JP2019119713A - 皮膚外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体安全性及び有効性にすぐれた、天然物由来成分からなる、脂肪分解促進剤、及びその剤を配合した皮膚外用組成物の提供。【解決手段】環状アデノシンモノリン酸、或いは環状アデノシンモノリン酸を含む植物又はその抽出物を有効成分とする、脂肪分解促進剤、及びその剤を配合した皮膚外用組成物。環状アデノシンモノリン酸を2ppm以上含む植物抽出物を有効成とするシワ及びタルミの改善用皮膚外用組成物。該植物抽出物としては、例えば、クロウメモドキ科ナツメ属のナツメの果実乾燥し、精製水に浸漬したのち、ろ過し、精製したものであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来成分を有効成分とする皮膚外用組成物に関するものである。
従来、加齢に伴い、細胞増殖・分化の不活化や、ホルモン分泌の低下、皮膚を構成する細胞外マトリックス成分(コラーゲン、ラミニン等)の量的低下、さらに、筋繊維の減少による筋力低下等の理由により、肌の老化現象(シワ、タルミ等)が生じることが知られている。
以上のような細胞の不健全化や老化を予防及び改善する目的で、従来、種々の活性成分が提案され、それら活性成分を配合した化粧品、飲食品及び医薬品が上市されている。例えば、α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸等の細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸又はその塩等の細胞外マトリックス成分;尿素等の保湿剤;が挙げられる。
以上のように、従来、細胞の老化現象や不健全化のメカニズムに基づいて、細胞賦活剤や抗老化剤が提案されているが、生体に対する安全性、また、実際に生体への塗布に際しての有効性の観点で問題が存在する。従って、それら従来の問題点が改善された新規有効成分が求められている。
以上の従来技術の課題を鋭意検討した結果、本発明者らは、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)を含む植物又はその抽出物が、脂肪細胞の分解に関与する酵素(Adipose triglyceride lipase:ATGL)を合成促進又は活性化し、脂肪分解の促進することで、脂肪の蓄積及びこれにより肌のタルミ、シワを改善することを新たに見出して本発明を完成させるに至った。
従来、cAMP又はこれを含む植物抽出物が皮膚細胞の賦活化、新陳代謝の促進効果等を有することは知られていた(特許文献1、非特許文献2)。しかし、cAMPを含む高濃度に含む植物抽出物がATGLを合成促進又は活性化し、脂肪分解の促進することで、脂肪の蓄積及びこれにより肌のタルミ、シワを改善する有効成分として利用できることについては知られていなかった。
特開平01−168605号 フレグランスジャーナル臨時増刊 No.6 (1986)
本発明は、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)を有効成分とする脂肪分解促進剤である。
本発明は、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)を含む植物又はその抽出物を有効成分とする脂肪分解促進剤である。
本発明は、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)又はこれを含む植物若しくはその抽出物を有効成分とし、脂肪分解作用を有するシワ及びタルミの改善用の皮膚外用組成物である。
本発明によれば、天然物由来で生体安全性にすぐれ、かつ、脂肪分解作用を有するシワ及びタルミの改善用の皮膚外用組成物を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)とは、アデノシン三リン酸 (ATP) から合成され、リボースの 3', 5' とリン酸が環状構造を形成している分子であり、本発明においては、その誘導体でもよい。
本発明において、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)又はその誘導体は、市販品であっても、植物等の天然物から抽出処理により得られた抽出物でもよい。また、その植物抽出物は分離、精製、濃縮等の処理を施して、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)又はその誘導体の濃度を高めたものでもよい。環状アデノシンモノリン酸(cAMP)を含む植物としては、ナツメ等が挙げられる。
抽出物の調製は、抽出対象物である植物を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、これをそのままもしくは乾燥し、さらに必要ならば細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法、水蒸気蒸留法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることによって行うことができる。また、本発明において、超臨界抽出法を採用してもよい。
抽出物処理に使用する抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。本発明においては、イヌリン及びコーヒー酸又はその誘導体を高濃度に得られるという点から、極性の異なる二種の混合溶媒を使用することがより好ましい。
抽出物の調製に当たって、抽出液のpHに特に制限はないが、一般にはpH3〜9の範囲とすることが好ましい。pHの調整は、前記した抽出溶媒中に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合することによって行うことができる。
抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpH、或いは植物素材の大きさ等によっても異なるが、例えばメタノール又はエタノール、或いは水と低級アルコール又は多価アルコールとの混合溶媒を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、抽出温度は0〜80℃の範囲である。抽出時間は、4℃の冷温抽出の場合で1時間〜7日間の範囲とするのがよく、また、40℃付近の中温抽出では、1時間〜3日間の範囲とするのがよく、70〜80℃の高温抽出の場合は、1時間〜24時間の範囲とするのがよい。浸漬法の場合、浴比は重量比で、植物素材に対して溶媒が一般に1〜200倍量、好ましくは1〜100倍量の範囲となるようにするのがよい。
