JP3354105B2 - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JP3354105B2 JP29529498A JP29529498A JP3354105B2 JP 3354105 B2 JP3354105 B2 JP 3354105B2 JP 29529498 A JP29529498 A JP 29529498A JP 29529498 A JP29529498 A JP 29529498A JP 3354105 B2 JP3354105 B2 JP 3354105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用及び業務用
の電熱加熱機器に用いられる面状の発熱体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来よりホットカーペットなどの電熱加
熱機器には、ニクロム線ヒーターなどの線状の発熱体を
面状に配置したものを熱源として用いていた。また、近
年、絶縁性物質から成る基体にAg系、カーボン系とい
った抵抗発熱物質をコーティング、又は印刷して皮膜を
形成した面状発熱体も公知である。
【0003】上記従来の発熱体では、交流電流が流れる
と導電体の周囲に電流の周波数と同じ周波数の磁界が生
じ、これによって電界磁界の両方を含む波動(電磁波)が
発生する。この電磁波は大きなものではAV製品や精密
機器などにノイズを与えるおそれがある。特に、カーペ
ットや電気毛布など人体に触れるような電熱加熱機器に
ついては、電磁波が人体に与える影響を懸念する報告も
あるため、電磁波の発生を低減していかなければならな
い。
【0004】電磁波の発生が抑えられた面状発熱体につ
いては、特願平8−155458号に開示されている。
図13は該面状発熱体の構成を示している。図に示すよ
うに、シート状の絶縁基体21の両面には抵抗発熱物質
から成る発熱皮膜22a,22bが、スクリーン印刷又
はコーティングによって形成されている。この両面の発
熱皮膜22a,22bは導体23によって短絡されてい
る。また、各発熱皮膜22a,22bには電極24a,2
4bが設けられており、これらの電極24a,24bは
温度調節部材25を介して交流電源に接続される。
【0005】磁界は電流が流れている導電体の周囲に作
り出され、電流の流れる方向の右ねじ方向に生じる。2
本の平行導線に互いに逆向きの電流を流した場合、それ
ぞれ逆向きの磁界が発生して互いに磁界を打ち消し合う
ので電磁波は発生しない。上記従来の面状発熱体に通電
すると、図13中矢印Bで示すように発熱皮膜22a,
22bには互いに逆方向の電流が流れる。故に、各発熱
皮膜22a,22bに発生する磁界は互いに他の磁界に
打ち消される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
願平8−155458号に開示された面状発熱体では、
絶縁基体21の両面に発熱皮膜22a,22bをそれぞ
れ形成しなければならず、その製作は手間の要するもの
であった。このような製作上での欠点やコストの問題な
ど、特願平8−155458号では未だ充分ではない。
【0007】本発明は上記課題をかんがみて成されたも
のであり、電磁波の低減が図られた面状発熱体であっ
て、製作が簡単で且つコストの安い面状発熱体を提供す
ることを目的とする。また、本発明では上述した電磁波
の低減や製作工程の簡略化に加えて、さらに性能がよく
安全な面状発熱体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の面状発熱体は、抵抗発熱物質から成る発
熱皮膜が片面に形成されたシート状の絶縁基体を折り返
して成るものであって、その折り返し方向は前記発熱皮
膜上で互いに離れて設けられた2つの電極を介して前記
発熱皮膜に通電したときに生じる電流方向と垂直である
とともに、前記発熱皮膜のパターンは前記折り返し方向
に対して線対称でなく、折り返しは前記発熱皮膜を内側
にして行われ、且つ、折り返しの際に前記絶縁基体の周
縁部を中に折り込ませて前記各電極を覆うことを特徴と
する。この面状発熱体では、発熱被膜は通電の際の電流
方向と垂直な方向に折り返されていることから、2層に
なった発熱皮膜の各層では電流方向が逆向きとなり、互
いに発生した磁界を打ち消し合う。また、この面状発熱
体では、発熱皮膜が線対称でないパターンで形成されて
いることから、折り返しても内側で発熱皮膜どうしが重
