JP2019123125A - 窓を有する偽造防止媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】認証性の高い窓であって、基材に窓が設けられた貴重印刷物の偽造防止効果を向上させた偽造防止媒体を提供するものである。また、窓の形状に制約のない偽造防止媒体を提供する。【解決手段】基材2に、少なくとも一つの開口部11を備え、開口部11が、積層フィルムによって覆われるか又は透明材料によって充填されて成る窓10を形成するとともに、開口部11は、基材2の一部を囲む形状で形成するか又は基材2と異なる基材2’を囲んで形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、偽造防止効果を必要とする銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、通行券等の貴重印刷物の分野において、基材に窓を備えた偽造防止媒体に関する。
銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、通行券等の貴重印刷物は、その性質上、偽造や改ざんされないことが要求され、偽造防止の対策として、蛍光インキによる印刷、微小文字の印刷、光学的変化インキによる印刷等が施されている。また、紙基材自体を加工する偽造防止技術として、抄き入れ、スレッド、機能性繊維の混抄等が用いられている。
また、基材自体に施される偽造防止技術として、基材に透明な窓を施した技術が、オーストラリア、カナダ等の紙幣に用いられている。これらの紙幣において透明な窓の構成は、基材自体を透明なポリマー材料で構成し、窓の周りを印刷によって遮蔽した構成となっており、その存在が簡単に認証できることから真偽判別要素として用いられている。
また、透明な窓を基材に施した技術としては、基材がポリマー材料の場合だけでなく、紙で構成される基材の一部に、開口部を設け、開口部を覆うようにフィルムを積層した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術は、フィルムの形状に特徴があり、例えば、三角形状の突起や弓形の形状を備えたフィルムと紙基材の表面性の差により、触知可能な構成としたものである。また、特許文献1の技術は、付加的要素として、窓の領域に印刷やエンボス加工を施し、これを真偽判別要素として用いることが記載されている。
また、窓を構成するフィルムが積層された基材表面を平らに形成するため、基材の凹部にフィルムを積層した有価証書が提案されており(例えば、特許文献2参照)、窓に施すセキュリティ要素としては、フィルムに回折構造、マイクロプリント、薄膜等の構成を施すことが開示されている。なお、回折構造は、観察する角度によって、その色や画像が変化することから、真偽判定を容易に行うことができる。
特表2006−517159号公報 特許第4064449号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、フィルムと基材に設けられた開口部が重なる領域が、窓として構成されたものであるが、開口部の形状は、打ち抜きや切断により作製が容易であることから、窓のみの構成とした場合に、偽造されてしまうという問題があった。また、窓にエンボスや印刷を施す構成としても、加工技術自体は、公知の技術であることから、偽造されるリスクがあり、窓を備えた貴重印刷物の偽造防止を図ることが望まれていた。
また、特許文献2の技術においても、窓のみの構成とした場合には、特許文献1と同様に、偽造されてしまうという問題があり、窓に、回折格子、マイクロプリント、薄膜等のセキュリティ要素を施した場合には、一定の偽造防止効果は向上するものの、これらの技術も公知であることから、窓を備えた貴重印刷物の偽造防止を図ることが望まれていた。
また、特許文献1及び特許文献2の技術(ユーロ券に用いられている技術)に開示されている窓の形状は、円形、四角形等のような形状しかなく、窓の形状が、単純に基材を打ち抜いた形状に制約されるものであった。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、認証性の高い窓であって、基材に窓が設けられた貴重印刷物の偽造防止効果を向上させた偽造防止媒体を提供するものである。また、窓の形状に制約のない偽造防止媒体を提供するものである。
本発明の偽造防止媒体は、基材に、少なくとも一つの開口部を備え、開口部が、積層フィルムによって覆われるか又は透明材料によって充填されて成る窓が形成され、開口部は、基材の一部を囲む形状であることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止媒体は、開口部によって囲まれた基材の輪郭の少なくとも一部に沿って、輪郭要素を備えた輪郭部が形成され、輪郭要素は、印刷材料による構成、周囲の基材と厚さが異なる構成又は金属箔から成る構成のいずれかであることを特徴とする。
輪郭要素が印刷材料によって構成される場合であって、輪郭要素は、i)開口部によって囲まれた基材と異なる色の印刷材料によって形成、又は、ii)開口部によって囲まれた基材と同じ色又は異なる色の印刷材料によって盛り上がって形成、又は、iii)透かしインキによって形成されたことを特徴とする。
本発明の窓を有する偽造防止媒体は、開口部によって囲まれた基材を認証することで真偽判別ができるとともに、開口部によって囲まれた基材によって窓の認証性が向上する効果が得られる。また、従来技術の基材を打ち抜いた領域を、フィルムが覆うことで形成された窓の構成とは異なり、窓の内側に、開口部によって囲まれた基材を備えるもので、本構成は、従来技術にない工程を要しなければ製造することができないことから、偽造防止効果に優れる。
また、本発明の窓を有する偽造防止媒体は、従来技術の窓の形状が、円形、四角形等の単純な形状に限定されていたことに対して、開口部によって囲まれた基材を含めて窓の形状を構成することができるため、窓の形状が制約されるという問題を解決することができる。
本発明の偽造防止媒体の概要を示す図である。 偽造防止媒体に窓が形成される領域の断面図である。 開口部に積層フィルムが積層されて成る窓の構成を示す図である。 開口部に透明材料が充填されて成る窓の構成を示す図である。 複数の窓を設けた偽造防止媒体の構成を示す図である。 開口部によって囲まれた基材の例を示す図である。 開口部によって囲まれた基材の別の例を示す図である。 透明材料を充填して窓を形成する工程の例を示す図である。 超音波加工によって形成する窓の構成を示す図である。 超音波加工機の概要を示す図である。 超音波加工に用いる金型の構成を示す図である。 超音波加工による窓の作製方法のフロー図である。 超音波加工によって開口部及び窓が形成される状態を模式的に示す図である。 繊維の密度の高い領域の厚さが、周りの基材より厚い構成を示す図である。 基材と積層フィルムの表面の位置関係を示す図である。 輪郭部の構成を示す図である。 輪郭部を構成する輪郭要素の例を示す図である。 輪郭部が複数の輪郭要素によって構成される例を示す図である。 印刷によって形成された輪郭要素から成る輪郭部の構成を示す図である。 印刷によって形成された輪郭要素の例を示す図である。 積層フィルムの上に、印刷によって輪郭要素が形成された例を示す図である。 抄き入れによって形成された輪郭要素から成る輪郭部の構成を示す図である。 抄き入れによって形成された輪郭要素の例を示す図である。 金属箔によって形成された輪郭要素から成る輪郭部の構成を示す図である。 基材の一方の面に輪郭要素が形成され、他方の面に積層フィルムが積層されて窓が形成された構成を示す図である。 実施例3の偽造防止媒体の構成を示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
