JP2019120319A - 回動角度調整機構及び義手 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対的な回動可能に軸支されている二つの部材の回動角度を、手動で多段階に調整する操作を簡単に行うことができる回動角度調整機構を提供する。【解決手段】回動角度調整機構の構成を、第一部材1及び第二部材2を相対的な回動可能に軸支している回動軸部40aを有し、その頭部40bが第一部材から離れる方向に付勢されている支軸40と、第一部材において回動軸部と同心の円弧に沿って貫設されている複数の小孔部11と、第二部材において有底孔部20に挿入され、突出する方向に付勢されている出没ヘッド36と、頭部の裏面から、複数の小孔部と同一の角度間隔、同一の数、及び回動軸部から同一の距離で小孔部に向かって突出しており、頭部が押圧されたときに小孔部にそれぞれ挿入される複数のピン45とを具備し、第二部材が回動する際の出没ヘッドの軌跡が、複数の小孔部が設けられている円弧と重なっている構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、二つの部材が相対的な回動可能に軸支されている場合に、軸周りの回動角度を多段階に手動で調整するための回動角度調整機構、及び、該回動角度調整機構を具備する義手に関するものである。
二つの部材が相対的な回動可能に軸支されており、軸周りの回動角度を手動で多段階に変化させてその角度を保持できる回動角度調整機構は、照明器具の支持具、ディスプレイのスタンド、操作者から離れた場所で作業を行うために長尺の柄の先端に作業用の器具を有するハンドツールなど、多様な物品に用いられている。
一方、本発明者は、義手として使用することが可能な多指ハンド装置の開発を進めている(特許文献1,2参照)。これらの多指ハンド装置では、指部一つ当たり一本の屈曲用ワイヤが、プーリに巻き掛けられることなく指部の先端から基端まで指腹に沿って配されている。モータの一方向への回転により屈曲用ワイヤが牽引されれば、屈曲用ワイヤによって指先が引っ張られて、指部は関節部で指腹側に屈曲する。モータの他方向への回転により屈曲用ワイヤを弛緩させれば、指部を形成している部材の弾性により、或いは、指背に沿って配された指部一つ当たり一本の伸長用ワイヤがバネ部材で牽引されることにより、屈曲していた指部が伸長する。このような多指ハンド装置は、関節ごとに設けたモータを個々に回転させることにより指部を屈伸させるタイプの従来のハンド装置や、関節ごとに設けたプーリにそれぞれ巻き掛けられた複数本のワイヤを介して指部を屈伸させるタイプの従来のハンド装置に比べて、構成が簡易でありながら、人の手に近い自然な動作を行うことができる。
特許第5921225号公報 特開2016−168645号公報
本発明者は、上記のような人の手に近い自然な動作を行う多指ハンド装置を適用した義手に対する要請とは別に、動作に多少の制限はあっても、極めて簡易な構成であって極めて低コストで製造することができ、専ら健常な手の補助として使用する義手に対する要請もあると考えている。そこで、特許文献1,2の多指ハンド装置とは異なり、全ての指部の屈曲をモータで駆動するのではなく、一部の指部を目的の動作に適した角度まで多段階に手動で回動させ、その回動角度を保持できる義手を製造しようと想到した。この場合、回動角度を調整する操作を、健常な片方の手のみで簡単に行えることが必要である。従来、照明器具の支持具等に用いられていた回動角度調整機構は、ネジの締め付けによるものや、孔部が穿設されたプレート同士のボルトによる締結によるもの等、両手での操作を前提としているため、上述のコンセプトの義手にそのまま適用することはできない。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、相対的な回動可能に軸支されている二つの部材の回動角度を、手動で多段階に調整する操作を簡単に行うことができる回動角度調整機構、及び、該回動角度調整機構を具備する義手の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる回動角度調整機構は、
