JPH10255962A - 感熱発熱線及びこれを用いた広面積暖房装置 - Google Patents

感熱発熱線及びこれを用いた広面積暖房装置

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JPH10255962A
JPH10255962A JP6143997A JP6143997A JPH10255962A JP H10255962 A JPH10255962 A JP H10255962A JP 6143997 A JP6143997 A JP 6143997A JP 6143997 A JP6143997 A JP 6143997A JP H10255962 A JPH10255962 A JP H10255962A
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JP
Japan
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heat
heating
wire
heating wire
sensitive
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JP6143997A
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English (en)
Inventor
Michiharu Kamikawa
道治 上川
Katsuhiko Kuroyama
勝彦 黒山
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波の発生が少ないものとする。 【解決手段】 絶縁体の外周に相互に絶縁されて巻き付
けられた2本の発熱線1,2と、これら発熱線1,2の
うちの少なくとも1本に感熱樹脂層12を介して対向し
ているセンサー電極線3とからなる。一方の発熱線2を
センサー電極線3の外周に絶縁層または感熱樹脂層を介
して巻き付ける。上記2本の発熱線1,2は電流の流れ
る方向が逆となっており、2本の発熱線1,2に電流が
流れることで生じる電磁界が相互に打ち消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気カーペットや床
暖房パネル、電気毛布といった広面積暖房装置に好適に
用いられる感熱発熱線とこの感熱発熱線を用いた広面積
暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13に従来から用いられている感熱発
熱線を示す。絶縁性の芯糸10の外周に、φ0.1〜
0.2mm程度の銅合金等からなる導体を1〜5本程
度、0.5〜1.5mm程度のピッチで巻き付けて発熱
線1とし、その外側にPVC組成物等にイオン伝導性物
質を微量添加して得た図14(a)に示すような負特性の
温度−インピーダンス特性を有する厚み0.2〜0.4
mm程度の感熱樹脂層12を押し出し被覆し、該感熱樹
脂層12の外面に0.5×0.05mm程度の金属リボ
ンからなるセンサー電極線3を0.5〜2.0mm程度
のピッチで巻き、その外側に感熱樹脂の添加成分がブリ
ードアウトするのを防止するためのポリエステル等のバ
リア性を有する分離層13を20μm厚程度のフィルム
あるいは0.05〜0.1mm厚程度に押し出し成形す
ることで設け、さらに分離層13の外側に耐熱PVC等
からなる0.3〜0.4mm厚程度の絶縁層14を押し
出し被覆することで形成されたものであり、たとえば全
長36m、発熱線1の抵抗値33Ω、センサー電極線3
の抵抗値500Ω、感熱樹脂層12のインピーダンス2
0kΩ(50℃時)とされる。なお、この数値は一例で
あり、用途や広面積暖房装置の面積等に応じて最適化さ
れる。また絶縁層14のさらに外周にLDPE等の熱接
着層15が0.1mm厚程度で設けられることもある。
【0003】上記感熱発熱線Hは、図15に示すように
電源Vと接続され、発熱線1に感熱樹脂層12を介して
対向するとともにグランドG側において発熱線1に接続
されたセンサー電極線3は1000kΩ程度のバイアス
抵抗Rを介して電源Vに接続される。発熱線1の発熱に
伴う感熱樹脂層12の温度上昇によるインピーダンス変
化のために、センサー電極線3とバイアス抵抗Rとの接
続点の電圧Vbは温度に伴って図14(b)に示すように
変化することから、この温度信号電圧を検知することで
リレー接点Sの開閉等の発熱制御を行うことができる。
また、センサー電極線3が断線した場合、バイアス抵抗
Rのために温度信号電圧が高くなるために、これを検知
することで発熱線1への通電を遮断することができる。
【0004】図16は上記感熱発熱線を備えた広面積暖
房装置としての電気カーペット5を示しており、両面に
LDPE等の熱接着層を設けたアルミ箔等からなる均熱
シート50の裏面側に上記感熱発熱線Hを配置するとと
もに、フェルト等からなる表面材51と裏面材52との
間に挟んでホットプレス等によって一体化している。図
中53は端子部である。
【0005】電気カーペット5中での感熱発熱線Hの配
線パターンを図16(a)に示すように両端が接近とする
とともに長手方向の片側半分と他の半分とをほぼ平行に
