JP2019117180A - 電池状態推定装置及び電池状態推定方法 - Google Patents

電池状態推定装置及び電池状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複素インピーダンスに基づく電池状態の推定について、推定に要する時間を抑えることのできる電池状態推定装置、及び電池状態推定方法を提供する。【解決手段】推定装置30は、電池10の充電電気量を推定する。推定装置30は、測定用の電力の付与に基づいて電池10の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部43と、測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部45と、予め設定された情報であって、電池10の充電電気量とパラメータとの関係を示す情報と、パラメータ算出部45で算出したパラメータとに基づいて電池10の充電電気量を推定する電気量算出部46とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、充電電気量や電池温度等の二次電池の電池状態を推定する電池状態推定装置、及び電池状態推定方法に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車等の車載用電源としては、エネルギー密度の高さからニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池が用いられている。
こうした二次電池の電池状態を判定するため、二次電池に対し複素インピーダンス解析を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置は、劣化度が測定される二次電池と、測定周波数及び測定温度と、測定される二次電池と同じ仕様の1つの二次電池の初期限界容量とを含む固有情報を記憶する記憶部と、二次電池の温度を測定する温度測定部とを備える。また、この装置は、記憶部の情報をもとに、40℃以上70℃以下の測定温度の二次電池に、0.5mHz以上10mHz未満の測定周波数の交流信号を印加する電源部と、電源部が印加した交流信号により、二次電池の複素インピーダンス(図12のインピーダンス曲線L121の垂直領域dc参照)を測定する測定部とを備える。さらに、この装置は、測定部の測定値を用いて算出する二次電池の限界容量と、記憶部に記憶される初期限界容量と、を用いて劣化度を検出する。
国際公開第2014/054796号
ところで、図12に示すように、通常、ナイキスト線図におけるインピーダンス曲線L121は、測定周波数の帯域に対応して複数の領域を有する。具体的には、帯域が高周波数側から低周波数側に向かって変化することに対応して、インピーダンス曲線L121は、回路抵抗に対応する「領域a」、溶液抵抗に対応する「領域b」、反応抵抗に起因する複素インピーダンスに対応する「領域c」、及び略直線状の拡散抵抗に対応する「拡散領域d」を有する。そして、特許文献1に記載の装置では、「拡散領域d」において、「領域c」に続いている「直線領域da」よりも低周波数側の領域である「垂直領域dc」での虚数成分の値に基づいて二次電池の劣化度を測定する。しかしながら、「直線領域da」は、実数成分の変化量に対する虚数成分の変化量の割合が「1」に近い所定の値の範囲にある領域であり、「垂直領域dc」は、実数成分に対して虚数成分の変化が大きく、ナイキスト線図において略垂直に変化する領域である。
しかしながら、上述の技術は、「拡散領域d」にあってより低周波数側である「垂直領域dc」を利用するため、複素インピーダンスの測定に時間を要することが避けられず、電池状態を適時に得ることが難しかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複素インピーダンスに基づく電池状態の推定について、推定に要する時間を抑えることのできる電池状態推定装置、及び電池状態推定方法を提供することにある。
上記課題を解決する電池状態推定装置は、二次電池の充電電気量を推定する電池状態推定装置であって、測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部と、予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量と前記パラメータとの関係を示す情報と、前記パラメータ算出部で算出した前記パラメータとに基づいて前記二次電池の充電電気量を推定する電気量推定部とを備える。
電池状態推定装置として、前記測定用の電力は、測定用の直流電力又は測定用の交流電力である。
