JP2019129290A - 半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 底部領域の周辺の電界を緩和する。【解決手段】 半導体素子であって、半導体基板と、前記半導体基板の上面に設けられたトレンチを備えている。前記半導体基板が、前記トレンチに接しているp型のボディ領域と、前記ボディ領域の下側で前記トレンチに接しているn型のドリフト領域と、前記トレンチの底面において前記トレンチに接しているp型の底部領域と、前記トレンチの側面において前記トレンチに接しており、前記ボディ領域と前記底部領域を接続しているp型の接続領域を備えている。前記接続領域のp型不純物濃度が、前記ボディ領域から前記底部領域に向かうにしたがって減少するように分布している。【選択図】 図2
Description
本明細書は、半導体素子を開示する。
特許文献1には、上面にトレンチが設けられている半導体基板を有する半導体素子が開示されている。半導体基板は、p型のボディ領域とn型のドリフト領域を有している。ボディ領域は、トレンチに接している。ドリフト領域は、ボディ領域の下側でトレンチに接している。また、半導体基板は、トレンチの底面においてトレンチに接しているp型の底部領域と、トレンチの側面においてトレンチに接しているp型の接続領域を有している。接続領域は、ボディ領域と底部領域を接続している。上述したドリフト領域は、接続領域が存在しない範囲でトレンチに接している。
この半導体素子がオフするときには、ボディ領域及び底部領域からドリフト領域内に空乏層が伸びる。底部領域から伸びる空乏層によって、トレンチの下端近傍における電界の集中が抑制される。また、半導体素子がオフする過程で、接続領域が空乏化されることにより、底部領域がボディ領域から電気的に分離される。その結果、底部領域の電位がフローティングとなる。これにより、底部領域と半導体基板の裏面との間に高い電位差が生じることが抑制される。
この半導体素子がオンするときには、ドリフト領域内に広がっていた空乏層が収縮して半導体素子がオン状態となる。その過程で、接続領域内の空乏層も収縮し、接続領域を介して底部領域がボディ領域に電気的に接続される。すると、接続領域を介してボディ領域から底部領域にホールが供給される。その結果、底部領域からドリフト領域に広がっていた空乏層が底部領域に向かって収縮する。このため、半導体素子がオンするときに短時間でドリフト領域の抵抗が低下する。したがって、この半導体素子では、損失が生じ難い。
特許文献1の半導体素子では、オフしたときに、底部領域の周辺で高い電界が生じる。本明細書は、接続領域と底部領域を有する半導体素子において、底部領域の周辺での電界を緩和する技術を開示する。
本明細書が開示する半導体素子は、半導体基板と、前記半導体基板の上面に設けられたトレンチを備えている。前記半導体基板が、前記トレンチに接しているp型のボディ領域と、前記ボディ領域の下側で前記トレンチに接しているn型のドリフト領域と、前記トレンチの底面において前記トレンチに接しているp型の底部領域と、前記トレンチの側面において前記トレンチに接しているとともに前記ボディ領域と前記底部領域を接続しているp型の接続領域を備えている。前記接続領域のp型不純物濃度が、前記ボディ領域から前記底部領域に向かうにしたがって減少するように分布している。
このような構成によると、接続領域で従来よりも高い電位差を保持できるようになり、底部領域の周辺の電界を緩和することができる。
図1〜3は、実施形態のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)10を示している。MOSFET10は、半導体基板12と、電極、絶縁層等を備えている。なお、図1では、図の見易さのため、半導体基板12の上面12a上の電極、絶縁層の図示を省略している。以下では、半導体基板12の上面12aと平行な一方向をx方向といい、上面12aに平行でx方向に直交する方向をy方向といい、半導体基板12の厚み方向をz方向という。半導体基板12は、SiC(炭化シリコン)によって構成されている。
図2、3に示すように、半導体基板12の上面12aには、複数のトレンチ22が設けられている。図1に示すように、各トレンチ22は、y方向に直線状に長く伸びている。複数のトレンチ22は、x方向に間隔を開けて配列されている。図2、3に示すように、各トレンチ22の内面は、ゲート絶縁層24によって覆われている。ゲート絶縁層24は、底部絶縁層24aと側面絶縁膜24bを有している。底部絶縁層24aは、トレンチ22の底部に設けられている。底部絶縁層24aは、トレンチ22の底面と、その底面近傍の側面を覆っている。側面絶縁膜24bは、底部絶縁層24aよりも上側のトレンチ22の側面を覆っている。底部絶縁層24aの厚み(すなわち、底部絶縁層24aの上面と下面の間の幅)は、側面絶縁膜24bの厚み(すなわち、トレンチ22の側面とゲート電極26の側面の間の幅)よりも厚い。各トレンチ22内には、ゲート電極26が配置されている。各ゲート電極26は、ゲート絶縁層24によって半導体基板12から絶縁されている。各ゲート電極26の上面は、層間絶縁膜28によって覆われている。
