JP2019132632A - 密度測定装置および密度測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】我が国の原子力発電所の事故以降、事故由来の放射線によりバックグラウンドが一定ではない高線量地域が点在している。高線量地域では、実際の放射線線量(計数率)を正確に算出することが難しく、また、放射線線量の測定時間が短いことが望まれる。【解決手段】密度測定装置20は、放射線としてガンマ線を発生する放射線源(ガンマ線源)22と、入射した放射線(ガンマ線)を検出する放射線検出器24を備えている。放射線検出器は、シンチレーション式ガンマ線24−1と、制御装置24−2とを有している。また、事故由来の放射線は主にセシウム134(Cs−134)やセシウム137(Cs−137)に起因するため、これらに基づいたガンマ線のエネルギーの閾値が制御装置に設けられ、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正を行っている。【選択図】図1

Description

本発明は、建設現場などの盤体の密度を検出するための密度測定装置および密度測定方法に関する。
建設現場などにおいては、密度測定装置や水分量測定装置を用いて建設現場などの盤体(測定対象)の密度や水分量を測定する。
密度や水分量を測定する回数は測定する面積ごとに規定されており、「規定点数」と呼ばれている。工事請負業者などの測定者は、測定対象内で移動して規定点数に対応する測定点を位置決めし、測定点の地表面に密度測定装置や水分量測定装置を搬送、設置し、測定点の密度や水分量の測定を、規定点数に至るまで繰り返し行っている。
なお、密度測定装置、水分量測定装置の双方を備えるRI(ラジオアイソトープ)密度水分量測定装置を用いれば、測定対象の密度、水分量が同時に測定できる。
密度測定装置および水分量測定装置は、線源と検出器とをそれぞれ備えている。
密度測定装置は、放射線を発生する放射線源と、放射線を検出する放射線(より正確には、物質の原子と反応して放出された電子)を検出する放射線検出器とを備えている。
放射線にはアルファ線、ベータ線、ガンマ線の3種類があるが、密度測定装置ではその透過力からガンマ線がよく採用される。ガンマ線を発生する放射線源(ガンマ線源)として、たとえばコバルト60(Co−60)、セシウム137(Cs−137)、バリウム133(Ba−133)、カリフォルニウム252(Cf−252)等の放射性同位元素が使用される。
密度測定装置で使用される放射線検出器として、たとえばガイガーミュラー(GM)計数管、シンチレーション式ガンマ線検出器、半導体検出器などが挙げられる。
たとえば、GM計数管の場合、アルゴン、エチルアルコールの混合ガスを封止した金属管と、管内の中心に位置する電極とで構成されている。まず、中心の電極と金属管の内壁との間に高電圧を印加する。金属管内に放射線(ガンマ線)が入射すると、ガスの電離作用により電子、陽イオンが発生する。電子、陽イオンはそれぞれ電極、金属管の内壁に移動することで、電極の配線内にパルス信号が発生する。このパルス信号をカウントすることで、入射した放射線(ガンマ線)の数を測定する。
シンチレーション式ガンマ線検出器は、特殊な結晶と光センサとの組み合わせで構成されている。たとえば、タリウムを微量添加したヨウ化セシウム(CsI(Tl))結晶およびフォトダイオードの組み合わせ、または、タリウムを微量添加したヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))結晶および光電子倍増管の組み合わせなどで構成されている。放射線、特にガンマ線が結晶に入射すると結晶が反応してシンチレーション光が発生する。シンチレーション光をフォトダイオードなどが検知して電気信号に変換する。電気信号を処理することで放射線の数をカウントし、入射した放射線(ガンマ線)の数を測定する。
測定されたガンマ線は、単位時間あたりに放射線検出器に入射したガンマ線の数(カウント数)を示す「計数率」で主に表される。
放射線検出器で検出されたガンマ線線量(計数率)と、測定対象の密度とは一定の関係があることが知られており、これらの関係は校正式で表される。すなわち、あらかじめ準備された校正式をもとに、放射線検出器で検出されたガンマ線線量から測定対象の密度が算出される。
水分量測定装置も、密度測定装置と同様に、中性子線を発生する中性子線源と、中性子線を検出する中性子線検出器とを備えている。中性子線源から測定対象に対して発生した中性子を中性子線検出器で検出し、測定対象の水分量を算出する。水分量測定装置の構成は本発明の趣旨ではないため、省略する。
ところで、ガンマ線を含む放射線は宇宙や空気、土壌からも放出されており、自然界にも当然に存在している。自然界から放出された放射線はバックグラウンド(自然放射線)と呼ばれている。以後、建設現場などの盤体(測定対象)におけるバックグラウンドを、現場バックグラウンドという。
