JP2019130605A - 処理設備、及びアイソレーターシステム - Google Patents

処理設備、及びアイソレーターシステム Download PDF

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Abstract

【課題】互いに近い条件下で被処理物の払い出しを行うことが可能な処理設備などを提供する。【解決手段】処理設備1は、被処理物に対する処理が行われる複数の処理容器21を備え、これらの処理容器21は、処理室10の床面103に設定された中央部Oの周囲に、周方向に沿って並べられる。グローブボックス(GB)3は、内部操作を実施するためのグローブ302を備え、各処理容器21に接続されて外部から隔離された操作空間30を形成する。走行軌道32は、複数の処理容器21の並び方向に沿って配置され、GB21と接続された走行機構31が走行自在に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、アイソレーターシステムを備えた処理設備に関する。
例えばファインケミカルプラントや製薬プラントを構成する処理設備においては、反応容器(処理容器)などの複数の処理機器間で原料や中間生成物や最終生成物である被処理物を移送させながら、当該被処理物に対する種々の処理を実施する。
この処理設備において、例えば人体や環境に影響を及ぼす被処理物の取り扱い作業を実施する場合には、外部から隔離された操作空間を形成可能なグローブボックス(以下、「GB」とも記す)を用いて作業(内部操作)を行う場合がある。
例えばGBの前面には、操作空間に向けて挿入されたグローブが接続され、作業者はこのグローブに腕を挿入し、操作空間内での内部操作を行う。
例えば特許文献1には、複数の反応容器が直線状に並べて配置された処理設備(反応設備)の天井部に、当該反応容器の並び方向に沿って走行軌道(走行路)を設け、当該走行軌道に沿って移動自在に構成されたグローブボックスを備えたアイソレーターシステムが記載されている(括弧内は特許文献1にて用いられている用語を併記してある)。
例えば処理設備においては、被処理物からの不純物の分離や乾燥など、種々の処理を実施する処理機器に対し、これら複数の反応容器を切り替えて接続し、被処理物の払い出しが行われる。
このとき、複数階からなる階層構造の建屋の上層階に反応容器を配置する一方、後段の各種処理機器を下層階側に配置し、重力を利用して被処理物の払い出しを行う場合がある。
しかしながら、特許文献1に記載の処理設備のように、複数の反応容器を直線状に配置すると、各反応容器から、下層階側の処理機器まで被処理物の払い出しを実施するための払い出しラインの経路長や傾きが各反応容器間で大きく相違する配置を採用せざるを得ない場合がある。
この結果、複数の反応容器間で互いに被処理物の払い出し易さが異なる事態が発生し得る。また、処理機器までの水平方向の距離が遠い反応容器では、払い出しラインの傾きが緩やかになり、反応容器や払い出しライン内に被処理物が残留し易くなるという問題も生じる。
ここで特許文献2には、穀物、飼料、セメントなどの粉粒体を包装する包装袋に付着した粉じんを除去するために、空気式洗浄装置や包装袋の外面を叩く装置へと包装袋を搬送する手法として、ループ状運搬路を用いて複数のフックを循環させ、これらのフックに包装袋を吊り下げて搬送する包装袋搬送装置が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、プラントを構成する処理設備とは技術分野が大きく異なり、装置間で被処理物を移送する操作は記載されていない。
特許5588574号公報:段落0017〜0024、図1、2 特開平10−305908号公報:請求項1、段落0007〜0008、図1
本発明は、このような背景の下になされたものであり、互いに近い条件下で被処理物の払い出しを行うことが可能な処理設備、及びこの処理設備に設けられるアイソレーターシステムを提供する。
本発明の処理設備は、被処理物に対する処理が行われる処理容器を備えた処理設備において、
前記処理設備を構成する処理室の床面に設定された中央部の周囲に、周方向に沿って並べられた複数の処理容器と、
