JP2019124113A - 被覆構造体 - Google Patents

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康典 田中
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Abstract

【課題】鉄骨と、熱発泡性シートを有する被覆構造体に関し、火災等によって高温に晒された際に、炭化断熱層に局所的な不具合を生じた場合であっても、安定した耐熱保護性を得る。【解決手段】本発明は、鉄骨と、熱発泡性シートを有する被覆構造体であって、前記熱発泡性シートは、熱発泡層の一方の面側に無機繊維不織布を有し、該無機繊維不織布が、該熱発泡層に半埋設または全埋設するように積層されたものであり、前記熱発泡性シートの無機繊維不織布が前記鉄骨側に向いて設置されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な被覆構造体に関するものである。
建築物、土木構築物等の構造物が火災等によって高温に晒された場合には、柱、梁等を構成する鉄骨の物理的強度が急激に低下するという問題がある。これに対し、鉄骨に耐熱保護性を有する被覆材を被覆し、火災時の鉄骨の温度上昇を遅延させて、鉄骨の物理的強度の低下を抑制する被覆構造が知られている。
このような被覆構造として、鉄骨に熱発泡性シートを接着材を介して貼着する方法がある。熱発泡性シートは、合成樹脂、難燃性発泡剤、及び多価アルコール等の混合物をシート状に成形したものであり、平常時は薄くて軽量であり、火災等による温度上昇には、発泡・炭化して炭化断熱層を形成し、耐熱保護性を発揮する効果を有するものである(例えば、特許文献1等)。このような熱発泡性シートは、通常接着材等で貼着するだけで、比較的簡単に施工でき、余分なスペースを必要とせず、厚みを均一にできるといった特徴を有する。
特開2002−201733号公報
しかしながら、特許文献1の熱発泡性シートは、火災時等の熱風や、物理的衝撃等により、形成された炭化断熱層に亀裂や欠落等の損傷を生じるおそれがある。このような炭化断熱層の損傷箇所では鉄骨表面が露出しやすく、所望の耐熱保護性能が維持しにくい場合がある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、鉄骨に特定の基材を積層した熱発泡性シートを被覆した被覆構造体に想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の被覆構造体は、下記の特徴を有するものである。
1.鉄骨と、熱発泡性シートを有する被覆構造体であって、
前記熱発泡性シートは、熱発泡層の一方の面側に無機繊維不織布を有し、該無機繊維不織布が、該熱発泡層に半埋設または全埋設するように積層されたものであり、
前記熱発泡性シートは、前記無機繊維不織布が前記鉄骨側に向いて設置されていることを特徴とする被覆構造体。
2.前記無機繊維不織布は、坪量10〜150g/mであることを特徴とする1.に記載の被覆構造体。
3.前記無機繊維不織布は、ランダムに配列した無機繊維の繊維間を樹脂成分により接着したものであることを特徴とする1.または2.に記載の被覆構造体。
4.前記熱発泡性シートは、熱発泡層の一方の面側に無機繊維不織布を有し、さらに該無機繊維不織布に接着材層が積層されていることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の被覆構造体。
本発明では、鉄骨が火災等によって高温に晒された際に、安定した耐熱保護性を維持することができる。
本発明被覆構造体の一例を示す断面図である。 本発明で用いる熱発泡性シートの一例を示す断面図である。 本発明で用いる熱発泡性シートの一例を示す断面図である。
1.鉄骨
2.熱発泡性シート
2a.熱発泡層
2b.無機繊維不織布
2c.接着材層
2d.離型性シート
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の被覆構造体の一例を図1に示す。
図1は、本発明被覆構造体の一例を示す。図1では、角型鉄骨1と、熱発泡性シート2とを有し、熱発泡性シート2の無機繊維不織布2bが角型鉄骨1側に向いて貼着されている。
図1に示すように、本発明の被覆構造体は、鉄骨1を被覆する熱発泡性シート2が、熱発泡層2aと無機繊維不織布2bが積層されたものであり、無機繊維不織布2bが鉄骨1側に向いて設置されていることを特徴としている。火災等によって高温に晒された場合、鉄骨1を被覆する熱発泡性シート2は、発泡し炭化断熱層を形成する。この炭化断熱層を形成する過程において、熱発泡性シート2が特定の無機繊維不織布2bを有することにより、安定した耐熱保護性を維持することができる。
以下、本発明の被覆構造体の構成について具体的に説明する。
鉄骨1としては、特に限定されず、例えば、角型、丸型、H型、I型等の鉄骨鋼材が挙げられ、これらは構造物を構成する柱、梁、等として使用されるものである。
図2に、本発明の熱発泡性シート2の断面図を示す。本発明の熱発泡性シート2は、火災等により周囲温度が上昇してシート温度が所定の発泡温度(好ましくは180℃以上、より好ましくは200〜400℃)に達すると発泡し、その温度領域において炭化断熱層を形成するものである。熱発泡性シート2は、熱発泡層2aと無機繊維不織布2bが積層された積層体である。
