JP2019124263A - 車両及び車両の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリエータのアップシフト中に加速フィーリングが悪化することを改善可能な車両及び車両の制御方法を提供する。【解決手段】車両は、エンジンENGと、バリエータVAと、前進クラッチFWD/Cと、メカオイルポンプ1と、を備える車両であって、バリエータVAのアップシフト中に吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなる場合に、前進クラッチFWD/Cをスリップさせて、バリエータVAのアップシフトが行われている間、吐出量Qpを必要流量Qr以上に維持するスリップ制御を行うコントローラ11を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、車両及び車両の制御方法に関する。
特許文献1には、車両減速後の再加速時に、前進用クラッチをスリップ係合状態とする入力クラッチスリップ制御を行う技術が開示されている。
バリエータをアップシフトする場合には、駆動源の回転速度を低下させる必要がある。しかしながら、駆動源の回転速度が低下すると、駆動源の動力により駆動するオイルポンプの吐出量も減少する。結果、オイルポンプの吐出量が必要流量よりも小さくなって不足する事態が発生し得る。
アップシフト中にオイルポンプの吐出量が不足すると、バリエータの変速速度が低下し得る。この場合、バリエータの変速速度が低下前後で2段階の変速速度となり、変速期間も間延びすることになる。結果、車両の加速度が低下するとともに、低下したままの状態が長引くことで、加速フィーリングが悪化する虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、バリエータのアップシフト中に加速フィーリングが悪化することを改善可能な車両及び車両の制御方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様の車両は、駆動源と、前記駆動源から動力が伝達されるバリエータと、前記駆動源と前記バリエータとを結ぶ動力伝達経路に設けられる摩擦要素と、前記駆動源の動力により駆動するオイルポンプと、を備える車両であって、前記バリエータのアップシフト中に前記オイルポンプの吐出量が必要流量よりも小さくなる場合に、前記摩擦要素をスリップさせて、前記バリエータのアップシフトが行われている間、前記吐出量を前記必要流量以上に維持するスリップ制御を行う制御部、を備える。
本発明の別の態様によれば、駆動源と、前記駆動源から動力が伝達されるバリエータと、前記駆動源と前記バリエータとを結ぶ動力伝達経路に設けられる摩擦要素と、前記駆動源の動力により駆動するオイルポンプと、を備える車両で行われる車両の制御方法であって、前記バリエータのアップシフト中に前記オイルポンプの吐出量が必要流量よりも小さくなる場合に、前記摩擦要素をスリップさせて、前記バリエータのアップシフトが行われている間、前記吐出量を前記必要流量以上に維持すること、を含む車両の制御方法が提供される。
これらの態様によれば、バリエータのアップシフト中にオイルポンプの吐出量が必要流量よりも小さくなる場合は、摩擦要素をスリップさせ、駆動源に対する駆動輪側からの影響を軽減することで、吐出量を必要流量以上に維持するので、吐出量不足を回避できる。このため、バリエータのアップシフト中に加速フィーリングが悪化することを改善できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両の要部を示す図である。車両は、エンジンENGと、無段変速機TMと、駆動輪DWと、を備える。
エンジンENGは、車両の駆動源を構成する。無段変速機TMは、ベルト式の無段変速機であり、トルクコンバータTCと、前後進切替機構SWMと、バリエータVAと、を有する。エンジンENGの動力は、トルクコンバータTC、前後進切替機構SWM、バリエータVAを介して駆動輪DWへと伝達される。換言すれば、トルクコンバータTC、前後進切替機構SWM、バリエータVAは、エンジンENGから駆動輪DWに至る動力伝達経路に設けられる。
トルクコンバータTCは、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータTCでは、ロックアップクラッチLUを締結することで、動力伝達効率が高められる。
