最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る照準器は、電波センサに用いられる照準器であって、前記照準器が前記電波センサにおける本体部に取り付けられた取付状態において、前記照準器の方位が前記電波センサの電波照射方向と異なる方向となり、前記取付状態における前記照準器の方位と前記電波照射方向とのなす角度が、前記電波センサの設置高さ、および前記電波センサから基準点までの水平距離に基づいて設定されている。
このような構成により、たとえば、電波センサによる監視対象領域の中央付近の位置が特定しづらい場合であっても、当該中央付近とは異なる位置にある基準点に照準器の方位を合わせることにより、電波センサの照準を当該中央付近へ合わせることが可能となる。したがって、電波センサの向きをより容易に調整することができる。
(2)好ましくは、前記照準器は、複数の板状部材を備え、各前記板状部材には穴が形成されており、前記照準器の方位は、各前記穴の相対位置によって定まる。
このような構成により、電波センサの電波照射方向とは異なる方向へ自己の照準を合わせることのできる照準器を、簡易な構成により実現することができる。また、このような簡易な構成により、照準器を容易に製作することができる。
(3)より好ましくは、前記取付状態において、前記各穴の間隔、および前記各穴の前記本体部からの距離の少なくともいずれか一方が変更可能である。
このような構成により、電波センサの設置条件に応じた適切な向きへ照準器の方位を変更することができる。このため、たとえば、設置高さおよび基準点までの水平距離等の設置条件が互いに異なる複数の電波センサに対して、同一の照準器を用いることができる。
(4)より好ましくは、前記各穴の大きさは互いに異なる。
このような構成により、電波センサの向きの調整作業において、たとえば作業者の目に近い穴の方が小さい場合、作業者が当該穴から他の穴を覗いた際に各穴の大きさが略同一に見えるため、視認性を向上させることができる。
(5)より好ましくは、前記各穴は、複数の穴が交差した形状を有する。
このような構成により、作業者は、電波センサの向きの調整作業において、自己の目に近い穴から他の穴を覗くことにより、各穴における複数の穴から基準点および基準点の周囲を確認しながら当該照準器の方位を合わせることができるため、電波センサの向きをより一層容易に調整することができる。
また、各穴が上記のようなある程度複雑な形状を有している構成により、各穴が丸形状などの単純な形状を有している場合と比較して、作業者が複数の穴を覗く際にこれら複数の穴の形状を合わせやすく、電波センサの向きをより一層容易に調整することができる。
(6)好ましくは、前記本体部は、支持部に取り付け可能であり、前記照準器は、前記本体部における前記支持部の取付位置の反対側に取り付け可能である。
このような構成により、電波センサを支持部に取り付ける際、および電波センサの向きを調整する際の作業性を向上させることができる。
(7)本発明の実施の形態に係る電波センサは、本体部と、前記本体部に取り付けられる照準器とを備える電波センサであって、前記照準器が前記本体部に取り付けられた取付状態において、前記照準器の方位が前記電波センサの電波照射方向と異なる方向となり、前記取付状態における前記照準器の方位と前記電波照射方向とのなす角度が、前記電波センサの設置高さ、および前記電波センサから基準点までの水平距離に基づいて設定されている。
このような構成により、たとえば、電波センサによる監視対象領域の中央付近の位置が特定しづらい場合であっても、当該中央付近とは異なる位置にある基準点に照準器の方位を合わせることにより、電波センサの照準を当該中央付近へ合わせることが可能となる。したがって、電波センサの向きをより容易に調整することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る調整方法は、照準器を備える電波センサの調整方法であって、前記電波センサを準備するステップと、前記照準器が前記電波センサに取り付けられた取付状態において前記照準器の方位が前記電波センサの電波照射方向とは異なる方向となる前記照準器を用いて、前記照準器の方位が基準点に合うように前記電波センサの向きを調整するステップとを含む。
このような方法により、たとえば、電波センサによる監視対象領域の中央付近の位置が特定しづらい場合であっても、当該中央付近とは異なる位置にある基準点に照準器の方位を合わせることにより、電波センサの照準を当該中央付近へ合わせることが可能となる。したがって、電波センサの向きをより容易に調整することができる。
(9)好ましくは、前記基準点は、横断歩道と前記横断歩道の待機エリアとの境界を含む領域に位置する。
このように、位置の特定が容易である、横断歩道と待機エリアとの境界に位置する基準点に照準器の方位を合わせる方法により、電波センサの向きをより一層容易に調整することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの構成および設定例を示す図である。
図1を参照して、電波センサ201は、たとえば待機エリアWa1を含む路側帯Rsに設置されるレーダである。電波センサ201は、対象領域へ電波を送信し、対象領域における物体からの反射波に基づいて、対象領域に存在する物体、具体的には車両または歩行者等を検知する。ここでは、電波センサ201は、支持部の一例として、横断歩道Crの近傍の路側帯Rsに設けられた支柱Prにおける図示しないアームに取り付けられているとする。また、対象領域は、たとえば横断歩道Crの一部または全部を含む領域である。ここでは、一例として、対象領域は、横断歩道Crの全部を含む領域であるとする。
電波センサ201は、たとえば箱形状を有する本体部101と、本体部101に設けられた照準器121とを備える。電波センサ201は、横断歩道Cr全体が対象領域に含まれるように、向きが調整されている。