上記課題を解決する電池状態推定装置は、二次電池の充電電気量を推定する電池状態推定装置であって、測定用の交流電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記測定した複素インピーダンスのうち、拡散領域内にあり、かつ、測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部と、予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量と前記パラメータとの関係を示す情報と、前記パラメータ算出部で算出した前記パラメータとに基づいて前記二次電池の充電電気量を推定する電気量推定部とを備える。
上記課題を解決する電池状態推定方法は、二次電池の充電電気量を推定する電池状態推定方法であって、測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出工程と、予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量と前記パラメータとの関係を示す情報と、前記パラメータ算出工程で算出した前記パラメータとに基づいて前記二次電池の充電電気量を推定する電気量推定工程とを備える。
このような構成または方法によれば、複素インピーダンスの測定結果に基づいて電池の充電電気量を推定することができる。二次電池において、拡散領域の複素インピーダンスは、例えば0.1Hz以下の低周波数帯で測定されるため、測定に比較的時間を要するものの、低周波数帯のうちの2点だけを利用することで充電電気量の推定に要する時間を抑えることができるようになる。つまり、拡散領域内の周波数域が0.1Hz以下である場合が多く、例えば、測定に0.1Hz〜0.01Hzを利用したとしても、10秒から100秒程度の実用的な時間範囲での測定が可能である。
また、複素インピーダンスの変化が直線状であるので、2つの複素インピーダンスの測定周波数の選択に係る制約も少ないとともに、複素インピーダンスの成分の差が取得しやすい。
なお、予め設定された情報は、モデルとなる1つの情報を用いてもよいが、二次電池の温度毎に設定された複数のモデルから選択したものであってもよい。
また、拡散領域内にある2つの複素インピーダンスの成分のうち、虚数成分を二次電池の電池状態の推定に利用することができるが、虚数成分と実数成分との間に相関がある場合、虚数成分を実数成分に置き換えて、実数成分を二次電池の電池状態の推定に利用することもできる。
好ましい構成として、前記二次電池の温度を取得する温度取得部をさらに備え、前記予め設定された情報には、前記二次電池の温度毎に設定された情報が含まれており、前記電気量推定部は、前記二次電池の温度毎に設定された情報のうち前記取得した温度に対応する情報を前記予め設定された情報として選択する。
このような構成によれば、二次電池の温度を考慮して充電電気量を高い精度で推定することができる。
好ましい構成として、前記二次電池が満充電であるとき推定した前記二次電池の充電電気量と、予め設定された基準電気量であって、前記二次電池が満充電のときの適正な充電電気量である前記基準電気量とを比較して、前記二次電池の充電電気量がばらついているか否かを判定する第1のばらつき判定部を備える。
このような構成によれば、二次電池について、充電電気量のばらつきの有無を判定することができる。
好ましい構成として、前記二次電池は組電池であって、前記組電池を少なくとも一部の電池が重複しないように区分けされた2つのグループについて前記電気量推定部がそれぞれ推定した充電電気量を取得し、前記2つのグループの充電電気量の比較に基づいて前記組電池を構成する電池間に充電電気量のばらつきがあるか否かを判定するばらつき判定部を備える。
このような構成によれば、複数の単電池や複数の電池モジュールから構成される組電池について、充電電気量のばらつきの有無を判定することができる。
上記課題を解決する電池状態推定装置は、二次電池の温度を推定する電池状態推定装置であって、前記二次電池の充電電気量を取得する電気量取得部と、測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部と、予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量に対する前記パラメータと前記二次電池の温度との関係を示す情報に、前記電気量取得部で取得した充電電気量と前記パラメータ算出部で算出した前記パラメータとを適用することに基づいて前記二次電池の温度を推定する温度推定部とを備える。