「第一部材及び第二部材を相対的な回動可能に軸支している回動軸部、及び、該回動軸部の前記第一部材側の端部に設けられた頭部を有し、弾性部材によって前記頭部が前記第一部材から離れる方向に付勢されている支軸と、
前記第一部材において、前記回動軸部と同心の円弧または円周に沿って貫設されている複数の小孔部と、
前記第二部材において、深さ方向が前記回動軸部と平行で前記第一部材側の表面に開口している有底孔部に挿入されており、第二弾性部材によって前記有底孔部から突出する方向に付勢されている出没ヘッドと、
前記頭部の裏面から、複数の前記小孔部と同一の角度間隔、同一の数、及び前記回動軸部から同一の距離で、前記小孔部に向かって突出しており、前記弾性部材の付勢に抗して前記頭部が押圧されたときに前記小孔部にそれぞれ挿入される複数のピンと、を具備しており、
前記第二部材が前記回動軸部周りに回動する際の前記出没ヘッドの軌跡は、複数の前記小孔部が設けられている前記円弧または前記円周と重なっている」ものである。
本構成では、支軸の頭部を押しながら第二部材をカチカチと段階的な角度で回動させることができ、頭部を押す力を除けば、そのときの回動角度で第二部材の第一部材に対する姿勢を保持することができる。
すなわち、支軸の頭部が押されていない状態では、弾性部材の付勢によって頭部が第一部材から離れており、頭部の裏面から突出している複数のピンは、第一部材に設けられている小孔部には挿入されていない状態である。つまり、複数の小孔部は空いている状態である。そのため、第二部材の有底孔部に配されている出没ヘッドが、第二弾性部材の付勢によって有底孔部から突出し、第一部材の小孔部に進入する。その結果、小孔部と出没ヘッドとを介して第一部材と第二部材とが係合している状態となるため、第一部材は第二部材に対して回動できない状態となる。
支軸の頭部を弾性部材の付勢に抗して押すと、頭部から突出している複数のピンがそれぞれ小孔部に圧入される。複数の小孔部の一つには、第二部材側から出没ヘッドが挿入されているため、ここに圧入したピンによって出没ヘッドは第二部材側に押される。これにより、出没ヘッドは第二弾性部材の付勢に抗して有底孔部の内部に没入する。その結果、小孔部と出没ヘッドとを介する第一部材と第二部材との係合が解除されるため、第一部材に対して第二部材を回動させることが可能な状態となる。
この状態で、第二部材を回動軸部周りに所望の角度だけ回動させたら、頭部を押している力を除く。これにより、弾性部材の付勢によって頭部は第一部材から離れる方向に戻るため、頭部から突出している複数のピンが小孔部から抜け出る。その結果、第二弾性部材によって付勢されている出没ヘッドが再び有底孔部から突出し、小孔部の一つに進入する。第二部材が回動軸部周りに回動する際の出没ヘッドの軌跡は、複数の小孔部が設けられている円弧または円周と重なっているため、出没ヘッドは、その時点での第一部材に対する第二部材の回動角度に応じた位置にある小孔部に進入する。これにより、第二部材が第一部材に対してある角度で回動した状態が、保持される。
上記のように、本構成の回動角度調整機構によれば、頭部を押しながら第二部材に力を加えて回動させ、所望の角度だけ回動させたら頭部を押す力を除くだけの簡単な操作で、第一部材に対する第二部材の回動角度を調整することができる。
次に、本発明にかかる義手は、
「上記に記載の回動角度調整機構を具備する義手であって、
親指に相当する第一指部を含む複数の指部がそれぞれの基部で手部ベースに支持されており、
前記第一指部は、回動及び屈曲していない状態で、他の前記指部とは前記手部ベースから延びる方向が30°〜80°異なっていると共に、前記第一指部の基部である第一基部に交差する第一軸部によって回動可能に前記手部ベースに軸支されており、
