JP2019119878A - ポリビニルアルコール系フィルム及びその製造方法、ならびに偏光膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 気泡欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供すること。【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系フィルムであって、炭素数炭素数1〜3の1価アルコールを1〜2000ppm含有することを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系フィルム、及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、気泡欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルム及びその製造方法に関する。
従来より、ポリビニルアルコール系フィルムは、透明性や染色性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、光学用ポリビニルアルコール系フィルムとして偏光膜などに利用されている。かかる偏光膜は、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では、高輝度、高精細な液晶テレビへとその使用が拡大されている。また、液晶テレビ以外でも、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、プロジェクター、車載パネルなどに幅広く使用されている。かかる光学用ポリビニルアルコール系フィルムにおいて、液晶テレビなどの画面の薄型化や大型化にともない、表示欠点の少ない偏光膜が必要とされている。このような偏光膜を製造するためには、原反となるポリビニルアルコール系フィルムを改良する必要がある。
また、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度を調整したり、アニオン性官能基などをポリビニルアルコール分子鎖に導入(変性)することにより、水に溶解する水溶性を特徴とする水溶性フィルムとしても利用されている。具体的には、農薬や洗剤等の薬剤の包装(ユニット包装)用途、(水圧)転写用フィルム、ナプキン・紙おむつ等の生理用品、オストミーバッグ等の汚物処理用品、吸血シート等の医療用品、育苗シート・シードテープ・刺繍用基布等の一時的基材、等に用いられている。中でも、農薬や洗剤等の薬剤のユニット包装用途では、使用時に薬剤量を一々計量する手間が省けるうえ、手を汚したりすることもないという利点がある。かかるポリビニルアルコール系水溶性フィルムにおいて、液体洗剤のような液体製品に対する包装用途が拡大しており、液漏れ防止の観点から気泡欠点の少ない薬剤包装体が必要とされている。このような薬剤包装体を製造するためには、原反となるポリビニルアルコール系フィルムを改良する必要がある。
かかる光学用フィルム用途に用いるポリビニルアルコール系フィルムとしては、ポリビニルアルコール系樹脂に2種類以上の界面活性剤を含有したポリビニルアルコール系フィルム(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)等が知られている。
また、かかる水溶性フィルム用途に用いるポリビニルアルコール系フィルムとして、例えば、ポリビニルアルコール100重量部に対して、可塑剤5〜30重量部、澱粉1〜10重量部及び界面活性剤0.01〜2重量部を配合してなる水溶性フィルム(例えば、特許文献3参照。)が知られている。
特開2005−206809号公報 特開2005−206810号公報 特開2001−329130号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示のポリビニルアルコール系フィルムは、光学スジ、光学斑などが少なくブロッキング性に優れるものであるが、フィルム内に発生する気泡欠点対策としては不十分であり、例えば、偏光膜にした場合に表示欠点が発生するなどの品質面の問題が懸念され、さらなる改善が望まれるものであった。
また、上記特許文献3に開示のポリビニルアルコール系フィルムは、水溶性、耐ブロッキング性、衝撃破裂強度に優れるものであるが、フィルム内に気泡欠点が生成しやすいことから、例えば、水溶性フィルムを用いて液体製品を包装して長期保管した場合の液漏れや包装用フィルムに印刷した場合の気泡欠点箇所でインク飛びによる外観不良が発生するなどの品質面の問題が懸念され、さらなる改善が望まれるものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、気泡欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究した結果、ポリビニルアルコール系フィルムの構成成分と配合方法との関係を詳細に検討し、ポリビニルアルコール系樹脂に低級の1価アルコール成分を微量に含有したポリビニルアルコール系フィルムが、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、ポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系フィルムであって、炭素数1〜3の1価アルコールを1〜2000ppm含有することを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムに関するものである。
