JP2019118197A - 電動モータ装置および電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動モータ装置および電動ブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019118197A
JP2019118197A JP2017251099A JP2017251099A JP2019118197A JP 2019118197 A JP2019118197 A JP 2019118197A JP 2017251099 A JP2017251099 A JP 2017251099A JP 2017251099 A JP2017251099 A JP 2017251099A JP 2019118197 A JP2019118197 A JP 2019118197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power consumption
electric motor
value
electric
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017251099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7089868B2 (ja
Inventor
唯 増田
Yui Masuda
唯 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2017251099A priority Critical patent/JP7089868B2/ja
Priority to PCT/JP2018/047629 priority patent/WO2019131659A1/ja
Publication of JP2019118197A publication Critical patent/JP2019118197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7089868B2 publication Critical patent/JP7089868B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T13/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems
    • B60T13/74Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with electrical assistance or drive
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1761Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to wheel or brake dynamics, e.g. wheel slip, wheel acceleration or rate of change of brake fluid pressure
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】モータ特性変動等によらずモータ最大消費電力を適切に制限し、かつ許容範囲内の電力を最大限に使用して電動モータの出力性能を向上することができる電動モータ装置および電動ブレーキ装置を提供する。【解決手段】この電動モータ装置は、電動モータ1と制御装置2とを備える。制御装置2は、電動モータ1の電流および電圧を推定し、推定した電流および電圧から電動モータ1の消費電力を推定する電力演算器19と、電動モータ1の角速度を推定する回転運動推定器15とを備える。さらに制御装置2は、角速度等に基づいて、電動モータ1のトルク指令値が閾値を超過しないように制限して制限済値として出力するモータ出力制限器8を備え、モータ出力制限器8は、電力演算部19で推定される消費電力が定められた値より大きいとき、トルク指令値が定められた値まで小さくなるよう制限済値を調整する可変制限部20を有する。【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータ装置および電動ブレーキ装置に関し、モータ最大消費電力を制限し、かつモータ出力性能を向上し得る技術に関する。
電動モータ装置および電動モータを使用した電動アクチュエータとして、以下の技術が提案されている。
1.電動モータ、直動機構および減速機を使用した電動ブレーキ装置(特許文献1)。
2.電動モータの無効電力に基づいて制御する電動モータ装置(特許文献2)。
特開2003−247576号公報 特開2017−11937号公報
特許文献1、2のような電動モータ装置において、電動モータの最大消費電力は、電源の容量を超過しないよう、予め所定値に制限されなければならない場合が多い。
例えば、特許文献1の電動ブレーキ装置、またはその他の車載電装機器である電動ステアリング装置等において、電動モータの消費電力が所定の容量を超えると、EV、HEVにおける高圧電源からのDC/DCコンバータ、またはエンジン車におけるオルタネータからの給電が不足してバッテリの電力が低下する問題が発生する場合がある。また、バッテリへの負荷が大きくなることで、想定よりバッテリ寿命が低下する場合がある。
しかしながら、例えば、モータコイル、ハーネス、および駆動回路等の温度変化によって所定の電流条件に対する銅損が変動する等の特性変動により、モータの消費電力を予め厳密に制限することが困難な場合が多い。また、永久磁石式モータの場合、磁石の温度変化等によって磁束が変動し、所定の角速度および電流条件に対する電力が変動する。さらに、特に高速回転時における積層鋼板等の磁気回路の鉄損を正確に見積もることは困難な場合がある。
以上の問題に対して、最悪条件を仮定したうえで所定の電源容量を超過しないようモータの駆動条件を設定すると、モータの出力低下を補うために体格の大きなモータが必要となり、搭載スペースが増大する等の問題となる場合がある。
また、例えば、特許文献1の電動ブレーキ装置の場合において、一般に所定の電源系統に対して複数の電動モータが同時に駆動されるため、他のモータ駆動状況によって消費電力の上限値が変化する。このとき、全ての電動モータの最大消費電力の総和が電源容量を超過しないよう、各電動モータの駆動条件を不変に設定してしまうと、モータ出力が小さくなり、例えば、ブレーキの応答性等が低下する場合がある。
この発明の目的は、モータ特性変動等によらずモータ最大消費電力を適切に制限し、かつ許容範囲内の電力を最大限に使用して電動モータの出力性能を向上することができる電動モータ装置および電動ブレーキ装置を提供することである。
この発明の電動モータ装置は、電動モータ1と、この電動モータ1を制御する制御装置2とを備えた電動モータ装置において、
前記制御装置2は、
前記電動モータ1の電流および電圧を推定し、この推定した電流および電圧から前記電動モータ1の消費電力を推定する消費電力推定機能部19と、
前記電動モータ1の角速度を推定する角速度推定手段15と、
前記制御装置2に与えられたモータ動作指令から生成されるトルク指令値、電流指令値、電圧指令値の少なくともいずれかの指令値が、前記角速度推定手段15で推定される角速度を含む定められた条件に基づき、閾値を超過しないように制限して制限済値として出力する出力制限機能部8と、
この出力制限機能部8から与えられた制限済値に基づいて、前記電動モータ1を駆動させる駆動回路6と、を備え、
前記出力制限機能部8は、前記消費電力推定機能部19で推定される消費電力が定められた値より大きいとき、前記指令値が定められた値まで小さくなるよう前記制限済値を調整する可変制限部20を有する。
前記定められた条件、前記閾値、前記各定められた値は、それぞれ設計等によって任意に定める条件、閾値、値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な条件、閾値、値を求めて定められる。