熱発泡層2aとしては、構成成分として樹脂成分、難燃剤、発泡剤、炭化剤、及び充填剤を含有するものが好適である。これらの各成分は、火災発生時において、相互の複合作用によりシートの膨張、炭化断熱層形成、不燃性ガスの発生等の機能を発現することにより、優れた断熱性、耐熱保護性を発揮することができる。
樹脂成分としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。また、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質も使用することができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂等が好適に使用される。
難燃剤としては、一般に火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、熱可塑性樹脂の炭化促進効果等の少なくとも1つの効果を発揮し、樹脂成分の燃焼を抑制する作用を有するものである。本発明で用いる難燃剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の難燃剤が使用できる。例えば、有機リン系化合物、塩素化合物、アンチモン化合物、リン化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらは、未被覆品、被覆処理品のいずれであってもよい。これらの中でも、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物が好適に使用される。
難燃剤の混合比率は、樹脂成分100重量部(固形分)に対し、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部、さらに好ましくは200〜600重量部である。本発明では、このように難燃剤が比較的高比率で含まれることにより、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
発泡剤としては、一般に、火災時に不燃性ガスを発生させて、炭化していく熱可塑性樹脂及び炭化剤を発泡させ、気孔を有する炭化断熱層を形成させる作用を有するものである。発泡剤は、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の発泡剤が使用できる。例えば、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。これらの中でも、メラミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等が好適に使用される。
発泡剤の混合比率は、樹脂成分100重量部(固形分)に対し、好ましくは5〜500重量部、より好ましくは30〜200重量部、さらに好ましくは40〜150重量部である。このような範囲であることにより、優れた発泡性を発揮し、断熱性、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
炭化剤としては、一般に、火災時に熱可塑性樹脂の炭化とともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性に優れた厚みのある炭化断熱層を形成する作用を有するものである。本発明で用いる炭化剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の炭化剤が使用できる。例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;デンプン、カゼイン等が挙げられる。炭化剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。この中でも、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が好適に使用される。
炭化剤の混合比率は、樹脂成分100重量部(固形分)に対し、好ましくは5〜600重量部、より好ましくは20〜300重量部、さらに好ましくは40〜150重量部である。このような範囲であることにより、脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用を発揮し、断熱性、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
充填剤としては、一般に炭化断熱層の強度を維持する作用を有するものである。充填剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の充填剤が使用できる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等の炭酸塩;二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;シリカ、粘土、タルク、クレー、カオリン、ケイソウ土、シラス、マイカ、ワラストナイト、珪砂、珪石、石英、ヒル石、アルミナ、フライアッシュ等の無機粉末等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することもできる。また、上記充填剤の形状としては、特に限定されないが、例えば、球状、粒状、板状、棒状、リン片状、針状等が挙げられる。
充填剤の配合比率は、樹脂成分100重量部(固形分)に対し、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは20〜250重量部、さらに好ましくは50〜160重量部である。このような範囲であることにより、炭化断熱層の強度を維持することができ、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