以上のようにして調製される植物抽出物は、さらに、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着剤、シリカゲル、及び再結晶処理のいずれか1種又は2種以上を組み合わせて、環状アデノシンモノリン酸を高濃度に含む抽出物に調製することが好ましい。活性炭としては、松等の木、竹、椰子殻、胡桃殻等の植物質のほか、石炭質、石油質等を原材料として、それらの原材料に水蒸気や二酸化炭素、空気等のガスを使う高温炭化法等の物理的な方法や塩化亜鉛等の化学薬品を使って処理した上で加熱し、多孔質にする化学的な方法による活性化処理を施して得られる活性炭等何れを用いても良い。また、イオン交換樹脂としては、弱塩基性陰イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性インイオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂等が挙げられる。また、合成吸着剤としては、キレート樹脂、強酸性陽イオン吸着樹脂、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸エステル重合体等の非イオン性樹脂が挙げられる。
本発明においては、皮膚外用組成物とは、化粧料、医薬部外品、外用医薬品を含み、例えば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、スリミング剤、毛髪用シャンプー、石けん等が挙げられ、また、育毛剤、さらには浴剤等も挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明において、環状アデノシンモノリン酸を含む植物抽出物を有効成分と使用する場合は、抽出物の環状アデノシンモノリン酸濃度は、2.0ppm以上、好ましくは、2.5ppm以上である。
皮膚外用組成物には、本発明に係る環状アデノシンモノリン酸又はこれを含む抽出物の他に、皮膚外用組成物に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明に係る抽出物、加水分解物又は発酵物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせて配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、カミツレ油等の植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′、N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤及び/又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
保湿剤としては、保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、ヒアルロン酸発酵液、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、コラーゲンペプチド、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1、2−ペンタンジオール、プロパンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来のエタノール又は1、3−ブチレングリコール等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'−ジプロピル−ビフェニル−2、2’−ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)等が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3−グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2−グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L−アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L−アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3−O−Dラクトース−L−アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2、5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物又はその加水分解物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕抽出物又はそれに含まれるセラミド、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス抽出物、アルカンジェリシア・フラバ抽出物、カミツレ抽出物等が挙げられる。また、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(ハス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、ダマスクバラの花の抽出物、タケノコの皮の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸等)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、オタネニンジン抽出物又はその発酵物、紅参抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、モモ抽出物、桃仁抽出物、キウイ抽出物、ジュアゼイロ抽出物、パウダルコ樹皮抽出物、萱草(デイリリー)抽出物または発酵物、ハゴロモグサ抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、フノリ抽出物、烏龍茶抽出物、紅富貴抽出物、シラン抽出物、山椒果皮又は種皮の抽出物または加水分解物、ベニバナ花抽出物、カサブランカ抽出物、甘藷抽出物又はその発酵物、グアバ葉抽出物、ドクダミ抽出物、晩白柚抽出物、アロエ抽出物、イチジク花抽出物、リンゴ抽出物、ホワイトアスパラガス抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.cAMP含有植物抽出物の調製(1)
