JP2019126379A - 背凭れ及び椅子 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1には、椅子の支基に設けられた背凭れ支持体によって、背凭れのインナーシェルを支持する構成が開示されている。この構成において、背凭れ支持体は、正面視においてU字状をなしており、横フレームの左右端に起立フレームが立設されている。背凭れのインナーシェルの左右下部には、左右方向の外方及び下方に開口する凹部が設けられている。インナーシェルは、背凭れ支持体の起立フレームを、左右下部の凹部内に嵌入させることで、背凭れ支持体に支持されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたような構成にあっては、強度部材として機能するインナーシェルの凹部内に起立フレームが嵌入される構成であるため、インナーシェルの前後方向の厚さを起立フレームよりも厚くする必要がある。この場合、インナーシェルの上部を下部(起立フレームが嵌入される部分)に比べて極端に薄くすることが難しい。そのため、従来の背凭れでは、背凭れの剛性及び柔軟性を両立させる点で未だ改善の余地があった。
しかも、本態様では、背凭れ補強フレーム及び背凭れ本体を背凭れの強度部材として機能させることで、各部材に最適な材質を選択できる等の設計の自由度を向上させることができる。この場合、従来のように一部品(インナーシェル)で剛性を確保する構成のように、リブ等の複雑な形状を付す必要が抑えられるので、製造コストの削減を図ることができる。
その結果、低コストで座り心地に優れた背凭れを提供できる。
本態様によれば、椅子を後方(荷重支持面と反対側)から見たときに、背凭れ本体の後方に背凭れ補強フレームが露呈することがない。したがって、椅子の美観を向上させることができる。
本態様によれば、背凭れ補強フレームが上方に開口するU字状に形成されるので、背凭れの下部を補強した上で、着座者の腰部が背凭れ補強フレームに干渉するのを抑えることができる。また、背凭れ補強フレームが背板の外周縁に沿って配置されるので、背板の柔軟性が背凭れ補強フレームによって阻害されるのを抑えることができる。
本態様によれば、背凭れの厚みが増加するのを抑えつつ、座り心地を向上させることができる。
本態様によれば、背凭れ補強フレームによって背凭れの剛性を積極的に確保することで、背凭れ本体に対して柔軟性を付与し易い。
本態様によれば、上記態様に係る背凭れを備えているため、低コストで座り心地に優れた椅子を提供できる。
本態様によれば、背凭れを支持構造体に強固に固定することができる。
本態様によれば、背凭れを組み立てる際には、背凭れ補強フレームの挿入部に背凭れ支持部材の上方延出部を挿入することで、背凭れ補強フレームを背凭れ支持部材の上方延出部に容易かつ強固に固定することができる。さらに、背凭れ支持部材の上方延出部が背凭れ補強フレームの挿入部に挿入されることで、背凭れ支持部材の上方延出部が前後に露呈するのを抑え、椅子の外観を向上させることができる。
以下の説明において、便宜上、椅子100に着座した利用者(着座者)が前を向く方向を「前方」、その反対方向を「後方」、つまり図2の紙面に沿った横方向を前後方向と称する。さらに、椅子100を設置する床面Fの法線方向を上下方向、椅子100の幅方向、つまり図2の紙面に直交する方向を左右方向又は幅方向と称する。なお、図中適所には、椅子100の幅方向を示す矢印X、椅子100の前後方向を示す矢印Y、椅子100の上下方向を示す矢印Zが示されている。
図1〜図3に示すように、椅子100は、支持構造体1と、座部10と、肘掛け20と、背凭れ30と、を備えている。
脚体2は、平面視で放射状に配置された複数(五本)の脚杆2aを有する。各脚杆2aの先端部には、それぞれ床面Fに接地するキャスタ2bが設けられている。
脚柱3は、脚体2の中央に起立している。脚柱3は、ガススプリングを内蔵した伸縮式で、下部を構成する外筒3aと上部を構成する内筒3bとを相対回転可能に有している。
図2〜図4に示すように、背凭れ支持部材6は、支基4の側方に隣接する位置から後方へ延びる後方延出部6aと、後方延出部6aの後端に連なり上方へ屈曲する湾曲部6bと、湾曲部6bの上端に連なり上方へ延びる上方延出部(フレーム支持部)6c(図3、図4参照)と、を有している。上方延出部6cは、後方延出部6aに対して幅方向外側へ変位している。
図4〜図6に示すように、上方延出部6cには、幅方向内側に窪み、上方延出部6cが延びる方向(上下方向)に連続する溝部6eが形成されている。図5、図6に示すように、溝部6eの上下には、ボルト挿通孔6fが形成されている。
