JP2019132668A - 伸長判定装置、伸長判定方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

伸長判定装置、伸長判定方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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芳範 辻野
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義和 中野
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Abstract

【課題】多様な条件下でもピッチ伸びが発生しているか否かを精度よく判定することができる伸長判定装置、伸長判定方法、及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】内リンクと外リンクとを交互に、ピンを内嵌させて連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づき、前記チェーンの伸びの有無を判定する伸長判定装置において、画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定する特定部と、特定されたピッチを層別したデータ群を作成する作成部と、作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定する判定部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、機器の部品として使用されているチェーンの伸長判定装置、伸長判定方法、及びコンピュータプログラムに関する。
複数のリンクを繋いで構成されており、モータなどの動力源からの力を張力として被動機へ伝達するドライブチェーンは、内リンクのブシュの摩耗による伸長度(伸びの度合い)が高くなると、スプロケットに対して噛合い不能となる。このため定期的にチェーンの伸長度を測定し、伸長度が所定率以上となったことが検知された場合には事前に交換を行なうなどの運用がされている。
従来、伸長度の測定は例えば、チェーンの内リンクのローラに対してレーザを照射して変位を測定したり、磁気センサを用いてピンの位置を特定してピッチ間距離を測定したり、チェーンの温度を測定して温度上昇から伸長度を推定したりするなどの種々の方法が提案されている。
これに対し特許文献1には、チェーンの伸長度の測定に要する労力を低減するための測定方法が開示されている。特許文献1では、機器のオペレータ又はメンテナンス担当者がカメラ付きの携帯端末装置にて、機器が動作中即ち移動中のチェーンを撮像して得られた撮像画像をサーバ装置へ送信し、サーバ装置にて撮像画像に基づいてチェーンの伸びを測定する方法が開示されている。
特開2011−117733号公報
特許文献1に開示されている方法により、チェーンが移動中であっても測定が可能となる。ただし特許文献1に開示されている方法では、撮像画像におけるピン部分の特定を容易化するため、ピンの端部に塗料を塗布することを推奨している。しかしながら、実際のチェーンの使用環境によっては、時間の経過と共にピンの端部の特定が困難になるケースもある。チェーンは摩耗を防ぐために潤滑油が供給されて利用され、また試験環境とは異なり多様である。撮像条件もチェーンの移動スピードが速い場合、照度が低い場合等様々である。ピン端部に塗料を塗布したとしても油の酸化、周囲の埃等の影響、摩耗によるピン形状の変化、ピン端部の汚れ、撮像条件等によって撮像画像からピッチ間の距離の測定精度が低下するケースもある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、多様な条件下でもピッチ伸びが発生しているか否かを精度よく判定することができる伸長判定装置、伸長判定方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本開示に係る伸長判定装置は、内リンクと外リンクとを交互に、ピンを内嵌させて連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づき、前記チェーンの伸びの有無を判定する伸長判定装置において、前記画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定する特定部と、特定されたピッチを層別したデータ群を作成する作成部と、作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定する判定部とを備える。
本開示に係る伸長判定装置では、前記特定部は、連続して撮像された前記画像に基づき前記リンクの連結順序に応じた順序を対応付けてピッチを特定し、前記作成部は、特定されたピッチを、対応する順序の奇偶により内リンクのピッチと外リンクのピッチとに層別する。
本開示に係る伸長判定装置では、前記特定部は、前記画像におけるピンに対応する複数のピン領域間のインターバル領域の大きさからピッチを特定し、前記作成部は、前記インターバル領域のピッチ方向における画素分布に基づき、特定されたピッチを、内リンクのピッチと外リンクのピッチとに層別する。
本開示に係る伸長判定装置では、前記判定部は、前記作成部により作成されたピッチのデータ群夫々における統計パラメータを算出する算出部と、算出された統計パラメータにより有意差の有無を判断する判断部とを備える。
本開示に係る伸長判定装置では、前記作成部は、データ群の頻度分布を作成し、前記判定部は、前記作成部により作成された頻度分布のパターンに基づき有意差の有無を判断する。
本開示に係る伸長判定方法は、内リンクと外リンクとを交互に連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づき、前記チェーンの伸びの有無を判定する伸長判定方法において、前記画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定するステップと、特定されたピッチを層別したデータ群を作成するステップと、作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定するステップとを含む。
