって挟まれる空間に前記隔壁部の側壁と接するように充填された塗布パターンと、を有し、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しく、前記塗布パターンの表面が略平坦であることを特徴とする。
本発明のパターン付き基板によれば、少なくとも隔壁部の側壁が塗布パターンの表面端部と接する箇所において、隔壁部の側壁が基板本体の表面と成す角度と、隔壁部の側壁の表面の材料と塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しいことにより、インクジェット法によって塗布パターンを形成する場合でも容易にその表面形状を平坦とすることができる。
また、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面と成す角度は、前記塗布パターンの表面端部と接する箇所より上部では一様であると良い。
こうすることにより、さらに容易に塗布パターンの表面形状が平坦となる。
また、上記課題を解決するために本発明の隔壁形成方法は、略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成工程を有し、前記隔壁形成工程では、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記隔壁部によって挟まれる空間に後に形成される塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁部を形成することを特徴としている。
本発明の隔壁形成方法によれば、少なくとも隔壁部の側壁が隔壁部によって挟まれる空間に後に形成される塗布パターンの表面端部と接する箇所において、隔壁部の側壁が基板本体の表面端部と成す角度と、隔壁部の側壁の表面の材料と塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、隔壁部を形成することにより、後に形成される塗布パターンの表面形状を平坦にすることができる。
また、上記課題を解決するために本発明のパターン付き基板の製造方法は、略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁部によって挟まれる空間に前記隔壁部の側壁と接するように、インクジェット法により塗布液を充填する塗布工程と、前記塗布液を固化させて塗布パターンを形成させるパターン形成工程と、を有し、前記隔壁形成工程では、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁部を形成することを特徴としている。
本発明のパターン付き基板の製造方法によれば、隔壁形成工程では、少なくとも隔壁部の側壁が塗布パターンの表面端部と接する箇所において、隔壁部の側壁が基板本体の表面端部と成す角度と、隔壁部の側壁の表面の材料と塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、隔壁部を形成することにより、インクジェット法によって塗布パターンを形成する場合でも容易にその表面形状を平坦とすることができる。
また、前記隔壁形成工程では、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面と成す角度が、前記塗布パターンの表面端部と接する箇所から前記塗布工程直後の前記塗布液と接する箇所まで一様であるように前記隔壁部を形成すると良い。
こうすることにより、さらに容易に塗布パターンの表面形状が平坦となる。
また、上記課題を解決するために隔壁形成装置は、略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成部と、前記隔壁形成部の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記隔壁部によって挟まれる空間に後に形成される塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁形成部の動作を制御することを特徴としている。
本発明の隔壁形成装置によれば、制御部は、少なくとも隔壁部の側壁が隔壁部によって挟まれる空間に後に形成される塗布パターンの表面端部と接する箇所において、隔壁部の側壁が基板本体の表面端部と成す角度と、隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、隔壁形成部の動作を制御することにより、後に形成される塗布パターンの表面形状を平坦にすることができる。
