以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1ないし図5は本発明の第1実施形態に係り、図1は、本発明の第1の実施形態であるニードルドライバの外観を示す斜視図、図2は、第1実施形態のニードルドライバをその処置具がわから見た正面図、図3は、第1実施形態のニードルドライバをその一側面がわから見た側面図、図4は、第1実施形態のニードルドライバを図2に示すIV−IV断面で切り取って示した断面図、図5は、第1実施形態のニードルドライバにおける操作ダイヤル、操作ダイヤル軸及びその周辺部を第2ハンドルの部分を省いて示した要部拡大斜視図である。
図1乃至図5に示すように、本第1実施形態のニードルドライバ1は、術者が片手で把持しての操作に供する操作部2と、この操作部2の先端側一端に連結して配設された、被検体に挿入される部位である挿入部3と、この挿入部3の先端側端部に突設された、吻合用湾曲針を保持する処置部4とで要部が構成されている。
まず、図1乃至図5を参照して、上記操作部2の構成について説明する。
上記操作部2の基端側には帯状板状体を呈する第1の固定板5が設けられ、この第1の固定板5の上下両側面には、例えばステンレス製の薄肉プレートで構成される挟み板6a,6bが接合して設けられている。さらに、第1の固定板5の上下両側面には挟み板6a,6bを介して帯状板状体を呈する第1ハンドル7と第2ハンドル8が接合されている。
また、図4における操作部2の縦断側面図に示すように、挟み板6a,6bを含む第1の固定板5にはその長手方向に離間して複数の通孔9が設けられている。また、第1ハンドル7には通孔9に対向するねじ孔10が穿設され、第2ハンドル8には通孔9と対向する取付け孔11が穿設されている。そして、ハンドル固定ねじ12が取付け孔11から通孔9を介してねじ孔10が螺合され、第1の固定板5に対して第1及び第2ハンドル7,8が挟持固定されている。なお、取付け孔11にはハンドル固定ねじ12の頭部12aが収納される凹部11aが設けられている。
上記操作部2の先端側には第1及び第2ハンドル7,8に挟み板6a,6bを介して介在された状態で、第2の固定板13の基端部が前後方向(操作部2の長軸方向)に進退自在に設けられている。上記第2の固定板13は、第1の固定板5より狭幅の帯状板状体で、基端部には前後方向(長軸方向)に長い長孔14が貫通して設けられている。さらに、第1の固定板5の先端部と第2の固定板13の長孔14に対向する第1ハンドル7には凹陥部15が設けられ、第2ハンドル8には長孔14に対向する開口部16が設けられている。
また、第1の固定板5の先端面と第2の固定板13の基端面との間には間隙17が形成され、この間隙17には操作プーリ18が設けられている。なお、この間隙17は、操作部2の中程から挿入部3との接合部寄りの位置において形成されている。
上記操作プーリ18の中心には、後述する操作ダイヤル23の軸を兼ねる操作ダイヤル軸19が貫通固定されている。当該操作ダイヤル軸19の第1ハンドル7側の端部19aには摺動ベアリング20aが、また、第2ハンドル8側の端部19bには摺動ベアリング20bがそれぞれ当接され、これら摺動ベアリング20a、20bにより操作ダイヤル軸19は回転自在に枢支されている。
上記操作ダイヤル軸19の端部19aおよび摺動ベアリング20aは、第1ハンドル7の表面に形成された、後述するガイド長孔21aにおいて露出し、一方、 上記操作ダイヤル軸19の端部19bおよび摺動ベアリング20bは、第2ハンドル8の表面に形成された、同じく後述するガイド長孔21bにおいて露出する。
さらに、第1ハンドル7の表面および第2ハンドル8の表面における、上記摺動ベアリング20a及び摺動ベアリング20bが露出する位置から操作部2の一側方に掛けての短軸方向(幅方向)には、それぞれ長孔形状を呈するガイド長孔21aおよび21bが形成されている。
そして、上記摺動ベアリング20aは第1ハンドル7に形成された上記ガイド長孔21aに沿って、一方、摺動ベアリング20bは第2ハンドル8に形成された上記ガイド長孔21bに沿って共に摺動可能に配設されている。
上記ガイド長孔21aおよび21b内においては、上記摺動ベアリング20aおよび20bと第1ハンドル7および第2ハンドル8との間に付勢バネ22aおよび22bが架設されており、これにより摺動ベアリング20aおよび20bは(すなわち操作ダイヤル軸19の軸19aおよび19bは)それぞれ付勢バネ22aおよび22bにより、当該操作部2の一側方から中心軸方向に向けて付勢される。
一方、上記第1ハンドル7における上記凹陥部15には、上記操作ダイヤル軸19を軸とする操作ダイヤル23が配設されている。
操作ダイヤル23は、その中心に上記操作ダイヤル軸19が貫通固定されると共に、該操作ダイヤル軸19および摺動ベアリング20a、20bのガイド長孔21a、21bに沿っての移動に伴って、操作部2の短軸方向(幅方向)に移動可能に配設される。
また、操作ダイヤル23の径は第1ハンドル7の幅(短軸方向の幅)より大きく、その外周面の一部は第1ハンドル7の両端面の開口24から両側方側に向けて外側に突出して配設されている。さらに、操作ダイヤル23の外周面は、例えば凹凸を付けるローレット加工やゴム部材によるコーティングにより滑り止めが施され、当該ニードルドライバ1の操作者の手指によって操作ダイヤル23を回動操作することにより、操作ダイヤル軸19を介して操作プーリ18に回転力が伝わるようになっている。また、上記操作プーリ18には、ベルト25が掛け渡されている。
なお、本実施形態では、上記操作ダイヤル23と上記操作プーリ18とは、共に貫通固定する操作ダイヤル軸19を介して一体的に回動するようになっているが、上記操作ダイヤル23と上記操作プーリ18とをその中心軸を一致させて直接固着し、共に操作ダイヤル軸19に対して回動自在に枢支されるように構成しても良い。
さらに、挟み板6a,6bには第2ハンドル8の開口部16側から長孔14を貫通して2本の調整ねじ30が設けられ、この調整ねじ30は調整ナット31により締結されている。従って、調整ねじ30を締めることにより、長孔14の範囲内で第2の固定板13を操作部2の長軸方向(前後方向)に進退させることができ、組み立て時にベルト25の張力を調整できるようになっている。
また、第2の固定板13の一部の両側面には、例えばステンレス製の薄肉プレートからなる挟み板32a,32bが設けられている。これら挟み板32a,32bは複数本の板止めねじ33とナット34によって第2の固定板13に固定されている。挟み板32a,32bは第2の固定板13より若干幅広に形成されていて、第2の固定板13の両側部に上記ベルト25を進退自在に、且つ当該ベルト25の幅方向の移動を防止するベルト案内溝が設けられている。従って、第2の固定板13の肉厚はベルト25の幅と略等しく形成されている。
次に、上記挿入部3および処置部4について図6乃至図9を参照して詳細に説明する。
図6および図7は、本発明の第1実施形態のニードルドライバにおける挿入部および処置部を図2に示すVI−VI断面で切り取って示した断面図であり、図6は処置部が開状態であるときの様子を、図7は同処置部が閉状態であるときの様子をそれぞれ示したものである。また、図8は、第1実施形態のニードルドライバにおける処置部近傍を拡大して示した要部拡大斜視図であり、図9は、第1実施形態のニードルドライバにおける操作ダイヤルの回動力伝達機構を概略的に示した要部拡大斜視図である。
図6および図7に示すように、第2の固定板13の先端部は挟み板32a,32bより短く形成され、第2の固定板13の先端部には間隙36が設けられている。この間隙36には回動プーリ37が設けられており、該回動プーリ37の中心軸Oは挿入部3に対して直角であり、その両端部は摺動ベアリング38に回動自在に取り付けられている。
上記摺動ベアリング38は挟み板32a,32bに固定され、上記回動プーリ37には上記ベルト25が掛け渡され、上述した操作プーリ18の回転が当該ベルト25によって回動プーリ37に伝達されるようになっている(図9参照)。
なお、上述した操作プーリ18、ベルト25、回動プーリ37等により、操作ダイヤル23の回動力を後述する処置部4の第1のジョー40および第2のジョー41に伝達する回動力伝達機構を構成する(図9参照)。
上記回動プーリ37の中心軸Oにはその軸方向に貫通穴39が設けられている。また、回動プーリ37の一端には挟み板32bを貫通して突設される第1の挟持部40(以下、第1のジョー40と呼称する)が一体的に回動するように設けられている。
上記第1のジョー40は略円柱形状を呈し、その長軸方向の中心軸が挿入部3の長軸に対して直角となるよう突設されており、かつ、当該中心軸回りに回動自在になされ、さらに、上記回動プーリ37と一体的に回動するようになっている。
