JP2019124285A - ガス切れ推定システム、ガス切れ推定プログラム、ガス切れ推定メーターおよびガス切れ推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
LPガスの残量管理に関し、ガス容器とガス消費設備との間にあるガス供給路に配置された流量計測手段で検知したガス消費量とガス容器のガス残量から、ガス消費設備で消費可能な残時間を算出して表示することが知られている(たとえば、特許文献1)。
ガス容器の配送予測に関し、安全率マスタを用いてガス切れの発生日を予測し、配送効率およびガス切れリスクを考慮した配送予定日を算出することが知られている(たとえば、特許文献2)。
このような人的処理による課題の解消に向け、スマートメーターの導入が検討されている。本発明者らは、使用中のガス容器側から多頻度で取得した複数のガス使用量に関するデータ(ガスデータ)のトレンドからガス切れ推定日を容易に特定することができるとの知見を得ている。
そこで、本発明の目的は上記課題および上記知見に基づき、ガス容器のガス切れ管理を容易化し、LPガス利用システムの利便性を高めることにある。
このガス切れ推定システムにおいて、前記演算部は、ガス使用量の推移情報、ユーザーの属性情報、温度情報、気象情報の何れかまたは2以上を含む変動情報により前記データを補正してよい。
このガス切れ推定システムにおいて、さらに、前記ガス切れ推定日を通報する通報手段を備え、前記演算部が前記ガス切れ推定日の通報時期を算出し、前記通報手段が前記通報時期に前記ガス切れ推定日を通報してよい。
このガス切れ推定システムにおいて、さらに、前記演算部は、前記ガス切れ推定日の算出にガス残量の基準値または基準時を設定し、使用中のガス容器のガス残量が前記基準値に到達したとき、またはガス容器の使用開始から所定時間が経過したとき、前記ガス切れ推定日を算出してよい。
このガス切れ推定メーターにおいて、さらに、前記ガス切れ推定日を表示する情報表示手段を備え、前記演算部が前記ガス切れ推定日の通報または表示する時期を算出し、前記通報部が前記時期に前記ガス切れ推定日を通報し、前記情報表示手段が前記時期に前記ガス切れ推定日を表示してよい。
このガス切れ推定方法において、前記ガス切れ推定日を表示または通報する工程を含んでよい。
(1) たとえば、LPガスユーザー側の使用ガス流量から多頻度で取得した時系列のデータと、過去の使用ガス流量を表すデータとを比較してガス切れ推定日を算出するので、ガス切れ推定日の算出精度を高めることができる。
(2) 時系列で取得した複数のデータからガス使用量が特定され、ガス容器の残量の推定精度を高めることができる。
(4) ガス使用量の多頻度計測およびガス切れ推定日の算出に対し、管理センターへの通信はガス切れ推定日の通報のみでよく、通信頻度が少なく、データ送信のための電力消費を抑制でき、電池寿命を伸ばすことができる。
(5) 配送処理に必要な情報量であるガス切れ推定日をガスメーターから管理センターで受けることができるので、管理センター側で処理する情報量が少なく、管理センター側に残量算出システムの導入が不要であり、システム構築の投資を抑制できる。
図1は、一実施の形態に係るガス切れ推定システムを示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
このガス切れ推定システム2には計測部4、データ収集部6、データ処理部8、記憶部10、通報部12が備えられる。計測部4はたとえば、公知のガスメーター14に備えられる。データ収集部6、データ処理部8、記憶部10および通報部12はガス切れ推定部16を構成している。
ガスデータは、ガス容器20(または20−1、20−2)のガス切れ推定日の算出に用いられる。したがって、ガスデータは、たとえば、ガス流量の計測値、ガス使用量、ガス残量、ロードサーベイやガスメーター14の出力パルス、計測値と同様にガス使用量やガス残量を示すデータ、アラーム情報、ガス使用量やガス残量を表す容器内圧力の何れでもよいし、これらの2以上を組合せたデータでもよい。
