以下、選択された実施形態を図面を参照して説明する。実施形態の以下の説明は、説明のためのみに提供され、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明を限定する目的ではないことは、この開示から当業者には明らかであろう。図における同様の参照番号は、同様のまたは同一の要素または特徴を示しており、従って、類似または同一の要素または特徴の説明は、後の実施形態では省略する場合がある。
まず図1を参照すると、一実施形態によるギヤシフト制御によって操作されるように構成された車両10が示されている。図示の実施形態では、車両10のギヤシフト制御は、車両10の将来走行状態を用いて行われる。
図1に示すように、車両10は、自動二輪車またはスポーツバイクとして示される車輪付き車体11を有する。ただし、車輪付き車体11は、他のストリート型すなわちオンロード型の自動二輪車であってもよい。また、車輪付き車体11は、オンロード型の自動二輪車に限定されず、例えば、いわゆるスクータ型、原付、オフロード型などであってもよい。また、車輪付き車体11は、自動二輪車に限らず、ATV(オール・テレイン・ビークル)や四輪バギーなどのようにドライバー(ライダー)が跨って乗車する、その他の鞍乗型車両であってもよいし、他の任意のタイプの自動車であってもよい。
以下の説明において、「前」および「前方」とは、ドライバーがシートに着座したときにまっすぐに見る方向をいう。また、以下の説明において、「後」、「後方」および「後部」とは、前または前方と反対の方向をいう。また、また、「左」とは、ドライバーが座席に座って前をまっすぐ見たときにドライバーの左側に向かう方向をいう。さらに、「右」とは、左方向とは反対の方向をいう。
図1に示すように、車輪付き車体11は、基本的に、本体12と、駆動ユニット14と、前輪16と、後輪18とを備える。本体12は、本体フレーム22とスイングアーム24とを有する。本体フレーム22は、車輪付き車体11の骨格を構成し、従来の態様で駆動ユニット14を搭載する。また、本体フレーム22の前端部には、ヘッドチューブ26が設けられている。ヘッドチューブ26は、ステアリングシャフト28を枢動自在に支持している。車輪付き車体11はまた、ステアリングシャフト28の上端に連結されたハンドル30と、ステアリングシャフト28の下端に連結されたフロントフォーク32とを備える。ハンドル30は、右のハンドルスロットルグリップまたはアクセル31(図2)、ブレーキレバー33(図2)およびクラッチレバー35を有する。アクセル31は、内燃エンジン36(図2)のスロットルを制御するように回転可能である。ブレーキレバー33は、アクセル31に近いハンドル30の右側部分に枢動自在に連結され、フロントブレーキ16aを作動させ、前輪16に制動力を作用させる。クラッチレバー35は、クラッチ38(図2)の係合容量を調整するためにハンドル30の左側部分に枢動自在に連結されている。フロントフォーク32は、前輪16を回転可能に支持している。スイングアーム24は、本体フレーム22の後端に回動自在に連結されている。スイングアーム24は後輪18を後端部で枢動自在に支持している。図示の実施形態では、前輪16は、車両10のステアリング可能な車輪(例えば、単一のステアリング可能な前輪)であり、後輪18は、駆動ユニット14によって駆動される車両10の駆動車輪である。また、車輪付き車体11は、燃料タンク34とシート48とを備える。燃料タンク34は、本体フレーム22に設けられている。シート48は、燃料タンク34の後方において本体フレーム22に配置されている。シート48は、ドライバーが跨るシートである。車輪付き車体11はさらに、ブレーキペダル37(図2)およびシフトペダル39を含む。ブレーキペダル37は、本体12の右下部において本体12に枢動可能に連結されている。ブレーキペダル37は後輪ブレーキ18aを作動させて後輪18に制動力を作用させる。シフトペダル39は、本体12の左下部において本体12に枢動可能に連結されている。シフトペダル39は、変速機構40のギヤ段をシフトさせるために、変速機構40(図2)を作動させる。車輪付き車体11は、自動二輪車または自動車に典型的に設けられる他の多くの従来の車両構成要素をさらに含む。しかし、簡潔にするため、本明細書では本発明の理解に必要な車両構成要素のみを例示および/または記載する。
図2に示すように、駆動ユニット14は、基本的に、エンジン36、クラッチ38、および複数の(図示の実施形態では6つの)ギヤ段を備えた変速機構40(例えば、トランスミッション)を含む。図示の実施形態では、エンジン36、クラッチ38、および変速機構40は、クランクケース内に一体に組み立てられている。変速機構40は、クラッチ38を介してエンジンクランクシャフト42に連結され、エンジン36の駆動力を受け取り、その駆動力を駆動チェーン44(図1)を介して後輪18に伝達する。具体的には、エンジン36のクランクシャフト42は、クランクシャフトギヤ42aを有する。クランクシャフトギヤ42aは、クラッチ38のクラッチハウジング38bと一体に設けられた駆動ギヤ38aに噛み合う。図示の実施形態では、クラッチ38は、クラッチ38が係合状態にあるときにエンジン36からの駆動力を変速機構40に伝達し、クラッチ38が非係合状態にあるときに駆動力が変速機構40に伝達されないようにする多板摩擦クラッチを含む。車輪付き車体11はさらに、クラッチ38を作動させて係合状態と非係合状態とを切り替えるクラッチアクチュエータ46を含む。図示の実施形態では、クラッチアクチュエータ46は、サーボモータを含む。ただし、クラッチアクチュエータ46は、必要および/または所望に応じて、自動二輪車または自動車に従来から使用されている油圧アクチュエータなどの他のタイプのクラッチアクチュエータであってもよい。
変速機構40は、複数の入力軸ギヤ50aを有する入力軸50と、複数の出力軸ギヤ52aおよび駆動スプロケット52bを有する出力軸52とを備える。出力軸ギヤ52aはそれぞれ、入力軸ギヤ50aに選択的に噛み合う。具体的には、本実施形態では、変速機構40は、入力軸ギヤ50aと出力軸ギヤ52aとの各ギヤ対を常に噛合させた常時噛合型の変速機を備える。これらのギヤ対は、それぞれ異なるギヤ比を提供する複数のギヤ段を形成し、ギヤ対のうちの1対だけが選択的に係止位置に置かれ、その位置は、その1対が入力軸50の回転を出力軸52に伝達できる場所である。具体的には、変速機構40は、複数(図示例では3つ)の溝54aと複数(図示例では3つ)のシフトフォーク56とを有するシフトドラム54をさらに含む。シフトフォーク56の端部は、シフトドラム54が回転するにつれて、溝54aが特定のシフトフォーク56を入力軸50および出力軸52に平行な方向にシフトさせるように、溝54a内に乗る。またこれにより、その特定のシフトフォーク56に連結された、特定の入力軸ギヤ50aを入力軸50に沿って、又は特定の出力軸ギヤ52aを出力軸52に沿ってスライドさせて、ギヤ対の1対を係止位置に配する。ギヤ対の一対が係止位置に配されると、その1対に対応するギヤ比で、入力軸50の回転が出力軸52に伝達される。駆動スプロケット52bは、出力軸52の一端に固着され、出力軸52の回転が駆動チェーン44を介して後輪18に伝達される。
図示の実施形態では、車輪付き車体11はさらに、シフトドラム54を所定の角度を回転させて変速機構40のギヤ段をシフトさせるシフトアクチュエータ58を含む。図示の実施形態では、シフトアクチュエータ58はサーボモータを含む。ただし、シフトアクチュエータ58は、必要および/または所望に応じて、自動二輪車または自動車に従来から使用されている油圧アクチュエータなどの他のタイプのシフトアクチュエータであってもよい。
図示の実施形態では、駆動ユニット14は、自動二輪車または自動車の駆動ユニットに典型的に設けられる他の多くの従来の車両構成要素をさらに含むことができる。しかし、駆動ユニット14の構成は比較的従来のものであるので、簡潔にするために詳細には説明しない。また、駆動ユニット14は、必要および/または所望に応じて、自動二輪車または自動車に従来から使用されている他のタイプの駆動ユニットであってもよい。
図2をさらに参照すると、車輪付き車体11は、車輪付き車体11の各部を制御する電子制御装置としての車両ECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)60を備える。具体的には、車両ECU60は、当該技術において理解されるように、車輪付き車体11を制御するための一以上の制御プログラムを実行する一以上のプロセッサを有するマイクロコンピュータを備える。また、車両ECU60は、入力インタフェース回路、出力インタフェース回路、ROM(Read Only Memory)装置やRAM(Random Access Memory)装置などのデータ/プログラム記憶装置などの他の従来の構成要素を含むこともできる。RAMおよびROMは、車両ECU60のプロセッサによって実行される処理結果および制御プログラムを記憶する。車両ECU60は、従来通り、適宜、車輪付き車体11の構成要素に作動可能に接続されている。車両ECU60の正確な構造およびアルゴリズムは、本発明の機能を実行するハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせであり得ることは、この開示から当業者には明らかであろう。
図2に示すように、車両ECU60は、車両10の様々なパラメータを検出する様々なセンサに電気的に接続されている。特に、センサは、エンジン36の様々なパラメータを検出するセンサを含む。例えば、これらのセンサは、エンジン回転速度センサ62およびスロットル位置センサ64を含む。エンジン回転速度センサ62は、従来のようにクランクシャフト42の回転速度を検出するように配置されている。エンジン回転速度センサ62は、エンジン回転速度を示す信号を車両ECU60に出力する。スロットル位置センサ64は、従来のようにスロットルのスロットル開度を検出するように配置されている。スロットル位置センサ64は、スロットル開度を示す信号を車両ECU60に出力する。もちろん、センサは、エンジン36の温度を検出するための温度センサ、吸気圧を検出するための圧力センサ、排ガスに含まれる酸素を検出するためのO2センサなど、従来から自動二輪車や自動車に使用されている他のタイプのセンサを含むことができる。
