JP2019129564A - 非接触給電装置の異物検出素子、及び非接触給電装置 - Google Patents

非接触給電装置の異物検出素子、及び非接触給電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度で異物検出が可能であり誘導電流の発熱の問題を回避することが可能な非接触給電装置の異物検出素子の提供。【解決手段】非接触給電装置において給電・受電の両コイルの対向面側に配設して用いられる異物検出素子1において、シート状の絶縁体からなる可撓性のベースシート2と、ベースシート2のシート面に沿って線状に配線されたリード導体対3a,3bと、リード導体対の両リード導体間に接続された面実装タイプのサーミスタチップ4とを備えた。両リード導体3a,3bは、互いに電気的に絶縁されており、且つ、ベースシート2のシート面に垂直な方向に並列するように配線されている。これにより、両リード導体3a,3bの間を鎖交する磁束Bは略0となり誘導電流による発熱が生せず高感度で異物検出が可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、給電コイルと受電コイルとの間で非接触給電を行う非接触給電装置において、前記給電コイル又は前記受電コイルのコイル環内の両コイルの対向面に配設して用いられる異物検出素子に関する。
近年、携帯型電話機の充電台、電気自動車の充電スタンド、自立型ロボットの充電スタンド等において、載置し又は接近させるだけで、非接触で給電を行う非接触給電装置が広く用いられるようになってきている。斯かる非接触給電装置では、給電側に給電コイル、被給電側に受電コイルを設け、給電コイルに交流電流を流して給電コイルの周囲に交番磁場を発生させ、受電コイルを此の交番磁場内に置くことで受電コイルに誘導電流を発生させ、これにより両コイル間で送電が行われる。此のとき、給電コイルの近傍、特に受電コイルが配置される側に、金属などの導電性の異物が置かれた場合、該異物内に誘導電流が生じて発熱し発火事故や故障発生の原因となる。其処で、非接触給電装置においては斯かる異物を検出するための異物検出装置が用いられる。此のような異物検出装置としては、特許文献1−7に記載のものが公知である。
特許文献1には、渦巻き状の巻き線からなる伝送コイル(2)と、該伝送コイル(2)に印加する交流電圧を制御する回路部(3)とを備え、伝送コイル(2)に交流電圧を印加して電磁誘導により被給電機器または被充電機器に電力を伝送する非接触給電装置(1)であって、伝送コイル(2)に設置され温度に応じて電気抵抗が変化する感熱部(4)を有したフィルム状温度センサ(5)を備え、感熱部(4)が、巻き線の一部に巻き付けて設置されていることを特徴とする温度センサ付き非接触給電装置が記載されている(仝文献の図1〜図5参照)。此の非接触給電装置においては、フィルム状温度センサ(5)の感熱部(4)により、伝送コイル(2)の温度を測定することで、伝送コイル(2)の過度な発熱を検知して異物検出を行うことが出来る。
特許文献2には、円板状の巻かれた給電コイル(35)の板面に重ねてFPC(flexible printed circuits)のシート基材(317)を設け、此のシート基材(317)上に、給電コイル(35)の軸(A)方向から平面視でコイル(35)と重なり合わない位置に複数のPCT(positive temperature coefficient)サーミスタ(319)を設けて、これらのサーミスタ(319)を配線導体(321)により直列接続した温度検知手段(39)を備えた温度センサ付き非接触給電装置が記載されている(仝文献の明細書〔0018〕−〔0022〕,図2C〜図6参照)。温度検知手段(39)により異物の過熱を検知することで、異物検出を行うことが出来る。
特許文献3には、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などの高分子フィルムから成るシート状部材の内部に、線状サーミスタを格子状に配線した温度検出シート(30)を給電コイル(L1)の上面に貼り付けた形態の非接触電力送電システムが記載されている(仝文献の明細書〔0022〕,図2,図3参照)。