図2、3に示すように、半導体基板12の上面12aには、上部電極70が配置されている。上部電極70は、層間絶縁膜28が設けられていない部分で半導体基板12の上面12aに接している。上部電極70は、層間絶縁膜28によってゲート電極26から絶縁されている。半導体基板12の下面12bには、下部電極72が配置されている。下部電極72は、半導体基板12の下面12bに接している。
図2、3に示すように、半導体基板12の内部には、複数のソース領域30、ボディ領域32、ドリフト領域34、ドレイン領域35、複数の底部領域36及び複数の接続領域38が設けられている。
各ソース領域30は、n型領域である。各ソース領域30は、半導体基板12の上面12aに露出する位置に配置されており、上部電極70にオーミック接触している。また、各ソース領域30は、トレンチ22の側面において、側面絶縁膜24bに接している。各ソース領域30は、トレンチ22の上端部において側面絶縁膜24bに接している。
ボディ領域32は、p型領域である。ボディ領域32は、各ソース領域30に接している。ボディ領域32は、2つのソース領域30に挟まれた範囲から各ソース領域30の下側まで伸びている。ボディ領域32は、コンタクト領域32aとメインボディ領域32bを有している。コンタクト領域32aは、メインボディ領域32bよりも高いp型不純物濃度を有している。コンタクト領域32aは、2つのソース領域30に挟まれた範囲に配置されている。コンタクト領域32aは、上部電極70にオーミック接触している。メインボディ領域32bは、ソース領域30及びコンタクト領域32aの下側に配置されている。メインボディ領域32bは、トレンチ22の側面において、側面絶縁膜24bに接している。すなわち、メインボディ領域32bは、ソース領域30の下側で側面絶縁膜24bに接している。ボディ領域32の下端(すなわち、メインボディ領域32bの下端)は、ゲート電極26の下端よりも上側に配置されている。
各底部領域36は、p型領域である。各底部領域36は、対応するトレンチ22の底面に露出する範囲に配置されている。各底部領域36は、対応するトレンチ22の底面において、底部絶縁層24aに接している。各底部領域36は、対応するトレンチ22の底面に沿ってy方向に長く伸びている。各底部領域36は、対応するトレンチ22の底面全域で底部絶縁層24aに接している。各底部領域36の周囲は、ドリフト領域34に囲まれている。接続領域38が形成されている箇所を除いて、各底部領域36は、ドリフト領域34によってボディ領域32から分離されている。
接続領域38は、p型領域である。図2に示すように、接続領域38は、トレンチ22の側面に接しており、トレンチ22の側面に沿ってz方向に伸びている。図1に示すように、トレンチ22の各側面に対して、複数の接続領域38がy方向に間隔を開けて配置されている。図2に示すように、接続領域38の上端はメインボディ領域32bに接続されており、接続領域38の下端は底部領域36に接続されている。すなわち、接続領域38は、ボディ領域32と底部領域36を接続している。接続領域38は、高濃度領域38aと低濃度領域38bを有している。
高濃度領域38aは、低濃度領域38bよりも高いp型不純物濃度を有している。高濃度領域38aのp型不純物濃度は、低濃度領域38bのp型不純物濃度の10倍以上である。本実施形態では、高濃度領域38aのp型不純物濃度が2.0〜5.0×1017cm-3であり、低濃度領域38bのp型不純物濃度が2.0〜5.0×1016cm-3である。高濃度領域38aのp型不純物濃度は、メインボディ領域32bのp型不純物濃度よりも高い。高濃度領域38aは、接続領域38のうちの上部を構成しており、低濃度領域38bは、接続領域38のうちの下部を構成している。すなわち、接続領域38内のp型不純物濃度は、上側(高濃度領域38a内)で高く、下側(低濃度領域38b内)で低い。高濃度領域38aの上端は、ボディ領域32に接続されている。高濃度領域38aの下端は、低濃度領域38bの上端に接続されている。低濃度領域38bの下端は、底部領域36に接続されている。高濃度領域38aと低濃度領域38bの間の界面は、ゲート電極26の下端よりも下側に位置している。
ドリフト領域34は、n型領域である。図2、3に示すように、ドリフト領域34は、ボディ領域32の下側に配置されており、ボディ領域32によってソース領域30から分離されている。図3に示すように、ドリフト領域34は、接続領域38が存在しない位置のトレンチ22の側面において、側面絶縁膜24b及び底部絶縁層24aに接している。すなわち、ドリフト領域34は、ボディ領域32の下側で側面絶縁膜24b及び底部絶縁層24aに接している。