前記手部ベース、前記第一基部、及び前記第一軸部が、それぞれ前記回動角度調整機構における前記第一部材、前記第二部材、及び前記回動軸部に相当する」ものである。
本構成の義手は複数の指部を備えており、親指に相当する第一指部と他の指部とは手部ベースから延びる方向が異なっている。そのため、他の指部に対して第一指部を向き合わせたり近づけたりすることにより、第一指部と他の指部との間で物品を把持したり掴んだりすることができる。更に、第一指部の姿勢を種々に変化させることにより、把持したり掴んだりする対象を種々とすることができる。
ここで、第一指部は、手部ベースに支持されており、その基部である第一基部に交差する第一軸部周りに回動可能である。第一指部のこのような回動は、人の手のCM関節による運動動作に相当する。本構成では、このような第一指部の回動動作に上記構成の回動角度調整機構が適用されているため、第一軸部周りの第一指部の回動角度を、手動で多段階に調整することができると共に、所望の角度回動させた状態で第一指部の姿勢を保持することができ、その状態で物品を把持したり掴んだりすることができる。
そして、第一指部を第一軸部周りに回動させ、その角度を調整する操作は、例えば、親指で頭部を押しながら、第一指部を人差し指または中指で回すようにして行うことができるため、健常な方の片手で簡単に行うことができる。
本発明にかかる義手は、上記構成に加え、
「第二の前記回動角度調整機構を更に具備していると共に、
前記第一指部は、前記第一軸部より先端側で、前記第一軸部と方向の異なる第二軸部によって回動可能に前記第一基部に軸支されている第一指部本体を有しており、該第一指部本体は前記第二軸部周りの回動によって他の前記指部に対して屈伸するものであり、
前記第一基部、前記第一指部本体、及び前記第二軸部が、それぞれ第二の前記回動角度調整機構における前記第一部材、前記第二部材、及び前記回動軸部に相当する」ものとすることができる。
本構成の義手は、第一指部において第一軸部より先端側に、第一軸部と方向の異なる回動軸をもう一つ有しており、その第二軸周りに、第一指部本体が第一基部に対して回動する。第一指部のこのような回動は、人の手のMP関節による運動動作に相当する。本構成では、この第二軸周りの第一指部の回動動作に、第二の回動角度調整機構が適用されているため、第一軸部周りの回動に加えて、第二軸周りにも第一指部を回動させてその角度を調整し、保持することが可能となる。従って、第一指部により多様な姿勢を取らせることができ、義手によって行うことができる動作を、より多様なものとすることができる。
以上のように、本発明の効果として、相対的な回動可能に軸支されている二つの部材の回動角度を、手動で多段階に調整する操作を簡単に行うことができる回動角度調整機構、及び、該回動角度調整機構を具備する義手を、提供することができる。
本発明の一実施形態である回動角度調整機構の(a)第二部材が回動していない状態の正面図、(b)第二部材が回動している状態の正面図、(c)A−A線断面図、及び、(d)A’−A’線断面図である。 (a)B−B線断面図、(b)支軸の斜視図、(c)C−C線断面図、(d)出没ヘッドが突出している状態のプランジャの断面図、及び、(e)出没ヘッドが没入している状態のプランジャの断面図である。 (a)〜(f)回動軸部周りに回動する出没ヘッドと小孔部との関係を示す図である。 図1の回動角度調整機構を適用した義手の動作を示す図である。 図4の義手における(a),(b)第一の回動角度調整機構の説明図、及び、(c),(d)第二の回動角度調整機構の説明図である。
以下、本発明の一実施形態である回動角度調整機構について、図1乃至図3を用いて説明する。回動角度調整機構は、第一部材1及び第二部材2を相対的な回動可能に軸支している回動軸部40a、及び頭部40bを有する支軸40と、第一部材1に貫設されている複数の小孔部11と、第二部材2に設けられた有底孔部20に第二弾性部材を介して挿入されている出没ヘッド36と、支軸40の頭部40bの裏面から突出している複数のピン45と、を具備している。
