JP2019118859A - 希ガス分離膜、及びこれを用いた、実用に適用可能な純度の希ガスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
キセノンやクリプトンの半減期は、キセノンについては133Xeが5.27日であるのに対し、クリプトンにおいては85Krが10.76年と長い。このうち、キセノンは、空気中に約0.1ppmと極めて微量しか存在していない貴重なガスであり、ランプ用封入ガス、医療用吸入ガス、宇宙ロケットの姿勢制御用燃料等に使用されている有用な物質である。核燃料再処理プラントの排気ガスからキセノンを回収した際、クリプトンが不純物として含まれることは避けられないが、キセノンを産業に利用する場合には、85Krの含有率を極力下げて自然界に存在する放射能量以下にする必要がある。他方、環境や人体への安全上の観点からは、放射性物質である85Krをできるだけ大気に放出しないことが望まれているが、実際には85Krのみを濃縮することは困難であるため、他の核種を全て含むKrを対象としてその濃縮に関する技術開発が進められている。
液化蒸留法としては、例えば、以下の特許文献1には、空気中に放射性のクリプトンとキセノンを含有する混合物から、先ず酸素、炭化水素、NOx、炭酸ガス、水蒸気を除去し、アルゴンを加えたのち、液化混合物から蒸留によって軽質ガス類と大部分の窒素とを除去して液体アルゴン中でキセノンとクリプトンの溶液を濃縮し、次いで、アルゴンを低温蒸留で除去した後、キセノンとクリプトンを低温蒸留で分離する方法が提案されている。
かかる状況下、本発明者らは、前記課題を解決すべき鋭意検討し実験を重ねた結果、希ガスの分子サイズ及び分離膜の分離活性層の素材との親和性に着目し、希ガスに適切な孔径に制御した希ガス分離活性層を用いること、さらに、多孔質膜上に欠陥のない希ガス分離活性層を配置することにより、希ガスを選択的に透過させることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
[1]多孔質膜の上に分離活性層を配置する希ガス分離膜であって、該分離活性層が、Zr、Fe、Cr、Zn、Cu、及びPdから成る群から選ばれる少なくとも一種の金属を含有するMOF(Metal Organic Framework)を含有することを特徴とする希ガス分離膜。
[2]前記MOFが、UiO−66(Zrと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、MIL−100(Fe)(Feと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、MIL−101(Cr)(Crと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、ZIF−8(Znと2−メチルイミダゾールからなるMOF)、HKUST−1(Cuと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、NOTT−108(Cuと4,4’−(ピリジン−3,5−ジイル)ジイソフタル酸からなるMOF)、及びPd−MOF(Zr、Pd、2,2’−ジピリジン−5,5’−ジカルボン酸から成るMOF)から成る群から選ばれる、前記[1]に記載の希ガス分離膜。
[3]供給側ガスとしてキセノン90質量%及びクリプトン10質量%からなる混合ガスを用い、供給側ガス流量を200mL/min、透過側ガス流量を50mL/minとするとき、等圧式によって30℃において測定されたクリプトンガスの透過速度が5GPU以上2,500GPU以下であり、かつ、クリプトン/キセノンの分離係数αが50以上2,000以下である、前記[1]又は[2]に記載の希ガス分離膜。
[4]前記希ガスがキセノンガスである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の希ガス分離膜。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の希ガス分離膜を用いて、キセノンガスとクリプトンガスを含む原料ガスからキセノンガスを分離・精製する工程を含むキセノンガスの製造方法。
本実施形態の希ガス分離膜は、多孔質膜の上に分離活性層を配置する希ガス分離膜であって、該分離活性層が、Zr、Fe、Cr、Zn、Cu、及びPdから成る群から選ばれる少なくとも一種の金属を含有するMOF(Metal Organic Framework)を含有することを特徴とする。前記MOFは、好ましくは、UiO−66(Zrと1,4−ベンゼンジカルボイン酸からなるMOF)、MIL−100(Fe)(Feと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、MIL−101(Cr)(Crと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、ZIF−8(Znと2−メチルイミダゾールからなるMOF)、HKUST−1(Cuと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、NOTT−108(Cuと4,4’−(ピリジン−3,5−ジイル)ジイソフタル酸からなるMOF)、及びPd−MOF(Zr、Pd、2,2’−ジピリジン−5,5’−ジカルボン酸から成るMOF)から成る群から選ばれる。
