JP2019127605A - 宝飾用銀合金Ag750 - Google Patents

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重靖 成瀬
Shigeyasu Naruse
重靖 成瀬
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Abstract

【課題】Ag含有量がAg925より少なくても銀白色の独特の色調を失わず、硬さや引張強さなどの機械的性質や耐変色性に優れ、傷や変形が生じにくい銀合金の提供。【解決手段】Ag75.0wt%に、Pd、Cu、In、Sn、Znのうち少なくとも二種類を添加して三元素以上からなる組成を示す宝飾用銀合金とした。【選択図】図1

Description

本発明は宝飾に使用される銀合金に関する
指輪、ペンダント、イヤリング、ネックレスなどに使用される宝飾用銀合金の主流は、Ag92.5wt% −Cu7.5wt%の成分組成を示す合金(Ag925)であり、この銀合金はスターリングシルバーと呼ばれ、およそ12世紀の英国で標準品位と認定されて以来今日まで世界中で使用されている。その他にもコインシルバーと呼ばれるAg90.0wt% −Cu10.0wt%の成分組成を示す銀合金(Ag950)が存在する。
昨今、中学生や高校生などのジュニア世代が宝飾製品を身に着ける時代となってきたが、ジュニア世代にとっては、金合金やプラチナ合金はもとより上述したような銀合金を使用した宝飾製品でさえ高価であるため購入しづらい。
そのため、ジュニア世代は、Cu−Zn合金やCu−Sn合金などの卑金属でメッキ加工された宝飾製品を購入し、使用している。
しかし、卑金属でメッキ加工された宝飾製品は、イオン化しやすいため容易に変色してしまう。さらに、角質層はもとより粘膜層に直接触れる宝飾製品においては、使用者が金属アレルギーによる皮膚過敏症を起こすケースが多々報告されている。
そこで、従来の宝飾用銀合金では、耐変色性を向上させるとともに金属アレルギー反応による人体への影響を低減するため、Agを基材とし、In、Pd、Au、Pt、Re、Cuを含有したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、宝飾製品と同じく粘膜に直接触れる歯科用銀合金では、機械的性質を向上させるとともに金属アレルギー反応による人体への影響を低減するため、Agを基材とし、In、Zn、Sn、Co,Cuを含有し、さらにCa−SiまたはSiを含有したものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2012‐158811号公報 特開2002‐180156号公報
しかしながら、従来の宝飾用銀合金は、宝飾用途として必要不可欠な硬さや引張強さなどの機械的性質が劣っているため、傷や変形が生じやすいという問題がある。
一方、歯科用銀合金は、宝飾用途として必要不可欠な展延性が劣っているため、鋳造後の加工が困難であり、宝飾用途として転用することはできないという問題がある。
さらに、上述したいずれの銀合金においても宝飾用途として必要不可欠な耐変色性が劣っているという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、Ag含有量がAg925より少なくても銀白色の独特の色調を失わず、さらに、硬さや鋳造性などの機械的性質、展延性および耐変色性に優れ、傷や変形が生じにくい宝飾用銀合金を安価に作製することを目的とする。
課題を解決する為の手段
そこで本発明は、Ag75.0wt%に、Pd、Cu、In、Sn、Znのうち少なくとも二種類を添加して三元素以上からなる組成を示す宝飾用銀合金とする。
さらに、上記の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、Pd0.5〜5.0wt%、In10.0〜22.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金とする。
さらに、上記の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、In10.0〜22.0wt%、Cu1.0〜5.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金とする。