また、上記第1のジョー40の長軸方向の略中間部には断面が半円状で、第1のジョー40の中心軸Oと略一致する平坦面40aが形成されている。また、第1のジョー40の先端部にはその長軸方向の中心軸に対して直角の把持面40bが形成されている。
上記回動プーリ37の貫通孔39には、上記第1のジョー40の中心軸と平行に移動自在な第2の挟持部41(以下、第2のジョー41と呼称する)が貫通されている。
上記第2のジョー41は略円柱形状を呈し、その先端部には上記把持面40bに対して進退自在な把持片42が固定され、該把持片42には上記把持面40bに対向する把持面42aが設けられている。さらに第2のジョー41は、回動プーリ37と一体的に回動するようになっている。
上記第1のジョー40及び第2のジョー41との接合面には段付き切欠部40cおよび41bが設けられ、第1のジョー40に対して摺動しながら進退するガイドの役目を果たしている。
第2のジョー41の後端部は上記挟み板32aを貫通して後方に突出しており、その端部には細径部43が形成されている。この細径部43には上記把持面42aを上記把持面40bに押しつける方向に付勢するための、例えばステンレスで構成された板ばね44の自由端部が連結されている。
上記板ばね44の基端部は、上記第2の固定板13の略中間部において挟み板32aを介して複数本の固定ねじ45によって固定されている。さらに、板ばね44の自由端部の先端部には上記第2のジョー41の細径部43を取り付けるための切欠き部46が形成されている。
次に、図1乃至図5に戻って、上記第1のジョー40および第2のジョー41の開閉操作に供する力を伝達する機構について説明する。
図1及び図2に示すように、上記第2ハンドル8の表面においては、上述したようにガイド長孔21bが操作部2の中心軸から操作部2の一側方にかけて形成されているが、この上記ガイド長孔21bの近傍において、当該操作部2の他側方寄りに偏った位置には、操作部2の長軸方向に延設されたガイド溝47が形成されている。
一方で、上記操作部2における操作ダイヤル23の操作に伴う力を上記処置部4における第1のジョー40および第2のジョー41の開閉動作に結びつける伝達ロッド28が上記挿入部3の他側方に沿って配設されている。この伝達ロッド28は、例えばステンレスで構成され、その操作部2側の端部にはL字形状の屈曲部29が形成され、さらにこの屈曲部29の先端部は上記ガイド溝47に摺動自在に係合している。
さらに図5に示すように屈曲部29と上記操作ダイヤル軸19との間には、上記第2ハンドル8と挟み板6bとの間において摺動可能に配設されたリンク27が架設されている。
当該リンク27の一端部には上記屈曲部29が回転自在に嵌入されており、また、リンク27の他端部には、挟み板6bと摺動ベアリング20bとの間において上記操作ダイヤル軸19が回動自在に嵌入されている。
上述したように、操作ダイヤル軸19は摺動ベアリング20bと共にガイド長孔21bに案内されて操作部2の幅方向に移動可能である。そして、操作ダイヤル軸19を上述した付勢ばね22bの付勢力に抗して移動させると(図5中、矢印B方向)、上記リンク27を介して伝達ロッド28が図5中、矢印Cの方向に移動することとなる。
図1に戻って、伝達ロッド28は、第2の固定板13に沿って処置部4の近傍まで延設され、挿入部3の長軸方向に進退自在に支持されている。そして、伝達ロッド28の処置部4側の端部には、略L字形状に屈曲された屈曲部48が形成されている。
上記屈曲部48は上記挟み板32aと板ばね44との間に挟設され、当該板ばね44を弾性変形して上記第2のジョー41を開閉操作する力を伝達する役目を果たす。
なお、上記操作ダイヤル軸19、摺動ベアリング20a、20b、リンク27、伝達ロッド28、屈曲部48および板ばね44等により、操作ダイヤル23の側方向の押圧操作による力を第2のジョー41に伝達する開閉力伝達機構を構成する。
また、第2の固定板13に対して挟み板32a,32bを固定する複数本の板止めねじ33にはコの字形状に折り曲げられた板状部材50が共締めされ、該板状部材50によって伝達ロッド28を軸方向に進退自在に保持している。
次に、上記第1の実施形態のニードルドライバの作用について説明する。
図1、図2、図5に示すように、操作者が操作ダイヤル23を付勢バネ22a、22bの付勢力に抗して、操作部2の一側方(図2中、矢印Aの方向)に向けて押圧すると、操作ダイヤル軸19および摺動ベアリング20a、20bは、付勢バネ22a、22bの付勢力に抗してガイド長孔21a、21bに沿って当該矢印Aの方向に摺動する。
この操作ダイヤル軸19の移動により、リンク27を介して伝達ロッド28が操作部2の手元側に牽引され、その端部である屈曲部48の先端部が板ばね44の付勢力に抗して板ばね44の基端部側へと移動する。これにより、板ばね44の自由端部は挟み板32aから離間される方向に押し広げられる。
一方で、操作ダイヤル23に何等外力が加えられていないときには、付勢バネ22a、22bの付勢力により、摺動ベアリング20a、20bを介して操作ダイヤル軸19が中心軸に保持され、これにより、リンク27を介して伝達ロッド28が処置部4側寄りの位置に保持される。すなわち、屈曲部48の先端部も板ばね44の付勢力により、当該ばねの自由端部の先端側に位置した状態で保持される。またこのとき、板ばね44はその付勢力によりその自由端部先端が挟み板32aに接近する方向に引き寄せられた状態で保持されている。
このように、操作ダイヤル23の押圧操作に応じて、伝達ロッド28が挿入部3の長軸方向に移動し、これにより屈曲部48の移動を介して板ばね44の自由端部が揺動する。そして、この板ばね44の自由端部の揺動に応じて、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとによる開閉動作が実現する。
この動作を操作者(術者)の立場から説明する。
術者が一方の手で操作部2を把持し、その人差し指で操作ダイヤル23を操作部2の幅方向に押圧する。これにより、初期状態にあった伝達ロッド28が操作部2の手元側に牽引され、板ばね44の自由端部が広がる方向に揺動し、第2のジョー41が後端側に引張され把持面40bと把持面42bとが開状態となる(図6に示す状態)。
これとは逆に、術者が操作ダイヤル23の押圧を解除すると、操作部2の手元側に牽引されていた伝達ロッド28が初期状態に戻り、板ばね44の自由端部が狭まる方向に揺動し、第2のジョー41が前端側に押圧され把持面40bと把持面42bとが閉状態となる(図7に示す状態)。
このように、術者が操作ダイヤル23の押圧動作、押圧解除を行うことで、第1のジョー40および第2のジョー41における把持面40bと把持面42bとの間に円弧形状を呈する吻合用湾曲針80を把持することができる(図8および図10参照)。
なお、操作ダイヤル23から手指を放しても板ばね44の付勢力によって把持面42bと把持面40aとが接触して閉じた状態に保持されていることから吻合用湾曲針80が不用意に脱落することはない。
一方、術者がその人差し指で操作ダイヤル23を回動操作すると、操作ダイヤル23と一体的に回動する操作プーリ18が回動し、ベルト25を介して処置部4側の回動プーリ37が回動する。これにより、第1のジョー40および第2のジョー41が回動し、把持面40bと把持面42bとの間に把持した吻合用湾曲針80が図8あるいは図10に示すように回動する。すなわち、術者は、この操作ダイヤル23の回動操作により、処置部4に把持した吻合用湾曲針80を用いて吻合等の処置をすることができる。
なお、上記吻合用湾曲針80は、図8及び図10に示すように、円弧状に湾曲しており、一端には尖端部が設けられ、他端部には糸通し部が設けられている。この糸通し部には縫合糸81が接続されている。また、第1のジョー40と第2のジョー41の把持面40b,42aによって吻合用湾曲針80が把持されたとき、その吻合用湾曲針80の円弧方向と平行に把持される。しかも、吻合用湾曲針80の凸円弧部が第1のジョー40の平坦面40aに接した状態で把持される。つまり、吻合用湾曲針80は第1のジョー40の中心軸Oと略一致する位置で把持されるため、第1のジョー40及び第2のジョー41が中心軸Oを中心として回動すると、吻合用湾曲針80は第1のジョー40の中心軸Oを略中心として回動することになる。
このように、本実施形態のニードルドライバによると、術者は所定の単独の指による操作のみで、吻合用湾曲針を把持および回動させる処置部の開閉操作および回動操作を行うことができ、すなわち、処置部の回動操作および開閉操作という2つの操作を単独の指で行うことができ、操作が簡単であり、処置部4の操作中にあっても操作ダイヤル23を操作する指が単独ですむため、操作部2を安定して把持することが可能で、処置部4により把持している吻合用湾曲針80の先端の位置決めが容易になり、運針が正確になり、手術時の吻合クオリティの向上を図ることができる。また、操作が容易になることで、手術時間が短縮され、これにより患者への負担が軽減され、患者の早期退院、ひいては早期社会復帰が促進されるとともに、入院患者用のベッドの回転効率が向上し、効率的な病院経営を実現することができる。