図1に、本発明における窓を有する偽造防止媒体(1)(以下「偽造防止媒体」という。)の平面図を示す。本発明の偽造防止媒体(1)は、図1に示すように、開口部(11)及び窓(10)を備え、開口部(11)は、基材(2)の一部を囲む形状で形成されることが特徴である。なお、偽造防止媒体(1)が備える窓(10)は、その奥側が透けて見える効果を奏する。以降の説明では、開口部(11)によって囲まれた基材を符号「2’」として説明する。以下、本発明の偽造防止媒体(1)の詳細な構成について説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の偽造防止媒体(1)において、開口部(11)の形状は、図1に示す「ドーナツ形状」で構成され、基材(2)の一部を「円形」で囲む形状とした例について説明する。
(基材)
本発明において基材(2)は、紙、フィルム、プラスチックであり、有色のものを用いる。なお、本発明において有色とは、無色透明以外の色のことであり、赤、青、黄、緑等の色の他に白色であってもよい。
基材(2)に紙を用いる場合、基材(2)を構成する繊維の種類は、特に限定されるものではなく、各種木材を原料とするKP、SP等化学パルプ、GP、TMP、CTMP等機械パルプ、古紙再生パルプ等を使用することができる。また、イネ、アバカ、木綿、ケナフ、みつまた、竹等の非木材も使用することができる。また、レーヨン繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の化学繊維であってもよい。これらの繊維を単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。有色の紙として、各色の顔料又は染料を配合して作製された紙を基材(2)として用いてもよく、繊維自体によって色のある紙を基材(2)として用いてもよい。なお、紙の材料として一般的に用いられるサイズ剤、紙力増強剤等の薬品、添料は、必要に応じて配合することができる。また、以上の構成で成る紙の表面に、印刷適性や表面光沢を向上させるための塗工材料が施されたものでもよい。
また、本発明において、基材(2)に紙を用いる場合、紙の厚さ、坪量は特に限定されるものではなく、一般的な範囲で用いることができ、薄紙の例としては、坪量20〜30g/m、厚さ30〜40μm程度であり、厚紙の例としては、坪量250〜300g/m、厚さ300〜500μm程度である。なお、偽造防止媒体(1)の取扱性や耐久性の点から坪量80〜100g/m、厚さ90〜120μm程度の紙を用いることが好ましい。
また、基材(2)がフィルムの場合、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム等の材料を用いることができる。また、基材(2)がプラスチックの場合、PET、PETG、ポリ塩化ビニル等の材料を用いることができる。これらの材料を有色の構成とするために、各色の顔料又は染料を配合して作製されたものを基材(2)として用いる。基材(2)がフィルム又はプラスチックの場合、奥側が透けて見える窓(10)とのコントラストを得るために、奥側が透けて見えない基材(2)を用いることが好ましい。なお、フィルム又はプラスチックに含まれる顔料又は染料の配合量が多いほど透けにくく、有色のフィルム又はプラスチックの厚さが厚いほど透けにくくなるが、奥側が透けない材料として、市販の材料から所望とする材料を適宜選択して、基材(2)として用いればよい。また、基材(2)にフィルムを用いる場合の厚さについても、特に限定されるものではないが、基材(2)に紙を用いる場合と同様に、厚さ90〜120μm程度のフィルムを用いることが好ましい。
(窓の構成)
図2(a)は、図1のA−A’線における断面図である。図2(a)に示す構成において、窓(10)は、基材(2)の一部が貫通して孔が開いた状態の開口部(11)が、積層フィルム(12)によって覆われることで形成される。また、前述のように、図1の平面図において、開口部(11)によって囲まれる基材(2’)は、図2(a)の断面図では、開口部(11)によって挟まれた状態となっている。
図2(b)は、図2(a)に示す構成の窓(10)とは別の構成を示す図である。図2(b)に示す構成において、窓(10)は、基材(2)の一部が貫通して孔が開いた状態の開口部(11)に、透明材料(I)が充填されることで形成される。
基材(2)に積層フィルム(12)が積層される場合、積層される積層フィルム(12)は、図2(a)に示す構成(開口部において、基材表裏の積層フィルムが離れた状態)に限定されるものではなく、図3(a)に示すように、基材(2)の表裏の積層フィルム(12)が、接着された状態で積層されていてもよい。また、図3(b)及び図3(c)に示すように、積層フィルム(12)が、基材(2)の片側のみ覆う構成でもよい。
開口部(11)に、透明材料(I)が充填される場合、図4(a)に示すように、開口部(11)に充填される透明材料(I)に連続して、基材(2)の表面に透明材料(I)が積層されてもよい。なお、図4(a)は、基材(2)の一方の面のみ透明材料(I)が積層されているが、基材(2)の両側に透明材料(I)が積層されてもよい(図示せず)。また、図2(b)に示すように、開口部(11)の全体に透明材料(I)が充填される必要はなく、図4(b)に示すように、開口部(11)の一部に充填される構成でもよい。
(積層フィルム)
本発明において、積層フィルム(12)は、透明又は半透明なフィルムを用い、窓(10)の奥側が透けて見えれば、着色されたフィルムでもよいが、無色透明のフィルムは、奥側を透かして見る際に視認性がよいことから好ましい。積層フィルム(12)を構成する材料の例としては、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等の樹脂がある。また、正反射光下で色彩が変化する干渉フィルムでもよい。また、異なる材料のフィルムを積層した多層フィルムでもよい。なお、基材(2)の表裏に積層フィルム(12)を積層する場合は、同じ材料のフィルムを用いてもよく、異なる材料のフィルムを用いてもよい。
本発明において、積層フィルム(12)の厚さは、特に限定されるものではなく、一般的な範囲のフィルムを用いることができ、市販されているフィルムには、厚さ5μm〜500μmのものがあり、適宜選択して用いることができる。ただし、偽造防止媒体(1)の取扱性の点から、50μm程度の厚さのフィルムを用いることが好ましい。
また、積層フィルム(12)には、必要に応じて基材(2)と接着するための接着層を設けてもよく、接着層としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の各種合成樹脂を用いることができる。
(透明材料)
本発明において、開口部(11)を充填する透明材料は、UV硬化型樹脂、透明ニス、ポリマー等の流動性のある材料を用いることができる。なお、透明材料は、窓(10)の奥側が透けて見えれば、着色されていてもよい。
(開口部の形状)