測定対象においては、密度測定装置の外部から現場バックグラウンドが入射すると密度測定装置(具体的には放射線検出器)の測定値に誤差が生じ、測定対象の放射線(ガンマ線)線量が正確に測定できない。
そのため、現場バックグラウンドの影響を除いた補正処理を密度測定装置内で行うことが知られている(たとえば、特開平06−323980号公報)。
特開平06−323980号公報では、ガンマ線は毎日値が異なることから、まず測定する日ごとにガンマ線線量を測定して標準値を求めている。具体的に、まずガンマ線源(放射線源)を除いて標準的なバックグラウンドの計数率NSBGを測定し、それからガンマ線源(放射線源)を取り付けて標準的なガンマ線の計数率NSを測定している。そして、標準値となるガンマ線の計数率NSBをNSB=NS−NSBGとして補正処理を行っている。
次に、規定点数に対応する測定点を位置決めし、測定点において、放射線源を除いた現場バックグラウンドのガンマ線の計数率NFBG、ガンマ線源(放射線源)を取り付けたガンマ線線量NFをそれぞれ測定し、測定値となるガンマ線の計数率NFBをNFB=NF−NFBGとして補正処理を行っている。
そして、ガンマ計数比RG=NFB/NSBを算出し、これを校正式に当てはめて、測定対象の密度を算出している。
特開平06−323980号公報
特開平06−323980号公報によれば、標準値および測定値のいずれにおいても、測定した放射線(ガンマ線)の計数率からバックグラウンドの計数率を減算し、補正している。減算という簡単な補正で実際の放射線(ガンマ線)線量を求めることができる。
しかし、建設現場などの測定対象における放射線測定は、通常、まず現場バックグラウンドの測定を一回のみ行い、それから建設現場の地中の測定を規定点数に至るまで繰り返す測定フローを採用している。つまり、規定点数に至るまで各測定点で複数回測定した計数率から、一回のみ測定したバックグラウンドの計数率を減算する補正処理は、バックグラウンドが一定であることが前提となっている。
我が国の原子力発電所の事故以降、主にセシウム134(Cs−134)やセシウム137(Cs−137)に起因する高線量地域が多く点在している。そのため、高線量地域においては、自然由来の放射線(通常の意味におけるバックグラウンド)と、主にセシウム134やセシウム137といった事故由来の放射線とが現場バックグラウンドとして混在している。
このように、従来の自然由来の放射線に加えて事故由来の放射線の影響によりバックグラウンドが一定とはいえない現場においては、一回のみの現場バッググラウンドの測定に基づいて減算する補正処理では、実際の計数率を正確に算出することができない。
現場バックグラウンドの測定を一回のみではなく複数回行うことも考えられる。現場バックグラウンドの測定を複数回行えば、バックグラウンドが一定でない現場でもバックグラウンドの計数率を正確に把握することができる。
しかし、現場バックグラウンドを複数回測定すると測定時間がかかり、測定者の負担が増大する。特に高線量地域においては、測定者が被ばくするおそれも否定できず、測定者の負担がさらに増大することはいうまでもない。
さらに、密度測定装置に内蔵される放射線源(ガンマ線源)は非常に微量である。高線量地域など事故由来の放射線により現場バックグラウンドの影響が大きい地域においては、放射線の統計的なばらつきに起因する誤差、すなわち壊変揺動誤差も増大する。
壊変揺動誤差を少なくするためには、現場バックグラウンドや地中の放射線の測定回数を増やす必要があるが、高線量地域では被ばくのおそれにより測定時間が限定されており、測定者の負担がさらに増大することはいうまでもない。
本発明は、高線量地域であっても、測定対象である盤体の密度を、ガンマ線を用いて短時間で測定し測定者の負担を軽減させることができる密度測定装置の提供を目的としている。
また、本発明は、高線量地域であっても、測定対象である盤体の密度を、ガンマ線を用いて短時間で測定し測定者の負担を軽減させることができる密度測定方法の提供を別の目的としている。
上記目的を達成するために本発明では、密度測定装置の放射線検出器は放射線のうちガンマ線を検出するシンチレーション式ガンマ線検出器を採用している。そして、放射線検出器は制御装置を有し、制御装置はガンマ線のエネルギーの閾値を設けている。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、測定対象に対して放射線を発生する放射線源と、入射した放射線を検出する放射線検出器と、を備え、放射線により測定対象の密度を測定する密度測定装置において、放射線はガンマ線とされ、放射線検出器は、入射した放射線のうちガンマ線を検出するシンチレーション式ガンマ線検出器と、制御装置とを有し、制御装置にはガンマ線のエネルギーの閾値が設定され、制御装置は、検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出し、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出し、抽出した計数率により測定対象の密度を算出している。