本開示に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、内リンクと外リンクとを交互に連結してあるチェーンを撮像して得られた画像を取得するステップ、前記画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定するステップ、特定されたピッチを層別したデータ群を作成するステップ、及び、作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定するステップを実行させる。
本開示に係るコンピュータプログラムは、表示部を有するコンピュータに、内リンクと外リンクとを交互に連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づく前記チェーンの状態の判定依頼を受け付ける第1アイコンを前記表示部に表示するステップ、前記第1アイコンが選択された場合に、前記判定依頼に応じて前記チェーンの状態を示す統計情報を取得するステップ、取得された統計情報に基づく画面を表示するための第2アイコンを表示するステップ、及び、前記第2アイコンが選択された場合に前記画面を前記表示部に表示させるステップを実行させる。
本開示の一態様では、チェーンを撮像した画像に基づき特定されたピン間のピッチを層別したデータ群間の差分に基づき、ピッチ伸びの有無が判定される。内リンクと外リンクとにピッチを層別し、且つ一続きのチェーンのピッチをグループ化して分析することにより、全周に亘って均等に発生する伸びの特徴を、内リンクのみに限定して得ることができる。ピッチの値自体は、画像処理による測定誤差、ピンを特定する際のチェーンの汚れ、撮像環境など個別の環境によって異なる誤差を含む。異なる環境に対して変化しない閾値等による判断ではなく、内リンクと外リンクとに層別されたデータ群間での分析により、チェーン使用環境及び撮像環境の誤差の影響を低減した判定が可能になる。また使用環境及び撮像環境による誤差が大きい場合、有意差が統計的に特定できないのでエラーとして扱うことができ、誤判定を防ぐことができる。
本開示の一態様では、チェーンを連続して撮像して得られる画像にて特定されるリンクの連結順序に応じてピッチが内リンクのピッチと外リンクのピッチとに層別される。ピッチの値そのものではなく、順序に応じて層別化することで測定誤差等によって内リンクのピッチと外リンクのピッチとの区別が困難な条件であっても判定処理を行なうことが可能である。
本開示の一態様では、チェーンを撮像して得られる画像内で特定されるピン領域間のインターバル領域の画素分布によりピッチが内リンクのピッチと外リンクのピッチとに層別される。ピッチに対応する画素分布に応じて層別化することで測定誤差等によって内リンクのピッチと外リンクのピッチとの区別が困難な条件であっても判定処理を行なうことが可能である。
本開示の一態様では、内リンクと外リンクとで層別されたデータ群同士に有意差が有るか否かは、データ群に対する統計処理に基づいて判断される。平均、偏差、分散、T検定、回帰分析など種々の統計処理によって得られるパラメータで判断が可能である。
本開示の一態様では、内リンクのピッチと外リンクのピッチとの層別及び有意差の有無の判断が、ピッチデータに対する統計的処理に基づいて実行される。ピッチデータの頻度分布が2つの群に分けられるか否かによって摩耗伸びの発生の有無の判定が可能となる。
本開示の伸長判定装置による場合、多様な条件下でもピッチの摩耗伸びが発生しているか否かを精度よく判定することができる。
メンテナンスシステムの概要を示す説明図である。 メンテナンスシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。 メンテナンスシステムにて実施される処理手順の一例を示すフローチャートである。 メンテナンスアプリプログラムに基づく画面例を示す図である。 サーバ装置にて実施される解析処理手順の一例を示すフローチャートである。 チェーンの撮像画像の内容例を示す図である。 チェーンの撮像画像の他の内容例を示す図である。 特定されるピッチを示す説明図である。 ピッチの他の特定方法を示す説明図である。 リンクデータをリンクの内外で層別する方法の手順の一例を示すフローチャートである。 特定されたピッチデータの散布図の一例である。 ピッチデータの層別結果の一例を示す図である。 特定されたピッチデータの散布図の一例である。 ピッチデータの層別結果の一例を示す図である。 リンクデータをリンクの内外で層別する方法の手順の一例を示すフローチャートである。 ピッチデータの層別結果の一例を示す図である。 ピッチデータの層別結果の他の一例を示す図である。 ピッチデータの層別結果の他の一例を示す図である。 ピッチデータの層別結果の他の一例を示す図である。 特定されたピッチデータ散布図である。 ピッチデータの長短に対する頻度分布を示すヒストグラムである。
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示の伸長判定装置を含み、チェーンを使用する機器のメンテナンスサービスを実現するメンテナンスシステムを例に挙げて説明する。
図1は、メンテナンスシステム100の概要を示す説明図である。図1中の符号C1は例えばドライブチェーンである部品を示し、スプロケットホイールC2に架け渡されて使用されている。部品C1に対するメンテナンスシステム100は、端末装置1、サーバ装置2及びネットワークNを含む。
端末装置1は、部品C1を含む機器又は設備のオペレータ又はメンテナンス担当者が携帯所持する携帯型通信装置である。端末装置1はネットワークNを介してサーバ装置2と情報の送受信が可能である。端末装置1は例えばスマートフォン又はタブレット端末など、カメラ機能(撮像部)を有する汎用装置である。端末装置1は、工場内に固定されたカメラデバイスであってもよい。