さらに、車両ECU60は、車両10の各種動作パラメータを検出する各種センサに電気的に接続されている。これらのセンサは、例えば、車速センサ66、加速度センサ68、ジャイロスコープ70、クラッチレバー操作センサ72、シフトペダル操作センサ74、アクセル操作センサ76、クラッチアクチュエータセンサ78、シフトアクチュエータセンサ80、ステアリングセンサ82、ブレーキレバー操作センサ84、ブレーキペダル操作センサ86などを含む。車速センサ66は、従来のように車両10の現車速を検出するように配置されている。例えば、車速センサ66は、後輪18の回転速度を検出し、車両10の現車速を示す信号を出力する。加速度センサ68は、車両10の前後、上下、左右方向の加速度を検出するよう配置され、従来のように車両10の加速度を示す信号を車両ECU60に出力する。ジャイロスコープ70は、ピッチ、ロールおよびヨー方向の角速度を検出するように配置され、従来のように車両ECU60に角速度を示す信号を出力する。図示の実施形態では、加速度センサ68およびジャイロスコープ70は、IMU(慣性測定ユニット)など、1つのユニットとしてパッケージ化することもできる。この場合、IMUは、車両の傾き角(バンク角)および/または後輪スライドをさらに算出し、車両の傾き角および/または後輪スライドを示す出力信号を車両ECU60に出力することができる。クラッチレバー操作センサ72は、クラッチレバー35のレバー操作量を検出するように配置され、従来のようにレバー操作量を示す信号を車両ECU60に出力する。シフトペダル操作センサ74は、シフトペダル39のシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を検出するように配置され、従来のようにシフト操作を示す信号を車両ECU60に出力する。アクセル操作センサ76は、アクセル31の操作量を検出するように配置され、従来のようにアクセル31の操作量を示す信号を車両ECU60に出力する。クラッチアクチュエータセンサ78は、クラッチアクチュエータ46の駆動量(クラッチ位置)を検出するように配置され、クラッチアクチュエータ46の駆動量を示す信号を従来のように車両ECU60に出力する。シフトアクチュエータセンサ80は、シフトアクチュエータ58の駆動量または現在のシフト位置(現ギヤ段)を検出するように配置され、従来のようにそのシフトアクチュエータ58の駆動量または現在のシフト位置(現ギヤ段)を示す信号を車両ECU60に出力する。ステアリングセンサ82は、ハンドル30の操舵角を検出するように配置され、ハンドル30の操舵角を示す信号を車両ECU60に出力する。ブレーキレバー操作センサ84は、ブレーキレバー33のレバー操作量を検出するように配置され、従来のようにレバー操作量を示す信号を車両ECU60に出力する。ブレーキペダル操作センサ86は、ブレーキペダル37のペダル操作量を検出するように配置され、従来のようにペダル操作量を示す信号を車両ECU60に出力する。もちろん、センサは、必要および/または所望に応じて、自動二輪車または自動車に従来から使用されている任意の他のタイプのセンサを含むこともできる。図示の実施形態では、図2の車両ECU60に電気的に接続されたセンサは、以下、車輪付き車体11の「車体センサ90」と称する。もちろん、車体センサ90は、上述したセンサの全てを含む必要はなく、車両10のギヤシフト制御の必要および/または所望に応じてセンサの一部のみを含むことができる。
図2に示すように、車輪付き車体11は、ライド・バイ・ワイヤまたはスロットル・バイ・ワイヤシステムを有する。例えば、車両ECU60は、アクセル31の操作に応じたアクセル操作センサ76からのアクセル31の操作量を示す信号に応じて、エンジン36のスロットルを作動させて車輪付き車体11を加速または減速させる。また、車両ECU60は、クラッチレバー35の操作に応じたクラッチレバー操作センサ72からのクラッチレバー35のレバー操作量を示す信号に応じて、クラッチアクチュエータ46を作動させてクラッチ38を作動させる。また、車両ECU60は、シフトペダル39の操作に応じたシフトペダル操作センサ74からのシフトペダル39のシフト操作を示す信号に応じて、シフトアクチュエータ58を作動させて変速機構40のギヤ段をシフトさせる。
図示の実施形態では、車輪付き車体11は、「手動変速モード」、「自動変速モード」および「自動化変速モード」の間で動作モードを切り替えるように構成することができる。手動変速モードでは、クラッチレバー35およびシフトペダル39の物理的操作に応じて、クラッチアクチュエータ46およびシフトアクチュエータ58が駆動される。自動変速モードでは、クラッチレバー35およびシフトペダル39の物理的な操作なしに車両ECU60からの作動信号に基づいてクラッチアクチュエータ46およびシフトアクチュエータ58が駆動される。自動化変速モードでは、シフトペダル39の物理的操作に応じてシフトアクチュエータ58が駆動され、クラッチレバー35が物理的に操作されることなく車両ECU60からの作動信号に基づいてクラッチアクチュエータ46が駆動される。もちろん、車輪付き車体11の構成はこれに限定されるものではない。車輪付き車体11は、従来のようにクラッチレバー35の物理的操作に応じてクラッチ38を機械的に操作するように構成することができる。また、車輪付き車体11は、シフトペダル39の物理的操作に応じてシフトドラム54を機械的に作動させるように構成できる。
ここで図3を参照すると、車両10は、外部車両アクチュエータ100をさらに含む。図3に示すように、外部車両アクチュエータ100は、人間のドライバー(ライダー)に似ているヒューマノイドすなわち擬人化ロボットとして形成される。外部車両アクチュエータ100は、車輪付き車体11をほとんど、または全く変更せずに、車輪付き車体11の外側に取り付けられる。外部車両アクチュエータ100は、ハンドル30、アクセル31、ブレーキレバー33、クラッチレバー35、ブレーキペダル37、シフトペダル39などの車輪付き車体11の各部を物理的に作動させて、車両10を自律走行させる。これにより、車両10は、自律走行モードと手動走行モードとの間で運転モードを切り替えて利用することができる。自律走行モードでは、外部車両アクチュエータ100が車輪付き車体11に取り付けられ、車両10を自律走行させる。手動運転モードでは、外部車両アクチュエータ100が車輪付き車体11から取り外され、人間の運転手が車両10を手動で運転する。
具体的には、図3および図4に示すように、外部車両アクチュエータ100は、ステアリングアクチュエータ112と、アクセルアクチュエータ114と、ブレーキレバーアクチュエータ116と、クラッチレバーアクチュエータ118と、ブレーキペダルアクチュエータ120と、シフトペダルアクチュエータ122とを含む。図示の実施形態では、これらのアクチュエータは、外部車両アクチュエータ100の単一の本体102上に配置されている。これらのアクチュエータは、自動二輪車または自動車の技術分野において理解される従来の方法で、車輪付き車体11のハンドル30、アクセル31、ブレーキレバー33、クラッチレバー35、ブレーキペダル37、シフトペダル39を作動させるようにさらに構成および配置される。
特に、ステアリングアクチュエータ112は、サーボモータを含み、ハンドル30を操舵するように配置される。具体的には、ステアリングアクチュエータ112は、本体102の内部に取り付けられている。ステアリングアクチュエータ112は、本体102の左右のアーム部分を介してハンドル30に機械的に連結され、ハンドル30を従来の方法で操縦する。アクセルアクチュエータ114は、サーボモータを含み、アクセル31をハンドル30に対して回転させるように配置されている。具体的には、アクセルアクチュエータ114は、本体102の右側部分に配置され、アクセル31に機械的に連結されて、従来の方法でアクセル31を回転させる。ブレーキレバーアクチュエータ116は、サーボモータを含み、ブレーキレバー33を把持または操作するように配置されている。具体的には、ブレーキレバーアクチュエータ116は、本体102の右側部分に配置され、ブレーキレバー33に機械的に連結されて従来の方法でブレーキレバー33を操作する。クラッチレバーアクチュエータ118は、サーボモータを含み、クラッチレバー35を把持または操作するように取り付けられている。具体的には、クラッチレバーアクチュエータ118は、本体102の左側部分に配置され、クラッチレバー35に機械的に連結され、従来の方法でクラッチレバー35を操作する。ブレーキペダルアクチュエータ120は、サーボモータを含み、ブレーキペダル37を操作するように配置されている。具体的には、ブレーキペダルアクチュエータ120は、本体102の右足部に配置され、ブレーキペダル37に機械的に連結されて従来の方法でブレーキペダル37を操作する。シフトペダルアクチュエータ122は、サーボモータを含み、シフトペダル39を操作するように配置さられている。具体的には、シフトペダルアクチュエータ122は、本体102の左足部に配置され、シフトペダル39に機械的に連結されて従来の方法でシフトペダル39を操作する。図示の実施形態では、これらのアクチュエータは、外部車両アクチュエータ100の単一の本体102上に配置されている。しかし、これらのアクチュエータは、単一の本体を有することなく、独立して車両10の本体12に取り付けることができる。また、これらのアクチュエータの配置や構成はこれに限定されるものではない。これらのアクチュエータの配置や構成は、これらのアクチュエータが連結された車輪付き車体11の各部の配置や構成に応じて採用することができる。
図4に示すように、外部車両アクチュエータ100は、外部車両アクチュエータ100の各部を制御する電子制御装置としての外部ECU(Electronic Control Unit)132を備えている。具体的には、外部ECU132は、当該技術分野において理解されるように、外部車両アクチュエータ100を制御するための1つ以上の制御プログラムを実行する1つ以上のプロセッサを有するマイクロコンピュータを含む。外部ECU132は、入力インタフェース回路、出力インタフェース回路、ROM(Read Only Memory)デバイス、RAM(Random Access Memory)デバイスなどのデータ/プログラム記憶デバイスなどの他の従来の構成部材を含むこともできる。RAMおよびROMは、外部ECU132のプロセッサによって実行される処理結果および制御プログラムを記憶する。外部ECU132は、従来のように、適宜、外部車両アクチュエータ100の構成要素に動作可能に接続される。外部ECU132の正確な構造およびアルゴリズムは、本発明の機能を実行するハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせであり得ることは、本開示から当業者には明らかであろう。