ドレイン領域35は、n型領域である。ドレイン領域35は、ドリフト領域34よりも高いn型不純物濃度を有している。ドレイン領域35は、ドリフト領域34の下側に配置されている。ドレイン領域35は、半導体基板12の下面12bに露出している。ドレイン領域35は、下部電極72にオーミック接触している。
次に、MOSFET10の動作について説明する。MOSFET10の使用時には、MOSFET10と負荷(例えば、モータ)と電源が直列に接続される。MOSFET10と負荷の直列回路に対して、電源電圧(本実施形態では、約800V)が印加される。MOSFET10のドレイン側(下部電極72)がソース側(上部電極70)よりも高電位となる向きで、電源電圧が印加される。ゲート電極26にゲートオン電位(ゲート閾値よりも高い電位)を印加すると、側面絶縁膜24bに接する範囲のメインボディ領域32bにチャネル(反転層)が形成され、MOSFET10がオンする。ゲート電極26にゲートオフ電位(ゲート閾値以下の電位)を印加すると、チャネルが消滅し、MOSFET10がオフする。以下に、MOSFET10のターンオフ時とターンオン時の動作について、詳細に説明する。
MOSFET10をターンオフさせる場合には、ゲート電極26の電位をゲートオン電位からゲートオフ電位に引き下げる。すると、チャネルが消失し、下部電極72の電位が上昇する。下部電極72の電位は、上部電極70に対して電源電圧分(すなわち、約800V)だけ高い電位まで上昇する。下部電極72の電位が上昇する過程において、底部領域36と下部電極72の間の容量結合によって、底部領域36の電位が少し上昇する。すると、底部領域36から接続領域38とボディ領域32を介して上部電極70へホールが流れる。このようにホールが流れている間は、底部領域36の電位の上昇が抑制され、底部領域36の電位が上部電極70の電位よりもわずかに高い電位に維持される。
また、下部電極72の電位の上昇に伴って、ドレイン領域35及びドリフト領域34の電位が上昇する。ドリフト領域34の電位が上昇すると、ボディ領域32とドリフト領域34の間に電位差が生じる。このため、ボディ領域32とドリフト領域34の界面のpn接合に逆電圧が印加される。したがって、ボディ領域32からドリフト領域34に空乏層が広がる。また、ドリフト領域34の電位が上昇すると、底部領域36とドリフト領域34の間に電位差が生じる。このため、底部領域36とドリフト領域34の界面のpn接合に逆電圧が印加される。したがって、底部領域36からドリフト領域34に空乏層が広がる。
また、ドリフト領域34の電位が上昇すると、接続領域38とドリフト領域34の界面のpn接合にも逆電圧が印加される。すると、そのpn接合から接続領域38内に空乏層が広がる。接続領域38が空乏化されることによって、底部領域36がボディ領域32から電気的に分離される。底部領域36がボディ領域32から電気的に分離されると、底部領域36から上部電極70に向かうホールの流れが停止し、底部領域36の電位がフローティングとなる。このため、底部領域36の電位が、下部電極72の電位の上昇に伴って上昇する。このように、底部領域36の電位が上昇することで、底部領域36と下部電極72の間の電位差が過大となることが防止される。
MOSFET10をターンオンさせる場合には、ゲート電極26の電位をゲートオフ電位からゲートオン電位に引き上げる。すると、ゲート絶縁層24に接している範囲のボディ領域32に電子が引き寄せられる。これによって、この範囲のボディ領域32がp型からn型に反転し、チャネルが形成される。チャネルによって、ソース領域30とドリフト領域34が接続される。これによって、ドリフト領域34、ドレイン領域35及び下部電極72の電位が低下する。ドリフト領域34の電位が低下すると、ボディ領域32とドリフト領域34の界面のpn接合に印加されていた逆電圧が低下する。このため、ボディ領域32からドリフト領域34に広がっていた空乏層が、ボディ領域32に向かって収縮する。これにより、上部電極70から、ソース領域30、チャネル、ドリフト領域34、ドレイン領域35を経由して下部電極72へ電子が流れる。すなわち、MOSFET10がオンする。
また、ドリフト領域34の電位が低下する過程において、接続領域38に広がっている空乏層が、ドリフト領域34に向かって収縮する。その結果、底部領域36が、接続領域38を介してボディ領域32に電気的に接続される。すると、上部電極70からボディ領域32と接続領域38を介して底部領域36にホールが流れる。底部領域36にホールが供給されると、底部領域36からドリフト領域34に広がっていた空乏層が底部領域36に向かって収縮する。このため、ドリフト領域34の抵抗が低下し、上部電極70から下部電極72に向かって電子が流れ易くなる。このため、ドリフト領域34で損失が生じ難い。
次に、MOSFETがオフしているときのトレンチ近傍における電位分布について説明する。なお、以下では、実施形態のMOSFET10と比較例のMOSFETを比較しながら説明する。