本発明において、基材(2)に形成される開口部(11)の数、すなわち窓(10)の数は、図1に示すように一つだけ設けてもよく、図5に示すように複数設けてもよい。
また、以上の説明では、開口部(11)の形状が「ドーナツ形状」で構成され、基材(2’)の一部を「円形」で囲む形状とした例について説明したが、開口部(11)によって囲まれる基材(2’)の形状は、「円形状」に限定されるものではなく、図6(a)に示すような「星型」、図6(b)に示すような「数字」、他の文字、記号、図形等であってもよい。また、図6(c)に示すように、開口部(11)の外形と、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)を相似形状の関係で形成してもよい。また、図6(d)に示すように、開口部(11)と開口部(11)によって囲まれた基材(2’)によって、一つの文字を構成してもよい。また、図6(e)に示すように、開口部(11)によって囲まれる基材(2’)を二つ設けてもよく、更に、多くの基材(2’)を設けてもよい(図示せず)。また、図6(f)に示すように、開口部(11)によって囲まれる基材(2’)(「P」の文字)の内側に、更に開口部を備えていてもよい。
また、図7(a)に示すように、網点印刷物の原理と同様にして、濃淡差のある画像を形成してもよく、この場合、図7(a)の拡大図に示すように、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の面積率によって、画像の濃淡を表現することができる。また、図7(b)に示すように、開口部(11)と開口部(11)によって囲まれた基材(2’)によって、彩紋模様を形成してもよい。
また、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)に、抄き入れ加工によって、白透かし、黒透かし又はそれらを組み合わせた透かしを形成してもよい。また、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)に、印刷により模様を形成してもよい。
(開口部の加工方法)
基材(2)に、開口部(11)を形成する方法としては、レーザ加工、ダイカット、機械的切削装置等の公知の加工技術により施すことができ、積層フィルム(12)が積層される前の基材(2)に加工して、開口部(11)を形成する。このとき、開口部(11)の形成と同時に、開口部(11)よって囲まれた基材(2’)を形成するための加工も行う。なお、本発明において、開口部(11)を形成するために、超音波加工を用いる方法もあるが、詳細については後述する。
(積層フィルムを積層する工程)
開口部(11)を積層フィルム(12)によって覆うことで窓(10)を形成する場合、開口部(11)が形成された基材(2)の一方の面に対して、積層フィルム(12)を接着して積層し、積層フィルム(12)及び開口部(11)に対して、所定の位置に、基材(2’)を貼り合わせることで、本発明の偽造防止媒体(1)を作製することができる(図3(b)及び図3(c))。また、基材(2)の表裏に積層フィルム(12)を積層する場合は、基材(2)の他方の面にも積層フィルム(12)を積層することで、偽造防止媒体(1)を作製することができる(図2(a)及び図3(a))。また、あらかじめ基材(2’)を貼り合わせた積層フィルム(12)を、開口部(11)に対して、所定の位置に合わせて基材(2)に貼り合わせることで、偽造防止媒体(1)を作製することができる。
基材(2)に積層フィルム(12)を積層する装置としては、公知のプレス加工機があり、あらかじめ接着剤又は接着層が施された積層フィルム(12)と基材(2)を積層して加圧することで、積層フィルム(12)を積層できる。なお、接着剤を溶かすために熱プレス加工をしてもよい。また、基材(2)がフィルムやプラスチックの場合には、積層フィルム(12)と基材(2)同士が一度溶けて固まることで、積層フィルム(12)を積層することもできる。また、基材(2)が紙の場合においても、積層フィルム(12)を加熱して溶かし、基材(2)に浸透させることで、積層フィルム(12)を積層することもできる。なお、図3(a)に示すように、基材(2)の表裏の積層フィルム(12)を接着させる場合には、プレス加工機に用いるプレス板に凸部を設けて加工すればよい。
(透明材料を充填する工程)
開口部(11)に透明材料(I)を充填して窓(10)を形成する場合、図8(a)に示すように、開口部(11)に相当する領域の基材(2)と基材(2’)が除かれた基材(2)を支持部材(V)に配置する。支持部材(V)としては、透明材料(I)に対して剥離可能であればよく、金属製の材質から成る板材を用いることができる。支持部材(V)に基材(2)を安定して固定するために、支持部材(V)に、基材(2)を固定するための吸引手段や、支持部材(V)と対向し、基材(2)を挟んで固定する押さえ付け手段を設けることが好ましい(図示せず)。なお、図8(a)に示す破線で囲む領域は、開口部(11)に相当する領域を示したものである。
次に、図8(b)に示すように、開口部(11)に対して、所定の位置に、基材(2’)を配置する。基材(2’)もまた、吸引手段や押さえ付け手段によって固定することが好ましい。また、開口部(11)に対して、基材(2’)を正確な位置に配置するため、支持部材(V)の基材(2、2’)が配置される正規の位置に、あらかじめ罫書き線や位置決めの目印等を設けておくことが好ましい。
次に、図8(c)に示すように、透明材料(I)を開口部(11)に相当する領域に充填する。透明材料(I)を充填する方法としては、各種の印刷装置、塗工装置を用いることができる。なお、基材(2、2’)に透明材料(I)を付与させないために、基材(2、2’)をマスクで覆った後、透明材料(I)を充填してもよい。
最後に、透明材料(I)が乾燥した後、図8(d)に示すように、支持部材(V)から、基材(2)を分離することで、窓(10)が形成された偽造防止媒体(1)が得られる。
(効果)
以上の構成で成る窓(10)を備えた偽造防止媒体(1)は、窓(10)を認証することで、真偽判別が可能であることに加えて、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の模様によって、真偽判別が可能である。また、本発明の偽造防止媒体(1)は、開口部(11)、すなわち窓(10)によって囲まれた基材(2’)を備えるもので、本構成は、従来技術にない工程を要しなければ製造することができないとともに、基材(2)から切り取った基材(2’)を窓(10)に囲まれた位置に精度よく配置することは、困難であることから、偽造防止の効果がある。特に、基材(2’)の形状が複雑であるほど偽造防止のために好ましく、例えば、図7(a)及び図7(b)に示すように、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)を複数設けることで偽造防止効果を向上させることができる。また、図6(c)及び図6(d)に示すように、基材(2’)の配置に精度を要する構成も偽造防止のために好ましい。
以上の説明では、開口部(11)が積層フィルム(12)によって覆われることで窓(10)が形成される構成と、開口部(11)に透明材料(I)が充填されることで窓(10)が形成される構成について説明したが、窓(10)の奥側が透けて見える構成であれば、開口部(11)に透明材料(I)を充填し、更に、その上を積層フィルム(12)によって覆った構成の窓(10)を形成してもよい。
