JP2019125762A - 不純物導入方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

不純物導入方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置の素子構造及び半導体基板を損傷させることなく、不純物元素を半導体基板に深く導入できる。【解決手段】不純物導入方法は、固体材料からなる対象物の表面上に、不純物元素を含む不純物源膜を堆積するステップと、予備照射期間t1において、不純物元素の導入開始温度より低い温度で表面を予備加熱するように、光パルスを予備加熱エネルギー密度Fpreで不純物源膜に向けて照射するステップと、予備照射期間t1に連続する本照射期間t2において、予備加熱された表面を導入開始温度以上の温度で本加熱するように、光パルスを予備加熱エネルギー密度Fpreからピークエネルギー密度Fpeakに連続的に変化させ、ピークエネルギー密度Fpeakで不純物源膜に向けて照射するステップと、を含み、本照射期間t2において対象物の内部に不純物元素を導入する。【選択図】図2

Description

本発明は、不純物導入方法及びこの不純物導入方法を用いた半導体装置の製造方法に関する。
パワー半導体として炭化ケイ素(シリコンカーバイド,SiC)、特に4Hのシリコンカーバイド(4H−SiC)等のワイドバンドギャップ半導体や絶縁体は、不純物元素の拡散係数が小さい。例えば半導体基板が4H−SiCの場合、4H−SiCの(0001)面((000−1)面)に対して、例えば1015/cm程度以上の高ドーズのイオン注入を行う場合がある。この際には、不純物元素の活性化を4H−SiCの再結晶化と共に促進するため、半導体基板を事前に300〜800℃程度に昇温させて加熱すると共に、イオン注入後、1600〜1800℃程度の高温のアニールを行う必要がある。不純物導入層の形成にイオン注入と高温アニールを用いた場合、基板全体が高温に晒されるため、材料の変質や劣化、プロセス順序に大きな制約を与えてしまうという問題がある。
この問題に対し、例えば、連続レーザー光でアシスト加熱しつつパルスレーザーを重複照射して半導体基板の表層を溶融させることによって、イオン注入で浅く注入した不純物元素を深く拡散させる技術が開示されている(特許文献1参照。)。またイオン注入を用いず、SiC半導体基板の表面上にアルミニウム(Al)薄膜を形成後、レーザー照射することによって、p型の不純物元素が導入されたSiC半導体領域を形成する技術も開示されている(特許文献2参照。)。また不純物を含有する電極にレーザーを照射して、金属原子と不純物を同時に拡散させると同時に、金属原子とSiCの反応層をコンタクト層として生成する技術も開示されている(特許文献3参照。)。
また特許文献4では、SiC半導体基板上に形成したAl薄膜の厚みと、このAl薄膜に照射するレーザーの1回あたりのエネルギー密度が所定の条件を満たすように制御して光パルスを照射し、Alを半導体基板の内部に導入する技術が開示されている。特許文献4では、例えば、n型のSiC半導体基板の表面上にAlは240nm程度の厚みで蒸着して成膜され、光パルスは室温の大気雰囲気で、約4.0J/cmのエネルギー密度で照射される。光パルスの光源としては波長248nmのKrFエキシマレーザーが用いられ、光パルスは照射時間50nsで照射される。この照射により不純物元素としてのAlは、半導体基板の最表面では4H−SiCの固溶濃度を超える、6×1021cm−3程度以上の不純物濃度で導入される。また同時にAlは、半導体基板の表面から50nm程度の深さ位置では、4H−SiCの固溶濃度に近いレベルである、1×1020cm−3程度の不純物濃度で導入される。
しかし特許文献1の場合、パルスレーザーの照射装置の他にアシスト加熱するレーザー光の照射装置を別途設ける必要が生じるため、装置全体が大掛かりになり、設置スペースが増えコストが嵩むという問題も生じる。また特許文献2の場合、導入自体は可能であるが導入の深度が浅いため、高耐圧、大電流が求められるパワー半導体装置への実用化は困難である。また特許文献3の場合、明細書の詳細な記載中の実施例について各種条件等に関する具体的な記載が必ずしも十分でないため、実際には再現が難しい。また金属原子と不純物の同時拡散は、それぞれの拡散係数が同等の組み合わせの場合しか成立しないという問題もある。また特許文献4の技術を用いる場合であっても実現される導入深さは100〜200nm程度に留まるため、パワー半導体装置においては決して十分な深さとはいえない。
また上記したようなレーザー照射を用いて不純物元素を導入する技術の場合、レーザーを照射した領域は、局部的に、かつ、急激に温度が上昇し、レーザーの照射が終了すると直ちに温度が低下する。このため、照射開始直後は基板温度が低くなり、たとえレーザー光のエネルギー密度がピーク強度に到達しても、その時点では、照射領域がいまだ不純物元素のドーピング開始温度(導入開始温度)に到達していない場合がある。その場合、レーザー光の照射時間のうち、不純物元素の注入及び拡散に実効的に寄与できる時間が非常に短くなってしまう。この現象は、レーザー照射を用いて不純物元素を導入する際に、不純物元素を含む薄膜を介して行う場合、或いは不純物元素を含む液体を介して行う場合のいずれの場合にも同様に生じる。
そのため、不純物元素を含む薄膜或いは液体を介したレーザードーピング(不純物導入)において、不純物元素を基板深くまで導入するためには、過剰なエネルギーを投入する必要が生じてしまう。しかしエネルギー密度を大きく、かつ、照射時間を長くすると、絶縁膜等の素子を構成するデバイス構造が破損するという問題がある。また照射領域と照射領域外の温度勾配が大きくなることでサーマルストレス(熱応力)が発生し、結晶歪み、さらには基板割れが発生するという問題がある。
特許第5307093号公報 特開平08−264468号公報 特開2013−214657号公報 特開2016−157911号公報
本発明は上記した問題に着目して為されたものであって、半導体装置の素子構造及び半導体基板を損傷させることなく、不純物元素を半導体基板に深く導入できる不純物導入方法及びこの不純物導入方法を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る不純物導入方法のある態様は、(a)固体材料からなる対象物の表面上に、不純物元素を含む不純物源膜を堆積するステップと、(b)予備照射期間において、不純物元素の導入開始温度より低い温度で表面を予備加熱するように、光パルスを第1のエネルギー密度で不純物源膜に向けて照射するステップと、(c)予備照射期間に連続する本照射期間において、予備加熱された表面を導入開始温度以上の温度で本加熱するように、光パルスを第1のエネルギー密度から第2のエネルギー密度に連続的に変化させ、第2のエネルギー密度で不純物源膜に向けて照射するステップと、を含み、本照射期間において対象物の内部に不純物元素を導入することを要旨とする。