この構成によると、消費電力推定機能部19は、電動モータ1の電流および電圧から電動モータ1の消費電力を推定する。出力制限機能部8は、トルク指令値、電流指令値、電圧指令値の少なくともいずれかの指令値を、角速度等に基づいて、閾値を超過しないように制限する。出力制限機能部8は、前記指令値を制限済値として出力し得る。これにより、電動モータ1を使用できる出力まで最大限使用することができ、電動モータ1の出力性能を向上し得る。したがって、ブレーキ等の応答性が不所望に低下することを防止することができる。但し、出力制限機能部8の可変制限部20は、推定される消費電力が定められた値より大きいとき、指令値が定められた値まで小さくなるよう前記制限済値を調整する。これにより、モータ特性変動等によらずモータ消費電力を一定値まで適切に制限することができる。
前記出力制限機能部8の可変制限部20は、前記消費電力推定機能部19で推定される消費電力が定められた値より小さいとき、前記指令値が定められた値まで大きくなるよう制限済値を調整するものであってもよい。このように電動モータ1の推定される消費電力が小さい場合は消費電力を大きくし、許容範囲内の電力を最大限使用することが可能となる。
前記出力制限機能部8の可変制限部20は、第一の制限部21と、消費電力が前記第一の制限部21よりも相対的に小さくなる第二の制限部22と、前記第一および第二の制限部21,22による出力制限値を定められた比率によって結合した値を前記出力制限機能部8から最終的に出力する制限済値として導出する制限値結合部23とを有し、この制限値結合部23は、前記定められた比率を、前記消費電力推定機能部19で推定される消費電力に基づいて調整するものであってもよい。
前記定められた比率は、設計等によって任意に定める比率であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な比率を求めて定められる。
この場合、推定される消費電力の超過分にゲインを介した値を、指令値を減少させる調整量とするよりも、より正確に推定消費電力を導出することができるため、モータ消費電力をより適切に制限し得る。
前記出力制限機能部8の可変制限部43は、定められた最大消費電力と、前記消費電力推定機能部19で推定される電流とから、最大消費電力となり得る電圧値を導出し、前記電動モータ1に印加する電圧を、導出された前記電圧値に制限するものであってもよい。
前記定められた最大消費電力は、電動モータ1に固有の最大消費電力であり、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な最大消費電力を求めて定められる。この場合、電動モータ1の消費電力を厳密に管理するうえで優位である。
前記出力制限機能部8の可変制限部20は、定められた最大消費電力に対し、前記消費電力推定機能部19で推定される消費電力の超過分にゲインを介した値を、前記指令値を減少させる調整量として、前記トルク指令値、電流指令値、電圧指令値のいずれかに作用させてもよい。
前記定められた最大消費電力は、電動モータ1に固有の最大消費電力であり、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な最大消費電力を求めて定められる。この場合、モータ出力を制限するLUT等が不要となり、メモリ等のリソースを節約するうえで優位である。
この発明の電動モータシステムは、いずれかに記載の電動モータ装置DMを複数備えた電動モータシステムであって、
前記複数の電動モータ装置DMにおける推定消費電力の総和が、定められたシステム最大消費電力を超過しないよう各電動モータ装置DMの最大消費電力を定める電力配分手段27を備える。
前記定められたシステム最大消費電力は、それぞれ設計等によって任意に定めるシステム最大消費電力であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切なシステム最大消費電力を求めて定められる。
前記電力配分手段27は、前記電動モータ装置DMにおける最大消費電力と推定消費電力との比較に基づいて、前記電動モータ装置DMの電力消費の度合である電力消費度合を判断する機能を有し、
前記複数の電動モータ装置DMのうち、前記電力消費度合が基準値よりも高い電動モータ装置DMと、前記電力消費度合が基準値よりも低い電動モータ装置DMが混在している場合に、前記電力配分手段27は、前記電力消費度合が高い電動モータ装置DMの最大消費電力を定められた値よりも大きく設定し、前記電力消費度合が低い電動モータ装置DMの最大消費電力を定められた値よりも小さく設定するものであってもよい。
前記基準値、前記定められた値は、それぞれ設計等によって任意に定める基準値、値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な基準値、値を求めて定められる。
この場合、消費電力に余裕のある電動モータ装置DMと、高出力動作中で消費電力に余裕がない電動モータ装置DMがある場合に、消費電力に余裕がある電動モータ装置DMの分を、消費電力に余裕がない電動モータ装置DMに振り分けることで、高出力動作中の電動モータ装置DMの出力を向上することができる。
この発明の電動ブレーキ装置DBは、いずれかに記載の電動モータ装置DMと、ブレーキロータ32と、このブレーキロータ32と接触して制動力を発生させる摩擦材33と、この摩擦材33を前記電動モータ1によって操作可能とする摩擦材操作手段35と、を備えた電動ブレーキ装置において、
前記電動ブレーキ装置の最大消費電力を可変とする電力可変機能部27aを備え、この電力可変機能部27aから与えられた最大消費電力に基づいて、前記出力制限機能部8における制限済値が調整される。このように、電動ブレーキ装置の最大消費電力を可変としたうえで、電力可変機能部27aから与えられた最大消費電力に基づいて、出力制限機能部8における制限済値が調整されるため、許容範囲内の電力を最大限使用して電動ブレーキ装置の性能を向上することが可能となる。
この発明の電動ブレーキシステムは、前記電動ブレーキ装置DBを複数備えた電動ブレーキシステムであって、
前記複数の電動ブレーキ装置DBにおける推定消費電力の総和が、定められた電動ブレーキシステム最大消費電力を超過しないよう各電動ブレーキ装置DBの最大消費電力を定める電力配分手段27と、
前記複数の電動ブレーキ装置DBをそれぞれ搭載する複数の車輪の回転速度である車輪速を推定する車輪速推定手段28と、
この車輪速推定手段28で推定される複数の車輪速を含む情報を用いて、個別の車輪のスリップ状態を推定するスリップ状態推定手段29と、
このスリップ状態推定手段29で推定されるスリップ状態が閾値を超過したとき、スリップ状態が抑制されるよう前記電動ブレーキ装置DBのブレーキ力を調整するアンチスキッド制御を行うアンチスキッド制御機能部30と、を備え、
前記複数の電動ブレーキ装置DBのうち、アンチスキッド制御を行っている電動ブレーキ装置DBと、アンチスキッド制御を行っていない電動ブレーキ装置DBが混在している場合に、前記電力配分手段27は、アンチスキッド制御を行っている電動ブレーキ装置DBの最大消費電力を定められた値よりも大きく設定し、アンチスキッド制御を行っていない電動ブレーキ装置DBの最大消費電力を定められた値よりも小さく設定する。
この構成によると、高出力動作を必要とするアンチスキッド制御中の電動ブレーキ装置DBの最大消費電力を引き上げることで、より高速なブレーキ動作を可能とし、アンチスキッド制御の性能を向上することができる。