前記複数の処理容器に対して着脱自在に構成され、いずれかの処理容器と接続された状態にて外部から隔離された操作空間を形成すると共に、内部操作を実施するためのグローブを備えたグローブボックスと、
前記グローブボックスと接続された走行機構が走行自在に設けられ、前記複数の処理容器の並び方向に沿って配置された走行軌道と、を備えたことを特徴とする。
前記処理設備は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記走行軌道は前記処理室の天井面に設けられ、前記走行機構は前記グローブボックスを吊り下げ支持すること。
(b)前記走行軌道には、前記グローブボックスが複数基設けられていること。前記複数基のグローブボックスには、前記内部操作が互いに異なるものが含まれていること。
(c)前記走行軌道は、平面視したとき環状に構成されていること。または、前記走行軌道は、平面視したときU字状に構成されていること。
(d)前記複数の処理容器は、各々、前記処理室の下層側の空間へ向けて処理後の被処理物を払い出す払い出しラインを備えていること。前記中央部の下方側には、前記複数の処理容器の各払い出しラインと接続され、外部から隔離された空間内で、これらの払い出しラインに払い出された処理後の被処理物の払い出し先を切り替える操作を行うための切り替え設備が設けられていること。
(e)前記処理後の被処理物は、液体またはスラリーまたは粉粒体であること。
また、他の発明に係るアイソレーターシステムは、処理室の床面に設定された中央部の周囲に周方向に沿って並べられ、被処理物に対する処理が行われる複数の処理容器の並び方向に沿って設けられた走行軌道と、
前記走行軌道を走行自在に設けられた走行機構と
前記走行機構に接続されると共に、前記複数の処理容器の各々に対して着脱自在に構成され、当該処理容器と接続された状態にて外部から隔離された操作空間を形成し、内部操作を実施するためのグローブが設けられたグローブボックスと、を備えたことを特徴とする。
本発明は、処理室の床面に設定された中央部の周囲に、周方向に沿って複数の処理容器が並べられているので、当該中央部側から見て、被処理物を払い出す際の条件を揃えることができる。
また、これら複数の処理容器の並び方向に沿って、グローブボックスの走行軌道が設けられているので、これらの処理容器間でグローブボックスを共有して利用することができる。
実施の形態に係るアイソレーターシステムを備えた処理室の平面図である。 前記処理室の側面図である。 前記処理室に設けられているGBの側面図である。 前記処理室を含む処理設備の縦断側面図である。 前記アイソレーターシステムの他の構成例を示す平面図である。
はじめに、図1、2を参照しながら実施の形態に係るアイソレーターシステムが設けられた処理室10の構成について説明する。
例えば処理室10は、ファインケミカルプラントや製薬プラントを構成する処理設備1を成す階層構造の建屋の上層階側に配置されている(図4参照)。
図1の平面図に示すように、処理室10には複数基(本例では4基)の反応容器21が設けられている。反応容器21は、本実施の形態の処理容器に相当し、当該反応容器21内に投入された被処理物の反応を進行させて、中間生成物や最終生成物を生成する。上記反応を進行させるために、反応容器21には、反応容器21に投入された被処理物の温度を調整する温度調整部や、被処理物の撹拌混合を行う撹拌翼などが設けられている(いずれも不図示)。
以下の説明では、上述の反応後の中間生成物や最終生成物を含めて「被処理物」と呼ぶ。例えば被処理物は、液体、またはスラリー、または粉粒体により構成される。
本例の処理室10内において、各反応容器21には、反応容器21から排出されたガスを冷却するコンデンサー22と、コンデンサー22にて凝縮した凝縮液を受け入れる受槽23とが併設されている。
これら反応容器21とコンデンサー22と受槽23との各セットは、処理室10の床部(床面)103に設定された中央部(図1に示すO点の周辺領域。以下、「中央部O」とも記す)の周囲に、周方向に沿って並べて設けられている。