クロウメモドキ科ナツメ属のナツメの果実を乾燥し、乾燥物2kgに精製水を20kg添加し40℃で浸漬した。これをろ過し、褐色透明のナツメ果実水抽出物18kgを得た(固形分濃度5.0%)。得られたナツメ果実水抽出物にスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤を用いて、環状アデノシンモノリン酸を濃縮した。得られた濃縮液150gに精製水と1,3‐ブチレングリコールを添加し混合後、不溶物をろ過し、淡褐色透明のナツメ果実抽出物8.9kgを得た(固形分濃度1.1%)。
製造例2.cAMP含有植物抽出物の調製(2)
クロウメモドキ科ナツメ属のナツメの果実を乾燥し、乾燥物2kgに精製水を20kg添加し、40℃で浸漬した。これをろ過し、褐色透明のナツメ果実水抽出物18kgを得た(固形分濃度5.0%)。得られたナツメ果実水抽出物にスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤を加え、常温で穏やかに攪拌し、処理後に吸着剤を回収した。この吸着剤に70%エタノール溶液を添加し、穏やかに攪拌後吸着剤を除去し、褐色透明の溶出液を得た。得られた溶出液から不溶物をろ過し、淡褐色透明のナツメ果実抽出物8.9kgを得た(固形分濃度1.1%)。
製造例3.cAMP含有植物抽出物の調製(3)
クロウメモドキ科ナツメ属のナツメの果実を乾燥し、乾燥物2kgに精製水を20kg添加し、40℃で浸漬した。これをろ過し、褐色透明のナツメ果実水抽出物18kgを得た(固形分濃度5.0%)。得られたナツメ果実水抽出物にスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤を加え、常温で穏やかに攪拌し、処理後に吸着剤を回収した。この吸着剤に70%エタノール溶液を添加し、穏やかに攪拌後吸着剤を除去し、褐色透明の溶出液を得た。得られた溶出液を蒸留操作により濃縮し、濃縮液を得た。濃縮液から不溶物をろ過して除去し、淡褐色透明のナツメ果実抽出物8.9kgを得た(固形分濃度1.1%)。
比較製造例1.植物抽出物の調製
クロウメモドキ科ナツメ属のナツメの果実を乾燥し、乾燥物2kgに90%エタノール溶液20kg添加し、40℃で浸漬した。これをろ過し、褐色透明のナツメ果実水抽出物18kgを得た(固形分濃度5.3%)。これを、精製水で固形分濃度が1.1%となるように希釈し、以下の試験に比較試料として使用した。
比較製造例2.植物抽出物の調製
クロウメモドキ科ナツメ属のナツメの果実を乾燥し、乾燥物2kgに70%1,3‐ブチレングリコール溶液20kg添加し、40℃で浸漬した。これをろ過し、褐色透明のナツメ果実水抽出物18kgを得た(固形分濃度5.1%)。これを、精製水で固形分濃度が1.1%となるように希釈し、以下の試験に供した。
処方例1.化粧水
[成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
製造例1の抽出物 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
香料 適量
処方例2.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例2の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例3の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.乳液
[成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
親油型ステアリン酸グリセリル 1.0
大豆レシチン 1.5
製造例1の抽出物 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
香料 適量
処方例5.乳液
処方例4の成分中、製造例1の抽出物3.0に代えて、製造例2の抽出物3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例6.乳液
処方例4の成分中、製造例1の抽出物3.0に代えて、製造例3の抽出物3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例4の成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例4の成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例9.乳液
処方例4の成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてニコチン酸アミド3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例10.ローション
[成分] 部
製造例1の抽出物 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
キサンタンガム 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例11.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例1の抽出物 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
処方例12.エッセンス
処方例11の成分中、製造例1の抽出物5.0部に代えて製造例2の抽出物5.0部を用いるほかは処方例11と同様にしてエッセンスを得た。
実施例13.リキッドファンデーション
[成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
製造例1の抽出物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