図4に示すように、外部ECU132は、外部車両アクチュエータ100の様々なパラメータを検出する種々のセンサに電気的に接続されている。例えば、これらのセンサは、GPS/IMU134およびカメラ136を含む。GPS/IMU134は、外部車両アクチュエータ100の本体102に配置されている。GPS/IMU134は、基本的に車両10の現車両位置を検出する。GPS/IMU134は、衛星からの衛星信号を受信し、IMUデータを用いてGPSデータを補正し、車両10の現車両位置を出力する。もちろん、GPS/IMU134は、外部車両アクチュエータ100の加速度および/または角速度(すなわち、車両10の加速度および/または角速度)も出力することができる。GPS/IMU134は、現車両位置を検出する異なるタイプのセンサとすることができる。例えば、現在の車両位置は、例えばGLONASS、GalileoおよびBeiDouなど、GPS以外の衛星ベースの測位システム(全地球測位衛星システム、GNSS)から導き出すことができる。
カメラ136は、外部車両アクチュエータ100の本体102に配置されている。カメラ136は、車両10の周囲の走行環境を光学的に検出する。もちろん、車両10の周囲の走行環境は、LIDAR(Light Detection and Ranging)、RADAR(Radio Detecting and Ranging)などの他のタイプのセンサによっても検出することができる。図示の実施形態では、カメラ136は、車両10の周囲の走行環境の画像を撮影する。外部ECU132は、走行環境の画像を処理して、従来の方法で道路情報および交通情報などを検出する。道路情報は、道路勾配/キャンバー/バンク、隆起、マンホール、路面状態などの情報を含む。交通情報は、交通信号、交通標識(例えば、速度制限標識、停止標識など)、車両10周辺の歩行者、および車両10周辺の車両などに関する情報を含む。
図4に示すように、外部ECU132は、送受信機138にも電気的に接続されている。送受信機138は、地上局と無線通信して動作コマンドを受信する。送受信機138は、クラウドサーバやデータベースにアクセスするために外部サーバと通信するように構成することもできる。
図4に示すように、外部ECU132は、車輪付き車体11の車両ECU60にも電気的に接続されている。外部ECU132は、CAN(Controller Area Network)などの車両バスを介して車両ECU60に相互に接続されている。これにより、外部ECU132は、車体センサ90(図2)が車両ECU60から取得した現在の車両走行状態を取得する。
また、図4に示すように、外部車両アクチュエータ100は、データ記憶装置140を含む。データ記憶装置140は、外部ECU132が取得したデータを記憶する。具体的には、データ記憶装置140は、車両ECU60、GPS/IMU134、カメラ136、送受信機138などから取得したデータを記憶する。もちろん、データ記憶装置140は、予め記憶された地図データなどの他の種類の所定のデータを記憶することができる。図示の実施形態では、データ記憶装置140は、外部車両アクチュエータ100の本体102の内部に配置される。ただし、データ記憶装置140の位置はこれに限定されない。データ記憶装置140を、車輪付き車体11の本体12に配置することができる。
図示の実施形態では、外部ECU132は、車両10のギヤシフト制御を実行する。車両10のギヤシフト制御は、車両10の自律的な制御、例えば経路追従制御の間に行われる。
経路追従制御では、車両10は、例えば、所定の目標速度プロファイルを用いて、所定の目標経路に沿ったクローズドコースまたはオープンコースで自律的に走行する。所定の目標経路と所定の目標速度プロファイルは予め設定されており、例えばデータ記憶装置140に予め記憶されている。所定の目標経路は、一連の目標車両位置データを含む。目標車両位置データは、車両10の目標車両位置を示す。所定の目標速度プロファイルは、一連の車速データを含む。車速データは、所定の目標経路に沿った車両位置に関連する目標車速を示す。もちろん、所定の目標経路および所定の目標速度プロファイルは、従来のナビゲーションシステムで使用される従来の方法で、データ記憶装置140に記憶された2Dまたは3Dの地図データを使用して外部ECU132によって計算することができる。
図4に示すように、外部ECU132は、基本的に、メイン制御モジュール150と、ギヤシフト制御モジュール152と、速度制御モジュール154と、ステアリング制御モジュール156と、現在走行状態認識モジュール158と、将来走行状態認識モジュール160とを含む。メイン制御モジュール150は、車両10の経路追従制御を実行する。具体的には、メイン制御モジュール150は、車両10が所定の目標速度プロファイルを用いて所定の目標経路を自律走行するように車両10を制御する。具体的には、メイン制御モジュール150は、現在走行状態認識モジュール158から取得した現在走行状態データと、将来走行状態認識モジュール160から取得した将来走行状態データとに基づいて、ギヤシフト制御モジュール152、速度制御モジュール154、およびステアリング制御モジュール156を制御する。
車両10の経路追従制御においては、メイン制御モジュール150はまた、ギヤシフト制御モジュール152、速度制御モジュール154、およびステアリング制御モジュール156を介して車両10のギヤシフト制御、速度制御、およびステアリング制御をそれぞれ実行する。
ギヤシフト制御では、メイン制御モジュール150は、ギヤシフト制御モジュール152に、シフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を示すシフト動作信号を出力する。これに応答して、ギヤシフト制御モジュール152は、シフトペダルアクチュエータ122に制御信号を出力して、車輪付き車体11のシフトペダル39を物理的に操作してシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を行う。また、ギヤシフト制御モジュール152は、クラッチレバーアクチュエータ118にクラッチ動作信号を出力し、アクセルアクチュエータ114にアクセル動作信号を出力して、車輪付き車体11のクラッチレバー35およびアクセル31を物理的に操作してシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を行う。
本実施形態では、外部車両アクチュエータ100は、シフトペダルアクチュエータ122、クラッチレバーアクチュエータ118およびアクセルアクチュエータ114を用いて、車輪付き車体11のシフトペダル39、クラッチレバー35およびアクセル31を物理的に操作してギヤシフト制御を実行する。すなわち、本実施形態では、外部車両アクチュエータ100は、「手動変速モード」で本実施形態によるギヤシフト制御を実行することができる。一方、外部車両アクチュエータ100は、「自動変速モード」または「自動化変速モード」において、本実施形態によるギヤシフト制御をさらに実行することができることはもちろんである。具体的には、外部ECU132を、シフトアクチュエータ58、クラッチアクチュエータ46、およびエンジン36にシフト動作信号、クラッチ動作信号およびアクセル動作信号を(車両ECU60を介して)直接または間接的にそれぞれ出力して、自動変速モードでシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を行うように構成することができる。また、外部ECU132を、シフトペダルアクチュエータ122に制御信号を出力して、シフトペダル39を物理的に操作するとともに、クラッチ動作信号およびアクセル動作信号を直接または間接的に(車両ECU60を介して)クラッチアクチュエータ46およびエンジン36にそれぞれ出力して、自動化変速モードでシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を実行するように構成することができる。さらに、外部ECU132は、シフトペダルアクチュエータ122に制御信号を出力して、シフトペダル39を物理的に操作するように構成するだけでもよい。この場合、車両ECU60を、シフトペダル39のシフト操作を検出したことに応じたシフトペダル39のシフト操作に応じてクラッチアクチュエータ46およびエンジン36を自動的に作動させるように構成することもできる。
速度制御において、メイン制御モジュール150は、車両10の現在の目標速度を示す目標速度信号を速度制御モジュール154に出力する。これに応答して、速度制御モジュール154は、アクセルアクチュエータ114、ブレーキレバーアクチュエータ116、およびブレーキペダルアクチュエータ120に制御信号を出力して、アクセル31、ブレーキレバー33およびブレーキペダル37を物理的に操作して現在の目標速度を達成する(すなわち、現在の目標速度を達成するために車両10を加速または減速させる)。また、ステアリング制御においては、メイン制御モジュール150は、車両10のハンドル30に加えられた現在の目標ステアリングトルクを示す目標ステアリング信号をステアリング制御モジュール156に出力する。ステアリング制御モジュール156は、ステアリングアクチュエータ112に制御信号を出力し、現在の目標ステアリングトルクを達成するために車両10のハンドル30を物理的に操作する。
次に図5を参照して、車両10のギヤシフト制御についてさらに詳細に説明する。図5は、車両10のギヤシフト制御のデータフローを示す。図5に示すように、ギヤシフト制御では、外部ECU132は、基本的に車両10の走行状態(認識処理P1~P4)を認識し、シフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を決定し(ギヤシフト判断処理P5)、車両10のシフト操作を行う(ギヤシフト操作処理P6)。
具体的には、図5に示すように、外部ECU132の現在走行状態認識モジュール158は、現在走行状態データソース(認識処理P1)から提供される現在走行状態データ(認識処理P2)を取得する。