そして、本発明は、(I)ポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系樹脂組成物を溶解させてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得る工程、(II)前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対して炭素数1〜3の1価アルコールを0.001〜5重量%含有させる工程、(III)前記工程(II)で得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜する工程、をこの順序で含有することを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法にも関するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、気泡欠点が抑制されるため、偏光膜にした場合に表示欠点が少なく、また液体製品包装体にした場合の長期保管した時の液漏れ耐性に優れたものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とし、炭素数1〜3の1価アルコールを1〜2000ppm含有することが必要である。
以下、ポリビニルアルコールを「PVA」、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするフィルムを「PVA系フィルム」と略記することがある。
炭素数1〜3の1価アルコールの含有量は、好ましくは、5〜1000ppmであり、特に好ましくは10〜500ppmである。かかる炭素数1〜3の1価アルコール含有量が下限値未満であると、フィルム製造時の撹拌等により溶液内での大きな気泡が生成しやすく造膜までに消失せず残存したものがフィルムの気泡欠点となる。一方で、含有量が上限値を超えると、造膜後に高温で乾燥した時に低級アルコール成分が多量に気化することで微細な気泡が生成してフィルムの気泡欠点となり、本発明の目的を達成し得ない。
また、炭素数が4以上の1価アルコールでは、1価アルコールの水溶性が低く、親水性が不足することでPVA系樹脂水溶液の濁度や粘度安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
かかる炭素数1〜3の1価アルコールは、その構造内にエーテル結合を含んでもよく、例えば、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、シクロプロパノール、メトキシメタノール、エトキシメタノール、2−メトキシエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、安全性の点で、構造内にエーテル結合を含まない1価アルコールが好ましく、特には親水性の点からメタノール、エタノールが好ましく、更には環境有害性の点からエタノールが好ましい。
また、これらの1価アルコールは単独で用いることもできるし、もしくは2種以上を併せて用いることもできる。
上記のPVA系フィルムにおける炭素数1〜3の1価アルコールの含有量は、動的ヘッドスペース装置を備えたガスクロマトグラフ/質量分析(GC/MS)によって定量的に測定されるものである。
具体的には、フィルム試料(約5mg)を動的ヘッドスペース装置にて120℃、60分の条件で1価アルコール成分を揮発させて、凝集装置により捕集したガス成分をGC/MS装置にて同定、定量を行う。GCのMSスペクトルより1価アルコール成分を同定して、各アルコール成分の検量線をもとにGCで得られたアバンダンス強度のピーク面積より揮発量を求めて、測定に供したフィルム試料重量から換算することで、PVA系フィルムにおける炭素数1〜3の1価アルコールの含有量を求めることができる。
炭素数1〜3の1価アルコールを2種以上併せて含有している場合には、検出された各アルコール含有量を合計した値を炭素数1〜3の1価アルコールの含有量として算出することができる。
本発明のPVA系フィルムは、PVA系樹脂(A)を主成分とする。
まず、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)について説明する。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)としては、通常、未変性のPVA系樹脂、即ち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂や、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる樹脂を用いることもできる。
PVA系樹脂(A)の重量平均分子量は、2万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは5万〜28万、更に好ましくは10万〜26万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると偏光膜の偏光度が低下する傾向があり、大きすぎると偏光膜製造時の延伸が困難となる傾向がある。なお、上記PVA系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
本発明で用いるPVA系樹脂(A)の平均ケン化度は、通常80モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは90モル%以上、更に好ましくは99モル%以上、殊に好ましくは99.5モル%以上である。かかる平均ケン化度が小さすぎると偏光膜の偏光度が低下する傾向がある。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
本発明に用いるPVA系樹脂(A)として、重量平均分子量、平均ケン化度、変性種、変性量などの異なる2種以上のものを併用してもよい。
本発明のPVA系フィルムには、PVA系樹脂(A)以外に、製膜性、PVA系フィルムの強度、透明性、染色性などの向上のために、添加剤として、可塑剤(B)や界面活性剤(C)が添加される。