上記課題を解決する電池状態推定方法は、二次電池の温度を推定する電池状態推定方法であって、前記二次電池の充電電気量を取得する電気量取得工程と、測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出工程と、予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量に対する前記パラメータと前記二次電池の温度との関係を示す情報に、前記電気量取得工程で取得した充電電気量と前記パラメータ算出工程で算出した前記パラメータとを適用することに基づいて前記二次電池の温度を推定する温度推定工程とを備える。
このような構成または方法によれば、複素インピーダンスの測定結果に基づいて電池の温度を推定することができる。二次電池において、拡散領域の複素インピーダンスは、例えば0.1Hz以下の低周波数帯で測定されるため、測定に比較的時間を要するものの、低周波数帯のうちの2点だけを利用することで電池の温度の推定に要する時間を抑えることができるようになる。
また、通常、電池の温度は電池の表面で図られるため、充放電に強い影響を与える極板群の温度そのものを得ることはできなかった。この点、この構成によれば、電池の温度として、極板群内の電流が流れる部分の状態に基づいて極板群自体の温度が推定される。よって、電池の温度を高い精度で得ることができるようになる。
好ましい構成として、前記2つの複素インピーダンスの成分はそれぞれ、複素インピーダンスの虚数成分である。
このような構成によれば、拡散領域内にある2つの複素インピーダンスの虚数成分に基づいて電池状態を推定することができるようになる。拡散領域内の複素インピーダンスは、低周波数側になると実数成分の変化量が小さくなる傾向にあるため、虚数成分を利用することで複素インピーダンスの測定角速度の選択自由度を高くすることができる。
好ましい構成として、前記パラメータ算出部は、前記2つの複素インピーダンスの測定角速度の差の逆数を「Δ(ω−1)」とし、前記2つの複素インピーダンスの虚数成分の差を「ΔZi」とし、前記パラメータを「Q」とするとき下記式に基づいて算出する。
Figure 2019117180
このような構成によれば、測定角速度についてその差の逆数に対する虚数成分の差の割合のさらに逆数をパラメータとすることで、このパラメータと、予め設定された情報であって、二次電池の電池状態とパラメータとの関係を示す情報とに基づいて二次電池の電池状態を推定することができるようになる。また、2つの複素インピーダンスの測定角速度の差として、測定角速度についてその差の逆数を用いることで、傾きの逆数を線形、もしくは線形に近いかたちで得ることができるようになる。
好ましい構成として、前記2つの複素インピーダンスの測定角速度は、前記2つの複素インピーダンスの実数成分に対する虚数成分の変化率の絶対値が0.5以上、かつ、2以下である範囲にある角速度である。
このような構成によれば、拡散領域内にある2つの複素インピーダンスのうち、実数成分に対する虚数成分の変化率が「1」に近い範囲にあるため、虚数成分に代えて実数成分を利用したとしても二次電池の複素インピーダンスから電池状態を推定することができるようになる。
好ましい構成として、前記二次電池はニッケル水素二次電池である。
ニッケル水素二次電池は、電圧とSOCとの関係が比例関係ではないので電圧に基づいて充電電気量等の電池状態を推定することが困難である。この点、このような構成によれば、拡散領域内における複素インピーダンスの成分の変化に基づいて電池状態を推定することから、ニッケル水素二次電池にあっても、その電池状態を好適に推定することができるようになる。
この発明によれば、複素インピーダンスに基づく電池状態の測定について、測定に要する時間を抑えることができる。
電池状態推定装置を具体化した第1の実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態において、充電電気量とパラメータと関係を示す情報を設定する手順を示すフローチャート。 同実施形態において、二次電池について測定した複素インピーダンスから作成されるナイキスト線図の一例を示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスの測定角速度の逆数と虚数成分との関係の一例を示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスに基づくパラメータと充電電気量との関係を示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスから充電電気量を推定する手順を示すフローチャート。 同実施形態において、組電池を構成する電池からなる2つのグループについて充電電気量のばらつきを判定する手順を示すフローチャート。 電池状態推定装置を具体化した第2の実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態において、複素インピーダンスに基づくパラメータと充電電気量との関係を電池温度の別に示すグラフ。 