この発明の電動モータ装置は、電動モータと、この電動モータを制御する制御装置とを備えた電動モータ装置において、前記制御装置は、前記電動モータの電流および電圧を推定し、この推定した電流および電圧から前記電動モータの消費電力を推定する消費電力推定機能部と、前記電動モータの角速度を推定する角速度推定手段と、前記制御装置に与えられたモータ動作指令から生成されるトルク指令値、電流指令値、電圧指令値の少なくともいずれかの指令値が、前記角速度推定手段で推定される角速度を含む定められた条件に基づき、閾値を超過しないように制限して制限済値として出力する出力制限機能部と、この出力制限機能部から与えられた制限済値に基づいて、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、を備え、前記出力制限機能部は、前記消費電力推定機能部で推定される消費電力が定められた値より大きいとき、前記指令値が定められた値まで小さくなるよう前記制限済値を調整する可変制限部を有する。このため、モータ特性変動等によらずモータ最大消費電力を適切に制限し、かつ許容範囲内の電力を最大限に使用して電動モータの出力性能を向上することができる。
この発明の電動ブレーキ装置は、いずれかに記載の電動モータ装置と、ブレーキロータと、このブレーキロータと接触して制動力を発生させる摩擦材と、この摩擦材を前記電動モータによって操作可能とする摩擦材操作手段と、を備えた電動ブレーキ装置において、
前記電動ブレーキ装置の最大消費電力を可変とする電力可変機能部を備え、この電力可変機能部から与えられた最大消費電力に基づいて、前記出力制限機能部における制限済値が調整される。このため、モータ特性変動等によらずモータ最大消費電力を適切に制限し、かつ許容範囲内の電力を最大限に使用して電動モータの出力性能を向上することができる。
この発明の実施形態に係る電動モータ装置のブロック図である。 同電動モータ装置の動作例を示す図である。 同電動モータ装置を用いた電動ブレーキ装置およびこの電動ブレーキ装置を複数備えた電動ブレーキシステムの構成例を示すブロック図である。 (A)は同電動ブレーキシステムの動作例を示す図、(B)は従来例の電動ブレーキシステムの動作例を示す図である。 同電動ブレーキ装置の構成を概略示す図である。 この発明の他の実施形態に係る電動モータ装置のブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動モータ装置のブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動モータ装置のブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動モータ装置のブロック図である。 (A)はいずれかの電動モータ装置をインホイールモータ駆動形式の車両に適用した例、(B)はいずれかの電動モータ装置を二モータオンボード形式の車両に適用した例を平面視で概略示す図である。
この発明の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。この実施形態の電動モータ装置は、例えば、車両に搭載される電動ブレーキ装置(後述する)に適用される。
<電動モータ装置の構成例>
図1に示すように、この電動モータ装置は、電動モータ1と、この電動モータ1を制御する制御装置2と、電源装置3と、各種指令手段とを備える。前記各種指令手段は、モータ動作指令手段4と、最大消費電力制限手段5とを有する。
モータ動作指令手段4は、例えば、位置(角度)、速度(角速度)、負荷(トルク、荷重等)等の、電動モータ1を動作させる目標となる指令値(モータ動作指令)を、制御装置2に対して出力する。あるいはモータ動作指令手段4は、前記位置、速度、負荷のうち複数の動作指令と、どのような動作を行うかを示す動作モード指令等を制御装置2に出力するものであってもよい。
モータ動作指令手段4は、例えば、車両統合制御装置(VCU)または試験装置シーケンサ等の上位ECUであってもよく、ブレーキペダルまたは操作ボリューム等の操作インターフェースであってもよい。
最大消費電力制限手段5は、電動モータ1が消費し得る電力の最大値(最大消費電力の制限値Pmax)を制御装置2に指令出力する機能を有する。この最大消費電力制限手段5は、モータ動作指令手段4と同一または同様の上位ECUや操作インターフェースであってもよく、バッテリマネージャまたは電力ブレーカ等の専用の電力管理システムであってもよい。もしくは、最大消費電力制限手段5として、外部指令手段を設けずに、所定の電力制限条件を予め制御装置2内にプログラム等で実装したものであってもよい。
電動モータ1は、永久磁石同期電動機により構成すると、省スペースで高効率かつ高トルクとなり好適であるが、例えば、ブラシを用いたDCモータまたは永久磁石を用いないリラクタンスモータ、あるいは誘導モータ等を適用することもできる。
電動モータ1には、この電動モータ1の回転の角度を検出する角度センサSaが設けられている。角度センサSaは、例えば、レゾルバまたは磁気エンコーダ等を用いると高精度かつ高信頼性であり好適であるが、光学式のエンコーダ等の各種センサを適用することもできる。前記角度センサSaを用いずに、例えば、後述する制御装置2において、電動モータ1の電圧と電流との関係等からモータ角度を推定するような角度センサレス推定を用いることもできる。その他、図示外の要素として、安全性に対する要件等に基づいて、サーミスタ等の各種センサ類を要件に応じて別途設けてもよい。
<制御装置2について>
制御装置2は、制御演算を行う各種制御演算器と、駆動回路としてのモータドライバ6と、センサ類とを備える。前記各種制御演算器は、トルク指令演算器7、出力制限機能部としてのモータ出力制限器8、電圧推定器9、電流推定器10、電流指令演算器11、モータ電流制御器12、制御電源13、電流推定器14、および角速度推定手段としての回転運動推定器15を有する。前記センサ類は、電流センサ16,17、電圧センサ18等を含む。
回転運動推定器15は、角度センサSa等の電動モータ1の運動を検出するセンサから、制御演算に用いる角度、角速度、電気角位相、等のパラメータを推定する機能を有する。前記パラメータは、例えば、角度を微分して角速度を得る等の微積分処理であってもよく、アクチュエータ運動方程式を演算に用いた状態推定オブザーバ等であってもよく、これらの併用であってもよい。あるいは、回転運動推定器15は、前述の通り、例えば、電動モータ1の電圧と電流から電気角速度または電気角位相を推定するような、センサレス推定器であってもよい。また、回転運動推定器15は、例えば、モータ反力の推定等、外乱オブザーバの機能を含めることもできる。
電流センサ16,17は、電動モータ1の電流を検出するセンサであって、例えば、シャント抵抗両端の電圧を検出するアンプからなるセンサ、または、通電経路の周囲の磁束等を検出する非接触式センサ等を用いることができる。電流推定器10,14は、電流センサ17,16で検出される値から制御演算に用いる電流を推定する機能を有する。
電圧センサ18は、電動モータ1の電圧を検出するセンサであって、例えば、分圧抵抗を用いると安価に構成できて好ましく、コンデンサ等を用いたノイズ低減処理を適宜用いてもよい。あるいは、電圧センサ18は、演算器のA/D変換器等のハードウェア耐圧が十分であるなら、分圧抵抗を用いず直接電圧を観測することもできる。
電圧推定器9は、電圧センサ18で検出される値から制御演算に用いる電圧を推定する機能を有する。あるいは、所定の固定電圧により電動モータ1を駆動する場合(バッテリ電圧変動等を考えなくてもよい場合)、電圧センサ18および電圧推定器9を設けずに、予め、制御装置2内にプログラム等で実装した値を用いてもよい。
トルク指令演算器7は、モータ動作指令手段4から入力された指令値を、トルク指令値に変換する機能を有する。あるいは、トルク指令演算器7は、例えば、角速度、角度、または負荷(トルク、荷重)等の指令値から所定の制御演算を行い、トルク指令値を導出するものであってもよく、その場合、前記角速度角度、または負荷(トルク、荷重)等がフィードバック演算されるものであってもよい。前記機能は、本電動モータ装置をどのようなアプリケーションに適用するかに従い、適宜定められるものとする。
モータ出力制限器8は、回転運動推定器15で推定される角速度を含む所定条件に基づいて、トルク指令値が閾値を超過しないように制限して制限済値として出力する。このモータ出力制限器8は、消費電力推定機能部である電力演算部19と、この電力演算部19で推定される電動モータ1の消費電力が所定より大きいとき、前記トルク指令値が小さくなるよう制限済値を調整する可変制限部20とを有する。