また、本実施形態の希ガス分離膜は、好ましくは、供給側ガスとしてキセノン90質量%及びクリプトン10質量%からなる混合ガスを用い、供給側ガス流量を200mL/min、透過側ガス流量を50mL/minとするとき、等圧式によって30℃において測定されたクリプトンガスの透過速度が5GPU以上2,500GPU以下であり、かつ、クリプトン/キセノンの分離係数αが50以上2,000以下である。
本実施形態における原料ガスとは、希ガスを含む、2種類以上のガス成分の混合ガスである。原料ガス中には希ガスを50%以上含むことが好ましく、より好ましくは70%以上、それより好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、それよりさらに好ましくは99.95%以上含む。希ガスとは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソンのガスをいい、中でも、キセノンガスであることが好ましい。原料ガスが使用済み核燃料由来のキセノンガスであると、原料ガス中のキセノンガスの濃度を高くすることができるため、好ましい。原料中のキセノンガス濃度が高いと、キセノンガスの回収量を高めることができること、分離膜の性能をそれほど高めなくても、実用に適用可能な純度のキセノンガスを精製ガスとして得ることができるために、好ましい。
本実施形態における精製ガスに含まれる希ガスの濃度は、好ましくは99.5%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上、もっとも好ましくは99.999%以上のガスである。精製希ガスの純度が高いと、半導体製造工程等における歩留りを向上できる点から好ましい。
[多孔質膜]
分離膜は、少なくとも多孔質膜を有する。多孔質膜の材質は、本発明のシステムの操作温度及び操作圧力において、十分な耐久性を有していれば特に限定されず、有機材料及び無機材料のうちのいずれでも構わない。
有機材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが使用できる他、例えば、ポリスルホン(PSf)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール等のホモポリマー又はこれらのコポリマー等が好ましく、これらのうちのいずれか単独、又はこれらの混合物から形成されるものを好ましく使用することができる。この中でも、耐有機溶剤性の観点から、ポリアミドイミドを用いることが好ましい。
無機材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、コージェライト、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ゼオライト、バイコールガラス、焼結金属等が挙げられる。
多孔質膜の平均孔径は、1nm以上10μm以下が好ましく、10nm以上1μm以下がより好ましい。平均孔径が1nm未満であると、ガスの透過抵抗が過度に大きくなり、ガス分離膜としての透過性が低下するため、極めて大きな膜面積が必要となり、分離設備が大きくなるから、効率性の点で好ましくない。他方、平均孔径が10μmを超えると、分離性能が低下するおそれがある。多孔質膜の平均孔径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で確認することができる。
多孔質膜の上部には、分離性能を高める目的で、分離活性層を配置される。分離活性層は、長期的な安定性の観点から、無機材料であり、本実施形態では、分離活性層は、Zr、Fe、Cr、Zn、Cu、及びPdから成る群から選ばれる少なくとも一種の金属を含有するMOF(Metal Organic Framework)を含有することが必要である。かかるMOFは、好ましくは、UiO−66(Zrと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、MIL−100(Fe)(Feと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、MIL−101(Cr)(Crと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、ZIF−8(Znと2−メチルイミダゾールからなるMOF)、HKUST−1(Cuと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、NOTT−108(Cuと4,4’−(ピリジン−3,5−ジイル)ジイソフタル酸からなるMOF)、及びPd−MOF(Zr、Pd、2,2’−ジピリジン−5,5’−ジカルボン酸から成るMOF)から成る群から選ばれる。
MOFとしては、例えば、Cu−BTC、MOF−5、IRMOF−3、MIL−47、MIL−53、MIL−96、MMOF、SIM−1、ZIF−7、ZIF−22、ZIF−69、ZIF−90等が挙げられるが、金属有機構造体(MOF)は200種類以上の構造が存在するため、これだけに限定されるものではない。
MOF原料として用いる金属塩は、各種の金属元素を含むものから選択することができる。金属塩に含まれる金属元素としては、好ましくはCu、Zn、Co、In、Al、Fe、V、Mg、Mn、Ni、Ru、Mo、Cr、W、RhおよびPdからなる群より選択される元素である。