また本発明に係る半導体装置の製造方法のある態様は、(a)第1導電型の第1の半導体領域の表面上に、第2導電型を呈する不純物元素を含む不純物源膜を堆積する工程と、(b)予備照射期間において、不純物元素の導入開始温度より低い温度で表面を予備加熱するように、光パルスを第1のエネルギー密度で不純物源膜に向けて照射する工程と、(c)予備照射期間に連続する本照射期間において、予備加熱された表面を導入開始温度以上の温度で本加熱するように、光パルスを第1のエネルギー密度から第2のエネルギー密度に連続的に変化させ、第2のエネルギー密度で不純物源膜に向けて照射する工程と、を含み、本照射期間において、第1の半導体領域の内部に不純物元素を導入して第2導電型の第2の半導体領域を形成することを要旨とする。
従って本発明によれば、半導体装置の素子構造及び半導体基板を損傷させることなく、不純物元素を半導体基板に深く導入できる不純物導入方法及びこの不純物導入方法を用いた半導体装置の製造方法を提供できる。
本発明の実施の形態に係る不純物導入方法に用いる不純物導入装置の構成の概略を模式的に説明する断面図を含むブロック図である。 図2は本発明の実施の形態に係る不純物導入方法におけるレーザー光の光パルスに係り、図2(a)は光パルスのイメージを模式的に示す図であり、図2(b)は光パルスのエネルギー密度の経時変化を模式的に示す図であり、図2(c)は光パルスが照射される半導体領域の結晶表面近傍の不純物源膜の温度の経時変化を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る不純物導入方法を、図3(a)→図3(b)→図3(c)の順に模式的に説明する断面図である。 図4は比較例に係る不純物導入方法におけるレーザー光の光パルスに係り、図4(a)は光パルスのイメージを模式的に示す図であり、図4(b)は光パルスのエネルギー密度の経時変化を模式的に示す図であり、図4(c)は光パルスが照射される半導体領域の結晶表面近傍の不純物源膜の温度の経時変化を模式的に示す図である。 比較例に係る不純物導入方法を、図5(a)→図5(b)→図5(c)の順に模式的に説明する断面図である。 本発明の実施例及び比較例において、レーザー光の光パルスのピークエネルギー密度及びパルス長が同じであるときの、ドーパント濃度(不純物濃度)又はキャリア濃度と侵入深さ(導入深さ)とのそれぞれの関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る不純物導入方法の変形例におけるレーザー光の光パルスのイメージを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を、図8(a)→図8(b)の順に模式的に説明する図であり、図8(a)は工程断面図、図8(b)は工程上面図である(その1)。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を、図9(a)→図9(b)→図9(c)→図9(d)の順に模式的に説明する工程断面図であり、図9(a)は図8(b)中のB−B方向から見た工程断面図である(その2)。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を、図10(a)→図10(b)→図10(c)→図10(d)の順に模式的に説明する工程断面図である(その3)。
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。また本明細書及び添付図面においては、n又はpを冠した領域や層では、それぞれ電子又は正孔が多数キャリアであることを意味する。またnやpに付す+や−は、+及び−が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。
(不純物導入装置)
本発明の実施の形態に係る不純物導入方法に用いる不純物導入装置は、図1に示すように、成膜装置10、光照射装置20並びに成膜装置10及び光照射装置20に接続された演算制御装置30を備える。
成膜装置10は、固体材料からなる対象物1の表面に不純物元素を含む不純物源膜4を成膜する。成膜装置10は、例えばスパッタ装置、電子ビーム蒸着装置、プラズマCVD装置等が採用可能である。本発明の実施の形態に係る成膜装置10としては、図1に示すように、真空排気可能なチャンバ11と、チャンバ11内に設けられ対象物1を載置する下部電極12と、を備えるスパッタ装置の場合を例示している。チャンバ11内では、チャンバ上板13側に、下部電極12に対向して不純物元素を含むターゲット14が配置される。
成膜装置10は、更に下部電極12とターゲット14との間に接続された電源15と、チャンバ11に接続されチャンバ11内にアルゴン(Ar)ガス等の希ガスを導入するガス導入バルブ16と、を備える。成膜装置10は、チャンバ11に接続されチャンバ11内を真空状態にするロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ或いはクライオポンプ等で構成される真空ポンプ17を更に備える。
電源15、ガス導入バルブ16及び真空ポンプ17には、成膜される不純物源膜4の膜厚を制御する膜厚制御部31が接続されている。また膜厚制御部31は成膜装置10に装備された図示を省略した膜厚計からの信号をインシツ(in situ)モニタして帰還制御することができる。電源15、ガス導入バルブ16及び真空ポンプ17は、膜厚制御部31を介して演算制御装置30に接続されている。
図1のDCスパッタ装置の場合で説明すれば、下部電極12とターゲット14との間に電源15によって直流電圧を印加して、導入した希ガスをイオン化してターゲット14に衝突させる。そして衝突によりターゲット14からはじき飛ばされた不純物元素の粒子を対象物1の表面に衝突、付着させて成膜する。成膜装置10は、DCスパッタ装置以外にRFスパッタ装置、マグネトロンスパッタ装置、イオンビームスパッタ装置等で構成してもよい。成膜される不純物源膜4の膜厚は、成膜時の処理時間を調整することで制御できる。
光照射装置20は、不純物源膜4を介して平坦な表面を有する対象物1にレーザー光L等の照射フルエンス(エネルギー密度)の大きな光パルスを照射して不純物元素を導入する。光照射装置20は、対象物1の表面に不純物源膜4を介して光パルスを一定寸法の照射領域でスキャン照射するビーム調整系33を備える。また光照射装置20は、支持台24を介して対象物1を対象物1の主面に平行な面内に定義されるX−Y方向に自在に移動させるX−Y移動ステージ23を備える。光照射装置20は、不純物源膜4を介して対象物1の上面にレーザー光Lの光パルスをスキャン照射して、レーザー光Lで与えたエネルギー効果によって対象物1の内部の一部に不純物元素を導入する。エネルギー効果には熱エネルギーの効果も含まれる。
不純物導入装置の対象物1としては、例えば図8に示すように、(0001)面((000−1)面)を有する4H−SiCのn型の半導体基板1aの上に、n型の4H−SiCのエピタキシャル成長層2を設けた2層構造を採用できる。エピタキシャル成長層2は、例えば1×1013〜1×1016/cm程度の不純物濃度で5〜20μm程度の厚みを有する。尚、対象物1としては、エピタキシャル成長層2が成長した構造物を用いる場合に限定されず、SiC基板そのものを対象物1として用いてもよい。