サーバ装置2は、部品C1のメーカが管理するサーバコンピュータである。サーバ装置2はWebサーバ機能を有し、ネットワークNを介して端末装置1へメンテナンスシステム100のインタフェースであるWebページを提供することが可能である。
ネットワークNは、インターネット等である公衆網N2と、部品C1を含む機器又は設備のローカルな工場ネットワークN1とを含む。公衆網N2は、無線通信を実現する通信キャリアのネットワークを含んでもよい。公衆網N2は専用線であってもよい。工場ネットワークN1は、外部からの不正な通信接続を防止する機器を含む。
メンテナンスシステム100では、端末装置1のカメラ機能にて稼働中の部品C1を撮像する操作により、ドライブチェーンである部品C1のピッチ伸びの判定を行なう。ピッチ伸びの判定はサーバ装置2又は端末装置1、若しくは両者で分散して行なわれる。
図2は、メンテナンスシステム100のハードウェア構成を示すブロック図である。端末装置1は、処理部10、記憶部11、表示部12、操作部13、撮像部14、及び通信部15を備える。
処理部10は、CPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサと、メモリ等を用いる。なお処理部10は、プロセッサ、メモリ、更には記憶部11及び通信部15を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。
記憶部11は、フラッシュメモリを用いる。記憶部11は処理部10のプロセッサが読み出すメンテナンスアプリプログラム1Pを含むコンピュータプログラムを記憶している。メンテナンスアプリプログラム1Pは、処理部10が通信部15によってサーバ装置2又は他の外部記憶装置から配信されたものであってよい。また記憶部11は、フラッシュメモリ以外の記憶装置を用いてもよい。
表示部12は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部13は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部13は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部12で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、図示しないスピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
撮像部14は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )、又はCCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサを用いる。処理部10は、撮像部14で撮像された画像を取得し、記憶部11に画像データとして記憶させることが可能である。なお撮像部14は複数の連続フレーム画像を映像として取得し、記憶部11に映像データとして記憶させてもよい。撮像部14は取得した映像を符号化した映像信号として出力し、映像データとし記憶させてもよい。
通信部15は、ネットワークNへの通信接続を実現する通信モジュールである。通信部15は、無線通信デバイス、キャリア通信用モジュール又はネットワークカード(有線通信デバイス)を用いる。
入力部16は、外部から有線通信により情報を入力する入力インタフェースである。例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いる。入力部16は例えば記録媒体4から情報を読み取る読取装置と接続し、記録媒体4に記憶してあるメンテナンスアプリプログラム4Pを入力することが可能である。記憶部11に記憶してあるメンテナンスアプリプログラム1Pは、記録媒体4から入力部16により入力したメンテナンスアプリプログラム4Pを処理部10が記憶部11に複製したものであってもよい。なお入力部16と通信部15に含まれ得る有線通信デバイスとは共用であってよい。
その他端末装置1は、GPS(Global Positioning System )受信機能、アクセスポイント又はビーコン等からの信号強度測定に基づく位置検知機能を有していてもよい。
サーバ装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22及び読取部23を備える。処理部20は、CPU、GPU等のプロセッサと、メモリ等を用いる。なお処理部20は、プロセッサ、メモリ、更には記憶部21及び通信部22を集積した1つのハードウェア(SoC)として構成されていてもよい。
記憶部21は、ハードディスクを用い、サーバプログラム21Pのほか、後述するピッチ伸び判定を実現する判定プログラム22P、Webサーバプログラム等のプログラム、メンテナンス情報、Webサーバとして使用するWebデータを記憶している。
通信部22はネットワークNに接続されているEthernet(登録商標)又は光通信用のネットワークカードを用い、ネットワークNを介して外部装置との通信を実現する。
読取部23は例えばディスクドライブを用い、光ディスク等を用いた記録媒体5に記憶してある判定プログラム5Pを読み取ることが可能である。記憶部21に記憶してある判定プログラム22Pは、記録媒体5から読取部23が読み取った判定プログラム5Pを処理部20が記憶部21に複製したものであってもよい。
このように構成されるメンテナンスシステム100では、サーバ装置2にて、部品C1を含む各部品について、その部品の品名、形番、出荷日、取付日、使用開始日、前回交換日等のメンテナンス情報を記憶しておく。サーバ装置2は、記憶してあるメンテナンス情報に基づき部品のサポートの受け付け等をWebページ上で実現する。サーバ装置2はサポートの受け付けとして、部品の状態情報の入力を受け付け、受け付けられた状態情報に基づき次回交換日(寿命)の予測サービスの提供、又は交換の依頼受付サービス等をWebベースで実現する。以下の説明においては、これらのサービスの内、サーバ装置2にて部品の状態情報としてドライブチェーンである部品C1の画像データ(映像データ)を受け付け、受け付けられた画像データに基づき、状態を特定する処理、特にピッチが摩耗伸び状態であるか否かを判定する処理について説明する。