ならず、発熱皮膜が形成されていない部分、即ち絶縁基
体と発熱皮膜とが密接する。さらに、折り込まれた絶縁
基体の周縁部によって電極が互いに絶縁される。
【0009】請求項2の面状発熱体は、抵抗発熱物質か
ら成る発熱皮膜が片面に形成されたシート状の絶縁基体
を折り返して成るものであって、その折り返し方向は前
記発熱皮膜上で互いに離れて設けられた2つの電極を介
して前記発熱皮膜に通電したときに生じる電流方向と垂
直であるとともに、前記発熱皮膜の折り返し部分に第2
の導電層を設けたことを特徴とする。この面状発熱体で
は、発熱被膜は通電の際の電流方向と垂直な方向に折り
返されていることから、2層になった発熱皮膜の各層で
は電流方向が逆向きとなり、互いに発生した磁界を打ち
消し合う。また、この面状発熱体では、発熱皮膜の折り
返し部分に導電層を設けていることから、折り返し部の
発熱皮膜の抵抗上昇を防ぐことができ、その部分だけ温
度が高くなるといった不都合がない。
【0010】請求項3の面状発熱体は、請求項1に記載
の面状発熱体において、前記発熱皮膜の折り返し部分に
第2の導電層を設けたことを特徴とする。
【0011】この面状発熱体では発熱皮膜の折り返し部
分に導電層を設けていることから、折り返し部の発熱皮
膜の抵抗上昇を防ぐことができ、その部分だけ温度が高
くなるといった不都合がない。
【0012】請求項4の面状発熱体は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の面状発熱体において、前記2
つの電極の位置が重なるように前記絶縁基体を折り返し
たことを特徴とする。電極には発熱皮膜に比べて大電流
が流れることから強い磁界が発生する。故に、折り返し
て2つの電極の位置を重ねることで、一方の電極による
磁界を他方の電極による磁界で打ち消すことができる。
【0013】請求項5の面状発熱体は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載の面状発熱体において、前記発
熱皮膜と前記電極との間に第1の導電層を介在させたこ
とを特徴とする。故に、発熱皮膜へは第1の導電層を介
して電極より電気が流れる。
【0014】請求項6の面状発熱体は、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載の面状発熱体において、発熱皮
膜に対して平行に延在し発熱皮膜及び電極から絶縁され
た第3の導電層と、発熱皮膜への通電を制御する制御手
段と、第3の導電層に電流が流れていることを検知する
検知手段とを有し、検知手段は第3の導電層に電流が流
れていることを検知するとその信号を制御手段に出力
し、制御手段は該信号を受信すると発熱皮膜への通電を
遮断することを特徴とする。
【0015】上記構成の面状発熱体では、通常、第3の
導電層は発熱皮膜に対して絶縁されているので電流は流
れない。この導電層が発熱皮膜と短絡されて電流が流れ
ると、検知手段により電流が流れたことが検知され、そ
の信号を受信した制御手段では発熱皮膜への通電を遮断
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態につ
いて図面を参照して説明する。先ず、第1実施形態につ
いて説明する。図1は本実施形態の面状発熱体の絶縁基
体を示した図である。この絶縁基体1は絶縁性物質から
成るシートであって、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(以下、「PETフィルム」という。)などを用いるとよ
い。
【0017】絶縁基体1の上面には、導電性ペーストを
矩形状にスクリーン印刷して発熱皮膜2を形成してい
る。尚、スクリーン印刷工程のほかにコーティング工程
によって発熱皮膜2を形成してもよい。また、矩形状の
発熱皮膜2の対向する二辺には銅箔3a,3bが導電性
接着剤によって接着されており、電極を構成している。
【0018】本実施形態の面状発熱体は、図1に示す絶
縁基体1を発熱皮膜2が外側となるように直線Lで折り
返して成るものである。この直線Lは電極3a,3bを
介して発熱皮膜2に通電したときの電流方向に対して垂
直であり、発熱皮膜2及び電極3a,3bはこの直線L
を対称軸として線対称となるように設けられている。
【0019】図2は本実施形態の面状発熱体の断面を示
した概略図である。発熱皮膜2を外側にして折り返され
た絶縁基体1は、表面がラミネートフィルム4によって