電力演算部19は、後述するモータドライバ6の一次側(入力側)の電圧および電流から、電動モータ1の消費電力を導出する機能を有する。
可変制限部20は、複数(この例では第一および第二)のトルク制限部(制限部)21,22と、前記複数のトルク制限部21,22の出力結果を結合するトルク制限値結合部(制限値結合部)23とを備え、所定の消費電力となるようなトルク指令値を導出する機能を有する。
第一のトルク制限部21は、比較的出力が大きくなるトルク制限機能を有し、第二のトルク制限部22は、比較的出力が小さくなるトルク制限機能を有する。一般に、所定のトルクを発揮するための電流条件は、予め試験またはシミュレーション等の結果から定められたモータ特性に基づいて一意に設定されるが、実際には、抵抗値、インダクタンス、回転子磁束等の固体差および特性変動により、前記電流条件に対する消費電力は異なることが多い。
その際、例えば、温度上昇等に伴い抵抗値が増加すると、所定のトルクすなわち電流条件における消費電力が増加する。あるいは、インダクタンスおよび回転子磁束の変化に伴い力率が変化すると、所定の電流条件における消費電力が変動する。このとき、第一および第二のトルク制限部21,22によって最大消費電力を調整可能とすることで、モータ特性変動によらず所定の最大消費電力に制限することができる。
第一および第二のトルク制限部21,22の出力変化幅について説明する。
例えば、第一のトルク制限部21を、モータコイル電流密度、コイル発熱の放熱特性、熱容量、モータ駆動素子の電流容量等に基づいて定められる電動モータ装置に異常を発生させずに通電可能な最大電流条件下における最大出力に基づくトルク制限部とする。
第二のトルク制限部22を、力率ないし所定の最大力率の条件下で最大消費電力となる電流条件下における最大出力に基づくトルク制限部に定める。
このように第一および第二のトルク制限部21,22の出力変化幅を定めると、あらゆる特性変動に対し可能な限り消費電力を調整できる自由度を持つこととなる。あるいは、予め電動モータ装置に発生し得る特性変動に基づいて、第一および第二のトルク制限部21,22の出力変化幅を適宜設定してもよい。
また、例えば、定常時の所定の最大消費電力と、ある一定時間内における瞬時最大消費電力と、を異なる最大消費条件として定める場合においても、第一および第二のトルク制限部21,22によって適切な最大消費電力に制限することができる。このとき、例えば、第一および第二のトルク制限部21,22を、前記定常時の所定の最大消費電力と瞬時最大消費電力との差を含んだトルク制限部としておくことができる。
トルク制限部結合部23は、第一および第二のトルク制限部21,22により制限された第一および第二のトルク指令値を、所定の関係に基づいて結合し、最終的なトルク制限値(制限済値)とする機能を有する。前記所定の関係は、例えば、電力演算部19によって演算された消費電力Pmが前記最大消費電力の制限値Pmaxを上回る場合に、トルク制限値を比較的出力が小さくなる第二のトルク制限値に近づけ、逆に電力演算部19によって演算された消費電力が前記最大消費電力の制限値を下回る場合には、第一のトルク制限値に近づける処理としてもよい。
具体的には、例えば、最大消費電力の制限値Pmax、電力演算部19で導出された消費電力Pm、所定のゲインKaを用いて、第一のトルク制限値T1、第二のトルク制限値T2に対し、最終的なトルク制限値Tを以下のように設定してもよい。
T=α・T1+(1−α)・T2 (α=Ka・(Pmax−Pm),0≦α≦1)
ゲインKaは線形としてもよく、偏差(Pmax−Pm)等に基づいて変化する非線形ゲインであってもよい。また、例えば、偏差(Pmax−Pm)の微分または積分を用いてαを演算するものであってもよい。その他、実際の演算は上記数式の通りでなくても、最終的に上記数式と概ね等価となる演算過程であってもよい。
モータ出力制限器8は、第一および第二のトルク制限部21,22に加え、例えば、第一および第二のトルク制限値を非線形補間するための第三以降のさらなるトルク制限部を備えてもよい。また、モータ出力制限器8は、力行と回生それぞれにおいて、異なる第一および第二、あるいはさらなる複数のトルク制限部を備えていてもよい。
最終的に、モータ出力制限器8に入力されたトルク指令値が、トルク制限値Tを超過する場合、前記トルク指令値はトルク制限値Tに制限され、トルク制限値Tを超過しない場合はトルク指令値が制限されることなく後段の機能ブロック(この図1の例では電流指令演算部11)に伝達される。なお、前記制限とは、トルクの符号によらず、その大きさを制限することを意味する。
電流指令演算部11は、例えば、トルク指令値またはトルク制限値を、予め定められた所定のモータ特性に基づいて前記トルクを発生させる電流値に換算する機能を有する。前記の換算は、例えば、モータ角速度とトルクに応じた電流値のLUT等を記憶領域に設けておくと演算負荷が少なく好ましいが、例えば、予め定められたトルクおよび角速度を引数として電流を求める計算式、あるいは、モータ相抵抗または相インダクタンスからニュートンラプソン法等の収束演算式を用いて所望のトルクとなる電流条件を求める計算式等、所定の演算式において求めることもできる。
電流指令演算部11にて求められる電流指令値は、例えば、所定の電気角位相に対する直交軸電流(d軸電流、q軸電流)であってもよく、所定の位相および周波数を有する交流電流であってもよい。あるいは、その他、誘導モータにおけるすべり角を考慮した電流指令値としてもよく、もしくはブラシ付DCモータの直流電流指令であってもよい。
モータ電流制御器12は、電流指令演算部11から与えられた前記電流指令値に追従するよう電動モータ電流を制御する機能を有する。電流推定器14が、電流センサ16で検出される値から制御演算に用いる前記電動モータ電流を推定する。この電流制御は、例えば、電流フィードバック制御を用いてもよく、所定のモータ特性に基づいてフィードフォワード制御を用いてもよく、これらを適宜併用してもよい。
モータドライバ6は、モータ電流制御器12から与えられる電流指令に基づいて、電源装置3の直流電力を電動モータ1の駆動に用いる交流電力に変換する。このモータドライバ6は、FET等のスイッチ素子を含むハーフブリッジ回路を構成し、所定のデューティ比によりモータ印加電圧を決定するPWM制御を行う構成とすると、安価で高性能となり好適である。あるいは、図示外の変圧回路等を設け、PAM制御を行う構成とすることもできる。
制御電源13は、各種制御演算器およびモータドライバ6等の弱電系へ電力を供給する。
本図1に図示しない機能は、必要に応じて別途設けられるものとする。例えば、モータ出力を制限する上で、制御演算器において出力飽和補償が必要となる場合があり、前記出力飽和補償を行う補償器を適宜設けてもよい。あるいは、例えば、温度上昇または過電流において出力を制限ないし動作停止するような冗長系を別途設けてもよい。
その他、図1はあくまで機能構成の概念を示したものであり、図示外の要素は要件に応じて適宜設けられるものとする。また、各機能ブロックは便宜上設けているものであり、実装上の都合に伴い適宜統合ないし分割可能であるものとする。また、各機能の接続形態は一つの例として示すものであり、前述の機能に支障をきたさない範囲で変更できるものとする。
<電動モータ装置の動作例>
図2は、前記電動モータ装置を用いて、所定のモータ角度への位置決めを行う例を示す。
図2(a),(b)において、従来例の電動モータ装置の動作例を点線で示し、実施形態の電動モータ装置の動作例を実線で示す。
図2(a)は、特性バラツキを有する電動モータにおいて、所定の想定値より損失が増加した場合を示す。従来例の電動モータ装置においては、モータ損失増加に伴い最大消費電力が制限値を超過するが、実施形態の電動モータ装置では、特に前記モータ出力制限器8(図1)により、所定の最大消費電力に制限される。
図2(b)は、特性バラツキを有する電動モータにおいて、比較的損失が少なくなった場合を示す。従来例の電動モータ装置において、特性バラツキに対して最大消費電力が所定の制限値を超過しないよう調整された結果、電動モータの応答速度が低下する例に対して、実施形態の電動モータ装置では、特に前記モータ出力制限器8(図1)により、消費電力を増加させて電動モータ1(図1)の応答性が改善される。