図2、4に示すように、各反応容器21は、処理室10の床部103を上下方向に貫通し、その下部領域が下層階104a側に挿入されるように設けられている。また、中央部Oを囲む既述の反応容器21、コンデンサー22、受槽23のセットの配置に伴い、4基の反応容器21についても中央部Oの周囲に、周方向に沿って並べて配置された状態となっている。
なお、「中央部O」との呼称は、複数の反応容器21に囲まれたほぼ中央の位置を意味し、処理室10の中央部を意味するものではない。従って、広い処理室の片隅に複数の反応容器21が配置されている場合には、これらの反応容器21に囲まれた領域のほぼ中央が「中央部O」となる。
これら反応容器21には、グローブボックス(GB)3を備えたアイソレーターシステムが併設され、GB3内部の操作空間30を介して、被処理物の投入や、反応容器21内からサンプリングされた被処理物の分析などの内部操作を行うことができる。
また、本アイソレーターシステムは、4基の反応容器21間で、GB3を共有して利用する構成となっている。このため、GB3は、処理室10の天井部102に設けられた走行軌道32を走行自在に構成され、各反応容器21の配置位置へと移動することができる。
図1には、天井部102側に設けられた走行軌道32の配置位置を併記してある。図1に示すように、前述の中央部Oと各反応容器21の配置位置との間には、GB3を移動させることが可能な空間が確保されている。この、GB3が移動する空間には、平面視したとき環状に構成された走行軌道32が設けられている。
上述の構成を言い替えると、アイソレーターシステムは、平面視したとき、中央部Oの周囲を囲むように設けられた環状の走行軌道32を備え、当該走行軌道32に沿って走行自在に構成されたGB3の移動経路に沿って4基の反応容器21が配置されている。
本例のアイソレーターシステムは、実施可能な内部操作の内容が互いに異なる複数基、例えば2基のGB3(3a、3b)を備え、それぞれのGB3a、3bを各反応容器21に接続することができる。例えば一方側のGB3aは、被処理物の投入に係る内部操作が実施可能であり、他方側のGB3bは反応容器21からの被処理物のサンプリングと、その分析に係る内部操作が実施可能となっている。
図2、3に示すように、GB3(3a、3b)は、例えば金属製の筐体の前面に、ガラス製のパネル部(不図示)を設けた構造となっていて、外部空間から隔離された操作空間30を形成する。
作業者に対向して配置されるGB3の前面には、グローブ302が気密に取り付けられている。
前記グローブ302に加えて、例えば操作空間30の側面に、GB3における物の搬入出を行うための搬入出バッグが取り付けられるバッグイン/バッグアウトポートを設けてもよい(搬入出バッグ、バッグイン/バッグアウトポートは不図示)。
GB3の底面には、被処理物の投入が行われる投入管301が設けられている。投入管301は、GB3の底板を貫通するように設けられ、その下端部には、反応容器21側に設けられた受入管211と締結可能なフランジが設けられている。一方、投入管301の上端部は操作空間30内に挿入されている。
また、各GB3の操作空間30には、当該操作空間30内で実施される内部操作に応じて必要な機器が配置されている。例えば被処理物の投入を行うGB3aでは、投入される被処理物の秤量を行う秤量計や、被処理物の投入機構、被処理物の分析を行うGB3bでは、反応容器21からの被処理物のサンプリングを行うサンプリング機構や、分析機器を例示することができる(内部操作用の機器は不図示)。
またGB3の上面には、処理室10内の気体(例えば空気)を操作空間30に取り込むための不図示の吸気口が形成され、当該吸気口にはHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターなどが設けられる。さらにGB3の上面には、操作空間30内の排気を行う排気管と接続された排気口が形成され、操作空間30内で取り扱われる被処理物の漏洩を防止するためのフィルターなどが設けられる(排気管や排気口は不図示)。
排気管は、操作空間30から排気された気体を処理室10内に戻すように構成してもよいし、処理室10の外部に排出する構成としてもよい。