特許文献4には、給電コイル上の異物検出に用いる温度センサとして、PCT又はNTC(negative temperature coefficient)のシート状感温センサを用いたものが記載されている(仝文献の明細書〔0017〕,図4,図5参照)。給電コイルが発生する交番磁束によるセンサ自体の昇温を防止するため、シート状感温センサは、磁束による渦電流が流れない抵抗値を有するようにするとされている(仝文献の明細書〔0017〕参照)。
特許文献5には、給電コイル上の異物検出に用いる温度センサとして、光ファイバを用いたものが記載されている(仝文献の明細書〔0034〕−〔0035〕,図2−図5参照)。異物が交番磁場で過熱すると、光ファイバが熱せられて屈折率が局所的に変化し、これにより光ファイバに通される検査光の周波数成分が変化するため、此の周波数成分の変化を検出して異物検出を行うものである(仝文献の明細書〔0035〕参照)。
特許文献6には、給電コイル上の異物検出に用いる温度センサとして、焦電型赤外線センサを用いたものが記載されている(仝文献の明細書〔0015〕,〔0019〕,図2,図5参照)。
特許文献7には、給電コイル上の異物検出に用いる温度センサとして、ヒューズ線(筐体の耐熱温度よりも低い温度で溶解する光ファイバ又は非磁性体の金属線などの信号線)を用いたものが記載されている(仝文献の明細書〔0040〕,図4,図5等参照)。
特開2012−182258号公報 特開2016−7100号公報 特開2013−5682号公報 特開2013−17247号公報 特開2014−135796号公報 特開2015−195633号公報 特開2015−19508号公報
上記従来の異物検出装置には次のような課題がある。特許文献1記載の異物検出装置は、図9に示したようなフィルム状温度センサ102で構成されている。図9において、伝送コイル101の上面にはフィルム状温度センサ102が貼り付けられており、フィルム状温度センサ102の先端の感熱部105が伝送コイル101に巻き付けられている(図9(d))。フィルム状温度センサ102は、ポリイミド樹脂シートの絶縁フィルム103の面内に、左右のパターン配線104が形成され、パターン配線104の先端部分に感熱部105が形成されている。感熱部105は、TiAlN等の窒素酸化物からなる薄膜サーミスタ材料で形成されている。此のフィルム状温度センサ102は、図9(b),(c)に示したように、絶縁フィルム103の先端の薄膜サーミスタ(感熱部105)から、絶縁フィルム103の面内で左右のパターン配線104が絶縁フィルム103の基端部まで引き出された構造である。そして此のフィルム状温度センサ102を伝送コイル101の上面に貼り付けることにより、伝送コイル101の上面の異物が、交番磁場により過熱されたときの温度上昇を検出して異物の有無を判定する。ところで、伝送コイル101に交流電流を通電すると、伝送コイル101から発生する交番磁場Bは、図9(b),(c)に示したように、左右のパターン配線104,104の間を鎖交するため、パターン配線104に起電力が生じる。図9(b),(c)の状態を等価回路で表すと図9(e)のようになる。従って、伝送コイル101には交番磁場Bによって誘導された誘導電流が流れ、此の誘導電流が薄膜サーミスタ(感熱部105)を通過しジュール熱を生じる。従って、伝送コイル101の上面に異物が存在しない場合でも、薄膜サーミスタ(感熱部105)では一定の温度上昇が生じるため、異物の誤検出を生じるという問題がある。特許文献2記載の異物検出装置(温度検知手段(39))、特許文献3記載の異物検出装置(温度検出シート(30))についても同様の問題がある。
特許文献4記載の異物検出装置(シート状感温センサ)は、電流が面内を自由な経路で流れるため、特許文献1〜3のような線状の温度センサを用いたものに比べて検出感度が大幅に低下するという問題がある。特許文献5記載の異物検出装置(焦電型赤外線センサ)は、焦電型赤外線センサの視界を遮るような凹凸があった場合には、複数の焦電型赤外線センサを設けて死角をカバーする必要があり、装置が複雑となりコストも高くなる。また、給電コイル上に突出させた焦電型赤外線センサの取付け構造も別途必要であり、給電コイル上に余分な突起が生じるため好ましくない。特許文献6記載の異物検出装置(ヒューズ線)は、異物の過熱によりヒューズ線が溶解することによって異物を検出するものであるが、異物が検出される度にヒューズ線が劣化又は断線するために頻繁な部品交換が必要とされ、あまり実用的とはいえない。