より詳細に説明すると、第一部材1及び第二部材2それぞれには同一線上に貫通孔部15,25が穿設されており、ここに支軸40の回動軸部40aが挿通されている。貫通孔部15,25は円形孔であり、回動軸部40aは丸棒状である。頭部40bは、回動軸部40aの第一部材1側の端部に設けられる。ここで、図1では、第一部材1が断面コ字形を呈しており、第二部材2が第一部材1に挟み込まれるように配されている場合を例示している。このような場合、回動軸部40aの両端部の何れも「第一部材1側」であるため、両端部の何れに頭部40bが設けられても良い。ただし、第一部材1において対向して第二部材2を挟み込んでいる二つの部分のうち、頭部40bに近い側の部分に、詳細は後述する小孔部11が形成される。一方、第一部材が平板状である場合など、第一部材と第二部材とが単に重ね合わされる場合、頭部は回動軸部の両端部のうち第一部材側の端部に設けられる。
回動軸部40aにおいて、頭部40bと反対側の端部にはネジ溝46が形成されており、貫通孔部15,25の径より大径のワッシャ48を介在させた状態で、雄ネジ47をネジ溝46に螺合させている。第一部材1において、頭部40bと対面している表面側では、回動軸部40aを中心とする円形孔16が所定深さで形成されており、この円形孔16に、頭部40bの大きさより径の小さい圧縮コイルバネ43が、回動軸部40aを挿通させた状態で配されている。この圧縮コイルバネ43により、支軸40は頭部40bが第一部材1から離れる方向に付勢されている。なお、上記のワッシャ48は、第一部材1から離れる方向に付勢されている支軸40の抜け止めとして作用する。ここで、圧縮コイルバネ43が、本発明の「弾性部材」に相当する。
第一部材1の頭部40b側の部分には、第二部材2と対面するように円盤状のプレート10を備えており、このプレート10に複数の小孔部11が貫通して穿設されている。複数の小孔部11は、回動軸部40aと同心の円弧に沿って、同一の角度間隔で設けられている。ここでは、9つの小孔部11が、15度間隔で設けられている場合を例示している(図2(c)参照)。
第一部材1において、プレート10より頭部40b側の部分には、円弧状の溝部17が形成されており、この溝部17の底部に複数の小孔部11が開口している。従って、複数の小孔部11は、円弧状の溝部17の部分で第一部材1を貫通している。
第二部材2に設けられた有底孔部20は、深さ方向が回動軸部40aと平行で、プレート10と対面する表面に開口している。この有底孔部20には、プランジャ30が挿入されている。プランジャ30は、図2(d),(e)に示すように、有底孔部20に嵌入される大きさの有底筒状のケース31を備えている。ケース31の開口32は、ケース31の側周面の内径より狭められている。ケース31の内部には第二圧縮コイルバネ35が配されており、それより開口32側に、出没ヘッド36が配されている。出没ヘッド36は開口32を通過できる大きさ及び形状であるが、出没ヘッド36の第二圧縮コイルバネ35側の端部からは、開口32を通過できない大きさのフランジ部37が延出している。このような構成により、第二圧縮コイルバネ35によって、出没ヘッド36は有底孔部20から突出する方向に付勢されているが、フランジ部37によって有底孔部20から抜け出ないよう規制されている。ここで、第二圧縮コイルバネ35が、本発明の「第二弾性部材」に相当する。なお、第二弾性部材は圧縮コイルバネに限定されず、板バネとすることもできる。
複数のピン45は、頭部40bの裏面、すなわち、頭部40bにおいて回動軸部40aが延びている側の面から突出している(図2(a),(b)参照)。複数のピン45は、それぞれ小孔部11に挿入される大きさであり、複数の小孔部11と同一の角度間隔で、同一の数だけ、円弧に沿って設けられている。複数のピン45それぞれの回動軸部40aからの距離は、複数の小孔部11それぞれの回動軸部40aからの距離と同一である。そして、複数のピン45は、これらが沿っている円弧が、複数の小孔部11が沿っている円弧と重なるように位置している。このような構成により、頭部40bを第一部材1に近づけると、複数のピン45それぞれが小孔部11に挿入される。