また、請求項3に係る本発明によれば、密度を測定する測定対象に対してガンマ線を発生する発生工程と、シンチレーション式ガンマ線検出器を有するとともに、入射した放射線のうちガンマ線をシンチレーション式ガンマ線検出器により検出する検出工程と、シンチレーション式ガンマ線検出器で検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出する計数率算出工程と、ガンマ線のエネルギーの閾値が設定され、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正工程と、抽出された計数率により測定対象の密度を算出する密度算出工程と、を少なくとも備えている。
請求項1に係る本発明では、シンチレーション式ガンマ線検出器は、GM計数管などそのほかのガンマ線検出器と比較して計数効率がよいため、測定者は短時間でガンマ線の測定を行うことができる。また、シンチレーション式ガンマ線検出器は、そのほかのガンマ線検出器と比較して省スペースで足りることから、ガンマ線測定装置の小型化、軽量化を実現できる。そのため、測定者は建設現場などにおいて、ガンマ線測定装置を搬送して短時間でガンマ線を測定することができる。
さらに、主にセシウム134やセシウム137が事故由来の放射線(ガンマ線)を発生させていることから、これによるガンマ線のエネルギーの閾値を設け、測定後は閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正を行うのみで足りる。そのためため、現場バックグラウンドのうち事故由来の放射線の影響を除いた計数率を簡単に抽出することができる。これによれば、現場バックグラウンドの測定を複数回行う必要はなく、高線量地域であっても測定者の放射線(ガンマ線)測定の負担を軽減させることができる。
また、請求項3に係る本発明でも、検出工程においてシンチレーション式ガンマ線検出器でガンマ線を検出すれば、そのほかのガンマ線検出器と比較して計数効率がよく、省スペースで足りるため、測定者は短時間でガンマ線の測定を行うことができる。さらに、ガンマ線のエネルギーの閾値を設け、測定後は閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正を行うのみで足りるため、現場バックグラウンドのうち事故由来の放射線の影響を除いた計数率を簡単に抽出することができる。これにより、請求項1と同様に、高線量地域であっても測定者の放射線(ガンマ線)測定の負担を軽減させることができる。
(A)は本発明の一実施例に係る密度測定装置(本発明の実施例に係る密度測定方法を具体化した装置)を含む密度水分量測定装置の概略平面図、(B)は(A)の線B−Bに沿った断面図をそれぞれ示す。 高線量地域における現場バックグラウンドのエネルギースペクトルを表すグラフを示す。 高線量地域における測定したエネルギースペクトルを表すグラフを示す。 密度測定装置による密度測定の流れを示すフロー図を示す。
測定対象に対して放射線を発生する放射線源と、入射した放射線を検出する放射線検出器と、を備え、放射線により測定対象の密度を測定する密度測定装置において、放射線はガンマ線とされ、放射線検出器は、入射した放射線のうちガンマ線を検出するシンチレーション式ガンマ線検出器と、制御装置とを有し、制御装置にはガンマ線のエネルギーの閾値が設定され、制御装置は、検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出し、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出し、抽出した計数率により測定対象の密度を算出している。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。図1(A)は本発明の一実施例に係る密度測定装置(本発明の実施例に係る密度測定方法を具体化した装置)を含む密度水分量測定装置の概略平面図、(B)は(A)の線B−Bに沿った断面図をそれぞれ示す。
密度測定装置20は、たとえば、水分量測定装置30とともに密度水分量測定装置(たとえば、RI(ラジオアイソトープ)密度水分量測定装置)10に内蔵されている。もちろん、水分量測定装置30を併設せず、密度測定装置20のみであってもよいことはいうまでもない。
密度測定装置20を内蔵する密度水分量測定装置(たとえば、RI(ラジオアイソトープ)密度水分量測定装置)10は、建設現場の地中12(測定対象)の密度および水分量を測定するため、建設現場の地表面14上を移動可能に設置されている。なお、密度水分量測定装置10(密度測定装置20)の底面と建設現場の地表面14との間で隙間を形成することなく充填材(図示しない)を充填する場合があるが、本発明の趣旨ではない。