処理室10の外部に気体を排出する場合には、GB3が各反応容器21に接続される際の配置位置に対応させて、例えば天井部102の上面側に外部側の排気管を配置し、天井部102を介して当該外部側排気管の上流端部を配置する接続ポートを設けてもよい(外部側排気管や接続ポートについても図示省略)。この構成では、GB3側に設けられた排気管の末端部を接続ポートに対して着脱自在に構成することにより、移動自在に構成されたGB3内の気体を処理室10の外部へと排気することができる。
操作空間30から排気された気体を処理室10内に戻す場合や、処理室10の外部に排出する場合のいずれにおいても、排気管(外部側排気管であってもよい)に不図示の流量調整機構や圧力調整機構を設け、処理室10内の圧力に対して操作空間30内の圧力を負圧に保つとよい。
次に、走行軌道32を利用してGB3(3a、3b)を移動させる構成について説明する。
図2の平面図に示すように、処理室10の天井部102の下面側には、床部103側に設定された既述の中央部Oを囲む位置に、環状の走行軌道32が設けられている。例えば走行軌道32は、予め設定された間隔を開けて平行に配置された2本の走行レール321、322によって構成されている。
これらの走行レール321、322は、例えば車輪311と車軸312とからなる走行機構31の車輪311を係止させることが可能な構成となっており、走行軌道32に沿って当該走行機構31を自在に走行させることができる。また、走行機構31の車軸312には、GB3を吊り下げ支持する支持部33が取り付けられている。
上記構成により、GB3は走行軌道32に沿って処理室10内を自由に移動させることができる(図1、3)。走行軌道32、GB3、走行機構31は、本例のアイソレーターシステムを構成している。
以上に説明した構成により、図1中に実線、及び一点鎖線で示すように、各GB3(3a、3b)は、走行軌道32の周囲に配置されたいずれの反応容器21にも接続することができる。
また、走行軌道32が環状に構成されていることにより、一方側のGB3a、3bがいずれかの反応容器21に接続されている場合であっても、異なる反応容器21に対して他方側のGB3b、3aを接続することができる。
図4は、図1〜3を用いて説明した処理室10を含む処理設備1の階層構造を示している。例えば各反応容器21の底部には、後段側に配置された各種の処理機器に向けて、反応処理後の被処理物を払い出すための払い出しライン212が設けられている。
本例の処理設備1において、処理室10の下層側の空間である下層階104a、104bには、遠心分離機51、ドライヤー52、GB53、54、洗浄ブース55などの種々の処理機器が設けられ、重力を利用して各反応容器21から処理機器51〜55へ向けて被処理物が払い出される。
ここで、本例の処理設備1は、目的に応じて反応容器21の用途を使い分けるマルチパーパスプラントとして構成されており、反応容器21にて実施される被処理物の種類などに応じて、払い出し先の処理機器51〜55が切り替えられる。
各反応容器21に接続された払い出しライン212と、後段の各処理機器51〜55に接続された払い出しライン213との間には、被処理物の払い出し先を切り替える操作を行うための切り替え設備4が設けられている。
反応容器21側の各払い出しライン212の下流端部は、切り替え配管41を介して、処理機器51〜55側の各払い出しライン213の上流端部と接続/切り離し自在に構成されている。
切り替え設備4は、これら払い出しライン212、213の端部が集合配置された領域として構成され、作業者が離れた場所まで移動しなくても被処理物の払い出し先の切り替え操作を行うことができる。例えば切り替え設備4は、処理室10側の床部103に設定された中央部Oの下方側に配置される。
なお、固定配置されたGB内に切り替え設備4を設け、外部から隔離された空間内にて切り替え操作を実施してもよい。
図4中に示す例では、切り替え設備4中に実線で示した切り替え配管41を介して、同図中の右手側に配置された反応容器21からの被処理物を遠心分離機51に払い出し、左手側に配置された反応容器21からの被処理物をドライヤー52に払い出すように、各払い出しライン212、213が接続されている。
そして、図4中に破線で示すように切り替え配管41の接続先を変更すると、同図中の右手側に配置された反応容器21からの被処理物をドライヤー52に払い出し、左手側に配置された反応容器21からの被処理物を洗浄ブース55に払い出すように、各払い出しライン212、213の接続状態を切り替えることができる。