なお、本実施形態においては、所定の単独の指として術者の一方の手の人差し指を例に挙げたがこれに限られないことは言うまでもない。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図11乃至図14は、本発明の第2実施形態に係り、図11は、本発明の第2実施形態であるニードルドライバの外観を示す斜視図、図12は、第2実施形態のニードルドライバをその処置具がわから見た正面図、図13は、第2実施形態のニードルドライバを図12に示すXIII−XIII断面で切り取って示した断面図、図14は、第2実施形態のニードルドライバにおける操作ダイヤル、操作ダイヤル軸及びその周辺部を第2ハンドルの部分を省いて示した要部拡大斜視図である。
なお、本第2実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第1実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
図11乃至図14に示すように、第2実施形態のニードルドライバ1Aは、第1実施形態のニードルドライバに対して操作部2の構成のみを異にしている。その他の挿入部3及び処置部4については上記第1実施形態と同様である。
図1乃至図5を参照して、第2実施形態における操作部2Aの構成について、上記第1実施形態における操作部2との差異を主として説明する。
上記操作部2Aには、上記操作部2同様に、第1の固定板5、挟み板6a,6b、第1ハンドル7及び第2ハンドル8が配設される。
また、第1の固定板5の先端面と第2の固定板13の基端面との間には間隙17が形成され、この間隙17には操作プーリ18が設けられ、上記操作プーリ18の中心には、後述する操作ダイヤル23の軸を兼ねる操作ダイヤル軸119が貫通固定されている。当該操作ダイヤル軸119の第1ハンドル7側の端部119aには摺動ベアリング20aが、また、第2ハンドル8側の端部119bには摺動ベアリング20bがそれぞれ当接され、これら摺動ベアリング20a、20bにより操作ダイヤル軸119は回転自在に枢支されている。
上記操作ダイヤル軸119の端部119aおよび摺動ベアリング20aは、第1ハンドル7の表面に形成された、後述するガイド長孔121aにおいて露出し、一方、 上記操作ダイヤル軸119の端部119bおよび摺動ベアリング20bは、第2ハンドル8の表面に形成された、同じく後述するガイド長孔121bにおいて露出する。
本第2実施形態においては、第1ハンドル7の表面および第2ハンドル8の表面における、上記摺動ベアリング20a及び摺動ベアリング20bが露出する位置から操作部2Aの両側方に掛けての短軸方向(幅方向)に、それぞれ長孔形状を呈するガイド長孔121aおよび121bが形成されている。
そして、上記摺動ベアリング20aは第1ハンドル7に形成された上記ガイド長孔121aに沿って、一方、摺動ベアリング20bは第2ハンドル8に形成された上記ガイド長孔121bに沿って共に摺動可能に配設されている。
上記ガイド長孔121aおよび121b内において、上記摺動ベアリング20aおよび20bと第1ハンドル7および第2ハンドル8における両側方の内壁面との間には、それぞれ付勢バネ101a、101bおよび101c、101dが架設されている(特に、図12、図14に示すようにガイド長孔121b内における付勢バネを符号101c、101dで示す)。これにより摺動ベアリング20aおよび20bは(すなわち操作ダイヤル軸119の軸119aおよび119bは)共に、2組の付勢バネにより、当該操作部2Aの両側方から中心軸方向に向けて付勢される。
これにより、摺動ベアリング20a、20bは、それぞれの付勢バネで支持され、外力が加わらない状態ではそれぞれガイド長孔121a、121bの中央部に保持される。
一方、上記第1ハンドル7における上記凹陥部15には、上記操作ダイヤル軸119を軸とする操作ダイヤル23が配設されている。
操作ダイヤル23は、その中心に上記操作ダイヤル軸119が貫通固定されると共に、該操作ダイヤル軸119および摺動ベアリング20a、20bのガイド長孔121a、121bに沿っての移動に伴って、操作部2Aの短軸方向(幅方向)に移動可能に配設される。
第2実施形態においても、操作ダイヤル23の径は第1ハンドル7の幅(短軸方向の幅)より大きく、その外周面の一部は第1ハンドル7の両端面の開口24から両側方側に向けて外側に突出して配設され、その外周面は、ローレット加工等により滑り止めが施され、当該ニードルドライバ1Aの操作者の手指によって操作ダイヤル23を回動操作することにより、操作ダイヤル軸119を介して操作プーリ18に回転力が伝わるようになっている。また、上記操作プーリ18には、ベルト25が掛け渡されている。
次に、本第2実施形態における、処置部4の開閉操作に供する力を伝達する機構について説明する。
図11および図12に示すように、上記第2ハンドル8の表面においては、上述したようにガイド長孔121bが操作部2Aの中心軸から操作部2Aの両側方にかけて形成されているが、この上記ガイド長孔121bの近傍において、当該操作部2Aの他側方寄りに偏った位置には、操作部2Aの長軸方向に延設されたガイド溝87が形成されている。
一方で、上記操作部2Aにおける操作ダイヤル23の操作に伴う力を上記処置部4における第1のジョー40および第2のジョー41(第1実施形態参照)の開閉動作に結びつける上記第1実施形態と同様の伝達ロッド28が挿入部3の他側方に沿って配設されている。
この伝達ロッド28は、その操作部2A側の端部にはL字形状の屈曲部29が形成され、さらにこの屈曲部29の先端部は上記ガイド溝87に摺動自在に係合している。
さらに図14に示すように屈曲部29と上記操作ダイヤル軸119との間には、上記第2ハンドル8と挟み板6bとの間において摺動可能に配設された駆動方向変換プレート102が配設されている。
駆動方向変換プレート102の中央部には、所定の斜面形状のカムフォロワ面が形成された、等脚の台形形状をした貫通孔103が形成されている。この貫通孔103内においては、上記摺動ベアリング20bと挟み板6bとの間で操作ダイヤル軸119に貫通された軸受け部材であって、また貫通孔103の当該等脚台形形状のうち下底側を切り取った等脚台形形状を外周面(カム面)として持つ台形軸受け104が配設され、上記貫通孔103におけるカムフォロワ面と摺動可能に接している。
また、当該駆動方向変換プレート102の一端部には上記屈曲部29が嵌入されており、駆動方向変換プレート102の移動により、操作部2Aの長軸方向に駆動されるようになっている。
次に、上記第2の実施形態のニードルドライバの作用について説明する。
図11、図12、図14に示すように、操作者が操作ダイヤル23を付勢バネ101a、101bおよび101c、101dの付勢力に抗して、操作部2Aの両側方の何れかに向けて押圧すると、操作ダイヤル軸119および摺動ベアリング20a、20bは、付勢バネ101a、101bおよび101c、101dの付勢力に抗してガイド長孔121a、121bに沿って当該何れかの方向に摺動する。
この操作ダイヤル軸119の移動により、駆動方向変換プレート102を介して伝達ロッド28が操作部2Aの手元側に牽引される。すなわち、台形軸受け104の斜面(カム面)が貫通孔103の斜面(カムフォロワ面)を押圧し、駆動方向変換プレート102は操作部2Aの手元側に平行移動する。従って、屈曲部29を介して駆動方向変換プレート102に接続されている伝達ロッド28は手元側に牽引され、その端部である屈曲部48の先端部が板ばね44の付勢力に抗して板ばね44の基端部側へと移動する。これにより、板ばね44の自由端部は挟み板32aから離間される方向に押し広げられる。
一方で、操作ダイヤル23に何等外力が加えられていないときには、付勢バネ101a、101bおよび101c、101dの付勢力により、摺動ベアリング20a、20bを介して操作ダイヤル軸119は中心軸に保持され、これにより、駆動方向変換プレート102を介して伝達ロッド28が処置部4側寄りの位置に保持される。すなわち、屈曲部48の先端部も板ばね44の付勢力により、当該ばねの自由端部の先端側に位置した状態で保持される。またこのとき、板ばね44はその付勢力によりその自由端部先端が挟み板32aに接近する方向に引き寄せられた状態で保持されている。
このように、操作ダイヤル23の押圧操作に応じて、第1実施形態と同様に、伝達ロッド28が挿入部3の長軸方向に移動し、これにより屈曲部48の移動を介して板ばね44の自由端部が揺動する。そして、この板ばね44の自由端部の揺動に応じて、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとによる開閉動作が実現する。