図示の実施形態では、現在走行状態データソースは、例えば(CS1)センサを含むことができる。
具体的には、図示の実施形態では、現在走行状態データソース(CS1)のセンサは、例えば車体センサ90(図2)およびGPS/IMU134を含む。図示の実施形態では、現在走行状態データソース(CS1)から提供される現在走行状態データがデータ記憶装置140に記憶される。
外部ECU132の現在走行状態認識モジュール158は、現在走行状態データをデータ記憶装置140から取得する(認識処理P2)。図5に示すように、現在走行状態認識モジュール158によって取得された現在走行状態データは、例えば以下のうちの1つ以上を含むことができる。
(C1)現車両位置
(C2)現車速
(C3)加減速
(C4)スロットル開度
(C5)エンジンの回転速度
(C6)車両の傾斜角
(C7)現ギヤ段
現在走行状態データ(C1)〜(C7)は、例えば車体センサ90を用いて取得される。もちろん、現在走行状態認識モジュール158は、上記の現在走行状態データ(C1)〜(C7)の全てを取得する必要はない。現在走行状態認識モジュール158は、ギヤシフト制御の必要および/または所望に応じて、上記の現在走行状態データ(C1)〜(C7)の1つまたは複数を得ることができる。また、現在走行状態認識モジュール158は、必要および/または所望に応じて他の現在走行状態データを得ることができる。また、本実施形態では、車体センサ90を用いて現在走行状態データ(C1)〜(C7)を取得する必要はなく、外部車両アクチュエータ100の本体102に設けられたセンサによって取得することができる。具体的には、図示の実施形態では、GPS/IMU134を使用して、現車両位置、現車速、加減速および/または車両の傾斜角を取得することもできる。これにより、車体センサ90を用いて取得された現車両位置、現車速、加減速および/または車両の傾斜角を、GPS/IMU134を使用して取得された現車両位置、現車速、加減速および/または車両の傾斜角を使用して、またこの逆も行って補足し合い、データの精度を向上させることができる。さらに、現車両位置は、経度/緯度、東(m)/北(m)などのグローバル座標系、またはローカル座標系に基づくことができる。
一方、図5に示すように、外部ECU132の将来走行状態認識モジュール160は、1つ以上の将来走行状態データソース(認識処理P3)から提供される将来走行状態データ(認識処理P4)を取得する。
図示の実施形態では、将来走行状態データソースは、例えば、以下のうちの1つ以上を含むことができる。
(FS1)内部データ記憶装置
(FS2)センサ
(FS3)外部データ記憶装置
具体的には、将来走行状態データソース(FS1)の内部データ記憶装置は、データ記憶装置140などの、外部車両アクチュエータ100に提供されるデータ記憶装置を含む。将来走行状態データソース(FS2)のセンサは、例えば、車体センサ90(図2)、GPS/IMU134およびカメラ136を含む。将来走行状態データソース(FS3)の外部データ記憶装置は、データベースまたはクラウドなどの、車両10の外部にある外部データ記憶装置を含む。
図5に示すように、将来走行状態データソース(FS1)の内部データ記憶装置は、規定の車両走行状態データを提供する。規定の車両走行状態データには、所定の目標速度プロファイルや規定の道路情報など、予め記憶された所定のガイダンスが含まれる。具体的には、図示の実施形態では、道路情報には、道路勾配/キャンバー/バンク、隆起、マンホールなどに関する情報が含まれる。図示の実施形態では、所定の目標速度プロファイルがデータ記憶装置140に予め記憶されている。図示の実施形態では、所定の目標速度プロファイルは、所定の目標経路に対する複数の異なる速度プロファイルを含むことができ、この異なる速度プロファイルは、外部コマンドを使用して所定の目標経路に沿って移動する間に選択的に切り替えることができる。この規定の車両走行状態データにより、遠い将来および近い将来における車両10の将来走行状態を、特にクローズドコースを走行中に、高い確率で推定することができる。もちろん、規定の車両走行状態データは、上記データに限定されず、必要および/または所望に応じて、上述したデータの全てを含む必要はない。
図5に示すように、将来走行状態データソース(FS2)のセンサは、検知された車両走行状態データを提供する。検知された車両走行状態データは、例えば、車体センサ90(図2)、GPS/IMU134、およびカメラ136によって検知された検知データを含む。図示の実施形態では、例えば、カメラ136によって撮影された画像に基づいて、検知された車両走行状態データが取得される。この場合、検知された車両走行状態データには、道路情報や交通情報などが含まれる。道路情報は、道路勾配/キャンバー/バンク、隆起、マンホール、路面状態などに関する情報を含むことができる。交通情報は、交通信号、交通標識(例えば、速度制限標識、停止標識など)、車両10の周囲の歩行者、車両10の周囲の車両などに関する情報を含むことができる。この検知された車両走行状態データにより、クローズドコースやオープンコースを走行中に、近い将来における車両10の将来走行状態を高い確率で推定することができる。もちろん、検知された車両走行状態データは、上記データに限定されず、必要および/または所望に応じて、上述した全てのデータを含む必要はない。
図5に示すように、将来走行状態データ(FS3)の外部データ記憶装置は、送信された車両走行状態データを提供する。送信された車両走行状態データは、例えば、送受信機138を介して外部のデータベースやクラウドから送受信されるデータを含む。図示の実施形態では、送信された車両走行状態データは、例えば、交通情報を含む。交通情報は、交通信号、交通標識(例えば、速度制限標識、停止標識など)、交通の流れ(または交通渋滞)などに関する情報を含むことができる。この交通情報は、ナビゲーションシステムで使用される従来の方法で得ることができる。送信された車両走行状態データは、道路情報を含むこともできる。道路情報は、道路勾配/キャンバー/バンク、隆起、マンホール、路面状態、3Dマップに基づく道路標高などの情報を含むことができる。送信された車両走行状態データには、気象情報、温度情報、摩擦係数情報なども含むことができる。また、送信された車両走行状態データは、例えば、地上局から送信され、送受信機138を介して受信された動作指令を含むことができる。具体的には、地上局の操作者は、地上局を操作して、外部車両アクチュエータ100を用いて車両10を操作するための操作コマンドを送信することができる。例えば、操作指令には、車速や車両の加減速などを変更するためのコマンドを含めることができる。さらに、操作コマンドは、走行中に所定の目標速度プロファイルの異なる速度プロファイルを選択的に切り替えるためのコマンドを含むことができる。この場合、コマンドは、車両10の走行に対する積極性を示して、異なる積極性にそれぞれ対応する速度プロファイルを切り替えることができる。この送信された車両走行状態データにより、クローズドコースまたはオープンコースを走行している間の、遠い将来および近い将来の双方における車両10の将来走行状態を高い確率で推定することができる。もちろん、送信された車両走行状態データは、上記データに限らず、必要および/または所望に応じて、上述したデータの全てを含む必要はない。
データ記憶装置140は、上記将来走行状態データソース(FS1)〜 (FS3)の一以上から提供される将来走行状態データ(例えば、規定の車両走行状態データ、検知された走行状態データおよび送信された走行状態データの一以上)を記憶する。そして、外部ECU132の将来走行状態認識モジュール160は、データ記憶装置140から将来走行状態データを取得する(認識処理P4)。もちろん、将来走行状態認識モジュール160は、上記の全ての将来走行状態データソース(FS1)〜(FS3)から将来走行状態データを取得する必要はない。将来走行状態認識モジュール160は、ギヤシフト制御の必要および/または所望に応じて、上記の1つ以上の将来走行状態データソース(FS1)〜(FS3)から将来走行状態データを得ることができる。また、将来走行状態認識モジュール160は、必要および/または所望に応じて、他の将来走行状態データソースから将来走行状態データを取得することができる。
図示の実施形態では、図5に示すように、将来走行状態認識モジュール160によって取得される将来走行状態データは、例えば、以下の1つまたは複数を含むことができる。
(F1)将来車速
(F2)将来の道路斜面/キャンバー/バンク
(F3)将来路面状態
具体的には、図示の実施形態では、走行状態データは、少なくとも車両10の将来車速を含むことができ、例えば将来の道路勾配/キャンバー/バンクおよび/または将来路面状態を追加的かつ任意に含むことができる。つまり、将来走行状態認識モジュール160は、ギヤシフト制御の必要および/または所望に応じて、将来走行状態データ(F1)、あるいは、将来走行状態データ(F1)と上記走行状態データ(F2)および(F3)の一方または両方とを取得することができる。また、将来走行状態認識モジュール160は、必要および/または所望に応じて、他の将来走行状態データを取得することができる。
図示の実施形態では、将来走行状態データソース(FS1)〜(FS3)のうちの1つ以上からの様々なデータに基づいて、将来走行状態データ(F1)の将来車速を決定することができる。基本的には、将来走行状態認識モジュール160は、データ記憶装置140に記憶された所定の目標速度プロファイル(将来走行状態データソース(FS1))に基づいて将来車速を取得することができる。しかし、将来走行状態認識モジュール160は、将来走行状態データソース(FS1)〜(FS3)から得られる他のデータに基づいて、所定の目標速度プロファイルから得られる将来車速を更新することもできる。例えば、将来走行状態認識モジュール160は、1つ以上の将来走行状態データソース(FS1)〜(FS3)から得られる、道路情報、交通情報、気象情報、温度情報、摩擦係数情報に基づいて、所定の目標速度プロファイルから得られる将来車速を更新することができる。さらに、将来走行状態データ(F1)の将来車速は、所定の目標速度プロファイルなしに現在走行状態データを用いて算出することができる。例えば、現車両位置、現車速、加減速などを用いて将来車速を算出することができる。本実施形態では、将来車速自体を考慮して、将来走行状態データ(F1)の将来車速をギヤシフト制御に利用することができる。もちろん、ギヤシフト制御は、駆動トルクの推定値、エンジン回転速度の推定値、スロットル開度の推定値など、他の将来車両走行状態の将来車速を考慮して行うことができる。これにより、将来車両走行状態を考慮して不要なギヤシフトを回避することができる。