また、以上の説明では、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)は、基材(2)に開口部(11)を形成する際に、レーザ加工、ダイカット、機械的切削装置等の加工によって、同じ基材(2)から切り出して用いる構成について説明したが、別の基材から切り出して用いてもよく、具体的には、基材(2)に対して、色、厚さ、材質等が異なる基材を用いて、開口部(11)によって囲まれた状態で、積層してもよい。
(超音波加工による窓)
続いて、超音波加工によって形成された窓(10)の構成について説明する。
図9(a)は、超音波加工によって形成された開口部(11)及び窓(10)の構成を示す図であり、開口部(11)の形状は、前述のように特に限定はないが、一例として、開口部(11)の形状は、「ドーナツ形状」で構成され、基材(2)の一部を「円形」で囲む形状とした構成について説明する。
図9(b)は、図9(a)のA−A’線における断面図であり、超音波加工によって形成される窓(10)の構成は、図9(b)に示すように、基材(2)の表裏に熱可塑性樹脂層(13)が積層され、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)が、基材(2)の表裏に積層された熱可塑性樹脂層(13)に囲まれた状態で形成される。超音波加工の詳細については後述するが、超音波加工によって窓(10)を形成する場合、加工部において、基材(2)を構成する繊維が超音波加工による振動で金型の端に寄せられることで、開口部(11)が形成されると同時に、基材(2)の表裏に積層した熱可塑性樹脂層(13)が接着することで、図9に示す構成の窓(10)が形成される。このため、超音波加工によって窓(10)を形成する場合、基材(2)には、繊維を含んで成る紙を用いるが、前述した化学繊維のうち、ナイロン繊維は、後述する超音波加工の際に生じる熱によって繊維が溶融して繊維が移動しないことから用いることができない。なお、前述した木材及び非木材から成る繊維、ナイロン繊維を除く化学繊維は、超音波加工によって窓(10)を形成する際の基材(2)として用いることができる。
基材(2)に積層する熱可塑性樹脂層(13)の具体的な構成としては、段落(0028)で説明したフィルムのうち、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等の熱可塑性樹脂から成るフィルムを用いることができる。また、正反射光下で色彩が変化する干渉フィルムでもよい。また、異なる材料のフィルムを積層した多層フィルムでもよい。なお、基材(2)の表裏に積層フィルム(12)を積層する場合は、同じ材料のフィルムを用いてもよく、異なる材料のフィルムを用いてもよい。積層フィルム(12)の厚さは、前述のように、特に限定されるものではなく、一般的な範囲のフィルムを用いることができるが、偽造防止媒体(1)の取扱性の点から、50μm程度の厚さのフィルムを用いることが好ましい。熱可塑性樹脂層(13)としてフィルムを用いる場合には、必要に応じて基材(2)と接着するための接着層を設けてもよく、接着層としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などの各種合成樹脂を用いることができる。
また、別の熱可塑性樹脂層(13)の構成としては、前述した熱可塑性樹脂を含む液体状の材料を基材(2)に塗布して形成してもよい。なお、熱可塑性樹脂を含む液体状の材料を塗布する場合においても、偽造防止媒体(1)の取扱性の点から、50μm程度の厚さとすることが好ましい。
(超音波加工機)
図10は、本発明の偽造防止媒体(1)において窓(10)を形成するための超音波加工機(30)の模式図である。超音波加工機(30)は、図10に示すように、ホーン(31)、アンビル(33)及びアンビル(33)を固定する台座(34)によって構成される。ホーン(31)とアンビル(33)は金属製であり、アンビル(33)の上には、開口部(11)、すなわち窓(10)の形状に対応した凸形状の金型(32)が設けられている。なお、超音波加工機(30)は、枚葉紙に加工を行うスタンプ型と、連続紙に加工を行うミシン方式があるが、いずれの加工機を用いてもよい。
図11は、図9に示すドーナツ形状の開口部(11)を形成するための金型(32)の構成を示す図であり、図11(a)は、金型(32)の斜視図、図11(b)は、図11(a)のB−B’線における断面図である。図11(a)及び図11(b)に示すように、金型(32)は、ドーナツ形状で囲まれた円形を形成するために、凹形状で構成された第1の領域(32A)と、ドーナツ形状の開口部(11)を形成するために、凸形状で構成された第2の領域(32B)から成る。なお、図11(a)に示すように、凸形状の第2の領域(32B)は、開口部(11)のドーナツ形状に対応した形状であり、凹形状の第1の領域(32A)は、開口部(11)によって囲まれる円形に対応した形状である。円形の基材(2’)がドーナツ形状の開口部(11)によって囲まれることから、金型(32)において凹形状の第1の領域(32A)は、凸形状の第2の領域(32B)に囲まれた構成となっている。
図12は、本発明の偽造防止媒体(1)が備える窓(10)を超音波加工によって形成する方法のフロー図であり、図13は、超音波加工機(30)による加工によって、開口部(11)及び窓(10)が形成される状態を模式的に示す図である。以下、図12及び図13を用いて、本発明の偽造防止媒体(1)が備える窓(10)を形成する方法について説明する。
(熱可塑性樹脂層積層工程)
はじめに、図12に示す熱可塑性樹脂層積層工程(S1)において、基材(2)の表裏に熱可塑性樹脂層(13)を積層する。熱可塑性樹脂層(13)は、前述のように、フィルムを積層してもよく、熱可塑性樹脂を含む液体状の材料を塗布して積層してもよい。なお、熱可塑性樹脂層(13)の材質として、超音波加工によって生じる熱の温度(200℃程度)より融点が低いほど、金型(32)の加圧による熱可塑性樹脂層(13)の変形に伴い繊維が移動しやすくなる。このため、融点が200℃より低いポリプロピレン、ポリエチレン等から成る材料を用いると繊維を移動させやすいことから好ましい。
次に、図12に示す超音波加工工程(S2)において、図13(a)に示すように、ホーン(31)とアンビル(33)の間に、熱可塑性樹脂層(13)が積層された基材(2)を配置して、超音波加工を行う。超音波加工工程(S2)では、図11に示す金型(32)を用いて、熱可塑性樹脂層(13)が積層された基材(2)に超音波加工を行うが、金型(32)の高さ、すなわち図11(b)に示す凹形状の第1の領域(32A)と凸形状の第2の領域(32B)の高低差が、基材(2)に開口部(11)を設けるために、金型(32)が接触する側の熱可塑性樹脂層(13)と基材(2)の厚さの和と同じ構成の金型(32)を用いればよい。なお、金型(32)の高さが、金型(32)が接触する側の熱可塑性樹脂層(13)と基材(2)の厚さの和より大きくてもよいが、反対側の熱可塑性樹脂層(13)、すなわち図13(a)において、基材(2)の上側に積層される熱可塑性樹脂層(13)が貫通しないように、後述する超音波加工の際の圧力を調整する必要がある。また、金型(32)の高さが、金型(32)が接触する側の熱可塑性樹脂層(13)と基材(2)の厚さの和より小さくてもよいが、超音波加工によって開口部(11)と窓(10)を形成するために、後述する超音波加工の際の圧力を調整する必要がある。