なるように蛇行配置させているのは、温度が上昇した時
にセンサー電極線3に流れる電流はバイアス抵抗側が大
きく、回路グラウンド側が小さくて、感熱発熱線Hの全
長において温度検知性能にばらつきがあるためであり、
上記配置とすることで電気カーペット5の各部でのある
大きさでみた場合の温度検知性能が均等化されるように
しているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電気
製品が発する電磁波が身体に与える影響がクローズアッ
プされている。弱い電磁波が身体に与える影響自体は今
のところ明らかとはなっていないが、電磁波の発生をよ
り低レベルにしておくことが好ましい。この点から上記
感熱発熱線Hを用いた電気カーペット5をみると、電気
カーペット5の直上においてほぼ250mGの電磁界が
あり、電気カーペット5上に寝転んだりして長時間過ご
すことがあることを考えれば、低レベルであるとはい
え、人体に与える影響が大きい可能性がある。
【0007】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところは電磁波の発生が少ない
感熱発熱線及びこれを用いた広面積暖房装置を提供する
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして本発明に係る感
熱発熱線は、絶縁体の外周に相互に絶縁されて巻き付け
られた2本の発熱線と、これら発熱線のうちの少なくと
も1本に感熱樹脂層を介して対向しているセンサー電極
線とからなるとともに、一方の発熱線がセンサー電極線
の外周に絶縁層または感熱樹脂層を介して巻き付けられ
ており、上記2本の発熱線は電流の流れる方向が逆とさ
れていることに特徴を有している。2本の発熱線に電流
が流れることで生じる電磁界が相互に打ち消されてしま
うようにしたものである。
【0009】この時、上記2本の発熱線のうちの第1の
発熱線を絶縁性の芯糸の外周に巻き付け、センサー電極
線を上記第1の発熱線の外周に絶縁層または感熱樹脂層
を介して巻き付け、第2の発熱線を上記センサー電極線
の外周に絶縁層または感熱樹脂層を介して巻き付けたも
のとしても、2本の発熱線のうちの一方とセンサー電極
線とを絶縁性の芯糸の外周に巻き付け、この外周に感熱
樹脂層を介して他の発熱線が巻き付けたものとしてもよ
い。
【0010】また2つの発熱線は一端側で短絡して直列
に接続しておくと両発熱線の抵抗値が異なっていても電
流値は同じとなるために、電磁界は確実に打ち消されて
しまうことになる。並列に接続していてもよく、この場
合は各発熱線の抵抗値を大きくすることができるため
に、発熱線のための導体の使用量を削減することができ
る。
【0011】2つの発熱線の巻き方向は同じとしておく
ことが、電磁界の打ち消し合いがより効果的になされる
が、巻方向が逆であっても電磁界の発生を十分に抑える
ことができるとともに巻癖の発生を抑えることができ
る。そして2つの発熱線を一端側で短絡して直列に接続
している場合、センサー電極線は回路グランド側ではな
い発熱線に感熱樹脂層を介して対向させておくのがグラ
ンド側でのショート事故を温度制御機能によって検出す
ることができることになって好ましい。
【0012】センサー電極線と内側の発熱線との間に感
熱樹脂層が介在するとともにセンサー電極線と外側の発
熱線との間にも感熱樹脂層が介在しているようにする
と、特に2本の発熱線が直列接続の場合の温度検知につ
いての感度ばらつきを防ぐことができる。センサー電極
線と内側の発熱線との間に感熱樹脂層が介在し、センサ
ー電極線と外側の発熱線との間に分離層を兼ねた絶縁層
が介在しているものとすると、分離層を絶縁層が兼ねる
ために層を一つ減らすことができて、細径化を図ること
ができる。
【0013】また、センサー電極線は感熱樹脂層を介し
て対向する発熱線に対して巻き方向が逆となっているこ
とが、感熱樹脂層を介した発熱線との対面が安定して形
成されることになってばらつきのないインピーダンスを
得ることができる。そして本発明に係る広面積暖房装置
は、上記した感熱発熱線を発熱部材として備えているこ
とに特徴を有するもので、電磁波の発生が殆どないもの
となっている。
【0014】この時、感熱発熱線の全長のうちの片側半
分を他の片側半分とほぼ平行に配しておくと、センサー
電極線と感熱樹脂層によるところの温度検知の感度分布
の均一化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て説明すると、図1において、1000〜2000デニ
ール程度のポリエステル等からなる絶縁性の芯糸10の
外周に、φ0.1〜0.2mm程度の銅合金等からなる
導体を1〜5本程度、0.5〜1.5mm程度のピッチ
で巻き付けて発熱線1とし、その外側に耐熱PVC等か
らなる絶縁層11を0.1〜0.2mm厚程度に押し出
し成形したり20〜50μm厚程度のポリエステルフィ
ルムの重ね巻きによって形成し、その外側に0.5×
0.05mm程度の金属リボンからなるセンサー電極線
3を0.5〜2.0mm程度のピッチで巻き、その外側
にPVC組成物等にイオン伝導性物質を微量添加して得
た負特性の温度−インピーダンス特性を有する厚み0.