そこで、本発明の目的は、高感度で異物検出が可能であるとともに、誘導電流の発熱の問題を回避することが可能で、且つ低コストで構成することが可能な非接触給電装置の異物検出素子を提供することにある。
本発明に係る非接触給電装置の異物検出素子の第1の構成は、給電コイルと受電コイルとの間で非接触給電を行う非接触給電装置において、前記給電コイル又は前記受電コイルの、両コイルが対向する対向面側に配設して用いられる異物検出素子であって、
シート状の絶縁体からなる可撓性のベースシートと、
前記ベースシートのシート面に沿って線状に配線された、一対のリード導体からなるリード導体対と、
前記リード導体対の両リード導体間に接続された、面実装タイプのサーミスタチップと、を備え、
前記リード導体対の両リード導体は、互いに電気的に絶縁されており、且つ、前記ベースシートのシート面に垂直な方向に並列するように配線され又は互いに捩り合わせた撚線状に配線されていることを特徴とする。
此の構成によれば、一対のリード導体をベースシートのシート面に垂直な方向(ベースシートの表面側から裏面側の方向)に並列するように平行に配線し、又は互いに捩り合わせた撚線状に配線したことにより、両リード導体の間を鎖交する磁束Bは略0となる。従って、両リード導体間には誘導電流は生ぜず、各サーミスタチップにおいて誘導電流による発熱も生じない。故に、「発明が解決しようとする課題」欄に於いて説明したような誘導電流による異物の誤検出の問題は発生せず、高感度で異物検出が可能となる。
ここで、「面実装タイプのサーミスタチップ」とは、外部接続用のリード線を持たないタイプのサーミスタ素子をいう。リード線を持つタイプのリード付サーミスタでは、両リード線の間に比較的広い空間が必然的に生じてしまうため、此の両リード線間の空間を鎖交する交番磁束により誘導電流が生じてサーミスタが発熱し、精度の良い異物検出を行うことができない。
本発明に係る非接触給電装置の異物検出素子の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記ベースシートは、最下層の下層ベースシート、中層の中層ベースシート、及び最上層の上層ベースシートを絶縁性樹脂の接着剤で貼り合わせて構成され、前記下層ベースシート、前記中層ベースシート、及び前記上層ベースシートは、其々、絶縁樹脂フィルムで構成されており、
前記リード導体対の両リード導体は、前記中層ベースシートを挟んで、前記ベースシートのシート面に垂直な方向に並列するように平行に配線された長尺なシート状導体で構成されており、
前記各リード導体の其々に同数個形成された、一乃至複数のサーミスタランドを備え、
前記サーミスタチップは、一方の前記リード導体の前記サーミスタランドと他方の前記リード導体の前記サーミスタランドの間に半田付けされていることを特徴とする。
此の構成によれば、ベースシート及び両リード導体は、FPC(flexible printed circuit)として一体に製造することが可能であり、異物検出素子の設置も給電コイル上面に貼着するだけであるため、極めて低コストで構成することが可能である。
本発明に係る非接触給電装置の異物検出素子の第3の構成は、前記第1又は第2の構成に於いて、前記リード導体対の両リード導体の、前記サーミスタチップが接続された箇所よりも基端側には、其々、外部リード線を半田付け可能な複数の外部接続用ランドが、所定の間隔をおいて複数個形成されていることを特徴とする。
此の構成によれば、用途に応じて、外部リード線を半田付けする外部接続用ランドを残して、該外部接続用ランドよりも基端側の不要部分を切断して使用することで、1つの異物検出素子で多用途に適用することが可能となる。
本発明に係る非接触給電装置の構成は、給電コイルと受電コイルとの間で非接触給電を行う非接触給電装置であって、前記給電コイル又は前記受電コイルの、両コイルが対向する対向面側に、前記第1乃至3の何れか一の構成の異物検出素子が貼設されていることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、一対のリード導体をベースシートのシート面に垂直な方向に並列するように平行に配線し、又は互いに捩り合わせた撚線状に配線したことにより、両リード導体の間を鎖交する磁束Bは略0となる。従って、両リード導体間には誘導電流は生ぜず、各サーミスタチップにおいて誘導電流による発熱も生じない。故に、誘導電流による異物の誤検出の問題は発生せず、高感度で異物検出が可能となる。また、ベースシート及び両リード導体は、FPC(flexible printed circuit)として一体に製造することが可能であり、異物検出素子の設置も給電コイル上面に貼着するだけであるため、極めて低コストで構成することが可能である。