可塑剤(B)は、一般的に、偏光フィルムを製造する際の延伸性に効果的に寄与するものであり、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレングリコール類またはポリアルキレングリコール類や、トリメチロールプロパンなどがあげられる。これらの可塑剤(B)は単独または二種以上組み合わせて使用することができる。中でも特に好ましいものとしてはグリセリン単独、もしくはグリセリンとジグリセリンまたは、グリセリンとトリメチロールプロパンの組み合わせ等があげられる。グリセリンとジグリセリンを併用する場合は、通常グリセリン/ジグリセリン(重量比)=20/80〜80/20であり、グリセリンとトリメチロールプロパンを併用する場合は、通常グリセリン/トリメチロールプロパン(重量比)=20/80〜80/20であることが好ましい。
かかる可塑剤(B)の含有量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対して1〜35重量部であることが好ましく、特には3〜30重量部、更には5〜25重量部であることが好ましい。可塑剤(B)の含有量が少なすぎると偏光膜作成時の延伸性が低下する傾向があり、多すぎると得られるPVA系フィルムの強度が低下する傾向がある。
本発明で用いられる界面活性剤(C)としては、一般的に、フィルム表面の平滑性や、ロール状に巻き取る際のフィルム同士の付着を抑制する働きがあり、例えば、ノニオン性界面活性剤,アニオン性界面活性剤,カチオン性界面活性剤を単独または二種以上組み合わせて使用することができる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、やし油還元アルコールエチレンオキサイド付加物、牛脂還元アルコールエチレンオキサイド付加物等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、カプロン酸モノまたはジエタノールアミド、カプリル酸モノまたはジエタノールアミド、カプリン酸モノまたはジエタノールアミド、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミド、やし油脂肪酸モノまたはジエタノールアミド、あるいはこれらのエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリオキシエチレンヘキシルアミン、ポリオキシエチレンヘプチルアミン、ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンノニルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンエイコシルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルステアリルオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド等のアミンオキシド、パーフルオロオクタン酸等のフルオロアルキル酸などが挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩型として、ヘキシル硫酸ナトリウム、ヘプチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、カプロン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリル酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、パルミチン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ステアリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミド硫酸ナトリウムあるいはこれらのカリウム塩、更にはこれらエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、硫酸化油、高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェートなどが挙げられる。また、上記硫酸エステル塩型以外に、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルエステルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩等のスルホン酸塩型、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩型なども挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
上記界面活性剤(C)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用することが、フィルムの透明性の点で好ましい。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤が好ましく、特に好ましくは高級脂肪酸アルカノールアミドであり、更に好ましくはラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミドであり、殊に好ましくはラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、より好ましくはラウリン酸ジエタノールアミドである。
かかる界面活性剤(C)の含有量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.02〜0.5重量部、更に好ましくは0.03〜0.2重量部である。界面活性剤(C)の含有量が少なすぎるとブロッキング防止効果が得難い傾向にあり、多すぎるとフィルムの透明性が低下する傾向にある。