<電動ブレーキ装置の構成例>
図3は、実施形態に係る電動モータ装置を用いた電動ブレーキ装置DBの構成例を示すブロック図である。この電動ブレーキ装置DBは、電動モータ装置DMと、摩擦ブレーキBRとを備える。電動ブレーキシステムは、この電動ブレーキ装置DBを複数備える。
電源装置3は、例えば、バッテリであってもよく、DC/DCコンバータであってもよく、これらを適宜併用した構成であってもよい。例えば、EV、HEV等においては、200V〜300V程度の高圧バッテリと、高圧バッテリ電圧を12Vに降圧するDC/DCコンバータと、12Vバッテリとを備え、前記DC/DCコンバータおよび12Vバッテリを電源装置3とする構成を用いてもよい。
ブレーキ指令手段4Aは、ブレーキ力を統合制御装置24に与える手段であって、例えば、ブレーキペダルを用いることができる。あるいは、ブレーキ指令手段4Aは、ジョイスティックまたはボリューム等の別の指示手段であってもよく、その他自動運転車両における所定の制動指示手段等、車両の操縦者に依存しない指示手段であってもよい。
統合制御装置24は、電源容量演算器25と、制動力配分演算器26と、電力配分手段としての電力配分演算器27とを備える。統合制御装置24は、例えば、車両統合制御装置(VCU)であってもよく、あるいは後述のブレーキ制御装置2Aのうちの一つまたは複数が統合制御装置24を有するものであってもよい。
電源容量演算器25は、電源装置3の出力容量および状態から、電動ブレーキ装置DBに使用可能な電力を決定する機能を有する。電源装置3の状態は、例えば、バッテリであれば%SOC等の残量検出機能であってもよく、DC/DCコンバータであれば内部回路素子の温度等に基づく所定の自己診断機能であってもよく、あるいはこれらの併用であってもよい。また、電源容量演算器25は、電動ブレーキ装置以外の電動ステアリング等の電動装置(図示せず)の電力消費状態を取得し、この電力消費状態を加味した最大消費電力を決定するものであってもよい。もしくは、電動ブレーキ装置DBが優先的に電力を使用する場合において、電動ブレーキ装置DBの消費電力を図示外の電動装置に通知する機能を有していてもよい。
制動力配分演算器26は、ブレーキ指令手段4Aにより要求されるブレーキ力に応じて、各ブレーキ制御装置2Aにブレーキ力指令値を出力する。前記ブレーキ力指令値は、例えば、四輪車両における前後ブレーキ比率のような所定の固定比率としてもよく、例えば、図示外の加速度センサ等から車両の制動状態または旋回状態を推定し、前記いずれか一方または両方の状態に応じた可変の値としてもよい。
その他、制動力配分演算器26は、車輪速推定手段28、スリップ状態推定手段29、アンチスキッド制御機能部30および横滑り防止制御機能部31を備えてもよい。車輪速推定手段28は、複数の電動ブレーキ装置DBをそれぞれ搭載する各車輪の回転速度である車輪速を推定する。スリップ状態推定手段29は、車輪速推定手段28で推定される各車輪の車輪速および車両の前後加速度、車両位置情報(GPS)等を用いて各車輪のスリップ状態を推定する。
アンチスキッド制御機能部30は、スリップ状態推定手段29で推定されるスリップ状態が閾値を超過したとき、スリップ状態が抑制されるよう電動ブレーキ装置DBの制動力(ブレーキ力)を調整するアンチスキッド制御を行う。換言すれば、アンチスキッド制御機能部30は、制動時の過度なスリップ状態を防止するために、前記ブレーキペダル等の操作によらず制動力を調整するアンチスキッド制御を行う。横滑り防止制御機能部31は、前記のように各車輪のスリップ状態を推定し、さらに車両の旋回状態等に基づいた横滑り防止制御を行う。
電力配分演算器27は、電源容量演算器25で決定された電動ブレーキ装置DBの消費電力から、各電動ブレーキ装置DBにおける最大消費電力を決定する機能を有する。前記最大消費電力は、各電動ブレーキ装置DB毎に所定の配分条件に基づいて変更した値でもよく、全て同じ値としてもよい。特に、例えば、四輪車両における前輪用ブレーキと後輪用ブレーキのようなブレーキ力容量の異なる電動ブレーキ装置DBを適用する場合、電力配分演算器27は、前記ブレーキ力容量に応じた配分(前輪用ブレーキの配分を多く、後輪用ブレーキの配分を少なくするような配分)とすると好ましい。
また、電力配分演算器27は、各電動ブレーキ装置DBの最大電力配分を電力状況に応じて変更する電力可変機能部27aを有していてもよい。例えば、所定の電動ブレーキ装置DBの駆動電力に余裕があり、他の電動ブレーキ装置DBの駆動電力に余裕がないような場合、所定の電動ブレーキ装置DBの余剰電力を他の電動ブレーキ装置DBにおいて消費する処理としてもよい。
前記電力状況は、例えば、所定の電動ブレーキ装置DBにおける電力制限値と駆動電力との比較に基づいて判断してもよい。前記駆動電力が前記電力制限値と等しいかまたは近い場合、当該電動ブレーキ装置DBは比較的大きな駆動電力が必要な緊急動作状況であると考えられる。前記駆動電力が前記電力制限値より所定量以上小さい場合、当該電動ブレーキ装置DBは駆動電力を比較的必要としていない状況であると考えられる。
すなわち、駆動電力が必要な電動ブレーキ装置DBと、駆動電力を必要としていない電動ブレーキ装置DBが混在している場合、電力可変機能部27aは、駆動電力が必要な緊急動作状態の電動ブレーキ装置DBの制限電力値(制限値)を増加させることで、電動ブレーキ装置DBの応答性を向上することができる。
電動ブレーキ装置DBの前記電力状況は、例えば、所定の電動ブレーキ装置DBがアンチスキッド制御中か否かに基づいて判断してもよい。アンチスキッド制御中の電動ブレーキ装置DBは、高速なブレーキ動作を必要とし、それ以外の電動ブレーキ装置DBは、高速なブレーキ動作を比較的必要としない。
したがって、複数の電動ブレーキ装置DBのうち、アンチスキッド制御を行っている電動ブレーキ装置DBと、アンチスキッド制御を行っていない電動ブレーキ装置DBが混在している場合に、電力可変機能部27aは、アンチスキッド制御を行っていない電動ブレーキ装置DBの電力制限値を比較的小さく設定し、その余剰分でアンチスキッド制御中の電動ブレーキ装置DBの電力制限値を向上することで、アンチスキッド制御性能を向上することができる。
ブレーキ制御装置2Aは、前述の制御装置2(図1)の機能に加え、ブレーキ力を所望の指令値に対して追従制御する機能を有する。
電動アクチュエータ1Aは、前述の電動モータ1(図1)に加え、後述の摩擦ブレーキBRの摩擦材を動作させるねじ機構またはボールランプ機構等の摩擦材操作手段を備える。また、電動アクチュエータ1Aは、ブレーキ力を制御するうえで前記摩擦材の押圧力を検出する荷重センサ等を設けてもよい。
摩擦ブレーキBR(後述する)は、車輪と同期して回転するブレーキロータ32と、このブレーキロータ32と当接して制動力を発生させる摩擦材33とを備える。
<電動ブレーキ装置の動作例>
図4は、四輪自動車における電動ブレーキシステムの動作例を示す。同図中、F1,F2は左右の前輪の電動ブレーキ装置の動作、R1,R2は左右の後輪の電動ブレーキ装置の動作を示す。
図4(A)はこの電動ブレーキシステム(図3の構成)の動作例を示す。F1がF2に対して異なる動作をしている図中区間は、アンチスキッド制御が実行されていることを示している。その際、電力配分演算器27(図3)が、全ての最大消費電力の総和を一定にしつつ、F1の最大消費電力を一時的に増加させることで、高精度なアンチスキッド制御を実行することができることを示している。
電力配分演算器27(図3)において、F1の最大消費電力を一時的に増加させる判断は、アンチスキッド制御を実行中か否かで判断してもよく、F1の消費電力が多く、F2,R1,R2の消費電力が少ないことから判断してもよい。
図4(B)は、従来例の電動ブレーキシステムにおいて、最大消費電力を常に一定とする例を示す。
<電動ブレーキ装置DBの概略構成について>