より詳細には、照準器121は、本体部101に取り付けられた取付状態において、自己の方位が電波センサ201の電波照射方向Dwと異なる方向となるように構成されている。作業者は、照準器121の取付状態において、照準器121の方位を基準点に合わせることにより、電波センサ201の向きを調整する。
(本体部の構成)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける本体部の構成を示す図である。
図2を参照して、本体部101は、通信部1と、制御部2と、レーダ部3とを含む。通信部1は、上位装置151と通信を行うことが可能である。レーダ部3は、送信部4と、受信部5と、差分信号生成部6と、信号処理部7とを含む。
制御部2は、単位シーケンスUS1を繰り返し設定し、設定した単位シーケンスUS1の開始タイミングにおいて、制御信号Ss1を、レーダ部3における送信部4および信号処理部7へ出力する。また、制御部2は、開始タイミングから繰り返し周期Tsが経過するごとに、制御信号Ss1を、レーダ部3における送信部4および信号処理部7へ出力する。
レーダ部3は、たとえば、非特許文献1(Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range−Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124)に記載された2D Range−Doppler FM−CW方式に従って動作する。
なお、レーダ部3は、上記方式に限らず、非特許文献2(四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、島田理化技報、2011年、第21号、P.37−48)および非特許文献3(稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79)に記載のFM−CW方式および2周波CW方式、ならびに非特許文献4(電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275−276)に記載のパルス圧縮方式に従って動作してもよい。
図3は、本発明の実施の形態に係る電波センサのレーダ部における送信部の構成を示す図である。
より詳細には、図3を参照して、レーダ部3における送信部4は、アレイアンテナ部132と、複数のパワーアンプ133と、複数の可変位相器134と、分配器135と、送信回路136とを有する。アレイアンテナ部132は、複数の送信アンテナ素子131を有する。
送信回路136は、制御部2から制御信号Ss1を受けると、繰り返し周期Tsにおいて周波数F2から周波数F1まで一様に周波数が増加するミリ波を生成する。また、送信回路136は、生成したミリ波を分配器135および差分信号生成部6へ出力する。なお、送信回路136は、24GHz付近の準ミリ波等、他の周波数帯の電波を生成する構成であってもよい。
分配器135は、送信回路136からミリ波を受けると、受けたミリ波を複数の可変位相器134へ分配する。
各可変位相器134は、分配器135から分配されたミリ波を受けると、制御部2の制御に従って、受けたミリ波の位相を移相し、移相後のミリ波を対応のパワーアンプ133へ出力する。
パワーアンプ133は、対応の可変位相器134から受けるミリ波を増幅し、増幅後のミリ波を対応の送信アンテナ素子131へ出力する。
送信アンテナ素子131は、対応のパワーアンプ133からミリ波を受けると、受けたミリ波を対象領域へ放射する。
再び図2を参照して、受信部5は、対象領域からの電波を受信し、受信した電波に相当する受信信号を差分信号生成部6へ出力する。
差分信号生成部6は、送信部4によって送信される電波の周波数成分と受信部5によって受信される電波の周波数成分との差の周波数成分を有する差分信号を生成する。
より詳細には、差分信号生成部6は、受信信号を受信部5から受けて、送信部4から受けるミリ波を用いて、受けた受信信号をダウンコンバートすることによりベースバンド帯の各差分信号を生成する。そして、差分信号生成部6は、生成した各差分信号を信号処理部7へ出力する。
信号処理部7は、たとえば、受信部5によって受信された電波に基づいて、対象領域に存在する物体の検出を行う。
より詳細には、信号処理部7は、制御部2から制御信号Ss1を受けると、繰り返し周期Tsの間、受信部5から受ける差分信号を所定のサンプリング周期ごとにサンプリングすることで、差分信号の時間スペクトルを生成する。
また、信号処理部7は、たとえば、時間スペクトルをFFT(Fast Fourier Transform)処理することにより、周波数スペクトルFSを生成する。周波数スペクトルFSの縦軸および横軸は、それぞれ振幅および周波数である。
信号処理部7は、たとえば、対象領域において物体が存在しない場合において測定された周波数スペクトルであるダークスペクトルを有している。
信号処理部7は、周波数スペクトルFSから、取得したダークスペクトルを差し引くことにより、処理済周波数スペクトルFSを生成する。そして、信号処理部7は、生成した処理済周波数スペクトルFSにおいて、所定のしきい値以上の振幅を有するピークを検出するピーク検出処理を行う。
信号処理部7は、ピークを検出できない場合、対象領域に物体が存在しないことを示す検出結果情報を、制御部2および通信部1経由で上位装置151へ送信する。一方、信号処理部7は、ピークを検出できた場合、対象領域に物体が存在することを示す検出結果情報を、制御部2および通信部1経由で上位装置151へ送信する。
(照準器の詳細な構成)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの構成を示す側面図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る照準器の構成を示す斜視図である。