同実施形態において、電池温度とパラメータとの関係を示す情報を設定する手順を示すフローチャート。 同実施形態において、複素インピーダンスに基づくパラメータから電池温度を推定する手順を示すフローチャート。 二次電池について測定した複素インピーダンスに基づいて作成されるナイキスト線図の一例を示すグラフ。 電池状態推定装置を具体化した第3の実施形態について、その概略構成を示す図であって、(a)は測定用電流・電圧のグラフ、(b)は(a)をそれぞれ周波数変換したグラフ、(c)は(b)の結果から算出されたインピーダンスから作成されるナイキスト線図。 電池状態推定装置を具体化したその他の実施形態について、測定用電流電圧と交流電流電圧の測定結果との関係を示す図。
(第1の実施形態)
図1〜図7に従って、電池状態推定装置及び電池状態推定方法を具体化した第1の実施形態について説明する。この電池状態推定装置及び電池状態推定方法は、例えば、車両に搭載される二次電池等の電池10の電池状態の1つである充電電気量の推定に用いられる。本実施形態では、電池10はニッケル水素二次電池である。また、充電電気量は、電池の総容量と充電状態(SOC:State of Charge)とから算出される値であって、SOCの値に相関を有する。ここで、電池の総容量は、予め定まる電気量であって、新品の電池に充電可能な電気量である。SOCは、電池の総容量に対する充電電気量の割合[%]であることから「充電電気量=電池の総容量×SOC」の関係を有する。以下では、説明の便宜上、充電電気量とSOCとの両方を用いて説明する。
まず、図1を参照して、電池10の特性を測定する測定回路と、電池10の充電電気量を推定する電池状態推定装置としての推定装置30の構成について説明する。
図1に示すように、電池10の特性を測定する測定回路は、電池10と、電池10の端子間に直流電流及び交流電流を供給する測定用充放電装置20とを備える。また測定回路は、電池10の端子間の電圧を測定する電圧測定器21と、測定用充放電装置20と電池10との間に流れる電流を測定する電流測定器22とを備える。
測定用充放電装置20は、所定の電流量の直流電流を電池10に充電することができるとともに、所定の電流量の直流電流を電池10から放電させることができる。すなわち、測定用充放電装置20は、電池10のSOC(充電電気量)を調整することができる。
また、測定用充放電装置20は、インピーダンス測定用の交流電流を電池10に供給することができる。測定用充放電装置20は、所定の測定周波数の交流電流を生成し、この生成した交流電流を電池10の端子間に出力する。また、測定用充放電装置20は、交流電流の測定周波数を変化させることが可能である。測定用充放電装置20は、出力電流と測定周波数の周波数範囲とが設定されており、この設定された出力電流の交流電流を、同じく設定された周波数範囲で変化する測定周波数として出力させる。設定される周波数の範囲としては、例えば、高周波数側としての100kHzから低周波数側としての1mHzまでの範囲である。しかし、これに限られるものではなく、高周波数側が100kHzよりも高くなってもよいし、低周波数側が1mHzよりも低くなってもよい。また、図12に示す「拡散領域d」のうちの「直線領域da」を目的とする周波数範囲、例えば、0.1Hzから0.01Hzまでの範囲を出力するものであってもよい。また、「拡散領域d」のうちの相違する2つ以上の周波数、例えば、0.1Hzと0.01Hzとの間にある周波数を出力するものであってもよい。なお、上でも述べたように、角速度と周波数とは「角速度=2π×周波数」の関係にあることが明らかであるから、説明の便宜上、角速度と周波数とを両方用いて説明する。
測定用充放電装置20は、出力している交流電流の設定値及び測定周波数の設定値に関する各信号を推定装置30に出力する。また、測定用充放電装置20は、推定装置30から入力される出力開始の信号及び出力停止の信号に応じて交流電流の出力及び停止を切り替える。
電圧測定器21は、電池10の電極間に対して測定した交流電圧及び直流電圧に対応する電圧信号を推定装置30に出力する。
電流測定器22は、測定用充放電装置20と電池10との間において測定した交流電流及び直流電流に対応する電流信号を推定装置30に出力する。
電池10には、電池の温度を測定する温度測定器23が取り付けられている。温度測定器23は、測定した電池10の温度に対応する温度信号を推定装置30に出力する。
推定装置30は、電池10の充電電気量を推定する。推定装置30は、推定した電池10の充電電気量を表示したり、外部に出力したりしてもよい。例えば、外部の電池制御装置(図示略)は、推定装置30から出力された電池10の充電電気量に応じた充放電制御を電池10に対して行うようにしてもよい。