具体的な金属塩は、好ましくは硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸インジウム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、硝酸バナジウム、塩化銅、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化インジウム、塩化アルミニウム、硝酸塩化鉄、及び塩化バナジウムからなる群から選択される金属塩であり、より好ましくは硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸インジウム、及び塩化バナジウムからなる群から選択される金属塩である。
ジカルボン酸として用いることができる有機配位子は、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、及びビフェニレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種である。トリカルボン酸として用いることができる有機配位子は、好ましくは1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種である。テトラカルボン酸として用いることができる有機配位子は、好ましくは1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種である。
気体分離膜は、少なくとも下記工程;
分離活性層に用いる無機材料の種結晶を製造する工程;
種結晶を多孔質膜に塗布する工程;
多孔質膜に塗布した種結晶を結晶成長させる工程;
を含む工程を含むことができる。
本実施形態において、好ましく実施される種結晶の製造工程について説明する。
以下に、MOFの種結晶を製造する場合について、説明する。
まず、金属塩の溶液を調製する。本実施形態においては、金属塩に含まれる金属元素は、Zr、Fe、Cr、Zn、Cu、及びPdからなる群より選択される元素である。金属塩を溶解させる溶媒は、DMF、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノールなどのプロトン性極性溶媒、水などを用いることができる。金属塩を溶解させる溶媒は、金属塩を溶解させることができればよく、これだけに限定されるものではない。
続いて、有機配位子の溶液を調製する。有機配位子は、ジカルボン酸、トリカルボン酸、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、アザベンゾイミダゾールおよびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種とすることができる。金属塩を溶解させる溶媒は、DMF、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノールなどのプロトン性極性溶媒、水などを用いることができる。有機配位子を溶解させる溶媒は、有機配位子を溶解させることができればよく、これだけに限定されるものではない。
このように調製した金属塩溶液と有機配位子溶液を混合、続いて撹拌し、種結晶を製造する。種結晶を製造する温度は30℃以上200℃以下で行われることが好ましい。温度が高すぎると、製造費がかかり、逆に温度が低すぎると、反応が進まない。また、加熱する代わりに、マイクロ波を照射しても構わない。マイクロ波を用いた場合、均一に加熱できるという点で好ましい。反応時間は、10分以上48時間以内が好ましい。反応時間が長すぎると、製造効率が落ち、逆に反応時間が短すぎても目的物が十分量得られない。
本実施形態において、好ましく実施される種結晶の塗布工程について説明する。
以下に、MOFの種結晶を塗布する場合について、説明する。
まず、種結晶の懸濁溶液を作製する。種結晶の濃度は0.01wt%以上1wt%以下が好ましい。濃度が高すぎると、種結晶の凝集沈殿を生じ、逆に濃度が低すぎると、多孔質膜上に十分量の種結晶が塗布されない。懸濁する溶媒は、DMF、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノールなどのプロトン性極性溶媒、水などを用いることができる。懸濁させる溶媒は、種結晶を懸濁させることができればよく、これだけに限定されるものではない。塗布する温度は20℃以上100℃以下が好ましい。温度が高すぎると、溶媒が揮発し、逆に温度が低すぎると、種結晶の拡散性が抑えられるために、十分量の種結晶が塗布されない。
本実施形態において、好ましく実施される結晶成長工程について説明する。
以下に、MOFの結晶を成長させる場合について、説明する。
まず、金属塩を有機配位子の溶液を作製する。金属塩と有機配位子の種類は、種結晶と同じ種類であることが好ましい。異なる種類であると、結晶成長が十分に起こらず、所望の選択性が得られない。
得られる気体分離膜の選択性を高めるためには、金属塩と有機配位子の各濃度、結晶成長時間、結晶成長温度が重要な因子となる。当業界では、前記因子が結晶成長を支配する需要な因子であることは、これまでもよく知られていたが、いずれも多孔質膜上で結晶成長を検討したものではなく、均一な溶液中での結晶成長について検討がなされてきたものである。多孔質膜上で結晶成長させる場合、多孔質膜の熱や溶媒による膨潤を考慮し、金属塩と有機配位子が溶液中でなく多孔質膜上で結晶成長させるために濃度、時間及び温度を厳密に制御することが必要となってくる。本発明らは、前記考慮や制御について検討することで、実用に満足する透過性能を有する気体分離膜を製造できることを見出した。
[希ガスの透過速度]
希ガスの透過速度は、例えば、以下の条件下に測定することができる。
ガス透過装置:
装置:ジーティーアールテック社製、形式「等圧式ガス透過率測定装置(GTR20FMAK)」
