JP2019123464A - ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Mitsuyoshi Matsuno
充佳 松野
誠俊 坂本
Masatoshi Sakamoto
誠俊 坂本
浩司 澤村
Koji Sawamura
浩司 澤村
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Reo Katakura
怜央 片倉
章吾 木島
Shogo Kijima
章吾 木島
忠雄 伊藤
Tadao Ito
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Abstract

【課題】ステアリングコラム全体の上下および左右方向での曲げ剛性をさらに高めることができるようにしたステアリングコラム装置を提供する。【解決手段】ロアジャケット2の側壁部2bに形成された下部テレスコガイド孔12と、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17に形成された上部テレスコガイド孔18の長さの範囲内でテレスコ位置調整が可能となっている。下部テレスコガイド孔12には樹脂製のテレスコガイド部材45が嵌め込まれ、下部テレスコガイド孔12の外側には上下に傾斜フランジ部43cが張り出し形成された添え板43が溶接固定されている。テレスコガイド部材45がミッドジャケット3の側壁部と傾斜フランジ部43cの双方に圧接することで両者が互いに離間する方向に付勢されている。【選択図】図9

Description

本発明は、自動車に搭載されるステアリングコラム装置に関し、特にチルト・テレスコピック操作が可能なステアリングコラム装置に関する。
この種のステアリングコラム装置として、例えば特許文献1に記載されたものが本出願人により提案されている。
この特許文献1に記載されたステアリングコラム装置では、概略的には、断面略上向きコ字状のロアジャケットと、このロアジャケットの側壁部に形成された下部テレスコガイド孔と、テレスコ位置調整のためにロアジャケットの内周に移動可能に支持されたミッドジャケットと、このミッドジャケットに付設され、ロアジャケットと重なる部分に上部テレスコガイド孔が形成されたディスタンスブラケットと、ミッドジャケットに内挿されたアッパージャケットと、ロアジャケットと上部テレスコガイド孔とが重なる部分に設けられて、チルト位置調整およびテレスコ位置調整に際してそのアンロックとロックとを司るロック機構と、から構成されている。
そして、ステアリングコラム全体の上下および左右方向での曲げ剛性を高めるために、下部テレスコガイド孔内を移動可能に貫通する共締めピンにて、ロアジャケットの側壁部とミッドジャケットの側壁部とを共締めした構造となっている。
特開2016−190521号号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたステアリングコラム装置では、テレスコ位置調整に際して共締めピンが下部テレスコガイド孔内を移動するものであるため、共締めピンによる締め付け方向でのがたつきの発生が危惧される。そのため、特許文献1の装置では、テレスコガイド孔に樹脂の摺動ガイドを設けて、がたつきや異音の発生を防止している。また、共締めピン上に皿ばねを配置して軸方向に付勢力を付与する構造もあるが、付勢力を強くするとテレスコ摺動が重くなり、テレスコ操作に影響を与えてしまう。そのため、ステアリングコラム全体の上下および左右方向での曲げ剛性を高めることができない。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、ステアリングコラムの上下および左右方向に作用する圧接構造を採用することで、ステアリングコラム全体の上下および左右方向での曲げ剛性をさらに高めることができるようにしたステアリングコラム装置を提供するものである。
本発明のステアリングコラム装置は、車体への取付部となる取付ブラケットと、チルト位置調整のために前記取付ブラケットに上下方向に揺動可能に支持され、底壁部とその底壁部の両側から立ち上がる側壁部とで断面略上向きコ字状に形成されたロアジャケットと、前記ロアジャケットの側壁部に前後方向に沿って形成された下部テレスコガイド溝と、テレスコ位置調整のために前記ロアジャケットの内部に前後方向に移動可能に支持された略角筒状のミッドジャケットと、前記ミッドジャケットに付設され、前記ロアジャケットの側壁部上端と重なる部分に前後方向に沿って長孔状の上部テレスコガイド孔が形成されたディスタンスブラケットと、前記ミッドジャケットに内挿支持されたアッパージャケットと、前記ロアジャケットと前記上部テレスコガイド孔とが重なる部分に挿通されたロックボルトを主要素とし、前記チルト位置調整および前記テレスコ位置調整に際してそのアンロックとロックとを司るロック機構と、を備えている。
その上で、前記ミッドジャケットの側壁部の前端に左右方向に突設された摺動部材が、前記下部テレスコガイド溝に嵌め込まれていると共に、前記下部テレスコガイド溝には上下一対の傾斜部を有する張り出し部が設けられていて、前記摺動部材が前記ミッドジャケットの側壁部と前記張り出し部の双方に圧接されていることを特徴とするものである。
態様としては、請求項2に記載のように、前記下部テレスコガイド溝は、前記下部テレスコガイド溝は、上下一対の傾斜部の間に前後方向に沿ってスリットを有し、一対の傾斜部は開口の上下位置に対をなして形成されていると共に、それら一対の傾斜部同士のなす距離が外側に向かって徐々に小さくなるように、傾斜面をもって形成されているものとする。
好ましい態様としては、請求項3に記載のように、前記摺動部材は、前記ミッドジャケットの側壁部に嵌め込まれることで固定されている一方、前記下部テレスコガイド溝に対しては摺動可能となっていて、前記摺動部材の摺動面が張り出し部側の傾斜面に対応した傾斜面となっているものとする。