図1(B)をみるとわかるように、密度測定装置20は、測定対象12に対して放射線を発生する放射線源22と、放射線を検出する放射線検出器24とを備えて構成されている。
また、水分量測定装置30は本発明の趣旨ではないが、概略、測定対象12に対して中性子線を発生する中性子源32と、測定対象内の水素原子に衝突して反射した熱中性子を検出する熱中性子検出器(たとえばヘリウム比例計数管)34とを備えて構成されている。
密度水分量測定装置10は、棒状の線源棒40を密度水分量測定装置10の側部(図1(A)(B)では左部)に着脱可能に設けている。また、線源棒40の先端には格納部42が設けられ、格納部には放射線源22および中性子源32が封入されている。密度測定装置20を内蔵する密度水分量測定装置10を地表面上に設置する際に、棒状の線源棒40に対応する建設現場の地中を掘削して、線源棒を地中へ差し込むように設置される。
密度測定装置の放射線源22として、実施例ではガンマ線γを発生するガンマ線源を使用する。実施例では、ガンマ線γを発生する放射線源(ガンマ線源)22として、コバルト60(Co−60)を使用している。放射線源22は、地中に差し込まれた線源棒40の先端に位置する格納部42から、ガンマ線γを発生、散乱放射するように固定される。
密度測定装置の放射線検出器24は、放射線源(ガンマ線源)22から発生した放射線源(ガンマ線)を検出可能とするように密度水分量測定装置 (密度測定装置)の底部、すなわち地表面14付近に固定される。また、放射線検出器24は、シンチレーション式ガンマ線検出器24−1と制御装置24−2とを有している。
シンチレーション式ガンマ線検出器24−1は、ガンマ線源22から発生し測定対象12内の物質12−1で反射して入射したガンマ線γ(より正確には、物質12−1の原子と反応して放出された電子)を検出する。
シンチレーション式ガンマ線検出器24−1は、特殊な結晶と光センサとで構成されている。たとえば、タリウムを微量添加したヨウ化セシウム(CsI(Tl))結晶およびフォトダイオード、または、タリウムを微量添加したヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))結晶および光電子倍増管との組み合わせなどで構成されている。放射線、特にガンマ線が結晶に入射すると結晶が反応してシンチレーション光が発生する。シンチレーション光をフォトダイオードなどが検知して電気信号に変換する。電気信号を処理することでガンマ線の数をカウントし、入射したガンマ線の数を測定する。
制御装置24−2は、シンチレーション式ガンマ線検出器24に接続されている。制御装置24−2は、たとえば、情報処理機能を有するCPU24−2’(プロセッサ)などから構成されて密度測定装置20を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部24−2a、フラッシュメモリなどの記憶媒体から構成されて情報を記憶する記憶部24−2b、タッチパネル(図示しない)などからの入力を受け付ける入力部24−2c、表示手段(図示しない)に出力する出力部24−2dなどを有している。そのほか、制御装置24−2は、ネットワークを介して外部と通信する通信部(図示しない)などを有していてもよい。
制御装置の記憶部24−2bには、たとえば密度測定プログラム(図示しない)や密度を算出する校正式が記憶されている。制御部24−2aは、記憶部24−2bに記憶された密度測定プログラム(図示しない)を実行することで、たとえば、シンチレーション式ガンマ線検出器24−1で検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出する計数率算出手段24−2a1(S3−1;計数率算出工程。図4参照)、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出して補正する補正手段24−2a2(S3−2;補正工程。図4参照)、抽出した計数率により測定対象の密度を算出する密度算出手段24−2a3(S3−3;密度算出工程。図4参照)などとして機能する。
本発明の趣旨ではないが、水分量測定装置30も密度測定装置20と同様に、概略、中性子源32から測定対象12内に中性子線を照射すると、測定対象内の水素原子と衝突して弾性散乱を引き起こし、熱中性子に変化する。熱中性子を熱中性子検出器34で検知して中性子線の減衰率を算出することにより、測定対象12の水分量を測定することができる。
図2は高線量地域における現場バックグラウンドのエネルギースペクトルを表すグラフ、図3は高線量地域における測定したエネルギースペクトルを表すグラフをそれぞれ示す。縦軸は計数率(cpm)、横軸はガンマ線のエネルギー(keV)である。