図4および図5を参照して、電波センサ201における本体部101は、前面10と、背面11と、底面12と、上面13とを含む。たとえば、本体部101の上面13側がアームに取り付けられる。
また、本体部101は、たとえば直方体の形状を有している。以下、前面10の中心および背面11の中心を通る直線に平行な軸をX軸とし、底面12の中心および上面13の中心を通る直線に平行な軸をZ軸とし、X軸およびZ軸に直交する軸をY軸とする。
照準器121は、たとえば、本体部101におけるアームの取付位置の反対側、すなわち底面12に取り付け可能である。照準器121は、第1板状部材21と、第2板状部材22と、第1板状部材21と第2板状部材22とを連結する板状の連結部材23と、板状の第1取付部材24と、板状の第2取付部材25と、1または複数の第1固定部材26と、1または複数の第2固定部材27とを含む。第1固定部材26および第2固定部材27は、たとえばネジである。
第1板状部材21および第2板状部材22は、各々の主表面が本体部101における前面10に対して平行である。第1板状部材21には第1穴31が形成され、第2板状部材22には第2穴32が形成されている。第1穴31および第2穴32は、図5に示すように、たとえば複数の穴が交差した形状、具体的には十字形状を有している。第1穴31を構成する複数の穴、および第2穴32を構成する複数の穴の各々を、以下「要素穴」と称する。
第1穴31および第2穴32は、作業者が第1穴31および第2穴32を覗いて基準点を見た場合、当該基準点および当該基準点の周囲を視認することのできる程度の大きさであることが好ましい。
また、第1穴31における複数の要素穴および第2穴32における複数の要素穴の各々は、たとえば縦長の形状を有する。具体的には、各要素穴は、長方形状または扁平した形状を有し、長手方向の長さは短手方向の長さの2倍以上であり、好ましくは短手方向の長さの3倍〜5倍である。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る照準器における第1板状部材の詳細な構成を示す図である。
図6を参照して、第1板状部材21に形成された第1穴31は、Y軸に沿って延びる要素穴である第1横穴31aと、Z軸に沿って延びる要素穴である第1縦穴31bとを有する。
第1横穴31aにおけるY軸方向の長さおよびZ軸方向の長さは、それぞれ、長さLa2,La1である。第1縦穴31bにおけるY軸方向の長さおよびZ軸方向の長さは、それぞれ、長さLa1,La2である。
具体的には、第1板状部材21は、Y軸方向における長さが80mmであり、Z軸方向における長さが40mmである。長さLa1は3mmであり、長さLa2は14mmである。また、第1縦穴31bのZ軸方向における略中央と、図4に示す本体部101の底面12との距離La3は、たとえば21mmである。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る照準器における第2板状部材の詳細な構成を示す図である。
図7を参照して、第2板状部材22に形成された第2穴32は、Y軸に沿って延びる第2横穴32aと、Z軸に沿って延びる第2縦穴32bとを有する。
第2横穴32aにおけるY軸方向の長さおよびZ軸方向の長さは、それぞれ、長さLb2,Lb1である。第2縦穴32bにおけるY軸方向の長さおよびZ軸方向の長さは、それぞれ、長さLb1,Lb2である。
具体的には、第2板状部材22は、Y軸方向における長さが80mmであり、Z軸方向における長さが40mmである。長さLb1は4mmであり、長さLb2は15mmである。また、第2縦穴32bのZ軸方向における略中央と、図4に示す本体部101の底面12との距離Lb3は、たとえば15mmである。
なお、第1穴31および第2穴32は、十字形状に限らず、たとえば、丸形状、四角形状、または2つ以上の要素穴が交差した他の形状を有してもよい。
再び図4および図5を参照して、第1取付部材24は、第1板状部材21に連結されている。第1取付部材24には、1または複数のネジ穴36が形成されている。ここでは、第1固定部材26は2つであり、第1取付部材24には2つのネジ穴36が形成されているとする。
第2取付部材25は、第2板状部材22に連結されている。第2取付部材25には、1または複数のネジ穴37が形成されている。ここでは、第2固定部材27は2つであり、第2取付部材25には2つのネジ穴37が形成されているとする。
第1取付部材24の主表面および第2取付部材25の主表面を本体部101における底面12に当接させた状態において、2つのネジ穴36に2つの第1固定部材26をそれぞれ挿通して本体部101に螺合させ、2つのネジ穴37に2つの第2固定部材27をそれぞれ挿通して本体部101に螺合させる。これにより、照準器121を本体部101に対して取り付けることができる。
上述のとおり、第2板状部材22に形成された第2穴32の方が、第1板状部材21に形成された第1穴31よりも大きい。これにより、照準器121の取付状態において、作業者が第1穴31から第2穴32を覗いた場合、第1穴31および第2穴32が略同一の大きさに見えるため、視認性を向上させることができる。なお、第1穴31および第2穴32は同じ大きさであってもよい。
電波センサ201の電波照射方向Dwは、電波センサ201から送信される電波の照射方向であり、たとえば送信アンテナ素子131が配列された基板の面であるアンテナ面の法線方向である。ここでは、電波センサ201の電波照射方向Dwは、本体部101における前面10の法線の延びる方向であり、X軸に沿う方向であるとする。
ここで、照準器121の方位、すなわち第1穴31および第2穴32を通る直線G1の延びる方向は、第1穴31および第2穴32の相対位置によって定まる。
より詳細には、照準器121の取付状態における第1穴31の略中央と底面12との距離La3は、第2穴32の略中心と底面12との距離Lb3とは異なる長さであり、距離La3が距離Lb3よりも大きい(La3>Lb3)。このため、照準器121の取付状態において、照準器121の方位は、電波センサ201の電波照射方向Dwとは異なる方向となる。