同様に、好ましい態様としては、請求項4に記載のように、前記摺動部材は樹脂材料製で且つ矩形ブロック状のものであって、それ自体の弾性力により前記ミッドジャケットの側壁部と前記張り出し部の双方に圧接しているものとする。
さらに、好ましい態様としては、請求項5に記載のように、前記ロアジャケットの側壁部には、前記張り出し部の一端に、前記摺動部材を挿通可能な開口を有すると共に、この開口に装着可能なストッパ部材を備えるものとする。さらに、請求項6に記載のように、前記張り出し部は、前記ロアジャケットの側壁部に形成された長孔の上下の開口縁から折り曲げ形成されたものとする。
本発明によれば、下部テレスコガイド溝の一対の傾斜部の間に嵌め込まれるようにして摺動部材がミッドジャケットの側壁部と張り出し部の双方に圧接することで、ロアジャケットとミッドジャケットとの間の隙間またはそれに基づくがたつきの発生を防止できる。そのため、ステアリングコラムの上下および左右方向での曲げ剛性が一段と向上する。
また、請求項2に記載の発明によれば、下部テレスコガイド溝のスリットの上下位置に対をなして形成された張り出し部が傾斜面をもって形成されているので、隙間またはがたつきの自己吸収効果が発揮され、上記曲げ剛性の向上効果に加えて、高い曲げ剛性を長期にわたって安定して維持できる。
この傾向は、張り出し部に対する摺動部材の摺動面も上記張り出し部側に対応した傾斜面となっている請求項3に記載の発明ではさらに顕著となり、加えて、テレスコピック操作時の摺動動作が極端に重くなることがなく、その摺動動作がより安定して行える。
請求項4に記載の発明によれば、樹脂材料製で且つ駒状の摺動部材がそれ自体の弾性力によりミッドジャケットの側壁部と張り出し部の双方に圧接しているので、特にテレスコピック操作時の摺動動作がより安定して行えるようになる。
請求項5に記載の発明によれば、摺動部材を開口を通してミッドジャケットの側壁部に嵌め込む構造であるため、別途、固定のためのピンやボルト・ナットを設ける必要がなく、部品点数を削減できる利点がある。また、開口に、摺動部材がテレスコ端位置で接触するストッパ部材を装着することで、摺動部材の外れを容易に防止できると共に、テレスコストッパとして異音の発生を防止できる。
請求項6に記載の発明によれば、張り出し部が下部テレスコガイド溝の上下の開口縁から折り曲げ形成されているので、張り出し部のための別部品が不要で、部品点数をさらに削減できる利点がある。
本発明に係るステアリングコラム装置の第1の実施の形態を示す平面図。 図1に示したステアリングコラム装置の全断面図。 図2に示したステアリングコラム装置のロアジャケット側の分解斜視図。 図2に示したステアリングコラム装置のアッパージャケット側の分解斜視図。 図4に示したミッドジャケットのジャケット本体とアッパージャケットとの組付状態での斜視図。 図3に示したロアジャケットとミッドジャケットとの相対位置関係を示す分解斜視図。 図3に示したテレスコガイド部材の詳細を示す図で、(A)はテレスコガイド部材を前側から見た斜視図、(B)は同図(A)に示したテレスコガイド部材の側面図、(C)は同図(B)に示したテレスコガイド部材の背面図。 図6に示したロアジャケットとミッドジャケットとの相対位置関係を示す図で、(A)はロアジャケットとミッドジャケットとの正規組付状態を示す側面図、(B)は同図(A)のA−A線に沿った拡大断面図。 図6の状態から図8の(A)の状態に至るまでのロアジャケットとミッドジャケットとの組付過程を示す図で、(A)はロアジャケットとミッドジャケットとの組付状態で且つテレスコガイド部材が装着される前の状態を示す分解斜視図、(B)はテレスコガイド部材を含むロアジャケットとミッドジャケットとの正規組付完了状態を示す斜視図。 本発明に係るステアリングコラム装置の第2の実施の形態としてテレスコガイド部材の別の例を示す図で、(A)はテレスコガイド部材を横方向から見た斜視図、(B)は同図(A)のテレスコガイド部材の側面図、(C)は同図(B)のテレスコガイド部材の背面図。 本発明に係るステアリングコラム装置の第3の実施の形態としてテレスコガイド部材のさらに別の例を示す図で、(A)はテレスコガイド部材を横方向から見た斜視図、(B)は同図(A)のテレスコガイド部材の側面図、(C)は同図(B)のテレスコガイド部材の背面図。 本発明に係るステアリングコラム装置の第4の実施の形態を示す図で、ロアジャケットとミッドジャケット、アッパージャケットおよびテレスコガイド部材との相対位置関係を示す分解斜視図。 図12に示したロアジャケットとミッドジャケット、アッパージャケットおよびテレスコガイド部材との正規組付状態を示す図で、(A)は側面図、(B)は同図(A)のB−B線に沿った拡大断面図。
図1〜9は本発明に係るステアリングコラム装置を実施するためのより具体的な第1の形態として、チルト・テレスコ(テレスコピック)操作が可能なステアリングコラム装置の例を示している。
そして、図1はステアリングコラム装置の平面図を示し、図2は図1の全断面図を示している。また、図3,4は図1,2に示したステアリングコラム装置の分解斜視図をそれぞれ示している。ここで、図3と図4は本来は一つの図面とすべきところ、図面の錯綜化を避けるために意図的に二つの図に分けて記載している。そして、図3は図2の左半部に相当するところの取付ブラケット1とロアジャケット2およびミッドジャケット3との相対位置関係を中心とした分解斜視図を示し、図4は図2の右半部に相当するところのミッドジャケット3とアッパージャケット4との相対位置関係を中心とした分解斜視図を示している。そのため、ミッドジャケット3は図3,4の双方に共通して描かれている。
なお、以下の説明において「前方側」、「後方側」、「前端」、「後端」、「前後方向」、「上下方向」等の用語は、あくまでステアリングコラム装置の車載状態での向きを基準としていて、例えば「前方側」とは車両前方側を指している。
図1〜4に示すように、ステアリングコラム装置は、大きく分けて、取付ブラケット1と、ロアジャケット2と、ミッドジャケット3と、アッパージャケット4と、ステアリングシャフト5と、ロック機構6と、を備えている。