また、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用する場合には、PVA系樹脂(A)100重量部に対して、アニオン性界面活性剤が0.01〜1重量部、特には0.02〜0.2重量部、更には0.03〜0.1重量部であることが好ましく、ノニオン性界面活性剤が0.01〜1重量部、特には0.02〜0.2重量部、更には0.03〜0.1重量部であることが好ましい。アニオン性界面活性剤が少なすぎると偏光フィルム作成時の染料の分散性が低下し、染色斑が多くなる傾向にあり、多すぎるとPVA系樹脂溶解時の泡立ちが激しく、フィルム中に気泡が混入しやすくなり光学用フィルムとして使用できなくなる傾向にあり、ノニオン性界面活性剤が少なすぎるとブロッキング防止効果が得難く、多すぎるとフィルムの透明性や平面平滑性が低下する傾向にある。
また、その他の添加剤として、フィルムの黄変を防止するために、酸化防止剤を配合することも有用であり、フェノール系酸化防止剤等の任意の酸化防止剤が例示され、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が好適である。酸化防止剤はPVA系樹脂(A)に対して2〜100ppm程度の範囲で使用されることが好ましい。
本発明において、透明性、厚み精度、位相差の均一性、染色性などのフィルム物性の観点から、PVA系樹脂(A)がPVA系フィルムの主成分であることが重要である。PVA系フィルム中のPVA系樹脂(A)の含有量は、35重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは50重量%以上、更に好ましくは80重量%以上である。かかる含有量が少なすぎると、PVA系フィルムの強度が低下する傾向がある。かかる含有量の上限については、通常特に制限はないが、偏光膜作成時の延伸性の点からは、好ましくは99重量%以下、特に好ましくは97重量%以下、更に好ましくは95重量%以下である。
<PVA系フィルムの製造>
本発明のPVA系フィルムは、下記の方法で製造することができる。
上記のPVA系樹脂(A)、好ましくは更に可塑剤(B)、界面活性剤(C)等を含有してなるPVA系樹脂組成物を得て、(I)ポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系樹脂組成物を溶解させてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得る溶解工程、(II)前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対して炭素数1〜3の1価アルコールを0.001〜5重量%含有させて製膜原料を調製する工程、(III)前記工程(II)で得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液(製膜原料)を用いて製膜する製膜工程、をこの順序で含有することを特徴とした製造方法によってPVA系フィルムとする。
PVA系フィルムの原料となるPVA系樹脂は、重合工程、ケン化工程内の溶媒として低級アルコールが使用されることがあり、製造したPVA系樹脂の中には少量のアルコール系溶媒が残存することがある。しかしながら、フィルム製造における溶解工程では、一般的にアルコール系溶媒の沸点より高い温度で長時間の溶解が行われることから、原料内に残存するアルコール系溶媒は揮発して系外に排出されるため、通常製造されたPVA系フィルムにはアルコール系溶媒が残存しない。
本発明においては、溶剤の効果について着目し、通常はアルコール系溶媒が消失して残存しない溶解後のPVA系水溶液に対して、敢えて一価アルコールを含有させて製膜することにより、フィルムの気泡発生を制御できることを新たに見出した。
以下、各工程について具体的に説明する。
〔[I]溶解工程〕
溶解工程では、上記PVA系樹脂組成物を水で溶解または分散して、PVA系樹脂水溶液または水分散液を調製する。
なお、本発明において溶解工程はPVA系樹脂組成物が水に溶解または分散して未溶解物のない水溶液または水分散液を得るまでの工程を示す。
上記PVA系樹脂組成物を水に溶解する際の溶解方法としては、通常、常温溶解、高温溶解、加圧溶解等が採用され、なかでも、未溶解物が少なく、生産性に優れる点から高温溶解、加圧溶解が好ましい。
溶解温度としては、高温溶解の場合には、通常80〜100℃、好ましくは90〜100℃であり、加圧溶解の場合には、通常80〜140℃、好ましくは90〜130℃である。溶解時間としては、溶解温度、溶解時の圧力により適宜調整すればよいが、通常1〜20時間、好ましくは2〜15時間、更に好ましくは3〜10時間である。溶解時間が短すぎると未溶解物が残る傾向にあり、長すぎると生産性が低下する傾向にある。
また、溶解工程において、撹拌翼としては、例えば、パドル、フルゾーン、マックスブレンド、ツイスター、アンカー、リボン、プロペラ等が挙げられる。
更に、溶解した後、得られたPVA系樹脂水溶液に対して脱泡処理が行われるが、かかる脱泡方法としては、例えば、静置脱泡、真空脱泡、二軸押出脱泡等が挙げられる。なかでも静置脱泡、二軸押出脱泡が好ましい。静置脱泡の温度としては、通常50〜100℃、好ましくは70〜95℃であり、脱泡時間は、通常2〜30時間、好ましくは5〜20時間である。
〔[II]炭素数1〜3の1価アルコール配合工程〕
本発明のPVA系フィルムは、上記の溶解工程後、即ちPVA系樹脂組成物を溶解したPVA系樹脂水溶液を調製した後に、PVA系樹脂水溶液に対して、炭素数1〜3の1価アルコールを0.001〜5重量%含有させて製膜原料を調製し、ついで製膜の順序で製造することで得ることができる。