照準器121の取付状態における照準器121の方位を示す直線G1と電波センサ201の電波照射方向Dwとのなす角度をθとすると、角度θは、電波センサ201の設置高さ、および電波センサ201から基準点までの水平距離に基づいて設定される。
具体的には、再び図1を参照して、電波センサ201は、横断歩道Crの第1端A1から距離L2の位置に設けられた支柱Prにおけるアームに取り付けられているとする。また、電波センサ201の設置高さはHであるとする。
また、電波センサ201の最適な俯角、すなわち長さL1の横断歩道Crの全体が対象領域に含まれる場合における、電波センサ201の電波照射方向Dwと水平面とのなす角度をαとする。また、横断歩道Crと当該横断歩道Crの待機エリアWa2との境界を含む領域に位置する目印、たとえば横断歩道Crの第2端A2を、基準点とする。
このとき、照準器121の取付状態における照準器121の方位と電波センサ201の電波照射方向Dwとのなす角度θは、θ=α−arctan(H/(L1+L2))の式を満たすように設定される。
具体的には、電波センサ201の最適な俯角である角度αが13°であり、電波センサ201の設置高さHが4.5mであり、横断歩道Crの長さL1が30mであり、横断歩道Crの第1端A1から支柱Prまでの距離L2が6mであるとする。すなわち、電波センサ201から基準点である第2端A2までの水平距離(L1+L2)が36mであるとする。この場合、角度θは6°となるように設定される。
このため、作業者が、照準器121の取付状態において、照準器121の方位を第2端A2に合わせることにより、電波センサ201を適切な向きに調整することができる。
なお、電波センサ201は、レーダに限らず、たとえば赤外線を用いて物体の検知を行う装置などであってもよい。
また、照準器121は、第1板状部材21および第2板状部材22の2つの板状部材に加えて、本体部101における前面10に対して平行な、穴の形成された板状部材をさらに備える構成であってもよい。
また、照準器121は、本体部101における支持部の取付位置側、すなわち上面13に取り付けられてもよい。
また、照準器121は、照準器121の取付状態において、自己の方位と電波センサ201の電波照射方向Dwとが異なる方向であればよく、穴の形成された複数の板状部材21,22を備える構成に限定されない。たとえば、照準器121は、溝が形成された部材を備え、当該溝の延びる方向と電波センサ201の電波照射方向Dwとが異なる方向となるように構成されてもよい。
[角度調整作業の流れ]
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの角度調整作業の流れの一例を示すフローチャートである。
図8を参照して、まず、作業者は、電波センサ201を準備する(ステップS11)。
次に、作業者は、電波センサ201をアームに取り付け、第1穴31から第2穴32を覗き、照準器121の方位を基準点に合わせる(ステップS12)。これにより、電波センサ201の電波照射方向Dwと水平面とのなす角度が最適な値となるように、電波センサ201の向きを調整することができる。
ところで、特許文献1に記載のような電波センサの向きを、電波センサにおけるアンテナの指向性および対象エリアの範囲等を考慮して、横断歩道等を含む対象エリアに正確に向ける必要がある。
しかしながら、画像センサでは作業者が撮影画像を確認しながら画像センサの向きを調整することが可能であるのに対して、電波センサでは作業者が対象エリアを視認することができない。また、電波センサの向きを合わせるべき対象エリアの中央付近に、目印となるようなものが存在しない場合も多い。このため、電波センサの向きを正確に対象エリアに向けることが困難であり、調整作業に多くの時間を要するという問題がある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121は、照準器121が電波センサ201における本体部101に取り付けられた取付状態において、照準器121の方位が電波センサ201の電波照射方向Dwと異なる方向となるように構成されている。また、照準器121の取付状態における照準器121の方位と電波センサ201の電波照射方向Dwとのなす角度θが、電波センサ201の設置高さ、および電波センサ201から基準点までの水平距離に基づいて設定されている。
このような構成により、たとえば、電波センサ201による監視対象領域の中央付近の位置が特定しづらい場合であっても、当該中央付近とは異なる位置にある基準点に照準器121の方位を合わせることにより、電波センサ201の照準を当該中央付近へ合わせることが可能となる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121では、電波センサ201の向きをより容易に調整することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121は、第1板状部材21および第2板状部材22を備える。第1板状部材21には第1穴31が形成され、第2板状部材22には第2穴32が形成されている。照準器121の方位は、第1穴31および第2穴32の相対位置によって定まる。
このような構成により、電波センサ201の電波照射方向Dwとは異なる方向へ自己の照準を合わせることのできる照準器121を、簡易な構成により実現することができる。また、このような簡易な構成により、照準器121を容易に製作することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121では、第1穴31および第2穴32の大きさは互いに異なる。