また、上記課題を解決するために本発明のパターン付き基板の製造装置は、略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成部と、前記隔壁部によって挟まれる空間に前記隔壁部の側壁と接するように、インクジェット法により塗布液を充填する塗布部と、前記塗布液を固化させて塗布パターンを形成させるパターン形成部と、前記隔壁形成部の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁形成部の動作を制御することを特徴としている。
本発明のパターン付き基板の製造装置によれば、制御部は、少なくとも隔壁部の側壁が塗布パターンの表面端部と接する箇所において、隔壁部の側壁が基板本体の表面端部と成す角度と、隔壁部の側壁の表面の材料と塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、隔壁形成部の動作を制御することにより、インクジェット法によって塗布パターンを形成する場合でも容易にその表面形状を平坦とすることができる。
本発明のパターン付き基板によれば、平坦な表面形状の塗布パターンを有することができる。また、本発明の隔壁形成方法、パターン付き基板の製造方法、隔壁形成装置、およびパターン付き基板の製造装置によれば、平坦な表面形状の塗布パターンを形成することができる。
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるパターン付き基板製造装置の概略図である。パターン付き基板製造装置1は、隔壁形成部2、塗布部3、パターン形成部4、および制御部5を備えており、平板状の基板本体Wに対し、まず隔壁形成部2によって隔壁部Bが形成され、この隔壁部Bによって挟まれる空間に塗布部3によって塗布液33が塗布される。そして、パターン形成部4によって塗布液33が硬化され、塗布パターンPが形成される。また、制御部5には隔壁形成部2、塗布部3、パターン形成部4で使用するデータが格納されており、制御部5が隔壁形成部2、塗布部3、パターン形成部4の動作を制御する。また、隔壁形成部2、塗布部3、パターン形成部4それぞれの間の基板本体Wの搬送は、図示しないロボットハンド、コンベアなどによって行われる。
隔壁形成部2は、隔壁形成手段21を有しており、制御部5に制御されて隔壁形成手段21が動作する。隔壁形成部2へは平板状の基板本体Wが搬入され、この基板本体Wの略平坦な表面に堤防状の隔壁部Bが形成される。
本実施形態では、隔壁形成手段21はエッチング装置であり、ガラスなどで形成された基板本体Wに形成された金属系薄膜状のレジストを所望の遮光性パターンにて露光してエッチングマスクを形成し、エッチング液を用いてエッチングマスクで覆われていない金属系薄膜をスプレー法あるいは浸漬法などのエッチング方法によりエッチングを行い、基板本体Wから金属系薄膜の一部を除去する。その後、エッチングマスクを剥離液を用いて剥離し、水洗洗浄することにより隔壁部Bが形成される。
この隔壁形成部2によって基板本体W上に形成される隔壁部Bは、図2(a)に示す通り堤防状の隔壁部Bが2方向に交差するように設けられる、いわゆるマトリクス状に形成されており、このマトリクス状の隔壁部Bに囲まれた領域に塗布パターンPが形成され、パターン付き基板が構成される。
なお、この隔壁形成部2によって隔壁部Bを形成する工程を、本説明では隔壁形成工程と呼ぶ。
また、図2(b)はパターン付き基板の断面図であるが、隔壁部Bの側壁は基板本体Wの表面に対して垂直ではなく傾斜するように形成されている。このように傾斜した側壁となるよう、制御部5によって隔壁形成手段21の動作が制御される。
塗布部3は、塗布ヘッド31を有しており、塗布ヘッド31が有するノズル32の先端から塗布パターンPの材料となる塗布液33をインクジェット法により液滴として吐出する。
なお、この塗布部3によって塗布液33が塗布される工程を、本説明では塗布工程と呼ぶ。
塗布ヘッド31により液滴として吐出を行う段階では、塗布パターンPの材料の粘度は低い。塗布パターンPの材料は、本実施形態ではたとえば固形材料が揮発性の溶媒に溶解した形態をとっており、溶媒が揮発するにしたがって粘度が高くなりやがて硬化する。このほか、塗布パターンPの材料はたとえば熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂であっても良く、この場合、硬化する前はインクジェット法で吐出が可能な程度の粘度を有し、熱や光を与えることにより硬化する。