なお、処置部4の回動動作については、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
このように、本第2実施形態のニードルドライバによると、第1実施形態と同様に、術者は所定の単独の指による操作のみで、吻合用湾曲針を把持および回動させる処置部の開閉操作および回動操作を行うことができ、すなわち、処置部の回動操作および開閉操作という2つの操作を単独の指で行うことができ、操作が簡単であり、処置部4の操作中にあっても操作ダイヤル23を操作する指が単独ですむため、操作部2Aを安定して把持することが可能で、処置部4により把持している吻合用湾曲針80の先端の位置決めが容易になり、運針が正確になり、手術時の吻合クオリティの向上を図ることができる。
また、操作ダイヤル23の押圧操作が操作部の両側方から可能となるので、操作部2の様々な把持の仕方に対応可能となる。
このように本第2実施形態では、操作が容易になることで、手術時間が短縮され、これにより患者への負担が軽減され、患者の早期退院、ひいては早期社会復帰が促進されるとともに、入院患者用のベッドの回転効率が向上し、効率的な病院経営を実現することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図15乃至図20は、本発明の第3実施形態に係り、図15は、本発明の第3実施形態であるニードルドライバの外観を示す斜視図、図16は、第3実施形態のニードルドライバをその処置具がわから見た正面図、図17は、第3実施形態のニードルドライバをその一側面がわから見た側面図、図18は、第3実施形態のニードルドライバを図17に示すXVIII−XVIII断面で切り取って示した断面図であり、図19は、第3実施形態のニードルドライバにおける開閉駆動用の押圧板とその周辺を示した要部拡大正面図である。
なお、本第3実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第1,第2実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
図15乃至図19に示すように、第3実施形態のニードルドライバ1Bは、第1実施形態のニードルドライバに対して操作部2Bの構成のみを異にしている。その他の挿入部3及び処置部4については上記第1実施形態と同様である。
図15乃至図19を参照して、第3実施形態における操作部2Bの構成について、上記第1実施形態における操作部2との差異を主として説明する。
上記操作部2Bには、上記操作部2同様に、第1の固定板5、挟み板6a,6b、第1ハンドル7及び第2ハンドル8が配設される。
また、第1の固定板5の先端面と第2の固定板13の基端面との間には間隙17が形成され、この間隙17には操作プーリ18が設けられ、上記操作プーリ18の中心には、操作ダイヤル23の軸を兼ねる操作ダイヤル軸19が貫通固定されている。当該操作ダイヤル軸19の第1ハンドル7側の端部19aには摺動ベアリング20aが、また、第2ハンドル8側の端部19bには摺動ベアリング20bがそれぞれ当接され、これら摺動ベアリング20a、20bにより操作ダイヤル軸19は回転自在に枢支されている。
第3実施形態においても、操作ダイヤル23の径は第1ハンドル7の幅(短軸方向の幅)より大きく、その外周面の一部は第1ハンドル7の両端面の開口24から両側方側に向けて外側に突出して配設され、その外周面は、ローレット加工等により滑り止めが施され、当該ニードルドライバ1Bの操作者の手指によって操作ダイヤル23を回動操作することにより、操作ダイヤル軸19を介して操作プーリ18に回転力が伝わるようになっている。また、上記操作プーリ18には、ベルト25が掛け渡されている。
次に、本第2実施形態における、処置部4の開閉操作に供する力を伝達する機構について説明する。
図15乃至図17に示すように、操作ダイヤル23の近傍であって、操作ダイヤル23より操作部2Bのやや手元側の一側方には、処置部4の開閉駆動用の押圧板128が配設されている。
また、上記第2ハンドル8の表面においては、上記押圧板128の近傍には、操作部2Bの長軸方向に延設されたガイド溝137が形成されている。
一方で、上記操作部2Bにおける押圧板128の操作に伴う力を処置部4における第1のジョー40および第2のジョー41(第1実施形態参照)の開閉動作に結びつける上記第1実施形態と同様の伝達ロッド28が挿入部3の他側方に沿って配設されている。この伝達ロッド28の操作部2B側の端部にはL字形状の屈曲部129が形成され、さらにこの屈曲部129の先端部は上記ガイド溝137に摺動自在に係合している。
第3実施形態においては、上記屈曲部129の先端部は、図19の要部拡大部に示すように、操作部2Bの長軸方向に対して斜面133を形成するように屈曲部129の軸方向に切り欠きが形成されている。
ここで、上記押圧板128と屈曲部129との係合関係について説明する。
図18に示すように、第1ハンドル7上の操作ダイヤル23より後端側に貫通孔124が設けられていて、該貫通孔124には両側に細径の係止部126が形成されている。この貫通孔124には係合ピン127が摺動可能に嵌入されていて、該係合ピン127の一端は太径に形成され、上記係止部126にその移動が規制されている。上記係合ピン127の他端は上記押圧板128に形成された貫通孔に嵌合し固定されている。また、係合ピン127には付勢バネ130が巻着されている。この付勢バネ130は、係止部125と上記押圧板128との間に架設されており、これにより上記押圧板128は第1ハンドル7から離間する方向に付勢されている。
一方、上記屈曲部129の先端部には上述したように斜面133が形成されており、上記ガイド溝137に摺動可能に挿入されている。このガイド溝137には、上記貫通孔124と同方向の穴131が設けられている。この穴131には、上記屈曲部129の斜面133と対向する位置において、ほぼ同一の角度にカットされている斜面が形成された駆動用ピン132が挿入されている。また、この駆動用ピン132の他端は上記押圧板128に形成された貫通孔に嵌合し固定されている。
次に、上記第3実施形態のニードルドライバの作用について説明する。
操作者が上記押圧板128を、上記付勢バネ130の付勢力に抗して押圧すると、押圧板128に固着された駆動用ピン132の先端面と屈曲部129の先端面とが係合し、屈曲部129がガイド溝137に案内されて操作部2Bの手元側に摺動する。
すなわち、この押圧板128の押圧操作により伝達ロッド28が操作部2Bの手元側に牽引され、その端部である屈曲部48の先端部が板ばね44の付勢力に抗して板ばね44の基端部側へと移動する。これにより、板ばね44の自由端部は挟み板32aから離間される方向に押し広げられる。
一方で、押圧板128に何等外力が加えられていないときには、付勢バネ130の付勢力により、伝達ロッド28は処置部4側寄りの位置に保持される。すなわち、屈曲部48の先端部も板ばね44の付勢力により、当該ばねの自由端部の先端側に位置した状態で保持される。またこのとき、板ばね44はその付勢力によりその自由端部先端が挟み板32aに接近する方向に引き寄せられた状態で保持されている。
このように、押圧板128の押圧操作に応じて、第1実施形態と同様に、伝達ロッド28が挿入部3の長軸方向に移動し、これにより屈曲部48の移動を介して板ばね44の自由端部が揺動する。そして、この板ばね44の自由端部の揺動に応じて、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとによる開閉動作が実現する。
なお、処置部4の回動動作については、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
このように、本第3実施形態のニードルドライバによると、第1実施形態と同様に、術者は所定の単独の指による操作のみで、吻合用湾曲針を把持および回動させる処置部の開閉操作および回動操作を行うことができ、すなわち、処置部の回動操作および開閉操作という2つの操作を単独の指で行うことができ、操作が簡単であり、処置部4の操作中にあっても操作ダイヤル23を操作する指が単独ですむため、操作部2Aを安定して把持することが可能で、処置部4により把持している吻合用湾曲針80の先端の位置決めが容易になり、運針が正確になり、手術時の吻合クオリティの向上を図ることができる。また、操作が容易になることで、手術時間が短縮され、これにより患者への負担が軽減され、患者の早期退院、ひいては早期社会復帰が促進されるとともに、入院患者用のベッドの回転効率が向上し、効率的な病院経営を実現することができる。
さらに、第3実施形態によると、開閉操作力の入力部(押圧板128)と回動力の入力部(操作ダイヤル23)とが別々に設けられるものの一方で、これら2つの入力部は極めて近傍に設けられ、したがって、開閉、回動単独の操作が行いやすく、すなわち意図せずに違う操作をする虞が少なく、医師が操作に慣れるのに要する時間が短くてすむという効果を奏する。