このような構成により、電波センサ201の向きの調整作業において、たとえば作業者の目に近い第1穴31が第2穴32よりも小さい場合、作業者が第1穴31から第2穴32を覗いた際に第1穴31および第2穴32の各々の大きさが略同一に見えるため、視認性を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121では、第1穴31および第2穴32は、複数の要素穴が交差した形状を有する。
このような構成により、作業者は、電波センサ201の向きの調整作業において、第1穴31から第2穴32を覗くことにより、第1穴31および第2穴32における複数の要素穴から基準点および基準点の周囲を確認しながら照準器121の方位を合わせることができるため、電波センサ201の向きをより一層容易に調整することができる。
また、第1穴31および第2穴32が上記のようなある程度複雑な形状を有している構成により、第1穴31および第2穴32が丸形状などの単純な形状を有している場合と比較して、作業者が第1穴31から第2穴32を覗く際において第1穴31および第2穴32の形状を合わせやすく、電波センサ201の向きをより一層容易に調整することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121では、本体部101における支持部の取付位置の反対側に取り付け可能である。
このような構成により、電波センサ201を支持部に取り付ける際、および電波センサ201の向きを調整する際の作業性を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201は、本体部101と、本体部101に取り付けられる照準器121とを備える。照準器121の取付状態において、照準器121の方位が電波センサ201の電波照射方向Dwと異なる方向となる。また、照準器121の取付状態における照準器121の方位と電波照射方向Dwとのなす角度θが、電波センサ201の設置高さ、および電波センサ201から基準点までの水平距離に基づいて設定されている。
このような構成により、たとえば、電波センサ201による監視対象領域の中央付近の位置が特定しづらい場合であっても、当該中央付近とは異なる位置にある基準点に照準器121の方位を合わせることにより、電波センサ201の照準を当該中央付近へ合わせることが可能となる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201では、電波センサ201の向きをより容易に調整することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121を備える電波センサ201の調整方法では、まず、作業者は、電波センサ201を準備する。次に、作業者は、照準器121が電波センサ201の取付状態において照準器121の方位が電波センサ201の電波照射方向Dwとは異なる方向となる当該照準器121を用いて、照準器121の方位が基準点に合うように電波センサ201の向きを調整する。
このような方法により、たとえば、電波センサ201による監視対象領域の中央付近の位置が特定しづらい場合であっても、当該中央付近とは異なる位置にある基準点に照準器121の方位を合わせることにより、電波センサ201の照準を当該中央付近へ合わせることが可能となる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121を備える電波センサ201の調整方法では、電波センサ201の向きをより容易に調整することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る照準器121を備える電波センサ201の調整方法では、上記基準点は、横断歩道Crと当該横断歩道Crの待機エリアとの境界を含む領域に位置する。
このように、位置の特定が容易である、横断歩道Crと待機エリアとの境界に位置する基準点に照準器121の方位を合わせる方法により、電波センサ201の向きをより一層容易に調整することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態に係る電波センサ201では、照準器121の取付状態において、照準器121の方位と電波センサ201の電波照射方向Dwとのなす角度θが一定の値である。これに対して、第2の実施の形態に係る電波センサ202では、照準器122の取付状態において、照準器122の方位と電波センサ202の電波照射方向Dwとのなす角度θが可変である。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様である。
[構成および基本動作]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの構成を示す側面図である。図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの斜視図である。
図9および図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る照準器122は、本体部101の底面12に取り付け可能であり、第1板状部材41と、第2板状部材42と、板状の第1取付部材43と、板状の第2取付部材44と、1または複数の第1固定部材45と、1または複数の第2固定部材46とを含む。第1固定部材45および第2固定部材46は、たとえばネジである。
第1板状部材41および第2板状部材42は、各々の主表面が本体部101における前面10に対して平行である。第1板状部材41には第1穴51が形成され、第2板状部材42には第2穴52が形成されている。
図9および図10では、第1穴51および第2穴52は、一例として、四角形状を有しているが、丸型の形状、または、十字形状など複数の要素穴が交差した形状であってもよい。
また、図10に示すように、第1穴51の略中央と本体部101の底面12との距離La4は、第2穴52の略中央と底面12との距離Lb4とは異なる長さであり、距離La4が距離Lb4よりも大きい。また、第2穴52は、第1穴51と同じ大きさであるか、または第1穴51よりも大きい。