2〜0.4mm程度の感熱樹脂層12を押し出し被覆
し、該感熱樹脂層12の外面にφ0.1〜0.2mm程
度の銅合金等からなる導体を1〜5本程度、0.5〜
1.5mm程度のピッチで巻き付けて発熱線2としてい
る。そして発熱線2の外側には感熱樹脂の添加成分がブ
リードアウトするのを防止するためのポリエステル等の
バリア性を有する分離層13を20μm厚程度のフィル
ムあるいは0.05〜0.1mm厚程度に押し出し成形
することで設け、さらに分離層13の外側に耐熱PVC
等からなる0.3〜0.4mm厚程度の絶縁層14を押
し出し被覆することで形成している。また図示例におい
ては絶縁層14の外周にLDPE等の熱接着層15を
0.1mm厚程度で設けている。
【0016】また、発熱線1,2とセンサー電極線3の
巻き付けは、最内周の発熱線1に対してセンサー電極線
3を逆巻きで巻き付け、センサー電極線3に対して発熱
線2を逆巻きで巻き付けて、両発熱線1,2の巻き方向
は同じとなるようにしている。この感熱発熱線は、その
一端側において発熱線1と発熱線2とが短絡線19によ
って短絡されるとともに他端側において電源Vの両極に
両発熱線1,2が接続され、センサー電極線3は一端側
において回路グランドG側に接続されるとともに他端側
が図2に示すようにバイアス抵抗Rを介して電源Vに接
続されて該接続点が温度信号Vbの検出部とされる。
【0017】電流は発熱線2を通った後に発熱線1を通
ることになり、発熱線1と発熱線2とにおいて電流が流
れる方向が逆となっているために、発熱線1に電流が流
れることで生じた磁界M1と、発熱線2に電流が流れる
ことで生じた磁界M2とが相互に打ち消し合いものであ
り、殊に発熱線1,2が直列に接続されているために両
者の抵抗値が異なっていても両者に流れる電流値が同じ
である上に、ここでは発熱線1の巻き方向と発熱線2の
巻き方向とを同じとしていることから、この感熱発熱線
を用いて電気カーペットを構成した場合、その直上での
電磁界は1mG以下に抑えることができる。
【0018】また温度検知のためのセンサー電極線3は
感熱樹脂層12を介して対向する発熱線2の巻き方向と
逆の巻き方向としていることから、感熱樹脂層12を介
したセンサー電極線3と発熱線2との対面が安定して形
成されるものであり、ばらつきの少ないインピーダンス
を得ることができることから、温度検出について安定し
た性能を得ることができるものであり、また逆巻きとし
ているために感熱発熱線の巻き癖が少なくて取り扱いが
容易となっている。
【0019】しかも、回路グランドG側ではない発熱線
2にセンサー電極線3が感熱樹脂層12を介して対面す
るようにしているために、感熱発熱線の回路グランドG
側の端(図1中の右端)であってもセンサー電流はゼロ
ではなく、感度がほぼゼロの部位はないことから、グラ
ンドG側でショート事故が発生してもセンサー電圧は大
となって高温の時の同一状態となり、温度制御機能でオ
フ動作させることができて安全である。もっとも、バイ
アス抵抗R側が感度大であることにかわりはないため
に、図16に示したものと同様に、感熱発熱線の全長の
うちの片側半分が他の片側半分とほぼ平行に配されるよ
うにしておくのがある大きさで見た場合の感度分布の均
一化の点で好ましい。
【0020】図3及び図4は、発熱線1とセンサー電極
線3との間に絶縁層ではなく感熱樹脂層12を配して、
センサー電極線3が直列接続されている両発熱線1,2
に感熱樹脂層12,12を介して共に対面するようにし
たものを示している。この場合、図16に示したような
配線パターンを採用しなくとも、感熱発熱線のどの部分
でも温度検知感度が同じとなることから、配線パターン
の制約がなくなる。
【0021】図5及び図6は、感熱樹脂層12を発熱線
1とセンサー電極線3との間に介在させ、センサー電極
線3と外周の発熱線2との間には分離層を兼ねた絶縁層