取付ブラケット1は、図示しない車体への取付部材として機能する。ロアジャケット2は、取付ブラケット1に対しその前端部側のチルトヒンジピン13を揺動中心(チルト軸)として上下方向(図2の矢印a方向)に揺動操作可能(チルト位置調整可能)に支持されてチルトブラケットとして機能する。ミッドジャケット3は、ロアジャケット2に対し前後方向(図2の矢印b方向)に進退移動可能(テレスコ位置調整可能)に支持される。
アッパージャケット4は、ミッドジャケット3にその軸心方向で相対摺動可能に内挿支持される。ステアリングシャフト5は、アッパージャケット4に内挿されて回転可能に支持される。ロック機構6は、上記チルト位置調整およびテレスコ位置調整に備えて、取付ブラケット1とロアジャケット2およびミッドジャケット3の三者の締結(ロックまたはクランプ)とその解除(アンロックまたはアンクランプ)を司っている。そして、ステアリングシャフト5の後端部に図示しないステアリングホイールのボス部が結合される。
ここで、ロアジャケット2は主としてチルト位置調整時の取付ブラケット1に対するチルト動作を司ると共に、ステアリングシャフト5の前端側を回転可能に支持している。本実施の形態では、ロアジャケット2はミッドジャケット3とアッパージャケット4と共に、ステアリングシャフト5を包囲しているステアリングコラムを構成している。
図1〜3に示すように、取付ブラケット1は、左右一対の側壁部1a,1aと、それらの一対の側壁部1a,1a間に架橋的に配置された前後一対のステー1b,1cと、により正面視にて下面が開放された略下向きコ字状のものとして形成されている。取付ブラケット1は、それぞれのステー1b,1cに形成された取付孔に挿入される図示外のボルトにより、いわゆる前下がりの傾斜姿勢にて車体に固定される。
また、図1〜3に示すように、取付ブラケット1における双方の側壁部1aの前端部には軸孔7が形成されているほか、双方の側壁部1aの後端部には下向きに張り出すクランプ片部8が形成されている。これら双方のクランプ片部8には、軸孔7を曲率中心とする円弧状のチルト用長孔9が形成されている。
図3に示すロアジャケット2は、底壁部2aとその底壁部2aの両側から立ち上がる左右一対の側壁部2bとにより、上面が開放されたいわゆる上向きコ字状のものとして形成されている。ロアジャケット2の前端部では、フランジ付きの円筒状の軸受ホルダ10が双方の側壁部2b間に配置されている。また、ロアジャケット2の双方の側壁部2bの前端部にはそれぞれに軸孔11が形成されているほか、軸孔11の後方側には前後方向に沿って矩形長孔状の下部テレスコガイド溝12が形成されている。さらに、双方の側壁部2bの後端部には一対の締結片部2cが上方に向けて延長形成されている。なお、上記の下部テレスコガイド溝12の詳細は後述する。
ロアジャケット2は、図1〜3に示すように、取付ブラケット1のコ字状空間内に納まるように組み付けられる。その際に、ロアジャケット2の軸孔11と取付ブラケット1の軸孔7とを合致させた上で、チルト軸として機能するワッシャー13a付きのチルトヒンジピン13を内側から挿入してかしめ固定する。これにより、ロアジャケット2は、チルトヒンジピン13を支点として揺動可能に、すなわちチルト位置調整可能に取付ブラケット1に対し支持される。そして、上記のように、上向きコ字状のロアジャケット2が下向きコ字状の取付ブラケット1のコ字状空間内に納まるように組み付けられることにより、両者の重合部では略箱形(ボックス状)の断面形状を呈するかたちとなっている。
また、図1〜3に示すように、ロアジャケット2の双方の側壁部2bの外側には、それぞれに引っ張りコイルばねタイプのアシストスプリング14が配置される。このアシストスプリング14の上端部のフック部は、取付ブラケット1側の係止片15aに、下端部のフック部はロアジャケット2側に形成された係止片15b(後述する図6,8参照。)にそれぞれ係止される。これにより、取付ブラケット1に対しチルト位置調整可能なロアジャケット2は、常時上方側、すなわちチルトヒンジピン13を支点として図2の反時計周り方向に付勢され、締結解除時のステアリングコラムの落下防止とチルト上段方向への操作力を軽減している。
図3に示したロアジャケット2の双方の締結片部2cは、それらの締結片部2c,2c同士が互いに接近離間する方向に弾性変形可能となっていて、それぞれに略平行四辺形の角孔2dが形成されている。
図2,3に示すミッドジャケット3は、後述するように四角形または変形八角形の筒状をなすジャケット本体16と、そのジャケット本体16の上面に固定されたディスタンス部としてのディスタンスブラケット17と、から構成されている。
ディスタンスブラケット17は、下面が開放された下向きコ字状のものであり、その下端部側がジャケット本体16を跨ぐように近接させた上で溶接等によりジャケット本体16に固定されている。ミッドジャケット3は、ジャケット本体16が四角形または変形八角形の筒状のものでありながらも、その上面側にディスタンスブラケット17が溶接固定されることにより、ジャケット本体16との間にボックス断面形状を形成している。そして、ディスタンスブラケット17の双方の側壁部がロアジャケット2の内側面に摺接することになる。
このディスタンスブラケット17の双方の側壁部には、前後方向に沿って、矩形長孔状の上部テレスコガイド孔18が形成されている。この上部テレスコガイド孔18は、後述する下部テレスコガイド溝12と共に、テレスコ位置調整に際して、そのテレスコピック移動方向でのガイドとして機能する。
さらに、図3,4に示すように、ミッドジャケット3における四角形または変形八角形のジャケット本体16の一方の側壁部には、前後方向に沿ってラックの如き形態のロックツースを有する固定側テレスコロックツース板19が固定される。そして、後述するように、共にコ字状をなす取付ブラケット1とロアジャケット2の内側にミッドジャケット3が摺動可能に配置される。同時に、取付ブラケット1のクランプ片部8とロアジャケット2の締結片部2cとにより、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17を両側から締結して保持することが可能となっている。なお、図3,4に示す固定側テレスコロックツース板19は、ジャケット本体16の一方の側壁部にかしめピン19aと角穴19bにはめ込まれる図示しない突起とを介して固定される。