さらに、上記の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、In10.0〜22.0wt%、Cu1.0〜5.0wt%、Sn1.0〜3.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金とする。
さらに、上記の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、Pd5.0〜10.0wt%、Cu5.0〜10.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金とする。
Agを75.0wt%に確保する目的は、Agを一定量確保したうえでIn、Pdなどを添加することで展延性の向上に効果があるからである。
Inを添加する目的は、融点を下げることで流動性を向上させるためと、Ag3Inなどの金属間化合物の生成による硬さ向上の効果を考慮したためである。さらに、Agへの添加で硫化水素に対する抵抗が増して耐変色性の向上に効果がある。
その添加量は、10.0wt%未満では添加の効果がなく、20.0wt%で耐変色性が安定する一方、22.0wt%を超えるにつれて展延性が低下し、40wt%付近ではほとんど展延性が失われ、圧延不能となる。
Cuを添加する目的は、Ag−Cu合金では全率固溶を示し、時効硬化を顕著にし、硬さ向上に効果があるからである。
その添加量は、1.0wt%未満では添加の効果がなく、一方、10.0wt%を超えるとAgの白色が奪われ、暗白色系の色調を示すようになる。
本発明の宝飾用銀合金には、銀白色の美しい色調を呈することが求められているため、Cuの添加量の上限は10.0wt%とした。なお、5.0wt%の添加であっても硬さ向上の効果は十分に得られる。
Pdを添加する目的は、Ag−Pd合金では全率固溶を示し、Agの耐変色性を向上させるためであり、また、Pd−Cu合金では規則格子を生成し、金属間化合物を生成することで硬さ向上に効果があるからである。
その添加量は、0.5wt%未満では添加の効果がなく、一方、10.0wt%を超えると不溶性被膜が生成することで変色を招くことになる。さらに添加量が多くなると、融点を引き上げることによる流動性の低下や、Pd特有のガス吸収によって、常温でも体積の数百倍の水素を吸蔵することで、溶解後の凝固時にガスを排出し、鋳巣の原因となることがある。なお、5.0wt%の添加であっても硬さ向上の効果は十分に得られる。
Snを添加する目的は、Agとの合金化により合金の流動性と耐変色性の向上に効果があるからである。
その添加量は、1.0wt%未満では添加の効果がなく、一方、3.0wt%を超えると合金に脆さが発現し、10.0wt%を超えるとAg−Snの平衡状態図上での相変化が大きくなり、宝飾用銀合金として重要な展延性が著しく低下することになる。
残部にZnを添加する目的は、融点を下げることによる流動性の向上と脱酸作用の向上のためである。また、Znの添加は硬さ向上にも効果はあるが、硬さ向上には脆さを伴うため、本発明では12.5wt%までとした。
すなわち、必要以上のZnの添加はSnの場合と同様に、宝飾用銀合金として重要な展延性を著しく低下させる。
さらに、Agに対する上述した添加元素による効果は、PdとCuを含む二種類以上の添加元素によるPd−Cu−Ag合金では、等軸晶組織で双晶が見られ均質単相であるため、粒界析出物の硬さが著しく向上する。
また、Snの添加によるAg−Sn合金では、共晶反応と二つの包晶反応を含むため、硬さが著しく向上する。Znの添加によるAg−Zn合金でも、複雑に四つの包晶反応と固相反応を含んでいるため、硬さが著しく向上する。
なお、本発明では、金属アレルギー反応を起こしにくいものを添加元素として用いた。
本発明による銀合金の各時間経過時における変色状態 Ag925の各時間経過時における変色状態
Ag、In、Cu,Pd,Sn、Znを表1に示す組成になるように配合して銀合金を作製した。なお、従来の宝飾用銀合金であるAg925、Ag950を比較例とした。
これらの銀合金を表面研磨して色調を調査した。調査は、これら銀合金と純銀の色調を目視により比較し、その違いを三段階で評価することにより行った。評価は、純銀の色調とほぼ同等なものを○、純銀の色調と若干異なるものを△、純銀の色調と異なるものを×とした。表1にその結果を示す。
次に、これらの銀合金についてJIS T 6108に準拠した各種試験を行い、硬さ、引張強さ、伸びなどを調査して表1にその結果を併せて示す。
表1より、本発明による銀合金は、Ag含有量が少ないにも関わらず、従来のAg925およびAg950に遜色ない色調を有し、かつ純銀の色調とほぼ同等であることを確認した。