また、開閉力入力部(押圧板128)が操作ダイヤル23より手元側(処置具を支持している点より後端側となる)にあり、押圧操作をした際にも先端がぶれにくいため、正確な運針が可能であり、手術の吻合クオリティの向上を図ることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図20乃至図23は、本発明の第4実施形態に係り、図20は、本発明の第4実施形態であるニードルドライバの外観を示す斜視図、図21は、第4実施形態のニードルドライバをその処置具がわから見た正面図、図22は、第4実施形態のニードルドライバをその一側面がわから見た側面図、図23は、第4実施形態のニードルドライバを図22に示すXXIII−XXIII断面で切り取って示した断面図である。
なお、本第4実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第1乃至第3実施形態、特に第3実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
図20乃至図23に示すように、第4実施形態のニードルドライバ1Cは、第3実施形態のニードルドライバに対して操作部2Cの構成、特に開閉駆動用の押圧板の構成のみを異にしている。その他の挿入部3及び処置部4については上記第3実施形態と同様である。
図20乃至図23を参照して、第4実施形態における操作部2Cの構成について、上記第3実施形態における操作部2Bとの差異を主として説明する。
上記操作部2Cには、上記操作部2同様に、第1の固定板5、挟み板6a,6b、第1ハンドル7及び第2ハンドル8が配設される。
また、第1の固定板5の先端面と第2の固定板13の基端面との間には間隙17が形成され、この間隙17には操作プーリ18が設けられ、上記操作プーリ18の中心には、操作ダイヤル23の軸を兼ねる操作ダイヤル軸19が貫通固定されている。当該操作ダイヤル軸19の第1ハンドル7側の端部19aには摺動ベアリング20aが、また、第2ハンドル8側の端部19bには摺動ベアリング20bがそれぞれ当接され、これら摺動ベアリング20a、20bにより操作ダイヤル軸19は回転自在に枢支されている。
第4実施形態においても、操作ダイヤル23の径は第1ハンドル7の幅(短軸方向の幅)より大きく、その外周面の一部は第1ハンドル7の両端面の開口24から両側方側に向けて外側に突出して配設され、その外周面は、ローレット加工等により滑り止めが施され、当該ニードルドライバ1Bの操作者の手指によって操作ダイヤル23を回動操作することにより、操作ダイヤル軸19を介して操作プーリ18に回転力が伝わるようになっている。また、上記操作プーリ18には、ベルト25が掛け渡されている。
次に、本第4実施形態における、処置部4の開閉操作に供する力を伝達する機構について説明する。
図20乃至図23に示すように、操作ダイヤル23の近傍の操作部2Cの一側方には、処置部4の開閉駆動用の押圧板146が配設されている。
また、上記第2ハンドル8の表面においては、上記押圧板146の近傍には、操作部2Cの長軸方向に延設されたガイド溝157が形成されている。
一方で、上記操作部2Cにおける押圧板146の操作に伴う力を処置部4における第1のジョー40および第2のジョー41(第1実施形態参照)の開閉動作に結びつける上記第1実施形態と同様の伝達ロッド28が挿入部3の他側方に沿って配設されている。この伝達ロッド28の操作部2C側の端部にはL字形状の屈曲部159が形成され、さらにこの屈曲部159の先端部は上記ガイド溝157に摺動自在に係合している。
第4実施形態においては、上記屈曲部159の先端部においては、図23に示すように、操作部2Cの長軸方向に対して斜面155が形成されている。
ここで、上記押圧板146と屈曲部159との係合関係について説明する。
図23に示すように、第2ハンドル8上の操作ダイヤル23の一側方には貫通孔141が設けられていて、該貫通孔141には両側に細径の係止部145が形成されている。この貫通孔141には係合ピン144が摺動可能に嵌入されていて、該係合ピン144の一端は太径に形成され、上記係止部145にその移動が規制されている。上記係合ピン144の他端は上記押圧板146に形成された貫通孔に嵌合し固定されている。また、係合ピン144には付勢バネ142が巻着されており、これにより上記押圧板146は第1ハンドル8から離間する方向に付勢されている。
一方、上記屈曲部159の先端部には上述したように斜面155が形成されており、上記ガイド溝157に摺動可能に挿入されている。このガイド溝157には、上記貫通孔141と同方向の穴158が設けられている。この穴158には、上記屈曲部159の斜面155と対向する位置において、ほぼ同一の角度にカットされている斜面が形成された駆動用ピン149が挿入されている。また、この駆動用ピン149の他端は上記押圧板146に形成された貫通孔に嵌合し固定されている。
次に、上記第4実施形態のニードルドライバの作用について説明する。
操作者が上記押圧板146を、上記付勢バネ142の付勢力に抗して押圧すると、押圧板146に固着された駆動用ピン149の先端面と屈曲部159の先端斜面155とが係合し、屈曲部159がガイド溝157に案内されて操作部2Cの手元側に摺動する。
すなわち、この押圧板146の押圧操作により伝達ロッド28が操作部2Cの手元側に牽引され、その端部である屈曲部48の先端部が板ばね44の付勢力に抗して板ばね44の基端部側へと移動する。これにより、板ばね44の自由端部は挟み板32aから離間される方向に押し広げられる。
一方で、押圧板146に何等外力が加えられていないときには、付勢バネ142の付勢力により、伝達ロッド28は処置部4側寄りの位置に保持される。すなわち、屈曲部48の先端部も板ばね44の付勢力により、当該ばねの自由端部の先端側に位置した状態で保持される。またこのとき、板ばね44はその付勢力によりその自由端部先端が挟み板32aに接近する方向に引き寄せられた状態で保持されている。
このように、押圧板146の押圧操作に応じて、第1実施形態と同様に、伝達ロッド28が挿入部3の長軸方向に移動し、これにより屈曲部48の移動を介して板ばね44の自由端部が揺動する。そして、この板ばね44の自由端部の揺動に応じて、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとによる開閉動作が実現する。
なお、処置部4の回動動作については、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
このように、本第4実施形態のニードルドライバによると、第1実施形態と同様に、術者は所定の単独の指による操作のみで、吻合用湾曲針を把持および回動させる処置部の開閉操作および回動操作を行うことができ、すなわち、処置部の回動操作および開閉操作という2つの操作を単独の指で行うことができ、操作が簡単であり、処置部4の操作中にあっても操作ダイヤル23を操作する指が単独ですむため、操作部2Aを安定して把持することが可能で、処置部4により把持している吻合用湾曲針80の先端の位置決めが容易になり、運針が正確になり、手術時の吻合クオリティの向上を図ることができる。また、操作が容易になることで、手術時間が短縮され、これにより患者への負担が軽減され、患者の早期退院、ひいては早期社会復帰が促進されるとともに、入院患者用のベッドの回転効率が向上し、効率的な病院経営を実現することができる。
さらに、第4実施形態によると、第3実施形態と同様に、開閉操作力の入力部(押圧板146)と回動力の入力部(操作ダイヤル23)とが別々に設けられるものの一方で、これら2つの入力部は極めて近傍に設けられ、したがって、開閉、回動単独の操作が行いやすく、すなわち意図せずに違う操作をする虞が少なく、医師が操作に慣れるのに要する時間が短くてすむという効果を奏する。
次に、上記処置部4の変形例について説明する。
図24は、本発明の第1乃至第4実施形態のニードルドライバにおける処置部の変形例を示した要部拡大斜視図であり、図25は、当該処置部の変形例を更に詳しく示した要部拡大斜視図である。
上述した各実施形態のニードルドライバにおいて、処置部4は図24,図25に示すように2つの向かい合う把持片により被把持部を挟むことを可能とする挟み鉗子構造とすることも可能である。
図24、図25に示すように、処置部4Aに設けられた回動プーリ37(摺動ベアリング38)には、挿入部3に対し直角に側方へ突出する外筒161が一体に設けられている。この回動プーリ37の中心には貫通孔が設けられており、さらにこの貫通孔には軸方向に進退自在な伝達軸162が設けられている。
上記伝達軸162の基端部は切欠き部46に回動自在に取り付けられており、また該伝達軸162の先端部にはピン163が貫通固定されており、さらに、リンク164、リンク165が上記ピン163に回動自在に取り付けられている。