図3は、メンテナンスシステム100にて実施される処理手順の一例を示すフローチャートである。端末装置1を使用するオペレータ又はメンテナンス担当者がメンテナンスアプリプログラム1Pを処理部10に実行させると、以下の処理が開始される。
端末装置1の処理部10は、部品C1の識別情報の入力を表示部12及び操作部13により受け付ける(ステップS101)。処理部10は受け付けられた識別情報を含む部品C1のメンテナンスページの送信依頼をサーバ装置2へ向けて送信する(ステップS102)。
サーバ装置2の処理部20は、送信依頼を受け付け、該送信依頼に含まれる識別情報に基づいて部品C1のメンテナンス情報を記憶部11から読み出し(ステップS201)、メンテナンス情報を含むメンテナンスページを送信依頼元の端末装置1へ送信する(ステップS202)。
端末装置1の処理部10は、メンテナンスページを受信し、受信したページに基づき部品C1のメンテナンス情報を示すテキスト又は画像等を表示部12へ表示させる(ステップS103)。メンテナンスページには、状態情報を受け付けるインタフェース(図4の状態取得ボタン121)が含まれており、処理部10は該インタフェースが選択されたか否かを判断する(ステップS104)。選択されていないと判断された場合(S104:NO)、処理部10は、アプリ終了操作がされたか否かを判断し(ステップS105)、終了操作がされた場合(S105:YES)、処理を終了する。なお、終了操作がされない場合(S105:NO)、他の交換依頼受付などのサービスに係るインタフェースが選択されるなど他の操作に応じて処理が行なわれる。
ステップS104にて選択されたと判断された場合(S104:YES)、処理部10は撮像部14を起動し(ステップS106)、画像データ又は映像データを撮像部14から取得する(ステップS107)。ステップS107では連続して撮像されたフレーム画像を含む映像データであることが望ましい。ステップS106を実行する際に処理部10は、表示部12にて、部品C1の撮像を促すメッセージを表示させてカメラアプリを起動し、撮像の操作を受け付けるとよい。表示されるメッセージには、撮像部14の撮像範囲に含め、複数の画像を連続で、又は好ましくは映像として部品C1を撮像するように促すメッセージが含まれるとよい。具体的には該メッセージは、チェーンが一周以上映る映像を撮ることを促す。処理部10は、取得した画像データ又は映像データと共に解析依頼をサーバ装置2へ通信部15から送信する(ステップS108)。
サーバ装置2の処理部20は、端末装置1から解析依頼を受信すると(ステップS204)、判定依頼と共に送信される画像データ又は映像データを用いて解析処理を実行する(ステップS205)。解析処理にて部品C1のピッチ伸びがあるか否かが判定される。ステップS205の解析処理については詳細を後述する。処理部20はピッチ伸びの判定結果を含む解析結果を部品C1の識別情報と対応付けて記憶部21にメンテナンス情報として記憶すると共に、解析依頼元の端末装置1へ送信する(ステップS206)。サーバ装置2ではその他、端末装置1におけるメンテナンスページ上の操作に応じた処理を実行する。
端末装置1の処理部10は、解析結果を受信し、解析結果(メンテナンスの要否)を表示部12にて表示し(ステップS109)、メンテナンス情報の表示を継続して処理をステップS105へ進める。
なお、サーバ装置2におけるステップS206の処理、端末装置1におけるステップS109の処理は、解析処理に時間を要することを考慮すると、図3のフローチャートに示したメンテナンス情報の表示の処理とは別に、別途端末装置1宛てに電子メールを送信するか、メンテナンスアプリプログラム1Pへメッセージを通知することで実行されることが好ましい。
図4は、メンテナンスアプリプログラム1Pに基づく画面例を示す図である。図4Aは、上述の図3のフローチャートにおけるステップS103により表示される画面120を示している。図4Aでは、端末装置1の表示部12には部品C1についてのメンテナンス情報がテキスト又は画像が表示される。メンテナンスアプリプログラム1Pに基づき表示される画面120には、状態取得ボタン121が含まれており、操作部13により選択(タップ)又は音声操作による選択が可能である。図4Bは、上述の図3のフローチャートにおけるステップS109により表示される画面122を示している。解析結果を表示する画面122には、算出された伸び率等を含む判定結果が含まれ、またより詳細な統計情報をグラフ化したものを表示することを可能とする統計情報表示ボタン123が含まれる。統計情報表示ボタン123が選択された場合、後述の図12,14,17,18,21等に示すグラフ等を表示させることができる。
図5は、サーバ装置2にて実施される解析処理手順の一例を示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す処理手順は、図3のフローチャートの内のステップS205の処理の詳細に対応する。
サーバ装置2の処理部20は、画像データを取得し(ステップS501)、取得した画像データに基づく画像に対して画像処理を行ない、複数のリンクにおけるピッチデータ(長さ)を夫々特定する(ステップS502)。なおステップS501で処理部20は、端末装置1から映像データが送信された場合、映像データからフレーム画像を1つずつ取得する。映像データが符号化されたデータである場合、復号して取得する。ピッチの特定方法は複数の方法があるので後述にて詳細を説明する。
処理部20は、特定された複数のピッチデータを、内リンクと外リンクとに層別したデータ群を作成する(ステップS503)。ステップS503における層別方法は後述するように複数の方法がある。第1の方法では、処理部20は特定されたピッチデータをリンクの連結順に応じて並べ替えてメモリに一時記憶し、順に読み出して順序の奇偶で第1群と第2群とに振り分け、第1群の平均値と第2群の平均値とをそれぞれ求め、求めた平均値を比較し、より高い平均値が対応する群を内リンクの群とする。第2の方法では、画像におけるピン間の領域に対応する領域における画像としての特徴量から、対応するピッチを内リンクと外リンクとに分別する。第3の方法ではピッチデータを統計的分析、回帰的学習によって2つの群に分別する。