本発明では、溶解工程後のPVA系樹脂水溶液に対して炭素数1〜3の1価アルコールを配合することが重要である。溶解工程以前に炭素数1〜3の1価アルコールを配合させた場合には、溶解工程の過程においてアルコール系溶媒が揮発して系外に排出されるため、目的とするPVA系フィルムが得られない。また、アルコール系溶媒を含有したPVA系樹脂水溶液を高温で長時間溶解するには防爆型の反応容器が必要となることから、設備コスト面、安全面においても好ましくない。
かかる炭素数1〜3の1価アルコールは、その構造内にエーテル結合を含んでもよく、例えば、具体的には、メタノール、エタノール、メトキシメタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、エトキシメタノール、シクロプロパノールなどが挙げられる。炭素数が4以上の1価アルコールでは、1価アルコールの水溶性が低く、親水性が不足することでPVA系水溶液の濁度や粘度安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
これらの中でも、安全性の点で、エーテル結合を含まない1価アルコールが好ましく、さらには、親水性が良好なメタノール、エタノールが好ましく、特には、環境有害性の点からエタノールが好ましい。
また、これらの1価アルコールは単独で用いることができるし、もしくは2種以上併せて用いることもできる。
かかるPVA系樹脂水溶液に対する炭素数1〜3の1価アルコール含有量としては、0.001〜5重量%であることが好ましく、特に好ましくは0.01〜3重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。かかる濃度が低すぎると溶液調整時における気泡発生を抑制する効果が得られない傾向があり、高すぎるとフィルム乾燥時に微細気泡が発生しやすくなる傾向がある。
製膜原料の固形分濃度は、5〜50重量%であることが好ましく、特に好ましくは10〜40重量%である。かかる濃度が低すぎるとフィルムの生産性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が高くなりすぎ、製膜原料の脱泡に時間を要したり、フィルム製膜時にダイラインが発生したりする傾向がある。
〔[III]製膜工程〕
製膜工程では、溶解工程及び炭素数1〜3の1価アルコール配合工程で調製した製膜原料を膜状に賦形し、必要に応じて乾燥処理を施すことで、水分率を15重量%以下にしたPVA系フィルムに調整する。
製膜に当たっては、例えば、溶融押出法や流延法等の方法を採用することができ、膜厚の精度の点で流延法が好ましい。
流延法を行うに際しては、例えば、上記製膜原料を、(i)アプリケーター、バーコーターなどを用いてギャップ間に通過させて金属表面等のキャスト面に流延する方法、(ii)T型スリットダイ等のスリットから吐出させ、エンドレスベルトやドラムロールの金属表面等のキャスト面に流延する方法、などにより製膜原料を流延した後に乾燥することにより本発明のPVA系フィルムを製造することができる。
以下、T型スリットダイからキャストドラム(ドラム型ロール)、エンドレスベルトなどのキャスト型に吐出及び流延して製膜し、乾燥することによる製造方法について説明する。
T型スリットダイ出口のPVA系樹脂水溶液の温度は80〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは85〜98℃である。かかる樹脂温度が低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると発泡する傾向がある。
PVA系樹脂水溶液の粘度は、吐出時に50〜200Pa・sであることが好ましく、特に好ましくは70〜150Pa・sである。かかる水溶液の粘度が、低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると流涎が困難となる傾向がある。
本発明においてキャスト型としてキャストドラムを用いる場合、キャストドラムの直径は、2〜5mであることが好ましく、特に好ましくは2.4〜4.5m、更に好ましくは2.8〜4mである。
かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
かかるキャストドラムの幅は、4〜7mであることが好ましく、特に好ましくは4.5〜7m、更に好ましくは5〜7mである。キャストドラムの幅が小さすぎると生産性が低下する傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
キャスト型の表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは50〜97℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると発泡してしまう傾向がある。
本発明においては、転写性の点で、キャスト型からフィルム剥離する時のフィルムの含水率が25重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは10〜20重量%である。かかる含水率が大きすぎると、PVA系フィルムの位相差が増大する傾向があり、小さすぎるとPVA系フィルムにうねりが発生する傾向がある。
本発明においては、キャスト型からフィルムを剥離する時の剥離応力が、0.1〜100mN/10mmであることが好ましく、特に好ましくは1〜10mN/10mmである。かかる応力が大きすぎると、フィルムが破断しやすく、PVA系フィルムの位相差ムラが増大する傾向があり、逆に、低すぎると剥離が安定化せず、PVA系フィルムに厚みムラが発生しやすい傾向がある。
かくして本発明の製膜が行われ、得られたフィルムは乾燥される。
フィルムの乾燥は、フィルムの表面と裏面とを複数の乾燥ロールに交互に接触させることにより行なわれる。乾燥ロールの表面温度は特に限定されないが、通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となり、高すぎると乾燥しすぎることとなり、うねりなどの外観不良を招く傾向がある。