本発明の実施例1に係る非接触給電装置の異物検出素子の外観斜視図である。 図1の異物検出素子の分解斜視図である。 (a)は図1の異物検出素子のサーミスタチップを除く部分の平面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。 図1の異物検出素子1を非接触給電装置の給電コイルに装着した例を示す図である。(a)異物検出素子1を給電コイルに貼着した状態を示す平面図、(b)図4(a)のA−A線矢視断面図、(c)異物検出素子の断面を給電コイルが発生する磁束が通過する状態を示す図。 本発明の実施例2に係る非接触給電装置の異物検出素子の平面図である。(a)は全体図、(b)は(a)の切断線Aで切断した状態を表す図である。 本発明の実施例3に係る異物検出素子の平面図である。 実施例3に係る異物検出素子において、リード導体をジグザグ配線した例を示す図である。 本発明の実施例3に係る非接触給電装置の異物検出素子の(a)平面図及び(b)断面図である。 特許文献1記載の異物検出装置を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る非接触給電装置の異物検出素子の外観斜視図である。図2は、図1の異物検出素子の分解斜視図である。図3(a)は、図1の異物検出素子のサーミスタチップを除く部分の平面図、図3(b)は、図3(a)のA−A線矢視断面図である。図1〜図3において、本実施例の異物検出素子1は、ベースシート2、一対のリード導体3a,3b、4個のサーミスタチップ4_1〜4_4を備えている。
ベースシート2は、シート状の絶縁体からなる半透明の可撓性の絶縁樹脂フィルムであり、最下層の下層ベースシート2a、中層の中層ベースシート2b、及び最上層の上層ベースシート2cの3枚の絶縁樹脂フィルムを絶縁性樹脂の接着剤5a,5bで貼り合わせることによって構成されている。ベースシート2の素材としては、通常のFPC(flexible printed circuit)で用いられているようなポリイミド等の樹脂を使用することができる。
リード導体3a,3bは、ベースシート2のシート面(表裏面)に沿って線状に配線された長尺偏平状のシート状導体である。リード導体3a,3bの素材としては、銅などの良伝導性金属が使用される。これら2つのリード導体3a,3bは、ベースシートの表面側から裏面側の方向(即ち、シート面に垂直な方向)に並列するように平行に配線されている。リード導体3a,3bは、下層ベースシート2aと上層ベースシート2cとの間に挟み込まれ、また、リード導体3a,3bの間には中層ベースシート2bが挟み込まれており、中層ベースシート2bによってリード導体3a,3b間は電気的に絶縁されている(図3(b)参照)。また、リード導体3a,3bは、長手方向の中心軸に対して左右対称に形成されている。各リード導体3a,3bには、基端部に外部接続用ランド3cが突出形成され、先端部及び中間部には、チップ搭載用ランド3dが一定の間隔で突出形成されている。リード導体3aの外部接続用ランド3c及び各チップ搭載用ランド3d,3d,3d,3dに対向する上層ベースシート2cの部分にはスルーホール(貫通孔)が形成されており、リード導体3bの外部接続用ランド3c及び各チップ搭載用ランド3d,3d,3d,3dに対向する中層ベースシート2b及び上層ベースシート2cの部分には開口が形成されている。これにより、各外部接続用ランド3c及び各チップ搭載用ランド3dは、上層ベースシート2cの側に露出しており、これらの各ランドに外部リード線やサーミスタチップ4_1〜4_4を半田付けすることができる。リード導体3a,3bの各ランド以外の部分(リード線部)は、図3(a)に示したように、ベースシート2のシート面からの平面視で、両者が重なり合うように配置されている。尚、リード導体3a,3bの幅は、非接触給電装置の給電コイルが発生する交番磁場によりリード導体3a,3b内に誘導される渦電流の影響が無視できる程度となるように、交番磁場の周波数に応じて十分に細くする。例えば、交番磁場の周波数が80kHzの場合には、リード導体3a,3bの幅は0.1mm以下にすれば渦電流の影響は無視できる。