処理部20は、分別された2つの群のピッチデータの平均値を算出し、平均値の差分に基づいて摩耗伸び率[%]を算出する(ステップS504)。伸び率は例えば、以下の式(1)ようにして求められる。
伸び率[%]=(P1−P2)/P1*100…(1)
なお、P1=内リンクのピッチデータの平均値
P2=外リンクのピッチデータの平均値
ステップS504における伸び率の算出は、データ群夫々の平均値の差分に基づいて求めたが、これに限らず、ステップS503において統計的分析、回帰的学習によって分別した場合には群内の重心となるデータの差分に基づいて算出してもよい。
次に処理部20は、作成された内リンクのデータ群と、外リンクのデータ群とを用い、相互に統計的処理に基づき有意差があるか否かを判断する(ステップS505)。ステップS505における有意差があるか否かの判断は、種々の統計的方法が考えられる。例えば処理部20は、判定プログラム22Pに組み込まれる統計処理モジュールにより、データ群夫々における群内の分散と、2つのデータ群間の分散との比較結果に基づいて有意差の有無を判断する。T検定等の手法により判断する方法を採用してもよい。有意差の有無は、統計的分析等によって分別した場合には群間の統計的距離に基づいて判断してもよい。
ステップS505において有意差があると判断された場合(S505:YES)、処理部20は、伸び有りであると判定し(ステップS506)、ステップS504で算出した数値を伸び量として出力し(ステップS507)、処理を図3のフローチャートへ戻す。なおステップS506では、有意差ありと判断した根拠となるパラメータ、伸び量等の情報に基づいて伸びの程度を分別し、即時機器を停止し交換することが必要か、所定期間後に交換するべきか等の条件で分別して判定してもよい。
ステップS505において有意差が無いと判断された場合(S505:NO)、処理部20は、伸び無しであると判定し(ステップS508)、ステップS504で算出した数値を測定エラーとして出力し(ステップS509)、処理を図3のフローチャートへ戻す。
図5のフローチャートに示した処理を、チェーンを撮像した撮像画像を模式的に示す線図を参照して説明する。まず、ピッチの特定方法について説明する。処理部20は基本的には、ピンの端面領域を画像内で特定し、チェーンにおけるピッチの方向、チェーンの進行方向に沿う端面領域間の距離をピッチデータとして特定する。図6は、チェーンの撮像画像の内容例を示す図である。図6A、図6B、図6Cは夫々、連続して撮像された画像を時系列に順に示している。図6Aから図6Cに示すように、連続撮像のタイミング(フレームレート)によって同一のプレートが異なる画像中に撮像される。画像処理によって異なる画像に写っていても同一のプレートであること等を特定することが可能である。なお撮像により得られる画像は図6に示すように基本的には、チェーンプレートを正面に観て写された画像であるが、本願の判定方法では図7に示すように、チェーンプレートを側方から観る視点での画像であってもよい。
なお図5に示したように、ピッチを特定するためにはピンの端面領域を精度よく抽出することが必要になる。ピンに彩色をしておくことを提案する従来方法(特許文献1)があるが、撮像対象となる全ピンに彩色するよりも、全ピンの端部に刻印を打つようにしておき、ピンの端面領域の抽出精度を向上することが期待できる。ピン締鋲時の刻印工程追加はコストの無用に上昇させるものでもない。
図8は、特定されるピッチを示す説明図である。図8は、時系列的に連続する2つの撮像画像を模式的に示す線図である。図8Aに示す画像が図8Bに示す画像よりも時間的に前の画像である。処理部20は、撮像により得られた画像に対して画像処理によりエッジ処理等を行なって輪郭を抽出し、パターン認識によりピン端部の丸形状又は多角形状を認識し(図中、太線で示す)、ピン端部領域の中心間を夫々ピッチ(図中、符号Pで示す)として特定する。処理部20は、画像毎にピッチの長さを画素単位で特定し、ピッチデータとする。図5のフローチャートにおけるステップS503のデータ群の作成のため、処理部20は、特定したピッチに対し、図8中のピッチPに対する添え字で示すように通し番号を付してメモリに一時記憶していくとよい。処理部20は、異なる画像にて同一のリンクに対応すると推定されるピッチPに対しては、同一の通し番号を付して記憶する。この際に処理部20は、重複するピッチデータについては破棄するとよい。図8の例であれば、図8Bに示す撮像画像にて特定した2つのピッチP(P4 、P5 )は、図8Aに示した撮像画像にて特定された2つのピッチPと同一のリンクに対応するピッチであることが画像処理(画像内距離、動きベクトル等)により認識できる。したがって処理部20はこれらのピッチPを破棄するとよい。
図9は、ピッチの他の特定方法を示す説明図である。図9は図6Aに示した撮像画像の内、チェーン部分の画素値をピッチ方向に垂直な方向、即ち図6A中の縦方向に積分又は平均値を求めた値のピッチ方向に対する分布を示している。図9に示す画素値のピッチ方向の分布により、処理部20はピーク位置を特定し、ピーク位置間の距離をピッチとして特定することができる。また、内リンクと外リンクとが交互に連結されていることと、ピークの間、即ちピン間のインターバル領域における画素値分布の特徴量(例えば周波数)とにより、特定したピッチが内リンクであるか外リンクであるかを識別して特定することが可能である。図9の例であれば、処理部20は交互に並んだピーク間における画素値分布に対して周波数変換を行ない、周波数が比較的高い分布に対応するピッチは外リンクのピッチであるとして特定でき、外リンクのピッチ間に挟まれているピッチは内リンクのピッチであると特定できる。
次に、特定されたピッチに対する内リンク及び外リンクへの層別方法について説明する。第1の方法は、図8A及び図8Bの説明図に示したように通し番号の奇偶で振り分ける方法である。図10は、リンクデータをリンクの内外で層別する方法の手順の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートに示す処理手順は、図5のフローチャートにおけるステップS503の処理の詳細に対応する。
