JP2016015002A - 分析装置、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】企業や一般家庭についての資源の消費量分析を行う際に、分析担当者の知識や経験に頼ることなく、精度の高い消費量分析を行うことを可能にする分析装置を提供する。【解決手段】取得手段は、比較対象の複数の期間の各々における分析対象の企業の分析対象の設備における時刻毎の資源消費量を示す資源消費量情報を取得するとともに各期間における時刻毎の外気温を表す外気温情報を取得する。特定手段は、複数の期間に共通する外気温範囲を外気温情報から特定するとともに、資源消費量情報と外気温情報とから複数の期間の各々における各時刻の資源消費量と外気温とを特定する。生成手段は、特定手段により期間毎に特定された外気温と資源消費量の関係から上記外気温範囲における外気温と電力消費量の関係を表す分析指標を期間毎に生成して出力する。【選択図】図8
Description
本発明は、企業の業務遂行に伴って消費される電力などの資源の消費量を分析する技術に関する。
企業におけるコスト削減策の一例として、業務遂行に伴う電力の消費量を分析し、無駄な電力消費を洗い出して改善することが挙げられる。例えば、分析対象として指定された期間内に計測された電力消費量と判定基準となる基準値とを比較して無駄な電力消費の有無を洗い出すといった具合である。ここで問題となるのは、上記基準値をどのように定めるのかという点である。基準値が適切に定められていないと、消費量分析を的確に行うことはできないからである。特許文献1には、診断基準となる単位面積あたりの基準エネルギー消費量(原単位)に関する情報を施設の属性毎に格納した情報データベースを設け、分析対象施設において消費された電力を原単位と比較することが記載されている。
電力消費量分析の具体的な内容は、ある期間内の電力消費量と基準値との比較に限定される訳ではない。例えば、複数の期間の各々における電力消費量或いはその傾向を比較することで、何れの期間における省エネ施策が最も効果的であったのか(すなわち、最も高い省エネ効果を得られたか)を分析することも行われている。近年では、原子力発電所の運転見合わせや再稼働の延期により真夏や真冬などの電力需要が高まる季節において電力需給がひっ迫しがちである。その結果、企業などの大口需要者に対して節電への協力が強く要請或いは強制されるといった事態が発生している。このため、電力の大口需要者の間では、精度の高い電力消費量分析を行い、無駄な電力消費を徹底的に洗い出したり、省エネ施策の優劣を正確に検証したい、といったニーズが高まっている。
ここで、無駄な電力消費であるか否かの判断基準は、空調や照明などの設備毎に異なることが一般的であり、分析対象の企業の業種や業態に応じて異なる場合もある。また、分析対象の設備が空調である場合には外気温(すなわち、戸外の気温)の影響を考慮することなく無駄な電力消費であるか否かの判断を下すことはできないなど、分析対象の設備によっては外気温などの環境要件を考慮する必要もある。しかし、特許文献1に開示の技術に代表される従来の電力消費量分析技術では、分析対象の企業の業種や業態、環境要件は考慮されていない。このため、これら各種要件を加味した精度の電力消費量分析を実現するには知識やカン、経験を頼りに分析担当者が判断基準を適切に設定する必要があり、分析担当者の力量に依存するところが大きかった。つまり、従来の電力消費量分析技術では、豊富な知識や経験を有する分析担当者でなければ精度の高い分析を行うことができないという問題があった。
また、電力消費量分析に限らず、ガスや石油などの電力以外のエネルギーや工業用水についても業務遂行に伴う消費量分析を高い精度で行い、無駄な消費を洗い出せることが好ましいことは言うまでもない。しかし、これらについての消費量分析を高い精度で行うことを可能にする技術は従来提案されていなかった。本願明細書では、エネルギーや工業用水などのように、企業の業務遂行に必要となる業務遂行要素のうち、資産(設備などの固定資産や備品、および現預金や売掛金などの流動性資産)ではなく、かつ人的労働力でもない業務遂行要素のことを「資源」と呼ぶ。なお、精度の高い資源消費量分析を行い、無駄な資源消費を徹底的に洗い出したり、省エネ施策の優劣を正確に検証したりできることが好ましいことは一般家庭においても同様である。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、企業や一般家庭についての資源の消費量分析を行う際に、分析担当者の知識や経験に頼ることなく、精度の高い消費量分析を行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、以下に説明する取得手段、特定手段および生成手段を有する分析装置を提供する。取得手段は、複数の期間の各々について、外気温の時間変化を表す外気温情報と分析対象の設備の資源消費量の時間変化を示す資源消費量情報と、を取得する。特定手段は、前記複数の期間に共通する外気温範囲を前記外気温情報から特定するとともに、期間毎に前記資源消費量情報と前記外気温情報とから外気温と資源消費量の関係を特定する。生成手段は、前記特定手段により期間毎に特定された外気温と資源消費量の関係から前記外気温範囲における外気温と電力消費量の関係を表す分析指標を期間毎に生成して出力する。
例えば、分析対象の設備が空調設備であり、当該空調設備における電力消費量分析を行う場合には、空調の消費電力は外気温に大きく依存するため、比較対象の複数の期間の各々における外気温の振れ幅(最低の外気温から最高の外気温までの温度差)が異なっていれば各期間の電力消費量を単純に比較して各期間における省エネ(節電)施策の優劣を判定することはできない。しかし、本発明によれば、比較対象の複数の期間に共通する外気温範囲における外気温と電力消費量の関係を表す分析指標が期間毎に生成されるため、これら分析指標同士を比較することで、知識や経験の乏しい分析担当者であっても、客観的かつ公平で精度の高い資源消費量分析を行うことが可能になる。なお、本発明の別の態様としては、CPU(Central Processing Unit)などの一般的なコンピュータを上記各手段として機能させるプログラムを提供する態様が考えられる。このようにして提供されるプログラムにしたがって一般的なコンピュータを作動させることで当該コンピュータを本発明の分析装置として機能させることが可能になるからである。このようなプログラムの提供態様としては、CD−ROM(Compact Disk-Read
Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで配布する態様やインターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が考えられる。
Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで配布する態様やインターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が考えられる。