前後進切替機構SWMは、エンジンENGとバリエータVAとを結ぶ動力伝達経路に設けられる。前後進切替機構SWMは、入力される回転の回転方向を切り替えることで車両の前後進を切り替える。前後進切替機構SWMは、前進レンジ選択の際に係合される前進クラッチFWD/Cと、リバースレンジ選択の際に係合される後退ブレーキREV/Bと、を備える。前進クラッチFWD/C及び後退ブレーキREV/Bを解放すると、無段変速機TMがニュートラル状態、つまり動力遮断状態になる。
バリエータVAは、プライマリプーリPRIと、セカンダリプーリSECと、プライマリプーリPRI及びセカンダリプーリSECに巻き掛けられたベルトBLTと、を有するベルト式無段変速機構を構成する。プライマリプーリPRIにはプライマリ圧Ppriが、セカンダリプーリSECにはセカンダリ圧Psecが、後述する油圧制御回路12からそれぞれ供給される。
無段変速機TMには、メカオイルポンプ1が設けられる。メカオイルポンプ1は、エンジンENGの動力により駆動され、油圧制御回路12に油を圧送する。メカオイルポンプ1には例えば、トルクコンバータTCのインペラから動力を取り出す動力伝達機構を介してエンジンENGの動力が伝達される。このため、メカオイルポンプ1の駆動軸とエンジンENGの出力軸とは、機械的に結合したままの状態とされ、エンジンENGの動力は、メカオイルポンプ1にコンスタントに伝達される。動力伝達機構には例えば、ベルト伝達式の動力伝達機構が用いられる。
無段変速機TMは、コントローラ11と、油圧制御回路12と、をさらに有する。
コントローラ11は、無段変速機TM用のコントローラであり、エンジンENGを制御するエンジンコントローラ15と通信可能に接続される。エンジンコントローラ15からコントローラ11には例えば、エンジンENGの出力トルク信号が入力される。
コントローラ11には、センサ・スイッチ群20からの信号が入力される。センサ・スイッチ群20は例えば、車速VSPを検出する車速センサ、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ、スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ、ブレーキ踏力BPFを検出するブレーキセンサ、エンジンENGの回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサを含む。
センサ・スイッチ群20はさらに例えば、プライマリ圧Ppriを検出するプライマリ圧センサ、セカンダリ圧Psecを検出するセカンダリ圧センサ、プライマリプーリPRIの入力側回転速度である回転速度Npriを検出するPRI回転速度センサ、セカンダリプーリSECの出力側回転速度である回転速度Nsecを検出するSEC回転速度センサ、トルクコンバータTCのタービンの回転速度Ntを検出するタービン回転速度センサ、変速レバーの操作位置を検出する位置センサ、無段変速機TMの油温TOILを検出する油温センサ、前進クラッチFWD/Cの温度Tcを検出する温度センサを含む。
回転速度Npriは具体的には、プライマリプーリPRIの回転速度であり、回転速度Nsecは具体的には、セカンダリプーリSECの回転速度である。回転速度Ntは、前進クラッチFWD/Cの入力回転速度を構成し、回転速度Npriは前進クラッチFWD/Cの出力回転速度を構成する。
コントローラ11は、これらの信号に基づき無段変速機TMを制御する。具体的にはコントローラ11は、これらの信号に基づき油圧制御回路12を制御する。油圧制御回路12は、コントローラ11からの指示に基づき、ロックアップクラッチLU、前進クラッチFWD/C、後退ブレーキREV/B、プライマリプーリPRI、セカンダリプーリSEC等の油圧制御を行う。
ところで、バリエータVAをアップシフトする場合には、回転速度NEを低下させる必要がある。しかしながら、回転速度NEが低下すると、エンジンENGの動力により駆動するメカオイルポンプ1の吐出量Qpも減少する。結果、吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなって不足する事態が発生し得る。この場合、次に説明するように加速フィーリングが悪化することが懸念される。
図6は、比較例の説明図である。比較例は、アップシフト中にメカオイルポンプ1の吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなる場合を示す。比較例では、アップシフト中にロックアップクラッチLUと前進クラッチFWD/Cとが締結状態とされ、回転速度NEと回転速度Ntとが等しくなる。