処理部20は、特定されたピッチデータを、対応するリンクの連結順に応じて並べ替え、メモリに一時記憶する(ステップS301)。処理部20は、記憶した順序でメモリからピッチデータを読み出し(ステップS302)、順序の奇偶で第1群と第2群とに振り分ける(ステップS303)。ステップS303で処理部20は、メモリ上のピッチデータ夫々に第1群を示す情報又は第2群を示す情報(フラグなど)を対応付けて記憶する。
処理部20は、ステップS303で振り分けた第1群と第2群とで夫々の平均値を算出し(ステップS304)、第1群の平均値が第2群の平均値よりも高いか否かを判断する(ステップS305)。第1群の平均値が高いと判断された場合(S305:YES)、処理部20は第1群のピッチデータを内リンクのピッチデータであるとして各ピッチデータに内リンクであることを示す情報を対応付けて記憶する(ステップS306)。ステップS306において処理部20は、第1群を示す情報に、内リンクであることを示す情報を対応付けるとよい。処理部20は、第2群のピッチデータを外リンクのピッチデータであるとして外リンクであることを示す情報を対応付けて記憶し(ステップS307)、処理を終了する。
ステップS305にて第2群の平均値が高いと判断された場合(S305:NO)、処理部20は第2群のピッチデータを内リンクのピッチデータであるとして各ピッチデータに内リンクであることを示す情報を対応付けて記憶する(ステップS308)。ステップS308において処理部20は、第2群を示す情報に、内リンクであることを示す情報を対応付けるとよい。処理部20は、第1群のピッチデータを外リンクのピッチデータであるとして外リンクであることを示す情報を対応付けて記憶し(ステップS309)、処理を終了する。
なお処理部20は、ステップS305にて第1群の平均値と第2群の平均値とが等しいと判断された場合にはエラーとして処理する。この場合、層別が不可能であるからピッチ伸びは発生していないと判定することが可能である。
図11は、特定されたピッチデータの散布図の一例である。図11は、横軸に通し番号を示し、縦軸にピッチデータの大きさ(ピッチの長さ)を示している。図11の散布図に示すピッチデータは、新品のチェーンを端末装置1により撮像して得られたピッチデータである。また図11の散布図に示すピッチデータは、スマートフォン等の端末装置1を用い、後述する高速カメラと比して比較的フレームレートが低い映像データ(連続フレーム画像)から得られたデータである。図11では、ピッチデータに対応する打点間を通し番号順に繋いで示している。処理部20は、図10のフローチャートに示したS301の処理により、各ピッチデータの順序を特定することができる。
図12は、ピッチデータの層別結果の一例を示す図である。図12中、黒塗りの菱形で示す打点が、内リンクであると対応付けられたピッチデータを示し、白抜きの菱形で示す打点が、外リンクであると対応付けられたピッチデータを示している。図12に示すように、内リンクのピッチデータ群と、外リンクのピッチデータ群とに、層別によってデータ群を作成することが可能である。2つのデータ群の平均値(P1、P2)を算出して差分を取ることで摩耗伸び率(式(1))を求める。処理部20は、2つのデータ群の平均値間の差分、また分散等の統計値を用いて有意差が有るか否かを判断することができる。
なお処理部20は、図12で示したピッチデータ群が新品のチェーンに対して得られたものであると分かっている場合、解析依頼に対応付けて得られた部品C1の識別情報に対応付けて、算出した摩耗伸び率、分散、2つの平均値等の情報を記憶部21にメンテナンス情報として記憶しておくとよい。ピッチデータ群そのものを記憶しておいてもよい。
図13は、特定されたピッチデータの散布図の一例である。図13は、図11と同様に通し番号順に打点間を繋いでピッチデータを示した図である。なお図13の散布図に示すピッチデータは、図11に示したピッチデータに対し、同じ端末装置1により撮像された映像データから得られたピッチデータであるが、摩耗伸びが発生しているチェーンの映像データから得られたピッチデータである。図13の散布図に示すように、図11の散布図と比較して、ピッチデータの分散が拡がっていることが分かる。
図14は、ピッチデータの層別結果の一例を示す図である。図14は、図12と同様に打点を白黒で示して内リンクであると対応付けられたピッチデータと、外リンクであると対応付けられたピッチデータとを区別して示している。図14に示すように、内リンクのピッチデータ群と、外リンクのピッチデータ群とに、層別によってデータ群を作成することが可能である。2つのデータ群の平均値(P1、P2)を算出して差分を取ることで摩耗伸び率(式(1))を求める。処理部20は、2つのデータ群の平均値間の差分、また分散等の統計値を用いて有意差が有るか否かを判断することができる。処理部20は、単に平均値間の差分、2つのデータ群における郡内の分散等の統計情報から図14のピッチデータ群単独で平均値間に有意差が有るか否かを判断してもよいが、処理部20は、記憶部21にメンテナンス情報として、新品時のピッチデータ群に基づく情報を記憶してある場合、例えば記憶してある摩耗伸び率、分散等の情報との比較に基づき有意差があるか否か、摩耗伸びが発生しているか否かを判定するとよい。
特定されたピッチに対する内リンク及び外リンクへの第2の層別方法について説明する。第2の方法は、図9のグラフ図に示したように、ピンとピンとの間の領域における画素値分布に対して周波数変換を行ない、周波数が比較的高い分布に対応するピッチは外リンクのピッチ、外リンクのピッチの隣のピッチは内リンクのピッチであると層別する方法である。図15は、リンクデータをリンクの内外で層別する方法の手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示す処理手順は、図5のフローチャートにおけるステップS502及びS503を一体的に行なう処理に対応する。