上記分析指標の具体例としては、一方の座標軸が資源消費量を表し他方の座標軸が外気温を表す座標平面に前記特定手段により特定された外気温と資源消費量の関係を期間毎にプロットした場合における前記外気温範囲の両端の資源消費量を通るように期間毎に描画した直線を用いることが考えられる。例えば分析対象の設備が空調設備であり、比較対象の各期間が何れも夏季の期間である場合には、上記直線の傾きが急峻であるほどうまく節電できていると結論付けられる。夏季であれば高い外気温において空調電力が増加することはやむを得ず、比較的低い外気温における空調電力の節約が重要となり、低い外気温における電力消費量が少ないほど上記直線の傾きは急峻になるからである。本態様によれば比較対象の複数の期間に共通する外気温範囲における上記直線の傾きの急峻さを比較することで、知識や経験の乏しい分析担当者であっても何れの期間においてもっとも高い節電効果が得られているのかを判断することが可能になる。なお、上記分析指標は、上記直線には限定されず、外気温に対応する座標軸と上記外気温範囲と各直線とで区画される台形の面積を表す値であっても良い。当該台形の面積が小さいほど高い節電効果を得られていることを意味するのであるから、知識や経験の乏しい分析担当者であっても当該分析指標の値の大小比較を行うことで何れの期間においてもっとも高い節電効果が得られているかを判断することが可能になる。
より好ましい態様においては、前記生成手段は、前記特定手段により特定された各期間における外気温と資源消費量の関係を前記座標平面にプロットした散布図を出力装置に出力させるとともに、前記各直線を当該散布図と重ねて前記出力装置に出力させる。従来の資源消費量分析においても、比較対象の複数の期間の各々における外気温と資源消費量の関係を散布図で表して各期間における省エネ施策の優劣の比較を行うこと一般的であったが、各期間の外気温の振れ幅の違いにより客観的な判断を下すことが難しい場合があった。これに対して本態様によれば、上記分析指標となる直線が上記散布図に重ねて描画されるため、当該分析指標を頼りに客観的な判断を下すことが可能になる。また、本態様によれば、各期間において資源が無駄に消費されているときの外気温を分析担当者に特定させることが可能になる。例えば、資源消費量がその期間に対応する上記直線を上回っている外気温を探し出せば良い。
さらに好ましい態様においては、前記複数の期間の各々について資源消費量が当該期間に対応する前記直線を上回っている外気温を特定するとともに、当該期間についての前記外気温情報から当該外気温に対応する時刻を特定する第2の特定手段と、前記第2の特定手段により特定された時刻を報知する報知手段と、を上記分析装置に設けても良い。このような態様によれば、比較対象の複数の期間の各々において資源が無駄に消費された時刻を容易に把握することが可能になる。さらに、資源消費量が上記直線上の資源消費量を上回っている外気温について両者の差分を算出し、当該差分を資源の無駄使い分として当該外気温に対応する時刻とともに報知するようにしても良い。逆に、資源消費量が上記直線上の資源消費量以下となっている外気温を特定し、前記外気温情報から当該外気温に対応する時刻を良好な省エネ効果が得られている時刻として特定する処理を上記第2の特定手段に実行させるようにしても良い。
分析対象の設備が企業の有する設備である場合には、前記取得手段には、当該分析対象の設備を有する企業についての前記複数の期間の各々における業務状況の時間変化を表す業務状況データを取得させ、前記第2の特定手段には、資源が無駄に消費された時刻における業務状況を前記取得手段により取得された業務状況データを参照して特定する処理を実行させ、前記報知手段には、前記第2の特定手段により特定された時刻とともにその時刻における業務状況を報知させるようにしても良い。このような態様によれば、資源が無駄に消費された時刻における業務内容を把握することが可能になる。
また、上記課題を解決するために本発明は、分析対象の企業を示すとともに当該企業の業種または業態を示す企業情報と当該企業の分析対象の期間における時刻毎および設備毎の資源消費量を示す資源消費量情報とを取得する取得手段と、資源消費量の多寡を時刻毎に判別するための各基準値を表す基準値情報を企業の業種または業態毎および設備毎に記憶した基準値データベースから、前記取得手段により取得した企業情報の示す業種または業態に対応する基準値情報を読み出す基準値取得手段と、前記基準値取得手段により取得された基準値情報の表す各時刻の基準値と前記取得手段により取得された資源消費量情報の示す各時刻における資源消費量とを時刻毎および設備毎に比較し、後者が前者を上回っている時刻および設備を特定し、当該時刻および設備を示す情報を出力装置に出力させる特定手段とを有することを特徴とする分析装置、を提供する。
本態様によれば、分析対象の企業およびその業種または業態を示す企業情報を分析装置に与えるだけで、当該企業の業種または業態に応じた基準値情報が基準値データベースから読み出され、当該基準値情報の表す各時刻の基準値を用いて各時刻における資源消費量の多寡が設備毎に判別され、その判別結果が出力装置に出力される。このため、分析担当者の知識や経験に頼ることなく、分析対象の企業の業種や業態を考慮した精度の高い資源消費量分析を行うことが可能になる。例えば、本発明の分析装置を電力消費量分析に適用する場合には、分析対象の企業における時刻毎および設備毎の電力消費量を表す電力消費量情報を上記資源消費量情報として用いるようにすれば良い。なお、基準値データベースについては、分析装置に記憶装置を内蔵させておき、この記憶装置に格納しておいても良いし、通信網を介して分析装置からアクセス可能な他の記憶装置(例えば、ネットワーク対応のハードディスクドライブなど)に記憶させておいても良い。
さらに別の態様としては、CPUなどの一般的なコンピュータを、資源消費量の多寡を時刻毎に判別するための各基準値を表す基準値情報を企業の業種または業態毎および設備毎に記憶した基準値データベースから分析対象として指定された企業の業種または業態に対応する基準値情報を読み出す基準値取得手段と、分析対象として指定された企業の分析対象として指定された期間の各時刻における設備毎の資源消費量を示す資源消費量情報を取得し、前記基準値取得手段により取得された基準値情報の示す各時刻の基準値と当該資源消費量情報の示す各時刻の資源消費量とを時刻毎および設備毎に比較し、後者が前者を上回っている時刻および設備を特定し、当該時刻および設備を示す情報を出力装置に出力させる特定手段として機能させるプログラムを提供する態様も考えられる。
より好ましい態様においては、分析対象の設備を示す設備情報を前記取得手段により取得し、前記基準値取得手段は、前記取得手段により取得された設備情報の示す設備に対応する基準値情報を取得するとともに、前記特定手段は、前記取得手段により取得された設備情報の示す設備について、前記取得手段により取得された資源消費量情報の示す資源消費量が前記基準値取得手段により取得された基準値情報の示す基準値を上回る時刻を特定することを特徴とする。このような態様によれば、特定の設備に着目して資源消費量分析を行うことが可能になる。例えば、電力の消費量分析に本発明を適用する場合には、空調設備や冷蔵設備などの特定の設備に着目して電力消費量分析を行うといった具合である。
より好ましい態様においては、前記基準値データベースには、季節毎に前記基準値情報が格納されており、前記基準値取得手段は、分析対象の期間の属する季節に対応する基準値情報を前記基準値データベースから読み出すことを特徴とする。企業の業務遂行に伴って消費される資源のなかには、例えば電力のようにその消費態様が季節に応じて大きく変化するものと、例えば工業用水のように消費態様がほとんど変化しないものとがある。本態様によれば、季節に応じて消費態様が大きく変動する資源の消費量分析を分析対象の期間の属する季節を加味して行うことが可能になり、より精度の高い消費量分析を行うことが可能になる。