図6に示すように、運転者の加速要求に応じてスロットル開度TVOが増加し、回転速度NEが上昇すると、吐出量Qpも上昇する。その一方で、アップシフトが開始されると、回転速度NE及び吐出量Qpは、アップシフトが進むに従って低下する。
アップシフト中に吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなると、バリエータVAの変速速度が低下する。このため、破線の囲い込みで示すように、バリエータVAの変速速度が低下前後で2段階となり、変速期間も間延びする。結果、車両の加速度Gが低下するとともに、低下したままの状態が長引くことで、加速フィーリングが悪化することが懸念される。
このような事情に鑑み、本実施形態ではコントローラ11は次に説明する制御を行う。
図2から図4は、コントローラ11が行う制御の一例をフローチャートで示す図である。コントローラ11は、本フローチャートの処理を実行することで、制御部を有した構成とされる。図2から図4に示すフローチャートの処理は、バリエータVAのアップシフトを行う場合に実行される。
ステップS1で、コントローラ11は、前進クラッチFWD/Cの温度Tcが所定温度Tc1よりも低いか否かを判定する。所定温度Tc1は、スリップ制御による前進クラッチFWD/Cの劣化を抑制するための値であり、予め設定することができる。ステップS1の判定は例えば、前進クラッチFWD/Cの発熱量に基づき行われてもよい。
ステップS1で否定判定であれば、スリップ制御を行うべきではないので、本フローチャートの処理は一旦終了する。ステップS1で肯定判定であれば、処理はステップS2に進む。
ステップS2で、コントローラ11は、回転速度NEの目標変化率ΔNE_tr1を算出する。目標変化率ΔNE_tr1は、アップシフト中における回転速度NEの変化率ΔNEの第1の目標値であり、変化率ΔNEは、時間に応じた回転速度NEの変化度合いを示す傾きである。目標変化率ΔNE_tr1は、車速VSP、スロットル開度TVO、バリエータVAの変速比等を含む車両の運転状態に基づき算出される。目標変化率ΔNE_tr1は、負の値となる。以下では、変化率ΔNEが実値つまりセンサに基づく値であることを強調する場合に、変化率ΔNEを実変化率ΔNEとも称す。
ステップS3で、コントローラ11は、回転速度Ntの目標変化率ΔNt_tr1を算出する。ここで、バリエータVAのアップシフト開始時には、後述するように前進クラッチFWD/Cをスリップさせるスリップ制御が行われる。その一方で、ロックアップクラッチLUは、回転速度Ntが回転速度Npriに追従して低下するようにスリップ状態とされる。
目標変化率ΔNt_tr1はこのような状態における回転速度Ntの変化率ΔNtの目標値であり、車速VSP、スロットル開度TVO、バリエータVAの変速比等を含む車両の運転状態に基づき算出される。ステップS3で算出される目標変化率ΔNt_tr1は、負の値となる。
目標変化率ΔNE_tr1及び目標変化率ΔNt_tr1は具体的には、アップシフト終了時に回転速度NEと回転速度Ntとが等しくなるように算出される。
ステップS4で、コントローラ11は、メカオイルポンプ1の必要流量Qrを算出する。必要流量Qrは、ロックアップクラッチLU、前進クラッチFWD/C、後退ブレーキREV/B、プライマリプーリPRI、セカンダリプーリSEC等の油圧制御で必要とされる油の流量である。ステップS4では、必要流量Qrとして、ロックアップクラッチLUと前進クラッチFWD/Cとを締結したクラッチ締結状態でアップシフトを行う場合の必要流量が算出される。
ステップS5で、コントローラ11は、吐出量Qp1が必要流量Qrよりも小さいか否かを判定する。吐出量Qp1は、クラッチ締結状態で変速時に得られるメカオイルポンプ1の推定吐出量であり、車速VSP、目標変速比等に基づき算出することができる。変速時は具体的には例えば、アップシフト終了時とすることができる。
吐出量Qp1が必要流量Qr以上の場合には、吐出量Qpはアップシフトが行われている間、必要流量Qr以上に維持され、不足しないと判断される。このためこの場合には、ステップS5で否定判定され、本フローチャートの処理は一旦終了する。
吐出量Qp1が必要流量Qrよりも小さい場合には、吐出量Qpがアップシフト中に必要流量Qrよりも小さくなって不足すると判断される。この場合、処理はステップS6に進む。