第1取付部材43は、第1板状部材41に連結されている。第1取付部材43には、第1取付部材43の主表面を貫通する1または複数のネジ穴53が形成されている。ここでは、第1固定部材45は1つであり、第1取付部材43には1つのネジ穴53が形成されている。
第2取付部材44には、図10に示すように、X軸方向に沿って延びる切り欠き部54が形成されている。
第1取付部材43の主表面および第2取付部材44の主表面を本体部101における底面12に当接させた状態において、ネジ穴53に第1固定部材45を挿通して本体部101に螺合させ、切り欠き部54に第2固定部材46を挿通して本体部101に螺合させる。これにより、照準器122を本体部101に対して取り付けることができる。
第2取付部材44は、第2板状部材42に連結されている。また、第2板状部材42および第2取付部材44は、第2固定部材46が切り欠き部54に沿って移動するように、矢印X1の方向に沿って移動可能である。
すなわち、第2板状部材42および第2取付部材44が矢印X1の方向に沿って移動することにより、第1穴51および第2穴52の間隔Lhが変化する。そして、このように、間隔Lhが変化することにより、照準器122の取付状態において、照準器122の方位、すなわち第1穴51および第2穴52を通る直線G2と、電波センサ202の電波照射方向Dwとのなす角度θが変化する。
より詳細には、図10に示すように、本体部101の底面12には第1目盛りS1が付されている。作業者は、たとえば、第1目盛りS1における複数の目盛線と角度θの値との対応関係を予め把握しておく。そして、作業者は、当該対応関係を参照して第2板状部材42および第2取付部材44を移動させることにより、角度θを、電波センサ202の設置条件に応じた適切な値となるように設定することができる。
[角度調整作業の流れ]
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの角度調整作業の流れの一例を示すフローチャートである。
図11を参照して、まず、作業者は、電波センサ202を準備する(ステップS21)。
次に、作業者は、電波センサ202の設置条件、具体的には電波センサ202の設置高さ、および電波センサ202から基準点までの水平距離に基づいて角度θを算出し、第1目盛りS1における目盛線のうち、算出した角度θに対応する目盛線を特定する(ステップS22)。
次に、作業者は、たとえば第2板状部材42の端部42aが、特定した目盛線に合うように第2板状部材42および第2取付部材44を移動させる(ステップS23)。
次に、作業者は、電波センサ202をアームに取り付け、第1穴51から第2穴52を覗き、照準器122の方位を基準点に合わせる(ステップS24)。これにより、電波センサ202の電波照射方向Dwと水平面とのなす角度が最適な値となるように、電波センサ202の向きを調整することができる。
その他の構成および動作は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る照準器122は、取付状態において、第1穴51および第2穴52の間隔が変更可能である。
このような構成により、電波センサ202の設置条件に応じた適切な向きへ照準器122の方位を変更することができる。このため、たとえば、設置高さおよび基準点までの水平距離等の設置条件が互いに異なる複数の電波センサ202に対して、同一の照準器122を用いることができる。
<第3の実施の形態>
上述の第2の実施の形態に係る電波センサ202では、第1穴51および第2穴52の間隔Lhを変化させることにより、照準器122の取付状態における照準器122の方位と電波センサ202の電波照射方向Dwとのなす角度θを変化させる。
これに対して、第3の実施の形態に係る電波センサ203では、第2穴72と本体部101における底面12との間の距離Lb5を変化させることにより、角度θを変化させる。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様である。
[構成および基本動作]
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る電波センサの構成を示す側面図である。図13は、本発明の第3の実施の形態に係る照準器の構成を示す斜視図である。
図12および図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る照準器123は、本体部101の底面12に取り付け可能であり、第1板状部材61と、第2板状部材62と、第3板状部材63と、板状の第1取付部材64と、板状の第2取付部材65と、1または複数の第1固定部材66と、1または複数の第2固定部材67とを含む。第1固定部材66および第2固定部材67は、たとえばネジである。
図13では、照準器123における第1板状部材61、第2板状部材62および第3板状部材63を示している。
第1板状部材61および第2板状部材62は、各々の主表面が本体部101における前面10に対して平行である。第1板状部材61には、第1穴71が形成されている。
第2板状部材62は、図13に示す矢印Z1のように、第3板状部材63に対してZ軸に沿う方向へ移動可能に取り付けられている。また、第2板状部材62には、第2穴72が形成されている。第3板状部材63には、Z軸方向に延びた第3穴73が形成されている。
図12および図13では、第1穴71、第2穴72および第3穴73は、一例として、四角形状を有しているが、丸型の形状、または、十字形状など複数の要素穴が交差した形状であってもよい。第3穴73は、第2穴72よりも大きく、第3穴73の一部と第2穴72とが重なっている。また、第2穴72は、第1穴71と同じ大きさであるか、または第1穴71よりも大きい。