処理部20は、画像毎に、抽出されるピン領域間の隣り合うピッチの長さを示すピッチデータを画像内における連結順にメモリに一時記憶する(ステップS201)。処理部20は、記憶したピッチデータ夫々について対応するピン間の領域の画素値を抽出する(ステップS202)。このとき上述したように処理部20は、ピッチ方向に垂直な方向で画素値を積分又は平均を求める。そして処理部20は、抽出した画素値をピッチ方向に分布させた画素値変化の周波数を夫々算出し(ステップS203)、算出した周波数の高低と、画像内における連結順に対応するピッチデータの順序により、内リンクと外リンクとに振り分け(ステップS204)、処理を終了する。ステップS204で処理部20は、周波数が比較的高い画素値分布に対応するピッチデータを、外リンクを示す情報を対応付けて記憶し、外リンクであると対応付けられたピッチデータに対し、順序が隣り合うピッチデータは、内リンクに対応するピッチデータであるとして記憶する。
図16は、ピッチデータの層別結果の一例を示す図である。図16のピッチデータは、新品のチェーンを、端末装置1により撮像して得られたピッチデータである。また図16のピッチデータは、スマートフォン等の端末装置1を用い、後述する高速カメラと比して比較的フレームレートが低い映像データ(連続フレーム画像)から得られたデータである。元となる画像データの順序及び画像内での連結順に基づき、ピッチデータを示している。図中、黒塗りの菱形で示す打点が、内リンクであると対応付けられたピッチデータを示し、白抜きの菱形で示す打点が、外リンクであると対応付けられたピッチデータを示している。図16に示すように、図12と比較して、途中のピッチデータが抜けていたとしても、各ピッチデータを画素値の特徴量から外リンク又は内リンクと分別することができるので内リンクのピッチデータ群と、外リンクのピッチデータ群とに、層別によってデータ群を作成することが可能である。図16に示すデータ群に対しても、2つのデータ群の平均値(P1、P2)を算出して差分を取ることで摩耗伸び率(式(1))を求める。処理部20は、2つのデータ群の平均値間の差分、また分散等の統計値を用いて有意差が有るか否かを判断することができる。
図17は、ピッチデータの層別結果の他の一例を示す図である。図17は、図16と同様に打点を白黒で示して内リンクであると対応付けられたピッチデータと、外リンクであると対応付けられたピッチデータとを区別して示している。なお図17に示すピッチデータは、図16に示したピッチデータに対し、同じ端末装置1により撮像された映像データから得られたピッチデータであるが、摩耗伸びが発生しているチェーンを撮像したものから得られたピッチデータである。図17に示すように、図16同様に摩耗伸びが発生しているチェーンの映像データ(画像データ)からも内リンクのピッチデータ群と、外リンクのピッチデータ群とに、層別によってデータ群を作成することが可能である。
このように連続する画像即ち映像データを用いた場合であっても、チェーンのスピード又はカメラの性能によっては、撮像することができていないリンクが存在する可能性がある。図15のフローチャートに示した処理手順により、連続する画像データ間の途中に抜けがあったとしても、内リンクと外リンクとを層別することができる。勿論、連続的でなく複数回の撮像で得られた画像データ(静止画)を取得して解析を行ない、ピッチデータに順序が付与できない場合でも図15のフローチャートに示した処理によって、層別されたデータ群を得ることができる。
図18及び図19は、ピッチデータの層別結果の他の一例を示す図である。図18及び図19は、図12及び図14に対応し、横軸に通し番号を示し、縦軸にピッチデータの大きさ(ピッチの長さ)を示し、ピッチデータに対応する打点間を通し番号順に繋いで示している。また図18及び図19では、打点を白黒で示して内リンクであると対応付けられたピッチデータと、外リンクであると対応付けられたピッチデータとを区別して示している(黒:内リンク、白:外リンク)。図18は、新品のチェーンを撮像して得られたピッチデータである。また図18のピッチデータは、高速カメラで撮像した映像データ(連続フレーム画像)から得られたピッチデータである。図19は摩耗伸びが発生しているチェーンを撮像して得られたピッチデータを示している。図19のピッチデータも、高速カメラで撮像した映像データ(連続フレーム画像)から得られたピッチデータである。
図18及び図19で示すように高速カメラで撮像した映像データから得られるピッチデータについても同様に層別にグループを作成し、伸びの有無の判定が可能である。図18及び図19で示した散布図の例では特に、摩耗伸びが発生しているチェーンにおける層別のデータ群の平均値P1及びP2の差は、新品と比較して大きくかい離しており、精度よく判定できることが分かる。
特定されたピッチに対する内リンク及び外リンクへの第3の層別方法について説明する。第3の方法は、特定されたピッチデータを順序に関係なく統計的に処理し、2つの群に層別させることができるか否かによって、摩耗伸びが発生しているか否かを図5のフローチャートにおけるステップS503のグループ作成の処理と、データ群間に有意差があるか否かステップS505の処理とを併せて実行する。
図20は、特定されたピッチデータ散布図であり、図21は、ピッチデータの長短に対する頻度分布を示すヒストグラムである。図20に示すように、図11の散布図と比較して順序を付与しない。処理部20は特定されたピッチデータ群を、ピッチデータの長短に対する分布とし、直接的に統計処理を行なって内リンクと外リンクとに層別する。そして処理部20は、統計処理によって得られた統計パラメータによって有意差の有無を精度良く判断し、摩耗伸びの発生を精度よく判定することが可能である。
上述したようにメンテナンスシステム100では、条件によらないピッチ伸びの判定が実現される。というのも従来、複数のピッチの平均値を算出し、平均値が、型番毎に設定されている閾値以上であるか否か、内リンクと外リンクとでピッチを夫々1回ずつ測定してその差分から伸び量を求め、伸び量が閾値以上であるかによってピッチ伸びがあるか否かを判定するなどしてきた。しかしながら閾値に基づく判定では、ピッチの特定精度(測定精度)に誤判定が行なわれる可能性があった。この点、本実施の形態における解析処理では、統計的処理によって判定を行なうため判定精度が向上する。