推定装置30は、電圧測定器21から入力した電圧信号に基づいて電池10の端子間電圧を取得し、電流測定器22から入力した電流信号に基づいて測定用充放電装置20と電池10との間に流れる電流を取得する。推定装置30は、測定用充放電装置20から入力する信号から交流電流の設定情報等を取得する。推定装置30は、温度測定器23から入力した温度信号に基づいて電池10の温度を取得する。
推定装置30は、電池10の充電電気量の推定に関する算出処理を行う処理部40と、電池10の充電電気量の算出処理に用いられる情報を保持する記憶部50とを備える。
記憶部50は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置であり、各種データを保持する。本実施形態では、記憶部50は、充電電気量を算出するために必要とされるパラメータと充電電気量との相関データ51と、算出用データ52とを保持している。算出用データ52としては、電池10の総容量等が設定されている。
処理部40は、CPUやROM、RAM等で構成されたマイクロコンピュータを含んで構成される。処理部40は、推定装置30が取得した電圧、電流、測定周波数等の情報を利用できる。また、処理部40は、記憶部50との間でデータの授受が可能である。処理部40は、例えばROMやRAMに保持された各種プログラムをCPUで実行することにより処理部40における各種処理を実行する。
本実施形態では、図2に示すように、処理部40は、パラメータと充電電気量との関連を示す相関データ51を取得するとともに、記憶部50に記憶させる処理を実行することができる。また、図6に示すように、処理部40は、電池10から取得した複素インピーダンスZに基づいて当該電池10の充電電気量を推定する処理を実行することができる。さらに、図7に示すように、電池10についてSOCのばらつきの有無を判定する処理を実行することができる。なお、ばらつきの有無の判定は行えなくてもよい。
処理部40は、電池10のSOCを調節するSOC調節部41と、電池10の電池温度を測定する温度測定部42とを備える。また、処理部40は、複素インピーダンスZを測定するインピーダンス測定部43と、ナイキスト線図を作成するナイキスト線図作成部44と、パラメータを算出するパラメータ算出部45と、充電電気量を算出する電気量算出部46とを備える。
SOC調節部41は、処理部40で複素インピーダンスに基づくパラメータと充電電気量との関連を示す相関データ51を取得する際、電池10のSOCを相関データ51の取得に適切な所定のSOCに調整する。SOC調節部41は、測定用充放電装置20に対して電流の充放電の指示を行うことで、電池10を順次、所定のSOCに調整する。例えば、所定のSOCとしては、40%,45%,50%,55%,60%等が挙げられる。また、SOC調節部41は、電池10を周知の方法で測定するようにしてもよいし、電池10の制御装置等から当該電池10のSOCを取得するようにしてもよい。なお、ここで測定されるSOCは、本実施形態で推定されるSOCよりもその測定に時間を要することで測定精度が維持されている。
温度測定部42は、電池10の温度を測定する。例えば、温度測定部42は、電池10の筐体に取り付けられたり、電池内に設置されている周知の温度計測部からの信号が入力されたりする。
インピーダンス測定部43では、電池10の複素インピーダンスZを測定する処理(インピーダンス測定工程)が行われる。インピーダンス測定部43は、測定用充放電装置20に測定の開始や終了を指示する。インピーダンス測定部43は、測定の開始から終了までの間に取得した電圧及び電流に基づいて電池10の複素インピーダンスZを測定する。複素インピーダンスZの単位は[Ω](オーム)である。複素インピーダンスZは、そのベクトル成分である実数成分Zr[Ω]及び虚数成分Zi[Ω]によって式(1)のように示される。なお、「j」は虚数単位である。以下、単位[Ω]は省略する。
Figure 2019117180
ナイキスト線図作成部44は、複数の測定周波数における複素インピーダンスZに基づいて、それらのベクトル成分である実数成分Zrと虚数成分Ziとから、ナイキスト線図を作成する。
例えば、図3に示すように、ナイキスト線図作成部44は、ナイキスト線図として、横軸が実数軸、縦軸が虚数軸である複素平面にインピーダンス曲線L21を作成する。なお、インピーダンス曲線L21は、所定のSOCである電池10に対応するナイキスト線図の一例である。インピーダンス曲線L21は、複素インピーダンスZの実数成分Zr及び虚数成分Ziの大きさが複素平面にプロットされたものである。このインピーダンス曲線L21は、測定用充放電装置20から電池10に供給される交流電流の測定周波数を変化させて測定された複素インピーダンスZによるものである。