ガス機器22にはガスGを燃焼させるガス器具や給湯機器など、複数のガス機器22−1、22−2・・・が含まれる。
データ処理部8は演算部の一例であり、現在使用中のガス容器20のガスデータSiと、記憶部10にある履歴データShとを比較し、使用中のガス容器20のガス切れ推定日dxを算出するとともに、ガス切れ推定日dxの通報日dyを算出する。この通報日dyは、
dy=dx−N ・・・(1)
となり、ガス切れ推定日dxより一定の期間Nだけ早く到来する日時である。この期間Nは、ガス容器20の配送準備や配送に必要な時間に安全率を考慮した幅の時間であればよい。
記憶部10には使用中のガス容器20のガスデータSi、過去のガスデータからなる履歴データShなどが格納され、蓄積されている。履歴データShには、過去のガスデータの他、ユーザーやガス容器20の属性情報、過去のガス切れ推定日、その通報日などがガス容器20の識別情報またはユーザー情報に関係付けられて格納されて保存されている。
管理センター26は、ガスメーター14およびガス切れ推定部16を単位としてユーザーを管理するとともに、ユーザーに対してガス容器20の配送および交換を行う。つまり、管理センター26はガス切れ推定部16からのガス切れ推定日dxの通報を受け、このガス切れ推定日dx前にガス容器20の配送処理を実行する。
なお、ガスメーター14およびガス切れ推定部16について、ガスメーター14の筐体内にガス切れ推定部16を一体に備えてよいし、ガス切れ推定部16をユニット化してガスメーター14に着脱可能に備えてよいし、ガスメーター14とガス切れ推定部16を有線または無線で接続してもよい。
交換時のガス容器20のたとえば、ガス容器20−1のガス残量の最大値をGmax、検出したガス使用量をgi、その積算値をΣgiとすれば、検出時点のガス残量Giは、
Gi=Gmax−Σgi ・・・(2)
で表すことができる(ただし、i=1、2、・・・、n)。そこで、ガスデータSiにはたとえば、ガス使用量gi、ガス残量Giのいずれを用いてもよい。
このガス切れ推定システム2のデータ処理には、a.ガスデータSiの収集、b.ガスデータSiの蓄積、c.ガス切れ推定日dxの算出、d.通報日dyの算出、e.通報日dyの監視およびガス切れ推定日dxの通報、f.履歴データShの作成および保存、g.その他のデータ処理が含まれる。
a.ガスデータの収集
データ収集部6は、計測部4から時系列のガスデータSiを連続または不連続に取得して収集する。
データ収集部6に収集されたガスデータSiが記憶部10に蓄積され、保存される。つまり、現在使用中のガス容器20のガスデータSiは、履歴データShと区別されて記憶部10に格納される。
c.ガス切れ推定日dxの算出
データ処理部8は、ガスデータSiと履歴データShとを比較し、使用中のガス容器20のガス切れ推定日dxを算出する。このガス切れ推定日dxは使用中のガス容器20の識別情報に関係付けられて記憶部10に格納される。
d.通報日dyの算出
データ処理部8は、ガス切れ推定日dxの算出の後、その通報日dyを算出する。この通報日dyは、ガス切れ推定日dxと同様にガス容器20の識別情報に関係付けられて記憶部10に格納される。
データ処理部8は、時間を計測して通報日dyの到来を監視する。この通報日dyが到来すると、データ処理部8は、有線または無線によりたとえば、ガス容器20の配送などを管理している管理センター26に向けて通報する。
f.履歴データShの作成および保存
ガス容器20の配送完了後、ガス使用中のガスデータSiは、配送完了またはガス切れ推定日dxの通報を契機に、履歴データShに組み込んで保存する。
ガスデータSiは、ガス容器20の使用履歴、ガス切れ推定日dxの通報履歴、通報時期からガス容器20の交換記録などの管理情報とともに記憶部10に格納すればよい。
ガスデータSiについて、ガス使用量の推移情報、ユーザーの属性情報、温度情報、気象情報の何れかまたは2以上を含む変動情報を取得し、この変動情報を用いてガスデータSiを補正してもよい。