温度:25℃
ガス分析装置:
装置:ジーエルサイエンス社製、形式「GL4000 DSF−D4I」
クリプトン/キセノンの分離係数は、例えば、以下の条件下に測定することができる。
ガス透過装置:
装置:ジーティーアールテック社製、形式「等圧式ガス透過率測定装置(GTR20FMAK)」
温度:25℃
ガス分析装置:
装置:ジーエルサイエンス社製、形式「GL4000 DSF−D4I」
原料ガス、精製ガス中の、キセノン、クリプトン、不純物の%は、例えば、以下の条件下に測定することができる。
ガス透過装置:
装置:ジーティーアールテック社製、形式「等圧式ガス透過率測定装置(GTR20FMAK)」
温度:25℃
ガス分析装置:
装置:ジーエルサイエンス社製、形式「GL4000 DSF−D4I」
ZrCl4:0.053gと1,4−ベンゼンジカルボン酸:0.034gをDMF:35mLに添加し、120℃で24時間静置した。冷却後、生成した沈殿をろ別し、DMFで洗浄し、目的物を得た。
得られたUiO−66の0.05wt%DMF溶液を作製し、アルミナ製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
風乾後の中空糸膜を、ZrCl4:1.52gと1,4−ベンゼンジカルボン酸:0.972gをDMF:35mLに溶解させた溶液に130℃で6時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、DMFと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
本実施例では、分離膜として膜面積12cm2のものを用いた。クリプトンガス10質量%、キセノンガス90質量%の混合ガスを原料ガスとし、200cm3/minで供給した。定常稼働時におけるクリプトンガスの透過速度及びクリプトン/キセノンの選択性(分離係数α)を以下の表1に示す。
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸:1.68gを1M NaOH水溶液:23.7gに溶解させた。FeCl2・4H2O:2.26gを水:97.2gに溶解させた。調製した1,3,5−ベンゼントリカルボン酸溶液とFeCl2・4H2O溶液を混合し、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿物を遠心分離し、水とエタノールで順次洗浄し、目的物を得た。
得られたMIL−100(Fe)の0.05wt%水溶液を作製し、アルミナ製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
FeCl2・4H2O:2.26gと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸:1.68gを溶解させた溶液をNaOH水溶液でpH=7に調製し、風乾後の中空糸膜を80℃で6時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、エタノールと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
Cr(NO3)3・9H2O:80.0gと1,4−ベンゼンジカルボン酸:110gをDMF:1000mLに溶解させ、220℃で12時間加熱した。冷却後、生成した沈殿物をろ別し、60℃のエタノールで2回洗浄し、目的物を得た。
得られたMIL−101(Cr)の0.05wt%DMF溶液を作製し、アルミナ製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
Cr(NO3)3・9H2O:80.0gと1,4−ベンゼンジカルボン酸:110gをDMF:1000mLに溶解させ、風乾後の中空糸膜を80℃で6時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、エタノールと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
Zn(NO3)2・6H2O:2.23gと2−メチルイミダゾール:12.3gをメタノール:50mLに添加し、48時間撹拌させた。得られた沈殿物をろ別し、メタノールで洗浄し、終夜乾燥させた。
得られたZIF−8の0.05wt%メタノール溶液を作製し、PVDF製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
風乾後の中空糸膜を、Zn(NO3)2・6H2O:2.75gと2−メチルイミダゾール:56.8gを水:1000mLに溶解させた溶液に30℃で4時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、メタノールと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
基材膜にポリアミドイミド(PAI)を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で製造した。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
Cu(NO3)2・5H2O:6.0gを水:250mLに溶解させた。1,3,5−ベンゼントリカルボン酸:4.0gをエタノール:250mLに溶解させた。調製したCu(NO3)2・5H2O溶液と1,3,5ーベンゼントリカルボン酸溶液を混合し、110℃で18時間加熱した。生成した沈殿物をろ別し、水とエタノールで順次洗浄し、目的物を得た。