つまり、図2は線源棒40なし、図3は線源棒ありでガンマ線を測定している。
原子力発電所の事故以降高線量地域が多く点在しているが、原子力発電所の事故に起因する放射線は、現在、セシウム134やセシウム137に起因するものがほとんどである。すなわち、高線量地域における現場バックグラウンドのうち、事故由来の放射線としては、セシウム134、セシウム137に起因するガンマ線がほとんどであると考えられる。
図2、3の符号X1、X2はエネルギースペクトルのピークのひとつをそれぞれ表す。X1、X2部のガンマ線のエネルギー(横軸)はおよそ662keV、800keVとされ、それぞれセシウム137、セシウム134のエネルギーと一致する。
そのため、制御装置24−2は、セシウム134、セシウム137に起因するガンマ線のエネルギー(横軸)の閾値を設け、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正を行っている(後述する補正工程S3−2。図4)。具体的には、ガンマ線のエネルギーの閾値は、セシウム134、セシウム137によるガンマ線のエネルギーの値を超えた数値とされる。
なお、自然由来の放射線(通常の意味におけるバックグラウンド)はカリウム40(K−40)によるものが大部分と考えられている。カリウム40によるガンマ線のエネルギーは1460keVであり、閾値を超える。
図4は、密度測定装置による密度測定の流れを示すフロー図を表す。
図4を見るとわかるように、密度測定装置20による密度測定方法は、概略、現場バックグラウンド測定工程(設置も含む。)S1、現場測定工程(設置も含む。)S2、算出・補正工程S3を含んでいる。
現場バックグラウンド測定工程(設置も含む。)S1は、線源棒40を外した密度測定装置20(あるいは密度水分量測定装置10)を測定対象の地表面14に設置し、測定対象12における現場バックグラウンドを測定する工程である。現場バックグラウンド測定工程S1は、放射線検出(検出工程)を含んでいる。
現場測定工程(設置も含む。)S2は、線源棒40を取り付けた密度測定装置20(あるいは密度水分量測定装置10)を測定対象の地表面14に設置し、測定対象である現場の放射線を測定する工程である。現場測定工程S2は、発生工程S2−1と、検出工程S2−2とを含んでいる。
算出・補正工程S3は、現場測定工程S2で検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出し、閾値による補正を行い、密度を算出することを規定点数に至るまで繰り返す工程である。算出・補正工程S3は、計数率算出工程S3−1、補正工程S3−2、密度算出工程S3−3などを含んでいる。
図1、4を参照しながら、密度測定装置20による密度測定方法の詳細を述べる。
ガンマ線のエネルギーの閾値を設けた場合の密度測定装置20における密度測定の流れを説明する。なお、以下の説明では密度測定装置20が密度測定を行っているが、密度測定装置を含む密度水分量測定装置10が水分量とともに密度測定を行ってもよい。また、以下の密度測定方法は、主に高線量地域で行われることを前提としている。
まず、密度測定装置20を建設現場の地表面14上に設置する。そして、棒状の線源棒40を設置しない状態で密度測定装置を作動させ、放射線検出器24のシンチレーション式ガンマ線検出器24−1でガンマ線γ(より正確には電子)を検出する(検出工程;S1−1)。これにより、現場バックグラウンドを密度測定装置20で検出、測定する(S1;現場バックグラウンド測定工程)。現場バックグラウンド測定工程S1は、たとえば1分程度の時間を要する。
なお、密度測定装置20を建設現場で使用するに先立って、密度測定装置によって密度が既知の物体の測定を数水準で行い、測定対象の密度と密度測定装置におけるバックグラウンドとを差し引いたガンマ線線量(計数率)の関係式すなわち校正式をあらかじめ決定しておく。校正式の決定は本発明の趣旨ではないため、詳細な説明を省略する。
現場バックグラウンドの検出、測定に続き、建設現場の地表面にて測定点を決定し、測定点の地表を掘削して、棒状の線源棒40を地中(測定対象12)へ差し込むように設置する。そして、密度測定装置20を作動させ、線源棒40の放射線源(ガンマ線源)22からガンマ線γを発生、散乱放射させる(発生工程;S2−1)。測定対象12内の物質12−1で反射し、放射線検出器24へ入射したガンマ線γ(より正確には、物質12−1の原子と反応して放出された電子)を、放射線検出器のシンチレーション式ガンマ線検出器24−1で検出する(検出工程;S2−2)。これにより、現場における放射線を密度測定装置20で検出、測定する(S2;現場測定工程)。現場測定工程S2は、たとえば1分程度の時間を要する。