各サーミスタチップ4_1〜4_4は、面実装タイプのサーミスタ素子である。サイズは、長さ(左右の電極間方向の長さ)が0.5〜2mm程度の、できるだけ小型のものが使用される。図3(b)に示すように、各チップ搭載用ランド3dは、上層ベースシート2c,中層ベースシート2bの開口を通して上層ベースシート2cの表面に露出しており、此の露出部分にサーミスタチップ4_1〜4_4の電極が半田付けされている。
以上のような構成の本実施例の異物検出素子1について、以下その異物検出素子1を適用した非接触給電装置について説明する。図4は、図1の異物検出素子1を非接触給電装置の給電コイルに装着した例を示す図である。図4(a)は、異物検出素子1を給電コイルに貼着した状態を示す平面図、図4(b)は図4(a)のA−A線矢視断面図、図4(c)は異物検出素子の断面を給電コイルが発生する磁束が通過する状態を示す図である。
図4(a),(b)において、給電コイル10は、全体形状が円柱形であり、磁性体コア10aと巻線10bから構成されている。非接触給電装置では、此の給電コイル10の上部に受電コイル(図示せず)を対向して配置して磁気結合させ、給電コイル10に対して共振周波数の交流電流を通電することによって、給電コイル10から受電コイルへ送電が行われる。図4の例では、磁性体コア10aは円柱形であり、その上面には、円環状の凹溝10cが凹設されており、此の凹溝10c内に円環状の巻線10bが嵌設されている。巻線10bの上面は、磁性体コア10aの上面と略面一とされている。
本実施例の異物検出素子1は、図4(a),(b)に示したように、給電コイル10の上面から側面にかけて、各サーミスタチップ4_1〜4_4が給電コイル10の上面に位置するように貼設される。異物検出素子1の基端部側は下方に折り曲げられ、給電コイル10の側面に沿って貼着されている。また、異物検出素子1の基端部にある外部接続用ランド3cには、外部リード線11,11が半田付けされ、各サーミスタチップ4_1〜4_4の端子電圧の検出回路(図示せず)に接続される。給電コイル10の上面側に金属等の導電性の異物が存在すると、給電コイル10が発生する交番磁場によって異物内に渦電流が誘電され、発熱する。此の発熱による温度上昇を各サーミスタチップ4_1〜4_4によって検出することで、給電コイル10の上面側に異物が存在するか否かが検出される。
給電コイル10に交番電流が通電された場合において、給電コイル10の上面に貼着された異物検出素子1には、図4(c)に示したような、ベースシート2のシート面に垂直な方向の磁束Bが貫通することになる。此のとき、ベースシート2内のリード導体3a,3bは、ベースシート2の表面側から裏面側の方向(即ち、シート面に垂直な方向)に並列するように平行に配線され、リード導体3aとリード導体3bの間隔は中層ベースシート2bの厚み分(ベースシート2に通常のFPC用のポリイミドフィルムを用いた場合では、10〜30μm程度)しかなく極狭いため、磁束はリード導体3a及びリード導体3bの導体面に垂直に通過して、リード導体3a,3bの間を鎖交する磁束Bは略0である。従って、リード導体3a,3b間には誘導電流は生ぜず、各サーミスタチップ4_1〜4_4において誘導電流による発熱も生じない。故に、「発明が解決しようとする課題」欄に於いて説明したような誘導電流による異物の誤検出の問題は発生せず、高感度で異物検出が可能となる。また、ベースシート2及びリード導体3a,3bは、図1に示したように、FPC(flexible printed circuit)として一体に製造することが可能であり、異物検出素子1の設置も図4のように給電コイル10上面に貼着するだけであるため、極めて低コストで構成することが可能である。
尚、給電コイルへの貼設時に、給電コイル上面に容易に貼着できるように、ベースシート2の裏面(下層ベースシート2aの裏面)に予め糊を塗布しておき、異物検出素子1全体をシールとして構成することも出来る。此の場合、ベースシート2の裏面を剥離自在な台紙に貼った状態で提供し、使用時に台紙から異物検出素子1を剥がして給電コイル上面に貼着することで、簡単に設置することが出来る。