11を配して、独立した分離層を設けなくともよいよう
にしたものを示している。絶縁層11はポリエステルフ
ィルム等で良い上に独立した分離層が不要であることか
ら細径化を図ることができる。また、図示例のものにお
いては直列接続された両発熱線1,2のうちの回路グラ
ンドG側にある発熱線1にセンサー電極線3が感熱樹脂
層12を介して対向することから、回路グランドG側の
端部においても温度検知感度があって安全性が高いもの
である。
【0022】上記の各例では発熱線1と発熱線2とを一
端において短絡させて直列接続していたが、図7及び図
8に示すように両発熱線1,2を並列接続してもよい。
ただし、両発熱線1,2において電流が流れる方向は逆
となるように結線しておく。発熱線1,2の合成抵抗値
をたとえば30Ωとする場合、直列接続の場合は各発熱
線1の抵抗値をほぼ15Ωとしなくてはならないが、並
列接続の場合、60Ωでよく、このために発熱線1,2
のための金属使用量を低減することができ、これに伴っ
て発熱線1,2の断面積を小さくすることができるため
に、屈曲性能の高いものを得ることができるほか、ヒー
タ電流が小さくなるために、発生する磁界M1,M2そ
のものが小さくなることから、この感熱発熱線を用いて
電気カーペットを構成した場合、電気カーペット直上で
の磁界を0.5mG以下とすることができる。なお、図
3に示した2つの感熱樹脂層12,12を有する感熱発
熱線の両発熱線1,2を並列接続したものを示したが、
図1や図5に示したものにおける両発熱線1,2の接続
を並列接続としたものであってもよいのはもちろんであ
り、発熱線1,2間の絶縁強化の点ではこれらのものの
方が有利である。
【0023】さらに上記の各例では、発熱線1,2の巻
き方向が同一となるようにしていたが、発熱線1の巻き
方向と発熱線2の巻き方向とが逆であってもよい。発熱
線1の磁界M1と発熱線2の磁界M2との打ち消し合い
による低減効果がやや低下するが、それでもこの感熱発
熱線を用いて電気カーペットを構成した場合、電気カー
ペット直上での磁界は従来のものに比べれば、1/10
0以下とすることができる。図9はこの場合の一例を示
している。
【0024】また、発熱線1,2を直列接続する場合、
センサー電極線3の回路グランドG側において両発熱線
1,2を短絡させるのではなく、図9及び図10に示す
ように、センサー電極線3の回路グランドG側と反対側
の端部において両発熱線1,2を短絡させてもよい。こ
のように結線するとともに、電流が発熱線1から発熱線
2へと流れるようにしてセンサー電極線3が感熱樹脂層
12を介して発熱線2に対面するようにしたならば、回
路グランドG側のセンサー感度が低くなるものの、これ
は図16に示したような配線パターンを採用することで
カバーすることができる。また感熱樹脂層12には電源
電圧のほぼ1/2程度しか電圧印加がないために高温で
使用する場合でも感熱樹脂層12の自己発熱が少なく、
このために温度検知が安定して行えるものとなる。
【0025】発熱線1とセンサー電極線3とは、図11
に示すように、芯糸10の外周に共に巻き付けてもよ
い。発熱線2は発熱線1とセンサー電極線3との外周に
感熱樹脂層12を介してセンサー電極線3と逆巻きとな
るように巻き付ける。図12は等価回路を示している。
この場合、発熱線1は0.5×0.05mm程度のリボ
ン導体としてその外面を0.1mm厚程度のポリアミド
樹脂等からなる絶縁被覆18を施しておくことがセンサ
ー電極線3との短絡事故の防止の点から好ましい。この
ように発熱線1とセンサー電極線3とを同じ面に巻き付
けたならば、構造が簡単である上に細線化が可能であ
り、しかも発熱線1,2同士の距離が短くなるために発
熱線1,2の巻き方向が逆であるものの電磁波低減効果
がやや大となり、この感熱発熱線を用いて電気カーペッ
トを構成した場合、電気カーペット直上での磁界を0.