加えて、出没ヘッド36の第二部材2における位置は、第二部材2が回動軸部40a周りに回動する際の出没ヘッド36の軌跡が、複数の小孔部11が沿っている円弧と重なるように設定されている。
上記構成により、支軸40の頭部40bが押されていない状態では、圧縮コイルバネ43の付勢によって頭部40bが第一部材1から離れており、頭部40bの裏面から突出している複数のピン45は、プレート10の小孔部11には挿入されていない状態である。つまり、複数の小孔部11は空いている状態である。そのため、第二部材2の有底孔部20に配されている出没ヘッド36が、第二圧縮コイルバネ35の付勢によって有底孔部20から突出し(図2(d)参照)、第一部材1の小孔部11に進入する。その結果、小孔部11と出没ヘッド36とを介して、第一部材1と第二部材2とが係合している状態となるため、第一部材1は第二部材2に対して回動できない状態となる(図1(c)、図2(c)参照)。
支軸40の頭部40bを圧縮コイルバネ43の付勢に抗して押すと、頭部40bから突出している複数のピン45それぞれが小孔部11に圧入される。複数の小孔部11のうちの一つには、第二部材2側から出没ヘッド36が挿入されているため、ここに圧入したピン45によって出没ヘッド36は第二部材2側に押される。これにより、出没ヘッド36は、第二圧縮コイルバネ35を圧縮しつつ有底孔部20の内部に没入する(図2(e)参照)。その結果、小孔部11と出没ヘッド36とを介する第一部材1と第二部材2との係合が解除されるため、第一部材1に対して第二部材2を回動させることが可能な状態となる(図1(b),(d)参照)。
この状態で、第二部材2を回動軸部40a周りに所望の角度だけ回動させたら、頭部40bを押している力を除く。これにより、圧縮コイルバネ43の付勢によって頭部40bは第一部材1から離れた位置に戻り、頭部40bから突出している複数のピン45が小孔部11から抜け出る。その結果、第二圧縮コイルバネ35によって付勢されている出没ヘッド36が、再び有底孔部20から突出し、小孔部11の一つに進入する。第二部材2が回動軸部40a周りに回動する際の出没ヘッド36の軌跡は、複数の小孔部11が設けられている円弧と重なっているため、図3(a)〜図3(f)に示すように、出没ヘッド36が進入する小孔部11は、その時点での第一部材1に対する第二部材2の回動角度に応じた位置にある小孔部11である。小孔部11に出没ヘッド36が進入することにより、第二部材2が第一部材1に対してある角度だけ回動した状態が保持される。なお、図3(b),(d),(f)は、それぞれ図3(a),(c),(e)の状態のプレート10の横断面を、頭部40b側から見た図である。
以上のように、第二部材2の回動に伴い、出没ヘッド36が挿入される小孔部11が異なり、小孔部11は一定の角度間隔で複数が設けられているため、頭部40bを押しながら第二部材2をカチカチと多段階に回動させることができ、頭部40bを押す力を除けば、そのときの回動角度に応じた小孔部11に出没ヘッド36が進入することによって、第二部材2の第一部材1に対する姿勢を保持することができる。
そして、本実施形態の回動角度調整機構によって第一部材1に対する第二部材2の回動角度を調整する操作は、頭部40bを押しながら第二部材2に力を加えて回動させ、所望の角度だけ回動させたら頭部40bを押す力を除くだけの極めて簡単な操作である。
次に、上記の回動角度調整機構を適用した義手50について、図4及び図5を用いて説明する。義手50は、人の親指に相当する第一指部51、人の人差し指〜小指にそれぞれ相当する指部52〜55を備えており、第一指部51及び指部52〜55は、それぞれの基部で手部ベース59に支持されている。第一指部51は、回動及び屈曲していない状態態で、他の指部52〜55とは手部ベース59から延びる方向が30°〜80°異なっている。第一指部51を除く指部52〜55は、図示しないモータの駆動により屈伸する。