超音波加工を行うと、図13(b)に示すように、ホーン(31)が下降し、基材(2)を挟んで超音波加工を行う。超音波加工を行うと、図13(b)の拡大図に示すように、凸形状の第2の領域(32B)に対応した基材(2)、詳細には、凸形状の第2の領域(32B)と接触する熱可塑性樹脂層(13)の上の基材(2)においては、ホーン(31)からの超音波振動と、下降による加圧により、元来、基材(2)を構成していた繊維が、第2の領域(32B)の輪郭に沿って外側へ寄せられることで、図13(c)に示すように、第2の領域(32B)に応じた開口部(11)が形成されるとともに、開口部(11)の領域において基材(2)の表裏に積層されていた熱可塑性樹脂層(13)は、接着された状態となり窓(10)が形成される。また、凹形状の第1の領域(32A)に対応した基材(2)、詳細には、凹形状の第1の領域(32A)と接触する熱可塑性樹脂層(13)の上の基材(2)においては、超音波加工が行われないことで、そのまま残った状態となり、図13(c)に示すように、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)が形成される。なお、図13に示す矢印線は、基材(2)を構成する繊維が開口部(11)の輪郭に向かって寄せられる方向を示している。
前述のように、金型(32)の高さを所定の範囲とすることで、窓(10)を形成することができるが、超音波加工工程(S2)では、必要に応じて、超音波加工機(30)の加工条件を調整して、超音波加工を行ってもよい。具体的な超音波加工機(30)の加工条件とは、超音波振動の振幅、圧力、加工時間であり、超音波振動の振幅とは、ホーン先端の振れ幅(縦振動)である。また、圧力とは、ホーン(31)と金型(32)が、基材(2)を押圧する圧力のことであり、超音波振動の時間とは、基材(2)に超音波加工を行う時間のことである。
本出願人が用いた超音波加工機(日本アビオニクス株式会社製 W5080 スタンプ式)によれば、振幅が0.5〜50μmの範囲で調整可能であり、圧力が0.001MPa〜0.4MPaの範囲で調整が可能である。これらの条件の値が大きいほど、基材を構成する繊維が移動しやすいことから、必要に応じて調整すればよい。なお、超音波加工機(日本アビオニクス株式会社製 W5080 スタンプ式)によれば、超音波加工を行う時間の調整も可能であり、必要に応じて調整してもよい。また、上述した調整の範囲は、超音波加工機(日本アビオニクス株式会社製 W5080 スタンプ式)によるものであり、各種の超音波加工機の仕様によって調整の範囲は異なるが、超音波加工によって、窓(10)を形成する原理は同じであることから、適宜調整して加工を行えばよい。これらの超音波加工機の加工条件を、基材(2)と熱可塑性樹脂層(13)の条件に応じて調整することで、基材(2)を構成する繊維を、第2の領域(32B)の輪郭に沿って外側へ寄せて、第2の領域(32B)に応じた開口部(11)を形成することができるとともに、開口部(11)の領域において基材(2)の表裏に積層されていた熱可塑性樹脂層(13)が接着された状態となり、窓(10)を形成することができる。
超音波加工によって形成した窓(10)の構成の特徴としては、凸形状の第2の領域(32B)の輪郭に沿って外側へ繊維が寄せられることで、図13(c)に示す開口部(11)の輪郭に沿って繊維の密度が高い領域(S)が形成されることであり、前述したレーザ加工、ダイカット等によって開口部(11)を形成する場合には、開口部(11)に存在していた繊維が打ち抜かれて除去されるだけで、図13(c)に示すような繊維の密度が高い領域(S)が形成されることはない。また、本発明の加工方法とは異なり、紙基材をエンボス加工することで密度が高い領域を形成することもできるが、この場合、本発明のように繊維の移動はないため、紙基材の単位面積当たりにおける繊維の量は同じになる。これに対して、超音波加工によって本発明の窓(10)を形成する場合の繊維の密度が高い領域(S)は、繊維の移動によって周りの基材(2)よりも繊維の量が高く、繊維の密度が高い構成となっている。なお、開口部(11)の輪郭とは、図9に示す模様の場合、「ドーナツ形状」の内側の円周部分と外側の円周部分である。
また、図13(c)に示す繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)は、超音波加工によって窓(10)を形成する一つの形態によれば、周りの基材(2)の厚さと同じ状態で形成される。前述のように、本発明の加工方法とは異なり、紙基材をエンボス加工することで繊維の密度が高い領域を形成することもできるが、この場合、紙基材の厚さ方向に圧縮されて周りの領域に比べて厚さが薄くなる。一方、本発明の超音波加工によって形成した窓(10)の構成は、図13(c)に示すように、基材(2)を構成する繊維が寄せられることで繊維の密度が高くなるものの、基材(2)の厚さが薄くならないことも特徴である。
超音波加工によって形成した窓(10)を備えた偽造防止媒体(1)の効果は、超音波加工により繊維が寄せられた領域(S)が、周りの領域、すなわち、超音波加工が施されていない基材(2)と比べて、部分的に繊維密度が高いことで、反射光下の観察では、紙の色が濃く視認され、透過光下の観察では、暗く視認されることによって、窓(10)の認証性を高めることができる。なお、図13(c)に示す超音波加工により繊維が寄せられた領域の範囲(T)を、100μm以上形成すると、窓(10)の輪郭として認証性が高まることから好ましい。
図14は、超音波加工によって形成した窓(10)の別の構成を示す図であり、図13(c)に示す構成に対して、繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)が、周りの基材(2)の厚さよりも厚い状態で形成され、熱可塑性樹脂層(13)もまた、繊維の密度が高い領域(S)に応じて盛り上がった状態で形成される。図14に示すように、熱可塑性樹脂層(13)が、繊維の密度が高い領域(S)によって盛り上がると、開口部(11)の輪郭が盛り上がった状態となることで、立体的にも窓(10)の形状を視認できることから好ましい。なお、繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)は、立体的な視覚効果を得るために、基材(2)に対して20μm以上厚いことが好ましく、流通適性を考慮すると50μm以下とするのが好ましい。
なお、図13(c)に示すように、繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)が、周りの基材(2)の厚さと同じ状態で形成されるか又は図14に示すように、繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)が、周りの基材(2)の厚さよりも厚い状態で形成されるかは、超音波加工によって金型(32)が基材(2)を加圧する際に、金型(32)の表面(第2の領域(32B)の凸形状の表面)が、金型(32)と接触する側の熱可塑性樹脂層(13)をどこまで押し上げるかによるもので、図14に示すように、金型(32)と接触する側の熱可塑性樹脂層(13)を基材(2)の表面まで押し上げる場合に、繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)が、周りの基材(2)の厚さよりも厚い状態で形成される。一方、図13(c)に示すように、金型(32)と接触する側の熱可塑性樹脂層(13)が基材(2)の表面まで押し上げられない場合には、繊維の密度が高い領域(S)の厚さ(H)が、周りの基材(2)の厚さと同じ状態で形成される。