ステップS6で、コントローラ11は、前進クラッチFWD/Cのトルク伝達容量であるFWD/C容量を下げる。このときステップS6では、後に実行するスリップ制御に備え、FWD/C容量の低下が行われる。
ステップS7で、コントローラ11は、バリエータVAの実変速、具体的には実アップシフトが開始されたか否かを判定する。実変速が開始されたか否かは例えば、バリエータVAの変速比制御等で算出される実変速比Ratioが、前回値を下回ったか否かで判定することができる。
ステップS7で否定判定であれば、処理はステップS6に戻り、FWD/C容量が引き続き低下される。ステップS7で肯定判定であれば、処理はステップS8に進む。
ステップS8で、コントローラ11は、現時点における目標変化率ΔNE_tr1である変化率ΔNE_tr1´が、現時点における目標変化率ΔNt_tr1である変化率ΔNt_tr1´よりも大きいか否かを判定する。
変化率ΔNE_tr1´は、現在の回転速度NE、残り変速時間、必要流量Qrに応じた回転速度NEに基づき算出することができる。変化率ΔNt_tr1´は、現在の回転速度Nt、残り変速時間、必要流量Qrに応じた回転速度NEに基づき算出することができる。
変化率ΔNE_tr1´が変化率ΔNt_tr1´よりも大きければ、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になるように前進クラッチFWD/Cのスリップ制御を行うことで、変速が終了するまで必要流量Qr以上の吐出量Qpが確保されると判断される。
逆に、変化率ΔNE_tr1´が変化率ΔNt_tr1´以下であれば、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になるように前進クラッチFWD/Cのスリップ制御を行うだけでは、変速が終了するまでに吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなると判断される。ステップS8で否定判定であれば、処理はステップS9に進む。
ステップS9で、コントローラ11は、実変速開始後の経過時間TAが所定時間α以上になったか否かを判定する。所定時間αは、変速中に前進クラッチFWD/Cのスリップ量が大きくなり過ぎるのを防止するための値であり、予め設定することができる。
ステップS9で否定判定であれば、処理はステップS6に戻る。ステップS6の処理は、実変速が行われているときには、FWD/C容量を低下させるスリップ制御として行われる。当該スリップ制御では、エンジンENGに対する駆動輪DW側からの影響を軽減することで、アップシフトに応じて回転速度NEが低下しないようにされる。また、回転速度Ntの低下を抑制することで、変速終了時の回転速度Ntも必要流量Qrに応じた回転速度に近づくようにされる。
ステップS6の処理は、ステップS8又はステップS9で肯定判定されるまでの間、繰り返し実行される。ステップS8で肯定判定された場合、処理はステップS10に進み、第1の傾き制御が行われる。ステップS9で肯定判定であった場合、処理はステップS20に進み、第2の傾き制御が行われる。
まず、図3に示す第1の傾き制御について説明する。
ステップS11で、コントローラ11は、FWD/C容量を上げる。これにより、回転速度NEが回転速度Npriに追従する方向、したがって回転速度NEが低下する方向に、FWD/C容量が制御される。
ステップS12で、コントローラ11は、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1以下であるか否かを判定する。ステップS12では、FWD/C容量を上げることで、回転速度NEの変化が低下方向に転じ、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になったか否かが判定される。
ステップS12で否定判定であれば、処理はステップS11に戻る。結果、FWD/C容量を上げることで、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になるようにする前進クラッチFWD/Cのスリップ制御が継続して行われる。ステップS12で肯定判定であれば、処理はステップS13に進む。
ステップS13で、コントローラ11は、FWD/C容量を維持する。これにより、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1に維持されるようにFWD/C容量が制御される。