得られたHKUST−1の0.05wt%エタノール溶液を作製し、アルミナ製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
風乾後の中空糸膜を、Cu(NO3)2・5H2O:12.0gと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸:8.0gをエタノール:1000mLに溶解させた溶液に70℃で4時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、メタノールと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
4,4’−(ピリジン−3,5−ジイル)ジイソフタル酸:10gとCu(NO3)2・2.5H2O:20gをDMF−アセトニトリル−水混合溶媒(5:1:1、70mL)に溶解させ、37%塩酸:0.5mLを加えた。調製した溶液を85℃で48時間加熱した。生成した沈殿物をろ別し、DMFで3回洗浄し、目的物を得た。
得られたNOTT−108の0.05wt%アセトニトリル溶液を作製し、アルミナ製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
風乾後の中空糸膜を、Cu(NO3)2・2.5H2O:20gと4,4’−(ピリジン−3,5−ジイル)ジイソフタル酸:10gをDMF:1000mLに溶解させた溶液に120℃で4時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、メタノールと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
ZrCl4:67g、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸:90g、37%塩酸:50mL、Pd(NO3)2:5.8gをDMF:1300mLに溶解させた。溶解させた溶液をマイクロ波(100W)照射下、30分静置した。静置した溶液にNH3BH3:1gを添加し、80℃で20時間加熱した。
生成した沈殿物をDMFで2回、クロロホルムで2回洗浄し、目的物を得た。
得られたPd−MOFの0.05wt%DMF溶液を作製し、アルミナ製中空糸膜を30分浸漬させ、終夜風乾させた。
風乾後の中空糸膜を、Pd(NO3)2:0.58gと2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸:9gをDMF:100mLに溶解させた溶液に110℃で6時間浸漬させた。浸漬後の中空糸膜を、DMFと水で順次洗浄し、目的の気体分離膜を得た。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。
表1に記載の分離膜、原料ガスを用いて、その他は実施例1と同様にして、キセノンガスの精製を行った。結果を以下の表1に示す。
基材膜にPVDFを用いたこと、気体分離活性層にモメンティブ・パフォーマンス・マアテリアルズ・ジャパン合同会社製ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
気体分離膜の評価は、実施例1と同様の方法で行った。結果を以下の表1に示す。
Claims (5)
- 多孔質膜の上に分離活性層を配置する希ガス分離膜であって、該分離活性層が、Zr、Fe、Cr、Zn、Cu、及びPdから成る群から選ばれる少なくとも一種の金属を含有するMOF(Metal Organic Framework)を含有することを特徴とする希ガス分離膜。
- 前記MOFが、UiO−66(Zrと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、MIL−100(Fe)(Feと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、MIL−101(Cr)(Crと1,4−ベンゼンジカルボン酸からなるMOF)、ZIF−8(Znと2−メチルイミダゾールからなるMOF)、HKUST−1(Cuと1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなるMOF)、NOTT−108(Cuと4,4’−(ピリジン−3,5−ジイル)ジイソフタル酸からなるMOF)、及びPd−MOF(Zr、Pd、2,2’−ジピリジン−5,5’−ジカルボン酸から成るMOF)から成る群から選ばれる、請求項1に記載の希ガス分離膜。
- 供給側ガスとしてキセノン90質量%及びクリプトン10質量%からなる混合ガスを用い、供給側ガス流量を200mL/min、透過側ガス流量を50mL/minとするとき、等圧式によって30℃において測定されたクリプトンガスの透過速度が5GPU以上2,500GPU以下であり、かつ、クリプトン/キセノンの分離係数αが50以上2,000以下である、請求項1又は2に記載の希ガス分離膜。
- 前記希ガスがキセノンガスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の希ガス分離膜。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の希ガス分離膜を用いて、キセノンガスとクリプトンガスを含む原料ガスからキセノンガスを分離・精製する工程を含むキセノンガスの製造方法。
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