JP2019129238A - ヒートシンクおよび半導体モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
従来、ヒートシンクの放熱性能を向上させる手段として、ヒートシンクのベース面に複数のピン状のフィン(ピンフィン)を設け、このピンフィンに冷媒を衝突させ、熱交換を促進させる手段が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
よって、冷媒が全域にわたって等しい温度であれば放熱性能の低下を最低限に抑制できる。例えば、特許文献2では、2重配管の外側の流路に螺旋状の案内板を設けて冷媒を螺旋状に流し、内側の流路を流れる冷媒と、外側の流路を流れる冷媒の熱交換を促進している。
また、特許文献2に開示された2重配管では、螺旋を描く様に冷媒が流れるため、内側の流路と外側の流路の熱交換は促進される一方で、構造上の制約からパワー半導体を2重配管に熱的に接続することが難しいという問題があった。
また、この発明に係る半導体モジュールは、この発明に係るヒートシンクの前記ベース本体のベース面にパワー半導体が実装されたものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態1について説明する。なお、各図面において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態1のヒートシンクを示す斜視図であり、図2は、この発明の実施の形態1のヒートシンクを示す分解斜視図である。また図3は、図1のヒートシンクにおける冷媒の流れを矢印で示す斜視図であり、図4は、この発明の実施の形態1のヒートシンクから入口パイプと入口ヘッダを除いて入口側開口部から見た正面図である。
図1〜図4に示すように、この発明の実施の形態1によるヒートシンク20は、液冷式のヒートシンクであり、ベース面9aを有するベース本体9と、ベース本体9の内部を貫通して形成された貫通穴で構成された円錐流路3と、この円錐流路3の一端側に形成された冷媒流入部と、この円錐流路3の他端側に形成された冷媒流出部とによって構成されている。
図3に示すように、冷媒は、円錐流路3の一端側の開口部である下底4から円錐流路3の他端側の開口部である上底5に向かって流れ、円錐流路3の下底4には、冷媒の流れる流入領域を調整する領域調整板6が配置されている。また図3において、矢印は、冷媒の流れ17を示している。領域調整板6は、冷媒流入部である入口ヘッダ7と円錐流路3の下底4との間に配置され、領域調整板6によって、入口ヘッダ7に対し一部だけが開口する下底開口部11が構成されている。
また、円錐流路3は、底面である下底4が円である錐台形状であるが、底面である下底4が楕円である錐台形状であってもよい。円錐流路3の加工は、金属などの良熱伝導体に円錐状の穴を開けるだけでよく、加工時間はピンフィンなどのフィンに比べて短時間で済み、低コストとすることができる。
図5は、この発明の実施の形態2のヒートシンクから入口パイプと入口ヘッダを除いて冷媒の入口側開口部から見た正面図である。図5に示すように、この発明の実施の形態2のヒートシンク20においては、円錐流路3の下底4に領域調整板6が配置されたことにより、第一の下底開口部13と第二の下底開口部14が、円錐流路3の中心線を対称軸として軸対称に配置されている。また、第一の下底開口部13と第二の下底開口部14との間には、第一の下底開口部13と第二の下底開口部14に流入する冷媒の流速ベクトルの向きが180度変わるように冷媒の流れを折り返す案内板12が設けられている。案内板12は、具体的には、領域調整板6に接して入口ヘッダ7内に配置されている。
図6は、この発明の実施の形態3のヒートシンクを示す斜視図である。この発明の実施の形態3のヒートシンク20では、ベース本体9の少なくとも2面以上のベース面9aに例えばSiCチップあるいはIGBTチップ等のパワー半導体10が実装されている。円錐流路3を流れる冷媒は、円錐流路3の壁面を回転しながら万遍なく流れるため、パワー半導体10を、実装されるベース面9aの位置にかかわらず、高い冷却性能で冷却することができる。
図7は、この発明の実施の形態4のヒートシンクを示す斜視図であり、図8は、この発明の実施の形態4のヒートシンクを示す分解斜視図である。図7および図8においては、ヒートシンク20の構成を説明するために、ベース本体9に実装されたパワー半導体10の図示は省略されている。