ここで、本実施形態では基板本体Wはカラーフィルタ用の基板であり、塗布パターンPはたとえばR、G、Bの色画素である。隔壁形成部2によって形成された隔壁部Bに囲まれた基板本体W上の塗布領域に塗布パターンPの材料である塗布液33が吐出され、塗布領域内で隔壁部Bの側壁と接するように塗布液33が充填される。
また、塗布部3は、塗布ヘッド31と基板本体Wとを少なくとも図1のX軸方向およびY軸方向に相対移動させる図示しない移動機構を有しており、基板本体Wの上方を塗布ヘッド31がたとえばX軸方向に走査しながらX軸方向に並ぶ塗布領域に対して連続して液滴を吐出する。そして、X軸方向において基板本体Wの端から端まで走査が完了すると、塗布ヘッド31は基板本体Wに対してY軸方向にシフトし、またX軸方向の走査および液滴の吐出を行う。これが繰り返されることにより、基板本体W上に設けられた多数の塗布領域上に塗布パターンPの材料が塗布される。
また、塗布ヘッド31にはY軸方向に複数のノズル32が並んで配置されており、一度のX軸方向の走査の間にY軸方向に並ぶ複数の塗布領域へ液滴を吐出することが可能である。
なお、基板本体W上の塗布領域の位置、塗布すべき分量などのデータを含む塗布データは、制御部5にあらかじめ格納されており、塗布部3はこの塗布データを読みこんだ後、塗布動作を実施する。
パターン形成部4は、本実施形態ではヒータプレート41を備えている。ヒータプレート41は、基板本体W全体を載置することが可能な大きさを有しており、ヒータプレート41が作動することにより基板本体Wが加熱される。本実施形態のように固形材料が揮発性の溶媒に溶解した形態を塗布パターンPの材料が有していた場合、基板本体Wが加熱されることにより、隔壁部Bに囲まれた塗布領域中の塗布液33は溶媒の揮発が促進して硬化し、塗布パターンPとなる。
なお、このパターン形成部4によって塗布パターンPを形成する工程を、本説明ではパターン形成工程と呼ぶ。
なお、本実施形態ではパターン形成部4はヒータプレート41を有しているが、それに加え基板本体Wを囲んで加熱するオーブン機構を備えていても良い。
また、塗布パターンPの材料が熱硬化性樹脂であった場合でも、上記の通りヒータプレート41やオーブン機構によって塗布液33が加熱されることにより、塗布パターンPが形成される。また、塗布パターンPの材料が光硬化性樹脂であった場合は、パターン形成部4にはヒータプレート41の代わりにランプ機構が設けられ、塗布液33を硬化させる波長の光がこのランプ機構から塗布液33に向かって発せられる。
制御部5は、CPUおよびRAMやROMを有するコンピュータであり、隔壁形成部2による隔壁形成動作、塗布部3による塗布動作、およびパターン形成部4による加熱動作の制御を行うほか、基板本体Wの搬送の制御も行う。
また、制御部5は、ハードディスクや、RAMまたはROMなどのメモリからなる、各種情報を記憶する記憶装置を有しており、基板本体Wに塗布部3が塗布パターンPを形成するための位置情報などの塗布データがこの記憶装置に記憶される。
次に、本発明の一実施形態におけるパターン付き基板の断面図を図3(a)に示す。
上記の通り、隔壁形成部2による隔壁形成工程、塗布部3による塗布工程、およびパターン形成部4によるパターン形成工程を経て、基板本体Wの表面に形成された隔壁部Bによって挟まれる空間に塗布パターンPが形成される。
ここで、隔壁部Bの側壁は基板本体Wの表面に対して垂直に設けられてはおらず、傾斜しており、このように傾斜した側壁となるよう、制御部5によって隔壁形成部2の動作が制御されている。
この隔壁部Bの側壁の傾斜角度は、塗布パターンPの材料である塗布液33とこの側壁との間の接触角に応じて設定されている。隔壁形成工程で基板本体W上に隔壁部Bを形成する以前にあらかじめ図3(b)に示すように隔壁部Bの特に側壁表面を形成する材料の層が設けられたワーク上に塗布液33を滴下し、その接触角θ1が計測されており、その計測結果が制御部5に格納されている。そして、少なくとも隔壁部Bの側壁が塗布パターンPの表面端部と接する箇所において、隔壁部Bの側壁が基板本体Wの表面と成す角度がθ1であり、隔壁部Bの側壁の表面の材料と塗布パターンPの材料である塗布液33との間の接触角と略等しくなるように、制御部5によって隔壁形成部2の動作が制御され、隔壁部Bが形成される。