以上に説明した構成を備える処理設備1の作用について説明する。
作業者は、処理室10に入室して開閉扉101を閉じ、例えば被処理物の投入が行われる反応容器21の配置位置まで投入用のGB3aを移動させ、投入管301と受入管211とを接続する(図2)。
しかる後、バッグインポートなどを介して被処理物を収容した容器をGB3内に搬入し、容器を開封した後、投入機構を用いて反応容器21への被処理物の投入を開始する。そして、容器内の被処理物の投入が完了したら、バッグアウトポートなどを介して、GB3から容器を搬出する。
ここで、反応容器21の容量などによっては、上述した容器の搬入、開封、被処理物の投入、空の容器の搬出動作を複数回繰り返す。このため、例えば数時間に亘って、1基の反応容器21にGB3aが接続されたままの状態となる場合がある。
一方で、被処理物の投入が行われていない他の3基の反応容器21では、既に被処理物の反応処理が開始されている場合もある。このとき、反応の進行状況の確認するために、反応容器21から被処理物をサンプリングして分析を行う場合について考える。
既述のように、被処理物の投入を行うため、1基の反応容器21に対し、GB3aが接続されたままの状態となっている場合であっても、走行軌道32が環状に構成されていることにより、残る3基の反応容器21のいずれに対しても被処理物のサンプリング、分析用のGB3bを接続することができる。
そこで、サンプリングを行う対象の反応容器21までGB3bを移動させ、投入管301と受入管211とを接続する(図2)。しかる後、サンプリング機構を用いて反応容器21内の被処理物をサンプリングし、サンプリングされた被処理物を分析機器により分析して、反応の進行状態の確認などを行う。
1基の反応容器21にて被処理物の投入が行われている期間であっても、他の3基の反応容器21では、上述の被処理物のサンプリング、分析をいつでも行うことができる。
以上に説明した被処理物の投入、被処理物のサンプリング、分析を行い、反応容器21内での反応処理が完了したら、被処理物の払い出しを行う。
図4を用いて説明したように、反応容器21の払い出しライン212は、切り替え設備4を用いて、所望の処理機器51〜55側の払い出しライン213と接続されている。
次いで、払い出しライン212に設けられた不図示の払い出しバルブを開き、反応容器21から被処理物の払い出しを開始する。
ここで本例の処理設備1は、複数の反応容器21に囲まれた中央部Oの下方側に切り替え設備4が配置されていることにより、各反応容器21と切り替え設備4との間の水平方向の距離に大きな相違が生じない配置となっている。この結果、各反応容器21から切り替え設備4までの払い出しライン212の経路長や傾きなどを揃えて、被処理物の払い出しを行うことができる。
これに対して、例えば中央部Oを挟んで2基ずつ直線状に反応容器21を配置すると、中央部Oから離れた位置に配置される反応容器21においては、切り替え設備4までの経路長が長くなり、払い出しライン212の傾きも緩やかになってしまう。
例えば被処理物がスラリーや粉粒体である場合には、経路長が長く、傾きが緩やかな払い出しライン212を用いると、反応容器21や払い出しライン212内での被処理物の残留が発生しやすくなる。また、被処理物が液体の場合であっても、反応容器21からの払い出しに長い時間を要したり、粘度の高い液体などでは反応容器21や払い出しライン212内に被処理物が残留したりしてしまうおそれもある。
この点、図1に示すように、GB3(3a、3b)を移動させる空間を確保したうえで、中央部Oにできるだけ近い位置に各反応容器21を配置することにより、経路長を短く抑え、比較的、大きな傾きを有する払い出しライン212を配置することが可能となる。
なお、図1などには中央部Oを囲む反応容器21の並びの内側に走行軌道32を配置した例を示したが、中央部Oと距離を更に近付けて反応容器21を配置し、反応容器21の並びの外側を囲むように走行軌道32を設けてもよい。
そして中央部Oを囲むよう複数の反応容器21を配置することにより、例えばこれらの反応容器21を一列に並べる場合と比較して、払い出しライン212の経路長や傾きが互いにより近い条件下で、各反応容器21からの被処理物の払い出しを行うことができる。