図4は、比較例のMOSFETを示している。なお、図4では、説明のため、実施形態のMOSFET10の各部と共通の機能を有する部分に、実施形態のMOSFET10の各部と同じ参照符号を付している。比較例のMOSFETでは、接続領域38全体が、上述した高濃度領域38aと同じp型不純物濃度を有している。図4、5において、グレーにハッチングされた領域は空乏化されていない領域(以下、非空乏化領域という場合がある)を示し、その他の半導体領域は空乏化された領域を示している。図4に示すように、底部領域36内には、トレンチ22の底面近傍に非空乏化領域100が存在している。メインボディ領域32b内には、略全域に非空乏化領域102が分布している。接続領域38は、上端部を除く全域で空乏化している。接続領域38の上端部には、ボディ領域32から非空乏化領域102が進入している。すなわち、ボディ領域32から接続領域38の上端部に跨って非空乏化領域102が分布している。このように非空乏化領域100、102が分布していると、非空乏化領域100の下端部近傍と、非空乏化領域102の下端部近傍に電界が集中する。底部領域36が設けられていると、このように電界集中箇所が分散するので、底部領域36が設けられていない場合に比べて電界集中箇所における電界を緩和することができる。しかしながら、それでも、比較例のMOSFETでは、非空乏化領域100の下端近傍で比較的大きい電界が生じる。非空乏化領域100の下端近傍における電界をさらに緩和することが好ましい。
図5は、実施形態のMOSFET10を示している。上述したように、実施形態のMOSFET10では、接続領域38の上部が高濃度領域38aであり、接続領域38の下部が低濃度領域38bである。実施形態のMOSFET10でも、比較例のMOSFETと同様に、底部領域36のトレンチ22の底面近傍に非空乏化領域100が存在している。他方、実施形態のMOSFET10では、非空乏化領域102の分布が比較例のMOSFETとは異なる。実施形態のMOSFET10は低濃度領域38bを有しているので、実施形態のMOSFET10では、比較例のMOSFETよりも、接続領域38全体が有するp型不純物の総量が少ない。このため、実施形態のMOSFET10では、比較例のMOSFETよりも、接続領域38が空乏化され易い。このため、図5に示すように、実施形態のMOSFET10では、比較例のMOSFETよりも、接続領域38内の非空乏化領域102が上側に押し上げられている。言い換えると、非空乏化領域102が接続領域38内に進入する距離が短い。このため、実施形態のMOSFET10では、接続領域38内のより広い範囲が空乏化している。したがって、実施形態のMOSFET10では、比較例のMOSFETよりも、接続領域38内で高い電圧を保持することができる。その結果、非空乏化領域100の下端近傍で生じる電界が緩和される。
図6は、図4、5のVI−VI線の位置における電界強度の分布を模式的に示している。図6のグラフAが実施形態のMOSFET10を示しており、図6のグラフBが比較例のMOSFETを示している。なお、図6では、グラフAの上端がグラフBの上端よりもΔdだけ上側に位置しているが、これは、上述したように接続領域38内の非空乏化領域102が実施形態のMOSFET10では比較例のMOSFETよりも上側に位置しているためである。図6に示すように、グラフA、Bのいずれでも、接続領域38とドリフト領域34の界面のpn接合50において電界強度がピークとなる。pn接合50における電界強度は、図4、5の非空乏化領域100の下端近傍の電界強度と相関を有する。したがって、pn接合50における電界強度が低いことは、非空乏化領域100の下端近傍の電界強度が低いことを意味する。ドリフト領域34内では、グラフA、Bのいずれでも、下側に向かうにしたがって電界強度が略一定の傾きで低下する。比較例のMOSFETでは、接続領域38内のp型不純物濃度が高濃度で一定である。このため、グラフBに示すように、接続領域38内ではpn接合50から上側に向かうにしたがって電界強度が一定の略傾きで低下する。他方、実施形態のMOSFET10では、接続領域38内のp型不純物濃度が、高濃度領域38aで高く、低濃度領域38bで低い。このため、低濃度領域38bでは、高濃度領域38aよりも電界強度の変化率が小さくなる。したがって、グラフAに示すように、実施形態のMOSFET10では、低濃度領域38b内ではpn接合50から上側に向かうにしたがって電界強度が小さい傾きで低下し、高濃度領域38a内では上側に向かうにしたがって電界強度が大きい傾きで低下する。すなわち、接続領域38内で、グラフAが折れ曲がっている。