処方例14.ボディシャンプー
[成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
製造例3の抽出物 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
処方例15.育毛料
[成分] 部
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
モノニトログアヤコールナトリウム 0.02
塩酸ピリドキシン 0.03
l−メントール 0.8
タマサキツヅラフジ根エキス 0.3
褐藻エキス 0.3
オタネニンジンエキス 0.3
ゲンチアナエキス 2.0
製造例2の抽出物 3.5
トリメチルグリシン 0.5
乳酸 0.2
1、3−ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
L−アルギニン 適量
エタノール 20.0
精製水 全量が100部となる量
処方例16.ヘアシャンプー
[成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.1
製造例3の抽出物 2.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
実施例17.ヘアコンディショナー
[成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
製造例2の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
試験例1.環状アデノシンモノリン酸の定量分析
(1)環状アデノシンモノリン酸標準原液の調製
環状アデノシンモノリン酸[C10H12N5O6P:329.21(純度97%以上)]を約10mg精密に量りとり、精製水を加えて正確に100mLとし、環状アデノシンモノリン酸標準原液とする。
(2)検量線の作成
環状アデノシンモノリン酸標準原液1mL,5mL,10mLを各々正確にとり、精製水を加えて正確に100mLとし、検量専用標準溶液とする。検量専用標準溶液10μLをとり、前記試験条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。得られたクロマトグラムのピーク面積を縦軸に,環状アデノシンモノリン酸濃度(mg/mL)を横軸にとり、検量線を作成する。
(3)試料溶液の調製
製造例1〜3の抽出物約1gを精密に量りとり,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。
(4)定量分析
試料溶液10μLを正確にとり,次の試験条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。得られたクロマトグラムのピーク面積を求め、予め作成した検量線より環状アデノシンモノリン酸量を算出する。
本品中の環状アデノシンモノリン酸量:S(ppm)=検量線より求めた環状アデノシンモノリン酸量(mg/mL)×(10/本品の採取量(g))×1000/0.97
<検出条件>
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径4.6mm,長さ150mmのステンレス管に液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物3.12gを980mLの精製水に加え、リン酸でpH2.5に調整後,精製水で1000mLとする。
流量:毎分1.0mL(環状アデノシンモノリン酸の保持時間約11分)
試験例1の測定結果を表1に示す。
[表1]
試験例2.ATGL合成促進効果の評価試験
10%FBS含有ダルベッコ変法イーグル最少必須培地(DMEM:日水製薬株式会社)を入れた96穴マイクロプレートにマウス線維芽細胞(3T3-L1)を1.5×104個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に3日間プレ培養した後、分化誘導培地 [10%FBS、0.5mMの3−イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)、0.25μMデキサメタソン(DEX)及び1.1μg/mLインスリンを混合したDMEM]を添加後、さらに2日間培養した。培養培地を1.1μg/mLインスリンを混合したDMEMに交換し、さらに2日間培養した後、製造例1〜3,比較製造例1〜2の抽出物を試料溶液として規定の濃度となるように調整した10%FBS含有DMEMを添加し、同条件でさらに3日間培養した。ここで、試料溶液は、各抽出物の溶液としての終濃度が0.5%、1.0%となるように調整した。その後、ATGL抗体を用いた免疫的検出を行った。すなわち、PBS(-)洗浄後、細胞を15%中性緩衝ホルマリン液にて30分処理して固定、0.5%Triton X-100溶液で1時間浸透処理、5倍希釈ブロッキングワンP(ナカライテスク社)溶液で2時間処理によるブロッキングを行った後、ATGL抗体を添加し、室温で1時間静置した。その後PBS(-)洗浄し、蛍光ラベルした二次抗体を添加してさらに暗所で一定時間静置した。その後PBS(-)洗浄し、蛍光強度の測定を行った。先ず二次抗体の蛍光ラベル(Alexa Fluor544)をEx=544nm、Em=590nmで測定し(蛍光マイクロプレートリーダー[フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製)]、その後、Hoechst33342によるDNA染色を行い、Ex=355nm、Em=460nmの測定を行った。それぞれの試験区のAlexa Fluor544の蛍光強度をHoechst33342の蛍光強度で割ることで、ATGLの生成度合いを求めた。試料溶液に代えて30BGを添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたATGL生成度合いに対する各試料添加時のATGL生成度合いの相対値を求め、ATGL生成量(%)とした。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すように、本発明に係る環状アデノシンモノリン酸を含む抽出物は、格段にすぐれたAPGL合成促進効果を有することが確認された。
試験例3.ATGL活性化効果の評価試験