第一指部51は、その基部である第一基部51aに交差する第一軸部41aによって、回動可能に手部ベース59に軸支されている。ここで、第一軸部41aの軸心が、図4における軸P1である。
更に、第一指部51は、第一基部51aに連結された第一指部本体51bを有している。第一指部本体51bは、第一軸部41aより先端側で、第一軸部41aとは方向の異なる第二軸部42aによって回動可能に第一基部51aに軸支されている。ここで、第二軸部42aの軸心が、図4における軸P2である。軸P2の方向は、軸P1の方向と直角をなしている。
本実施形態の義手50は、上記の回動角度調整機構を二つ具備している。義手50の手部ベース59、第一基部51a、及び、第一軸部41aが、それぞれ第一の回動角度調整機構の第一部材1、第二部材2、及び回動軸部40aに相当する。第一軸部41aの一端には、頭部41bが設けられている。第一軸部41aと頭部41bとを備える支軸は、上記の支軸40と同一の構成である。手部ベース59は、第一指部51を支持する部分で断面コ字形を呈しており、その内部に第一基部51aが挟み込まれた状態で、手部ベース59及び第一基部51aを第一軸部41aが貫通している(図5(a)参照)。
一方、義手50の第一基部51a、第一指部本体51b、及び、第二軸部42aが、それぞれ第二の回動角度調整機構の第一部材1、第二部材2、及び回動軸部40aに相当する。第二軸部42aの一端には、頭部42bが設けられている。第一軸部42aと頭部42bとを備える支軸は、上記の支軸40と同一の構成である。第一基部51aは、第一軸部41aによって貫通されている部分より先端側で開口した断面コ字形を呈しており、その内部に第一指部本体51bが挟み込まれた状態で、第一基部51a及び第一指部本体51bを第二軸部42aが貫通している(図5(c)参照)。
このような構成により、頭部41bが押されていない状態では、図5(a)に示すように、出没ヘッド36が小孔部11に挿入されていることにより、第一軸部41a周りの第一指部51の回動が規制されている。頭部41bを押すことにより、図5(b)に示すように、出没ヘッド36が有底孔部20の内部に没入し、第一軸部41a周りの第一指部51の回動が可能となる。図4の左上図及び右上図に示すように、軸P1を軸心とする第一軸部41a周りに回動することにより、第一指部51は手の平に対して離隔接近する。第一軸部41a周りの回動角度は、小孔部11の数及び角度間隔に応じて、多段階に調整することができる。
また、頭部42bが押されていない状態では、図5(c)に示すように、出没ヘッド36が小孔部11に挿入されていることにより、第二軸部42a周りの第一指部本体51bの回動が規制されている。頭部42bを押すことにより、図5(d)に示すように、出没ヘッド36が有底孔部20の内部に没入し、第二軸部42a周りの第一指部本体51bの回動が可能となる。図4の左上図及び左下図に示すように、軸P2を軸心とする第二軸部42a周りに回動することにより、第一指部本体51bは他の指部52〜55に離隔接近する。第二軸部42a周りの回動角度は、小孔部11の数及び角度間隔に応じて多段階に調整することができる。なお、図5(c)はD−D線断面図であり、図5(d)はD’−D’線断面図である。
従って、第一軸部41a周りの回動と第二軸部42a周りの回動とを組み合わせ、第一軸部41a周りの回動角度と第二軸部42a周りの回動角度をそれぞれ変化させると共に、モータの駆動によって他の指部52〜55を屈伸させることにより、義手50の姿勢を種々に変化させることができる。人は、日常生活の中で把持したり掴んだりする物品が、ある程度は定まっている。