上述したように処理部20は、チェーンを撮像して得られる画像に基づき特定されたピン間のピッチを内リンクと外リンクとに層別し、且つ一続きのチェーンのピッチをグループ化して分析する。これにより、チェーン全周に亘って均等に発生する伸びの特徴を、内リンクのみに限定して求め、判定することができる。ピッチの値自体は、画像処理による測定誤差、ピンを特定する際のチェーンの汚れ、撮像環境など個別の環境によって異なる誤差を含む。異なる環境に対して変化しない閾値等による判断ではなく、内リンクと外リンクとに層別されたデータ群間での分析により、チェーン使用環境及び撮像環境の誤差の影響を低減した判定が可能になる。また使用環境及び撮像環境による誤差が大きい場合、有意差が統計的に特定できないのでエラーとして扱うことができ、誤判定を防ぐことができる。
なお上述の実施の形態においては、判定プログラム22Pはサーバ装置2に記憶されており、サーバ装置2の処理部20によって画像の解析に基づくピッチ伸びの判定処理が行なわれる構成とした。しかしながらこれに限らず、カメラ機能を有する端末装置1へ、サーバ装置2又は外部サーバ装置から判定プログラム22Pを配信し、端末装置1の処理部10によってピッチ伸びの判定処理を行なう構成としてもよい。また、メンテナンスシステム100のサーバ装置2と端末装置1とで処理を分散してピッチ伸びの判定処理を行なう構成としてもよい。例えば、端末装置1にて撮像画像に対する画像処理を行ない、ピン間の距離を夫々ピッチとして特定する処理までを行ない、サーバ装置2にて特定されたピッチの数値情報を端末装置1から受信し、数値情報に基づき解析処理を行なうようにしてもよい。
なお、上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 端末装置(伸長判定装置)
10 処理部(特定部、作成部、判定部)
11 記憶部
14 撮像部
15 通信部
2 サーバ装置(伸長判定装置)
20 処理部(特定部、作成部、判定部)
21 記憶部
22 通信部
22P 判定プログラム

Claims (8)

  1. 内リンクと外リンクとを交互に、ピンを内嵌させて連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づき、前記チェーンの伸びの有無を判定する伸長判定装置において、
    前記画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定する特定部と、
    特定されたピッチを層別したデータ群を作成する作成部と、
    作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定する判定部と
    を備える伸長判定装置。
  2. 前記特定部は、連続して撮像された前記画像に基づき前記リンクの連結順序に応じた順序を対応付けてピッチを特定し、
    前記作成部は、特定されたピッチを、対応する順序の奇偶により内リンクのピッチと外リンクのピッチとに層別する
    請求項1に記載の伸長判定装置。
  3. 前記特定部は、前記画像におけるピンに対応する複数のピン領域間のインターバル領域の大きさからピッチを特定し、
    前記作成部は、前記インターバル領域のピッチ方向における画素分布に基づき、特定されたピッチを、内リンクのピッチと外リンクのピッチとに層別する
    請求項1又は2に記載の伸長判定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記作成部により作成されたピッチのデータ群夫々における統計パラメータを算出する算出部と、
    算出された統計パラメータにより有意差の有無を判断する判断部と
    を備える請求項2又は3に記載の伸長判定装置。
  5. 前記作成部は、データ群の頻度分布を作成し、
    前記判定部は、前記作成部により作成された頻度分布のパターンに基づき有意差の有無を判断する
    請求項1に記載の伸長判定装置。
  6. 内リンクと外リンクとを交互に連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づき、前記チェーンの伸びの有無を判定する伸長判定方法において、
    前記画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定するステップと、
    特定されたピッチを層別したデータ群を作成するステップと、
    作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定するステップと
    を含む伸長判定方法。
  7. コンピュータに、
    内リンクと外リンクとを交互に連結してあるチェーンを撮像して得られた画像を取得するステップ、
    前記画像に基づき、チェーンのリンク夫々のピッチを特定するステップ、
    特定されたピッチを層別したデータ群を作成するステップ、及び、
    作成された複数のデータ群間での有意差の有無により、ピッチ伸びの有無を判定するステップ
    を実行させるコンピュータプログラム。
  8. 表示部を有するコンピュータに、
    内リンクと外リンクとを交互に連結してあるチェーンを撮像して得られた画像に基づく前記チェーンの状態の判定依頼を受け付ける第1アイコンを前記表示部に表示するステップ、
    前記第1アイコンが選択された場合に、前記判定依頼に応じて前記チェーンの状態を示す統計情報を取得するステップ、
    取得された統計情報に基づく画面を表示するための第2アイコンを表示するステップ、及び、
    前記第2アイコンが選択された場合に前記画面を前記表示部に表示させるステップ
    を実行させるコンピュータプログラム。
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