対象物1は、エピタキシャル成長層2側の面を表面としてビーム調整系33側に向けて配置されている。対象物1の表面上には図示を省略するが位置合わせのための基準マークが設けられていてもよい。尚、対象物1の材料としてはSiCに限定されず、例えば窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)、ダイヤモンド等、他のワイドバンドギャップ半導体材料であっても本発明を適用できる。また対象物1の材料としては、ワイドバンドギャップ半導体材料に限定されず、例えば禁制帯幅が2.2eV以下の半導体材料や絶縁体材料等の他の材料であってもよい。
不純物源膜4は、対象物1にドーピングして添加する不純物元素を不純物導入源として含む膜であり、例えばp型の不純物元素としてAlを選択した場合は、Al薄膜が使用できる。また不純物源膜4は、不純物元素そのものの単一元素膜に限定されることなく、他の元素との化合物、例えば窒化物等の化合物や混合物からなる薄膜であってもよいし、或いはこれらを積層した多層の複合膜等であってもよい。また、不純物元素はAlに限定されるものではなく、導電型の選択、或いは母相の元素の置換位置又は格子間位置に対応して、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)等の他の不純物元素が適宜用いられてよい。
不純物導入装置のビーム調整系33は、図1に示すように、レーザー光L等のエネルギー密度の大きな光パルスを出射する光源34と、図示を省略するが、出射されたレーザー光Lを集光するレンズ系や所定の形状に成形する可変スリット等を備える。ビーム調整系33には、照射されるレーザー光Lの照射条件を制御する光源制御部32が接続されている。光源制御部32は演算制御装置30に接続されている。ビーム調整系33の光源34は、光源制御部32を介して演算制御装置30に制御されている。
光源制御部32は、レーザー光Lのエネルギー密度がピークエネルギー密度に到達する前及び到達した後に、一定時間、ピークエネルギー密度より低い一定のエネルギー密度でレーザー光Lを照射するように光源34を制御する。すなわち1回のショットの中で、光パルスの照射フルエンスは所望の値をとるように、増大及び減少のいずれの方向にも連続的に変化可能である。
またビーム調整系33は、レーザー光Lを掃引する場合、必要であれば、成形されたレーザー光Lを反射して図示を省略するレンズ等の集光装置に導く、不図示の反射ミラーやプリズム等の他の光学系を備えるようにしてもよい。成形されたレーザー光L等のエネルギー密度の大きな光パルスは、対象物1の上面と不純物源膜4との界面領域に向けて照射される。成形されるレーザー光Lの形状は、矩形状が好適に用いられるが、矩形に限定されることなく他の形状であってもよい。また対象物1に対する光パルスの照射位置を制御するに際し、図示を省略するが、対象物1の基準マークを撮像するCCDカメラ等の撮像装置、照明光を照射する照明光照射装置、照明光を反射及び透過させるミラー及びアライメント機構等を別途設けてもよい。
エネルギー密度の大きな光パルスとしては、不純物源膜4を介して十分な反応エネルギーが生じるように、光エネルギーを不純物元素及び対象物1の格子振動に与えることが可能な波長を有するレーザー光Lのパルスが好ましい。例えば、248nm(KrF)、193nm(ArF)、308nm(XeCl)、351nm(XeF)等の発振波長を有するエキシマレーザーを採用できる。また266nm(YAG第4高調波)、355nm(YAG第3高調波)、532nm(YAG第2高調波)レーザー等を用できる。対象物1の禁制帯幅が狭い場合や、不純物添加の状態によっては、1.064μm(YAG基本波)、10.6μm(炭酸(CO)ガス)レーザー等を採用してもよい。
また水銀(Hg)ランプやキセノン(Xe)ランプ等の高出力の連続光を分光器やフィルターで波長選択してもエネルギー密度の大きな光パルスを得ることが可能であるので、光パルスとしては必ずしもレーザーに限定されるものではない。またエキシマレーザーのように、多くの半導体材料の禁制帯幅よりも大きなエネルギーとなり、表面反応の化学ポテンシャルを超える、紫外線領域の波長のレーザー光Lを用いてもよい。紫外線領域の波長のレーザー光Lを用いて照射すれば、紫外線領域の光エネルギーによる光触媒作用や表面マイグレーション等の表面反応を光励起させることができる。
更に、単なる表面マイグレーション等による表面における分子の移動等の素反応(素過程)の励起を超えた反応の励起も可能である。例えば不純物元素の導入対象となる固体表面から内部に向かったバルクの格子振動を励起することも可能である。これによりレーザー光Lの浸透深さの範囲において、不純物元素を目的とする固体材料の格子間位置や置換位置等の導入位置に移動させる格子間反応を含めた表面反応等も光励起することができる。ただし、ArF(=193nm)レーザー等よりも短波長、すなわち真空紫外光の範囲に含まれる短波長の光は、大気中の酸素分子に吸収され伝播が阻害される。そのため大気中でのレーザードーピングを実施する環境においては、190nm程度以上の波長を有するレーザー光Lであることが好ましい。
X−Y移動ステージ23は、支持台24を下方から水平に支持するとともに、図示を省略する移動ステージ駆動装置に接続されている。移動ステージ駆動装置を演算制御装置30によって制御することにより支持台24は水平面内の方向(X−Y方向)にそれぞれ自在に移動し、対象物1を光パルスの照射位置に対し自在に移動できる。例えば光パルスの照射位置に対する対象物1の相対的な位置を自在に移動することにより、直接描画の手法が可能になる。更に、支持台24とX−Y移動ステージ23との間に、支持台24をX−Y方向に垂直なZ方向に移動させるZ移動ステージを設けることで、X−Y方向に加えZ方向にも移動可能に支持台24を構成して焦点等の調整ができるようにしてもよい。
演算制御装置30は、不純物源膜4の膜厚等の成膜条件及びレーザー光Lのエネルギー密度や対象物1に対する光パルスの相対的な光照射位置等の光照射条件を制御する。演算制御装置30には入力装置41及びデータ記憶装置42が接続されており、演算制御装置30は、データ記憶装置42の内部に格納されたデータにアクセス可能に構成されている。データ記憶装置42には、入力装置41を介して、不純物元素の種類(物性値)、1パルス(1ショット)のパルス長(照射時間)及びレーザー光Lのエネルギー密度等が入力される。また演算制御装置30には、図示を省略するが、表示装置や出力装置等が接続されている。
膜厚制御部31は、設定された膜厚で不純物源膜4が対象物1上に成膜されるように、成膜装置10の電源15の電圧、ガス導入バルブ16及び真空ポンプ17の動作を制御する。光源制御部32は、設定されたエネルギー密度、パルス数及びパルス長で光パルスのスキャン照射が行われるようにビーム調整系33の動作を制御する。
−不純物導入方法−
本発明の実施の形態に係る不純物導入方法では、まず例えば、n型のSiC半導体層が表面(最上面)層として形成された対象物1を用意する。そして、対象物1の表面を熱処理等により酸化させ、酸化ケイ素(SiO)等の絶縁膜を、選択導入用のマスク材として対象物1の表面に成膜する。そしてフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術等によって、絶縁膜上の特定の位置に所望の選択導入用の窓部を形成して導入マスクのマスクパターンを形成する。