10%FBS含有ダルベッコ変法イーグル最少必須培地(DMEM:日水製薬株式会社)を入れた80cm2フラスコにマウス線維芽細胞(3T3-L1)を4×106個/フラスコ播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に3日間プレ培養した後、製造例1〜3,比較製造例1〜2の抽出物を試料溶液として規定の濃度となるように調整した分化誘導培地 [10%FBS、0.5mM3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)、0.25μMデキサメタゾン(DEX)及び1.1μg/mLインスリンを混合したDMEM]を添加後、さらに2日間培養した。ここで、試料溶液は、各抽出物の溶液としての終濃度が2.0%となるように調整した。2日間培養後、培養培地を、上記濃度の各試料溶液を含み、かつ、1.1μg/mLインスリンを混合したDMEMに交換し、さらに5日間培養した。細胞をPBS(-)で洗浄後、0.5g/L Trypsin/0.53mmol/L EDTA solution(ナカライテスク株式会社)を添加し、37℃,5分間静置することで、フラスコから細胞を剥離した細胞懸濁液を得た。細胞懸濁液はLipoprotein Lipase(LPL)Activity Assay Kit(CELL BIOLABS社)に従って、回収、破砕した後、ATGL活性を測定した。なお、試料溶液の細胞に対する刺激性、増殖抑制などの影響を考慮して、細胞溶解液中のタンパク質量をBradford法にて測定し、タンパク質を揃えた後にATGL活性を測定した。試料溶液に代えて30%1,3‐ブチレングリコール溶液を添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたATGL活性に対する各試料添加時のATGL活性の相対値を求め、ATGL活性化率(%)とした。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明に係る環状アデノシンモノリン酸を含む抽出物は、抽出物は、格段にすぐれたATGL活性化効果を有することが明らかになった。
試験例4.脂肪滴分解促進効果の評価試験
10%FBS含有ダルベッコ変法イーグル最少必須培地(DMEM:日水製薬株式会社)を入れた96穴マイクロプレートにマウス線維芽細胞(3T3-L1)を1.5×104個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に3日間プレ培養した後、分化誘導培地 [10%FBS、0.5mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)、0.25μMデキサメタソン(DEX)及び1.1μg/mLインスリンを混合したDMEM]を添加後、さらに2日間培養した。1.1μg/mLインスリンを混合したDMEMに交換し、さらに5日間培養した後、製造例1〜3,比較製造例1〜2の抽出物を試料溶液として規定の濃度となるように調整した10%FBS含有DMEMを添加し、同条件でさらに2日間培養した。ここで、試料溶液は、各抽出物の溶液としての終濃度が0.5%、1.0%となるように調整した。その後、Nile Red(和光純薬工業株式会社)を用いて細胞内の脂肪滴の染色を行った。すなわち、PBS(-)洗浄後、10%ホルマリン水溶液を用いて10分処理することで細胞を固定した。その後PBS(-)洗浄し、Nile Redアセトン溶液を添加し、室温暗所で5分間静置した。PBS(-)洗浄後、蛍光マイクロプレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製)を用いてEx=544nm、Em=590nmを測定し、これを脂肪滴残存量とした。蛍光測定後、Hoechst33342によるDNA染色を行い、Ex=355nm、Em=460nmの測定を行った。それぞれの試験区のABS540nmの吸光度をHoechst33342の蛍光強度で割ることで、脂肪滴の蓄積量を求めた。試料溶液に代えて30%1,3‐ブチレングリコール溶液を添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られた脂肪滴残存量に対する各試料添加時の脂肪滴残存量の相対値を求め、脂肪滴分解量(%)とした。
試験例4の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すように、本発明に係る本発明に係る環状アデノシンモノリン酸を含む抽出物は、抽出物は、格段にすぐれた脂肪滴分解促進効果を有することが明らかになった。
試験例5.モニターテスト(頬のタルミ改善効果)
健常な被験者3名に対し、市販の洗顔料を用いて洗顔後、室温24℃、湿度50〜60%の検査室にて15分間の安静の後、被験者の顔にポイントを設定した。ポイントは以下の通りに設定した。目尻から1cmにP1点、口角の端から2cmにP2点を設定した。P1とP2の間に等間隔に3点設定し、上から順にP3、P4、P5とした。P4から顔中心方向、目の中心から下方向に引いた線の垂直交点をP6とした。この内、P6をたるみA、P5をたるみBとした。ポイントの内、たるみAおよびたるみBにおいて、寝ている状態と座っている状態の画像をデジタルカメラで写真撮影した。初期値撮影後、被験者には半顔でプラセボと製造例3の抽出物を含有する乳液を1日2回朝晩に塗布した。試験開始から1ヶ月後、同条件で撮影した。試験前後で、基準点からの移動距離を画像処理にて算出し、試験前後の移動距離の変化を確認した。
試験例5の結果を表5に示す。
[表5]
表5に示す通り、本発明に係る抽出物は頬のタルミを改善することが確認された。これにより、本発明は、タルミ、シワ、肌の引き締め及びほうれい線の改善効果を有する皮膚外用組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. 環状アデノシンモノリン酸を有効成分とする脂肪分解促進剤。
  2. 環状アデノシンモノリン酸を含む植物又はその抽出物を有効成分とする脂肪分解促進剤。
  3. 請求項1又は2に記載の脂肪分解促進剤を含有するシワ及びタルミの改善用の皮膚外用組成物。
  4. 環状アデノシンモノリン酸を2ppm以上含む植物抽出物を有効成分とする皮膚外用組成物。
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