図5に示すように、電動ブレーキ装置DBは、電動アクチュエータ1Aと、摩擦ブレーキBRとを備える。摩擦ブレーキBRは、車両の車輪と連動して回転するブレーキロータ32と、このブレーキロータ32と接触して制動力を発生させる摩擦材33とを有する。この摩擦材33はブレーキロータ近傍に配置される。摩擦材33を電動アクチュエータ1Aにより操作してブレーキロータ32に押圧し、摩擦力によって制動力を発生させる機構を用いることができる。前記ブレーキロータ32および摩擦材33は、例えば、ブレーキディスクおよびキャリパを用いたディスクブレーキ装置であってもよく、あるいはドラムおよびライニングを用いたドラムブレーキ装置であってもよい。
電動アクチュエータ1Aは、電動モータ1と、減速機構34と、摩擦材操作手段である直動機構35と、パーキングブレーキ機構PBとを有する。
減速機構34は、電動モータ1の回転を減速する機構であり、一次歯車36、中間歯車37、および三次歯車38を含む。この例では、減速機構34は、電動モータ1のロータ軸1aに取り付けられた一次歯車36の回転を、中間歯車37により減速して、回転軸39の端部に固定された三次歯車38に伝達可能としている。
直動機構35は、減速機構34で出力される回転運動を送りねじ機構により直動部40の直線運動に変換して、ブレーキロータ32に対して摩擦材33を当接離隔させる機構である。直動部40は、回り止めされ且つ矢符A1にて表記する軸方向に移動自在に支持されている。直動部40のアウトボード側端に摩擦材33が設けられる。電動モータ1の回転を減速機構34を介して直動機構35に伝達することで、回転運動が直線運動に変換され、それが摩擦材33の押圧力に変換されることによりブレーキ力を発生させる。
パーキングブレーキ機構PBのアクチュエータ41として、例えば、リニアソレノイドが適用される。アクチュエータ41によりロック部材42を進出させて中間歯車37に形成された係止孔(図示せず)に嵌まり込ませることで係止し、中間歯車37の回転を禁止することで、パーキングロック状態にする。ロック部材42を前記係止孔から離脱させることで中間歯車37の回転を許容し、アンロック状態にする。
<作用効果>
以上説明した構成によると、モータ出力制限器8は、トルク指令演算器7から与えられたトルク指令値を角速度等に基づいて、閾値を超過しないように制限する。これにより、電動モータ1を使用できる出力まで最大限使用することができ、電動モータ1の出力性能を向上し得る。したがって、電動ブレーキ装置DB等の応答性が不所望に低下することを防止することができる。所定の電流条件における消費電力が変動するとき、第一および第二のトルク制限部21,22によって最大消費電力を調整可能とすることで、モータ特性変動によらず所定の最大消費電力に制限することができる。また図1のモータ出力制限器8の構成は、モータ消費電力を厳密に扱う上で好ましく、例えば、角度または角速度等の制御系を上位に設ける場合、モータ出力制限に伴う飽和補償制御が容易になる面で優位である。図1の電力演算部19は、モータドライバ6の一次側の電圧および電流から、電動モータ1の消費電力を導出するため、より直接的に消費電力を管理する上で優位である。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図6は、出力制限機能部としてのモータ出力制限器8を、電流指令演算器11と、モータ電流制御器12との間に設ける例を示す。図1の例に対し、図6の例におけるモータ出力制限器8は、消費電力推定機能部である電力演算部19と、可変制限部20とを有する。
可変制限部20は、第一および第二の電流制限部(制限部)21A,22Aと、電流制限値結合部(制限値結合部)23Aとを備える。
第一の電流制限部21Aは、電流値が比較的大きくなる電流制限機能を有し、第二の電流制限部22Aは、電流値が比較的小さくなる電流制限機能を有する。前記第一および第二の電流制限部21A,22Aは、図1における第一および第二のトルク制限部21,22と同様に設定することができる。
図6に示すように、例えば、第一の電流制限部21Aを、モータコイル電流密度、コイル発熱の放熱特性、熱容量、モータ駆動素子の電流容量、等に基づいて定められる電動モータ装置に異常を発生させずに通電可能な最大電流制限としてもよく、第二の電流制限部22Aを、力率ないし所定の最大力率の条件下で最大消費電力となる最大電流制限としてもよい。あるいは、予め電動モータ装置に発生し得る特性変動に基づいて、前記第一および第二の電流制限部21A,22Aを最大電流値が所定量異なる任意の関係に適宜設定してもよい。
電力演算部19は、図1の電力演算部19と同様の機能を備える。また、図6に示すように、電流制限値結合部23Aは、図1のトルク制限値結合部23に対しトルク制限の代わりに電流制限を扱うのみ異なり、その他は同様の機能を備える。
したがって、図6の構成においても、モータ特性変動等によらずモータ最大消費電力を適切に制限し、かつ許容範囲内の電力を最大限に使用して電動モータ1の出力性能を向上することができる。また図6のモータ出力制限器8の構成は、電動モータ1の消費電力および熱負荷をより厳密に扱う上で好ましく、例えば、第一および第二の電流制限値をモータ特性変動に厳密に基づいて決定する場合に優位である。
図7は、図1の例において、現在の電流および出力する電圧から、電力を計算する機能を有する電力演算部19を設ける例を示す。前記電力は、例えば、所定の電気角位相で直交軸変換された電圧および電流を用いて、同軸の電圧および電流から有効電力を求める機能であってもよく、交流電圧および電流から有効電力を求める機能であってもよい。また、本図7の機能を有する電力演算部19を、図6またはその他の実施形態において適用することもできる。図7の相電流および電圧から電力を推定する構成は、図1,図6の構成等よりもセンサ等を削減する上で優位である。
図8は、モータ出力制限器8を、モータ電流制限器12の後段に設ける例を示す。この例のモータ出力制限器8は、電力演算部19と、可変制限部としての電圧制限部43とを備える。
電力演算部19は、図7の電力演算部19と同様、現在の電流および出力する電圧から、電力を計算する機能を有する。前記電力は、例えば、所定の電気角位相で直交軸変換された電圧および電流を用いて、同軸の電圧および電流から有効電力を求める機能であってもよく、交流電圧および電流から有効電力を求める機能であってもよい。
電圧制限部43は、電力演算部19の有効電力が前記最大消費電力の制限値以下になるよう、出力電圧を制限する機能を有する。このとき、出力電圧がdq軸電圧である場合、電圧制限部43は、例えば、d軸、q軸電圧のいずれか一方を制限してもよく、d軸およびq軸電圧を同じ量だけ制限してもよく、d軸およびq軸電圧を同じ比率で電圧ベクトル角が等しいままノルムが縮小するよう制限してもよい。
電圧制限部43は、d軸およびq軸電圧を変数、有効電力を制約とし、相抵抗およびインダクタンス特性等に基づき前記変数としたd軸およびq軸電圧を印加した際の出力推定式を評価関数とし、ニュートンラプソン法等の収束演算法により、d軸およびq軸電圧を求めることもできる。
出力電圧が三相電圧である場合、電圧制限部43は、例えば、電圧振幅を制限してもよく、電圧位相を制限してもよい。あるいは、電圧制限部43は、電圧振幅および位相を変数、有効電力を制約とし、相抵抗およびインダクタンス特性等に基づき前記変数とした電圧振幅および位相を印加した際の出力推定式を評価関数とし、ニュートンラプソン法等の収束演算法により、電圧振幅および位相を求めることもできる。
本図8の構成は電動モータ1の消費電力をさらに厳密に管理する上で優位である。
図9は、電力を制御量として直接フィードバック演算する例を示す。
電力演算部19は、前述のいずれかの実施形態に係る電力演算部19と同様の機能を有する。可変制限部としての出力調整量演算部44は、最大消費電力と、前記電力演算部19にて演算された消費電力とを比較し、所定の調整量を出力する機能を有する。前記所定の調整量は、例えば、最大消費電力に対して出力が超過している場合、その超過量(超過分)に所定のフィードバックゲインを乗じた結果であってもよい。