また、別の好ましい態様においては、前記基準値データベースには、外気温についての特定の条件を示す条件データに対応付けて、当該条件下での資源消費量が全資源消費量に対して占める割合の上限を定める外気温条件閾値が企業の業種または業態毎および設備毎に格納されており、前記特定手段は、前記条件データの示す条件下での資源消費量、全資源消費量および前者の後者に対する割合を前記資源消費量情報に基づいて算出し、当該割合が前記外気温条件閾値を上回っている場合には、資源の無駄使いを警告するメッセージを前記出力装置に出力させることを特徴とする。外気温についての特定の条件の一例としては、一般に空調を用いる必要がないとされる温度範囲(例えば15℃〜25℃の範囲)が挙げられる。本発明の分析装置を電力の消費量分析に適用し、外気温についての特定条件として空調を用いる必要がないとされる温度範囲を採用すれば、空調設備についての全消費電力に占める当該条件下での消費電力(すなわち、無駄な消費電力)が上記外気温条件閾値を上回っていることを即座に分析担当者に把握させることができる。
また、別の好ましい態様においては、前記基準値データベースには、企業の営業時間(例えば、8:00〜18:00)外における資源消費量が全資源消費量に対して占める割合の上限を定める営業時間外閾値が企業の業種または業態毎および設備毎に格納されており、前記特定手段は、分析対象の企業の営業時間外の資源消費量、全資源消費量および前者の後者に対する割合を前記資源消費量情報に基づいて算出し、当該割合が前記営業時間外閾値を上回っている場合には、資源の無駄使いを警告するメッセージを前記出力装置に出力させることを特徴とする。本発明の分析装置を電力の消費量分析に適用すれば、全消費電力に占める営業時間外の消費電力が上記営業時間外閾値を上回っていることを即座に分析担当者に把握させることができる。
また、別の好ましい態様においては、前記基準値情報は、当該基準値情報の示す基準値を適用可能な外気温を示す基準外気温情報と対応付けて前記基準値データベースに格納されており、前記取得手段は、前記分析対象の企業の立地における外気温を示す外気温情報を取得し、前記特定手段は、前記基準値取得手段により取得された基準値情報に対応付けられている基準外気温情報の示す外気温と前記外気温情報の示す外気温との差に応じて当該基準値情報の示す基準値を補正した後に前記取得手段により取得された電力消費量情報の示す電力消費量との比較を行うことを特徴とする。例えば、空調についての夏(冬)の基準値情報であれば、基準外気温情報の示す外気温よりも外気温情報の示す外気温のほうが高ければ当該基準値情報の示す基準値をより大きな値(より小さな値)に補正し、逆に後者のほうが低ければより小さな値(より大きな値)に補正するといった具合である。このような態様によれば、分析対象の企業の業種または業態の他に、さらに基準値情報の作成の際に想定されていた外気温と実際の外気温との差を考慮した精度の高い資源消費量分析を行うことが可能になる。なお、外気温情報については分析対象の企業の立地を管轄する気象台のデータベースから取得すれば良い。
さらに好ましい態様においては、前記基準値データベースに格納されている基準値情報をユーザの指示に応じて更新する更新手段をさらに有することを特徴とする。ここで、更新手段の具体例としては、基準値情報の表す各基準値を一方の座標軸を時間軸とする二次元座標にプロットして得られるグラフ(例えば、折れ線グラフ)を表示装置に表示させるとともに、マウス等のドラッグアンドドロップにより当該グラフを変形させ、変形後のグラフの示す各時刻の基準値を新たな基準値として基準値データベースに格納するGUIベースの更新手段が考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、分析担当者の知識や経験に頼ることなく、精度の高い資源消費量分析を行うことが可能になる。特に、企業を対象として資源消費量分析を行う際には、分析対象の企業の業種や業態まで考慮した資源消費量分析を行うことができる。
(A:第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の分析装置10を含む電力消費量分析システム1の構成例を示す図である。この電力消費量分析システム1は、分析対象の企業について分析対象の期間における業務遂行に伴う電力消費量を空調や冷蔵、照明等の設備毎に分析するためのものである。図1に示すように電力消費量分析システム1は、例えばインターネットなどの電気通信回線である通信網20に接続された分析装置10を含んでいる。
以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の分析装置10を含む電力消費量分析システム1の構成例を示す図である。この電力消費量分析システム1は、分析対象の企業について分析対象の期間における業務遂行に伴う電力消費量を空調や冷蔵、照明等の設備毎に分析するためのものである。図1に示すように電力消費量分析システム1は、例えばインターネットなどの電気通信回線である通信網20に接続された分析装置10を含んでいる。
分析装置10には、電力消費量分析を行う分析担当者によって、分析対象の企業を示すとともにその業態または業種を示す企業情報D1、分析対象の設備を指定する設備情報D2、および分析対象の期間(例えば、2012年7月1日〜2012年9月30日など)を指定する期間情報D3が入力される。分析装置10は、これらの情報を入力されたことを契機として、分析対象の期間における分析対象の企業の各設備における電力消費量の時間変化を表すデータ(例えば、各時刻の電力消費量を示すデータの配列、以下、電力消費量情報)DDを通信網20を介して取得する。ここで、各時刻の電力消費量とは、8時、9時、10時などの一時間刻みの各時刻を起算点とする単位時間(すなわち、一時間)内に消費された電力量のことをいう。分析装置10は、このようにして取得した電力消費量情報DDを用いて、無駄な電力消費の有無を時刻毎および設備毎に分析し、その分析結果を出力する。
電力消費量情報DDについては、上記企業への電力供給を行う電力事業者のデータベースから取得するようにすれば良い。また、企業情報D1としては、分析対象の企業を一意に示す識別子(当該企業の名称を表す文字列など)とその業態(或いは業種)を一意に示すために予め付与された業態コードを用いるようにすれば良い。また、設備情報D2についても、各設備を一意に示すために予め付与された設備コードを用いるようにすれば良い。上記識別子や業態コード、設備コードについては、上記電力事業者のデータベースにおいても同じものが用いられるように上記電力事業者と予め調整しておけば良い。
図2は、分析装置10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、分析装置10は、制御部110、通信インターフェース(以下、「I/F」と略記する)部120、ユーザI/F部130、記憶部140、およびこれら構成要素間のデータ授受を仲介するバス150を含んでいる。制御部110は、例えばCPUである。制御部110は、記憶部140(より正確には、不揮発性記憶部144)に記憶されている分析プログラム144bを実行することにより、分析装置10の制御中枢として機能する。制御部110が分析プログラム144bにしたがって実行する処理の詳細については後に明らかにする。
図2に示すように、分析装置10は、制御部110、通信インターフェース(以下、「I/F」と略記する)部120、ユーザI/F部130、記憶部140、およびこれら構成要素間のデータ授受を仲介するバス150を含んでいる。制御部110は、例えばCPUである。制御部110は、記憶部140(より正確には、不揮発性記憶部144)に記憶されている分析プログラム144bを実行することにより、分析装置10の制御中枢として機能する。制御部110が分析プログラム144bにしたがって実行する処理の詳細については後に明らかにする。