絶縁、保護される。また、電極3a,3bは発熱皮膜2
の通電を制御する温度調節部材5を介して交流電源6に
接続される。
【0020】上記面状発熱体の発熱皮膜2に通電すると
発熱皮膜2全体として一方向に電流が流れるが(例えば、
図2中矢印A)、発熱皮膜2は折り返されて2層になっ
ていることからその各層で電流方向は互いに逆向きとな
る。故に、それぞれ逆方向の磁界が生じて互いに打ち消
し合い、電磁波の発生が抑えられる。本実施形態の磁界
強度は、線状発熱体を面状に配置した従来技術のそれに
比べて1/10以下に低減した。また、本実施形態の面
状発熱体は絶縁基体1の片面にのみ発熱皮膜2を形成し
それを折り返しただけの構成なので、製作は簡単でコス
トも安くすむ。
【0021】次に、第2実施形態について説明する。本
実施形態の面状発熱体は、図1に示す第1実施形態と同
様に片面に発熱皮膜2と電極3a,3bを設けた絶縁基
体1を、発熱皮膜2を内側にして直線Lで折り返したも
のである。
【0022】図3は本実施形態の面状発熱体の断面を示
した概略図である。発熱皮膜2を内側にして折り返され
た絶縁基体1は、面状発熱体の表面となって発熱皮膜2
を絶縁、保護している。また、折り返したときに内側で
重なり合う発熱皮膜2及び電極3a,3bの間には絶縁
性物質から成る絶縁シート7が挿入される。
【0023】本実施形態の面状発熱体も第1実施形態と
同様に、折り返されて2層になった発熱皮膜2に通電す
ると各層では電流方向が逆向きとなる。従って、互いに
逆方向の磁界が打ち消し合って電磁波の発生が抑えられ
る。本実施形態は線状発熱体を面状に配置した従来技術
に比べて電磁波が1/10以下に低減した。また、絶縁
基体1の片面にのみ発熱皮膜2を形成しそれを折り返し
ただけの構成なので、製作は簡単でコストも安くすむ。
【0024】次に、第3実施形態について説明する。本
実施形態の面状発熱体は、図2に示す第1実施形態と発
熱皮膜2の形成パターンだけが異なるものである。図4
は本実施形態の面状発熱体の絶縁基体1を示した図であ
る。この絶縁基体1の上面には、折り返し方向Lが対称
軸となるように発熱皮膜2が線対称に形成されている。
また、電極3a,3bも対称な位置に設けられている。
【0025】本実施形態の面状発熱体では、上記絶縁基
体1が図2に示す第1実施形態と同様に、発熱皮膜2が
外側となるように折り返されることから、2層になった
発熱皮膜2に通電すると各層では逆向きの電流が発生し
磁界が互いに打ち消し合って電磁波の発生が抑えられ
る。本実施形態の磁界強度は、線状発熱体を面状に配置
した従来技術のそれに比べて1/10以下に低減した。
また、絶縁基体1の片面にのみ発熱皮膜2を形成しそれ
を折り返しただけの構成なので、製作は簡単でコストも
安くすむ。
【0026】尚、本実施形態のように発熱皮膜2が線対
称なパターンで形成されたものを、図3に示す第2実施
形態と同様に発熱皮膜2が内側になるように対称軸で折
り返してもよい。また、発熱皮膜2のパターンは図4に
限らず、線対称であればどのようなものでもよい。この
ように、発熱皮膜2のパターンが自在に設計できること
から、抵抗調整を容易に行うことができる。
【0027】次に、第4実施形態について説明する。本
実施形態の面状発熱体は絶縁基体1の片面に線対称でな
いパターンに発熱皮膜2を形成し、第2実施形態と同様
に発熱皮膜2を内側にして折り返したものである。図5
は本実施形態の面状発熱体の絶縁基体1を示した図であ
る。この絶縁基体1の上面には、折り返し方向Lで線対
称とならないように発熱皮膜2が形成されている。ま
た、電極3a,3bはこの直線Lに対して対称な位置に
設けられている。
【0028】図6は発熱皮膜2を内側にして直線L(図
5参照)で折り返した絶縁基体1を示しており、その内
側の発熱皮膜2及び電極3a,3bを示した図である。
発熱皮膜2は線対称でないパターンで形成されているこ
とから、互いに重なる面積が第1乃至第3実施形態より
も小さくなっており、その部分にのみ絶縁シート7を挿
入している。
【0029】この面状発熱体では、折り返されて2層に
なった発熱皮膜2はほとんどの部分で重ならないことか
らそれだけ互いの距離が遠くなり、磁界の打ち消しは弱
くなる。しかしながら、大電流が流れる電極3a,3b
は予め折り返し方向Lに対して対称に設けられているこ
とから重なることができ、発生する電磁波は充分低減さ
れる。本実施形態は、線状発熱体を面状に配置した従来
技術に比べて電磁波が約1/8に低減した。
【0030】また、絶縁基体1の片面にのみ発熱皮膜2