図9中の加算部45の符号は、出力の大きさが減少するよう調整することを示したものであり、実際の物理量としての符号は、電動モータ1の駆動状況に応じて適宜定められるものとする。また、図9は、トルク指令演算器7の出力すなわちトルク指令値に調整量を作用させる例を示すが、前記調整は、トルク指令演算器7への入力すなわち指令入力、電流指令演算器11の出力すなわち電流指令値、モータ電流制御器12の出力すなわち出力電圧、等の他の機能に調整量を作用させることもできる。
図9の構成は、制限LUT等が不要となり、メモリ等のリソース制約の上で優位である。
図1、図6〜図9の実施形態は設計者が任意の設計思想の元で選択でき、あるいは適宜併用することもできる。
電動モータ装置を車両駆動用の駆動装置としてもよい。
例えば、図10(A)に示すように、いずれかの電動モータ装置を複数(この例では二つ)備えた電動モータシステムとして、この電動モータシステムをインホイールモータ駆動形式の車両に適用してもよい。
図10(B)に示すように、いずれかの電動モータ装置を複数(この例では二つ)備えた電動モータシステムとして、この電動モータシステムを二モータオンボード形式の車両に適用してもよい。
図示しないが、電動モータシステムを、電動ステアリングと電動ブレーキを含む車両電装システム、ロボットの姿勢制御アクチュエータシステム、航空機または船舶のアクチュエータシステム等に適用することも可能である。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電動モータ
2…制御装置
6…モータドライバ(駆動回路)
8…モータ出力制限器(出力制限機能部)
15…回転運動推定器(角速度推定手段)
19…電力演算部(消費電力推定機能部)
20…可変制限部
21…第一のトルク制限部(第一の制限部)
21A…第一の電流制限部(第一の制限部)
22…第二のトルク制限部(第二の制限部)
22A…第二の電流制限部(第二の制限部)
23…トルク制限値結合部(制限値結合部)
23A…電流制限値結合部(制限値結合部)
27…電力配分演算器(電力配分手段)
27a…電力可変機能部
28…車輪速推定手段
29…スリップ状態推定手段
30…アンチスキッド制御機能部
32…ブレーキロータ
33…摩擦材
35…直動機構(摩擦材操作手段)
43…電圧制限部(可変制限部)
DM…電動モータ装置



Claims (9)

  1. 電動モータと、この電動モータを制御する制御装置とを備えた電動モータ装置において、
    前記制御装置は、
    前記電動モータの電流および電圧を推定し、この推定した電流および電圧から前記電動モータの消費電力を推定する消費電力推定機能部と、
    前記電動モータの角速度を推定する角速度推定手段と、
    前記制御装置に与えられたモータ動作指令から生成されるトルク指令値、電流指令値、電圧指令値の少なくともいずれかの指令値が、前記角速度推定手段で推定される角速度を含む定められた条件に基づき、閾値を超過しないように制限して制限済値として出力する出力制限機能部と、
    この出力制限機能部から与えられた制限済値に基づいて、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、を備え、
    前記出力制限機能部は、前記消費電力推定機能部で推定される消費電力が定められた値より大きいとき、前記指令値が定められた値まで小さくなるよう前記制限済値を調整する可変制限部を有する電動モータ装置。
  2. 請求項1に記載の電動モータ装置において、前記出力制限機能部の可変制限部は、前記消費電力推定機能部で推定される消費電力が定められた値より小さいとき、前記指令値が定められた値まで大きくなるよう制限済値を調整する電動モータ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動モータ装置において、前記出力制限機能部の可変制限部は、第一の制限部と、消費電力が前記第一の制限部よりも相対的に小さくなる第二の制限部と、前記第一および第二の制限部による出力制限値を定められた比率によって結合した値を前記出力制限機能部から最終的に出力する制限済値として導出する制限値結合部とを有し、この制限値結合部は、前記定められた比率を、前記消費電力推定機能部で推定される消費電力に基づいて調整する電動モータ装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電動モータ装置において、前記出力制限機能部の可変制限部は、定められた最大消費電力と、前記消費電力推定機能部で推定される電流とから、最大消費電力となり得る電圧値を導出し、前記電動モータに印加する電圧を、導出された前記電圧値に制限する電動モータ装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の電動モータ装置において、前記出力制限機能部の可変制限部は、定められた最大消費電力に対し、前記消費電力推定機能部で推定される消費電力の超過分にゲインを介した値を、前記指令値を減少させる調整量として、前記トルク指令値、電流指令値、電圧指令値のいずれかに作用させる電動モータ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電動モータ装置を複数備えた電動モータシステムであって、
    前記複数の電動モータ装置における推定消費電力の総和が、定められたシステム最大消費電力を超過しないよう各電動モータ装置の最大消費電力を定める電力配分手段を備える電動モータシステム。
  7. 請求項6に記載の電動モータシステムにおいて、前記電力配分手段は、前記電動モータ装置における最大消費電力と推定消費電力との比較に基づいて、前記電動モータ装置の電力消費の度合である電力消費度合を判断する機能を有し、
    前記複数の電動モータ装置のうち、前記電力消費度合が基準値よりも高い電動モータ装置と、前記電力消費度合が基準値よりも低い電動モータ装置が混在している場合に、前記電力配分手段は、前記電力消費度合が高い電動モータ装置の最大消費電力を定められた値よりも大きく設定し、前記電力消費度合が低い電動モータ装置の最大消費電力を定められた値よりも小さく設定する電動モータシステム。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電動モータ装置と、ブレーキロータと、このブレーキロータと接触して制動力を発生させる摩擦材と、この摩擦材を前記電動モータによって操作可能とする摩擦材操作手段と、を備えた電動ブレーキ装置において、
    前記電動ブレーキ装置の最大消費電力を可変とする電力可変機能部を備え、この電力可変機能部から与えられた最大消費電力に基づいて、前記出力制限機能部における制限済値が調整される電動ブレーキ装置。
  9. 請求項8に記載の電動ブレーキ装置を複数備えた電動ブレーキシステムであって、
    前記複数の電動ブレーキ装置における推定消費電力の総和が、定められた電動ブレーキシステム最大消費電力を超過しないよう各電動ブレーキ装置の最大消費電力を定める電力配分手段と、
    前記複数の電動ブレーキ装置をそれぞれ搭載する複数の車輪の回転速度である車輪速を推定する車輪速推定手段と、
    この車輪速推定手段で推定される複数の車輪速を含む情報を用いて、個別の車輪のスリップ状態を推定するスリップ状態推定手段と、
    このスリップ状態推定手段で推定されるスリップ状態が閾値を超過したとき、スリップ状態が抑制されるよう前記電動ブレーキ装置のブレーキ力を調整するアンチスキッド制御を行うアンチスキッド制御機能部と、を備え、
    前記複数の電動ブレーキ装置のうち、アンチスキッド制御を行っている電動ブレーキ装置と、アンチスキッド制御を行っていない電動ブレーキ装置が混在している場合に、前記電力配分手段は、アンチスキッド制御を行っている電動ブレーキ装置の最大消費電力を定められた値よりも大きく設定し、アンチスキッド制御を行っていない電動ブレーキ装置の最大消費電力を定められた値よりも小さく設定する電動ブレーキシステム。