超音波加工によって形成した窓(10)を備えた偽造防止媒体(1)を作製する方法の効果は、前述した基材(2)を打ち抜いて、積層フィルム(12)を積層又は透明材料(I)を充填することで窓(10)を形成する場合には、基材(2’)の配置も含めて製造工程が複雑であるが、超音波加工によって窓(10)を形成する場合には、一度の加工により窓(10)を形成することができ、かつ、基材(2’)の位置精度を要することなく製造できることが、優れた利点である。
本発明において、基材(2)に積層フィルム(12)を積層する構成の場合、積層フィルム(12)が積層された部分と基材(2)に凹凸差が生じる(図2(a)、図3(a)及び図9(b))が、積層形態や流通時の耐久性を考慮して、積層フィルム(12)の表面が、図15(a)に示すように基材(2)の表面と同じ構成か又は図15(b)に示すように、基材(2)の表面より低い位置に積層する構成でもよい。この場合、積層フィルム(12)の厚さに応じて、基材(2)にあらかじめ凹部を形成した後、積層フィルム(12)を積層すればよい。なお、凹部を形成する手段としては、前述したレーザ加工や、紙基材の場合は、後述する抄き入れ加工を用いることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した偽造防止媒体(1)において、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の輪郭に、基材(2’)の視認性を向上させるための輪郭要素(21)が形成された輪郭部(20)が設けられた偽造防止媒体(1)であり、その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態においても、開口部(11)の形状は、前述のように特に限定はないが、一例として、開口部(11)の形状は、「ドーナツ形状」で構成され、基材(2)の一部を「円形」で囲む形状とした構成について説明する。
(輪郭部)
図16は、第2の実施の形態の偽造防止媒体(1)の平面図であり、窓(10)が形成された領域を拡大して示す図である。本発明において輪郭部(20)は、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の輪郭の少なくとも一部に沿って形成され、輪郭部(20)には、輪郭要素(21)が形成されて成る。図16では、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の形状である「円形状」の輪郭の全体に沿って、直線状の画線で構成された輪郭要素(21)が形成された状態を示している。
図17は、輪郭部(20)に形成される輪郭要素(21)の他の構成を示す図であり、図17(a)は、破線状の画線で構成された輪郭要素(21)が形成された例であり、図17(b)は、点線状の画線で構成された輪郭要素(21)が形成された例であり、図17(c)は、波線状の画線で構成された輪郭要素(21)が形成された例である。図17(a)から図17(c)までに示すように、窓(10)の輪郭に沿って輪郭部(20)が形成されていれば、本発明の輪郭部(20)を構成する画線に限定はない。
図18は、図17に示す輪郭部(20)とは異なる構成を示す図であり、輪郭部(20)の一部の拡大図である。図18(a)に示す輪郭部(20)は、点状の輪郭要素(21)が複数形成されて成る例であり、図18(b)に示す輪郭部(20)は、画線状の輪郭要素(21)が複数形成されて成る例である。これを印刷技術に置き換えて説明すると、図16に示す輪郭要素(21)は、基材(2)をインキによって完全に塗り潰した状態、いわゆる、ベタ印刷されている状態であり、図18(a)及び図18(b)は、同じ領域内に、細かな網点又は画線を複数配置して、同じ模様を表現した構成である。したがって、図18(a)及び図18(b)に示すように、複数の輪郭要素(21)によって、輪郭部(20)を形成した場合においても、図16に示す輪郭部(20)と同じように視認できることから、図18(a)及び図18(b)に示す構成を輪郭部(20)として形成してもよい。
第2の実施の形態において、輪郭要素(21)の形態は3通りあり、それぞれの詳細な構成について順に説明する。なお、開口部(11)を覆う積層フィルム(12)又は開口部(11)に充填される透明材料(I)の構成は、前述のとおりであるが、例として、図3(a)に示す基材(2)の表裏に積層フィルム(12)が積層された例について説明する。
(印刷による輪郭部)
1つ目の輪郭部(20)の構成は、印刷材料によって形成された輪郭要素(21)から成る形態である。その構成を示す図として、図19に示すように、基材(2)と異なる色のインキで印刷された輪郭要素(21)が基材(2’)の上に形成され、その上を積層フィルム(12)が覆っている状態を示している。この場合、印刷するインキの色によって、基材(2’)の輪郭部(20)が強調されて、視認性が向上する効果が得られる。なお、図19は、基材(2)の一方の面に輪郭要素(21)が施されているが、基材(2)の他方の面に形成してもよく(図示せず)、基材(2)の両面に形成してもよい。
輪郭要素(21)の印刷に用いるインキについては、特に限定はなく、プロセスインキ、特色インキ、光学的変化インキ、蛍光インキ等を用いることができる。また、紙を基材(2)として用いる場合、樹脂や油成分を含んで成り透過光下で明るく見える透かしインキや、金属顔料を含んで成り光を遮断する効果のある透かしインキを用いてもよい。
また、輪郭要素(21)は、単色で形成することなく、輪郭部(20)において、部分的に色が異なってもよい。その具体例として、図20(a)及び図20(b)に示すように、2色で部分的に異なる色で形成してもよく、図20(a)及び図20(b)の符号(21a)と符号(21b)は、異なる色のインキによって形成された輪郭要素の例を示している。また、図20(c)に示すように、印刷網点の面積率を部分的に異ならせてグラデーションを構成してもよく、3色以上のインキを印刷してもよく(図示せず)、これらの構成を組み合わせてもよい。図20に示す構成によれば、輪郭部(20)の中で多彩な色を表現することにより、基材(2’)の認証性を向上させることができることから好ましい。
(印刷による輪郭部の加工方法)
印刷によって輪郭要素(21)を形成する場合には、開口部(11)を設けてから印刷してもよく、基材(2)に開口部(11)を設ける前に輪郭要素(21)を形成してもよく、後者の場合、開口部(11)の加工に許容を持たせるために、輪郭部(20)より外側の領域にも印刷しておくとよい。輪郭要素(21)を印刷する手段としては、オフセット、フレキソ、グラビア、スクリーン、凹版印刷、インクジェット印刷機等を用いることができる。