図2,4に示すアッパージャケット4は、ミッドジャケット3のジャケット本体16と相似形の四角形または変形八角形の筒状をなしている。アッパージャケット4は、ジャケット本体16に対し転がりまたは滑りを利用した直動式のガイド部材20を介して摺動可能に挿入される。さらに、アッパージャケット4には、図4に示すように、ステアリングシャフト5のアッパーシャフト5aがアッパーベアリング21およびミッドベアリング22を介して回転可能に支持される。なお、符号21aはアッパーベアリング21を固定するためのCリングである。このアッパーシャフト5aに対して、図2,3に示すように、軸方向に移動可能に且つ一体で回転可能にステアリングシャフト5のロアシャフト5bがセレーション嵌合にて接続される。なお、ロアシャフト5bの前端部は、図3のロアジャケット2の軸受ホルダ10に支持されたロアベアリング23を介して回転可能に支持された上で、例えば図示外のステアリングギヤ装置の入力部に自在継手や中間シャフトを介して接続される。
そして、図3,4に示すように、ミッドジャケット3のジャケット本体16とアッパージャケット4との前後方向での相対位置決めを行い、双方の側壁部に形成されたピン孔に両者にまたがるように例えば樹脂製のシャーピン(せん断ピン)24を圧入してある。これにより、ミッドジャケット3のジャケット本体16とアッパージャケット4とを固定してある。なお、シャーピン24の機能は、通常時にはミッドジャケット3のジャケット本体16とアッパージャケット4との相対移動を阻止するように両者を連結しているものの、車両衝突時にアッパージャケット4に所定値以上の荷重が加わった場合に初めてせん断されて、ジャケット本体16とアッパージャケット4との相対移動を許容する公知のものである。
以上の説明から明らかなように、ロアジャケット2とミッドジャケット3およびアッパージャケット4とからなるステアリングコラムがステアリングシャフト5を包囲していて、ステアリングコラムがチルトヒンジピン13を中心として揺動動作することによりチルト位置調整が行われる。他方、ステアリングコラムのミッドジャケット3とロアジャケット2とが、後述する下部テレスコガイド溝12および上部テレスコガイド孔18の長さの範囲内で相対移動することで、テレスコ位置調整が行われることになる。
図3に示すロック機構6は、クランプ軸としてのロックボルト25と、ストッパー26、把手部27aが後方側に延びている操作レバー27、乗り上げカム部材28、プロフィールカム部材29、およびツース連結板30のほか、チルトロック用とテレスコロック用の板ばねタイプのばね部材31,32と、レバー側チルトロックツース板33とそれに対向する固定側チルトロックツース板34、およびレバー側テレスコロックツース板35とそれに対向する固定側テレスコロックツース板19等から構成されている。
ロックボルト25にはワッシャー25aとスラストベアリング25bのほか、スプリング受け座25cとアシスト用コイルスプリング25dが付帯している。また、固定側チルトロックツース板34は、一方のクランプ片部8に固定されてチルト用長孔が形成されている。
図3に示すストッパー26は、一方のクランプ片部8のチルト用長孔9と、ロアジャケット2の一方の締結片部2cに形成された角孔2dを貫通し、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17に形成された上部テレスコガイド孔18に回転を規制された状態で前後方向に摺動自在に嵌合保持される。
乗り上げカム部材28は操作レバー27の角孔に回転不能に嵌合保持される。また、ツース連結板30とばね部材31およびレバー側チルトロックツース板33の三者は、それぞれにプロフィールカム部材29の角柱部に回転不能に挿入支持される。その上で、そのプロフィールカム部材29の角柱部がロアジャケット2の他方の締結片部2cに形成された角孔2dを貫通し、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17に形成された上部テレスコガイド孔18に回転を規制された状態で前後方向に摺動可能に嵌合保持される。プロフィールカム部材29は、ツース連結板30に対しEリング29aで抜け止めが施される。
さらに、レバー側テレスコロックツース板35には角柱部が形成されており、この角柱部にテレスコロック用のばね部材32が回転を規制するように挿入される。その上で、ツース連結板30の下側の角孔に回転を規制された状態で角孔の軸方向に摺動自在に保持され、Eリング35aによって抜け止めが施される。
そして、下向きコ字状の取付ブラケット1のコ字状空間内にミッドジャケット3がロアジャケット2と共に納まるように組み付けられた状態で、ロックボルト25は、ロアジャケット2の角孔2dに嵌合保持されるストッパー26のほか、ディスタンスブラケット17に形成された上部テレスコガイド孔18、固定側チルトロックツース板34、レバー側チルトロックツース板33、チルトロック用のばね部材31、ツース連結板30、ロアジャケット2の角孔2dに嵌合保持されるプロフィールカム部材29、操作レバー27の角孔に嵌合保持される乗り上げカム部材28をそれぞれ貫通した上で、操作レバー27側からワッシャー36を介してナット37により締結されている。
これにより、先にも述べたように、ストッパー26は、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17の一方の側壁部に形成された上部テレスコガイド孔18に、同様にプロフィールカム部材29の角柱部は、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17の他方の側壁部に形成された上部テレスコガイド孔18に、それぞれスライド可能に嵌合保持される。