を形成しそれを折り返しただけの構成なので、製作は簡
単でコストも安くすむ。特に、絶縁シート7の配置面積
が小さいことからコストがより安くなる。さらに、図6
に示すように、発熱皮膜2を線対称でないパターンとす
ることで折り返したときに発熱皮膜2を均一に分布させ
ることができ、面状発熱体全体での温度が均一になりや
すい。
【0031】尚、本実施形態のように発熱皮膜2が線対
称でないパターンで形成されたものを、図2に示す第1
実施形態と同様に発熱皮膜2が外側になるように折り返
してもよい。また、発熱皮膜2のパターンは図5に限ら
ず、線対称でなければどのようなものでもよい。このよ
うに発熱皮膜2のパターンが自在に設計できることか
ら、抵抗調整を容易に行うことができる。
【0032】次に、第5実施形態について説明する。本
実施形態の面状発熱体は、図5に示す第4実施形態と電
極3a,3bの絶縁方法が異なるものである。図7は本
実施形態の面状発熱体の断面を示した概略図である。絶
縁基体1の周縁部は絶縁基体1の折り返しと共に中に折
り込まれて電極3a,3bを覆っており、これらを絶縁
している。
【0033】本実施形態の面状発熱体は、第4実施形態
と同様に電磁波の発生が抑えられ、また製作が簡単でコ
ストが安いものである。特に、絶縁基体1の周縁部を折
り込んで電極3a,3bどうしを絶縁したことから、絶
縁シートを配置する必要がなくさらにコストが安くす
む。
【0034】尚、図7では、便宜上、2層となった発熱
皮膜2の間に空間を有するように示されているが、実際
はこのような空間はない。即ち、絶縁基体1、発熱皮膜
2、及び電極3a,3bはいずれも非常に薄いものであ
るから、発熱皮膜2と対向する絶縁基体1とは密接する
ことができる。
【0035】次に、第6実施形態について説明する。図
8は本実施形態の面状発熱体の断面を示した概略図であ
る。この面状発熱体では、図1に示す第1実施形態と同
様に絶縁基体1には片面に矩形状の発熱皮膜2が形成さ
れている。また、該発熱皮膜2の適当な位置に銀ペース
トをスクリーン印刷して導電層8を形成し、その上に電
極3a,3bを設けている。
【0036】本実施形態の面状発熱体では、上記絶縁基
体1が図2に示す第1実施形態と同様に、発熱皮膜2が
外側となるように折り返されることから、2層になった
発熱皮膜2に通電すると各層では逆向きの電流が発生し
磁界が互いに打ち消し合って電磁波の発生が抑えられ
る。また、絶縁基体1の片面にのみ発熱皮膜2を形成し
それを折り返しただけの構成なので、製作は簡単でコス
トも安くすむ。
【0037】また、発熱皮膜2と電極3a,3bとの間
に導電層8を設けたことによって接触抵抗が小さくな
り、発熱体の寿命が長くなる。本実施形態の面状発熱体
では長期の通電試験や折り曲げ試験を行った場合、線状
発熱体を面状に配置した従来技術のそれに比べて抵抗変
化率が10%以下小さくなった。
【0038】次に、第7実施形態について説明する。図
9は本実施形態の面状発熱体の断面を示した概略図であ
る。この面状発熱体では、図1に示す第1実施形態と同
様に絶縁基体1には片面に矩形状の発熱皮膜2が形成さ
れており、その対向する二辺には電極3a,3bが設け
られている。また、発熱皮膜2の折り返し部分に銀ペー
ストをスクリーン印刷又はコーティングすることで導電
層8を形成している。尚、この導電層8は金属箔を導電
性接着剤にて接着して形成してもよいし、補強のため銀
ペーストと導電性接着剤付き金属箔との2層にしてもよ
い。
【0039】本実施形態の面状発熱体では、上記絶縁基
体1が図2に示す第1実施形態と同様に、発熱皮膜2が
外側となるように折り返されることから、2層になった
発熱皮膜2に通電すると各層では逆向きの電流が発生し
磁界が互いに打ち消し合って電磁波の発生が抑えられ
る。また、絶縁基体1の片面にのみ発熱皮膜2を形成し
それを折り返しただけの構成なので、製作は簡単でコス
トも安くすむ。また、発熱皮膜2の折り曲げ部分に導電
層8を設けたことによって、折り返し部分の抵抗の上昇
を防ぐことができる。
【0040】次に、第8実施形態について説明する。図
10は本実施形態の面状発熱体の断面を示した概略図で
ある。絶縁基体1には、図1に示す第1実施形態と同様
に、片面に発熱皮膜2と電極3a,3bを設けておく。
また、その裏面にはアルミなどから成る金属箔9を貼っ
ておき、発熱皮膜2を外側にして折り返す。従って、こ
の金属箔(導電層)9は絶縁基体1の間に挟まれて絶縁さ
れている。