図2のAは、特定ユーザーの履歴データShを横軸に時間、縦軸にガス残量を取って示している。この履歴データShは、過去のガス残量の推移を表す履歴データ(過去のガスデータ)Sh1、Sh2、・・・、Shnの集合体である。例外として、使用履歴がなければ、標準ガスデータS0を履歴データShに用いてもよい。この履歴データShにおいて、Gmaxはガス残量の最大値であり、G0はガス切れに相当するガス残量の最小値である。Gmaxに幅があるのは、ガス容器20によって充填量が異なるためである。ガス切れ推定日dxについて、dx1、dx2、・・・、dxnは履歴データSh1、Sh2、・・・、Shnによりガス切れ推定日が異なることを示している。したがって、各ガス切れ推定日dxi(i=1、2、・・・、n)の通報日dyi(i=1、2、・・・、n)は、
dyi=dxi−N ・・・(2)
となる。この通報日dyiは履歴データSh1、Sh2、・・・、Shnとともに、記憶部10に格納されている。
現在使用中のガス容器20について、時点tiでガス切れ推定日dxiを算出するには、ガスデータSiを履歴データShと対比する。履歴データShから時点tiを基準に、ガスデータSiと同一または最も近いガス残量値を含む履歴データShiを検索し、この履歴データShiを参照することにより、ガス使用中のガス容器20のガス切れ推定日dxiを算出する。
このガス切れ推定日dxiの通報日dyiは、ガス切れ推定日dxiと期間Nを用いて算出できる。
図3は、ガス切れ推定の処理シーケンスを示している。この処理シーケンスの処理はコンピュータを用いて実行するガス切れ推定方法の一例である。
計測部4は、ガス機器22に流れるガス流量を計測し、またはガス容器20のガス残量を計測し(S101)、ガスデータSiを出力する。
ガス切れ推定部16は、計測部4からガスデータSiを時系列で収集し(S102)、このガスデータSiを記憶部10に格納し、蓄積する(S103)。
使用中のガス容器20について、ガス切れ推定部16はガス容器20のガス残量の推移またはガス容器20の使用開始からの経過時間を監視し、ガス残量が基準値に到達しまたは経過時間が所定時間に到達したことを契機にガス切れ推定日dxを算出する(S104)。
このガス切れ推定日dxの算出では、既述したように、その時点tiのガスデータSiと、記憶部10の履歴データShを参照し、同時点tiでガスデータSiに相当するガス残量を含む履歴データShiを検索する。履歴データShiを参照することにより、ガスデータSiのガス切れ推定日dxiを算出する。
ガス切れ推定部16は時間の経過を監視し、通報日dyの到来を待って管理センター26に対し、ガス容器20またはガスユーザーの識別情報とともに、ガス切れ推定日dxを通報する(S106)。
ガス切れ推定日dxの通報を受けた管理センター26はガス容器20またはガスユーザーの識別情報とともに、ガス切れ推定日dxを提示し(S107)、ガス容器20の交換に必要な配送処理を実行する(S108)。
なお、この処理シーケンスにおいて、日々のガス使用量によって毎日、カス切れ推定日dxおよび通報日dyは変動するので、日毎に更新されるガスデータSiに基づき、ガス切れ推定日dxおよび通報日dyを日毎に算出し、通報日dyに到達する直前まで算出し続ける処理としてもよい。
一実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) ガス残量の推定精度が高められ、ガス切れやガス交換時点の予測精度が高められ、ガス容器20の交換回数を削減してガス容器交換の効率を高めることができる。
(2) ガス残量の少ないガス容器20を交換でき、配送者の負担を低減できる。
このガスメーター14には、筐体28内に既述のガス切れ推定システム2が内蔵されている。筐体28の前面には表示部30が配置され、この表示部30は通報部12の一例であり、数値表示部30−1および情報表示部30−2が備えられる。数値表示部30−1にはガス流量が表示される。情報表示部30−2は通報日dyにガス切れ推定日dxなどが表示される。