固定側チルトロックツース板34およびレバー側チルトロックツース板33には双方の対向面に鋸歯状のロックツースが形成されている。レバー側チルトロックツース板33は操作レバー27の回転操作に応じ固定側チルトロックツース板34に対して接近離間動作することで噛合・離脱可能であって、チルト位置調整に際してそのアンロックとロックとを行う機能を有している。
また、図3に示すように、レバー側テレスコロックツース板35は、ロアジャケット2の開口窓部38からミッドジャケット3の固定側テレスコロックツース板19に臨むようになっている。そして、これらの固定側テレスコロックツース板19とレバー側テレスコロックツース板35との関係は、上記固定側チルトロックツース板34およびレバー側チルトロックツース板33のそれとほぼ同様に、テレスコ位置調整に際してそのアンロックとロックとを行う機能を有している。なお、テレスコ位置調整に際しては、後述する下部テレスコガイド溝12と、ディスタンスブラケット17側の上部テレスコガイド孔18の範囲内で行われることは先に述べた通りである。
図2〜4に示すように、ミッドジャケット3のジャケット本体16の上面には、衝突時のエネルギー吸収のためのエネルギー吸収ワイヤ(以下、単にワイヤと言う。)39が配設されている。このワイヤ39は同図に示すように偏平W字状またはM字状に折り曲げられている。ワイヤ39は、前端側の折り曲げ基部と両端の自由端部とがワイヤガイド40のワイヤ挿通孔48に挿入された上で、ジャケット本体16の上面に二本のねじ41で固定されている。そして、ワイヤ39の前端側の折り曲げ基部は、図4に示すようにアッパージャケット4の前端上面に突出形成された係止部42に係止される。その一方、ワイヤ39の後端側の一対の折り曲げ基部50は、ワイヤガイド40における半円筒状のガイド突起部の案内面49にそれぞれに巻き掛けられている。なお、ワイヤ39の正規組付状態を図5に示し、同図ではミッドジャケット3のジャケット本体16のみを図示し、図3,4のディスタンスブラケット17は図示省略している。
この構造では、車両の衝突に伴う乗員の二次衝突時には、ステアリングホイールおよびステアリングシャフト5を介して、ステアリングコラムを収縮させるような荷重が加わる。このような荷重が加わると、図3,4に示すシャーピン24がせん断された上で、ガイド部材20を介してアッパージャケット4がミッドジャケット3のジャケット本体16に対して収縮動作する。その際に、図5に示すアッパージャケット4の係止部42に係止されているワイヤ39が引き出されて、そのワイヤ39がワイヤガイド40における半円筒状のガイド突起部の案内面に沿うように連続的に変形することで衝突エネルギーを吸収することになる。
図6は、図3に示したロアジャケット2とミッドジャケット3のみの相対位置関係を示す分解説斜視図である。図6に示すロアジャケット2の両側の側壁部2bには、ディスタンスブラケット17側の上部テレスコガイド孔18と同等長さより少なくとも前後方向に長い矩形長孔12aが前後方向に沿って形成されている。さらに、それらの矩形長孔12aを外側から覆うようにして、下部テレスコガイド溝12を構成する後述の上下一対の張り出し部としての傾斜部43cを有する板状部材としての添え板43が溶接固定されている。下部テレスコガイド溝12は、先に述べた上部テレスコガイド孔18と共に、テレスコ位置調整に際して、そのテレスコピック移動方向でのガイドとして機能する。
他方、図6のほか図3,4に示すように、ロアジャケット2の内側に位置することになるミッドジャケット3のジャケット本体16の前端部であってその両側の側壁部には、角孔44を介して摺動部材としてのテレスコガイド部材45が配置される。
このテレスコガイド部材45は、図7の(A)に示すように、例えばポリアセタール樹脂(POM)により略矩形ブロック形状に成形されたものである。そして、同図の(B),(C)に示すように、テレスコガイド部材45の本体部45aの背面側には本体部45aより小さな突起部45bが形成されているほか、本体部45aの前面側の上下位置には微細な溝45d付きの傾斜した摺動面45cが形成されている。このテレスコガイド部材45は、本体部45aの背面側の突起部45bを図3,4,6に示したジャケット本体16側の角孔44に圧入することでジャケット本体16に固定される。ここで、テレスコガイド部材45は、その本体部45aを図6に示した添え板43の後方に延びる矩形長孔12aの後端開口12bに挿入するようにして角孔44に嵌合し、この状態でロアジャケット2に対してミッドジャケット3を前方に移動させることで、テレスコガイド部材45は、ジャケット本体16の側壁部と添え板43との間に挟まれるかたちで圧接保持される。
図8の(A)は、図6に示したロアジャケット2とミッドジャケット3の組付状態での側面図を示し、図8の(B)は同図(A)のA−A線に沿った拡大断面図を示している。図6およびこれらの図8の(A),(B)に示すように、ロアジャケット2の矩形長孔12aを外側から覆うべく、これに重なるように配置された添え板43は、断面略山形状に折り曲げ成形されているものである。そして、添え板43の頂部相当部には、ブリッジ部43aを残して、下部テレスコガイド溝12の長さ方向に沿ってすり割り溝の如き形態でスリット43bが形成されている。これにより、添え板43の長手方向の大部分で実質的に上下に二分割されていて、スリット43bを挟んでその上下に張り出し部としての傾斜部43cが形成されている。
すなわち、張り出し部としての上下一対の傾斜部43c同士の関係だけに着目するならば、これら一対の傾斜部43cは下部テレスコガイド溝12を構成し、それら一対の傾斜部43c同士のなす距離が外側に向かって徐々に小さくなるように、それぞれの傾斜部43cがその名の通り傾斜面をもって形成されている。