5mG以下とすることができる。図示例では両発熱線
1,2を一端で短絡させて直列に接続しているが、並列
に接続してもよいのはもちろんである。ただし、並列の
場合にも両発熱線1,2における電流の流れる方向が逆
となるように接続する。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明に係る感熱発熱線
は、絶縁体の外周に相互に絶縁されて巻き付けられた2
本の発熱線と、これら発熱線のうちの少なくとも1本に
感熱樹脂層を介して対向しているセンサー電極線とから
なるとともに、一方の発熱線がセンサー電極線の外周に
絶縁層または感熱樹脂層を介して巻き付けられており、
上記2本の発熱線は電流の流れる方向が逆とされている
ために、2本の発熱線に電流が流れることで生じる電磁
界が相互に打ち消されてしまうものであり、このために
電磁波の発生を大きく抑制することができるものであ
る。上記2本の発熱線のうちの第1の発熱線を絶縁性の
芯糸の外周に巻き付け、センサー電極線を上記第1の発
熱線の外周に絶縁層または感熱樹脂層を介して巻き付
け、第2の発熱線を上記センサー電極線の外周に絶縁層
または感熱樹脂層を介して巻き付けたものとしても、2
本の発熱線のうちの一方とセンサー電極線とを絶縁性の
芯糸の外周に巻き付け、この外周に感熱樹脂層を介して
他の発熱線が巻き付けたものとしてもよいが、細線化の
点では後者が優位である。
【0027】また2つの発熱線は一端側で短絡して直列
に接続しておくと両発熱線の抵抗値が異なっていても電
流値は同じとなるために、電磁界は確実に打ち消されて
しまうことになり、両発熱線の抵抗値を等しくしなくて
もすむ点で製造上有利である。2つの発熱線は並列に接
続していてもよく、この場合は各発熱線の抵抗値を大き
くすることができるために、発熱線のための導体の使用
量を削減することができてコストの点で有利となる。
【0028】2つの発熱線の巻き方向は同じとしておく
ことが電磁界の打ち消し合いがより効果的になされるた
めに電磁波の発生の抑制の点で有利であるが、巻方向が
逆であっても電磁界の発生を十分に抑えることができる
とともに巻き癖の発生を抑えることができる。そして2
つの発熱線を一端側で短絡して直列に接続している場
合、センサー電極線は回路グランド側ではない発熱線に
感熱樹脂層を介して対向させておくと、グランド側での
ショート事故を温度制御機能によって検出することがで
きることになって安全性がより高いものとなる。
【0029】センサー電極線と内側の発熱線との間に感
熱樹脂層を介在させるとともにセンサー電極線と外側の
発熱線との間にも感熱樹脂層を介在させたものでは、特
に2本の発熱線が直列接続の場合の温度検知についての
感度ばらつきを防ぐことができ、配線パターンで見かけ
上の感度ばらつきを小さくするといったことをしなくて
もすむものとなって、配線パターンの自由度が大きくな
る。
【0030】センサー電極線と内側の発熱線との間に感
熱樹脂層を介在させ、センサー電極線と外側の発熱線と
の間に分離層を兼ねた絶縁層を介在させた時には、分離
層を絶縁層が兼ねるために層を一つ減らすことができ
て、細径化を図ることができる。センサー電極線は感熱
樹脂層を介して対向する発熱線に対して巻き方向が逆と
なっていることが、感熱樹脂層を介した発熱線との対面
が安定して形成されることになり、ばらつきのないイン
ピーダンスを得ることができて安定した温度制度を行う
ことができるものとなる。また、巻き癖を少なくする点
でも有利である。
【0031】そして本発明に係る広面積暖房装置は、上
記した感熱発熱線を発熱部材として備えていることか
ら、直上においても電磁波の発生が殆どなく、電磁波の
影響を人体に与えることがないものである。この時、感
熱発熱線の全長のうちの片側半分を他の片側半分とほぼ
平行に配しておくと、センサー電極線と感熱樹脂層によ
るところの温度検知の感度分布の均一化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感熱発熱線の実施の形態の一例の
破断正面図である。
【図2】同上の等価回路図である。
【図3】同上の他例の破断正面図である。
【図4】同上の等価回路図である。
【図5】同上の更に他例の破断正面図である。
【図6】同上の等価回路図である。
【図7】同上の別の例の破断正面図である。
【図8】同上の等価回路図である。
【図9】同上の更に別の例の破断正面図である。
【図10】同上の等価回路図である。
【図11】(a)は別の実施の形態の一例の破断正面図、
(b)は一方の発熱線の断面図である。
【図12】同上の等価回路図である。