また、本実施形態では、将来走行状態データ(F2)の将来道路勾配は、将来車両位置における車両10の進行方向の道路勾配を示すデータである。図示の実施形態では、将来道路勾配を考慮したギヤシフト制御を実行することができる。例えば、将来走行状態データ(F2)の将来の道路勾配に基づいて下り坂が判定された場合、効率的なエンジンブレーキ(ギヤダウンシフトなど)のために適切なギヤ段を選択するギヤシフト制御を行い、頻繁なブレーキ操作を回避することができる。また、将来走行状態データ(F2)の将来道路勾配に基づいて上り坂が判定された場合、目標の車速で坂を上るのに十分な駆動トルクを得られる適切なギヤ段(ギヤダウンシフトなど)を選択するギヤシフト制御を実行することができる。また、本実施形態では、将来走行状態データ(F2)の将来道路のキャンバーは、車両10の横方向における道路頂部と縁石と間の道路勾配を示すデータである。図示の実施形態では、将来道路キャンバーを考慮したギヤシフト制御を実行することができる。例えば、将来道路キャンバーを考慮すると、特に自動二輪車のような車両を傾ける場合、ギヤシフト制御中の車両10の操縦性はさらに改善され得る。また、本実施形態では、将来走行状態データ(F2)の将来道路のバンクは、車両10の横方向における道路勾配全体を示すデータである。図示の実施形態では、将来道路のバンクを考慮してギヤシフト制御を実行することができる。例えば、将来道路のバンクを考慮すると、特に自動二輪車などの車両を傾ける場合、ギヤシフト制御中の車両10の操縦性はさらに改善され得る。
また、本実施形態では、将来走行状態データ(F3)の将来路面状態は、路面の凹凸、隆起、滑りやすさを示すデータである。図示の実施形態では、将来路面状態を考慮してギヤシフト制御を実行することができる。例えば、将来路面状態を考慮すると、特に自動二輪車などの車両の場合、ギヤシフト制御中の車両10の操縦性はさらに改善され得る。
図5を参照すると、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、車両10のシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を決定する(ギヤシフト判断処理P5)。具体的には、メイン制御モジュール150は、現在走行状態認識モジュール158からの現在走行状態データ(認識処理P1、P2により取得されたもの)と、将来走行状態認識モジュール160からの将来走行状態データ(認識処理P3、P4によって得られたもの)とに基づいて、シフト操作を決定する。
ここで、図6〜図8を参照して、メイン制御モジュール150によって実行されるギヤシフト判断処理P5について詳細に説明する。図示の実施形態では、メイン制御モジュール150は、シフト操作を決定するための将来走行状態データとして、将来走行状態データソース(FS1)のデータ記憶装置140から取得した将来走行状態データ(F1)の将来車速を利用して、ギヤシフト判断処理P5を実行する。
図6に示すように、メイン制御モジュール150は、車両10の走行中に所定の間隔でギヤシフト判断処理P5を繰り返し実行する。ステップS12において、メイン制御モジュール150は、車両10の加速度(現在走行状態データ(C3))に基づいて車両10が加速中であるか否かを判定する。メイン制御モジュール150は、車両10が加速中であると判定した場合(ステップS12でYes)、車両10の現ギヤ段(現在走行状態データ(C7))に基づいて現ギヤ段が最高ギヤ段であるか否かを判定する(ステップS14)。メイン制御モジュール150は、現ギヤ段が最高ギヤ段ではないと判定した場合(ステップS14でNo)、車両10の現車速(現在走行状態データ(C2))に基づいて、現車速が現ギヤ段の第1規定閾値を越えているか否かを判定する(ステップS16)。メイン制御モジュール150は、現車速が現ギヤ段の第1規定閾値を越えていると判定した場合(ステップS16でYes)、車両10の将来車速(将来走行状態データ(F1))に基づいて将来車速が現ギヤ段の第2規定閾値を越えているか否かを判定する(ステップS18)。メイン制御モジュール150は、現ギヤ段で将来車速が第2規定閾値を越えていると判定した場合(ステップS18でYes)、ギヤアップシフトの実行を決定する(ステップS20)。
一方、メイン制御モジュール150が現ギヤ段が最高ギヤ段であると判定した場合(ステップS14でYes)、現車速が現ギヤ段の第1規定閾値を越えていない(ステップS16でNo)、または将来車速が現ギヤ段の第2規定閾値を越えていない場合(ステップS18でNo)、メイン制御モジュール150はギヤシフトを実行しないと決定する(ステップS30)。
さらに、メイン制御モジュール150は、車両10が加速中でないと判定した場合(ステップS12でNo)、車両10の現ギヤ段(現在走行状態データ(C7))に基づいて現ギヤ段が最低ギヤ段にあるか否かを判定する(ステップS22)。メイン制御モジュール150は、現ギヤ段が最低ギヤ段ではないと判定した場合(ステップS22でNo)、車両10の現車速(現在走行状態データ(C2))に基づいて、現車速が現ギヤ段の第3規定閾値未満であるか否かを判定する(ステップS24)。メイン制御モジュール150は、現車速が現ギヤ段の第3規定閾値未満であると判定した場合(ステップS24でYes)、車両10の将来車速(将来走行状態データ(F1))に基づいて、将来車速が現ギヤ段の第4規定閾値未満であるか否かを判定する(ステップS26)。メイン制御モジュール150は、将来車速が現ギヤ段の第4規定閾値未満であると判定した場合(ステップS26でYes)、ギヤダウンシフトの実行を決定する(ステップS28)。
一方、メイン制御モジュール150は、現ギヤ段が最低ギヤ段であるか(ステップS22でYes)、現車速が現ギヤ段の第3規定閾値以上であるか(ステップS24でNo)、または将来車速が現ギヤ段の第4規定閾値以上である(ステップS26でNo)と判定した場合には、ギヤシフトを実行しないと決定する(ステップS30)。
図7は、ギヤアップシフトを判定するための第1および第2規定閾値を有するギヤアップシフトテーブルを示し、図8は、ギヤダウンシフトを判定するための第3および第4規定閾値を有するギヤダウンシフトテーブルを示す。図7のギヤアップシフトテーブルは、車両10が加速しているとメイン制御モジュール150が判定している(ステップS12でYes)間に利用される。図8のギヤダウンシフトテーブルは、車両10が加速していないとメイン制御モジュール150が判定している(ステップS12でNo)間に利用される。
図7に示すように、第1および第2規定閾値は、現ギヤ段ごとに規定されている。図示の実施形態では、第1ギヤ段(すなわち、第1ギヤ段から第2ギヤ段へのギヤアップシフト)のための第1および第2規定閾値は、50(km/h)および80(km/h)にそれぞれ設定されている。また、第2ギヤ段(すなわち、第2ギヤ段から第3ギヤ段へのギヤアップシフト)の第1および第2規定閾値は、それぞれ115(km/h)および140(km/h)に設定されている。図7には示されていないが、第3、第4および第5ギヤ段に対する第1および第2規定閾値もギヤアップシフトテーブルに規定されている。もちろん、第1および第2規定閾値の値は、図7のギヤアップシフトテーブルに示された値に限定されない。しかし、図示の実施形態では、現ギヤ段の第1規定閾値は、現ギヤ段の第2規定閾値よりも小さく設定される。また、本実施形態では、第1規定閾値は、現ギヤ段が高くなるほど大きくなり、第2規定閾値は、現ギヤ段が高くなるほど大きくなる。
同様に、図8に示すように、第3および第4規定閾値は、現ギヤ段毎に規定されている。図示の実施形態では、第2ギヤ段(すなわち、第2ギヤ段から第1ギヤ段へのギヤダウンシフト)のための第3および第4規定閾値は70(km/h)および40(km/h)にそれぞれ設定されている。また、第3ギヤ段(第3ギヤ段から第2ギヤ段へのギヤダウンシフト)の第3および第4規定閾値は、それぞれ130(km/h)および105(km/h)に設定されている。図8には示されていないが、第4、第5、および第6のギヤ段のための第3および第4規定閾値も、ギヤダウンシフトテーブルに規定されている。もちろん、第3および第4規定閾値の値は、図8のギヤダウンシフトテーブルに示された値に限定されない。しかし、図示の実施形態では、現ギヤ段の第3規定閾値は、現ギヤ段の第4規定閾値よりも大きく設定される。また、本実施形態では、現ギヤ段が高いほど第3規定閾値が大きくなり、現ギヤ段が高いほど第4規定閾値は大きくなる。図示の実施形態では、図6〜図8に示すように、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、現車速(例えば、ステップS16およびS24)および将来車速(例えば、ステップS18およびS26)に基づいてギヤシフトを決定するように構成される。しかし、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、異なる方法でギヤシフトを決定することができる。具体的には、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、ギヤシフトを決定するために現車速を使用しないように構成することができる。例えば、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、現車速以外の他の現在走行状態データに基づいてギヤシフトを決定するように構成することができる。特に、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、例えばスロットル開度やエンジン回転速度などを用いて図6のステップS16およびS24の処理を実行することができる。