上記リンク164,165の先端側には、ピン166,ピン167がそれぞれ貫通固定されており、このピン166には把持片168が、またピン167には把持片169がそれぞれ回動自在に取り付けられている。
上記把持片168と把持片169との中間部にはそれぞれピン170,171が回動自在に貫通されており、これらピン170及び171は外筒161に固定されている。また、上記把持片168,169にはぞれぞれ対向する把持面168aおよび169aが形成されている。
次に当該変形例の作用を説明する。
上述した各実施形態において説明したように、伝達ロッド28が操作部2側に牽引されると、板ばね44が挟み板32aから離れる方向に押し広げられ、切り欠き部46を介して伝達軸162が軸方向に後退する。この伝達軸162が後退すると、ピン163を介してリンク164,165が牽引される。このとき、把持片168,169の基端側はそれぞれピン166,167を介して牽引され、ピン170及び171を中心として回転し、把持面168aおよび169aが開く。
さらに伝達軸162が前進するとピン163を介してリンク164,165が押圧される。このとき把持片168,169の基端側はそれぞれピン166,167を介して押圧され、ピン170及び171を中心として回動し、把持面168aおよび169aが閉じる。
また、操作ダイヤル23の回動により、操作プーリ18およびベルト25を介して回動プーリ37が回動すると、外筒161が一体となって回動し、ピン170及び171を介して、把持片168および169が回動する。
当該変形例によれば、処置部4が挟み鉗子構造となることで、湾曲針以外のものも把持できる万能把持具となるため、作業に応じて処置具を持ち替える必要がなくなり、手術時間が短縮される。
これにより、患者への負担が低減され、患者の早期退院、ひいては早期社会復帰が促進されるとともに、入院患者用のベッドの回転率が上がることで効率的な病院経営が可能となる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図26、図27は、本発明の第5実施形態に係り、図26は、本発明の第5実施形態であるニードルドライバにおける操作ダイヤル及びその周辺部を示した要部外観拡大斜視図、図27は、第5実施形態であるニードルドライバにおける操作ダイヤル及びその周辺部を示した要部拡大斜視図である。
なお、図中、操作部2の先端側を矢印Mで、同後端側(手元側)を矢印Nで示す(以下、同様)。
また、本第5実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第1実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
図26,図27に示すように、第5実施形態のニードルドライバは、第1実施形態のニードルドライバに対して操作部2の構成のみを異にしている。その他の挿入部3及び処置部4については上記第1実施形態と同様である。以下、図26、図27を参照して、第5実施形態における操作部2の構成について、上記第1実施形態における操作部2との差異を主として説明する。
図26に示すように、L字形状をした開閉レバー201の一端は回転自在に操作ダイヤル軸19に貫通されている。この開閉レバー201の中間部には長孔202が形成されており、伝達ロッド28の屈曲部29が長径方向に摺動自在に挿通されている。また開閉レバー201とハンドル内表面203との間にはバネ204が圧縮されて配設されており、これにより開閉レバー201の他端がハンドル開口部205から露出する方向に付勢されている。
この第5実施形態のニードルドライバでは、上記開口部205から露出する開閉レバー201の露出している部分を操作部2の後端側(手元側)に牽引すると、開閉レバー201は操作ダイヤル軸19を中心に回転し、これにより屈曲部29は長孔202内において上記操作ダイヤル軸19から離間する方向に摺動しながら操作部2の後端側に牽引される。これに伴い伝達ロッド28も後端側に牽引され、その端部である屈曲部48の先端部が板ばね44の付勢力に抗して板ばね44の基端部側へと移動する。これにより、板ばね44の自由端部は挟み板32aから離間される方向に押し広げられる。
一方で、開閉レバー201に何等外力が加えられていないときには、付勢バネ204の付勢力により、伝達ロッド28は処置部4側寄りの位置に保持される。すなわち、屈曲部48の先端部も板ばね44の付勢力により、当該ばねの自由端部の先端側に位置した状態で保持される。またこのとき、板ばね44はその付勢力によりその自由端部先端が挟み板32aに接近する方向に引き寄せられた状態で保持されている。
このように、開閉レバー201の回動操作に応じて、第1実施形態と同様に、伝達ロッド28が挿入部3の長軸方向に移動し、これにより屈曲部48の移動を介して板ばね44の自由端部が揺動する。そして、この板ばね44の自由端部の揺動に応じて、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとによる開閉動作が実現する。
なお、処置部4の回動動作については、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
このように、本第5実施形態のニードルドライバによると、第1実施形態と同様に、術者は所定の単独の指による操作のみで、吻合用湾曲針を把持および回動させる処置部の開閉操作および回動操作を行うことができ、すなわち、処置部の回動操作および開閉操作という2つの操作を単独の指で行うことができる。
また、操作ダイヤル23と開閉レバー201の操作がともに操作部の長軸方向に進退する方向となり、操作がしやすくなるため、使用する医師の疲労が軽減され、手術のクオリティが高くなる。これにより、患者の回復が早くなり、患者の早期退院、早期社会復帰が推進されるとともに、入院患者用のベッドの回転率が上がることで効率的な病院経営が可能となる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図28、図29は、本発明の第6実施形態に係り、図28は、本発明の第6実施形態であるニードルドライバにおける操作スイッチを示した要部外観拡大斜視図、図29は、第6実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生機構および回動力発生機構を示した要部拡大斜視図である。
なお、本第6実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第1実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
図28,図29に示すように、第6実施形態のニードルドライバは、第1実施形態のニードルドライバに対して操作部2の構成のみを異にしている。その他の挿入部3及び処置部4については上記第1実施形態と同様である。以下、図28、図29を参照して、第6実施形態における操作部2の構成について、上記第1実施形態における操作部2との差異を主として説明する。
図26に示すように、第6実施形態のニードルドライバにおいては、操作部2に第1操作スイッチ211および第2操作スイッチ212が長軸方向に列設されている。上記第2操作スイッチ212および第2操作スイッチ212は制御基板213に接続されており、さらに、この制御基板213は操作部2の内部に設置された電源214に接続され、電力を供給されれている。
上記制御基板213には回動力発生源である回動用モータ215および開閉力発生源である開閉用モータ216が接続され、図示はしないがこれらモータの制御回路を備えている。
上記回動用モータ215の出力軸には傘歯車217が固定されており、傘歯車217は操作ダイヤル軸19に中心軸を一致して固定された傘歯車218と直角に噛合している。
一方、開閉用モータ216の出力軸は、回転移動を直線移動に変換する、いわゆるボールねじ219が接続されており、このボールねじ219のスライダー220には伝達ロッド28の後端が固定されている。
本第6実施形態のニードルドライバでは、上記第1操作スイッチ211および第2操作スイッチ212のどちらも押さない状態では、回動用モータ215および開閉用モータ216はともに静止している。
この状態に静止状態において第1操作スイッチ211を単独で押すと、制御基板213の制御下に回動用モータ215は、操作部2の後端側からみて反時計回りに所定の速度で回転するように制御される。これにより、傘歯車217,218を経由して操作プーリ18が一方向に回転し、さらにベルト25、回動プーリ37を介して処置部4が一方向に回転するようになっている。