本発明の熱発泡層2aは、上記成分に加えて更に繊維物質を含むものが好適である。繊維物質が含まれることにより、炭化断熱層の脱落等を防止し、炭化断熱層の形状を保持する効果等が高まる。この作用機構は、以下に限定されるものではないが、繊維物質が熱発泡層2aに積層された無機繊維不織布2bに絡みながら炭化断熱層が形成されるため、炭化断熱層の脱落等を防止し、無機繊維不織布2b表面に均一な炭化断熱層が形成すると考えられる。その結果、安定した耐熱保護性を得ることができる。
繊維物質としては、例えば、ロックウール、ガラス繊維、シリカ−アルミナ繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維等の無機繊維、カーボン繊維、パルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビニル繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することもできる。この中でも、耐熱性を有する無機繊維やカーボン繊維が好ましく、特に、ロックウール、ガラス繊維等が好適に使用される。また、繊維長は、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜20mm、繊維径は、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜15μmである。
繊維物質の混合比率は、樹脂成分100重量部(固形分)に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜30重量部である。
また、熱発泡層2aには、上記構成成分に加え、必要に応じ、シート製造時に各種添加剤を含むこともできる。添加剤としては、本発明の効果を著しく阻害しないものであればよく、例えば、顔料、湿潤剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、希釈溶媒等が挙げられる。
熱発泡層2aの厚みは、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.2〜10mm程度、より好ましく0.3〜6mm程度である。
無機繊維不織布2bは、上記熱発泡層2aの一方の面側に積層されるものであり、当該無機繊維不織布2bが鉄骨側に向いて設置される。無機繊維不織布2bと熱発泡層2aとの積層の態様としては、例えば、
(I)半埋設[図2(I)]:無機繊維不織布2bの熱発泡層2a側の面は埋設、反対側の面は露出した態様、
(II)全埋設[図2(II)]:無機繊維不織布2b全体が熱発泡層2aに埋設した態様、
等が挙げられる。なお、上記(II)の態様において、全埋設される無機繊維不織布2bは、熱発泡層2aの厚みの中央部に対して一方の面側に位置するものであり、当該無機繊維不織布2bが埋設された面側が鉄骨側に向いて設置される。(以下、無機繊維不織布2bが半埋設または全埋設した部分(無機繊維不織布2bに食い込んだ部分)の熱発泡層2aを「熱発泡層2a’」ともいう。)
本発明では、上記(I)、(II)のような態様であることにより、炭化断熱層の脱落防止効果を高めることができ、本発明の効果を十分に発揮することができる。また、上記(I)の態様の場合、後述の接着材を介して設置された場合に、鉄骨表面への密着性を高めることができ、炭化断熱層の脱落防止効果をいっそう高めることができる。
上記(I)または(II)の態様を有する熱発泡性シート2は、熱発泡層2aと熱発泡層2a’の少なくとも2層を有する構造を形成しており、火災等によって高温に晒された場合、熱発泡層2a及び熱発泡層2a’がそれぞれ炭化断熱層を形成する。特に、熱発泡層2a’が形成する炭化断熱層では、無機繊維不織布2bに含まれる無機繊維が炭化層補強成分として作用し、強固な炭化断熱層を形成することができると推察される。仮に、熱発泡層2aが損傷したとしても、熱発泡層2a’が形成する炭化断熱層によって、鉄骨の露出を防ぎ、その結果、鉄骨1が露出するおそれがなく、安定した耐熱保護性を維持することができる。
このような無機繊維不織布2bとしては、坪量が好ましくは10〜150g/m(より好ましくは15〜100g/m)である。このような場合、無機繊維不織布2bの無機繊維間の空隙に熱発泡層2aが充填されやすく、上記(I)または(II)の態様の熱発泡性シートが得られやすく、上記坪量を満たすことにより、鉄骨1付近において強固な炭化断熱層を形成することができ、その結果、鉄骨1が露出するおそれがなく、安定した耐熱保護性を維持することができる。
また、無機繊維不織布2bとしては、例えば、無機繊維を一方方向に配列したもの、無機繊維の配列をクロスさせたもの、無機繊維をランダムに配列したもの等が挙げられ、本発明では、無機繊維をランダムに配列させたものが好適である。さらに、無機繊維間の結合方法としては、例えば、樹脂成分による化学的接着(ケミカルボンド)、加熱による融着(サーマルボンド)、機械的な絡み合わせ(ニードルパンチ)、縫い合わせ(ステッチボンド)等が挙げられ、本発明では、無機繊維の繊維間を樹脂成分により接着した(ケミカルボンド)無機繊維不織布が好適である。