ここで図9〜図12を参照して、図6のステップS18およびS26で使用される将来車速を決定するためのアルゴリズムについて詳細に説明する。図9は、データ記憶装置140に記憶された所定の目標速度プロファイルVpの一例を示す。図9に示すように、所定の目標速度プロファイルVpは、車両位置に対応付けられた目標車速を示す。メイン制御モジュール150は、データ記憶装置140から所定の目標速度プロファイルVpを取得する。図10に示すように、メイン制御モジュール150は、所定の目標速度プロファイルVpをそれぞれが所定の時間距離を有する複数のデータ処理範囲Rpに分割する。図示の実施形態では、所定の時間距離は5秒に設定される。もちろん、所定の時間距離は、必要および/または所望に応じて異なる値に設定することができる。さらに、メイン制御モジュール150は、異なる方法で、所定の目標速度プロファイルVpを複数のデータ処理範囲Rpに分割することができる。例えば、メイン制御モジュール150は、所定の目標速度プロファイルVpを、それぞれが予め定められた距離(m)に対応する複数のデータ処理範囲Rpに分割することができる。さらに、例えば、メイン制御モジュール150は、所定の目標速度プロファイルVpを、それぞれが異なる時間距離を有する、またはそれぞれが異なる距離に対応する複数のデータ処理範囲Rpに分割することができる。図10において、データ処理範囲Rpは長方形で示されている。また、メイン制御モジュール150は、データ処理範囲Rpの終点Epを決定する。図10において、終点Epはバツ印で示されている。
さらに、図11に示すように、メイン制御モジュール150は、現車両位置に基づいて決定された探索範囲内で現車両位置の次の最大/最小点Mpを順次探索する。最大/最小点Mpは、現車両位置の次の探索範囲内の局所的最大または最小車速を有する点である。最大/最小点Mpは、基本的には、所定の目標速度プロファイルVpの極値または探索範囲の終点Epに位置する。図11では、最大/最小点Mpは円で示されている。
具体的には、メイン制御モジュール150は、探索範囲内の現車両位置から所定の目標速度プロファイルVpの加減速傾向を逐次決定する。さらに、メイン制御モジュール150は、現車両位置の次の所定の目標速度プロファイルVpの加減速傾向の次の変化点を決定する。次に、メイン制御モジュール150は、最大/最小点Mpとして加速/減速傾向の次の変化点(すなわち、次の極値)を決定する。一方、探索範囲内に加減速傾向の変化点が存在しない場合、メイン制御モジュール150は、探索範囲の終点Epを最大/最小点Mpとして決定する。
図示の実施形態では、メイン制御モジュール150は、車両10が走行中に現車両位置の次の最大/最小点Mpを順次探索し、最大/最小点Mpでの目標車速を将来車速として決定する。もちろん、最大/最小点Mpは、現車両位置に対して一意に決定することができる。これにより、メイン制御モジュール150は、予め最大/最小点Mpを算出し、現車両位置に対応付けて将来車速を記憶することができる。
最大/最小点Mpを探索するための探索範囲は、現車両位置が位置するデータ処理範囲Rp内の現車両位置に基づいて決定される。具体的には、本実施形態では、探索範囲は、現車両位置がデータ処理範囲Rpの(時間距離の)半分に達するまでに、現車両位置に対応する地点から現車両位置があるデータ処理範囲Rpの次の終点Epまでのデータ範囲に設定される。一方、本実施形態では、探索範囲は、現車両位置がデータ処理範囲Rpの半分の地点を通過した後は、現車両位置に対応する地点から現車両位置がある次のデータ処理範囲Rpの次のデータ処理範囲Rpの終点Epまでのデータ範囲に設定される。
次に図11を参照して、将来車速の決定についてさらに詳細に説明する。
図11に示すように、車両10がデータ処理範囲Rp1の終点Ep0とハーフポイントHp1との間のデータ処理範囲Rp1内の現車両位置L1を走行している間に、探索範囲Sr1を、現車両位置L1からデータ処理範囲Rp1の次の終点Ep1までのデータ範囲に設定する。メイン制御モジュール150は、探索範囲Sr1を探索して現車両位置L1から次の最大/最小点Mp1を決定し、現車両位置L1に対して最大/最小点Mp1での目標車速を将来車速として決定する。
さらに、車両10が、ハーフポイントHp1と終点Ep1との間のデータ処理範囲Rp1内の現車両位置L2を走行している間に、探索範囲Sr2を、現車両位置L2から車両10が走行しているデータ処理範囲Rp1の次のデータ処理範囲Rp2の終点Ep2までのデータ範囲に設定する。メイン制御モジュール150は、探索範囲Sr2を探索することにより、現車両位置L2から次の最大/最小点Mp1を決定し、現車両位置L2に対して最大/最小点Mp1での目標車速を将来車速として決定する。
また、車両10が、終点Ep1とデータ処理範囲Rp2のハーフポイントHp2との間のデータ処理範囲Rp2内で現車両位置L3を走行している間に、探索範囲Sr3を、現車両位置L3からデータ処理範囲Rp2の次の終点Ep2までのデータ範囲に設定する。メイン制御モジュール150は、探索範囲Sr3を探索することにより、現車両位置L3から次の最大/最小点Mp2を決定し、現車両位置L3に対して最大/最小点Mp2での目標車速を将来車速として決定する。
また、車両10が終点Ep1とデータ処理範囲Rp2のハーフポイントHp2との間のデータ処理範囲Rp2内で現車両位置L4を走行している間に、探索範囲Sr4を、現車両位置L4からデータ処理範囲Rp2の次の終点Ep2までのデータ範囲に設定する。メイン制御モジュール150は、探索範囲Sr4を探索することにより、現車両位置L4から、次の終点Ep2に位置する次の最大/最小点Mp3を決定し、現車両位置L4に対して最大/最小点Mp3での目標車速を将来車速として決定する。
また、車両10が、データ処理範囲Rp2のハーフポイントHp2と終点Ep2との間のデータ処理範囲Rp2内で現車両位置L5を走行している間に、探索範囲Sr5を、現車両位置L5から次のデータ処理範囲Rp3の終点Ep3までのデータ範囲に設定する。探索範囲Sr5を探索している間に最大/最小点Mp3は加減速傾向の変化点として決定されないため、メイン制御モジュール150は、探索範囲Sr5を探索することにより現車両位置L5から次の最大/最小点Mp4を決定する。そしてメイン制御モジュール150は、現車両位置L5に対して最大/最小点Mp4における目標車速を将来車速として決定する。
もちろん、メイン制御モジュール150は、異なる方法で最大/最小点Mpを決定することができる。例えば、メイン制御モジュール150は、車両10がデータ処理範囲Rpに対応する範囲内を走行している間データ処理範囲Rp内の現車両位置に関わらず、現車両位置とデータ処理範囲Rpの終点Epとの間のデータ処理範囲Rp内を単に探索することができる。
ここで、図6および図12を参照して、ギヤシフト判断処理P5についてさらに詳細に説明する。説明を簡単にするために、車両10は、現車両位置における目標車速と同じ速度で走行しているものとする。
車両10が現車両位置L11を走行しているとき、メイン制御モジュール150は、車両10が加速していると判定する(ステップS12でYes)。図12に示すように、現ギヤ段は第2ギヤ段であるので、メイン制御モジュール150はまた、現ギヤ段が最高ギヤ段ではないと判定する(ステップS14でNo)。さらに、メイン制御モジュール150は、現車速が115(km/h)(つまり、第2ギヤ段の第1規定閾値)を超えていると判定する(ステップS16でYes)。メイン制御モジュール150は、将来車速(例えば、次の最大/最小点Mp11での目標車速)が140(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第2規定閾値)を超えていると判定する(ステップS18でYes)。この結果、メイン制御モジュール150は、第2ギヤ段から第3ギヤ段へギヤアップシフトを実行すると決定する(ステップS20)。
車両10が現車両位置L12を走行中である場合、メイン制御モジュール150は、車両10が加速していないと判定する(ステップS12のNo)。図12に示すように、現ギヤ段は第3ギヤ段であるので、メイン制御モジュール150は、現ギヤ段が最低ギヤ段ではないと判定する(ステップS22でNo)。さらに、メイン制御モジュール150は、現車速が130(km/h)(第3ギヤ段の第3規定閾値)未満であると判定する(ステップS24でYes)。また、メイン制御モジュール150は、将来車速(例えば、次の最大/最小点Mp12での目標車速)が105(km/h)(すなわち、第3ギヤ段の第4規定閾値)未満であると判定する(ステップS26でYes)。この結果、メイン制御モジュール150は、第3ギヤ段から第2ギヤ段へギヤダウンシフトを実行すると決定する(ステップS28)。
車両10が現車両位置L13を走行中である場合、メイン制御モジュール150は、車両10が加速していないと判定し(ステップS12でNo)、現ギヤ段が最低ギヤ段でない(ステップS22でNo)と判定する。また、メイン制御モジュール150は、現車速が70(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第3規定閾値)未満である(ステップS24でYes)が、将来車速(例えば、次の最大/最小点Mp13での目標車速)が40(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第4規定閾値)以上であると判定する(ステップS26でNo)。この結果、メイン制御モジュール150は、ギヤシフトを実行しないと決定する(ステップS30)。
車両10が現車両位置L14またはL15を走行中である場合、メイン制御モジュール150は、車両10が加速していると判定し(ステップS12でYes)、現ギヤ段が最高ギヤ段ではないと判定する(ステップS14でNo)。さらに、メイン制御モジュール150は、現車速が115(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第1規定閾値)を超えている(ステップS16でYes)が、将来車速(例えば、次回の最大/最小点Mp14またはMp15での目標車速)が140(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第2規定閾値)を超えていないと判定する(ステップS18でNo)。この結果、メイン制御モジュール150は、ギヤシフトを実行しないと決定する(ステップS30)。