次に図1中の成膜装置10の内部に2点鎖線で示したように、導入マスクが形成された対象物1の上面をターゲット14側に向けて、対象物1を下部電極12の上に載置し固定する。次に成膜装置10の膜厚制御部31により、下部電極12とターゲット14間の電圧、ガス導入バルブ16及び真空ポンプ17の動作を制御して、対象物1の上面上に絶縁膜を介して、設定された膜厚で、Alの薄膜からなる不純物源膜4を成膜する。不純物源膜4は、絶縁膜の上面及び絶縁膜のマスクパターンの窓部に露出する半導体層の表面上に成膜される。
次に、不純物源膜4が成膜された対象物1を成膜装置10から取り出して光照射装置20へ搬送し、不純物源膜4の上面をビーム調整系33側に向けて、支持台24上に載置し固定する。光照射装置20は、室温状態の大気の雰囲気中に配置されている。次に、光照射装置20により対象物1の上面に不純物源膜4を介してレーザー光Lの光パルスを照射する。レーザー光Lは、例えば248nm(KrF)エキシマレーザーを用いる。またビームを成形して、照射領域を、例えば平面パターンで約350μm角の正方形状に形成する。
このとき光照射装置20の光源制御部32は、1ショット中のエネルギー密度が、一定の予備加熱エネルギー密度、ピークエネルギー密度及び降温緩和エネルギー密度と連続的に3段階に変化するように、光源34を制御する。具体的には、図2(a)及び図2(b)に示すように、一定のパルス長twを有する1ショットの光パルスが、最初の予備照射期間t1、この予備照射期間t1に続く本照射期間t2、及びこの本照射期間t2に続く事後照射期間t3の3つの連続する照射期間に分割される。
光パルスのパルス長twは、表面反応に必要な時間と、サーマルストレスの緩和とを十分に両立できるように考慮して、例えば100ns程度以上、300ns程度以下の範囲内で設定することができる。パルス長twが100ns未満の場合、不純物元素の十分な導入が難しくなる。またパルス長twが300nsを超える場合、照射エネルギーが過剰になり、対象物1の表面荒れ等が生じ易くなる。
図2(a)のパルスイメージ図で示すように、本照射期間t2のパルス高さは、予備照射期間t1のパルス高さ及び事後照射期間t3のパルス高さより高い。図2(b)に示すように、予備照射期間t1では、光パルスのエネルギー密度は、照射開始直後に急激に上昇して一定の予備加熱エネルギー密度Fpreの値に到達した後、本照射期間t2開始までの間、同じ値が維持される。予備加熱エネルギー密度Fpreは、本発明の「第1のエネルギー密度」に相当する。
予備照射期間t1の長さは10ns程度以上、100ns程度以下の範囲内で設定されることが望ましい。予備照射期間t1の長さが10ns未満の場合、導入のために予備加熱を十分に行うことが難しくなる。また予備照射期間t1の長さが100nsを超える場合、導入は可能であるが、素子構造や基板の損傷が大きくなる。
また予備加熱エネルギー密度Fpreの大きさは、本照射期間t2の光パルスのピークエネルギー密度Fpeakより大きく、ピークエネルギー密度Fpeakの大きさの20%程度以上、50%程度以下の範囲内で設定されることが望ましい。予備加熱エネルギー密度Fpreの大きさがピークエネルギー密度Fpeakの大きさの20%未満の場合、導入のための予備加熱を十分に行うことが難しくなる。また予備加熱エネルギー密度Fpreの大きさがピークエネルギー密度Fpeakの大きさの50%を超える場合、素子構造や基板の損傷が大きくなると共に、導入プロセスに用いるエネルギーのロスが大きくなる。
すなわち図2(c)に示すように、予備照射期間t1は、光パルスの照射開始時点から、半導体基板の不純物源膜4との接合界面における結晶表面近傍の温度が、ドーピング開始温度Tdopeに至る時点までの間に定義される期間である。図2(c)中の破線囲み中のA部分で示したように、予備照射期間t1では、ドーピングに先立ち、事前に比較的弱いエネルギー密度の光パルスにより、半導体の結晶表面近傍の不純物源膜4の温度を上昇させる。不純物源膜4の温度上昇により、図3(a)に示すように、破線a1で囲まれた位置における不純物源膜4の半導体基板との界面領域、及び破線a2,a3で囲まれた位置における不純物源膜4の絶縁膜3との界面領域は、比較的弱いエネルギー密度の光パルスにより、緩やかに二次的に加熱される。
一方、図3(a)中の破線b1で囲まれた位置における半導体基板の不純物源膜4の直下領域でも、半導体基板の表面側より遅れて、破線a1で囲まれた位置における不純物源膜4の温度の上昇と同様に、緩やかに二次的に加熱される。この加熱により、破線a1で囲まれた位置における半導体基板の不純物源膜4の直下領域の格子振動に、熱エネルギーが蓄積される。更に、この直下領域から周辺の領域に向かって熱エネルギーの熱拡散が開始される。その結果、半導体基板の不純物源膜4の直下領域は、図2(c)に示すように、緩やかに昇温し、室温からドーピング開始温度Tdopeへの温度変化の急激な増大が緩和され、直下領域と周辺領域とのサーマルストレスが緩和される。
次に図2(b)に示すように、本照射期間t2では、光パルスのエネルギー密度は、本照射期間t2開始直後に急激に上昇してピークエネルギー密度Fpeakの値に到達し、その後一定時間、ピークエネルギー密度Fpeakの値が維持される。これにより、対象物1をなす半導体基板の不純物源膜4の直下領域と周辺領域とのサーマルストレスを緩和しつつ、表面マイグレーションや直下領域の格子振動が励起される。その後、光パルスのエネルギー密度は、本照射期間t2開始時の値とほぼ同じ値に向かって急激に下降する。
ピークエネルギー密度Fpeakは、本発明の「第2のエネルギー密度」に相当する。本照射期間t2におけるピークエネルギー密度Fpeakの光パルスの照射により不純物源膜4は溶融し、図3(b)に示すように、破線a1,a2,a3で囲まれた位置における界面領域は急速に加熱される。破線a2,a3で囲まれた位置における半導体基板の絶縁膜3との界面領域には、選択導入用のマスクパターンが存在するため、対象物1に不純物元素は導入されない。
一方、半導体基板の不純物源膜4の直下領域は、予備照射期間t1の光パルスの照射による予備加熱が施されているため、本照射期間t2のうち大部分の時間に亘って、不純物源膜4の溶融と、表面マイグレーションや格子振動が励起される。そのため図2(c)に示すように、不純物元素の選択導入が実行され、不純物導入領域4aが形成される。
次に図2(b)に示すように、事後照射期間t3では、光パルスのエネルギー密度は、事後照射期間t3開始後から照射終了までの間、予備照射期間t1でのエネルギー密度とほぼ同じ一定の値をなす降温緩和エネルギー密度Fmodが維持される。事後照射期間t3では、不純物源膜4の凝固もしくは固化状態への遷移が開始され、Alの残渣等が形成される。また表面マイグレーションや格子振動が抑制又は停止する。降温緩和エネルギー密度Fmodは、本発明の「第3のエネルギー密度」に相当する。
降温緩和エネルギー密度Fmodの大きさは、予備加熱エネルギー密度Fpreの場合と同様に、本照射期間t2の光パルスのピークエネルギー密度Fpeakの大きさの20%程度以上、50%程度以下の範囲内で設定されることが望ましい。降温緩和エネルギー密度Fmodの大きさがピークエネルギー密度Fpeakの大きさの20%未満の場合、降温速度(降温レート)を十分に低減できず、急激な温度低下による素子構造や基板の損傷が大きくなる。また降温緩和エネルギー密度Fmodの大きさがピークエネルギー密度Fpeakの大きさの50%を超える場合、凝固もしくは固化状態への遷移が不十分となり、降温レート緩和プロセスに用いるエネルギーのロスが大きくなる。