通信I/F部120は、例えばNIC(Network Interface Card)であり、通信網20に接続されている。通信I/F部120は、通信網20から送信されてくるデータを受信し、制御部110に引き渡す一方、制御部110から引き渡されるデータを通信網20へと送出する。通信I/F部120は、電力消費量情報DDを通信網20を介して取得する取得手段の役割を果たす。
ユーザI/F部130には、液晶ディスプレイなどの出力装置と、キーボードやマウスなどの入力装置とが含まれる。ユーザI/F部130に含まれる出力装置には、企業情報D1、設備情報D2および期間情報D3(以下、これら3種類の情報を「企業情報D1等」と総称する場合がある)の入力を促す入力画面や分析結果を提示するための出力画面が表示される。ユーザI/F部130に含まれる入力装置は、企業情報D1等をユーザ(すなわち、分析担当者)に入力させる(換言すれば、企業情報D1等を分析装置10に取得させる)ためのものである。本実施形態では、分析結果を出力する出力装置として液晶ディスプレイ等の表示装置を用いたが、プリンタ装置などの印字装置を用いて勿論良い。また、本実施形態では、入力装置および出力装置の両方がユーザI/F部130に含まれていたが、これら入力装置および出力装置の何れか一方(或いは両方)を分析装置10に接続される別個の装置としても勿論良い。
記憶部140は、図2に示すように、揮発性記憶部142と不揮発性記憶部144とを含んでいる。揮発性記憶部142は例えばRAM(Random Access Memory)である。揮発性記憶部142は、分析プログラム144bを実行する際のワークエリアとして制御部110によって利用される。不揮発性記憶部144は、例えばハードディスクである。不揮発性記憶部144には、基準値データベース144aおよび分析プログラム144bが格納されている。
基準値データベース144aには、企業の業種または業態を示す第1のキー情報と設備の種別を示す第2のキー情報とに対応付けて基準値情報が格納されている。基準値情報とは、当該基準値データに対応付けられている第1のキー情報の示す業種(或いは業態)の企業における同第2のキー情報の示す設備にて消費される電力の多寡を時刻毎に判別するための各時刻の閾値(以下、基準値)の配列である。本実施形態では、前述した業態コードが上記第1のキー情報として用いられているとともに、前述した設備コードが上記第2のキー情報として用いられている。また、本実施形態では、上記基準値として、第1のキー情報の示す業種または業態の企業において一日のうちに消費されると推定される全電力に対する、上記第2のキー情報の示す設備において一時間刻みの各時刻を起算点とする単位時間内に消費される電力の割合(すなわち、相対値)が用いられている。このような相対値を基準値として用いたのは、分析対象の企業の規模による影響を受けないようにするためである。
基準値情報を構成する各時刻の基準値については、電力消費量分析システム1により提供される電力消費量分析サービスの利用契約を結んでいる各企業を業種毎に分類し、さらに同一業種の企業における電力消費量を季節毎、設備毎、および時刻毎に統計分析して得られる統計値(平均値や最大値、最頻出値など)に基づいて定める(すなわち、全消費電力に対する当該統計値の割合に応じて定める)ようにすれば良い。
図3は、本実施形態における基準値データベース144aの格納内容の一例を示す図である。図3に示すように本実施形態の基準値データベース144aでは、企業の業種(図3に示す例では、飲食店およびオフィスビル)および設備(飲食店であれば、空調、照明、冷蔵およびこれらの合算である店舗全体、オフィスビルであれば、空調、照明、およびこれらの合算であるフロア全体)に加えて、さらに季節(冬、夏、および冬ではなく夏でもない中間期)に対応づけて基準値情報が格納されている。これは、空調設備や冷蔵設備の電力消費量は季節に応じて異なることが一般的であり、季節を問わずに一種類の基準値を用いて電力消費量の多寡を判別することは正確性に欠けるからである。季節については、例えば、6月1日から8月末日までを夏とし、12月1日から2月末日までを冬とするといった具合に暦にしたがって定めれば良い。なお、季節に応じて消費量が変動しない(或いは変動量の少ない)資源を対象として消費量分析を行う場合には、季節毎に基準値情報を格納しておく必要はない。
分析プログラム144bは、図4に示す企業情報等取得処理SA100、電力消費量情報取得処理SA110、基準値情報取得処理SA120および特定処理SA130を制御部110に実行させるプログラムである。本実施形態では、制御部110は、分析装置10の電源(図示省略)投入を契機として分析プログラム144bを不揮発性記憶部144から揮発性記憶部142へ読み出し、その実行を開始する。分析プログラム144bにしたがって作動している制御部110は、まず、企業情報等取得処理SA100を実行する。企業情報等取得処理SA100では、制御部110は、企業情報D1等の入力を促す入力画面をユーザI/F部130の出力装置に出力させる。そして、制御部110は、企業情報D1、設備情報D2および期間情報D3の入力を契機として、電力消費量情報取得処理SA110以降の処理を実行する。
電力消費量情報取得処理SA110は、企業情報D1により識別される企業の期間情報D3の示す期間における設備情報D2の示す設備による電力消費量の時間変化を示す電力消費量情報DDを取得する処理である。ここで、分析対象として指定された企業(すなわち、企業情報D1の示す企業)が各々立地の異なる複数の事業所を有しており、事業所毎に電力消費量情報が送信されてくる場合には、それら電力消費量情報の示す各時刻の電力消費量を集計し、時刻毎の集計結果を事業所数で除算して得られる平均値の配列を電力消費量情報DDとして用いるようにすれば良い。
基準値情報取得処理SA120では、制御部110は、企業情報D1の示す業種または業態、設備情報D2の示す設備(すなわち、分析対象として指定された設備)、および期間情報D3の示す期間の属する季節に対応する基準値情報を基準値データベース144aから読み出す。より詳細に説明すると、制御部110は、企業情報D1の示す業種または業態と同一の業種または業態を示す第1のキー情報および設備情報D2の示す設備と同一の設備を示す第2のキー情報に対応付けられている基準値情報のうち、期間情報D3の示す期間の属する季節に対応する基準値情報を基準値データベース144aから読み出す。例えば、期間情報の示す期間が8月1日から8月末日までの期間であれば、夏の基準値情報を読み出すといった具合である。期間情報D3の示す期間が複数の季節にまたがっている場合には、期間情報D3の示す期間を季節毎に分割し、分割して得られた期間毎に基準値情報取得処理SA120以降の処理を制御部110に実行させるようにすれば良い。なお、本実施形態では、企業情報等取得処理SA100の実行後、電力消費量情報取得処理SA110を実行し、さらにその後、基準値情報取得処理SA120を実行したが、電力消費量情報取得処理SA110と基準値情報取得処理SA120の実行順序を入れ替えても良く、また、両者を並列に実行しても良い。