このガスメーター14には通信機能が備えられ、たとえば、インターネット32を媒介としてガス切れ推定日dxなどの情報が管理センター26に通報される。このインターネット32に代え独自の無線通信回線を用いてもよい。ガスメーター14と管理センター26の通信にはスマートフォンなどの情報端末を用いてもよいが、中継器や通信データ収集器を用いてもよい。通信データ収集器はn個の端末通信機からのデータを一括して収集し、データをまとめて管理センター26へ送信する中継機器を構成することができる。
図5のAは、ガスメーター14のシステム構成を示している。図5のAにおいて、図1と同一部分には同一符号を付してある。
このガスメーター14には既述のように計測部4とともにガス切れ推定部16が備えられる。このガス切れ推定部16には既述の通報部12の一例として、表示部30に加えて通信部34が備えられる。通信部34は管理センター26との通信手段の一例である。
プロセッサ36はメモリ部38にあるOS(Operating System)、ファームウェアプログラム、ガス切れ推定プログラムなど、各種のプログラムを実行し、既述のガス切れ推定システム2のデータ処理を行うとともに、メモリ部38やI/O40などの機能部を制御する。
メモリ部38にはROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が搭載され、ガスデータテーブル42や履歴データベース44(図6)などが格納される。
通信部34はプロセッサ36の制御により、有線または無線により管理センター26との通信を行う。この通信には管理センター26に対する通報として、ガスメーター14の識別情報に関係付けられたガス切れ推定日dxの通報が含まれる。
図6のAは、ガスデータテーブル42を示している。このガスデータテーブル42には一例として識別情報部46、時間情報部48、ガスデータ部50、ガス切れ推定日部52、通報日部54が備えられる。識別情報部46には使用中(計測中)のガス容器20を特定するID(IDentification)などの識別情報が格納される。時間情報部48にはガスデータSiの収集タイミング情報が格納される。ガスデータ部50には収集タイミングで収集されたガスデータが格納される。ガス切れ推定日部52には算出したガス切れ推定日dxが格納される。通報日部54には、ガス切れ推定日dxの通報日dyが格納される。
このガスデータテーブル42によれば、ガス容器20の識別情報に関係付けられた時間情報、ガスデータ、ガス切れ推定日およびその通報日が格納され、これらを容易に把握でき、認識することができる。
ガス容器20の配送完了後、各ガスデータテーブル42−1、42−2、・・・、42−nは、履歴データテーブル44−1、44−2、・・・、44−nとして履歴データベース44に構成される。
なお、ユーザーによっては、LPガスの導入時、ガスデータが存在していない場合が想定される。この場合には、履歴データベース44として、ユーザーの標準的使用を想定し、標準値として仮想履歴データを格納しておけばよい。
図7のAは、管理センター26のハードウェアを示している。管理センター26は主としてガス容器20の配送などの管理業務を担当する。この管理を実現するため、管理センター26にはコンピュータが備えられ、プロセッサ56、メモリ部58、通信部60、入出力部(I/O)62および表示部64が備えられる。
プロセッサ56は、メモリ部58にあるプログラムを実行し、データ処理を行う。このデータ処理にはガスメーター14から通報されたガス切れ推定日dx前にガス容器20の配送のためのデータ処理が含まれる。
通信部60は、ガスメーター14と有線または無線によりデータの授受を行う。
I/O62には表示部64や操作入力部66が接続されている。表示部64にはガスメーター14から通報されたガス切れ推定日dxを含む提示情報が表示される。操作入力部66はキーボード、タッチパネル、マウス、バーコード入力装置などのユーザーインターフェースが接続され、ガス容器20の配送管理に関する情報入力に用いられる。たとえば、ユーザーにガスメーター14の配送を完了した際、その完了結果などの入力が行われる。