降温緩和エネルギー密度Fmodの光パルスの照射により、図3(c)に示すように、対象物1である半導体基板の上部の不純物導入領域4aには、ピークエネルギー密度Fpeakより小さい一定のエネルギーが供給され、室温への降温レートが低減する。事後照射期間t3では、不純物導入領域4aで、図2(c)に示すように、緩やかに降温し、ドーピング開始温度Tdopeから室温への温度変化の急激な減少が緩和される。
不純物導入領域4aの形成後、対象物1が更に室温まで降温することにより、本発明の実施の形態に係る不純物導入方法が終了する。尚、不純物導入領域4aの形成後、不純物源膜4がAlの場合は、例えば熱リン酸(HPO)等を用いて対象物1の表面上に残留したAlの残渣を除去すればよい。
(比較例)
一方、比較例に係る不純物導入方法で用いられる光パルスのエネルギー密度は、図4(a)に示すように、従来多用されるパルスパターンの光パルスである。すなわちエネルギー密度が、一定の予備加熱エネルギー密度Fpre及び予備加熱エネルギー密度Fpreより大きなピークエネルギー密度Fpeakに段階的に変化しない。尚、比較例に係る不純物導入方法の、光パルスのエネルギー密度以外の構成については、本発明の実施の形態に係る不純物導入方法の場合と同様である。
すなわち図4(b)に示すように、比較例で用いられる光パルスのエネルギー密度は、照射開始直後から、非常に大きな傾きで急激に上昇して増大し、極めて短い第1の期間t1a内にピークエネルギー密度Fpeakに到達する。その後、光パルスのエネルギー密度は、ピークエネルギー密度Fpeakに到達後すぐに下降に転じ、第1の期間t1aに後続する、第1の期間t1aとほぼ同じ時間長の第2の期間t2a内に、一気に下降する。
図4(b)中には、第2の期間t2a終了時にエネルギー密度が、ピークエネルギー密度Fpeakの5分の1程度に下降した状態が例示されている。比較例に係る不純物導入方法で用いられる光パルスの場合、第2の期間t2a終了後の第3の期間t3aにテール部分が存在する。
また図4(c)に示すように、対象物1である半導体基板の不純物源膜4との界面の領域の温度は、第1の期間t1a及び第2の期間t2aの境界位置でドーピング開始温度Tdopeに到達し、第2の期間t2aの終了前にはドーピング開始温度Tdopeを下回る。そのため比較例の場合、不純物導入領域4aがドーピング開始温度Tdope以上の温度となる時間は、図2(c)に示した本発明の実施の形態に係る不純物導入方法の場合と比べ、非常に短い。
図5(a)に示すように、第1の期間t1a中、破線a1で囲まれた位置における不純物源膜4の半導体基板との界面領域、及び破線a2,a3で囲まれた位置における不純物源膜4の絶縁膜3との界面領域は、非常に強いエネルギー密度の光パルスにより、急速に加熱される。一方、破線b1で囲まれた位置における半導体基板の不純物源膜4の直下領域は、半導体基板の表面側より遅れて緩やかに加熱され、不純物元素が緩やかに導入される。
比較例に係る不純物導入方法では、第1の期間t1a中に光パルスがピークエネルギー密度Fpeakに到達するが、この時点では、対象物1である半導体基板の不純物源膜4の直下領域はドーピング開始温度Tdopeに到達していない。そのため格子振動が十分に励起されておらず、直ちにドーピングが始まらない。すなわち光パルスのエネルギー密度がピークエネルギー密度Fpeakに到達しても、光パルスのエネルギーが不純物源膜4の溶融及び対象物1の表面温度をドーピング開始温度Tdopeに到達させるためのエネルギーに使用される状態が継続する。
次に図5(b)に示すように、第2の期間t2a中、破線a1,a2,a3で囲まれた位置における界面領域は、非常に強いエネルギー密度の光パルスにより、高温状態で不純物源膜4が溶融する。一方、破線b1で囲まれた位置における半導体基板の不純物源膜4の直下領域は、第2の期間t2aの開始に伴い、ドーピング開始温度Tdopeにようやく到達する。そして不純物源膜4の溶融による不純物元素の対象物1の局所的な表面における結晶格子との反応が始まり、格子振動の励起による対象物1の深さ方向への導入が加速される。
しかし図4(c)に示したように、第2の期間t2aの途中で、不純物導入領域4aの温度がドーピング開始温度Tdopeを下回るので、格子振動の励起が不十分となり、不純物元素の実質的な導入は速やかに終了してしまう。そして図5(c)に示す第3の期間t3aでは、図4(c)に示したテール部分となる非常に小さいエネルギー密度の光パルスが照射される。第3の期間t3aでは、照射される光パルスのエネルギー密度は非常に小さいため、図4(c)に示したように、Alが高濃度に導入された局所的な不純物導入領域4aも急速に降温する。そして不純物源膜4の凝固もしくは固化状態への遷移が開始し、Alの残渣等が形成される。そして対象物1にサーマルストレスによるクラックや歪み等の損傷が生じることになる。
尚、説明の便宜のため、本発明の実施の形態に係る不純物導入方法の光パルスを説明する図2中の1ショットのパルス長twは、比較例に係る不純物導入方法の光パルスを説明する図4中の1ショットのパルス長twより長く表されている。しかし両者の光パルスのパルス長twを同じ長さとしても、上記した本発明の実施の形態に係る不純物導入方法の特徴は実現される。
このように比較例で示した光パルスは、対象物1を急速に加熱し、かつ、急速に冷却するため、反応生成物を作る時間も、不純物元素を対象物1の内部に導入する時間も十分に確保することができない。こうした光パルスは、「パルス状」と称することは可能であるが、図4(c)に示したように、レーザードーピングに用いる光パルスとしては、不純物元素が現実に導入されている実効的な時間は決して長くない。
一方、本発明の実施の形態で示した光パルスは、経時的なエネルギー密度のプロファイルを、比較例の光パルスのような従来型のものと比べて大きく変化させる。この変化としてまず、予備照射期間t1を設けることにより、反応生成物を作る時間を十分に確保すると共に、対象物1の不純物導入予定領域を全体として緩やかに加熱して、対象物1である半導体基板の結晶温度を上昇させる。そのため予備照射期間t1に後続する本照射期間t2で、不純物元素を対象物1の内部に導入する時間も十分に確保することが可能になる。
すなわち不純物導入予定領域の温度がドーピング開始温度Tdopeに到達するまでの温度上昇の遅れ幅を短く抑えてドーピング開始温度Tdopeに速やかに到達し、ドーピング開始温度Tdopeを超える時間を従来より長くすることが可能になる。この結果、本照射期間t2開始後に不純物導入予定領域が本照射期間t2中の受け取る照射エネルギーを、不純物元素の選択導入に必要な格子振動の励起に効率的に使用することが可能になる。
このように本発明の実施の形態に係る不純物導入方法によれば、1ショットの光パルスの照射における実効的なドーピング時間(不純物導入時間)を従来より長く確保することが可能になり、不純物元素の拡散深さの拡大に寄与できる。また実効的なドーピング時間を長く確保することにより、拡散した不純物元素が対象物1である半導体基板の結晶中の活性位置に入り込むことが促進されるので、活性化率を更に向上できる。