特定処理SA130では、制御部110は、基準値情報取得処理SA120にて取得した基準値情報の示す各時刻の基準値と電力消費量情報DDの示す各時刻における電力消費量とを時刻毎に比較し、後者が前者を上回っている時刻を特定する。ここで、各時刻の基準値と電力消費量情報DDの示す各時刻における電力消費量との比較については、後者を相対値(分析対象の企業において一日のうちに消費されると全電力に対する、分析対象の設備において各時刻を起算点とする単位時間内に消費される電力の割合)に変換して行っても良く、逆に前者を絶対値(分析対象の企業において一日のうちに消費されると全電力に当該基準値の示す割合を乗算して得られる値)に変換して行っても良い。そして、制御部110は、該当する時刻、およびその時刻における基準値と電力消費量との差を示す情報をユーザI/F部130(より正確には、ユーザI/F部130に含まれる出力装置)に出力させる。
前述したように基準値情報の示す各基準値は、その基準値情報に対応する業種または業態の企業における同基準値情報に対応する設備についての分析対象の期間の属する季節における時刻毎の一般的の電力消費量を示す。したがって、実際の電力消費量が当該基準値を上回っているならば、その基準値に対応する設備および時刻において電力が無駄に消費されている可能性が高い。このため、分析担当者は、電力消費量分析の分析結果としてユーザI/F部130に表示される情報(電力消費量が基準値を上回っている時刻、および基準値と電力消費量との差を示す情報)に基づいて、分析対象業種における分析対象設備の一般的な電力消費量と比べてどの時刻においてどの程度電力が無駄に消費されているのかを把握することができる。
図5は、分析対象の企業の業態がオフィスビルであり、分析対象の設備がフロア全体である場合の分析装置10による分析結果の出力例を示す図である。図5における折れ線グラフは基準値情報取得処理SA120により取得された各基準値を表しており、同棒グラフは電力消費量情報DDの表す時刻毎の照明設備の電力消費量を表している。図5に示す例では、12時〜13時の消費電力が基準値を超過しており、19時以降の消費電力も基準値を超過している。このため、本動作例では、12時〜13時の時刻および19時以降の時刻を表す情報が表示装置に表示される。例えば、12時〜13時の時刻および19時以降の時刻の各消費電力を表す棒グラフを他の時刻におけるものとは表示色を異ならせて図5をそのまま表示装置に表示させるといった具合である。一般に12時〜13時の時刻は昼休みの時刻であり、19時以降は終業時刻以後であるから、昼休みの節電が行われておらず、また、残業時間に電力が無駄に消費されていることが判る。このため、分析担当者は、上記企業に分析報告書を提出する際には、図5に示すグラフとともに「昼休みおよび残業時間における節電が不十分です」などの所見を記載した分析報告書を提出することができる。
このように、本実施形態によれば、分析対象の企業およびその業態を示す企業情報D1、分析対象の設備を示す設備情報D2、および分析対象の期間を示す期間情報D3を分析装置10に与えるだけで、基準値を上回って無駄に電力が消費された時刻が特定される。上記基準値は分析対象の企業の業種または業態毎、設備毎および季節毎に同業他社の消費動向等に基づいて統計的に定められたものであるから、分析担当者が専門的な知識や充分な経験を有していなくても、分析対象の企業の業種や業態、設備、季節に即した精度の高い電力消費量分析が実現される。
(B:第2実施形態)
次いで本発明の第2実施形態について説明する。
上記第1実施形態では、分析対象の企業における各設備の各時刻における電力消費量をその企業の業態や業態、設備の種類および季節に応じて定まる基準値と比較することで無駄に電力が消費された時刻を特定した。これに対して本実施形態の電力消費量分析では、比較対象として指定された複数の期間(例えば、ある年の異なる日、或いは異なる年の各々における同じ日付の日)の空調設備の運用に関する省エネ施策の優劣を比較するための分析を行う点が第1実施形態と異なる。
次いで本発明の第2実施形態について説明する。
上記第1実施形態では、分析対象の企業における各設備の各時刻における電力消費量をその企業の業態や業態、設備の種類および季節に応じて定まる基準値と比較することで無駄に電力が消費された時刻を特定した。これに対して本実施形態の電力消費量分析では、比較対象として指定された複数の期間(例えば、ある年の異なる日、或いは異なる年の各々における同じ日付の日)の空調設備の運用に関する省エネ施策の優劣を比較するための分析を行う点が第1実施形態と異なる。
図6は、本発明の第2実施形態の分析装置10´を含む電力消費量分析システム1´の構成例を示す図である。図6では図1におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図6と図1とを対比すれば明らかにように、本実施形態の電力消費量システム1´は、分析装置10に代えて分析装置10´を有している点のみが電力消費量分析システム1と異なる。図7は、同分析装置10´の構成例を示す図である。図7では図2におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図7と図2を対比すれば明らかように分析装置10´は、分析装置10と同一のハードウェア構成を有するものの、分析プログラム144bに代えて分析プログラム144cが不揮発性記憶部144に格納されている点と基準値データベース144aを有していない点が分析装置10と異なる。以下、第1実施形態との相違点である分析プログラム144cを中心に説明する。
本実施形態においても前述した第1実施形態と同様に、制御部110は、分析装置10´の電源(図示省略)投入を契機として分析プログラム144cを不揮発性記憶部144から揮発性記憶部142へ読み出し、その実行を開始する。図8は、同分析装置10´の制御部110が分析プログラム144cにしたがって実行する処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、分析プログラム144cは、企業情報等取得処理SA100、電力消費量情報取得処理SA110、外気温情報取得処理SB120、特定処理SB130、生成処理SB140および表示制御処理SB150をこの順に制御部110に実行させるプログラムである。
企業情報等取得処理SA100は第1実施形態と同様に、分析対象の企業についての企業情報D1、同分析対象の設備についての設備情報D2、および分析対象の期間を示す期間情報D3を取得する処理である。制御部110は、企業情報D1、設備情報D2、および期間情報D3を取得するため、これら各種情報の入力を分析担当者に促す入力画面をユーザI/F部130の出力装置に出力(表示)させる。図9は、上記入力画面の一例を示す図である。図9を参照すれば明らかように、本実施形態では、比較対象の複数期間の各々を示す複数の期間情報D3が入力される点が上記第1実施形態と異なる。本実施形態では、比較対象となる2つの期間としてそれぞれ一日分の期間が指定され、図9に示す例では、比較対象の期間として2013年8月1日と2012年8月1日とが指定されている。本実施形態では、比較対象の期間を2つ指定する場合について説明するが、3つ以上の期間を指定しても勿論良い。また、比較対象の各期間の長さは一日に限定されるものではなく、週単位或いは月単位で指定しても勿論良い。また、分析対象の企業が複数の拠点(例えば、支店や事業所)を有している場合には、企業の指定に代えてこれら拠点を指定して分析を行うようにしても良い。
電力消費量情報取得処理SA110は第1実施形態と同様に、企業情報D1、設備情報D2および期間情報D3(本実施形態では複数の期間情報D3)の入力完了を契機として実行される処理である。この電力消費量情報取得処理SA110では、制御部110は、企業情報等取得処理SA100にて取得した複数の期間情報D3の各々について、各期間情報D3の示す期間における企業情報D1により識別される企業の設備情報D2の示す設備による電力消費量の時間変化を示す電力消費量情報DDを取得する。