第1取付部材64は、第1板状部材61に連結されている。第1取付部材64には、1または複数のネジ穴74が形成されている。ここでは、第1固定部材66は1つであり、第1取付部材64には1つのネジ穴74が形成されている。
第2取付部材65は、第3板状部材63に連結されている。第2取付部材65には、1または複数のネジ穴75が形成されている。ここでは、第2固定部材67は1つであり、第2取付部材65には1つのネジ穴75が形成されている。
第1取付部材64の主表面および第2取付部材65の主表面を本体部101における底面12に当接させた状態において、ネジ穴74に第1固定部材66を挿通して本体部101に螺合させ、ネジ穴75に第2固定部材67を挿通して本体部101に螺合させる。これにより、照準器123を本体部101に対して取り付けることができる。
また、上述のとおり、第2板状部材62は、第3板状部材63に対してZ軸に沿う方向へ移動可能に取り付けられている。そして、図13に示すように、第2板状部材62が第3板状部材63に対して矢印Z1の方向に沿って移動することにより、第2板状部材62における第2穴72と、本体部101における底面12との距離Lb5が変化する。
そして、距離Lb5が変化することにより、照準器123の取付状態において、第1穴71および第2穴72を通る直線G3と、電波センサ203の電波照射方向Dwとのなす角度θが変化する。
より詳細には、図13に示すように、第3板状部材63における第3穴73の付近には第2目盛りS2が付されている。作業者は、たとえば、第2目盛りS2における複数の目盛線と角度θの値との対応関係を予め把握しておく。そして、作業者は、当該対応関係を参照して第2板状部材62を矢印Z1に沿って移動させることにより、角度θを、電波センサ202の設置条件に応じた適切な値となるように設定することができる。
[角度調整作業の流れ]
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る電波センサの角度調整作業の流れの一例を示すフローチャートである。
図14を参照して、まず、作業者は、電波センサ203を準備する(ステップS31)。
次に、作業者は、電波センサ202の設置条件、具体的には電波センサ203の設置高さ、および電波センサ203から基準点までの水平距離に基づいて角度θを算出し、第2目盛りS2における複数の目盛線のうち、算出した角度θに対応する目盛線を特定する(ステップS32)。
次に、作業者は、たとえば第2板状部材62の端部62aが特定した目盛線に合うように、第2板状部材62を移動させる(ステップS33)。
次に、作業者は、電波センサ203をアームに取り付け、第1穴71から第2穴72を覗き、照準器123の方位を基準点に合わせる(ステップS34)。これにより、電波センサ202の電波照射方向Dwと水平面とのなす角度が最適な値となるように、電波センサ202の向きを調整することができる。
その他の構成および動作は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記のように、本発明の第3の実施の形態に係る照準器123は、取付状態において、第2穴72の本体部101からの距離Lb5が変更可能である。
このような構成により、電波センサ203の設置条件に応じた適切な向きへ照準器123の方位を変更することができる。このため、たとえば、設置高さおよび基準点までの水平距離等の設置条件が互いに異なる複数の電波センサ203に対して、同一の照準器123を用いることができる。
[変形例]
図15は、本発明の第3の実施の形態の変形例に係る電波センサの構成を示す側面図である。図16は、本発明の第3の実施の形態の変形例に係る照準器の構成を示す斜視図である。
図15および図16を参照して、本発明の第3の実施の形態の変形例に係る電波センサ204における照準器124は、第2板状部材62を含まない点を除いて、図12に示す照準器123と同様の構成である。図16では、照準器124における第1板状部材61および第3板状部材63を示している。
図17は、本発明の第3の実施の形態の変形例に係る電波センサの角度調整作業の流れの一例を示すフローチャートである。
図17を参照して、まず、作業者は、電波センサ204を準備する(ステップS41)。
次に、作業者は、電波センサ202の設置条件、具体的には電波センサ204の設置高さ、および電波センサ204から基準点までの水平距離に基づいて角度θを算出し、第2目盛りS2における複数の目盛線のうち、算出した角度θに対応する目盛線を特定する(ステップS42)。
次に、作業者は、電波センサ203をアームに取り付け、第1穴71から第3穴73を覗き、たとえば、第3穴73における、特定した目盛線の延長線上に基準点が位置するように、照準器124の方位を当該基準点に合わせる(ステップS43)。これにより、電波センサ203の電波照射方向Dwと水平面とのなす角度が最適な値となるように、電波センサ203の向きを調整することができる。
その他の構成および動作は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態に係る電波センサ205では、本体部101に対する照準器125の傾きを変化させることにより、上述した第3の実施の形態に係る電波センサ203のように、第1穴91と本体部101の底面12との間の距離La6を変化させる。これにより、照準器125の取付状態における照準器125の方位と電波センサ205の電波照射方向Dwとのなす角度θを変化させる。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様である。
[構成および基本動作]
図18は、本発明の第4の実施の形態に係る電波センサの構成を示す側面図である。図19は、本発明の第4の実施の形態に係る電波センサの構成を示す斜視図である。