図6中には、比較例に係る光パルスと同じ大きさのピークエネルギー密度Fpeak及びパルス長twの光パルスを用いて、本発明の実施の形態に係る不純物導入方法を実施した場合のドーパント濃度及びキャリア濃度のそれぞれの侵入深さが例示されている。実施例に係る不純物導入方法を用いることにより、ドーパント濃度及びキャリア濃度はいずれも比較例の場合より高く導入されると共に、導入深さも比較例の場合より深くなる。
また図2(c)及び図4(c)のそれぞれの軌跡の角度を比較して分かるように、本発明の実施の形態に係る不純物導入方法によれば、1ショットのパルス長tw中における、対象物1の温度の時間変化率(dT/dt)が、全体的に小さく抑えられる。そのため高いピークエネルギー密度を有する光パルスを照射しても、1ショットにおける不純物元素の導入前及び導入中の期間に、対象物1である半導体基板に付加される熱膨張によるサーマルストレスが緩和される。よって素子構造及び半導体基板を損傷させることなく、不純物元素の拡散深さ及び活性化率を向上させることができる。
また本発明の実施の形態に係る不純物導入方法によれば、本照射期間t2の後の1ショットのパルス長twの後段に事後照射期間t3を設けることにより、対象物1を急速冷却しない。そのためサーマルストレスを緩和させて、対象物1の歪み等の発生を防止した状態で、不純物導入プロセスを終了することが可能になる。
また本発明の実施の形態に係る不純物導入方法によれば、予備照射期間t1に連続させて本照射期間t2を設け、本照射期間t2中に効率的に格子振動が励起されるように
予備照射エネルギー密度Fpreで光パルスを照射する。そのため対象物1全体の熱エネルギーを底上げする作用が得られ、1ショット中の光パルスのピークエネルギー密度Fpeakを、従来よりも小さく抑えることが可能になる。
(本発明の実施の形態の変形例)
また図7に示すように、3個の光パルスを極めて短い時間間隔で照射することにより、図2(a)に示したパルスパターンと等価と見做せるようなパルスパターンを形成し、この光パルスを用いて不純物導入方法を実行してもよい。図7中に例示した光パルスの場合、左側の第1パルスの照射期間t1bが、図2で示した予備照射期間t1に相当し、中央の第2パルスの照射期間t2bが、図2で示した、予備照射期間に実質的に連続する本照射期間t2に相当する。また右側の第3パルスの照射期間t3bが、図2で示した、本照射期間に実質的に連続する事後照射期間t3に相当する。
第1パルスの照射期間t1b、第2パルスの照射期間t2b及び第3パルスの照射期間t3b並びにそれぞれのパルス間のナノ秒レベルの僅かな休止期間によって、変形例に係る不純物導入方法に用いる光パルスのパルス長twbが構成されている。僅かな時間長の休止期間が存在しても、対象物1、絶縁膜3及び不純物源膜4からなる構造体の熱容量があるので、実質的に連続したパルスをなし、図2に示したパルス波形と等価に機能させることが可能である。
すなわち第1パルスにより不純物導入予定領域を予備加熱した後、予備加熱の効果が得られる間に、本加熱するためのエネルギー密度を有する後続の第2パルスを照射することにより、エネルギー密度を実質的に連続的に変化させる。そして第2パルスにより不純物元素を導入した後、サーマルストレスを緩和できるように、降温レートを緩和するように設定されたエネルギー密度を有する後続の第3パルスを照射することにより、エネルギー密度を実質的に連続的に変化させる。そして第3パルスにより対象物1の、ドーピング開始温度Tdope付近から室温に至る間の降温レートを緩和する。このように本発明の実施の形態の変形例に係る不純物導入方法によっても、図2に示した光パルスを用いる不純物導入方法と等価な構成を実現し、同様の効果を奏することができる。
−半導体装置の製造方法−
本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、まず対象物の前駆体としてn型のSiCの半導体基板1aを用意する。そして図8(a)に示すように、上側に、n型のエピタキシャル成長層2をエピタキシャル成長させた構造物を対象物として用いる。エピタキシャル成長層2は、例えば1×1016cm−3程度の濃度であり、厚みは10μm程度で構成できる。
その後、エピタキシャル成長層2の上面に、例えばプラズマCVD(PECVD)等により、SiOからなる導入マスク用薄膜を成膜する。そして導入マスク用薄膜の上にフォトレジスト膜を塗布し、塗布したフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ技術でパターニングする。このパターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして導入マスク用薄膜をエッチングして図8(b)に示すパターンを有する導入マスクを形成する。導入マスク用薄膜がSiO膜の場合、例えばフッ化アンモニウム(NHF)及びフッ化水素酸(HF)を含む水溶液である緩衝フッ酸(BHF)を用いて、導入マスク用薄膜の選択エッチングを行うことができる。
導入マスクは、図8(b)に示すように、不純物元素の導入を選択的に阻止する導入障壁層をなす、リング状の第1導入阻止パターン3a、リング状の第2導入阻止パターン3b及び、第2導入阻止パターン3bを囲む第3導入阻止パターン3cを有する。図8(b)に示すように、第1導入阻止パターン3aは主面の中央に配置されている。第2導入阻止パターン3bと第1導入阻止パターン3aとは同心円状に形成されている。第3導入阻止パターン3cの内縁側の側壁も第2導入阻止パターン3b及び第1導入阻止パターン3aと同心円状である。尚、導入マスクとしては、図8(b)に例示したトポロジーに限定されず、他のトポロジーが採用されてよい。
第1導入阻止パターン3aと第2導入阻止パターン3bの隙間及び第2導入阻止パターン3bと第3導入阻止パターン3cの隙間は所定の間隔を有し、それぞれ不純物元素の選択的な導入用の窓部をなしている。窓部は、図9(a)に示すように、エピタキシャル成長層2の上面の一部がそれぞれの隙間に露出している。尚、図8(b)及び図9(a)中に例示した窓部をなす隙間の幅は略等幅であるが、この幅は、エピタキシャル成長層2と第2の半導体領域4a〜4cのpn接合から生じる空乏層の延伸状態を考慮して設定される。そのため隙間の幅は実際には例示したものに限定されず、適宜変更され得る。
次に、図9(b)に示すように、エピタキシャル成長層2の上に、第2導電型を呈する不純物元素を含む不純物源膜4を、設定された膜厚で、第1導入阻止パターン3a、第2導入阻止パターン3b及び第3導入阻止パターン3cを介して成膜する。不純物元素がAlの場合、膜厚は例えば240nm程度である。尚、図9(b)中では説明の便宜のため、エピタキシャル成長層2の厚み及び不純物源膜4の厚みは略同程度に描かれている。
次に、図9(c)に示すように、大気雰囲気中で、不純物源膜4を介してレーザー光LとしてKrFエキシマレーザーの光パルスを照射する。光パルスの照射は、例えば1回の照射範囲に、第3導入阻止パターン3cの枠の内側の領域が漏れなくすべて含まれるようにビームを成形して行う。図9(c)中では、第1導入阻止パターン3a、第2導入阻止パターン3b及び第3導入阻止パターン3cのすべての表面に対して光パルスが照射された状態が例示されている。