外気温情報取得処理SB120では、制御部110は、企業情報D1の示す企業の所在地についての複数の期間情報D3の各々の示す期間における外気温の時間変化を表す外気温情報DX(例えば、各時刻の外気温を表すデータの配列)を通信網20経由で取得する(図6参照)。例えば、企業情報D1の示す企業の所在地を管轄する気象台のデータベースにアクセスして上記各期間の外気温情報DXを取得する態様であっても良いし、気象庁データベースから企業情報D1の示す企業の所在地を検索キーとして上記各期間の外気温情報DXを取得する態様であっても良い。
特定処理SB130では、制御部110は、ステップSB120にて取得した外気温情報DXから複数の期間情報D3の各々の示す期間に共通する外気温範囲を特定するとともに、電力消費量情報DDと外気温情報DXとを参照してこれら複数の期間の各々における外気温と電力消費量の関係を特定する。例えば、比較対象の2つの期間のうちの一方(例えば、2012年8月1日)における外気温の振れ幅が24℃〜33°Cであり、他方における外気温の振れ幅が23.8℃〜31.2℃であった場合には、制御部110は共通の外気温範囲を24℃〜31.2℃と特定する。また、制御部110は、上記複数の期間の各々について、各時刻における外気温に同じ時刻の電力消費量を対応付けることで両者の関係を表すデータを生成する。
生成処理SB140では、制御部110は、複数の期間情報D3の各々の示す期間における省エネ効果を比較するための分析指標を期間毎に生成する。より詳細に説明すると、制御部110は、まず、一方の座標軸が電力消費量を表し他方の座標軸が外気温を表す座標平面に特定処理SB130にて時刻を介して互いに対応付けた外気温および電力消費量を期間毎にプロットして外気温別散布図の画像を生成する。次いで制御部110は、当該外気温散布図においてステップSB130にて特定した外気温範囲の両端における電力消費量を通る直線を期間毎に求め、当該直線を上記分析指標とする。本実施形態において上記分析指標を上記の要領で生成する理由および上記分析指標を用いた省エネ効果の比較方法については後に明らかにする。
表示制御処理SB150では、制御部110は、上記外気温散布図の画像とユーザI/F部130の出力装置に出力させるとともに、当該外気温散布図の重ね合わせ上記各分析指標の直線を上記出力装置に出力させる。例えば、上記出力装置が液晶ディスプレイなどの表示装置であれば、図10に示す画像が表示される。図10に示す例では、直線Aが対象日Aについての分析指標であり、直線Bが対象日Bについての分析指標である。
以上が分析装置10´の構成である。
以上が分析装置10´の構成である。
図10の例では空調電力の比較対象である2つの期間に共通する外気温範囲は24℃〜31.2℃である。図10に示す画像を視認した分析担当者は、上記外気温範囲の両端と上記各分析指標の直線の各々と外気温に対応する座標軸とで区画される台形の面積を用いて各期間における省エネ施策の効果を比較することができる。例えば、2013年8月1日についての上記面積は、(上底HA+下底LA)×高さ(すなわち、上記外気温範囲の幅)D÷2と算出され、2012年8月1日についての上記面積は(上底LB+下底LB)×高さD÷2と算出される。
図10の例においては、単純に計測された電力データを合計した場合、2012年8月1日の方が電力消費量が大きいが、上記各面積を比較した場合は2013年8月1日の方が大きい。これは前者の期間の方が外気温の高い時間帯のデータが多いため、単純な電力使用量の合計は多いが、後者の期間の方は外気温の低い時間帯のデータが多く、その時間帯の電力が比較的大きいためである。空調設備についての夏の省エネ施策としては外気温の低い時間帯の空調の使用を控えることが有効であることは言うまでもない。上記分析指標の比較で省電力分析を行うことで、外気温が高いことに起因するやむを得ない空調の消費電力を除外し、公平な電力消費量分析を行うことが可能になる。なお、本実施形態では、空調設備の運用比較への適用例を説明したが、外気温と電力使用量の関係が深いショーケースなどの冷蔵設備や、日照時間と電力使用量の関係が深い屋外照明設備などの運用比較にも本実施形態は適用可能である。
(C:変形)
以上、本発明の第1および第2実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上記各実施形態では、分析担当者に分析対象の設備を指定させたが、設備の指定は必須ではなく省略しても良い。分析担当者に分析対象の設備を指定させない態様においては、例えば、第1実施形態であれば、企業情報D1の示す企業における各設備についての電力消費量情報を取得し、設備毎に該当する基準値情報を読み出して電力消費量の多寡を時刻毎に判別する処理を制御部110に実行させるようにしても良く、また、分析対象として予め定められた設備についてのみ電力消費量の多寡を判別させるようにしても良い。第2実施形態においても同様に、分析担当者に分析対象の設備を指定させない態様においては分析対象の企業が有する設備の各々について分析指標の生成および散布図の出力を制御部110に行わせても良く、予め定められた設備について分析指標の生成および散布図の出力を行わせても良い。分析対象の企業についても予め設定しておけば、分析担当者に企業情報を入力させる必要はない。また、第1実施形態において分析対象期間を、企業情報D1や設備情報D2の入力時点から所定の期間とする場合には、期間情報D3を分析担当者に入力させる必要もない。第2実施形態についても、比較対象の複数の期間を予め設定しておく態様であれば、期間情報D3を分析担当者に入力させる必要はない。
以上、本発明の第1および第2実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上記各実施形態では、分析担当者に分析対象の設備を指定させたが、設備の指定は必須ではなく省略しても良い。分析担当者に分析対象の設備を指定させない態様においては、例えば、第1実施形態であれば、企業情報D1の示す企業における各設備についての電力消費量情報を取得し、設備毎に該当する基準値情報を読み出して電力消費量の多寡を時刻毎に判別する処理を制御部110に実行させるようにしても良く、また、分析対象として予め定められた設備についてのみ電力消費量の多寡を判別させるようにしても良い。第2実施形態においても同様に、分析担当者に分析対象の設備を指定させない態様においては分析対象の企業が有する設備の各々について分析指標の生成および散布図の出力を制御部110に行わせても良く、予め定められた設備について分析指標の生成および散布図の出力を行わせても良い。分析対象の企業についても予め設定しておけば、分析担当者に企業情報を入力させる必要はない。また、第1実施形態において分析対象期間を、企業情報D1や設備情報D2の入力時点から所定の期間とする場合には、期間情報D3を分析担当者に入力させる必要もない。第2実施形態についても、比較対象の複数の期間を予め設定しておく態様であれば、期間情報D3を分析担当者に入力させる必要はない。
(2)上記第1実施形態においては外気温について特定の条件を定めておき、当該条件下での電力消費量が全電力消費量に対して占める割合の上限を設備毎に予め定めておき、当該上限を超えて電力が消費されたか否かを分析担当者が即座に把握できるようにしても良い。また、企業の営業時間外での電力消費量が全電力消費量に対して占める割合の上限を設備毎に予め定めておき、当該上限を超えて電力が消費されたか否かを分析担当者が即座に把握できるようにしても良い。また、分析指標として外気温と電力消費量の関係を表す直線を用いる場合には、当該分析指標と外気温情報とから時刻と電力消費量の関係を求め、当該関係から上記第1実施形態における各時刻の基準値を生成しても良い。