このように少なくとも隔壁部Bの側壁が塗布パターンPの表面端部と接する箇所において、隔壁部Bの側壁が基板本体Wの表面と成す角度が隔壁部Bの側壁の表面の材料と塗布パターンPの材料である塗布液33との間の接触角と略等しいことにより、塗布パターンPの表面端部が平坦になり、それに規制されて中央部まで平坦になりやすくなる。その結果、塗布パターンPの表面全体が平坦となる。したがって、従来のインクジェット塗布法では表面が丸い形状になりやすかったのに対して、本発明では略平坦な表面形状の塗布パターンPを有するパターン付き基材を容易に形成することが可能である。
一方、塗布液33が隔壁部Bを乗り越えて隣の画素領域に混入することを防ぐために、図4(a)に示すように隔壁部Bの側壁表面に撥液層B1を設け、撥液層B1と塗布液33との間の接触角が大きくなるようにしている場合がある。この場合は、図4(b)に示すように撥液層B1が設けられたワーク上に塗布液33を滴下し、その接触角θ2が少なくとも隔壁部Bの側壁が塗布パターンPの表面端部と接する箇所における、隔壁部Bの側壁が基板本体Wの表面と成す角度とすることにより、図3の実施形態と同様に略平坦な表面形状の塗布パターンPを有するパターン付き基材を容易に形成することが可能である。
また、図3および図4の実施形態では隔壁部Bの側壁の傾斜角は隔壁部Bの下部から上部まで一様になっている。このようにすることによれば隔壁部Bの形成が容易である利点があるが、それに限らず図5に示すように隔壁部Bの側面の傾斜角が一様でなくても良く、上記の通り、少なくとも隔壁部Bの側壁が塗布パターンPの表面端部と接する箇所において、隔壁部Bの側壁が基板本体Wの表面と成す角度が隔壁部Bの側壁の表面の材料と塗布液33との間の接触角と略等しければ良い。
ここで、図5に示す2点鎖線は、塗布工程実施直後の塗布液33の液面を示しているが、隔壁部Bの側壁が基板本体Wの表面と成す角度が、少なくとも塗布パターンPの表面端部と接する箇所から塗布工程直後の塗布液33と接する箇所まで一様であるように隔壁部Bを形成しておけば、塗布液33が硬化して塗布パターンPになるまでの過程において常に平坦な表面形状を維持することができ、より容易に略平坦な表面形状の塗布パターンPを有するパターン付き基材を形成することが可能である。これは、塗布パターンの表面端部と接する箇所より上部全体において隔壁部3の側壁の傾斜角が一様である場合も同様である。
また、塗布液33の接触角が非常に小さくゼロ度に近い場合、図6(a)に示すように隔壁部Bの側壁が塗布パターンPの表面端部と接する箇所における隔壁部Bの側壁の傾斜角は限りなくゼロ度に近くなる。この場合、図6(b)に示すように隔壁部Bに段差を設けても良い。平坦な段差部に塗布パターンPの表面が位置するように段差部の高さが設定されておれば、塗布パターンPの表面形状は平坦に近くなる。
以上のパターン付き基板により、平坦な表面形状の塗布パターンを有することができる。また、以上の隔壁形成方法、パターン付き基板の製造方法、隔壁形成装置、およびパターン付き基板の製造装置により、平坦な表面形状の塗布パターンを形成することができる。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記の説明では隔壁形成手段21はエッチング装置であるが、それに限らず、たとえばインクジェット塗布装置であっても良い。
また、上記の説明では、図示しないロボットハンド、コンベアなどによって隔壁形成部、塗布部、パターン形成部、表面形状測定部、レーザ加工部それぞれの間の基板の搬送が行われているが、それに限らず、基板は1つのステージに固定され、その基板の上方を隔壁形成部、塗布部、パターン形成部が移動する形態であっても良い。
また、上記の説明では、隔壁部Bの側壁は塗布液33との接触角に応じて傾斜しているが、仮に隔壁部Bの側壁の材料と塗布液33との間の接触角が90度であった場合、隔壁部Bは基板本体Wの表面に対して垂直に設けられていても良い。
1 パターン付き基板製造装置
2 隔壁形成部
3 塗布部
4 パターン形成部
21 隔壁形成手段
31 塗布ヘッド
32 ノズル
33 塗布液
41 ヒータプレート
B 隔壁部
B1 撥液層
P 塗布パターン
P1 パターン
P2 パターン
W 基板本体
2 隔壁形成部
3 塗布部
4 パターン形成部
21 隔壁形成手段
31 塗布ヘッド
32 ノズル
33 塗布液
41 ヒータプレート
B 隔壁部
B1 撥液層
P 塗布パターン
P1 パターン
P2 パターン
W 基板本体
Claims (7)
- 略平坦な表面を有する基板本体と、
前記基板本体の表面に形成された堤防状の隔壁部と、
前記隔壁部によって挟まれる空間に前記隔壁部の側壁と接するように充填された塗布パターンと、