そのため、義手50の使用に慣れていく過程で、第一軸部41a周りに何段階回動させ、第二軸部42a周りに何段階回動させれば、その物品を把持したり掴んだりするのに適しているかという情報を蓄積していくことにより、健常な方の手で速やかに第一指部51の回動角度を調整することが可能となる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、弾性部材として圧縮コイルバネ43を使用する場合を例示したが、引張コイルバネとすることもできる。この場合、引張コイルバネは、回動軸部40aの頭部40bとは反対側の端部において、ワッシャ48と第一部材1(第一部材が平板状の場合は第二部材)との間に配され、引張コイルバネの両端がそれぞれワッシャ48及び第一部材1に固着される。このような構成によっても、頭部40bが第一部材1から離れる方向に、支軸40を付勢することができる。
また、上記では、本発明の回動角度調整機構を義手に適用する場合を示したが、義手のほか、照明器具の支持具、ディスプレイのスタンド、操作者から離れた場所で作業を行うために長尺の柄の先端に作業用の器具を有するハンドツールなど、二つの部材の相対的な回動角度を手動で調整する種々の物品に、本発明の回動角度調整機構を適用することができる。
1 第一部材
2 第二部材
11 小孔部
20 有底孔部
35 第二圧縮コイルバネ(第二弾性部材)
36 出没ヘッド
40 支軸
40a 回動軸部
40b 頭部
41a 第一軸部
41b 頭部
42a 第二軸部
42b 頭部
43 圧縮コイルバネ(弾性部材)
45 ピン
50 義手
51 第一指部
51a 第一基部
51b 第一指部本体
52,53,54,55 指部
59 手部ベース

Claims (3)

  1. 第一部材及び第二部材を相対的な回動可能に軸支している回動軸部、及び、該回動軸部の前記第一部材側の端部に設けられた頭部を有し、弾性部材によって前記頭部が前記第一部材から離れる方向に付勢されている支軸と、
    前記第一部材において、前記回動軸部と同心の円弧または円周に沿って貫設されている複数の小孔部と、
    前記第二部材において、深さ方向が前記回動軸部と平行で前記第一部材側の表面に開口している有底孔部に挿入されており、第二弾性部材によって前記有底孔部から突出する方向に付勢されている出没ヘッドと、
    前記頭部の裏面から、複数の前記小孔部と同一の角度間隔、同一の数、及び前記回動軸部から同一の距離で、前記小孔部に向かって突出しており、前記弾性部材の付勢に抗して前記頭部が押圧されたときに前記小孔部にそれぞれ挿入される複数のピンと、を具備しており、
    前記第二部材が前記回動軸部周りに回動する際の前記出没ヘッドの軌跡は、複数の前記小孔部が設けられている前記円弧または前記円周と重なっている
    ことを特徴とする回動角度調整機構。
  2. 請求項1に記載の回動角度調整機構を具備する義手であって、
    親指に相当する第一指部を含む複数の指部がそれぞれの基部で手部ベースに支持されており、
    前記第一指部は、回動及び屈曲していない状態で、他の前記指部とは前記手部ベースから延びる方向が30°〜80°異なっていると共に、前記第一指部の基部である第一基部に交差する第一軸部によって回動可能に前記手部ベースに軸支されており、
    前記手部ベース、前記第一基部、及び前記第一軸部が、それぞれ前記回動角度調整機構における前記第一部材、前記第二部材、及び前記回動軸部に相当する
    ことを特徴とする義手。
  3. 第二の前記回動角度調整機構を更に具備していると共に、
    前記第一指部は、前記第一軸部より先端側で、前記第一軸部と方向の異なる第二軸部によって回動可能に前記第一基部に軸支されている第一指部本体を有しており、該第一指部本体は前記第二軸部周りの回動によって他の前記指部に対して屈伸するものであり、
    前記第一基部、前記第一指部本体、及び前記第二軸部が、それぞれ第二の前記回動角度調整機構における前記第一部材、前記第二部材、及び前記回動軸部に相当する
    ことを特徴とする請求項2に記載の義手。
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