連動機構15は、背凭れ30が後方へ傾動する前(リクライニング前)の起立位置(図2参照)からリクライニング位置に向けて後方へ回動したとき、座部10を後方へ移動させつつ後下がりに傾斜させる。
肘掛け本体21は、前後方向に延びる上部杆22と、上部杆22の前部から後下方へ延びる前部杆23と、上部杆22及び前部杆23の後端部間に渡る後部杆24と、を有している。
後部杆24は、突条24aを上方延出部6cの溝部6eに嵌入させた状態で、ボルト挿通孔6fを通して上下一対のボルトB1をナット穴24bに締結することで、背凭れ支持部材6の上方延出部6cに固定されている。
図7に示すように、背凭れ補強フレーム32は、背板31とともに、背凭れ30の強度部材として機能する。背凭れ補強フレーム32は、背板31の下部において、背板31の前方に、背板31に対して前後方向で対向して設けられている。背凭れ補強フレーム32は、背板31よりも剛性が高い材料、例えば硬質の合成樹脂、あるいは金属材料により形成されている。換言すると、背板31は、背凭れ補強フレーム32よりも剛性が低い。なお、本実施形態において、背凭れ補強フレーム32の前後方向の厚さは、背板31よりも厚くなっている。但し、背凭れ補強フレーム32の厚さは、背板31の厚さ以下であってもよい。
図7、図8に示すように、背凭れ補強フレーム32は、前方から見た正面視で上方に開放するU字状をなしている。具体的に、背凭れ補強フレーム32は、下辺部32aと、一対の側辺部32bと、を一体に有している。
下辺部32aは、背板31の下端縁に沿って幅方向に延びている。一対の側辺部32bは、下辺部32aの幅方向両端部から、それぞれ、背板31の幅方向両端縁に沿って上方に延びている。
表皮材34は、少なくとも背板31、背凭れ補強フレーム32及びクッション材33を覆っている。
図8に示すように、背凭れ補強フレーム32の各側辺部32bには、挿入部37が形成されている。挿入部37は、幅方向外側に開放された溝状で、側辺部32bに沿って上下方向に連続している。この挿入部37は、下方に向かって開口している。
上部杆22の後部、及び上方延出部6cの上部には、第一ボルトB3が挿通されるボルト挿通孔25が形成されている。ボルト挿通孔25は、上部杆22の後部の上面部22aに開口25aを有している。第一ボルトB3は、開口25aからボルト挿通孔25に挿通される。
側辺部32bの上部の幅方向内側には、正面視で第一ボルトB3の傾斜と略平行になるように傾斜した矩形状の凹部38Aが形成されている。凹部38A内には、凹部38Aの後面及び傾斜面に沿うようにL字状のブラケット39が配置されている。ブラケット39は、後壁39aがボルトB2によって背板31及び背凭れ補強フレーム32に固定されている。傾斜壁の起立壁39bにはナットN3が配置され、第一ボルトB3が締結されている。
この構成によれば、背凭れ30の下部では、背板31と背凭れ補強フレーム32とが前後で重ね合わされることで、剛性が高められる。一方、背凭れ30において背凭れ補強フレーム32よりも上方に位置する部分は、背凭れ補強フレーム32が設けられていないため、背凭れ30の下部に比較して柔軟性を確保し易い。これにより、着座者が背凭れ30に荷重をかけたときに、背凭れ30の下部は変形が抑えられて高い剛性感を確保しつつ、背凭れ30の上部を撓ませることができ、座り心地が向上する。
しかも、本実施形態では、背凭れ補強フレーム32及び背板31を背凭れ30の強度部材として機能させることで、各部材に最適な材質を選択できる等の設計の自由度を向上させることができる。この場合、従来のように一部品(インナーシェル)で剛性を確保する構成のように、リブ等の複雑な形状を付す必要が抑えられるので、製造コストの削減を図ることができる。
その結果、低コストで座り心地に優れた椅子100を提供できる。
このように構成することで、椅子100を後方(荷重支持面31fと反対側)から見たときに、背板31の後方に背凭れ補強フレーム32が露呈することがない。したがって、椅子100の美観を向上させることができる。
この構成によれば、背凭れ30の下部33dを補強した上で、着座者の腰部が背凭れ補強フレーム32に干渉するのを抑えることができる。また、背凭れ補強フレーム32が背板31の外周縁に沿って配置されるので、背板31の柔軟性が背凭れ補強フレーム32によって阻害されるのを抑えることができる。
この構成によれば、背凭れ30の厚みが増加するのを抑えつつ、座り心地を向上させることができる。
この構成によれば、背凭れ補強フレーム32によって背凭れ30の剛性を積極的に確保することで、背板31に対して柔軟性を付与し易い。
この構成によれば、背凭れ30を支持構造体1に強固に固定することができる。