光パルスの照射により、第1導入阻止パターン3aと第2導入阻止パターン3bの隙間に露出したエピタキシャル成長層2の上部の一部に、堆積した不純物源膜4を介してp型の不純物元素が選択的に導入される。また第2導入阻止パターン3bと第3導入阻止パターン3cの隙間に露出したエピタキシャル成長層2の上部の一部にも、堆積した不純物源膜4を介してp型の不純物元素が選択的に導入され、エピタキシャル成長層2との間でpn接合が形成される。
その結果、エピタキシャル成長層2の上部には、平面パターンで、p型の不純物元素が高濃度に選択的に導入されたp++型の半導体領域4a〜4cの上面と、導入されないエピタキシャル成長層2の上面とが等間隔で交互に同心円状のパターンとして表れる。すなわちエピタキシャル成長層2の上部にn型の半導体領域とp++型の半導体領域4a〜4cとが、主面に平行な面内に繰り返し形成された表面パターンが構成される。尚、p++型の半導体領域4a〜4cの幅及びp++型の半導体領域4a〜4c間の隙間の幅は、適宜変更できる。
次に、図9(d)に示すように、第1導入阻止パターン3a、第2導入阻止パターン3b及び第3導入阻止パターン3cの表面上に残渣として残留した不純物源膜4の一部を、所定のエッチング液で除去する。不純物源膜4がAlの場合は、例えば75℃程度のHPO等をエッチング液として使用可能である他、リン酸/硝酸/酢酸混合液や王水等の種々の酸も使用可能である。
次に、図示を省略するが、エピタキシャル成長層2の上面と、第1導入阻止パターン3a、第2導入阻止パターン3b及び第3導入阻止パターン3cの上面とにフォトレジスト膜を塗布して、フォトリソグラフィ技術でフォトレジスト膜をパターニングする。フォトレジスト膜は、第3導入阻止パターン3cを被覆するようにパターニングされる。そしてパターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとし、BHF等を用いたエッチングにより、エピタキシャル成長層2の上面の第1導入阻止パターン3a及び第2導入阻止パターン3bのみを選択的に除去する。
その後、フォトレジスト膜を除去すると、図10(a)に例示するように、第3導入阻止パターン3cのみが残留したパターンが形成され、平面パターンで円形状の窓部が形成される。この窓部には、エピタキシャル成長層2の上部のp++型の半導体領域4a〜4cが同心円状の局所的な領域として形成された領域の上面が露出している。
次に図10(b)に示すように、エピタキシャル成長層2のp++型の半導体領域4a〜4cが同心円状に形成された領域を覆うように、例えばTi等の金属膜をスパッタリング、真空蒸着又はCVD法等で成膜する。そして、半導体基板1aに所定の温度で所定の時間アニールを施し、アノード電極膜6を形成する。第3導入阻止パターン3cの上面上の内縁側の一部の領域にも、金属膜がアノード電極膜6の周縁部をなすように積層されている。このアニールにより、エピタキシャル成長層2とアノード電極膜6との界面がショットキー接合をなし、p++型の半導体領域4a〜4cとアノード電極膜6との界面がオーミック接合をなす。
次にショットキー界面上のアノード電極膜6の上面に、Al又はAl合金等の金属膜をスパッタリング、真空蒸着又はCVD法等で成膜する。この金属膜の上にフォトレジスト膜を塗布して、フォトリソグラフィ技術でフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとし、BHF等を用いた選択エッチングにより、図10(c)に示すように、電極パッド7を形成する。その後、半導体基板1aのエピタキシャル成長層2と反対側の表面上に、例えばNi等の金属膜を成膜した上で、半導体基板1aに所定のアニールを施し、コンタクト電極膜として半導体装置の裏面側のカソード電極膜5を形成する。
次に、エピタキシャル成長層2側の全面にポリイミド膜等を堆積させてパッシベーション膜を形成する。尚、エピタキシャル成長層2の表面上に残存させた第3導入阻止パターン3cは層間絶縁膜として用いるが、CVD法等により別途SiO膜を追加して積層させることにより、層間絶縁膜として必要な厚みを適宜形成してもよい。
次に、図10(d)に示すように、電極パッド7上のパッシベーション膜8の一部を、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術により開口させ、その後、半導体基板1aを複数のチップ状にダイシングして半導体チップを得る。尚、感光性ポリイミド膜を用いれば、フォトレジスト膜の塗布の工程は省略できる。そして半導体チップをパッケージに搭載(マウント)し、半導体チップ上の電極パッド7に配線ワイヤー等をワイヤーボンディング等の手法で接続すれば、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程が終了する。
尚、図示を省略するが、先にカソード電極膜5を形成した後で、図10(b)に示したようなアノード電極膜6を形成し、以下、図10(c)及び図10(d)で説明したようなプロセスを行ってもよい。カソード電極膜5、アノード電極膜6の順に形成することで、アノード電極膜6の堆積後のアニール温度をカソード電極膜5より低くすることができる。例えばカソード電極膜5のアニール温度を900℃とし、アノード電極膜6のアニール温度を500℃とする。アノード電極膜6の堆積後のアニール温度をカソード電極膜5より低くすることにより、エピタキシャル成長層2とアノード電極膜6とのショットキー接合の特性及び半導体基板1aとカソード電極膜5とのオーミックコンタクト特性をそれぞれ改善できる。
本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、ショットキー接合とオーミック接合の両方を備える高品質のpn接合半導体装置を、素子構造及び半導体基板を損傷させることなく、実現できる。
また本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、SiCの半導体基板を用いた上記の例のように、固体材料である対象物1としてワイドバンドギャップ半導体材料を採用可能である。そのため、ワイドバンドギャップ半導体材料に高濃度の不純物元素を導入し、高耐圧で薄い優れたパワー半導体装置を実現することができる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の開示した実施の形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。例えば、本発明の実施の形態では、不純物元素をp型とし、半導体基板をn型として説明したが、これに限定されず導電型を逆にしてもよい。すなわち任意の導電型の不純物導入層を、任意の導電型の半導体基板に形成できる。
また図2に例示した光パルスのパルスイメージでは、予備照射期間t1のパルス高さ及び事後照射期間t3のパルス高さはほぼ同じであったが、これに限定されず、予備照射期間t1及び事後照射期間t3のそれぞれの場合のパルス高さが異なってもよい。すなわち予備加熱エネルギー密度Fpre及び降温緩和エネルギー密度Fmodは、互いに異なる値を採用できる。