グラフA、Bを積分した値(すなわち、グラフAまたはBと縦軸で囲まれた面積)は、空乏層で保持される電圧を意味する。図6では、グラフA、Bの間で印加電圧(すなわち、グラフAまたはBと縦軸で囲まれた面積)は略同一とされている。図6に示すように、印加電圧を略同一とした場合には、グラフAの上端がグラフBの上端よりもΔdだけ上側に位置することで、pn接合50における電界強度が低くなる。さらに、グラフAのように接続領域38内でグラフが折れ曲がっている(電界強度が高い方に凸となるように折れ曲がっている)方が、接続領域38内で保持される電圧が大きくなるので、pn接合50における電界強度が低くなる。このように、実施形態のMOSFET10では、接続領域38内の非空乏化領域102を上側に押し上げる効果と、接続領域38内で電界強度のグラフAが折れ曲がる効果とによって、pn接合50における電界強度が低くなる。したがって、実施形態のMOSFET10では、比較例のMOSFETよりも、底部領域36(すなわち、非空乏化領域100の下端近傍)における電界集中を緩和することができる。
図7は、実施形態のMOSFET10の耐圧を示すグラフCと、比較例のMOSFETの耐圧を示すグラフDとを示している。図7は、オフ状態のMOSFETのドレイン‐ソース間電圧Vdを上昇させたときにMOSFETに流れるドレイン電流(漏れ電流)Idを示している。図7に示すように、実施形態のMOSFET10では、比較例のMOSFETよりも、漏れ電流Idが流れ難い。すなわち、実施形態のMOSFET10は、比較例のMOSFETよりも、高い耐圧を有している。このように、接続領域38のp型不純物濃度を上側から下側に向かって低下するように分布させることで、底部領域36における電界集中が緩和され、MOSFETの耐圧を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、接続領域38が、高濃度領域38aと低濃度領域38bの2層によって構成されていた。しかしながら、図8に示すように、接続領域38が、高濃度領域38a、中濃度領域38c及び低濃度領域38bの3層によって構成されていてもよく、または、それ以上の数の層によって構成されていてもよい。すなわち、接続領域38内のp型不純物濃度がボディ領域側から底部領域側に向かうにしたがって減少していれば、接続領域38が3層以上の層によって構成されていてもよい。また、接続領域38内のp型不純物濃度が、ボディ領域側から底部領域側に向かうにしたがって徐々に低下するように構成されていてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:MOSFET
12:半導体基板
22:トレンチ
24:ゲート絶縁層
26:ゲート電極
28:層間絶縁膜
30:ソース領域
32:ボディ領域
34:ドリフト領域
35:ドレイン領域
36:底部領域
38:接続領域
70:上部電極
72:下部電極
12:半導体基板
22:トレンチ
24:ゲート絶縁層
26:ゲート電極
28:層間絶縁膜
30:ソース領域
32:ボディ領域
34:ドリフト領域
35:ドレイン領域
36:底部領域
38:接続領域
70:上部電極
72:下部電極
Claims (1)
- 半導体素子であって、
半導体基板と、
前記半導体基板の上面に設けられたトレンチ、
を備えており、
前記半導体基板が、
前記トレンチに接しているp型のボディ領域と、
前記ボディ領域の下側で前記トレンチに接しているn型のドリフト領域と、
前記トレンチの底面において前記トレンチに接しているp型の底部領域と、
前記トレンチの側面において前記トレンチに接しており、前記ボディ領域と前記底部領域を接続しているp型の接続領域、
を備えており、
前記接続領域のp型不純物濃度が、前記ボディ領域から前記底部領域に向かうにしたがって減少するように分布している、
半導体素子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2018011696A Pending JP2019129290A (ja) | 2018-01-26 | 2018-01-26 | 半導体素子 |
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Citations (1)
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JP2017195224A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | トヨタ自動車株式会社 | スイッチング素子 |
-
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- 2018-01-26 JP JP2018011696A patent/JP2019129290A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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---|---|---|---|---|
JP2017195224A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | トヨタ自動車株式会社 | スイッチング素子 |
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