前述した印刷方式のうち、グラビア、スクリーン、凹版印刷及びインクジェット印刷によって、インキの膜厚を高くできる印刷方式によれは、輪郭部(20)の表現が色の差で強調できるだけでなく、立体的にも強調されて視認できることから、基材(2’)の認証性を高めるためにより好ましい形態である。この場合のインキ膜厚としては、20μm以上であることが好ましい。また、流通適性を考慮すると50μm以下とすることが好ましい。このように、インキの盛りがある輪郭要素(21)を形成する場合には、基材(2)と同じ色のインキを用いる構成でも輪郭部(20)が立体的に強調されて視認できることから、当該構成を本発明の輪郭要素(21)として形成してもよい。
図19に示す偽造防止媒体(1)において、印刷によって形成される輪郭要素(21)は、基材(2)の上に形成された例であるが、本発明において、印刷により形成する輪郭要素(21)は、図21に示すように、積層フィルム(12)の上に形成してもよい。なお、基材(2)の表裏に積層フィルム(12)を積層する構成において、表裏の積層フィルム(12)の上に、印刷により形成する輪郭要素(21)を形成してもよい(図示せず)。
1つ目の輪郭部(20)の構成について、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の輪郭に、輪郭部(20)が設けられる構成について説明したが、開口部(11)の外側(ドーナツ形状の外側の円周)に隣接した基材(2)に、印刷して、輪郭部を設けてもよい。
(透過性が異なる輪郭部)
2つ目の輪郭部(20)の構成は、基材(2)の厚さによって、透過性が変化する、いわゆる、透かしの原理を利用した形態である。その構成を示す図として、図22(a)は、輪郭部(20)の周囲の基材(2’)よりも部分的に厚さを薄くすることで、透過光下で明るく視認される白透かしの効果がある輪郭要素(21)が形成された状態を示している。この場合、透過光下で観察する際に、基材(2’)の輪郭が明るく強調されて、基材(2’)の視認性が向上する効果が得られる。また、図22(b)は、基材(2’)において、部分的に厚さを厚くすることで、透過光下で暗く視認される黒透かしの効果がある輪郭要素(21)が形成された状態を示している。この場合、透過光下で観察する際に、基材(2’)の輪郭が暗く強調されて、基材(2’)の視認性が向上する効果が得られる。なお、図22(a)に示すように、輪郭要素(21)の厚さを部分的に薄く形成する場合及び図22(b)に示すように、部分的に厚く形成する場合において、厚さの差を20μm以上設けることで立体的にも強調されて視認できることから好ましく、偽造防止媒体(1)の流通適性を考慮すると50μm以下とすることが好ましい。
なお、基材(2’)が紙の場合において、坪量や顔料、染料及び添料の配合により、紙自体に透過性がない場合であっても、基材(2’)の厚さを薄くすることで、透過性の差が生じれば、それを輪郭要素(21)としてもよいことから、紙自体に透過性がない紙を基材(2)として用いてもよい。また、透過性のある紙であれば、部分的に透過性が異なる輪郭要素(21)を形成する基材(2’)として用いることができる。また、基材(2’)にフィルム、プラスチックを用いる場合においてもこれと同様である。
(透過性が異なる輪郭部の加工方法)
輪郭要素(21)を形成する方法としては、紙から成る基材(2’)を対象として、公知の抄き入れ加工技術とされている、円網、ダンディロール、プレスロールによって形成することができ、この場合、あらかじめ、基材(2’)を作製する製紙工程で加工して、輪郭要素(21)を形成すればよい。また、透過性のあるフィルム、プラスチックを基材(2’)として用いる場合は、レーザ加工により、基材(2’)の一部を除去して厚さを異ならせて透過性が異なる輪郭要素(21)を形成すればよい。また、紙、フィルム又はプラスチックから成る基材(2’)に、エンボス加工により、基材(2’)の一部を薄くして、透過性が異なる輪郭要素(21)を形成してもよい。なお、輪郭要素(21)を形成する際には、輪郭部(20)の範囲のみ抄き入れ加工してもよく、開口部(11)の加工に許容を持たせるために、輪郭部(20)より外側の領域にも加工しておくとよい。
基材(2’)の厚さを異ならせて形成する輪郭要素(21)は、白透かしと黒透かしのみの効果を備えた構成のみに限定されず、輪郭部(20)において、基材(2’)の厚さが部分的に異なってもよい。その具体例として、図23(a)に示すように、白透かしと黒透かしの両方の効果を備えた輪郭部(20)を形成してもよく、図23(a)では、円形状の基材(2’)に対して、上側の輪郭に白透かしの効果を備えた輪郭要素(21A)と、下側の輪郭に黒透かしの効果を備えた輪郭要素(21B)が形成されて成る輪郭部(20)の例を示している。また、図23(b)では、円形状の基材(2’)を中心に、白透かしの効果を備えた輪郭要素(21A)と黒透かしの効果を備えた輪郭要素(21B)が、順に形成されて成る輪郭部(20)の例を示している。また、図23(c)では、白透かしから黒透かしまで基材(2’)の厚さを連続的に異ならせた輪郭要素(21)を形成することで、濃淡が連続的に変化して視認される輪郭部(20)の例を示している。抄き入れ加工によって形成する輪郭要素(21)の例は、図23に示す例に限定されるものではなく、図23に示す構成を組み合わせてもよく、抄き入れにより加工できる模様、例えば、破線、点線、波線、彩紋等、特に限定されるものではない。図23に示す構成によれば、輪郭部(20)の中で、透過光下の観察で多彩な濃淡を表現することにより、基材(2’)の認証性を向上させることができることから好ましい。
(箔による輪郭部)
3つ目の輪郭部(20)の構成は、金属箔によって輪郭要素(21)を構成する形態である。その構成を示す図として、図24(a)は、金属箔(P)が基材(2’)の上に形成され、その上を、積層フィルム(12)が覆っている状態を示している。前述のように、輪郭要素(21)は、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)の輪郭に沿って形成されることから、金属箔(P)は、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)を囲む形状で構成される。
金属箔(P)は、金、銀、アルミ等の金属材料から成る構成があり、この場合、基材(2’)を囲む形状に応じて金属箔(P)を打ち抜いて、基材(2’)の上に接着層(図示せず)を介して積層すればよい。なお、図24(a)に示すように、金属箔(P)の上に、積層フィルム(12)を積層してもよく、図24(b)に示すように、積層フィルム(12)の上に、金属箔(P)を積層してもよい。
また、金属箔(P)と積層フィルム(12)が一体となり、金属箔(P)に回折格子が施されたOVDを用いてもよい。OVDは、本発明における積層フィルム(12)を支持基材とし、積層フィルム(12)に金属材料による層を、エンボス層を介して蒸着したものを用い、基材(2’)の輪郭に応じてディメタライズ処理して輪郭要素(21)を形成し、それを基材(2’)に合わせて積層すればよい。以上のように、金属箔(P)によって輪郭要素(21)を形成した場合、反射光下で光沢や色が変化する光学的変化や、OVDによる視覚的効果により、基材(2’)の認証性を高めることができる。
図24は、基材(2’)の一方の面のみに、金属箔(P)を備えた例であるが、基材(2’)の両面に、金属箔(P)を積層して輪郭要素(21)を形成してもよい(図示せず)。
(加工の順番)