このように、ランダムに配列した無機繊維の繊維間を樹脂成分により接着した無機繊維不織布2bを使用することによって、火災等によって高温に晒された場合に、熱発泡層2a’が形成する炭化断熱層では、無機繊維不織布2bに含まれる無機繊維が炭化断熱層の補強成分として作用し、さらには樹脂成分が炭化剤のような効果を有するため、よりいっそう強固な炭化断熱層を形成することができると推察される。その結果、鉄骨1が露出するおそれがなく、よりいっそう安定した耐熱保護性を維持することができる。
無機繊維不織布2bを構成する無機繊維としては、特に限定されないが、例えば、ロックウール、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維、炭化珪素繊維等、また鉄、銅等の金属細線が挙げられる。本発明では、ガラス繊維が好適である。また、無機繊維は、何らかの表面処理が施されたものであっても良い。さらに、繊維の断面形状は、特に限定されず、円形、多角形、扁平形状等いずれのものも使用できる。また、上記無機繊維を接着する樹脂成分としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、SBR樹脂、NBR樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。このような無機繊維不織布2bの厚みは、適宜設定すれば良いが、好ましくは0.1〜2mm程度、より好ましくは0.15〜1mm程度である。
熱発泡性シート2の製造方法としては、上記無機繊維不織布2bが、上記熱発泡層2aに半埋設または全埋設するように積層されたものであればよく、例えば、以下の方法等が挙げられる。
・型枠内に、熱発泡層2aの構成成分の混合組成物を流し込み、さらに無機繊維不織布2bを積層し、乾燥後に脱型する方法。
・熱発泡層2aの構成成分の混合組成物を調製後、無機繊維不織布2bに塗付して積層する方法。
・熱発泡層2aの構成成分をニーダー等によって混練した混練物を調製後、当該混練物を、無機繊維不織布2bに積層し、圧延ローラー等によってシート状に加工する方法。
図3に示すように、本発明の熱発泡性シート2は、無機繊維不織布2bの外側(熱発泡層2とは反対側)に接着材層2cを積層することができる[図3(I)]。この場合、無機繊維不織布2bは熱発泡層2aに半埋設するように積層された態様(上記(I)の態様)であり、かつ露出した無機繊維不織布2bが接着材層2cに半埋設している態様が好適である。これにより、本発明の効果をよりいっそう高めることができる。さらに、接着材層2cの表面を離型性シート2dで覆うことができる[図3(II)]。このような熱発泡性シートを用いることで、作業効率を高めることができる。
接着材層2c、離型性シート2dを積層する方法は、特に限定されないが、例えば、熱発泡性シート2の無機繊維不織布2b側に接着材を塗付け、その上に離型性シート2dを積層する方法、あるいは、予め離型性シート2dの上に接着材を塗付して接着層2cを形成し、当該接着材層2cを熱発泡性シート2の無機繊維不織布2b側に積層する方法等が挙げられる。
接着材層2cを形成する接着材としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、パラフィン等を主原料とした水分散型、水溶性型、溶剤型の接着材等、公知のものを使用することができる。接着材には、必要に応じて、上述した熱発泡性樹脂シートに配合されるような難燃剤、発泡剤、炭化剤、充填剤、等を添加することもできる。また、本発明において、接着材には粘着剤も包含される。接着材層2cとしては、その厚みが好ましくは25〜200μm、あるいは塗付け量が好ましくは0.05〜0.5kg/mである。
離型性シート2dは、熱発泡性シート2の保管中もしくは運搬中等において、接着材層2cを保護し、熱発泡性シートを使用する際には接着材層2cから容易に剥離できるものである。このような離型性シートとしては、公知のものを使用することができ、例えば、シリコン、ワックス、弗素樹脂等の離型剤を塗布もしくは含浸した紙あるいはフィルム、または該離型剤を含まずそれ自体離型性を有するポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明の被覆構造体は、例えば、熱発泡性シート2の無機繊維不織布2bが積層された面を鉄骨1側に向けて設置することにより形成することができる。具体的には、例えば、以下の方法等が挙げられる。
(イ)鉄骨1に、無機繊維不織布2b側を向けて熱発泡性シート2を巻き付け、端部を固定部材で固定する。
(ロ)鉄骨1及び/または無機繊維不織布2b表面に接着材を塗付した後、無機繊維不織布2b側を鉄骨1に向けて熱発泡性シート2を貼着する。
(ハ)熱発泡性シート2が接着材層2c及び離型性シート2dを有する場合は、離型性シートを剥離し、接着材層2cを露出させて鉄骨1(予め接着材を塗付しておいてもよい)に貼着する。
なお、本発明の被覆構造体は、これら鉄骨1に直接(密着して)被覆(貼着して被覆)する態様に好適なものである。
上記(イ)において、熱発泡性シート2の端部を固定する固定部材としては、特に限定されないが、例えば、ワッシャー(ビス)、タッカー、溶接ピン、ボルト、タッピングねじ等の止め具が使用できる。また、これらの材質としては、金属製等の不燃性のものが好ましい。
鉄骨1及び/または無機繊維不織布2b表面に接着材を塗付する際には、例えば刷毛、ローラー、コテ、へら、スプレー等の器具を用いることができる。接着材の塗付け量は、適宜設定すればよいが、好ましくは0.1〜0.2kg/mである。また、鉄骨1に熱発泡性シート2を貼着する際には、圧着することが望ましい。圧着する際には、必要に応じ、ローラー、コテ等の押圧具を用いることができる。