を有し、
少なくとも前記隔壁部の側壁が前記塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しく、
前記塗布パターンの表面が略平坦であることを特徴とする、パターン付き基板。 - 前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面と成す角度は、前記塗布パターンの表面端部と接する箇所より上部では一様であることを特徴とする、請求項1に記載のパターン付き基板。
- 略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成工程を有し、
前記隔壁形成工程では、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記隔壁部によって挟まれる空間に後に形成される塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁部を形成することを特徴とする、隔壁形成方法。 - 略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成工程と、
前記隔壁部によって挟まれる空間に前記隔壁部の側壁と接するように、インクジェット法により塗布液を充填する塗布工程と、
前記塗布液を固化させて塗布パターンを形成させるパターン形成工程と、
を有し、
前記隔壁形成工程では、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁部を形成することを特徴とする、パターン付き基板の製造方法。 - 前記隔壁形成工程では、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面と成す角度が、前記塗布パターンの表面端部と接する箇所から前記塗布工程直後の前記塗布液と接する箇所まで一様であるように前記隔壁部を形成することを特徴とする、請求項4に記載のパターン付き基板の製造方法。
- 略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成部と、
前記隔壁形成部の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記隔壁部によって挟まれる空間に後に形成される塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布パターンの材料である塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁形成部の動作を制御することを特徴とする、隔壁形成装置。 - 略平坦な表面を有する基板本体の表面に堤防状の隔壁部を形成する隔壁形成部と、
前記隔壁部によって挟まれる空間に前記隔壁部の側壁と接するように、インクジェット法により塗布液を充填する塗布部と、
前記塗布液を固化させて塗布パターンを形成させるパターン形成部と、
前記隔壁形成部の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、少なくとも前記隔壁部の側壁が前記塗布パターンの表面端部と接する箇所において、前記隔壁部の側壁が前記基板本体の表面端部と成す角度と、前記隔壁部の側壁の表面の材料と前記塗布液との間の接触角とが、略等しくなるよう、前記隔壁形成部の動作を制御することを特徴とする、パターン付き基板の製造装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022182151A1 (ko) * | 2021-02-25 | 2022-09-01 | 동우 화인켐 주식회사 | 화상표시장치용 격벽, 이를 제조하는 방법 및 상기 격벽을 포함하는 화상표시장치 |
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2018
- 2018-01-29 JP JP2018012461A patent/JP2019132890A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022182151A1 (ko) * | 2021-02-25 | 2022-09-01 | 동우 화인켐 주식회사 | 화상표시장치용 격벽, 이를 제조하는 방법 및 상기 격벽을 포함하는 화상표시장치 |
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