一方、上記静止状態において第2操作スイッチ212を単独で押すと、制御基板213の制御下に回動用モータ215は、操作部2の後端側からみて時計回りに所定の速度で回転するように制御され、これにより、傘歯車217,218を経由して操作プーリ18が他方向に回転し、さらにベルト25、回動プーリ37を介して処置部4が他方向に回転するようになっている。
さらに第1操作スイッチ211および第2操作スイッチ212を同時に押すと、開閉用モータ216は制御基板213の制御下に、操作部2の後端側から見て時計回りに所定の速度で回転するように制御される。これによりボールねじ219のスライダー220は後端側に移動し、接続される伝達ロッド28が後端側に牽引され、その端部である屈曲部48の先端部が板ばね44の付勢力に抗して板ばね44の基端部側へと移動する。これにより、板ばね44の自由端部は挟み板32aから離間される方向に押し広げられ、処置部4が開く。すなわち、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとが開く。
また、これら第1操作スイッチ211および第2操作スイッチ212を同時に押した状態が解除されると、開閉用モータ216は制御基板213の制御下に、上記とは逆に、操作部2の後端側から見て反時計回りに所定の速度で回転するように制御される。そして、この開閉用モータ216の回転制御は上記処置部4が閉じるまで続けられる。
一方で、第1操作スイッチ211あるいは第2操作スイッチ212の操作がなされないときは、ボールねじ219のスライダー220は静止したままであり、伝達ロッド28は処置部4側寄りの位置に保持され、屈曲部48の先端部も板ばね44の付勢力により、当該ばねの自由端部の先端側に位置した状態で保持される。またこのとき、板ばね44はその付勢力によりその自由端部先端が挟み板32aに接近する方向に引き寄せられた状態で保持されている。
このように、第1操作スイッチ211および第2操作スイッチ212のスイッチ操作に応じて、第1実施形態と同様に、伝達ロッド28が挿入部3の長軸方向に移動し、これにより屈曲部48の移動を介して板ばね44の自由端部が揺動する。そして、この板ばね44の自由端部の揺動に応じて、第2のジョー41が第1のジョー40に対して移動して把持面40bと把持面42bとによる開閉動作が実現する。
本第6実施形態のニードルドライバによると、回動力、回転力ともモータ駆動により発生するため、術者は操作スイッチを押す程度の力しか必要とせず、疲労が少ない。
また、処置部を開くためには操作スイッチ2つを同時に押す必要があり、誤って処置部を開いてしまうことを防止する一種のフールプルーフとなっている。これらにより患者はクオリティの高い手術を受けることができ、患者の早期退院、早期社会復帰が推進されるとともに、入院患者用のベッドの回転率が上がることで効率的な病院経営が可能となる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
図30、図31は、本発明の第7実施形態に係り、図30は、本発明の第7実施形態であるニードルドライバにおける操作スイッチを示した要部外観拡大斜視図、図31は、第7実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生スイッチおよび回動力発生スイッチを示した要部拡大斜視図である。
なお、本第7実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第6実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
すなわち、第7実施形態のニードルドライバは、モータを開閉力および回転力の発生源とする第6実施形態のニードルドライバにおいて、操作スイッチの部分のみを異にしている。その他の構成は上記第6実施形態と同様であり、例えば、図29に示す、上記第6実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生機構および回動力発生機構と同様な機構を有する。
図30、図31に示すように、第7実施形態のニードルドライバにおいては、操作部2に回動操作用スイッチ231および開閉操作用スイッチ233を備えている。
上記回動操作用スイッチ231は、回動軸232により回動自在に軸支されており、この回動軸232の両端は操作部2に固定されている。そして、回動操作用スイッチ231の上面中央部には上記開閉操作用スイッチ233が取り付けられている。
上記回動操作用スイッチ231および開閉操作用スイッチ233は、いずれも上記制御基板213(図29参照)に接続されている。
また、回動操作用スイッチ231の下面には回動軸232に対して対象な位置に同じ特性の2つの圧縮バネ234,235が架設されており、該回動操作用スイッチ231は当該操作部2の長軸方向と平行な位置に留まるよう保持される。
さらに、回動操作用スイッチ231の先端側下部には接触スイッチ236が、また、回動操作用スイッチ231の後端側下部には接触スイッチ237が、共に操作部2に固定されいている。
本第7実施形態のニードルドライバでは、上記回動操作用スイッチ231の先端側を押すと、該回動操作用スイッチ231は回動軸232を中心として揺動し、これにより回動操作用スイッチ231の先端側下面がスイッチ236を押圧する。これに伴い、制御基板213は処置部4が当該回動操作用スイッチ231の揺動方向と同じ方向に回転するように上記回動用モータ215を駆動する。
一方、上記開閉操作用スイッチ233を押すと、制御基板213は処置部4が開く方向に開閉用モータ216を一方向に回転駆動する。また、処置部4が開いた状態で上記開閉操作用スイッチ233の押圧操作を解除すると、制御基板213は処置部4が閉じるまで当該開閉用モータ216を他方向に回転駆動する。
また、回動操作用スイッチ231の後端側を押すと、回動操作用スイッチ231は回動軸232を中心として揺動し、これにより回動操作用スイッチ231の後端側下面がスイッチ237を押圧する。これに伴い、制御基板213は処置部4が当該回動操作用スイッチ231の揺動方向と同じ方向に回転するように回動用モータ215を駆動する。
本第7実施形態のニードルドライバによると、回転操作部と開閉操作部が別になっているため、一方の操作中に意図せず他方の操作を行ってしまう虞がなく、医師が操作に慣れるのに要する時間が短くてすむ。そのため、より多くの患者が手術の恩恵を受けることができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
図32、図33は、本発明の第8実施形態に係り、図32は、本発明の第8実施形態であるニードルドライバにおける操作スイッチを示した要部外観拡大斜視図、図33は、第8実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生スイッチおよび回動力発生スイッチを示した要部拡大斜視図である。
なお、本第8実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第6実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
すなわち、第8実施形態のニードルドライバは、モータを開閉力および回転力の発生源とする第6実施形態のニードルドライバにおいて、操作スイッチの部分のみを異にしている。その他の構成は上記第6実施形態と同様であり、例えば、図29に示す、上記第6実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生機構および回動力発生機構と同様な機構を有する。
図32、図33に示すように、第8実施形態のニードルドライバは、操作部2において、互いに接着固定あるいはねじ等により締結された上蓋241および下蓋242を備える。また、この下蓋242に設けられた溝243を長軸方向に摺動可能に回動操作用スライダ244が配設されている。そして、該回動操作用スライダ244の内側下面には接触スイッチ245が固定されていて、該接触スイッチ245は上記制御基板213(図29参照)と接続されている。
さらに上記回動操作用スライダ244の外側下面には回転ローラ252が取り付けられており、上記溝243の底面と当接している。また、該回転ローラ252と同軸上には図示しないエンコーダが設けられていて、このエンコーダは上記制御基板213に接続されている。
さらに本第8実施形態における操作部2には、開閉操作用ボタン246が、その下端を上記回動操作用スライダ244内において上下方向に摺動可能となるように配設されている。なお、開閉操作用ボタン246の上端は、上記上蓋241上であって溝243の上方部分に設けられた長孔249より露出して配設されている。
また、接触スイッチ245の上面と上記開閉操作用ボタン246の下面との間には圧縮状態バネ247が配設されており、該開閉操作用ボタン246を回動操作用スライダ244の上部に設けられてた段部248に付勢している。