例えば、外気温についての特定の条件を示す条件データに対応付けて、当該条件下での電力消費量が全電力消費量に対して占める割合の上限を定める外気温条件閾値を企業の業種または業態毎および設備毎に基準値データベースに格納しておく(図11参照)。そして、制御部110には、特定処理SA130において、条件データの示す条件下での電力消費量、全電力消費量および前者の後者に対する割合を電力消費量情報に基づいて算出し、当該割合が外気温条件閾値を上回っている場合には、資源の無駄使いを警告するメッセージを出力装置に出力させるのである。外気温についての特定の条件の一例としては、一般に空調を用いる必要がないとされる温度範囲(例えば15℃〜25℃の範囲)が挙げられる。このような温度範囲での空調の使用は無駄な電力消費に他ならないが、無駄を完全に排除することは難しく、或る程度は許容せざるを得ない場合もある。上記外気温条件閾値は、このような許容範囲の上限を意味するのである。例えば上記外気温条件閾値を0と設定すれば、一般に空調を用いる必要がないとされる温度範囲の空調の使用を全く許容しないことを前提として電力消費量分析を行うことになる。このような態様によれば、外気温についての特定条件として空調を用いる必要がないとされる温度範囲を採用すれば、空調設備についての全消費電力に占める当該条件下での消費電力(図12(b)における無駄な電力)が許容範囲を超えていることを即座に分析担当者に把握させることができる。
また、企業の営業時間(例えば、8:00〜18:00)外における電力消費量が全電力消費量に対して占める割合の上限を定める営業時間外閾値を企業の業種または業態毎および設備毎に基準値データベースに格納しておき(図11参照)、制御部110には、特定処理SA130において、分析対象の企業の営業時間外の電力消費量、全電力消費量および前者の後者に対する割合を電力消費量情報に基づいて算出し、当該割合が前記営業時間外閾値を上回っている場合には、資源の無駄使いを警告するメッセージを前記出力装置に出力させるようにしても良い。このような態様によれば、全電力消費量に占める営業時間外の電力消費量(図12(a)における無駄な電力)が許容範囲を超えていることを即座に分析担当者に把握させることができる。ここで、各企業の営業時間を示す情報については、企業情報D1に含めておけば良い。なお、図11に示す例では、飲食店について空調の営業時間外閾値が5%(或いは10%)に設定されていることに対し、冷蔵設備の営業時間外閾値は30%と高めに設定されている。これは、飲食店の冷蔵設備は、食材の保存のために営業時間外でもある程度の電力消費は必須であると考えられるからである。
(3)上記各実施形態では、企業における電力消費量分析への本発明の適用例を説明したが、本発明の適用対象は電力消費量分析に限定されるものではない。例えば、ガスや石油などの化石燃料の消費量分析に適用しても良く、飲料水や工業用水などの水の消費量分析に適用しても良い。また、上記各実施形態では、企業の設備における資源消費量(電力消費量)分析への本発明の適用例を説明したが、一般家庭における照明や空調、冷蔵などの各設備の資源消費量分析に本発明を適用しても勿論良い。この場合、分析対象の家庭および設備を分析担当者に指定させて、当該家庭における当該設備の電力消費量情報DDを通信網20経由で分析装置10に取得させるようにすれば良い。
(4)上記第1実施形態では、分析装置10の不揮発性記憶部144に基準値データベース144aが予め記憶されていた。しかし、基準値データベース144aを通信網20に接続された他の装置に記憶させておき、分析装置10の制御部110には、当該他の装置に記憶されている基準値データベース144aを通信網20を介して参照する処理を実行させるようにしても良い。
(5)基準値情報を分析担当者などのユーザの指示に応じて更新し、保存する更新手段を分析装置10に設け、分析対象の企業に合わせて基準値情報をカスタマイズできるようにしても良い。このような更新手段の具体例としてはCUIベースのものと、GUIベースのものとが考えられる。CUIベースの更新手段の一例としては、各時刻の基準値を表す数値を表示させるとともに、新たな基準値を表す数値をキーボードなどにより入力させるものが挙げられる。GUIベースの更新手段の具体例としては、基準値情報の表す各基準値を一方の座標軸を時間軸とする二次元座標にプロットして得られるグラフ(例えば、図3参照)を表示装置に表示させるとともに、マウス等のドラッグアンドドロップにより当該グラフを変形させ、変形後のグラフの示す各時刻の基準値を新たな基準値として基準値データベース144aに格納するものが挙げられる。ここで、グラフの変形の具体例としては、時間軸方向の平行移動や、時間軸とグラフ曲線との間の面積(すなわち、総消費電力)を一定に保ちつつピークの高さを変えること(ピークの高さを変えた分だけ、他の基準値をその基準値の大きさおよびピークの変動量に応じた割合で変動させること)が挙げられる。前者の態様によれば、サマータイムの導入などによる営業時間の変更に簡便に対処することが可能になり、後者の態様によればイベント開催などに伴う一時的な需要増加に簡便に対処することが可能になる。
このような更新手段を設けることで基準値データベースの格納内容をきめ細やかにカスタマイズし、精度の高い資源消費量分析を行うことが可能になる。特に、GUIベースの更新手段であれば、基準値データベース144aの格納内容を直観的で判り易い操作によりユーザに更新させることが可能になる。また、グラフの変形の際に、並行移動のみを許容する、或いは時間軸とグラフ曲線との間の面積を一定に保つなどの制約を設けて置くことで無秩序な更新を排除しつつ、直観的で判り易い操作で基準値データベース144aの格納内容を更新することが可能になる。なお、飲食店において空調の電力消費を引き下げると冷蔵効率が低下し、冷蔵の電力消費量が増加するなど、業種によっては各設備の消費電力に一定の相関が認められる場合がある。このような場合には、互いに相関を有する設備のうちの一方についての基準値情報の更新を契機として、当該相関が反映されるように他方の基準値情報を更新しても良い。
さらに、基準値情報(或いは当該基準値情報を格納した基準値データベース144a)を電子データとして出力し、他の分析装置で再利用できるようにしても勿論良い。このような態様によれば、基準値情報を作成済の企業と類似の業態または業種の他の企業の電力消費量分析を行う際に、基準値情報(或いは基準値データベース144a)を作成する手間を軽減することが可能になる。また、このように電子データとして提供される基準値情報を上記の要領でカスタマイズすることで、カスタマイズ元となった基準値情報の業種(或いは業態)とは異なる業種(或いは業態)向けの基準値情報を手軽に作成することも可能になる。
(6)上記第2実施形態では、外気温散布図においてステップSB130にて特定した外気温範囲の両端における資源消費量を通る直線を分析指標としたが、比較対象の各期間における上記外気温範囲内での電力消費実績に最小二乗法等の統計分析を施して得られる回帰直線を上記分析指標としても良く、上記直線や上記回帰直線と上記外気温範囲の両端と外気温に対応する座標軸とで区画される図形の面積を上記分析指標としても良い。要は、外気温範囲における外気温と電力消費量の関係を反映したものであれば、上記第2実施形態の分析指標として用いることが可能である。また、上記第2実施形態では、分析指標とともに外気温散布図を分析装置10に出力させたが、外気温散布図の出力を省略し分析指標のみを出力する態様であっても良い。