図18および図19を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る照準器125は、本体部101の底面12に取り付け可能であり、第1板状部材81と、第2板状部材82と、第3板状部材83と、板状の角度調整部材84と、固定部材85とを含む。固定部材85は、たとえばネジである。
第1板状部材81には第1穴91が形成され、第2板状部材82には第2穴92が形成されている。図18および図19では、第1穴91および第2穴92は、一例として、四角形状を有しているが、丸型の形状、または、十字形状など複数の要素穴が交差した形状であってもよい。また、第2穴92は、第1穴91と同じ大きさであるか、または第1穴91よりも大きい。
第3板状部材83は、第1板状部材81と第2板状部材82とを連結する。
また、第2板状部材82は、本体部101の底面12に対して、本体部101側の端部82aを中心に回転可能に取り付けられている。第2板状部材82、第3板状部材83および第1板状部材81を、端部82aを中心として、図19に示す矢印Bの方向に沿って回転させることにより、本体部101に対する照準器125の傾きを変化させることができる。
そして、本体部101に対する照準器125の傾きが変化することにより、第1穴91と本体部101の底面12との間の距離La6が変化する。そして、距離La6が変化することにより、照準器125の取付状態において、第1穴91および第2穴92を通る直線G5と、電波センサ205の電波照射方向Dwとのなす角度θが変化する。
より詳細には、図19に示すように、角度調整部材84は、たとえば、第2板状部材82の端部82aを中心とし、かつ第1板状部材81および第2板状部材82の間隔Lhを半径とする扇形状を有する。角度調整部材84の弧の部分付近には、たとえば複数のネジ穴94が形成されている。
また、角度調整部材84には、弧の部分の付近に第3目盛りS3が付されている。第3目盛りS3における複数の目盛線は、複数のネジ穴94にそれぞれ対応する位置に形成されている。
作業者は、たとえば、第3目盛りS3における複数の目盛線と角度θの値との対応関係を予め把握しておく。そして、作業者は、第3目盛りS3と角度θの値との対応関係に基づいて、複数のネジ穴94のうちのいずれか1つ、および第1板状部材81の本体部101側の端部81aに形成された図示しない穴に固定部材85を挿入する。これにより、本体部101に対する照準器125の傾きを維持することができる。
[角度調整作業の流れ]
図20は、本発明の第4の実施の形態に係る電波センサの角度調整作業の流れの一例を示すフローチャートである。
図20を参照して、まず、作業者は、電波センサ205を準備する(ステップS51)。
次に、作業者は、電波センサ205の設置条件、具体的には電波センサ205の設置高さ、および電波センサ205から基準点までの水平距離に基づいて角度θを算出し、第3目盛りS3における複数の目盛線のうち、算出した角度θに対応する目盛線を特定する(ステップS52)。
次に、作業者は、たとえば、第1板状部材81の端部81aに形成された穴と、特定した目盛線に対応するネジ穴94とが合うように、本体部101に対する照準器125の傾きを調整する。そして、作業者は、端部81aに形成された穴、および特定した目盛線に対応するネジ穴94に固定部材85を挿入することにより、照準器125の傾きを維持する(ステップS53)。
次に、作業者は、電波センサ205をアームに取り付け、第1穴91から第2穴92を覗き、照準器125の方位を基準点に合わせる(ステップS54)。これにより、電波センサ205の電波照射方向Dwと水平面とのなす角度が最適な値となるように、電波センサ205の向きを調整することができる。
その他の構成および動作は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記のように、本発明の第4の実施の形態に係る照準器125は、取付状態において、第1穴91の本体部101からの距離La6が変更可能である。
このような構成により、電波センサ205の設置条件に応じた適切な向きへ照準器125の方位を変更することができる。このため、たとえば、設置高さおよび基準点までの水平距離等の設置条件が互いに異なる複数の電波センサ205に対して、同一の照準器125を用いることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ201、第2の実施の形態に係る電波センサ202、第3の実施の形態に係る電波センサ203、第3の実施の形態の変形例に係る電波センサ204、および第4の実施の形態に係る電波センサ205の各々の特徴を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電波センサに用いられる照準器であって、
前記照準器が前記電波センサにおける本体部に取り付けられた取付状態において、前記照準器の方位が前記電波センサの電波照射方向と異なる方向となり、
前記取付状態における前記照準器の方位と前記電波照射方向とのなす角度が、前記電波センサの設置高さ、および前記電波センサから基準点までの水平距離に基づいて設定されており、
前記電波センサは、横断歩道の全体を含む対象領域に存在する物体の検知を行うレーダであり、
前記基準点は、前記横断歩道における、当該横断歩道の待機エリア側の端部である、照準器。
[付記2]
本体部と、
前記本体部に取り付けられる照準器とを備える電波センサであって、
前記照準器が前記本体部に取り付けられた取付状態において、前記照準器の方位が前記電波センサの電波照射方向と異なる方向となり、
前記取付状態における前記照準器の方位と前記電波照射方向とのなす角度が、前記電波センサの設置高さ、および前記電波センサから基準点までの水平距離に基づいて設定され、
前記電波センサは、待機エリアを含む路側帯に設置され、横断歩道の全体を含む対象領域に存在する物体の検知を行うレーダであり、
前記基準点は、前記横断歩道における、当該横断歩道の待機エリア側の端部である、電波センサ。