図7のBは、表示部64の表示例を示している。表示部64には、ガスメーター14からのガス切れ推定日dxの通報を契機に通報表示テーブル68が表示される。この通報表示テーブル68には識別情報部70、通報部72、ユーザー情報部74、ガス容器情報部76などが備えられる。
識別情報部70にはガスデータテーブル42の識別情報部46と同様の識別情報が表示される。この識別情報にはガス容器20のIDなどが含まれる。
ユーザー情報部74にはユーザーの属性情報としてたとえば、ユーザー名、所在地、電話番号などが表示される。
ガス容器情報部76には、ガス容器20の従前の交換日や交換完了などのガス容器交換に関する情報が格納される。ガス容器20の交換を完了すれば、その旨の情報が表示される。
図8は、ガス切れ推定の処理シーケンスを示している。この処理シーケンスにはガスメーター14側の処理手順と管理センター26側の処理手順が含まれる。
ガス切れ推定部16は、ガス容器20の交換などの配送が行われると(S201)、これを契機に初期化を行う(S202)。つまり、ガスデータSiの計測やガスデータテーブル42の更新を停止する。
初期化を契機に、ガスメーター14の計測部4では新たにガス流量またはガス残量の計測を開始し(S203)、ガスデータSiを出力する。
使用中のガス容器20について、ガス切れ推定部16はガス容器20のガス残量の推移またはガス容器20の使用開始からの経過時間を監視し、ガス残量が基準値に到達し、または経過時間が基準時(たとえば、基準日)に到達したことを契機にガス切れ推定日dxを算出する(S206)。
このガス切れ推定日dxの算出では、既述したように、その時点tiのガスデータSiと、記憶部10の履歴データテーブル44からガスデータSiと同一または近似の履歴データShiを検索する。この履歴データShiを参照し、ガスデータSiのガス切れ推定日dxiを算出する。
ガス切れ推定部16は時間の経過を監視し、通報日dyの到来を待って管理センター26に対し、ガス容器20またはガスユーザーの識別情報とともに、ガス切れ推定日dxを通報する(S208)。
ガス切れ推定日dxの通報を受けた管理センター26はガス容器20またはガスユーザーの識別情報とともに、ガス切れ推定日dxを提示し(S209)、ガス容器20の交換に必要な配送処理を実行する(S210)。
ガス切れ推定日dxの算出精度は、ガス容器20のガス残量と密接に関係する。ガス残量の最少化はガス切れ推定日dxの算出精度に依存し、配送負荷の低減に不可欠である。
そこで、ガス切れ推定日dxの算出には、ガス容器20の使用時からの時間的な基準日、またはガス使用を考慮したガス残量に基準値を設定すればよい。
算出の基準時としては、履歴データベース44を参照し、使用開始から従前に算出したガス切れ推定日dxiから基準日を設定すればよい。
ガス残量の基準値としては、履歴データベース44を参照し、従前に算出したガス切れ推定日dxiを参照してガス残量の基準値を設定すればよい。
(1) ガス切れ推定日dxのガス容器20のガス残量を計測し、その計測値を経験値として履歴データベース44に格納する。この経験値をガス切れ推定日dxの補正に利用すれば、ガス切れ推定日dxとガス残量との関係を最適化することができる。
(2) 通報日dyの決定には、管理センター26における配送の忙閑状態やユーザーが所在する地域の交通事情などの変動情報を補正値として利用すれば、配送管理者への融通性が高められる。
この実施例1によれば、次の効果が得られる。
(1) ユーザーに配置されたガス容器20からガス機器22に流れる使用ガス流量を検出するガスメーター14から多頻度計測によりガス残量を把握してガス切れ推定日dxを特定できるので、効率のよいLPガスの利用システムを構築できる。
(2) ガス切れなどの不測の事態を回避できるとともに、ガス容器交換時のガス残量を低減できるので、配送負荷を削減でき、効率のよい配送システムを構築できる。
(3) ガス残量の把握およびガス切れ推定日をガスメーター14側で特定でき、管理センター26側のデータ処理負荷を拡大することなく、効率のよいガス切れ推定システムを構築することができる。