【図13】感熱発熱線の従来例の破断正面図である。
【図14】(a)は感熱樹脂層の温度−インピーダンス特
性図、(b)は温度信号特性図である。
【図15】同上の等価回路図である。
【図16】同上の感熱発熱線を用いた電気カーペットを
示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 発熱線 2 発熱線 3 センサー電極線 12 感熱樹脂層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の外周に相互に絶縁されて巻き付
    けられた2本の発熱線と、これら発熱線のうちの少なく
    とも1本に感熱樹脂層を介して対向しているセンサー電
    極線とからなるとともに、一方の発熱線がセンサー電極
    線の外周に絶縁層または感熱樹脂層を介して巻き付けら
    れており、上記2本の発熱線は電流の流れる方向が逆と
    されていることを特徴とする感熱発熱線。
  2. 【請求項2】 2本の発熱線のうちの第1の発熱線は絶
    縁性の芯糸の外周に巻き付けられ、センサー電極線は上
    記第1の発熱線の外周に絶縁層または感熱樹脂層を介し
    て巻き付けられ、第2の発熱線は上記センサー電極線の
    外周に絶縁層または感熱樹脂層を介して巻き付けられて
    いることを特徴とする請求項1記載の感熱発熱線。
  3. 【請求項3】 2本の発熱線のうちの一方とセンサー電
    極線とが絶縁性の芯糸の外周に巻き付けられ、この外周
    に感熱樹脂層を介して他の発熱線が巻き付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の感熱発熱線。
  4. 【請求項4】 2つの発熱線は一端側で短絡されて直列
    に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の感熱発熱線。
  5. 【請求項5】 2つの発熱線は並列に接続されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱発
    熱線。
  6. 【請求項6】 2つの発熱線の巻き方向を同じとしてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感
    熱発熱線。
  7. 【請求項7】 2つの発熱線の巻き方向を逆としている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱
    発熱線。
  8. 【請求項8】 2つの発熱線は一端側で短絡されて直列
    に接続されているとともに、センサー電極線は回路グラ
    ンド側ではない発熱線に感熱樹脂層を介して対向してい
    ることを特徴とする請求項2記載の感熱発熱線。
  9. 【請求項9】 センサー電極線と内側の発熱線との間に
    感熱樹脂層が介在するとともにセンサー電極線と外側の
    発熱線との間に感熱樹脂層が介在していることを特徴と
    する請求項1または2または4または5または6または
    7に記載の感熱発熱線。
  10. 【請求項10】 センサー電極線と内側の発熱線との間
    に感熱樹脂層が介在し、センサー電極線と外側の発熱線
    との間に分離層を兼ねた絶縁層が介在していることを特
    徴とする請求項1または2または4または5または6ま
    たは7に記載の感熱発熱線。
  11. 【請求項11】 センサー電極線は感熱樹脂層を介して
    対向する発熱線に対し巻き方向が逆となっていることを
    特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の感熱発熱
    線。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の感
    熱発熱線を備えていることを特徴とする広面積暖房装
    置。
  13. 【請求項13】 感熱発熱線はその全長のうちの片側半
    分が他の片側半分とほぼ平行に配されていることを特徴
    とする請求項12記載の広面積暖房装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008235267A (ja) * 2007-03-21 2008-10-02 Myoung Jun Lee 電磁石発熱線とこれを利用した温熱マット

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