また例えばホットプレート等の加熱装置を用いて、本発明の実施の形態で説明したような、ドーパントの導入に用いる予備加熱処理を行うことは可能である。しかし本発明の実施の形態に係る不純物導入方法のように、レーザー光のエネルギー密度を連続的に変化させて1ショットの光パルスを照射する方が、照射領域及び照射領域の周囲のみを限局して予備加熱できるので、エネルギー効率の点から有利である。また光源制御部32を介して光パルスのエネルギー密度を制御すれば済むので、光照射装置20に別途、加熱装置等を取り付ける必要がなく、光照射装置20全体をコンパクトに構成できる。
また本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、pn接合ダイオードを半導体装置の代表例として説明したが、半導体装置としてはpn接合ダイオードに限定されるものではない。例えばpin型ダイオード、pnp型ダイオード、pip型ダイオード、npn型ダイオード、nin型ダイオード等でも構わない。また例えば、対象物1としてn型の半導体基板を用意し、上面と下面に本発明の不純物導入方法でp型不純物を導入すれば、pnp型ダイオード、やpnp型ダイオードが実現できる。
また本発明はFET、BJT,IGBT、SIT、GTO、SIサイリスタ等のディスクリートデバイス(個別半導体装置)等でも構わない。例えば、上記したように対象物1としてn型の半導体基板を用意し、上面及び下面に本発明の不純物導入方法でp型不純物を導入すれば、pnp型ダイオードの構造が実現できるので、上面のp型半導体領域をpベース領域として、この中にエミッタ領域を構成し、下面のp型半導体領域をコレクタ領域とすれば、BJT,IGBT等の基本構造が完成する。
また本発明は、これらのディスクリートデバイスをモノリシックに集積化した半導体集積回路や光半導体装置等の各種の半導体装置に適用することができる。更に、パワー半導体ジュールやハイブリッド集積回路の要素となる半導体装置に適用することができる。以上のとおり本発明は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むとともに、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 対象物
1a 半導体基板
2 エピタキシャル成長層
3 絶縁膜
3a 第1導入阻止パターン(第1導入障壁層)
3b 第2導入阻止パターン(第2導入障壁層)
3c 第3導入阻止パターン(第3導入障壁層)
4 不純物源膜
4a〜4c 不純物導入領域(半導体領域)
5 カソード電極膜(コンタクト電極膜)
6 アノード電極膜(ショットキー電極膜)
7 電極パッド
8 パッシベーション膜
10 成膜装置
11 チャンバ
12 下部電極
13 チャンバ上板
14 ターゲット
15 電源
16 ガス導入バルブ
17 真空ポンプ
20 光照射装置
23 X−Y移動ステージ
24 支持台
30 演算制御装置
31 膜厚制御部
32 光源制御部
33 ビーム調整系
34 光源
41 入力装置
42 データ記憶装置
peak ピークエネルギー密度
pre 予備加熱エネルギー密度
mod 降温緩和エネルギー密度
L レーザー光
dope ドーピング開始温度
t1 予備照射期間
t2 本照射期間
t3 事後照射期間
t1a〜t3a 第1の期間〜第3の期間
t1b〜t3b 第1パルスの照射期間〜第3パルスの照射期間
tw,twb パルス長

Claims (12)

  1. 固体材料からなる対象物の表面上に、不純物元素を含む不純物源膜を堆積するステップと、
    予備照射期間において、前記不純物元素の導入開始温度より低い温度で前記表面を予備加熱するように、光パルスを第1のエネルギー密度で前記不純物源膜に向けて照射するステップと、
    前記予備照射期間に連続する本照射期間において、予備加熱された前記表面を前記導入開始温度以上の温度で本加熱するように、前記光パルスを前記第1のエネルギー密度から第2のエネルギー密度に連続的に変化させ、前記第2のエネルギー密度で前記不純物源膜に向けて照射するステップと、
    を含み、前記本照射期間において前記対象物の内部に前記不純物元素を導入することを特徴とする不純物導入方法。
  2. 前記固体材料は、ワイドバンドギャップ半導体材料であることを特徴とする請求項1に記載の不純物導入方法。
  3. 前記光パルスの波長は、前記固体材料の禁制帯幅より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の不純物導入方法。
  4. 前記予備照射期間は、10ns以上100ns以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の不純物導入方法。
  5. 前記予備照射期間に、前記第1のエネルギー密度を一定値で照射する処理を含むように行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の不純物導入方法。
  6. 前記本照射期間に、前記第2のエネルギー密度を一定値で照射する処理を含むように行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の不純物導入方法。
  7. 前記第1のエネルギー密度の大きさは、前記第2のエネルギー密度の50%以下であることを特徴とする請求項6に記載の不純物導入方法。
  8. 前記本照射期間に連続する事後照射期間において、前記導入開始温度以上の前記表面の降温速度を緩和するように、前記光パルスを前記第2のエネルギー密度から前記第2のエネルギー密度より低い第3のエネルギー密度に連続的に変化させ、前記第3のエネルギー密度で前記不純物源膜に向けて照射するステップを更に含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の不純物導入方法。
  9. 前記事後照射期間に、前記第3のエネルギー密度を一定値で照射する処理を含むように行うことを特徴とする請求項8に記載の不純物導入方法。
  10. 前記第3のエネルギー密度の大きさは、前記第2のエネルギー密度の50%以下であることを特徴とする請求項9に記載の不純物導入方法。
  11. 前記不純物源膜を堆積するステップの前に、前記対象物の表面上に、窓部を有する導入マスクを形成するステップを更に含み、
    前記窓部を介して、前記不純物元素を前記対象物の内部に選択的に導入することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の不純物導入方法。
  12. 第1導電型の第1の半導体領域の表面上に、第2導電型を呈する不純物元素を含む不純物源膜を堆積する工程と、
    予備照射期間において、前記不純物元素の導入開始温度より低い温度で前記表面を予備加熱するように、光パルスを第1のエネルギー密度で前記不純物源膜に向けて照射する工程と、
    前記予備照射期間に連続する本照射期間において、予備加熱された前記表面を前記導入開始温度以上の温度で本加熱するように、前記光パルスを前記第1のエネルギー密度から第2のエネルギー密度に連続的に変化させ、前記第2のエネルギー密度で前記不純物源膜に向けて照射する工程と、
    を含み、前記本照射期間において、前記第1の半導体領域の内部に前記不純物元素を導入して第2導電型の第2の半導体領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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