ステップS14で、コントローラ11は、回転速度NEが概ね回転速度Ntになったか否かを判定する。
このような判定は例えば、回転速度NEと回転速度Ntとの差分の大きさが所定値以下になったか否かを判定することで行うことができる。当該所定値は、誤差や余裕を見込むための値であり、予め設定することができる。ステップS14の肯定判定は、回転速度NEが回転速度Ntである場合を含んでもよい。これらのことは、類似する以下の判定についても同様である。
ステップS14で否定判定であれば、処理はステップS13に戻る。これにより、回転速度NEが概ね回転速度Ntになるまでの間、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1に維持される。ステップS14で肯定判定であれば、第1の傾き制御は終了する。
次に、図4に示す第2の傾き制御について説明する。
ステップS21で、コントローラ11は、FWD/C容量を上げる。これにより、ステップS6で行われるFWD/C容量の低下により、前進クラッチFWD/Cのスリップ量が大きくなり過ぎることが防止される。
ステップS22で、コントローラ11はステップS12と同様の判定を行い、ステップS22で否定判定であれば、処理はステップS21に戻る。つまり、第2の傾き制御でも、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になるようにFWD/C容量を制御して、前進クラッチFWD/Cをスリップさせるスリップ制御自体は行われる。
その一方で、ステップS22で肯定判定であれば、処理はステップS23に進み、コントローラ11は、FWD/C容量を維持する。また、ステップS24で、コントローラ11は、吐出量Qpが概ね必要流量Qrであるか否かを判定する。
ステップS24で否定判定であれば、処理はステップS23に戻る。これにより、吐出量Qpが概ね必要流量Qrになるまでの間、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1に維持されるようにFWD/C容量が制御される。ステップS24で肯定判定であれば、処理はステップS25に進む。
ステップS25で、コントローラ11は、FWD/C容量を下げる。これにより、回転速度NEが回転速度Npriに追従しなくなる方向にFWD/C容量が制御される。
ステップS26で、コントローラ11は、実変化率ΔNEが概ね目標変化率ΔNE_tr2であるか否かを判定する。
目標変化率ΔNE_tr2は、アップシフト中における変化率ΔNEの第2の目標値であり、経過時間TAが所定時間α以上になった場合において、吐出量Qpとして必要流量Qrが確保された状態を維持するための変化率である。目標変化率ΔNE_tr2は、予め設定することができる。ステップS26で否定判定であれば、処理はステップS25に戻り、ステップS26で肯定判定であれば、処理はステップS27に進む。
ステップS27で、コントローラ11は、FWD/C容量を維持する。これにより、吐出量Qpとして必要流量Qrが確保された状態が維持されるようにFWD/C容量が制御される。
ステップS27で、コントローラ11は、FWD/C容量を維持する代わりに、FWD/C容量を上げてもよい。この場合、FWD/C容量を上げる分、ロックアップクラッチLUのトルク伝達容量を下げることで、実変化率ΔNEを概ね目標変化率ΔNE_tr2に維持することができる。
ステップS28で、コントローラ11は、回転速度NEが概ね回転速度Ntであるか否かを判定する。ステップS28で否定判定であれば、処理はステップS27に戻り、FWD/C容量が維持される。ステップS28で肯定判定であれば、第2の傾き制御は終了する。
図2に戻り、ステップS10又はステップS20の後には、処理はステップS30に進む。ステップS30で、コントローラ11は、前進クラッチFWD/Cを締結する。これにより、前進クラッチFWD/Cのスリップ制御が終了する。ステップS30の後には、本フローチャートの処理は一旦終了する。
図5は、図2から図4に示すフローチャートに対応するタイミングチャートの一例を示す図である。図5では、第2の傾き制御が行われる場合を例示する。
タイミングT1では、アクセル開度APOが上昇し始め、これに応じて回転速度NE、回転速度Nt、吐出量Qpも上昇し始める。
タイミングT2では、吐出量Qp1が必要流量Qrよりも小さいと判定され、FWD/C容量が下げられる。FWD/C容量は具体的には、吐出量Qp1が必要流量Qrよりも小さいと判定された際にまず一定量下げられ、その後徐々に下げられる。