図3において、インピーダンス曲線L21中の各点は1つの測定周波数を示している。測定周波数は、図3において下側が高周波数側であり、上側が低周波数側である。インピーダンス曲線L21は、電池10のSOCや電池温度によって変化する。また、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池といった電池種別によって変化する。さらに同じ電池種別でもセル数や容量等が異なる場合には変化する。
ここで、図3及び図12を参照して、電池10のインピーダンス曲線L21について詳述する。
図3に示すように、電池10のインピーダンス曲線L21は、電池10の特性に対応する複数の領域に区分される。複数の領域は、測定周波数の高周波数側から低周波数側に向けて、「領域a」、「領域b」、「領域c」、及び「拡散領域d」に分けられる。「領域a」は、回路抵抗に対応する回路抵抗領域である。「領域b」は、溶液抵抗に対応する溶液抵抗領域である。「領域c」は、反応抵抗に起因する複素インピーダンスZに対応する反応抵抗領域である。「拡散領域d」は、略直線状の拡散抵抗に対応する領域である。回路抵抗は、活物質や集電体内の接触抵抗などからなる配線等のインピーダンス等である。溶液抵抗は、セパレータ内の電解液内のイオンが移動する際の抵抗等の電子の移動抵抗である。反応抵抗は、電極反応における電荷移動の抵抗等である。拡散抵抗は、物質拡散が関与したインピーダンスである。なお、各抵抗は相互に影響を及ぼし合うため、各領域a,b,c,dを各抵抗のみの影響を受ける部分のみに区分することは困難であるが、少なくともインピーダンス曲線L21の各領域a,b,c,dは、それぞれが最も大きな影響を受ける抵抗成分によってその曲線の大まかな挙動が定まる。例えば、「領域c」は負極の態様の影響を大きく受け、「拡散領域d」は正極の態様の影響を大きく受ける。
大まかに説明すると、電池10のインピーダンス曲線L21は、正極のインピーダンスと負極のインピーダンスとの合成により得られる曲線である。例えば、「拡散領域d」に対応する周波数範囲においては、正極のインピーダンスは大きく変化する一方、負極のインピーダンスの変化は小さい。つまり、インピーダンス曲線L21の「拡散領域d」は、正極のインピーダンスの影響が大きい領域であって、正極の状態が反映されていると言える。これに対し、「領域c」に対応する周波数範囲においては、負極のインピーダンスは大きく変化する一方、正極のインピーダンスの変化は小さい。つまり、インピーダンス曲線L21の「領域c」は、負極のインピーダンスの影響が大きい領域であって、負極の状態が反映されていると言える。
インピーダンス曲線L21によれば、図3においては、「拡散領域d」に対応する周波数範囲は「0.1Hz」以下であり、「0.01Hz」までの測定結果が示されている。また、「領域c」に対応する周波数範囲は「0.1Hz」より大きく「100Hz」以下である。ちなみに、「領域b」に対応する周波数範囲は「100Hz」及びその近傍、「領域a」に対応する周波数範囲は「100Hz」よりも高い。なお、「拡散領域d」は、「領域c」よりも低い周波数域であれば「0.1Hz」以下より大きくても小さくてもよい。
また、図12に示すように、「拡散領域d」は、「直線領域da」、「垂直領域dc」及び「領域db」を含む。「直線領域da」は、実数成分の変化量に対する虚数成分の変化量の割合が「1」に近い値になる領域である。つまり、図において、45°の角度に近い範囲であって、換言すると、複素インピーダンスZの実数成分に対する虚数成分の変化率の絶対値が0.5以上、かつ、2以下である範囲である。よって、「直線領域da」は虚数成分と実数成分との間に相関がある。「垂直領域dc」は、実数成分に対して虚数成分が大きく変化する領域であって、図12において、グラフが略垂直(略90°の角度)に変化する領域である。「領域db」は、「直線領域da」から「垂直領域dc」へ変化する境目とその周辺の領域である。
ところで、電池10は、ニッケル水素二次電池の特性と測定値の実用性とから、複素インピーダンスZの測定が「直線領域da」で終了することが一般的である。また、ニッケル水素二次電池は、「垂直領域dc」が生じる測定周波数が、リチウムイオン二次電池で「垂直領域dc」が生じる周波数よりも低い傾向にある。また、電池10の「垂直領域dc」をより確実に測定しようとすると、電池の温度を上げるなど、測定環境を整え、かつ、測定周波数を「0.01Hz」よりももっと低周波数であって測定に時間を要する周波数にする必要がある。また、「垂直領域dc」が生じる測定周波数を予め知ることができないことから、測定に要する無駄時間が長時間にもなりかねない。そして、「垂直領域dc」の値を測定しようとするとき、測定に要する時間の想定が困難であることは、車両等で使用中の電池10に対して「垂直領域dc」の値を測定しようとを現実的ではないものとしている。