ここで、添え板43に形成されたスリット43bは、添え板43自体がロアジャケット2の側壁部2bに溶接固定されながらも、上下の傾斜部43cがロアジャケット2の側壁部2bと共に弾性変形する際の変形容易性を確保する機能を有している。したがって、同等の機能が発揮されるならば、ブリッジ部43aを廃止して、上下の傾斜部43c同士が互いに独立して形成されていても良い。
他方、図7および図8の(B)に示すように、ジャケット本体16の側壁部と添え板43との間に挟まれるかたちとなる摺動部材としてのテレスコガイド部材45は、その摺動面45cが添え板43側の一対の傾斜部43cの傾斜度合いに応じた傾斜面として形成されている。そして、先に図6に示したように、ジャケット本体16の角孔44に圧入固定されるテレスコガイド部材45は、ロアジャケット2とミッドジャケット3とを正規組付状態とすることで、ロアジャケット2側の添え板43との間に挟み込まれることになる。
すなわち、テレスコガイド部材45は、それ自体の自己弾性力のほか、ジャケット本体16の側壁部の弾性変形、および添え板43の一対の傾斜部43cを含むロアジャケット2の側壁部2bの弾性変形により、ジャケット本体16の側壁部と添え板43の双方に圧接するかたちでに両者の間に挟み込まれている。逆に言うならば、ジャケット本体16の側壁部と添え板43との間に挟まれたテレスコガイド部材45は、それ自体の自己弾性力により、ジャケット本体16の側壁部と添え板43とを互いに離間する方向に付勢していることになる。なお、張り出し部としての傾斜部43cおよび摺動部材であるテレスコガイド部材45の摺動面45cの傾斜面形状は、いわゆるテーパ状だけでなく、円弧状に傾斜したタイプのものであっても良い。また、図8の(A)に示されているキャップ47については後述する。
ここで、図9は、テレスコガイド部材45を含むロアジャケット2とミッドジャケット3との組付手順を示していて、図9の(A)は図6に示したロアジャケット2とミッドジャケット3とを不完全ながら組み付けた状態を、同図(B)は、テレスコガイド部材45を含むロアジャケット2とミッドジャケット3との最終的な正規組付状態をそれぞれ示している。
この例では、ロアジャケット2の側壁部2bに溶接固定される添え板43には、図6,8にも示したように、図3に示したアシストスプリング14のためのロアジャケット2側の係止片15bが一体的に折り曲げ形成されている。また、ロアジャケット2の矩形長孔12aは、添え板43よりも前後方向にそれぞれ所定量だけ長いものとなっている。
図6の状態から図9の(A)の状態となるように、ロアジャケット2に対してミッドジャケット3を組み付けるにあたり、最初に図9の(A)に示すように、ロアジャケット2側の矩形長孔12aの後端開口12bとミッドジャケット3(ジャケット本体16側)の前端部の角孔44とを合致させる。そして、各後端開口12bにテレスコガイド部材45を通しつつ、さらにそのテレスコガイド部材45の背面側の突起部45b(図7参照)をジャケット本体16側の角孔44に嵌め込んで固定する。
続いて、図9の(A)の状態で、ロアジャケット2の双方の側壁部2bを外開き気味に弾性変形させ、テレスコガイド部材45を押さえながら、ロアジャケット2に対してミッドジャケット3を前方へ押し込む。これにより、テレスコガイド部材45は下部テレスコガイド溝12を構成する一対の傾斜部43cに沿って移動して、先に図8の(B)に示したように添え板43との間に挟み込まれることになる。
こうして、テレスコガイド部材45が介在することになるロアジャケット2とミッドジャケット3との組み付けを終えたならば、添え板43の前後に開口している矩形長孔12aの前端部にバー状のキャップ46を、矩形長孔12aの後端開口12bにプレート状のキャップ47をそれぞれ嵌め込んで固定する。なお、これらのキャップ46,47は例えば樹脂材料製のものである。そして、下部テレスコガイド溝12に沿ったテレスコ位置調整のためのストロークエンドで、それらのキャップ46または47にテレスコガイド部材45が当接することでストッパ部材として機能する。これらのキャップ装着完了状態を、先に説明した図8の(A)のほか、図9の(B)に示している。
次に、以上のように構成されたステアリングコラム装置でのチルト位置調整操作およびテレスコピック位置調整操作について説明する。
図1〜3に示すように、操作レバー27の把手部27aがステアリングコラムとほぼ平行となるように延びている状態がロック状態であり、この状態では、図3に示した乗り上げカム部材28のカム山がプロフィールカム部材29のカム山に乗り上げていて、ステアリングコラムのチルト位置調整機能およびテレスコピック位置調整機能が共にロック状態となっている。
すなわち、乗り上げカム部材28とプロフィールカム部材29におけるカム山同士が互いに乗り上げていることにより、ロックボルト25がその軸方向で操作レバー27側に引っ張られてストッパー26とツース連結板30及びプロフィールカム部材29の間隔が狭まることで、取付ブラケット1の一対のクランプ片部8を最も外側にして、その内側のロアジャケット2の一対の締結片部2cと、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17とが、ロックボルト25の軸心方向において圧接締結されている。
同時に、図3に示したレバー側チルトロックツース板33のロックツースが取付ブラケット1の一方のクランプ片部8に設けた固定側チルトロックツース板34のロックツースと噛み合うと共に、ばね部材32を介してツース連結板30に押されることでレバー側テレスコロックツース板35のロックツースがミッドジャケット3の側面に設けた固定側テレスコロックツース板19のロックツースと噛み合うことになる。
なお、レバー側となるそれぞれのロックツース板33,35のロックツースと固定側またはコラム側となる双方のロックツース板34,19のロックツースとが互いに歯先同士で接続するいわゆる歯先ロックの状態となった場合でも、双方のレバー側となるロックツース板33,35を付勢しているばね部材31,32が弾性変形することでクランプ片部8およびツース連結板30は圧接した状態となることができ、ロックボルト25に発生する軸力に影響することなくロックできる。