(7)上記第2実施形態において、比較対象の複数の期間の各々について資源消費量が当該期間に対応する分析指標の直線を上回っている外気温を特定するとともに、当該期間についての外気温情報DXから当該外気温に対応する時刻を特定する第2の特定処理を制御部110に実行させるとともに、当該第2の特定処理により特定された時刻を電力が無駄使いされた時刻として報知する報知処理を制御部110に実行させても良い。
さらに、企業の業種または業態に対応付けて当該業種または業態の企業の業務状況の時間変化を表す業務状況データが格納された業務状況データベースから分析対象の設備を有する企業の業種または業態に対応する業務状況データを取得する処理を制御部110に実行させ、上記第2の特定処理では、資源が無駄に消費された時刻における業務状況を上記業務状況データを参照して特定する処理を制御部110に実行させ、報知処理では、第2の特定処理により特定された時刻とともにその時刻における業務状況を報知する処理を制御部110に実行させるようにしても良い。このような態様によれば、電力が無駄に消費された時刻における業務状況を参照して省エネ効果についてのより公平な評価を下したり、節電のための業務改善策を策定する際の手がかりとすることが可能になる。なお、業務状況データベースについては分析装置10´の不揮発性記憶部144に格納しておいても良いし、分析装置10´の制御部110がアクセス可能な他の装置に記憶させておいても良い。上記業務状況データの一例としては、分析対象の企業における勤務時間表や操業スケジュールを表すデータが挙げられる。また、分析対象の企業の業種がコンビニエンスストアなどの小売店であれば、各時刻における顧客来店口の自動ドアの開閉回数を記録し、各時刻の開閉回数を表すデータ(すなわち、各時刻における顧客の来店頻度を表すデータ)を上記業務状況データとして用いるようにしても良い。顧客来店頻度が高く、顧客来店口の自動ドアの開閉回数が多い状況下では、空調設備の消費電力が増加してもやむを得ないからである。
(8)上記第1実施形態では、本発明の特徴を顕著に示す基準値情報取得処理SA120および特定処理SA130を分析装置10の制御部110に実行させる分析プログラム144b(すなわち、CPUなどのコンピュータを、基準値情報取得処理SA120を実行する基準値情報取得手段、および特定処理SA130を実行する特定手段として機能させるプログラム)が同分析装置10の不揮発性記憶部144に予め格納されていた。しかし、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に分析プログラム144bを書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。このようにして配布される分析プログラム144bにしたがって一般的なコンピュータを作動させることで、当該コンピュータを本発明の分析装置として機能させることが可能になるからである。上記第2実施形態の分析プログラム144cについても同様である。また、基準値情報取得処理SA120を実行する基準値情報取得手段、および特定処理SA130を実行する特定手段を電子回路で構成し、企業情報D1等および資源消費量情報を取得する取得手段と組み合わせて上記第1実施形態の分析装置を構成しても良い。上記第2実施形態の分析装置10´についても同様に電力消費量情報取得処理SA110および外気温情報取得処理SB120を実行する取得手段と、特定処理SB130を実行する特定手段と、生成処理SB140を実行する生成手段の各々を電子回路で構成し、これら電子回路を組み合わせて当該分析装置10´を構成しても良い。
1,1´…電力消費量分析システム、10,10´…分析装置、20…通信網、110…制御部、120…通信I/F部、130…ユーザI/F部、140…記憶部、142…揮発性記憶部、144…不揮発性記憶部、144a…基準値データベース、144b,144c…分析プログラム、150…バス。
Claims (6)
- 複数の期間の各々について、外気温の時間変化を表す外気温情報と分析対象の設備の資源消費量の時間変化を示す資源消費量情報と、を取得する取得手段と、
前記複数の期間に共通する外気温範囲を前記外気温情報から特定するとともに、期間毎に前記資源消費量情報と前記外気温情報とから外気温と資源消費量の関係を特定する特定手段と、
前記特定手段により期間毎に特定された外気温と資源消費量の関係から前記外気温範囲における外気温と電力消費量の関係を表す分析指標を期間毎に生成して出力する生成手段と、
を有することを特徴とする分析装置。 - 前記生成手段は、一方の座標軸が資源消費量を表し他方の座標軸が外気温を表す座標平面に前記特定手段により特定された外気温と資源消費量の関係を期間毎にプロットした場合における前記外気温範囲の両端の資源消費量を通るように期間毎に描画した直線または当該直線と前記外気温範囲に応じて算出される値を前記分析指標として出力することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
- 前記生成手段は、前記特定手段により期間毎に特定された外気温と資源消費量の関係を前記座標平面にプロットした散布図を出力装置に出力させるとともに、前記各直線を当該散布図と重ねて前記出力装置に出力させる
ことを特徴とする請求項2に記載の分析装置。 - 前記複数の期間の各々について資源消費量が当該期間に対応する前記直線を上回っている外気温を特定するとともに、当該期間についての前記外気温情報から当該外気温に対応する時刻を特定する第2の特定手段と、
前記第2の特定手段により特定された時刻を報知する報知手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の分析装置。 - 前記分析対象の設備は企業の有する設備であり、
前記取得手段は、前記分析対象の設備を有する企業についての前記複数の期間の各々における業務状況の時間変化を表す業務状況データを取得し、
前記第2の特定手段は、資源が無駄に消費された時刻における業務状況を前記取得手段により取得された業務状況データを参照して特定し、
前記報知手段は、前記第2の特定手段により特定された時刻とともにその時刻における業務状況を報知する
ことを特徴とする請求項4に記載の分析装置。 - コンピュータを、
複数の期間の各々について、外気温の時間変化を表す外気温情報と分析対象の設備の資源消費量の時間変化を示す資源消費量情報と、を取得する取得手段と、
前記複数の期間に共通する外気温範囲を前記外気温情報から特定するとともに、期間毎に前記資源消費量情報と前記外気温情報とから外気温と資源消費量の関係を特定する特定手段と、
前記特定手段により期間毎に特定された外気温と資源消費量の関係から前記外気温範囲における外気温と電力消費量の関係を表す分析指標を期間毎に生成して出力する生成手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
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KR102060991B1 (ko) * | 2019-04-19 | 2019-12-31 | 한국전력공사 | 상업시설의 영업정보 제공 시스템 및 방법 |
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-
2014
- 2014-07-02 JP JP2014136435A patent/JP2016015002A/ja active Pending
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