【0041】図11は本実施形態の面状発熱体の動作を
示す構成図である。図に示すように、発熱皮膜2は温度
調節部材5の制御手段12を介して交流電源6に接続さ
れている。操作手段13で使用者により発熱体の温度が
設定されると、制御手段12では設定温度となるように
発熱皮膜2への通電を制御する。
【0042】いま、図10に示すように、金属ピン10
などの導体が刺さって導電層9にまで達すると、導電層
9と発熱皮膜2が短絡されて絶縁されていた導電層9に
電流が流れる。図11において、検知手段11では導電
層9に電流が流れたことを検知し、その信号を制御手段
12へ出力する。これを受信した制御手段12では、発
熱皮膜2への通電を遮断する。
【0043】従って、本実施形態の面状発熱体は金属ピ
ン10が刺さるなどして漏電や感電のおそれが生じて
も、発熱体への通電が自動的に遮断されるという便利で
安全なものである。また、本実施形態では、発熱皮膜2
に沿って一面に良好な熱伝導性を有する導電層9が設け
られていることから均熱効果が得られる。
【0044】次に、第9実施形態について説明する。図
12は本実施形態の面状発熱体の断面を示した概略図で
ある。図3に示す第2実施形態と同様に片面に矩形状の
発熱皮膜2と電極3a,3bを形成した絶縁基体1を、
発熱皮膜2を内側にして折り返している。また、発熱皮
膜2を内側にして折り曲げたときに挿入する絶縁シート
7はPETフィルムでアルミニウム箔(導電層)9を挟持
したものである。
【0045】本実施形態の面状発熱体では、第8実施形
態と同様に、金属ピン10などの導体が刺さって導電層
9にまで達すると、導電層9と発熱皮膜2が短絡されて
絶縁されていた導電層9に電流が流れる。そして、図1
1に示したように温度調節部材5に備えられた検知手段
11及び制御手段12によって、自動的に通電が遮断さ
れる。従って、漏電や感電のおそれがなく便利で安全で
ある。また、本実施形態では、発熱皮膜2に沿って一面
に良好な熱伝導性を有する導電層9が設けられているこ
とから均熱効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の面状発
熱体は、片面に発熱皮膜が形成された絶縁基体を折り返
す構成となっていることから、電磁波の発生が抑えられ
るだけでなく、従来技術に比べて製作が簡単でコストも
安くすむ。また、発熱皮膜を内側にして折り返しても、
発熱皮膜が線対称でないパターンに形成されていること
から発熱皮膜どうしが重なり合うことがなく、その間に
絶縁性物質を挿入して絶縁する必要がない。また、電極
は絶縁基体の周縁部によって覆われ絶縁されることか
ら、特にその部分に絶縁性物質を用いなくてもよい。故
に、コストがさらに安くてすむ。
【0047】また、請求項2の面状発熱体は、片面に発
熱皮膜が形成された絶縁基体を折り返す構成となってい
ることから、電磁波の発生が抑えられるだけでなく、従
来技術に比べて製作が簡単でコストも安くすむ。そして
発熱皮膜の折り返し部分に導電層を設けていることか
ら、折り返し部の発熱皮膜の抵抗上昇を防ぐことがで
き、その部分だけ温度が高くなるといった不都合がな
い。
【0048】また、請求項3の面状発熱体は、片面に発
熱皮膜が形成された絶縁基体を折り返す構成となってい
ることから、電磁波の発生が抑えられるだけでなく、従
来技術に比べて製作が簡単でコストも安くすむ。また、
発熱皮膜を内側にして折り返しても、発熱皮膜が線対称
でないパターンに形成されていることから発熱皮膜どう
しが重なり合うことがなく、その間に絶縁性物質を挿入
して絶縁する必要がない。また、電極は絶縁基体の周縁
部によって覆われ絶縁されることから、特にその部分に
絶縁性物質を用いなくてもよい。故に、コストがさらに
安くてすむ。そして発熱皮膜の折り返し部分に導電層を
設けていることから、折り返し部の発熱皮膜の抵抗上昇
を防ぐことができ、その部分だけ温度が高くなるといっ
た不都合がない。
【0049】また、請求項4の面状発熱体は、発熱皮膜
に設けられた2つの電極が折り返したときに重なる構成
となっている。故に、大電流が流れる電極では強い磁界
が発生しているが、重なることで互いに磁界を打ち消し
合って効果的に電磁波の発生を抑えたものとなる。
【0050】また、請求項5の面状発熱体は、発熱皮膜
と電極との間に導電層を介在させていることから、接触
抵抗が小さくなり、発熱体の寿命が長くなる。
【0051】また、請求項6の面状発熱体は、金属ピン
などで発熱体が破壊されたときに自動的に通電が遮断さ