車両10が現車両位置L16を走行中である場合、メイン制御モジュール150は、車両10が加速していないと判定し(ステップS12でNo)、現ギヤ段が最低ギヤ段でないと判定する(ステップS22でNo)。さらに、メイン制御モジュール150は、現車速が70(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第3規定閾値)未満であると判定し(ステップS24でYes)、将来車速(例えば、次の最大/最小点Mp16での目標車速)が40(km/h)(すなわち、第2ギヤ段の第4規定閾値)未満であると判定する(ステップS26でYes)。この結果、メイン制御モジュール150は、第2ギヤ段から第1ギヤ段へギヤダウンシフトを実行することを決定する(ステップS28)。
車両10が現車両位置L17を走行中である場合、メイン制御モジュール150は、車両10が加速していると判定し(ステップS12でYes)、現ギヤ段が最高ギヤ段でないと判定する(ステップS14でNo)。また、メイン制御モジュール150は、現車速が50(km/h)(すなわち、第1ギヤ段の第1規定閾値)を超えていると判定する(ステップS16でYes)。また、メイン制御モジュール150は、将来車速(例えば、次の最大/最小点Mp17での目標車速)が80(km/h)(すなわち、第1ギヤ段の第2規定閾値)を越えていると判定する(ステップS18でYes)。この結果、メイン制御モジュール150は、第1ギヤ段から第2ギヤ段へギヤアップシフトを実行すると決定する(ステップS20)。
図5を参照すると、外部ECU132のメイン制御モジュール150は、ギヤシフト判断処理P5により決定されたシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を示すシフト動作信号をギヤシフト制御モジュール152に出力する。これに応答して、ギヤシフト制御モジュール152は、ギヤシフト動作を実行する(ギヤシフト操作処理P6)。具体的には、ギヤシフト制御モジュール152は、シフトペダルアクチュエータ122に制御信号を出力し、車両10のシフトペダル39を物理的に操作してシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を行う。また、ギヤシフト制御モジュール152は、クラッチレバーアクチュエータ118へのクラッチ動作信号およびアクセルアクチュエータ114へのアクセル動作信号を出力し、クラッチレバー35およびアクセル31を物理的に操作してシフト操作(アップシフトまたはダウンシフト)を行う。
本実施形態では、所定の目標速度プロファイルを予め設定してデータ記憶装置140に記憶しておき、外部ECU132の将来走行状態認識モジュール160により取得する。ただし、外部ECU132の将来走行状態認識モジュール160は、目標速度プロファイルを算出するように構成することもできる。例えば、図13Aに示すように、将来走行状態認識モジュール160は、車両10が走行している道路RDの道路情報に基づいて目標速度プロファイルを算出するように構成することができる。具体的には、将来走行状態認識モジュール160は、道路RDの将来の道路勾配/キャンバー/バンク(すなわち、将来走行状態データ(F2))および/または道また、将来走行状態認識モジュール160は、例えば、データ記憶装置140に記憶された地図データから、道路RDの曲率などの他の種類の道路情報を取得することができる。そして、将来走行状態認識モジュール160は、取得した道路情報に基づいて、道路RDに沿って形成される目標経路の目標速度プロファイルを算出する。例えば、将来車両位置のカーブ(図13(A)参照)で目標車速が低下する、目標車速が将来車両位置における隆起および/またはマンホールで低下する、目標車速が将来車両位置における上り坂/下り坂で変化する、および/または目標車速が将来車両位置における大きなキャンパー(camper)で低下するように、予め目標車速プロファイルを算出しておくことができる。また、濡れた路面や凍結路面のある将来車両位置で目標車速が低下するように、予め目標速度プロファイルを算出することができる。
また、図13Bに示すように、将来走行状態認識モジュール160は、車両10が走行している道路RDの交通情報に基づいて目標速度プロファイルを算出するように構成することもできる。具体的には、将来走行状態認識モジュール160は、交通信号や交通標識などの交通情報を取得する。そして、将来走行状態認識モジュール160は、取得した交通情報に基づいて、道路RDに形成される目標経路の目標速度プロファイルを算出する。例えば、目標速度プロファイルは、目標車速が目標経路に沿った速度制限標識によって制限されるように計算することができる。具体的には、図13Bに示すように、速度制限標識が道路区間aでは80(km/h)、道路区間bでは60(km/h)、道路区間cでは30(km/h)、道路区間dでは60(km/h)との速度制限を示す場合、道路区間a、b、c、dの最高速度がそれぞれの速度制限を超えないように目標速度プロファイルを計算することができる。
図示の実施形態では、メイン制御モジュール150は、さらに2Dまたは3Dの地図データに基づいてギヤシフト制御を実行することができる。具体的には、図14に示すように、メイン制御モジュール150は、GPS/IMU134から現車両位置を取得し、その現車両位置に基づく3Dマップから現車両位置と将来車両位置との標高データを取得する。そして、メイン制御モジュール150は、道路勾配の変化を判定することができる。例えば、メイン制御モジュール150は、道路斜面の変化を判定する際に変速機構40のギヤ段をシフトダウンさせて将来車速を維持することができる。
例えば、図14に示すように、メイン制御モジュール150が、平地や上り坂などを走行する間に将来車両位置で下り坂DSを判定した場合、メイン制御モジュール150は、ギヤシフト制御モジュール152にダウンシフトを示すシフト動作信号を出力できる。この構成により、適切なギヤ段を選択して効率的なエンジンブレーキを実現するギヤシフト制御を実行することができ、頻繁なブレーキ操作が回避することができる。また、図14に示すように、メイン制御モジュール150は、平地や下り坂などを走行する間に将来車両位置で上り坂USを判定した場合、メイン制御モジュール150は、ギヤシフト制御モジュール152にダウンシフトを示すシフト動作信号を出力できる。この構成により、適切なギヤ段を選択して目標車速で上り坂USを登るのに十分な駆動トルクが得られるギヤシフト制御を実行することができる。
図示の実施形態では、メイン制御モジュール150は、さらに車両の傾斜角(および/またはロール方向の角速度)(すなわち、現在走行状態データ(C6))に基づいて、ギヤシフト制御を実行することができる。例えば、メイン制御モジュール150は、図6のステップS20においてギヤアップシフトを実行する、あるいは図6のステップS28でギヤダウンシフトを実行すると判定した場合であっても、車両の傾斜角が所定の閾値よりも大きい間ギヤシフトを実行しないと決定することができる。この構成により、車両の傾斜角が大きい間ギヤシフト制御を適切に回避することができる。
図示の実施形態では、車両10は、車輪付き車体11に外付けされた外部車両アクチュエータ100を含む。一方、図15に示すように、変形例に係る車両210は、少なくとも、変速機構40(図2)を作動させて車両210を操舵する内部車両アクチュエータ212を備えている。具体的には、車両210は、外部車両アクチュエータ100を有しない自律走行車両を構成する。車両10と車両210との類似性を考慮して、車両10の部品と同一の車両210の部品には、車両10の部品と同じ符号が付されている。さらに、簡潔にするために、車両10の部品と同一の車両210の部品の説明を省略する場合がある。
車両210は、ハンドル30、アクセル31、ブレーキレバー33、クラッチレバー35、ブレーキペダル37およびシフトペダル39などの車輪付き車体11の物理的動作可能部品と、ステアリングセンサ82、アクセル操作センサ76、ブレーキレバー操作センサ84、クラッチレバー操作センサ72、ブレーキペダル操作センサ86およびシフトペダル操作センサ74などの対応センサを有さない点を除いて、基本的には車両10と同一である。さらに、車両210は、車輪付き車体11の物理的に動作可能な部品を物理的に動作させる外部車両アクチュエータ100のアクチュエータを有さない点で、車両10とは異なる。
図15に示すように、車両210は、車両210を自律走行車両にするための車両10(図2および図4)の電子構成と基本的に同じ電子構成を有する。具体的には、車両210は、車輪付き車体11の車両ECU60と基本的に同一の車両ECU260を有し、外部車両アクチュエータ100の外部ECU132と同様に機能する。車両210は、車輪付き車体11の物理的に動作可能な部品に対応する上述したセンサを除いて車体センサ90と基本的に同じセンサ290を有する。したがって、センサ290には、例えば、エンジン回転速度センサ62、スロットル位置センサ64、車速センサ66、加速度センサ68、ジャイロスコープ70、クラッチアクチュエータセンサ78、シフトアクチュエータセンサ80が含まれる。図示の実施形態では、内部車両アクチュエータ212は、少なくともシフトアクチュエータ58とステアリングアクチュエータ230とを含む。
図示の実施形態では、図15に示すように、車両210は、車両210の前輪16および後輪18(図1)に制動力を加えるための電気的に作動可能な前ブレーキアクチュエータ216aおよび後ブレーキアクチュエータ218aと、車両210を操舵するためのステアリングアクチュエータ230とを含む。車両ECU260は、外部ECU132と同様に、経路追従制御およびギヤシフト制御を実行する。具体的には、車両ECU260は、シフトアクチュエータ58、クラッチアクチュエータ46、エンジン36、前後ブレーキアクチュエータ216a、218a、およびステアリングアクチュエータ230に動作信号を出力して、経路追従制御およびギヤシフト制御を実行する。
この構成により、人間のドライバーやヒューマノイドのドライバー(例えば、外部車両アクチュエータ100)を介さずに車両210を自律的に運転することができる。
図示の実施形態では、車両10および210は、基本的に自律走行車両を形成する。一方、本願のギヤシフト制御は、自動ギヤシフト動作を実行するために、および/または人間のドライバーのシフト操作をアシストするために、人間のドライバーによって手動で運転される車両310に適用することができる。図16に示すように、車両310は、車両310が、車輪付き車体11の物理的に動作可能な部品を物理的に操作する外部車両アクチュエータ100のアクチュエータを有さない点を除いて、車両10と基本的に同一ある。車両10と車両310との類似性を考慮して、車両10の部品と同一の車両310の部品には、車両10の部品と同じ符号が付されている。さらに、車両10の部品と同一の部品の説明は、簡潔のため省略する場合がある。