本発明においては、熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、60〜150℃であることが好ましく、特に好ましくは70〜140℃である。熱処理温度が低すぎると、PVA系フィルムの耐水性が不足する傾向があり、高すぎると偏光フィルム製造時の延伸性が低下する傾向がある。かかる熱処理方法としては、例えば、フローティングドライヤーにて行う方法、乾燥後一旦常温程度まで冷却した後に再度高温の熱ロールに接触させる方法、赤外線ランプを用いてフィルムの両面に近赤外線を照射する方法等が挙げられるが、これらの中でも、均一に熱処理できる点で、フローティングドライヤーにて行う方法が好ましい。
かくして得られたPVA系フィルムの原反は、幅方向両端部をスリットされ、ロールに巻き取られて製品となる。
かくして本発明のPVA系フィルムが製造される。
本発明のPVA系フィルムは、厚さが100μm以下であることが好ましく、特に好ましくは破断回避の点から5〜30μmである。厚さが厚すぎると、偏光フィルムの薄型化が困難となる傾向がある。また、本発明のPVA系フィルムは、幅4m以上であることが、生産性の点で好ましく、長さ4km以上であることが、生産性の点で特に好ましい。
本発明のPVA系フィルムは、フィルムの水分率が1〜12重量%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜8重量%である。フィルムの水分率が低すぎると膨潤速度が低下し、皺が発生しやすい傾向があり、高すぎるとブロッキングが生じやすくなる傾向がある。
本発明のPVA系フィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下である。ヘイズが高すぎると、偏光フィルムに微細な光線透過率のムラが発生しやすい傾向がある。
本発明のPVA系フィルムは、厚み変動係数が1%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.9%以下、更に好ましくは0.8%以下である。厚み変動係数が大きすぎると、偏光フィルムに微細な色ムラが発生しやすい傾向がある。
本発明のPVA系フィルムは、面内位相差ムラが30nm以下であることが好ましく、特に好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下である。面内位相差ムラが大きすぎると、偏光フィルムに微細な色ムラが発生する傾向にある。
かくして得られる本発明のPVA系フィルムは気泡欠点が少ないことを特徴とすることから、表示欠点に対する要求が厳しい偏光膜用途(液晶テレビ、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、プロジェクター、車載パネルなど)や、液体による穴開き耐性が要求される水溶性フィルム用途(農薬や洗剤等の薬剤のユニット包装用途、(水圧)転写用フィルム、ナプキン・紙おむつ等の生理用品、オストミーバッグ等の汚物処理用品、吸血シート等の医療用品、育苗シート・シードテープ・刺繍用基布等の一時的基材など)に有用である。
なかでも、本発明のPVA系フィルムは、透明性、厚み精度、位相差の均一性、染色性に優れ、偏光膜の原反として好ましく用いられる。
以下、本発明の偏光膜の製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、上記PVA系フィルムを、ロールから巻き出して水平方向に移送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥などの工程を経て製造される。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程により、PVA系フィルム表面の汚れを洗浄することができるほかに、PVA系フィルムを膨潤させることで染色ムラなどを防止する効果もある。膨潤工程において、処理液としては、通常、水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。膨潤浴の温度は、通常10〜45℃程度であり、膨潤浴への浸漬時間は、通常0.1〜10分間程度である。
染色工程は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は通常0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は通常1〜100g/Lである。染色時間は通常30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃であることが好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。
ホウ酸架橋工程は、ホウ酸やホウ砂などのホウ素化合物を使用して行われる。ホウ素化合物は、水溶液または水−有機溶媒混合液の形で、通常濃度10〜100g/L程度で用いられ、液中にはヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で好ましい。処理時の温度は通常30〜70℃程度、処理時間は0.1〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
延伸工程は、一軸方向に3〜10倍することが好ましく、特に好ましくは3.5〜6倍である。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、30〜170℃が好ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