(5) 従来のLPガスのガス切れ推定を検針員や配送員の経験に委ねていた配送システムを改善でき、ガス切れの防止を図ることができるとともに、業務効率を改善でき、業務コストを低減できる。
(6) ガスメーター14側のデータ処理で算出されたガス切れ推定日を管理センター26で受ける程度であるため、通信の情報量が少なく、データトラフィックの負担を軽減できる。
(7) ガスメーター14の表示部30からガス切れ推定日dxを直接読み取ることができ、迅速にガス切れ推定日を認識できる。
通信部34と有線または無線で接続される管理センター26には、気象情報源82が接続され、この気象情報源82から気象情報が取り込まれる。気象情報源82は、ガス切れ推定日dxに影響する変動情報を収集するための変動情報源の一例である。
管理センター26は、ユーザーの所在する地域の季節、温度、天気などの気象情報を気象情報源82から取得し、変動情報として通信部34との通信を利用し、データ処理部8に提供する。
変動情報として気象の変化は、ガス容器20のガス生成の産気率に影響し、計測部4が計測するガス流量とガス残量の関係に影響を与え、ガス切れ推定日dxと密接な関係がある。
図10は、実施例2に係るガス切れ推定の処理シーケンスを示している。この処理シーケンスでは、気象情報を含む変動情報を用いてガス切れ推定日dxを算出する。
ガス切れ推定部16は、ガス容器20の交換などの配送が行われると(S301)、これを契機に初期化を行う(S302)。
この初期化を契機に、ガスメーター14の計測部4では新たにガス流量またはガス残量の計測を開始し、ガスデータSiを出力する。
使用中のガス容器20について、既述のように、ガス切れ推定部16はガス容器20のガス残量の推移またはガス容器20の使用開始からの経過時間を監視し、ガス残量が基準値に到達し、または経過時間が基準日に到達したことを契機にガス切れ推定日dxを算出する(S307)。
なお、実施例2では、変動情報として気象情報を例示したが、ユーザーのガス使用などの状況を変動情報に加え、またはこれらを補正情報としてガス切れ推定日dxや通報日dyを算出してもよい。
この実施例2によれば、次の効果が得られる。
(1) ガス切れ推定日dxの算出には使用量の変動や季節、温度、天気、ガス使用者の状況などの変動情報をガスデータSiの補正値として利用するので、ガス切れ推定日dxの算出精度を高めることができ、交換時のガス残量を低減できる。
(2) 配送負荷を低減でき、配送効率を高めることができる。
ガス切れ推定日dxおよび通報日dy、ガス使用の形態について、日々のガス使用量によって毎日、ガス切れ推定日dx、通報日dyが変動するので、日毎に更新されるガスデータSiに基づき、ガス切れ推定日dxおよび通報日dyを日毎に算出し、通報日dyに到達する直前まで算出し続ける処理としてもよい。
この実施例3によれば次の効果が得られる。
(1) ガス使用量が日々変動しても、その変動に応じた精度の高いガス切れ推定日dxおよび通報日dyを算出でき、利便性の高いガス切れ推定システムを構築できる。
(2) ガス切れ直前までガスを使用できるので、ガス容器のガス残量を最小値にまで追い込むことができ、ガス残量の少ないガス容器を交換でき、ガス容器交換の負荷やコストを低減することができる。
(1) 上記実施の形態では、ガスメーター14側にガス切れ推定部16を備えることを例示しているが、管理センター26とガスメーター14とを結ぶ中継基地にガス切れ推定部16を設置することにより、ガス切れ推定日を算出してもよい。
(2) 上記実施の形態および実施例では、ガス切れ推定日dxの通報タイミングとして通報日dyを示したが、通報時期は通報日dyに限定されず、通報時、通報時期、一定の時間幅を持つ通報時間のいずれでもよい。
4 計測部
6 データ収集部
8 データ処理部
10 記憶部
12、72 通報部
14 ガスメーター
16 ガス切れ推定部
18 ガス供給路
20、20−1、20−2 ガス容器