また、本実施例に於いて、チップ搭載用ランド3d,3d対の数は4対、サーミスタチップ4の数は4個としているが、用途に応じてチップ搭載用ランド3d,3d対及びサーミスタチップ4の数は任意に変更することが出来る。更に、チップ搭載用ランド3d,3d対及びサーミスタチップ4の間隔も、用途に応じて任意に変更することが出来る。
図5は、本発明の実施例2に係る非接触給電装置の異物検出素子の平面図である。図5(a)は全体図、図5(b)は図5(a)の切断線Aで切断した状態を表す図である。図5において、図1と同様の部分については同符号を附している。尚、本実施例に於いて、リード導体3a,3bは、図3(b)と同様に、ベースシートの表面側から裏面側の方向(即ち、シート面に垂直な方向)に並列するように平行に配線されており、下層ベースシート2aと上層ベースシート2cとの間に挟み込まれ、また、リード導体3a,3bの間には中層ベースシート2bが挟み込まれており、中層ベースシート2bによってリード導体3a,3b間は電気的に絶縁されている。各チップ搭載用ランド対3d,3dには、図1と同様にサーミスタチップ4が半田付けされる。図5では、説明の便宜上、サーミスタチップ4は図示を省略している。
本実施例の異物検出素子1は、リード導体3a,3bの基端側に外部接続用ランド対3c,3cが、所定の間隔で複数対設けられた点が実施例1の場合と異なっている。尚、図5(a)では、外部接続用ランド対3c,3cが3対の例を記載しているが、外部接続用ランド対3c,3cの数は任意の数とすることができる。また、図5(a)において、3つの外部接続用ランド対3c,3cの各々は、一方がリード導体3aに接続され、他方がリード導体3bに接続されている。
3つの外部接続用ランド対3c,3cを、ベースシート2の基端側から、第1の外部接続用ランド対3c,3c、第2の外部接続用ランド対3c,3c、第3の外部接続用ランド対3c,3cと呼ぶ。ベースシート2の第2及び第3の外部接続用ランド対3c,3cの近傍の基端側には、切取線A,Bが印刷され、又はミシン目により刻設されている。
本実施例の異物検出素子1を使用する場合、適用する給電コイル10のサイズに応じて、そのまま使用するか、若しくは切断線A又はBで切り取って使用する。例えば、切取線Aで切り取って使用する場合には、図5(b)のようになる。
此のように、複数の外部接続用ランド対3c,3cを所定の間隔を開けて設けて、目的に応じて切り取って長さの調節を可能としたことにより、適用する給電コイル10のサイズに応じて外部接続用ランド対3c,3cの位置を調節することができる。
図6は、本発明の実施例3に係る異物検出素子の平面図である。図6において、図1と同様の構成部分については同符号を附している。尚、本実施例に於いて、リード導体3a,3bは、図3(b)と同様に、ベースシートの表面側から裏面側の方向(即ち、シート面に垂直な方向)に並列するように平行に配線されており、下層ベースシート2aと上層ベースシート2cとの間に挟み込まれ、また、リード導体3a,3bの間には中層ベースシート2bが挟み込まれており、中層ベースシート2bによってリード導体3a,3b間は電気的に絶縁されている。19対のチップ搭載用ランド対3d,3dの各々には、図1と同様にサーミスタチップ4_1〜4_19が半田付けされる。尚、図6のチップ搭載用ランド対3d,3d及びサーミスタチップ4の数は一例であり、これらの数は用途に応じて任意に設定することが出来る。
本実施例では、ベースシート2は円形に構成されており、リード導体3a,3bは、ベースシート2の中心の周りに螺旋状に配設されている点が、実施例1と異なっている。此のように螺旋状のリード導体3a,3bに沿ってサーミスタチップ4_1〜4_19を配設することで、図4(a)のような円形コイルの上面全体での異物検出を行うことが可能となる。
尚、本実施例では、ベースシート2の形状が円形の例を示したが、ベースシート2の形状は、異物検出を行う領域形状に合わせて、多角形、楕円形など任意の形状とすることが可能である。また、リード導体3a,3bの配線は、螺線配線の代わりに、図7のようにジグザグ配線とすることもできる。