この構成によれば、背凭れ30を組み立てる際には、背凭れ補強フレーム32の挿入部37に背凭れ支持部材6の上方延出部6cを挿入することで、背凭れ補強フレーム32を背凭れ支持部材6の上方延出部6cに容易かつ強固に固定することができる。さらに、背凭れ支持部材6の上方延出部6cが背凭れ補強フレーム32の挿入部37に挿入されることで、背凭れ支持部材6の上方延出部6cが前後に露呈するのを抑え、椅子100の外観を向上させることができる。
なお、本発明に係る構成は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上述した実施形態では、背凭れ補強フレーム32と背板31とを連結固定する構成、背凭れ補強フレーム32と背凭れ支持部材6とを連結する構成について示したが、適宜他の構成に変更することが可能である。
上述した実施形態では、背凭れ補強フレーム32を背板31の荷重支持面31f側に設けるようにしたが、背凭れ補強フレーム32を背板31の後面側に設けるようにしてもよい。
上述した実施形態では、背凭れ補強フレーム32が上方に開口するU字状に形成された構成について説明したが、この構成のみに限られない。
背板31における補強フレーム32との連結部分以外の部分に、スリット等を形成することで、相対的に撓み易い部分を背板31に設定してもよい。
上述した実施形態では、背凭れ支持部材6が幅方向の両側において、背凭れ補強フレーム32の挿入部37内に挿入されている構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、一対の背凭れ支持部材6同士を幅方向に延びる連結部材により連結し、挿入部37を背凭れ補強フレーム32の下辺部32aにも形成することで、背凭れ支持部材6及び連結部材を下辺部32a及び側辺部32bに形成された挿入部37内に挿入する構成であってもよい。
6 背凭れ支持部材
6c 上方延出部(フレーム支持部)
10 座部
30 背凭れ
31 背板(背凭れ本体)
31f 荷重支持面
32 背凭れ補強フレーム
32a 下辺部
32b 側辺部
33 クッション材
33d 下部
37 挿入部
100 椅子
Claims (8)
- 着座者の荷重を支持する荷重支持面を有した板状の背凭れ本体と、
前記背凭れ本体の上部を突出させた状態で、前記背凭れ本体の下部において前記背凭れ本体に対して前後方向で対向して固定され、座部又は前記座部を支持する支持構造体に連結される背凭れ補強フレームと、
前記背凭れ本体及び前記背凭れ補強フレームを覆う表皮材と、を備えている背凭れ。 - 前記背凭れ補強フレームは、前記背凭れ本体の前記荷重支持面側に配置されている請求項1に記載の背凭れ。
- 前記背凭れ補強フレームは、
前記背凭れ本体の下端部において前記背凭れ本体の幅方向に延びる下辺部と、
前記下辺部から前記背凭れ本体の幅方向両端部に沿って上方に延びる一対の側辺部と、を一体に備える請求項1又は請求項2に記載の背凭れ。 - 前記背凭れ本体の前記荷重支持面側に設けられたクッション材をさらに備え、
前記クッション材の下部は、前記背凭れ補強フレームの前記下辺部と一対の前記側辺部とに囲まれた部分の内側に収められている請求項3に記載の背凭れ。 - 前記背凭れ補強フレームは、前記背凭れ本体よりも剛性が高い請求項1から請求項4の何れか1項に記載の背凭れ。
- 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の背凭れと、
前記背凭れの前方に配置され、着座者が着座可能な座部と、
前記座部及び前記背凭れを支持する支持構造体と、を備える椅子。 - 前記支持構造体は、幅方向両側に、それぞれ、上方に向かって延びるフレーム支持部を有し、
前記背凭れ補強フレームは、前記フレーム支持部に固定されている請求項6に記載の椅子。 - 前記背凭れ補強フレームは、幅方向両側に、下方に向かって開口し、前記フレーム支持部が挿入される挿入部を有する請求項7に記載の椅子。
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Citations (2)
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JP2008161443A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Okamura Corp | 椅子における背板の取付装置 |
JP2016087019A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社岡村製作所 | 椅子用荷重支持部材、及び、椅子 |
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