れる。故に、漏電や感電を防止することができ、便利で
安全である。また、そのために設けられた導体層によっ
て均熱効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の絶縁基体を示した
図。
【図2】第1実施形態の面状発熱体の断面概略図。
【図3】本発明に係る第2実施形態の面状発熱体の断面
概略図。
【図4】本発明に係る第3実施形態の絶縁基体を示した
図。
【図5】本発明に係る第4実施形態の絶縁基体を示した
図。
【図6】第4実施形態の面状発熱体において、折り返し
た絶縁基体及び発熱皮膜を示した図。
【図7】本発明に係る第5実施形態の面状発熱体の断面
概略図。
【図8】本発明に係る第6実施形態の面状発熱体の断面
概略図。
【図9】本発明に係る第7実施形態の面状発熱体の断面
概略図。
【図10】本発明に係る第8実施形態の面状発熱体の断
面概略図。
【図11】第8実施形態の面状発熱体の動作を示す構成
図。
【図12】本発明に係る第9実施形態の面状発熱体の断
面概略図。
【図13】従来の電磁波低減対策を行った面状発熱体の
断面概略図。
【符号の説明】
1 絶縁基体 2 発熱皮膜 3a,3b 電極 4 ラミネートフィルム 5 温度調節部材 6 交流電源 7 絶縁シート 8 導体層 9 導体層 10 金属ピン 11 検知手段 12 制御手段 13 操作手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−3982(JP,A) 特開 平5−198364(JP,A) 特開 平7−27353(JP,A) 実開 平2−98485(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/20 H05B 3/03 F24C 13/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗発熱物質から成る発熱皮膜が片面に
    形成されたシート状の絶縁基体を折り返して成るもので
    あって、その折り返し方向は前記発熱皮膜上で互いに離
    れて設けられた2つの電極を介して前記発熱皮膜に通電
    したときに生じる電流方向と垂直であるとともに、前記
    発熱皮膜のパターンは前記折り返し方向に対して線対称
    でなく、折り返しは前記発熱皮膜を内側にして行われ、
    且つ、折り返しの際に前記絶縁基体の周縁部を中に折り
    込ませて前記各電極を覆うことを特徴とする面状発熱
    体。
  2. 【請求項2】 抵抗発熱物質から成る発熱皮膜が片面に
    形成されたシート状の絶縁基体を折り返して成るもので
    あって、その折り返し方向は前記発熱皮膜上で互いに離
    れて設けられた2つの電極を介して前記発熱皮膜に通電
    したときに生じる電流方向と垂直であるとともに、前記
    発熱皮膜の折り返し部分に第2の導電層を設けたことを
    特徴とする面状発熱体。
  3. 【請求項3】 前記発熱皮膜の折り返し部分に第2の導
    電層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の面状発
    熱体。
  4. 【請求項4】 前記2つの電極の位置が重なるように前
    記絶縁基体を折り返したことを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれかに記載の面状発熱体。
  5. 【請求項5】 前記発熱皮膜と前記電極との間に第1の
    導電層を介在させたことを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載の面状発熱体。
  6. 【請求項6】 前記発熱皮膜に対して平行に延在し前記
    発熱皮膜及び前記電極から絶縁された第3の導電層と、
    前記発熱被膜への通電を制御する制御手段と、前記第3
    の導電層に電流が流れているかを検知する検知手段とを
    有し、前記検知手段は前記第3の導電層に電流が流れて
    いることを検知するとその信号を前記制御手段に出力
    し、前記制御手段は該信号を受信すると前記発熱皮膜へ
    の通電を遮断することを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれかに記載の面状発熱体。
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