図16に示すように、車両310は、車輪付き車体11の車両ECU60と基本的に同じ車両ECU360を有する。また、車両ECU360は、主にギヤシフト制御を実行する点を除き、外部車両アクチュエータ100の外部ECU132と同様に機能する。具体的には、車両ECU360には、ギヤシフト制御モジュール352が主にギヤシフト制御を実行し、外部ECU132のギヤシフト制御モジュール152と同様に機能する点を除いては、外部ECU132のメイン制御モジュール150と同様に機能するギヤシフト制御モジュール352が含まれる。
この構成により、車両ECU360は、車輪付き車体11の外部ECU132と同様に、ギヤシフト制御を実行することができる。そして、車両ECU360は、シフトアクチュエータ58に動作信号を出力し、ギヤシフト制御を実行することができる。
したがって、車両310は、適切なギヤシフトタイミングを提供し、人間のドライバーのシフト操作をアシストすることができる。図示の実施形態では、車両ECU360はシフト動作のためにシフトアクチュエータ58を直接制御する。ただし、車両ECU360は、シフトアクチュエータ58を直接的に制御することなく、かつシフト動作を行わずに、人間のドライバーにギヤシフトのタイミングを通知だけをするように構成してもよい。この場合、車両ECU360は、推奨されるギヤシフトのタイミングを、事前に、あるいは事後に、リアルタイムで、ドライバーに知らせることができる。
図16には示されていないが、車両310は、車両位置データに対応させて所定の目標速度プロファイルを記憶するデータ記憶装置140(図4および図15)も含むことができる。この場合、所定の目標速度プロファイルを、同一または他のドライバーが過去にその位置を走行したときの車両の走行状態(例えば、車速、加減速など)を示す履歴データに基づいて走行中に決定することができる。さらに、この場合、ドライバーは、走行中に所定の目標速度プロファイルの異なる速度プロファイルを選択的に切り替えるコマンドを入力することができる。この場合、コマンドは、車両310の走行に対する積極性を示し、異なる積極性にそれぞれ対応する異なる速度プロファイルを切り替えることができる。
図示の実施形態では、車両10は、本体12と、複数のギヤ段を有する変速機構40(例えば、変速機)と、データ記憶装置140と、外部ECU132(例えば、電子制御装置)とを備える。データ記憶装置は、規定の車両走行状態、検知された車両走行状態、送信された車両走行状態の少なくとも1つを含む車両走行状態データを記憶する。外部ECU132は、車両の走行状態データに基づいて推定された将来車速に基づいて、変速機構40のギヤ段のギヤシフトを決定するように構成されている。
図示の実施形態では、外部ECU132は、さらに、現車速および将来車速に基づいて、変速機構40のギヤ段のギヤシフトを決定するように構成されている。さらに、外部ECU132は、現車速と車両走行状態データに基づいて推定された将来車速とに基づいて、変速機構40のギヤ段をシフトするように構成されている。
また、図示の実施形態では、外部ECU132は、さらに、車両10が加速中であると判定し(ステップS12でYes)、現車速が現ギヤ段の第1規定閾値未満であると判定する(ステップS16でNo)と、ギヤアップシフトを実行しない(ステップS30)ように構成されている。さらに、外部ECU132は、車両10が加速中であると判定し(ステップS12でYes)、将来車速が現ギヤ段の第2規定閾値未満であると判定する(ステップS18でNo)と、ギヤアップシフトを実行しない(ステップS30)ように構成されている。
さらに、図示の実施形態では、外部ECU132はさらに、現車速が現ギヤ段の第1規定閾値を超えていると判定し(ステップS16でYes)、将来車速が現ギヤ段の第2規定閾値を超えていると判定する(ステップS18でYes)と、ギヤアップシフトを実行する(ステップS20)ように構成されている。
図示の実施形態では、現ギヤ段の第1規定閾値は、現ギヤ段の第2規定閾値よりも小さい。
さらに、図示の実施形態では、外部ECU132は、車両10が減速中であると判定し(ステップS12でNo)、現車速が現ギヤ段の第3規定閾値を越えていると判定すると(ステップS24でNo)、ギヤダウンシフトを実行しない(ステップS30)ように構成されている。さらに、外部ECU132は、車両10が減速中であると判定し(ステップS12でYes)、将来車速が現ギヤ段の第4規定閾値を越えていると判定すると(ステップS26でNo)、ギヤダウンシフトを実行しない(ステップS30)ように構成されている。
図示の実施形態では、外部ECU132は、さらに、現車速が現ギヤ段の第3規定閾値未満であると判定し(ステップS24でYes)、将来車速が現ギヤ段の第4規定閾値未満であると判定すると(ステップS26でYes)、ギヤダウンシフトを実行する(ステップS28)ように構成されている。
図示の実施形態では、現ギヤ段の第3規定閾値は、現ギヤ段の第4規定閾値よりも大きい。
図示の実施形態では、車両の走行状態データに基づく所定の目標経路(例えば、予測経路)に沿った最大/最小点Mp(例えば、最大車速および最小車速)での目標車速を用いて将来車速を推定する。
図示の実施形態では、将来車速(例えば、最大車速および最小車速)は、データ処理範囲Rp(例えば、予測経路の所定の範囲)内の最大/最小点Mp(例えば、最大車速および最小車速)での目標車速である。
図示の実施形態では、データ処理範囲Rpは、所定の時間期間(例えば、5秒)を有する。
図示の実施形態では、外部ECU132は、さらに、道路勾配(例えば、道路の勾配)、道路キャンバー(例えば、道路のキャンバー)、道路バンク(例えば、道路のバンク)、および路面状態の少なくとも1つに基づいて、変速機構40のギヤ段をシフトするかどうかを決定するように構成されている。
図示の実施形態では、車両10は、外部ECU132を含む外部車両アクチュエータ100をさらに含む。外部車両アクチュエータ100は、変速機構40を作動させ、車両10を操舵するように構成されている。
図示の実施形態では、車両10は、さらに、ハンドル30と、フロントフォーク32を介して本体12に取り付けられた単一の操舵可能な前輪16とを含む。
図示の実施形態では、外部ECU132は、さらに、車両走行状態データに基づいて道路の勾配の変化を判定すると、将来車速を維持するために、変速機構40のギヤ段をシフトダウンするように構成される。
図示の実施形態では、車両210は、変速機構40を作動させ、車両210を操舵するように構成された内部車両アクチュエータ212を含む。
本発明の範囲を理解する上で、本明細書で使用する用語「備える」およびその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、群、整数および/または工程の存在を特定するオープンエンドの用語を意図しているものであり、他の言及していない特徴、要素、構成要素、群、整数および/または工程の存在を排除するものではない。前述したものは、「含む」、「有する」、およびそれらの派生語のような類似の意味を有する単語にも適用される。また、「部品」、「部分」、「部」、「部材」または「要素」という用語は、単数で使用される場合、単一の部分または複数の部分の二重の意味を有することができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明の概念の例示的な実施形態が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。また、一般に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書において明確に定義されていない限り、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことは理解されるべきである。
ある要素が他の要素に「接続されている」または「連結されている」と言及されている場合、それは他の要素に直接的に接続または連結されてもよく、または介在要素が存在してもよい。一方、ある要素が別の要素に「直接接続されている」または「直接連結されている」と言及される場合、介在要素は存在しない。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、1つまたは複数の関連する列挙された項目の任意のおよびすべての組み合わせを含む。さらに、要素または層の間の関係を説明するために使用される同様の単語は、同様の態様で解釈されるべきである(例えば、「間」と「直接的な間」、「上方」と「真上」、「下方」と「真下」、「隣」と「隣接」、「上」と「直上」)。したがって、互いに直接接続または接触して示される構成要素は、他に特定されない限り、それらの間に配置される中間的構造を有することができる。
「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「下」、「下方」、「垂直」、「水平」、および「横断」などの空間に関連する用語および他の同様の用語は、上記の実施形態の別の要素または特徴(単数または複数)に対する1つの要素または特徴の関係を容易に説明するために本明細書で使用することができる。本発明を説明するために利用されるこれらの用語は、水平面上の車両を基準に解釈される。
本発明を説明するために選択された実施形態のみが選ばれたが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく本明細書に様々な変更および修正を加えることができることは、当然に当業者に理解されることである。一実施形態の構造および機能は、別の実施形態で採用することができる。特定の実施形態において、すべての効果が同時に存在する必要はない。先行技術に対し独特であるすべての特徴は、単独でまたは他の特徴と組み合わせて、そのような特徴によって具体化される構造的および/または機能的概念を含む、出願人によるさらなる発明の別個の記述と見なされるべきである。したがって、本発明による実施形態の前述の説明は、例示のみを目的として提供され、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明を限定する目的のためではない。