洗浄工程は、例えば、水やヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にPVA系フィルムを浸漬することにより行われ、フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は1〜80g/L程度でよい。洗浄処理時の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。処理時間は、通常1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。
乾燥工程は、通常大気中で40〜80℃で1〜10分間行えばよい。
また、偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、特に好ましくは99.9%以上である。偏光度が低すぎると液晶ディスプレイにおけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光膜を、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光膜を、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
さらに、本発明の偏光膜の単体透過率は、好ましくは42%以上、特に好ましくは43%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
かくして、本発明の偏光膜が得られるが、本発明の偏光膜は、偏光度ムラの少ない偏光板を製造するのに好適である。
得られた偏光膜は、その片面または両面に光学的に等方性の高分子フィルムまたはシートを保護フィルムとして積層接着して、偏光板として用いることもできる。保護フィルムとしては、たとえば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、架橋メタクリレート系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイドなどのフィルムまたはシートがあげられる。
また、偏光膜には、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その方面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して積層させることもできる。
本発明のPVA系フィルムから得られる偏光膜は、色ムラがなく、偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。尚、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<実施例1>
PVA系樹脂(A)として重量平均分子量142000、平均ケン化度99.8モル%の未変性PVA系樹脂を100部、可塑剤(B)としてグリセリンを12部、界面活性剤(C)としてラウリン酸ジエタノールアミドを0.05部、及び水1000部を混合し、プレッシャークッカー内で130℃まで昇温して60分間の加圧溶解を行い、固形分濃度10%のPVA系樹脂水溶液を得た。上記のPVA系樹脂水溶液を80℃に温度調整したのち、上記のPVA系樹脂水溶液に対してエタノール3部(PVA系樹脂水溶液に対して0.3重量%)を添加して、撹拌機(アズワン社 MIX−ROTAR「MR−5」)を用いて30分間の撹拌混合を行った。ついで、エタノールを撹拌混合したPVA系樹脂水溶液を80℃に加温して30分静置保管した後、ギャップ560μmのアプリケーターを用いて表面温度を85℃に調整したクロムメッキ表面処理した金属板の上に流延した。流延したPVA系樹脂水溶液を温度85℃の金属板上で5分間乾燥させた後、金属板から25mm/秒の速度で乾燥フィルムを剥離させて長さ20cm、幅15cm、厚み30μm、水分率6.2重量%のPVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、90ppmであった。
<実施例2>
実施例1においてエタノール添加量を25部(PVA系樹脂水溶液に対して2.2重量%)に変えた以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、770ppmであった。
<比較例1>
実施例1において、エタノールを添加しなかった以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、0ppmであった。
<比較例2>
実施例1において、エタノール添加量を70部(PVA系樹脂水溶液に対して5.9重量%)以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、2200ppmであった。
上記実施例1,2、比較例1,2で得られたPVA系フィルムを用いて、下記に示す方法に従って、フィルムの物性を測定し、評価した。結果を下記の表1に示す。
〔PVA系フィルムの水分率〕
(評価方法)
得られたPVA系フィルムから、幅方向中央部で5cm×5cmサイズの水分率測定用の試料を切り出した。切り出したフィルム試料について、フィルム重量(W)を電子天秤で秤量したのち、フィルム試料を水分率0.03%以下の脱水メタノール15ml(S)内に浸漬させて室温,1時間の条件でフィルム内の水分を抽出した。カールフィッシャー水分計(京都電子工業社製、「MKA−610」)を用いて、容量滴定法によって抽出液10ml(E)の水分量を測定し、以下の式からフィルム水分率(重量%)を算出した。
F: カールフィッシャー試薬の力価(mg/ml)
V: 抽出液10mlの滴定に用いたカールフィッシャー試薬量(ml)
B: 脱水メタノール10mlの滴定に用いたカールフィッシャー試薬量(ml)
W: 5cm×5cmサイズにしたフィルム試料の重量(g)
E: カールフィッシャー測定に使用した抽出液の量(ml)
S: フィルム試料の水分抽出に使用した脱水メタノールの量(ml)
〔PVA系フィルムの炭素数1〜3の1価アルコール含有量〕
(評価方法)