22、22−1、22−2 ガス機器
24 切換器
26 管理センター
28 筐体
30、64 表示部
30−1 数値表示部
30−2 情報表示部
32 インターネット
34、60 通信部
36、56 プロセッサ
38、58 メモリ部
40、62 入出力部(I/O)
42、42−1、42−2・・・42−n ガスデータテーブル
44 履歴データベース
44−1、44−2・・・44−n 履歴データテーブル
46 識別情報部
48 時間情報部
50 ガスデータ部
52 ガス切れ推定日部
54 通報日部
66 操作入力部
68 通報表示テーブル
70 識別情報部
74 ユーザー情報部
76 ガス容器情報部
78 地図表示ウインドウ
80 交通情報表示ウインドウ
82 気象情報源
Claims (9)
- ガス容器からガス機器に流れるガス流量を多頻度で計測し、または前記ガス容器のガス残量を多頻度で計測する計測部と、
前記計測部より時系列のデータを収集するデータ収集部と、
過去のデータ、該データから求められたガス切れ推定日を含む履歴データを記憶する記憶部と、
現在のデータと前記履歴データとを比較し、使用中のガス容器のガス切れ推定日を算出する演算部と、
を備えることを特徴とする、ガス切れ推定システム。 - 前記演算部は、ガス使用量の推移情報、ユーザーの属性情報、温度情報、気象情報の何れかまたは2以上を含む変動情報により前記データを補正することを特徴とする、請求項1に記載のガス切れ推定システム。
- さらに、前記ガス切れ推定日を通報する通報手段を備え、
前記演算部が前記ガス切れ推定日の通報時期を算出し、
前記通報手段が前記通報時期に前記ガス切れ推定日を通報することを特徴とする、請求項1に記載のガス切れ推定システム。 - さらに、前記演算部は、前記ガス切れ推定日の算出にガス残量の基準値または基準時を設定し、使用中のガス容器のガス残量が前記基準値に到達したとき、またはガス容器の使用開始から所定時間が経過したとき、前記ガス切れ推定日を算出することを特徴とする、請求項1に記載のガス切れ推定システム。
- コンピュータで実現させるガス切れ推定プログラムであって、
ガス容器からガス機器に流れるガス流量を多頻度で計測し、または前記ガス容器のガス残量を多頻度で計測する計測部から時系列のデータを収集する機能と、
過去のデータ、該データから求められたガス切れ推定日を含む履歴データを記憶する機能と、
現在のデータと前記履歴データとを比較し、使用中のガス容器のガス切れ推定日を算出する機能と、
を前記コンピュータで実現するためのガス切れ推定プログラム。 - ガス容器からガス機器に流れるガス流量を多頻度で計測し、または前記ガス容器のガス残量を多頻度で計測する計測部と、
前記計測部より時系列のデータを収集するデータ収集部と、
過去のデータ、該データから求められたガス切れ推定日を含む履歴データを記憶する記憶部と、
現在のデータと前記履歴データとを比較し、使用中のガス容器のガス切れ推定日を算出する演算部と、
前記ガス切れ推定日を通報する通報部と、
を備えることを特徴とする、ガス切れ推定メーター。 - さらに、前記ガス切れ推定日を表示する情報表示手段を備え、
前記演算部が前記ガス切れ推定日の通報または表示する時期を算出し、
前記通報部が前記時期に前記ガス切れ推定日を通報し、前記情報表示手段が前記時期に前記ガス切れ推定日を表示することを特徴とする、請求項6に記載のガス切れ推定メーター。 - ガス容器からガス機器に流れるガス流量を多頻度で計測し、または前記ガス容器のガス残量を多頻度で計測する工程と、
時系列のデータを収集する工程と、
過去のデータ、該データから求められたガス切れ推定日を含む履歴データを記憶する工程と、
現在のデータと前記履歴データとを比較し、使用中のガス容器のガス切れ推定日を算出する工程と、
を含むことを特徴とする、ガス切れ推定方法。 - 前記ガス切れ推定日を表示または通報する工程を含むことを特徴とする、請求項8に記載のガス切れ推定方法。
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