放射線検出器の制御装置24−2は、シンチレーション式ガンマ線検出器24−1で検出されたガンマ線γのエネルギーに対する計数率を算出する(計数率算出工程;S3−1)。そして、制御装置24−2は、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正を行う(補正工程;S3−2)。ガンマ線のエネルギーの閾値は、上述のとおりセシウム137、セシウム134のエネルギーの値(662keV、800keV)を超えた数値とされる。
そして、閾値を超えて抽出された計数率を準備された校正式に導入して、測定対象12の密度を算出する(密度算出工程;S3−3)。
それから、放射線検出器の制御装置24−2は、測定の回数が規定点数に至ったか否かを判定し(S3−4)、規定点数に至った場合は終了する。規定点数に至っていない場合は、建設現場の地表面にて測定点を移動し(S3−5)、現場測定工程(S2;S2−1〜S2−2)および算出・補正工程(S3;S3−1〜S3−5)を繰り返す。
制御装置24−2は、ガンマ線のエネルギーの閾値が設定され、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正を行っている。そのため、現場バックグラウンドのうち、セシウム134やセシウム137といった事故由来の放射線の影響を除いた計数率(放射線線量)を簡単に抽出することができる。つまり、高線量地域であっても簡単に現場バックグラウンドから事故由来の放射線の影響を排除することができ(言い換えると、自然由来の放射線のみを簡単に抽出することができ)、現場バックグラウンドの測定が1回のみで足りるため、複数回行う必要はない(S1−1)。そのため、測定者の負担を軽減させてガンマ線測定を短時間で完了させることができる。
また、現場バックグラウンドから事故由来の放射線の影響が排除されるため、壊変揺動誤差が増大する可能性は低くなる。そして、従来の密度測定装置20と同様の測定結果を得ることができる。
また、シンチレーション式ガンマ線検出器24−1は、そのほかの放射線検出器と比較して、小型化、軽量化を図ることができるとともに、ガンマ線を検出する性能が高いとされている。この点においても、高線量地域における測定者の負担を軽減させることできる。
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
たとえば、制御装置におけるガンマ線のエネルギーの閾値の設定のオン・オフを自在に切り替え可能としてもよい。測定対象が高線量地域であることが密度測定前にすでに知られている場合は閾値の設定をオンに、高線量地域でないことがすでに知られている場合はオフ(解除)に切り替えられるようにしてもよい。実施例では高線量地域における測定を前提としたが、閾値の設定のオン・オフが自在に切り替え可能であれば、高線量地域ではない地域であっても同一の密度測定装置を使用することができる。
本発明は、密度測定装置に適するとはいえ、密度測定装置、水分量測定装置の双方を備えるRI密度水分量測定装置にも応用できる。
10 密度水分量測定装置
20 密度測定装置
22 放射線源
24 放射線検出器
24−1 シンチレーション式ガンマ線検出器
24−2 制御装置
γ ガンマ線
S2−1 発生工程
S1−1、S2−2 検出工程
S3−1 計数率算出工程
S3−2 補正工程
S3−3 密度算出工程

Claims (3)

  1. 測定対象に対して放射線を発生する放射線源と、
    入射した放射線を検出する放射線検出器と、
    を備え、放射線により測定対象の密度を測定する密度測定装置において、
    放射線はガンマ線とされ、
    放射線検出器は、入射した放射線のうちガンマ線を検出するシンチレーション式ガンマ線検出器と、制御装置とを有し、
    制御装置にはガンマ線のエネルギーの閾値が設定され、
    制御装置は、検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出し、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出し、抽出した計数率により測定対象の密度を算出する密度測定装置。
  2. ガンマ線のエネルギーの閾値の設定のオン・オフが自在に切り替え可能である請求項1記載の密度測定装置。
  3. 密度を測定する測定対象に対してガンマ線を発生する発生工程と、
    シンチレーション式ガンマ線検出器を有するとともに、入射した放射線のうちガンマ線をシンチレーション式ガンマ線検出器により検出する検出工程と、
    シンチレーション式ガンマ線検出器で検出したガンマ線のエネルギーに対する計数率を算出する計数率算出工程と、
    ガンマ線のエネルギーの閾値が設定され、閾値を超えたガンマ線のエネルギーに対応する計数率のみを抽出する補正工程と、
    抽出された計数率により測定対象の密度を算出する密度算出工程と、
    を少なくとも備えた密度測定方法。
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