タイミングT3では、実変速が開始され、目標変速比に応じて回転速度Ntが低下し始める。タイミングT3では、FWD/C容量を下げるスリップ制御が開始され、ロックアップクラッチLUもスリップ状態とされる。ロックアップクラッチLUは解放されてもよい。この場合でも、トルクコンバータTCを介した動力の伝達は可能である。
当該スリップ制御により、アップシフトに応じて回転速度NEが低下しないようにされる。また、当該スリップ制御により、回転速度Ntの低下も抑制される。結果、変速終了時の回転速度Ntが必要流量Qrに応じた回転速度に近づくようになる。
但しこの例では、実変速が開始されてから所定時間αが経過するまでの間に、当該スリップ制御により、変速終了時の回転速度Ntが必要流量Qrに応じた回転速度に到達するほど上昇するようにはならない。つまり、第1傾き制御では、アップシフト中に吐出量Qpが必要流量Qrを下回る結果となる。このためこの例では、第2の傾き制御がされることになる。
タイミングT4では、実変速が開始されてから所定時間αが経過する。このため、FWD/C容量を上げるスリップ制御により、目標変化率ΔNE_tr1に従って回転速度NEが変化し始める。
タイミングT5では、吐出量Qpが概ね必要流量Qrになる。このため、FWD/C容量を下げるスリップ制御により、回転速度NEが目標変化率ΔNE_tr2に従って変化し始める。結果、吐出量Qpが必要流量Qrに維持される。タイミングT5では、バリエータVAのアップシフトも終了する。
タイミングT5からは回転速度Ntが上昇し始め、タイミングT6で回転速度NEになる。このため、前進クラッチFWD/Cが締結され、スリップ制御が終了する。タイミングT6では、ロックアップクラッチLUも締結される。
次に、本実施形態の主な作用効果について説明する。
本実施形態に係る車両は、エンジンENGと、バリエータVAと、前進クラッチFWD/Cと、メカオイルポンプ1と、を備える車両であって、バリエータVAのアップシフト中に吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなる場合に、前進クラッチFWD/Cをスリップさせて、バリエータVAのアップシフトが行われている間、吐出量Qpを必要流量Qr以上に維持するスリップ制御を行うコントローラ11を備える。
このような構成によれば、バリエータVAのアップシフト中に吐出量Qpが必要流量Qrよりも小さくなる場合は、前進クラッチFWD/Cをスリップさせ、エンジンENGに対する駆動輪DW側からの影響を軽減することで、吐出量Qpを必要流量Qr以上に維持するので、吐出量不足を回避できる。このため、バリエータVAのアップシフト中に加速フィーリングが悪化することを改善できる(請求項1、5に対応する効果)。
コントローラ11は、バリエータVAのアップシフト中に実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になるようにFWD/C容量を制御する。
このような構成によれば、目標変化率ΔNE_tr1に応じて回転速度NEを低下させることで、変速期間が間延びすることを抑制できる(請求項2に対応する効果)。
コントローラ11は、バリエータVAのアップシフト中にFWD/C容量を低下させる一方で、バリエータVAの実変速が開始されてから所定時間αが経過した場合には、実変化率ΔNEが目標変化率ΔNE_tr1になるようにFWD/C容量を制御してから、吐出量Qpが必要流量QrになるようにFWD/C容量を制御する。
このような構成によれば、前進クラッチFWD/Cのスリップ量が大きくなり過ぎることを防止しつつ、吐出量Qpを必要流量Qr以上に維持することができる(請求項3に対応する効果)。
本実施形態に係る車両は、前進クラッチFWD/Cを第1摩擦要素とし、エンジンENGとバリエータVAとを結ぶ動力伝達経路においてエンジンENGと前進クラッチFWD/Cとの間に設けられるロックアップクラッチLUを第2摩擦要素としてさらに備えた構成とされる。また、コントローラ11はさらに、アップシフト時にロックアップクラッチLUをスリップさせる。
エンジンENGと前進クラッチFWD/Cとの間にロックアップクラッチLUが設けられる構成では、アップシフト時にロックアップクラッチLUをスリップさせつつ、前進クラッチFWD/Cのスリップ制御を行うことで、加速フィーリングが悪化することを改善できる(請求項4に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上述した実施形態では、コントローラ11が、前進クラッチFWD/Cを摩擦要素としてスリップ制御を行う場合について説明した。