表1より、本発明による銀合金は、硬さがAg925およびAg950の約2倍と従来の宝飾用銀合金を大幅に上回っており、融点も低く、引張強さについても優れていることを確認した。
さらに、従来の宝飾用銀合金は伸びが大きく軟らかい合金のため、傷や変形が生じやすいが、本発明の銀合金は、伸びについては従来の宝飾用銀合金より小さいが、優れた硬さや引張強さなどを有するため、傷や変形が生じにくく宝飾用途として最適である。
また、硬さや引張強さのみに注目すると、一般的な歯科用銀合金のほうが本発明による銀合金よりも優れているように思われるが、歯科用銀合金は合金化すると脆くなるため加工が困難である。この脆さは伸びと相関性があるため、脆いほど伸びが小さくなり展延性が低下する。
表1より、本発明による銀合金の伸びが9〜21%であるのに対して、一般的な歯科用銀合金の伸びは3〜5%であることから、歯科用銀合金のほうが、伸びが小さく脆いことを確認した。
宝飾用銀合金においては、細かい爪などを石に合わせて曲げていく石留め加工などが施されるため、脆さは繊細な加工の妨げになる。したがって、歯科用銀合金を宝飾用途に転用することはできない。
さらに、歯科用銀合金では、色調を重要視しないため、デザインとして色調を最重要視する宝飾用途に転用することはできない。
なお、JIS T 6108により、歯科鋳造用銀合金の伸びは3%以上と規定されている。
そこで、本発明による宝飾用銀合金は、Agを一定量確保しつつ、In、Cu,Pdなどを添加することによって、宝飾用途として必要な硬さを満たすとともに繊細な加工が可能な宝飾用銀合金を提供することができる。
次に、本発明による銀合金(組成:Ag75.0wt%−In20.0wt%−Cu2.0wt%−Zn3.0wt%)についてJIS T 6106に準拠した変色試験を行った。比較対象としてのコントロールは、Ag925(組成:Ag92.5wt%−Cu7.5wt%)とした。上述した組成を示す合金を作製した後、20mm×20mm×1mmに鋳造し、鏡面まで研磨したものを合金試料とした。
変色試験は、37±2℃に保たれた恒温槽内で、バイアル瓶中の人口汗40mlに各合金試料を全浸漬した後、8h、24h、48h、72h経過時における変色状態を目視により観察して行った。
図1に本発明による銀合金の各時間経過時における変色状態を撮影した写真を示す。図2にAg925の各時間経過時における変色状態を撮影した写真を示す。
Ag925は、8h経過時で既に変色が認められ、その後も時間が経過するにつれて、より一層変色していくことを確認した。
一方、本発明による銀合金は、72h経過時でも銀白色の色調を呈しており、変色が認められないため、優れた耐変色性を有することを確認した。
すなわち、本発明による銀合金は、Ag含有量が従来の宝飾用銀合金より少なくても、銀白色の独特の色調を有し、さらに耐変色性が優れているため、長期間使用しても銀白色の輝きを失いにくい宝飾製品を安価に提供することができる。

Claims (5)

  1. Ag75.0wt%に、Pd、Cu、In、Sn、Znのうち少なくとも二種類を添加して三元素以上からなる組成を示す宝飾用銀合金。
  2. 請求項1に記載の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、Pd0.5〜5.0wt%、In10.0〜22.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金。
  3. 請求項1に記載の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、In10.0〜22.0wt%、Cu1.0〜5.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金。
  4. 請求項1に記載の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、In10.0〜22.0wt%、Cu1.0〜5.0wt%、Sn1.0〜3.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金。
  5. 請求項1に記載の宝飾用銀合金において、Ag75.0wt%とし、Pd5.0〜10.0wt%、Cu5.0〜10.0wt%、残部をZnとした宝飾用銀合金。
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