さらに、本発明の被覆構造体は、必要に応じて、上記熱発泡性シート2の上に保護層を設けることもできる。これにより、美観性を高めることができる。保護層としては、例えば、上塗材、シート(またはフィルム)材料等が使用できる、これらは透明層であっても着色層(模様層)であってもよい。具体的に、上塗材は、公知のコーティング材を塗付することによって形成することができ、例えばアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等のコーティング材を用いることができる。上塗材の塗付は、公知の塗付方法によれば良く、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。また、シート(またはフィルム)材料としては、例えば、公知の各種樹脂シートを貼着することができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(熱発泡性シートの製造)
・熱発泡性シート用混練物1
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂)100重量部、メラミン90重量部、ジペンタエリスリトール90重量部、ポリリン酸アンモニウム320重量部、酸化チタン100重量部を主成分とする混合物を温度120℃に設定した加圧ニーダーで混練して熱発泡性シート用混練物1を調製した。
・熱発泡性シート用混練物2
熱可塑性樹脂(アクリル樹脂)100重量部、メラミン90重量部、ジペンタエリスリトール90重量部、ポリリン酸アンモニウム320重量部、酸化チタン100重量部、ガラス繊維(繊維径7μm、繊維長6mm)4重量部を主成分とする混合物を温度120℃に設定した加圧ニーダーで混練して熱発泡性シート用混練物2を調整した。
・不織布1:ガラス繊維がランダムに配列し、ポリビニルアルコール樹脂で接着した無機繊維不織布、坪量25g/m、厚み0.2mm
・不織布2:ガラス繊維がランダムに配列し、ポリビニルアルコール樹脂で接着した無機繊維不織布、坪量50g/m、厚み0.4mm
・不織布3:ガラス繊維がランダムに配列し、ポリビニルアルコール樹脂で接着した無機繊維不織布、坪量140g/m、厚み1.0mm
・不織布4:ポリエステル長繊維がランダムに配列し、ポリビニルアルコール樹脂で接着したポリエステル(有機繊維)不織布、坪量60g/m、厚み0.5mm
表1に示す組み合わせで、不織布に熱発泡性シート用混練物を積層し圧延ローラーによって不織布が(I)半埋設または(II)全埋設するようにシート状に加工し、膜厚2mmの熱発泡性シート(450mm×1200mm)8種を作製した。
また、熱発泡性シート用混練物を圧延ローラーでシート状に成形後、アクリル系接着剤を介して熱発泡層と不織布に積層した態様[(III)埋設なし]の熱発泡性シート(450mm×1200mm)を1種作製した。
(試験例1〜9)
上記9種の熱発泡性シートを使用し、以下の評価を行った。
角型鉄骨(300mm×300mm、厚み9mm、長さ1200mm)に、作製した熱発泡性シート2の無機繊維不織布側が角型鉄骨側となるように接着材を介して貼着したものを試験体とした。
作製した試験体につき、ISO834の標準加熱曲線に準じて1時間加熱試験を行う過程で、試験開始後20分後(約280℃付近)に、形成途中の炭化断熱層の一部に衝撃を与え亀裂を生じさせた後、試験を続行し、このときの鉄骨の温度(鋼材温度)を測定、試験後、亀裂部以外の炭化断熱層の形状、及び亀裂部の炭化断熱層の形状を評価した。各評価基準は以下の通りである。また、結果は表1に示す。
(評価1:鋼材温度)
(鋼材温度)
AA:鋼材温度475℃未満
A:475℃以上500℃未満
B:500℃以上525℃未満
C:525℃以上550℃未満
D:550℃以上
(評価2:炭化断熱層の形状)
亀裂部以外の炭化断熱層の形状を目視にて確認した。評価基準は、炭化断熱層の脱落がなく、均一な炭化断熱層を形成したものを「AA」、炭化断熱層が脱落したものを「D」とする5段階評価(優:AA>A>B>C>D:劣)とした。
(評価3:亀裂部の炭化断熱層)
亀裂部の炭化断熱層の形状を目視にて確認した。評価基準は、炭化断熱層を形成したものを「AA」、鉄骨が露出したものを「D」とする5段階評価(優:AA>A>B>C>D:劣)とした
Figure 2019124113

Claims (4)

  1. 鉄骨と、熱発泡性シートを有する被覆構造体であって、
    前記熱発泡性シートは、熱発泡層の一方の面側に無機繊維不織布を有し、該無機繊維不織布が、該熱発泡層に半埋設または全埋設するように積層されたものであり、
    前記熱発泡性シートは、前記無機繊維不織布が前記鉄骨側に向いて設置されていることを特徴とする被覆構造体。
  2. 前記無機繊維不織布は、坪量10〜150g/mであることを特徴とする請求項1に記載の被覆構造体。
  3. 前記無機繊維不織布は、ランダムに配列した無機繊維の繊維間を樹脂成分により接着したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆構造体。
  4. 前記熱発泡性シートは、熱発泡層の一方の面側に無機繊維不織布を有し、さらに該無機繊維不織布に接着材層が積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の被覆構造体。

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