この発明の実施の形態4のヒートシンク20では、複数の円錐流路3が、共通の入口ヘッダ7と並列的に接続されており、ベース面9aを共有している。それぞれの円錐流路3が同一のベース面9aを共有していることから、ベース面積を広くすることができ、冷却するパワー半導体10の数が多い場合、またはパワー半導体10のサイズが大きい場合でも冷却することが可能である。
図9は、この発明の実施の形態5のヒートシンクを示す斜視図であり、図10は、この発明の実施の形態5のヒートシンクを示す分解斜視図である。図9および図10においては、ヒートシンク20の構成を説明するために、ベース本体9に実装されたパワー半導体10の図示は省略されている。
この発明の実施の形態5のヒートシンク20では、複数の円錐流路3が、隣り合う一方の円錐流路3の上底5と他方の円錐流路3の下底4との間で直列的に接続されており、ベース面9aを共有している。隣り合う円錐流路3は、一方の円錐流路3の上底5と他方の円錐流路3の下底4が同じ側の面に配置されるように、互い違いに配置されている。冷媒は、入口パイプ1、入口ヘッダ7、円錐流路3の下底4の下底開口部11、円錐流路3、円錐流路3の上底5、中継ヘッダ15、下底開口部11、の順番で直列に接続された円錐流路3をすべて流れた後、出口ヘッダ8から出口パイプ2を通って排出される。
また、この発明の実施の形態5のヒートシンク20では、実施の形態4のヒートシンクのように同一の共通の入口ヘッダ7から複数の円錐流路3に冷媒が分配されることはなく、一つの円錐流路3に供給される冷媒の流量は入口パイプ1から供給される冷媒流量に等しい。すなわち、円錐流路3の内部を流れる冷媒の流速は実施の形態4よりも速いため、冷却性能を実施の形態4よりも向上させることができる効果がある。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
また、この発明に係る半導体モジュールは、この発明に係るヒートシンクの前記ベース本体のベース面にパワー半導体が実装されたものである。
Claims (8)
- ベース本体と、
前記ベース本体の内部を貫通して形成された貫通穴で構成され、前記貫通穴の一端側の開口部の開口面積が他端側の開口部の開口面積よりも大きい流路と、
前記流路の一端側に形成された冷媒流入部と、
前記冷媒流入部と一端側の前記開口部との間に配置され、一端側の前記開口部から前記流路に流入される冷媒の流入領域を調整する領域調整板と、を備えたことを特徴とするヒートシンク。 - 前記流路は、底面が円または楕円の錐台形状であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記冷媒流入部は、冷媒の入口パイプと、前記入口パイプと前記流路を中継する入口ヘッダとから構成されたことを特徴する請求項1または請求項2に記載のヒートシンク。
- 一端側の前記開口部は、前記流路の中心線を対称軸として軸対称に配置された第1の開口部と第2の開口部とを有しており、
前記第1の開口部と前記第2の開口部との間には、前記第1の開口部と前記第2の開口部に流入する冷媒の流速ベクトルの向きが180度変化するように冷媒の流れを折り返す案内板が配置されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のヒートシンク。 - 前記ベース本体には複数の前記流路が形成されており、
前記複数の流路は、前記冷媒流入部とそれぞれ並列的に連通するように配置されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のヒートシンク。 - 前記ベース本体には複数の前記流路が形成されており、
前記複数の流路は、隣り合う前記複数の流路との間で直列的に冷媒が流れるように配置されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のヒートシンク。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のヒートシンクの前記ベース本体のベース面にパワー半導体が実装されたことを特徴とする半導体モジュール。
- 前記パワー半導体は、前記ベース本体の少なくとも2面以上の前記ベース面に実装されたことを特徴とする請求項7に記載の半導体モジュール。
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