こうして、所定の反応容器21からの被処理物の払い出しが完了したら、払い出しバルブを閉じ、当該反応容器21に次の被処理物を受け入れ可能な状態で待機する。
本実施の形態に係る処理設備1によれば以下の効果がある。処理室10の床部103に設定された中央部Oの周囲に、周方向に沿って複数の反応容器21が並べられているので、中央部O側(例えば中央部Oの下方側に配置されている切り替え設備4)から見て、被処理物を払い出す際の条件を揃えることができる。
また、これら複数の反応容器21の並び方向に沿って、GB3(3a、3b)の走行軌道32が設けられているので、これらの反応容器21間でGB3を共有して利用することができる。
ここで、図1〜4を用いて説明した処理室10の例では、2基のGB3を設ける例について説明したが、3基以上のGB3を設けてもよいことは勿論である。また、複数基設けられるGB3は、既述のように互いに異なる内部操作を実施すること可能な構成であってもよいし、共通の内部操作を行う構成であってもよい。
これとは反対に、走行軌道32にGB3を1基のみ設ける場合も、本処理設備1の実施の形態に含まれている。
また、走行軌道32の構成は、図1に示した例のように、平面視したとき、環状に構成する場合に限定されない。
例えば図5に示すように、中央部Oを囲んで配置された反応容器21の並び方向に沿って、平面視したときU字状に構成された走行軌道32aを配置してもよい。なお、本実施の形態における「U字状」とは、図1に示す閉じた環状の走行軌道32と比較して、その一部が切り離された状態となっている形状を意味している。従って、例えば図5に示すY方向の走行軌道32の距離が短く、平面視「C字を時計回りに90°回転させた形状」に見える走行軌道32を配置する場合も上述の「U字状」の概念に含まれる。
そして、走行軌道32は、処理室10の天井部102に設ける場合のほか、床部103側に設けてもよい。この場合のGB3は、走行軌道32を走行自在に構成された走行機構31によって、例えば下方側から支持された状態で移動する。
また、走行軌道32、32aに沿ってGB3が移動する領域には、例えばGB3内の洗浄を行う洗浄機構を設けてもよい。
この他、GB3が接続される容器は、既述の反応容器21の例に限定されるものではない。被処理物が投入されて所定の処理(既述の反応処理のほか、混合処理や乾燥処理など)が行われる処理容器であってもよい。
また、GB3は被処理物を投入する操作に用いる場合に限定されるものではなく、被処理物を取り出す場合にも用いることができる。例えば既述の処理機器51〜55のうち、同種のものが複数台あり、目的に応じてこれら(以下の例では小型の遠心分離器51)を切り替えて使用する場合を例に挙げて説明する。
この例において下層階104aには、前記切り替え設備4を介して処理室10側の各反応容器21と接続自在に構成された処理機器である小型の遠心分離器51が設けられているとする。
このとき、切り替え設備4の下方に位置する床面に中央部Oを設定し、この中央部Oの周囲に前記複数の遠心分離器51を周方向に沿って並べ、その並び方向に沿って走行軌道32を設けると共に、当該走行軌道32に沿って走行自在な走行機構31を備えるGB3を配置することにより、アイソレーターシステムを構成してもよい。
このアイソレーターシステムでは、各遠心分離器51が被処理物の処理(分離)を行う処理容器に相当し、各遠心分離機51に対してGB3を接続することにより内部操作(例えば投入管301、受入管211を介して遠心分離器51にサンプリング機器を挿入し、遠心分離器51で分離された被処理物を採取する操作など)を行うことができる。
さらに、中央部Oの下方側に切り替え機構を配置することは必須の要件ではない。例えば、各反応容器21から被処理物を受け入れる中間受槽を配置してもよい。中間受槽には、後段側の処理機器51〜55へ向けて被処理物を払い出す払い出しライン213が接続され、いずれかの払い出しライン213の払い出しバルブを開くことにより、所望の処理機器51〜55へ向けて被処理物を払い出す構成としてもよい。
1 処理設備
10 処理室
102 天井部
103 床部
21 反応容器