これにより、ロアジャケット2が取付ブラケット1に対してチルト位置調整不能に、且つミッドジャケット3がロアジャケット2に対してテレスコ位置調整不能に、それぞれロックされている。
その一方、チルト位置調整(車両上下方向での位置調整)またはテレスコ位置調整(車両前後方向での位置調整)に際しては、図1,3に示した操作レバー27の把手部27aを握って下方に所定量だけ回動操作する。この操作レバー27の下方への回動操作により、図3に示した乗り上げカム部材28のカム山が相手側のプロフィールカム部材29のカム山同士の間の谷部に落ち込み、ロックボルト25の引っ張り軸力が緩められて、それまで取付ブラケット1のクランプ片部8等に作用していた圧接締結力が解除されてステアリングコラムがいわゆるアンロック状態となる。
ここで、図3に示したばね部材31は、レバー側となるレバー側チルトロックツース板33をロック方向に付勢する機能と、アンロック方向に解除する機能とを有していて、上記アンロック状態では、ばね部材31のばね力により、レバー側となるレバー側チルトロックツース板33が、相手側となる固定側チルトロックツース板34から離脱した状態を維持する。また、この時、同時にツース連結板30がアンロック方向に移動されることで、レバー側テレスコロックツース板35が相手側となる固定側テレスコロックツース板19から離脱した状態を維持する。
このアンロック状態で、チルトヒンジピン13を揺動中心として取付ブラケット1に対しロアジャケット2を車両上下方向(図2の矢印a方向)に揺動操作すれば、そのロアジャケット2とミッドジャケット3およびアッパージャケット4の三者を一体としたステアリングコラムのチルト位置の調整が可能であり、取付ブラケット1の一対のクランプ片部8に形成されたチルト用長孔9および固定側チルトロックツース板34のチルト用長孔の範囲内で、チルト位置調整(車両上下方向での位置調整)が可能となる。
また、上記アンロック状態で、アッパージャケット4をミッドジャケット3とともに車両前後方向(図2のb方向)に進退移動させれば、図3に示すように、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17に形成された上部テレスコガイド孔18、およびロアジャケット2に形成された下部テレスコガイド溝12の長さの範囲内で、テレスコ位置調整(車両前後方向での位置調整)が可能となる。この場合において、ロックボルト25は上部テレスコガイド孔18にも挿通されているので、ロックボルト25がテレスコ位置調整に際して支障をきたすことはない。
このようにしてチルト位置調整またはテレスコ位置調整を行った後に、操作レバー27を再度図1〜3に示す位置まで上方に回動操作すれば、先のロック状態に復帰することになる。
このようなチルト位置調整機能およびテレスコ位置調整機能が実現されるステアリングコラム装置においては、ミッドジャケット3のディスタンスブラケット17に形成された上部テレスコガイド孔18と、この上部テレスコガイド孔18よりも車両前方側に位置するように形成された下部テレスコガイド溝12とによって、テレスコ位置調整時のスライドガイド機能が発揮されるので、テレスコ位置調整が安定して行われる。
また、下部テレスコガイド溝12に嵌め込まれたテレスコガイド部材45がミッドジャケット3の側壁部とロアジャケット2側の傾斜部43c(図8参照。)との間に弾性的に圧接保持されているので、それら三者の間での隙間あるいはそれに基づくがたつきをなくすことができ、ステアリングコラムとしての上下および左右方向での曲げ剛性が一段と高くなるとともに、振動にも強くなり、車載状態でがたつきや振動が発生することがない。
さらに、ロアジャケット2側の傾斜部43cとそれに圧接するテレスコガイド部材45の摺動面45cが共に傾斜面となっているので、隙間またはがたつきの自己吸収効果が発揮されて、ステアリングコラムとしてのさらなる剛性の向上効果が期待できると共に、高い曲げ剛性を長期にわたって安定して維持できるようになる。その上、テレスコピック操作時の摺動動作が極端に重くなることがなく、その摺動動作がより安定して行えるようになる。
さらにまた、図6に示した添え板43にはブリッジ部43aを残して上下一対の傾斜部43cが一体に形成されていて、この添え板43が矩形長孔12aの外側に溶接固定されているので、ブリッジ部43aが後付けされる別部品であっても、部品点数を削減できる利点がある。
図10,11は本発明に係るステアリングコラム装置の第2,第3の実施の形態を示す図で、図7に示した摺動部材としてのテレスコガイド部材45に代わる別の例を示している。
図10,11に示した摺動部材としてのテレスコガイド部材45A,45Bは、図7の示したものと同様にPOM当の樹脂材料により形成されている。そして、背面側の突起部45bとロアジャケット2側の張り出し部としての傾斜部43c(図8参照。)に対応する傾斜した摺動面45cを有している点で図7に示したものと共通している。
その一方、特に、図10に示したテレスコガイド部材45Aでは、本体部45aのうち傾斜した双方の摺動面45cで挟まれた中央部分にスリット45dが形成されている。また、図11に示したテレスコガイド部材45Bでは、本体部45aのうち傾斜した双方の摺動面45cの背面側に比較的大きな空隙部45eが形成されている。
これらの図10,11に示した第2,第3の実施の形態のテレスコガイド部材45A,45Bにおいては、形状的にも図7に示したものと近似しており、したがって、先の第1の実施の形態のものと同等の機能が発揮されることになる。その上、図10,11に示した第2,第3の実施の形態のテレスコガイド部材45A,45Bにおいては、スリット45dまたは空隙部45eが形成されていることで、特に摺動面45cを含む本体部45aの弾性変形が容易となっている。そのため、ロアジャケット2側の添え板43とミッドジャケット3側の側壁部との間での隙間あるいはがたつきの吸収効果が一段と優れたものとなる。