第2の実施の形態において、開口部(11)に透明材料(I)を充填することで窓(10)を形成する場合、輪郭要素(21)を形成する順番に、特に限定はなく、基材(2’)に輪郭要素(21)を形成してから透明材料(I)を充填してもよく、透明材料(I)を充填してから輪郭要素(21)を形成してもよい。また、図25(a)に示すように、基材(2’)の一方の面に印刷又は金属箔による輪郭要素(21)を形成し、基材(2)の他方の面に積層フィルム(12)を積層する場合又は図25(b)に示すように、基材(2’)の一方の面に抄き入れ加工による輪郭要素(21)を形成し、基材(2)の他方の面に積層フィルム(12)を積層する場合もまた、輪郭要素(21)を形成する順番の限定はなく、積層フィルム(12)を積層してから輪郭要素(21)を形成してもよく、輪郭要素(21)を形成してから積層フィルム(12)を積層してもよい。ただし、印刷、金属箔又は抄き入れ加工によって形成された輪郭要素(21)の上に、積層フィルム(12)を積層して窓(10)を形成する場合(図19、図22及び図24(a))は、先に基材(2)に輪郭要素(21)を形成した後、その上に積層フィルム(12)を積層する必要がある。なお、3つ目の輪郭部(20)の構成において、金属箔(P)と積層フィルム(12)が一体となったOVDにより、輪郭要素(21)を形成する場合には、段落(0037)で説明した内容と同様にして、OVDと基材(2’)を積層すればよい。
以下、前述の発明を実施するための形態に従って、具体的に作製した偽造防止媒体の実施例について詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、第1の実施の形態で説明した偽造防止媒体(1)の例であり、窓(10)の図柄は、図1に示す「ドーナツ形状」であり、基材(2)及び積層フィルム(12)は、図3(a)に対応した積層状態の構成で成る偽造防止媒体(1)である。以下、実施例1の偽造防止媒体(1)の詳細について説明する。
はじめに、基材(2)として厚さ100μm、坪量80g/mの茶色の紙を用い、レーザーマーカー(キーエンス製 MD−V、発振波長1,090nm)により、基材(2)に形成する開口部(11)の輪郭を打ち抜いて、開口部(11)を形成するとともに、打ち抜いた基材(2’)を得た。
次に、積層フィルム(12)として、厚さ60μmのPPフィルム(パイレン 東洋紡株式会社)を用い、積層フィルム(12)に基材(2’)を貼り付けた後、積層フィルム(12)に貼り付けた基材(2’)の中心と、開口部(11)の中心を位置合せして、基材(2)の一方の面に、積層フィルム(12)を貼り付けて、図1に示す「ドーナツ形状」の窓(10)を形成した。また、基材(2)の他方の面に、同じPPフィルムを積層フィルム(12)として貼り付けた。
最後に、開口部(11)のドーナツ形状に対応した凸部を設けたプレス板を用いて、熱プレス加工を行うことにより、図3(a)に示す断面構造で成る実施例1の偽造防止媒体(1)を作製した。
(実施例2)
実施例2は、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)を複数設けた例であり、図6(e)に示すように、開口部(11)によって囲まれる基材(2’)を「星型」として二つ設けた偽造防止媒体(1)である。また、基材(2)及び積層フィルム(12)は、図3(b)に対応した積層状態の構成で成る偽造防止媒体(1)である。以下、実施例2の偽造防止媒体(1)の詳細について説明する。
はじめに、基材(2)として厚さ100μm、坪量80g/mの茶色の紙を用い、レーザーマーカー(キーエンス製 MD−V、発振波長1,090nm)により、開口部(11)によって囲まれる基材(2’)として、「星型」の基材(2’)を二つ得た。その後、基材(2)に形成する開口部(11)の輪郭(円形状の輪郭)を打ち抜いて、開口部(11)を形成した。
次に、積層フィルム(12)として、厚さ60μmのPPフィルム(パイレン 東洋紡株式会社)を用い、積層フィルム(12)の所定の位置に、打ち抜いた基材(2’)を貼り付けた後、積層フィルム(12)と開口部(11)を位置合せして、基材(2)に積層フィルム(12)を貼り付けて、図6(e)に示す「星型」の基材(2’)を二つ備えた窓(10)を形成した。
(実施例3)
実施例3は、超音波加工により窓(10)を形成した偽造防止媒体(1)であり、開口部(11)、すなわち、窓(10)の形状は、図26に示す形状とし、開口部(11)は、外側の「ドーナツ形状」の開口部(11−1)と、その内側に「100」の数字を囲む形状の開口部(11−2)から成る構成とした。また、開口部(11−1)によって囲まれた基材(2’−1)は、図26に示すように、ドーナツ形状であり、開口部(11−2)によって囲まれた基材(2’−2)は、「100」の数字から成る構成とした。
熱可塑性樹脂層積層工程(S1)として、基材(2)に厚さ100μm、坪量80g/mの茶色の紙を用い、基材(2)の表裏へ、熱可塑性樹脂層(13)として、厚さ55μmのPPフィルム(パイレン 東洋紡株式会社)を貼付した。
超音波加工工程(S2)において、超音波加工に用いた金型(32)は、アルミ合金製(JIS A 7075)であり、凹形状の第1の領域(32A)と凸形状の第2の領域(32B)の高低差は200μmのものを用いた。金型(32)のデザインは図26に示す、開口部(11)及び開口部(11)によって囲まれる基材(2’)の形状に対応したものを用いた。そして、超音波加工機(日本アビオニクス株式会社製 W5080 スタンプ式)を用いて、加工条件を圧力0.3MPa、加工時間0.3秒、振幅30μmとして超音波加工を行って、図26に示す形状の窓(10)を備えた実施例3の偽造防止媒体(1)を作製した。実施例3のように、開口部(11−1、11−2)及びそれによって囲まれた基材(2’−1、2’−2)が、複雑な配置で構成した場合においても、超音波加工を行うことで、容易に窓(10)の形成ができた。
1 窓を有する偽造防止媒体、偽造防止媒体
2 基材
2’開口部によって囲まれた基材
10 窓
11 開口部
12 積層フィルム
13 熱可塑性樹脂層
20 輪郭部
21 輪郭要素
30 超音波加工機
31 ホーン
32 金型
32A 第1の領域
32B 第2の領域
33 アンビル
34 台座
S 繊維の密度が高い領域

Claims (3)

  1. 基材に、少なくとも一つの開口部を備え、前記開口部が、積層フィルムによって覆われるか又は透明材料によって充填されて成る窓が形成され、前記開口部は、前記基材の一部を囲む形状で形成されるか又は前記基材と異なる基材を囲んで形成されたことを特徴とする窓を有する偽造防止媒体。
  2. 前記開口部によって囲まれた基材の輪郭の少なくとも一部に沿って、輪郭要素を備えた輪郭部が形成され、前記輪郭要素は、印刷材料による構成、周囲の前記基材と厚さが異なる構成又は金属箔から成る構成のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の窓を有する偽造防止媒体。
  3. 前記輪郭要素が前記印刷材料によって構成される場合であって、前記輪郭要素は、i)前記開口部によって囲まれた基材と異なる色の印刷材料によって形成、又は、ii)前記開口部によって囲まれた基材と同じ色又は異なる色の印刷材料によって盛り上がって形成、又は、iii)透かしインキによって形成されたことを特徴とする請求項2記載の窓を有する偽造防止媒体。
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