しかしながら、コントローラ11は例えば、前進クラッチFWD/C及びロックアップクラッチLUのうち少なくともいずれかを摩擦要素としてスリップ制御を行ってもよい。この場合、スリップ制御の負担の一部又は全部をロックアップクラッチLUに割り当てるようにすることで、前進クラッチFWD/Cの発熱を抑制することもできる。
上述した実施形態では、エンジンENG及びバリエータVAを結ぶ動力伝達経路に前進クラッチFWD/CとロックアップクラッチLUとが設けられる場合について説明した。
しかしながら、駆動源であるエンジンENG及びバリエータVAを結ぶ動力伝達経路には例えば、単一の摩擦要素が設けられてもよい。また、駆動源は例えば、エンジンENG及びモータのうち少なくともいずれかとされてもよい。
上述した実施形態では、制御部がコントローラ11によって構成される場合について説明した。しかしながら、制御部は例えば、複数のコントローラで実現されてもよい。
1 メカオイルポンプ(オイルポンプ)
11 コントローラ(制御部)
12 油圧制御回路
ENG エンジン(駆動源)
FWD/C 前進クラッチ(摩擦要素)
LU ロックアップクラッチ(摩擦要素)
TM 無段変速機
SWM 前後進切替機構
VA バリエータ
11 コントローラ(制御部)
12 油圧制御回路
ENG エンジン(駆動源)
FWD/C 前進クラッチ(摩擦要素)
LU ロックアップクラッチ(摩擦要素)
TM 無段変速機
SWM 前後進切替機構
VA バリエータ
Claims (5)
- 駆動源と、
前記駆動源から動力が伝達されるバリエータと、
前記駆動源と前記バリエータとを結ぶ動力伝達経路に設けられる摩擦要素と、
前記駆動源の動力により駆動するオイルポンプと、
を備える車両であって、
前記バリエータのアップシフト中に前記オイルポンプの吐出量が必要流量よりも小さくなる場合に、前記摩擦要素をスリップさせて、前記バリエータのアップシフトが行われている間、前記吐出量を前記必要流量以上に維持するスリップ制御を行う制御部、
を備えることを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記制御部は、前記バリエータのアップシフト中に前記駆動源の回転速度の実変化率が目標変化率になるように前記摩擦要素のトルク伝達容量を制御する、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記制御部は、前記バリエータのアップシフト中に前記摩擦要素のトルク伝達容量を低下させる一方で、前記バリエータの実変速が開始されてから所定時間が経過した場合には、前記駆動源の回転速度の実変化率が目標変化率になるように前記摩擦要素のトルク伝達容量を制御してから、前記吐出量が前記必要流量になるように前記摩擦要素のトルク伝達容量を制御することで、前記スリップ制御を行う、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1から3いずれか1項に記載の車両であって、
前記摩擦要素は、前後進切替機構の前進クラッチであり、
前記動力伝達経路において前記駆動源と前記前進クラッチとの間に設けられるトルクコンバータのロックアップクラッチをさらに備え、
前記制御部はさらに、前記アップシフト時に、前記ロックアップクラッチを解放或いはスリップさせる、
ことを特徴とする車両。 - 駆動源と、前記駆動源から動力が伝達されるバリエータと、前記駆動源と前記バリエータとを結ぶ動力伝達経路に設けられる摩擦要素と、前記駆動源の動力により駆動するオイルポンプと、を備える車両で行われる車両の制御方法であって、
前記バリエータのアップシフト中に前記オイルポンプの吐出量が必要流量よりも小さくなる場合に、前記摩擦要素をスリップさせて、前記バリエータのアップシフトが行われている間、前記吐出量を前記必要流量以上に維持すること、
を含むことを特徴とする車両の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018004160A JP2019124263A (ja) | 2018-01-15 | 2018-01-15 | 車両及び車両の制御方法 |
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