図1に示す、パラメータ算出部45は、「拡散領域d」内にあり、かつ、測定周波数が相違する2つの複素インピーダンスの測定周波数の差と、2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータ(図4参照)を算出する(パラメータ算出工程)。ここで、2つの複素インピーダンスを「Z1」,「Z2」、複素インピーダンス「Z1」の虚数成分を「Zi1」、測定周波数を「f1」とし、複素インピーダンス「Z2」の虚数成分を「Zi2」、測定周波数を「f2」とする。
詳述すると、パラメータ算出部45は、電池10の2つの複素インピーダンス「Z1」,「Z2」を測定したときの2つの複素インピーダンスの測定角速度の差(変化量)「Δω=2π×(f1−f2)」と、2つの複素インピーダンスの虚数成分の差(変化量)「ΔZi=Zi1−Zi2」とを算出する。
そして、図4のグラフL31に示すように、2つの複素インピーダンスの測定角速度の逆数の差「Δ(ω−1)」で、2つの複素インピーダンスの虚数成分の差「ΔZi」を割ることで、虚数成分の差が有している傾きであって、測定角速度の差の逆数に対する傾きがパラメータ「Q」式(2)として算出される。つまり、式(2)は、「Δ(ω−1)」に対する「ΔZi」の傾き(比)について、その逆数がパラメータ「Q」であることを示している。なお、パラメータ「Q」を正の値として算出することが好ましいことから、必要に応じて、「Δ(ω−1)」や「ΔZi」を絶対値としてもよい。
Figure 2019117180
上述したように、パラメータ「Q」は、式(2)が変形された式(3)に基づいて算出することもできる。パラメータ算出部45は、パラメータを式(2)及び式(3)のいずれから演算するように設定されていてもよい。
Figure 2019117180
電気量算出部46は、記憶部50に予め設定されている情報であるパラメータと充電電気量との相関データ51と、パラメータ算出部45で算出したパラメータ「Q」とに基づいて、電池10に推定される充電電池量を算出する(充電電気量推定工程)。
ここで、図5を参照して、パラメータと充電電気量との相関データ51について説明する。パラメータと充電電気量との相関データ51は、電池10の複素インピーダンスZについて「拡散領域d」内におけるパラメータ「Q」と電池10のSOCとの関係を示す情報である。
図5には、パラメータと充電電気量との相関データ51の一例であるグラフL51が示されている。具体的には、グラフL51は、パラメータ「Q」(=(ΔZi/Δ(ω−1))−1)と電池10の充電電気量[Ah]との関係を示す。グラフL51は、測定対象としての電池10と同じ仕様で製造された電池10について、予め測定して得られた複素インピーダンスZとそのときの充電電気量とに基づいて作成されたものである。なお、グラフL51は、測定値から作成されてもよいし、測定値に理論や経験を併せて作成されたものであってもよいし、理論や経験に基づいて作成された情報であってもよい。また、グラフL51は、電池温度に応じて変化するものであることから、所定の電池温度毎に設定されてもよい。所定の電池温度毎に異なるグラフL51を有するようにすれば、二次電池の充電電気量をより好適に推定することができる。
つまり、図1の記憶部50に保持されているパラメータと充電電気量との相関データ51は、記憶部50に予め設定されている情報であって、電池10の複素インピーダンスZの「拡散領域d」内における複素インピーダンスZに関連するパラメータ「Q」と電池10の充電電気量との関係を示す情報である。
図2を参照して、相関データ51を設定する処理の手順について説明する。相関データ51は、同じ仕様で製造された電池10について、複数の相違するSOCのそれぞれにおいて複素インピーダンスZを測定して作成されるので、SOCを変更する都度、相関データ51を設定する処理が繰り返される。ここでは、1つのSOCについて複素インピーダンスZを測定して相関データ51のうちの1つのデータが設定されることについて説明し、説明の便宜上、複数のSOCのそれぞれについて相関データ51のデータを取得することについての説明は割愛する。
処理部40は、電池温度調整工程(図2のステップS10)、SOC調整工程(図2のステップS11)、及び、インピーダンス測定工程(図2のステップS12)を備える。処理部40は、パラメータ算出工程(図2のステップS13)、パラメータと充電電気量との相関データの算出工程(図2のステップS14)、及び、相関データ記憶工程(図2のステップS15)を備える。相関データの値は、電池10の温度及びSOCに影響される。そこで、相関データ51を設定する処理では、まず、電池温度調整工程とSOC調整工程とが行われる。