図12,13は本発明に係るステアリングコラム装置の第4の実施の形態を示す図で、ロアジャケット2の側壁部2bに形成される張り出し部としての傾斜部の別の例を示している。そして、図12はロアジャケット2とミッドジャケット3、アッパージャケット4およびテレスコガイド部材との相対位置関係を示す分解斜視図を示している。また、図13の(A)は図12に示したロアジャケット2とミッドジャケット3、アッパージャケット4およびテレスコガイド部材との正規組付状態での側面図を、(B)は同図(A)のB−B線に沿った拡大断面図をそれぞれ示している。なお、図12,13において、先の第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
図12,13に示すように、この第4の実施の形態では、ロアジャケット2の側壁部2bには下部テレスコガイド溝12を構成する上下一対の張り出し部としての傾斜部43eが切り起こされるかたちでそれぞれ斜めに折り曲げ形成されているものである。そして、各傾斜部43eの前後の根元部に相当する位置には、各傾斜部43eの弾性変形を容易にするためにスリット48a,48bが形成されている。
そして、この第4の実施の形態では、下部テレスコガイド溝12の後端に連続して開口12bを有しており、開口12bに挿通される摺動部材としてのテレスコガイド部材45Bには先の図11に示したものが採用されている。また、この第4の実施の形態では、図6,8に示した添え板43に形成された係止片15bに代わり、それと同等の機能を有する係止片15eがロアジャケット2の側壁部2bから直接切り起こし形成されている。なお、図12,13では、図8,9に示されているキャップ46,47は図示省略されているが、図12,13においてもキャップ46,47と同等のものが装着される。
この第4の実施の形態では、実質的には下部テレスコガイド溝12を構成する上下の張り出し部としての傾斜部43eがロアジャケット2の側壁部2bに直接形成されている点で先の第1の実施の形態と相違している。したがって、先の第1の実施の形態のものと同様の効果が得られるほか、傾斜部43eのための別部品が不要で、必要な部品点数を削減できる利点がある。尚、本実施の形態では添え板43にスリット43bを設けているが、スリット43bが無くても良い。
1…取付ブラケット
2…ロアジャケット
2a…底壁部
2b…側壁部
3…ミッドジャケット
4…アッパージャケット
6…ロック機構
12…下部テレスコガイド溝
12b…開口
16…ジャケット本体
17…ディスタンスブラケット
18…上部テレスコガイド孔
25…ロックボルト
43…添え板(板状部材)
43b…スリット
43c,43e…傾斜部(張り出し部)
45,45A,45B…テレスコガイド部材(摺動部材)
45c…摺動面
47…キャップ(ストッパ部材)

Claims (6)

  1. 車体への取付部となる取付ブラケットと、
    チルト位置調整のために前記取付ブラケットに上下方向に揺動可能に支持され、底壁部とその底壁部の両側から立ち上がる側壁部とで断面略上向きコ字状に形成されたロアジャケットと、
    前記ロアジャケットの側壁部に前後方向に沿って形成された下部テレスコガイド溝と、
    テレスコ位置調整のために前記ロアジャケットの内部に前後方向に移動可能に支持された略角筒状のミッドジャケットと、
    前記ミッドジャケットに付設され、前記ロアジャケットの側壁部上端と重なる部分に前後方向に沿って長孔状の上部テレスコガイド孔が形成されたディスタンスブラケットと、
    前記ミッドジャケットに内挿支持されたアッパージャケットと、
    前記ロアジャケットと前記上部テレスコガイド孔とが重なる部分に挿通されたロックボルトを主要素とし、前記チルト位置調整および前記テレスコ位置調整に際してそのアンロックとロックとを司るロック機構と、
    を備えたステアリングコラム装置において、
    前記ミッドジャケットの側壁部の前端に左右方向に突設された摺動部材が、前記下部テレスコガイド溝に嵌め込まれていると共に、
    前記下部テレスコガイド溝には、上下一対の傾斜部を有する張り出し部が設けられていて、
    前記摺動部材が前記ミッドジャケットの側壁部と前記張り出し部の双方に圧接されていることを特徴とするステアリングコラム装置。
  2. 前記下部テレスコガイド溝は、上下一対の傾斜部の間に前後方向に沿ってスリットを有し、一対の傾斜部は開口の上下位置に対をなして形成されていると共に、それら一対の傾斜部同士のなす距離が外側に向かって徐々に小さくなるように、傾斜面をもって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
  3. 前記摺動部材は、前記ミッドジャケットの側壁部に嵌め込まれることで固定されている一方、前記下部テレスコガイド溝に対しては摺動可能となっていて、前記摺動部材の摺動面が張り出し部側の傾斜面に対応した傾斜面となっていることを特徴とする請求項2に記載のステアリングコラム装置。
  4. 前記摺動部材は樹脂材料製で且つブロック状のものであって、それ自体の弾性力により前記ミッドジャケットの側壁部と前記張り出し部の双方に圧接していることを特徴とする請求項3に記載のステアリングコラム装置。
  5. 前記ロアジャケットの側壁部には、前記張り出し部の一端に、前記摺動部材を挿通可能な開口を有すると共に、この開口に装着可能なストッパ部材を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載のステアリングコラム装置。
  6. 前記張り出し部は、前記ロアジャケットの側壁部に形成された長孔の上下の開口縁から折り曲げ形成されたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載のステアリングコラム装置。
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