図8は、本発明の実施例3に係る非接触給電装置の異物検出素子の(a)平面図及び(b)断面図である。図8(b)は、図8(a)のA−A線矢視断面を表している。本実施例では、リード導体3a,3bをツイスト線(撚線)としたことが、実施例1と相違する。リード導体3a,3bは、其々、表面がエナメル等の絶縁被覆材で被覆された細い導体線である。リード導体bの材質としては、銅などの良導電性の金属が使用されている。ベースシート2は下層ベースシート2aと上層ベースシート2cとから構成されており、ツイスト線のリード導体3a,3bを下層ベースシート2aと上層ベースシート2cとの間に挟んだ状態で、接着剤5により下層ベースシート2aと上層ベースシート2cとが張り合わされている。リード導体3a,3bの基端側は、それぞれ、外部接続用ランド3c,3cに接続されている。また、リード導体3a,3bの基端から先端にかけて、所定間隔でチップ搭載用ランド対3d,3bが設けられており、各チップ搭載用ランド対3d,3bの一方はリード導体3aに、他方はリード導体3bにハンダ接続されている。ここで、各リード導体3a,3bの、チップ搭載用ランド対3dに接続する部分は、絶縁樹脂の被覆を部分的に剥がして、電気的に接続されている。また、各チップ搭載用ランド対3d,3bの表面には、それぞれ、サーミスタチップ4が半田付けされている。
此の場合、ツイスト線のリード導体3a,3bを鎖交する磁束は打ち消し合って略ゼロとなるため、給電コイル10が発生する交番磁場による誘導電流はツイスト線には生じない。故に、「発明が解決しようとする課題」欄に於いて説明したような誘導電流による異物の誤検出の問題は発生せず、高感度で異物検出が可能となる。また、ベースシート2及びリード導体3a,3bは、図1に示したように、FPC(flexible printed circuit)として一体に製造することが可能であり、異物検出素子1の設置も図4のように給電コイル10上面に貼着するだけであるため、極めて低コストで構成することが可能である。
1 異物検出素子
2 ベースシート
2a 下層ベースシート
2b 中層ベースシート
2c 上層ベースシート
3a,3b リード導体
3c 外部接続用ランド
3d チップ搭載用ランド
4,4_1〜4_19 サーミスタチップ
5,5a,5b 接着剤
10 給電コイル
10a 磁性体コア
10b 巻線
10c 凹溝
11 外部リード線

Claims (4)

  1. 給電コイルと受電コイルとの間で非接触給電を行う非接触給電装置において、前記給電コイル又は前記受電コイルの、両コイルが対向する対向面側に配設して用いられる異物検出素子であって、
    シート状の絶縁体からなる可撓性のベースシートと、
    前記ベースシートのシート面に沿って線状に配線された、一対のリード導体からなるリード導体対と、
    前記リード導体対の両リード導体間に接続された、面実装タイプのサーミスタチップと、を備え、
    前記リード導体対の両リード導体は、互いに電気的に絶縁されており、且つ、前記ベースシートのシート面に垂直な方向に並列するように配線され又は互いに捩り合わせた撚線状に配線されていることを特徴とする異物検出素子。
  2. 前記ベースシートは、最下層の下層ベースシート、中層の中層ベースシート、及び最上層の上層ベースシートを絶縁性樹脂の接着剤で貼り合わせて構成され、前記下層ベースシート、前記中層ベースシート、及び前記上層ベースシートは、其々、絶縁樹脂フィルムで構成されており、
    前記リード導体対の両リード導体は、前記中層ベースシートを挟んで、前記ベースシートのシート面に垂直な方向に並列するように平行に配線された長尺なシート状導体で構成されており、
    前記各リード導体の其々に同数個形成された、一乃至複数のサーミスタランドを備え、
    前記サーミスタチップは、一方の前記リード導体の前記サーミスタランドと他方の前記リード導体の前記サーミスタランドの間に半田付けされていることを特徴とする請求項1記載の異物検出素子。
  3. 前記リード導体対の両リード導体の、前記サーミスタチップが接続された箇所よりも基端側には、其々、外部リード線を半田付け可能な複数の外部接続用ランドが、所定の間隔をおいて複数個形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の異物検出素子。
  4. 給電コイルと受電コイルとの間で非接触給電を行う非接触給電装置であって、前記給電コイル又は前記受電コイルの、両コイルが対向する対向面側に、請求項1乃至3の何れか一記載の異物検出素子が貼設されていることを特徴とする非接触給電装置。
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