PVA系フィルムの炭素数1〜3の1価アルコール含有量については、動的ヘッドスペース装置を備えたGC/MS分析を用いて以下に示した条件で測定した。
<動的ヘッドスペース条件>
・加熱脱着装置: TDS−3(ゲステル社製)
・試料量 : 約5mg
・加熱条件 : 120℃、60分
<GC/MS測定条件>
・GC部装置: Agilent 7890GC(アジレント・テクノロジー社製)
・カラム : DB−WAX(架橋PEGキャピラリーカラム)
・カラム温度: 40℃×5分 − 10℃/分 − 250℃×10分
・注入口温度: −150℃(捕集)→ 250℃
・キャリアーガス: ヘリウム
・カラム流量: 1.0mL/分
・スプリット比: 1/30
・MS部装置: Agilent 5977MSD(アジレント・テクノロジー社製)
・モード : SCANモード
〔フィルム乾燥後の気泡発生状態〕
(評価方法)
得られたPVA系フィルムから、幅方向中央部で5cm×5cmサイズの試料を切り出した。切り出したフィルム試料について、撹拌時に発生した気泡(長さ方向または幅方向の気泡径が250μm以上)と乾燥時に発生した小気泡(長さ方向または幅方向の気泡径が250μm未満)の残存状態についてデジタルマイクロスコープで観察して、5段階の評価基準で評価した。
(評価基準)
5: 気泡が認められず良好
4: 気泡径250μm未満の小気泡がわずかに存在(1個以上3個未満)
3: 気泡径250μm未満の小気泡が存在(3個以上10個未満)
2: 気泡径250μm以上の気泡のみ存在(1個以上)
もしくは、気泡径250μm未満の小気泡のみ多量に存在(10個以上)
1: 気泡径250μm以上の気泡が存在(1個以上)して、
なおかつ気泡径250μm未満の小気泡も存在(10個以上)
〔偏光膜の光学欠点〕
得られたPVA系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行い、その後に乾燥して偏光膜を得た。
得られた偏光膜表面の光学的な線状欠点を、表面照度14000ルックスのライトボックスを用いて観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
3・・・線状欠点は観察されなかった
2・・・微量の線状欠点が観察された
1・・・多量の線状欠点が観察された
上記表1の結果より、実施例1、2のPVA系フィルムは、PVA系フィルムの炭素数1〜3の1価アルコール含有量が特定条件を満足するものであるため、溶液調整時の気泡発生のみでなくフィルム乾燥時に発生する気泡発生が抑制されて、気泡欠点の少ないPVA系フィルムが得られることがわかる。さらに、実施例1、実施例2のPVA系フィルムを用いて製造した偏光膜は、光学欠点の少ない偏光膜が得られることがわかる。
これに対して、PVA系フィルムの炭素数1〜3の1価アルコール含有量が1ppmより少ない比較例1では、溶液調整後に気泡が発生しやすく、乾燥後のフィルムにも溶解時に発生した気泡が残存して気泡径250μm以上の気泡欠点が存在する結果となった。また、PVA系フィルムの炭素数1〜3の1価アルコール含有量が2000ppmを超える比較例2では、溶解時における気泡発生は抑制されるものの、乾燥時の高温乾燥による気泡径250μm未満の小気泡が多量に存在する結果となった。また、比較例1、比較例2のPVA系フィルムを用いて製造した偏光膜では線状の光学欠点が観察された。このように、気泡欠点の発生したPVA系フィルムでは、偏光膜用途での表示欠点や液体製品を包装した際の液漏れなどが懸念される。
本発明のPVA系フィルムは気泡欠点が少ないことを特徴とすることから、表示欠点に対する要求が厳しい偏光膜用途(液晶テレビ、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、プロジェクター、車載パネルなど)や、液体による穴開き耐性が要求される水溶性フィルム用途(農薬や洗剤等の薬剤のユニット包装用途、(水圧)転写用フィルム、ナプキン・紙おむつ等の生理用品、オストミーバッグ等の汚物処理用品、吸血シート等の医療用品、育苗シート・シードテープ・刺繍用基布等の一時的基材など)に有用である。
なかでも、本発明のPVA系フィルムは、透明性、厚み精度、位相差の均一性、染色性に優れ、偏光膜の原反として好ましく用いられる。

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系フィルムであって、炭素数1〜3の1価アルコールを1〜2000ppm含有することを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
  2. 炭素数1〜3の1価アルコールが、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  3. 請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光膜。
  4. (I)ポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系樹脂組成物を溶解させてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得る工程、
    (II)前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対して炭素数1〜3の1価アルコールを0.001〜5重量%含有させる工程、
    (III)前記工程(II)で得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜する工程、
    をこの順序で含有することを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
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