さらに、上記回動操作用スライダ244の先端側と溝243の先端側の間にはバネ250が、一方、回動操作用スライダ244の後端側と溝243の後端側の間にはバネ251がそれぞれ架設されており、該回動操作用スライダ244を溝243の中央に留めるよう保持する。
本第8実施形態のニードルドライバでは、上記開閉操作用ボタン246を先端側に押すと、回動操作用スライダ244が先端側に移動する。そして、この回動操作用スライダ244の移動に連動して回転ローラ252が溝243の底面上を一方向に転動する。
このとき、上記制御基板213は移動する上記回動操作用スライダ244が溝243中央部から先端側に移動した距離を上述したエンコーダの値から計算し、計算結果に基づいて当該距離に比例した速度で処置部4が一方向に回転するように上記回動用モータ215(図29参照)を駆動する。
一方、開閉操作用ボタン246を後端側に押すと、上記回動操作用スライダ244が後端側に移動し、この回動操作用スライダ244の移動に連動して回転ローラ252が溝243の底面上を他方向に転動する。
このとき制御基板213は移動する上記回動操作用スライダ244が溝243中央部から後端側に移動した距離を上述したエンコーダの値から計算し、計算結果に基づいて当該距離に比例した速度で、処置部4が、開閉操作用ボタン246を先端側に押したときと逆方向に回転するように回転するように上記回動用モータ215(図29参照)を駆動する。
さらに、開閉操作用ボタン246を下端側に押すと、当該開閉操作用ボタン246の下面が接触スイッチ245を押圧し、このスイッチ245のオン操作に応じて制御基板213は処置部4が開く方向に開閉用モータ216を一方向に回転駆動する。また、処置部4が開いた状態で上記開閉操作用ボタン246の押圧操作を解除すると、制御基板213は処置部4が閉じるまで当該開閉用モータ216を他方向に回転駆動する。
本第8実施形態のニードルドライバによると、回動操作用スライダの位置を調整することで、処置部の回転速度の微細なコントロールが可能である。これにより患者はクオリティの高い手術を受けることができ、患者の早期退院、早期社会復帰が推進されるとともに、入院患者用のベッドの回転率があがることで効率的な病院経営が可能となる。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
図34は、本発明の第9実施形態であるニードルドライバにおける操作スイッチを示した要部外観拡大斜視図である。
なお、本第9実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第1実施形態および第6実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
すなわち、第9実施形態のニードルドライバは、モータを開閉力および回転力の発生源とする第6実施形態のニードルドライバにおいて、開閉力および回転力の操作部分のみを異にしている。その他の構成は上記第6実施形態と同様であり、例えば、図29に示す、上記第6実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生機構および回動力発生機構と同様な機構を有する。
図34に示すように、本第9実施形態における操作部2においては、操作ダイヤル23は操作ダイヤル軸19に操作プーリ18と共に貫通固定されており、当該操作ダイヤル軸19の両端は操作部2に回動自在に固定されている。
また、操作部2において、上記操作ダイヤル軸19を固定する部分の両側方には、操作部2の長軸方向(図中、矢印M、N)に延設した長孔261,262が穿設されている。
本第9実施形態のニードルドライバにおいては、この長孔261,262に歪ゲージが貼設されている。この歪ゲージは上記制御基板213(図29参照)と接続されており、操作ダイヤル軸19に印加される両側方(図中、矢印P、Qで示す、以下同様)の力を検出するようになっている。なお、この歪みゲージ、制御基板213等によりダイヤル押込力検出機構263を構成する。
本第9実施形態のニードルドライバにおいては、操作ダイヤル23を側方に向けて押圧すると、その押込み力が操作ダイヤル軸19を介して、ダイヤル押込力検出機構263に検出される。そして制御基板213は検出した押込み力に比例した長さだけ処置部4が開くように開閉用モータ216を駆動する。
一方、操作ダイヤル23に外力が加わっていないときは、制御基板213は、処置部4を閉じるよう当該開閉用モータ216を制御する。
なお、処置部4の回動動作については、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本第9実施形態のニードルドライバによると、ダイヤル押込力に比例して処置部を開くので、処置部の開き量の細かいコントロールが可能である。これにより、患者はクオリティの高い手術を受けることができ、患者の早期退院、早期社会復帰が推進されるとともに、入院患者用のベッドの回転率があがることで効率的な病院経営が可能となる。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態について説明する。
図35、図36は、本発明の第10実施形態に係り、図35は、本発明の第10実施形態であるニードルドライバにおける操作スイッチを示した要部外観拡大斜視図、図36は、第10実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生スイッチおよび回動力発生スイッチを示した要部拡大斜視図である。
なお、本第10実施形態のニードルドライバは、基本的な構成は上記第6実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留め、同様な部分の説明は省略する。
すなわち、第10実施形態のニードルドライバは、モータを開閉力および回転力の発生源とする第6実施形態のニードルドライバにおいて、操作スイッチの部分のみを異にしている。その他の構成は上記第6実施形態と同様であり、例えば、図29に示す、上記第6実施形態であるニードルドライバにおける開閉力発生機構および回動力発生機構と同様な機構を有する。
図35、図36に示すように、第10実施形態のニードルドライバは、操作部2に開閉力操作用スイッチおよび回動力操作用スイッチである操作スティック271を備える。
この操作スティック271は、その下端は軸状になっており、両端が摺動軸受け272a,272bにおいて回転自在に軸支されている。上記摺動軸受け272a,272bは操作部2の側面に穿設された長孔273a,273b内において上下方向(図36中、矢印P、Qで示す)に摺動可能に配設されており、当該摺動軸受け272a,272bの下端外側に取り付けられたバネ276a,276bにより長孔273a,273b内において上端側に付勢されている。
上記操作スティック271の先端側と後端側には片側を操作部2の内側に固定されたバネ274a,bが架設されており、力が加えられない状態では、操作部2の長軸方向に対して直角方向にとどまるよう保持されている。
さらに操作スティック271の下端には接触スイッチ275aが固定されていて、該接触スイッチ275aは上記制御基板213(図29参照)と接続されている。また操作スティック271の先端側と後端側には接触スイッチ275b,cが固定されており、これら接触スイッチ275b,275cも上記制御基板213と接続されている。
本第10実施形態のニードルドライバでは、操作スティック271を下端側(矢印Q方向)に押すと、当該操作スティック271の下端が上記接触スイッチ275aを押圧する。これに伴い制御基板213は上記処置部4が開く方向に上記開閉用モータ216を一方向に回転駆動する。また、処置部4が開いた状態で上記操作スティック271への押圧操作を解除すると、制御基板213は処置部4が閉じるまで当該開閉用モータ216を他方向に回転駆動する。
一方、上記操作スティック271を先端側(図中矢印Mで示す方向)に傾斜させると、操作スティック271は接触スイッチ275bを押圧する。これに伴い上記制御基板213は処置部4が操作スティック271の当該傾斜に伴う一の回転方向と同じ方向に回転するように回動用モータ215を駆動する。
また、上記操作スティック271を後端側(図中矢印Nで示す方向)に傾斜させると、操作スティック271は接触スイッチ275cを押圧する。これに伴い上記制御基板213は処置部4が操作スティック271の当該傾斜に伴う他の回転方向と同じ方向に回転するように回動用モータ215を駆動する。
本第10実施形態のニードルドライバによると、処置部の開閉操作、回動操作を行う際に操作部から一度も指を離す必要がなく、操作が容易であるとともに、医師の疲労が少ない。そのため患者はクオリティの高い手術を受けることができ、患者の早期退院、早期社会復帰が推進されるとともに、入院患者用のベッドの回転率があがることで効率的な病院経営が可能となる。