212、213
払い出しライン
3、3a、3b
グローブボックス(GB)
30 操作空間
302 グローブ
31 走行機構
32、32a
走行軌道
4 切り替え設備

Claims (15)

  1. 被処理物に対する処理が行われる処理容器を備えた処理設備において、
    前記処理設備を構成する処理室の床面に設定された中央部の周囲に、周方向に沿って並べられた複数の処理容器と、
    前記複数の処理容器に対して着脱自在に構成され、いずれかの処理容器と接続された状態にて外部から隔離された操作空間を形成すると共に、内部操作を実施するためのグローブを備えたグローブボックスと、
    前記グローブボックスと接続された走行機構が走行自在に設けられ、前記複数の処理容器の並び方向に沿って配置された走行軌道と、を備えたことを特徴とする処理設備。
  2. 前記走行軌道は前記処理室の天井面に設けられ、前記走行機構は前記グローブボックスを吊り下げ支持することを特徴とする請求項1に記載の処理設備。
  3. 前記走行軌道には、前記グローブボックスが複数基設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の処理設備。
  4. 前記複数基のグローブボックスには、前記内部操作が互いに異なるものが含まれていることを特徴とする請求項3に記載の処理設備。
  5. 前記走行軌道は、平面視したとき環状に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の処理設備。
  6. 前記走行軌道は、平面視したときU字状に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の処理設備。
  7. 前記複数の処理容器は、各々、前記処理室の下層側の空間へ向けて処理後の被処理物を払い出す払い出しラインを備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の処理設備。
  8. 前記中央部の下方側には、前記複数の処理容器の各払い出しラインと接続され、外部から隔離された空間内で、これらの払い出しラインに払い出された処理後の被処理物の払い出し先を切り替える操作を行うための切り替え設備が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の処理設備。
  9. 前記処理後の被処理物は、液体またはスラリーまたは粉粒体であることを特徴とする請求項7または8に記載の処理設備。
  10. 処理室の床面に設定された中央部の周囲に周方向に沿って並べられ、被処理物に対する処理が行われる複数の処理容器の並び方向に沿って設けられた走行軌道と、
    前記走行軌道を走行自在に設けられた走行機構と
    前記走行機構に接続されると共に、前記複数の処理容器の各々に対して着脱自在に構成され、当該処理容器と接続された状態にて外部から隔離された操作空間を形成し、内部操作を実施するためのグローブが設けられたグローブボックスと、を備えたことを特徴とするアイソレーターシステム。
  11. 前記走行軌道は前記処理室の天井面に設けられ、前記走行機構は前記グローブボックスを吊り下げ支持することを特徴とする請求項10に記載のアイソレーターシステム。
  12. 前記走行軌道には、前記グローブボックスが複数基設けられていることを特徴とする請求項10または11に記載のアイソレーターシステム。
  13. 前記複数基のグローブボックスには、前記内部操作が互いに異なるものが含まれていることを特徴とする請求項12に記載のアイソレーターシステム。
  14. 前記走行軌道は、平面視したとき環状に構成されていることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一つに記載のアイソレーターシステム。
  15. 前記走行軌道は、平面視したときU字状に構成されていることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一つに記載のアイソレーターシステム。
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