JP2017251099A 2017-12-27 2017-12-27 電動モータ装置および電動ブレーキ装置 Active JP7089868B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017251099A JP7089868B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 電動モータ装置および電動ブレーキ装置
PCT/JP2018/047629 WO2019131659A1 (ja) 2017-12-27 2018-12-25 電動モータ装置とこれを用いた電動ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017251099A JP7089868B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 電動モータ装置および電動ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019118197A true JP2019118197A (ja) 2019-07-18
JP7089868B2 JP7089868B2 (ja) 2022-06-23

Family

ID=67063768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017251099A Active JP7089868B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 電動モータ装置および電動ブレーキ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7089868B2 (ja)
WO (1) WO2019131659A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112406839A (zh) * 2019-08-23 2021-02-26 上海汽车集团股份有限公司 一种iBooster制动系统的安全控制方法及装置
KR20220086266A (ko) * 2020-12-16 2022-06-23 현대모비스 주식회사 전동식 조향 시스템에서 dc 모터의 속도 추정 장치 및 그 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3124468B1 (fr) * 2021-06-23 2023-09-29 Hitachi Astemo France Procédé de réglage de la force de serrage exercée par un frein électromécanique

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100660A (ja) * 2006-10-23 2008-05-01 Hitachi Ltd 電動ブレーキ制御装置、及び電動ブレーキ装置
JP2015013524A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 本田技研工業株式会社 車両用制動システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5962356B2 (ja) * 2012-09-07 2016-08-03 株式会社アドヴィックス 車両の制動制御装置
JP6533125B2 (ja) * 2015-08-21 2019-06-19 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
JP6644502B2 (ja) * 2015-09-10 2020-02-12 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100660A (ja) * 2006-10-23 2008-05-01 Hitachi Ltd 電動ブレーキ制御装置、及び電動ブレーキ装置
JP2015013524A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 本田技研工業株式会社 車両用制動システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112406839A (zh) * 2019-08-23 2021-02-26 上海汽车集团股份有限公司 一种iBooster制动系统的安全控制方法及装置
KR20220086266A (ko) * 2020-12-16 2022-06-23 현대모비스 주식회사 전동식 조향 시스템에서 dc 모터의 속도 추정 장치 및 그 방법
KR102496766B1 (ko) 2020-12-16 2023-02-07 현대모비스 주식회사 전동식 조향 시스템에서 dc 모터의 속도 추정 장치 및 그 방법

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019131659A1 (ja) 2019-07-04
JP7089868B2 (ja) 2022-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2681570B1 (en) Dc bus voltage control
WO2019131659A1 (ja) 電動モータ装置とこれを用いた電動ブレーキ装置
US10328803B2 (en) Control method and control device for electric vehicle
US10654455B2 (en) Electric brake device
JP2007230298A (ja) 電動4輪駆動車用制御装置
WO2007007387A1 (ja) 界磁巻線型同期モータの制御装置,電動駆動システム,電動4輪駆動車およびハイブリッド自動車
WO2016190212A1 (ja) 電動ブレーキ装置
US10756601B2 (en) Control method and control system of motor rotation speed
CN111030532B (zh) 用于感应电动机的基于磁通观测器的控制策略
CN104773298A (zh) 控制运输工具的操作杆的方法和装置
JP6851542B2 (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置、電動パワーステアリング装置、及び電動車両
US20190338817A1 (en) Electric linear actuator and electric brake device
US11001246B2 (en) Electric brake device
WO2016181898A1 (ja) 電動モータ装置および電動式直動アクチュエータ
JP3127033B2 (ja) 電気自動車
WO2019049971A1 (ja) 電動式アクチュエータおよび電動モータ装置
JP7116551B2 (ja) 電動ブレーキ装置および電動ブレーキシステム
JP2020043665A (ja) 電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
JP2019041503A (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
JPS59198801A (ja) 電気車用チヨツパ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201127

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20210106

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20210203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7089868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150