相関データ51の設定が必要に応じて開始されると、電池温度調整工程(ステップS10)では、電池10の温度を温度測定部42で取得するとともに、必要に応じて電池10を規定の温度に調整する。例えば、電池10の温度が適切であれば、次のステップに進み、調整する必要があれば温度を調整する。例えば、電池10を25℃の環境下に所定時間静置することで電池10の温度を規定の温度(例えば25℃)にする。電池温度調整工程では、処理部40が温度調節が必要であることを示す信号を出力し、外部の温度調節装置等が当該信号に応じて環境温度を調整してもよい。
SOC調整工程(ステップS11)では、SOC調節部41で電池10を規定のSOCが調整される。相関データ51には、複数のSOCにおける複素インピーダンスZの測定が必要であることから、SOCは順次変更されて、各SOCにおける複素インピーダンスが測定されるようになっている。
インピーダンス測定工程(ステップS12)では、インピーダンス測定部43で電池10の複素インピーダンスZを測定し、ナイキスト線図作成部44で測定した複素インピーダンスZに基づくインピーダンス曲線L21を作成する。また、ナイキスト線図作成部44は、インピーダンス曲線L21の「拡散領域d」を特定する。
パラメータ算出工程(ステップS13)では、パラメータ算出部45で、インピーダンス曲線L21に特定された「拡散領域d」のうちから、2つの複素インピーダンス「Z1」,「Z2」を取得する。例えば、測定周波数が0.1Hzときの複素インピーダンスを「Z1」、測定周波数が0.01Hzのときの複素インピーダンスを「Z2」とする。そして、上記式(3)を適用してパラメータ「Q」を算出する。
パラメータと充電電気量との相関データ算出工程(ステップS14)では、パラメータ「Q」とSOCとの関係に基づいて、グラフL51用の基礎データが作成される。すなわち、充電電気量がSOCに基づいて算出されるとともに、当該算出された充電電気量に対してパラメータ「Q」が対応付けられる。
相関データ記憶工程(ステップS15)では、算出された充電電気量に対してパラメータ「Q」がグラフL51用の基礎データとして記憶される。例えば、図5に示すように、充電電気量が「0Ah」、「0.1Ah」、「0.9Ah」、「1.8Ah」、「2.7Ah」及び「3.2Ah」程度であるときに対応する各パラメータ「Q」が設定される。
こうして設定されたデータに基づいて作成されるグラフL51によれば、パラメータ「Q」に対応する電池10の充電電気量を推定することができるようになる。
(作用)
図6を参照して、電池10の充電電気量を推定する手順について説明する。
処理部40は、電池温度調整工程(図6のステップS20)、インピーダンス測定工程(図6のステップS21)、及び、パラメータ算出工程(図6のステップS22)を備える。また、処理部40は、相関データとパラメータとの対比工程(図6のステップS24)、及び、充電電気量推定工程(図6のステップS25)を備える。なお、図6に示す、電池温度調整工程(ステップS20)、インピーダンス測定工程(ステップS21)及びパラメータ算出工程(ステップS22)はそれぞれ、図2に示す、電池温度調整工程(ステップS10)、インピーダンス測定工程(ステップS12)及びパラメータ算出工程(ステップS13)と同様の工程である。よって、前述の同様の工程(ステップ)については、重複する説明は割愛する。
処理部40は、電池温度調整工程(ステップS20)で電池10の温度を充電電気量の推定に適した温度に調整する。なお、処理部40は、電池10の温度を調節してもよいし、取得した温度に基づいて温度補正を算出に用いるパラメータに行ったり、取得した温度に対応する相関データ51を選択するようにしたりしてもよい。処理部40は、インピーダンス測定工程(ステップS21)で2つの複素インピーダンスを測定してから、パラメータ算出工程(ステップS22)でパラメータを算出する。
処理部40は、電気量算出部46で、先に算出されたパラメータをグラフL51に対比し(相関データとパラメータとの対比工程(ステップS24))、対比したグラフL51からパラメータに対応する充電電気量を取得して、この取得した充電電気量を電池10の充電電気量として推定する(充電電気量推定工程(ステップS25))。例えば、図5を参照すると、先に算出されたパラメータが「Q=1.0」であることに基づいて充電電気量が「2Ah」であることが推定される。また例えば、先に算出されたパラメータが「Q=1.8」であることに基づいて充電電気量が「4Ah」であることが推定される。これにより、電池10から測定された複素インピーダンスZに基づいて電池10の充電電気量が算出されるようになる。
処理部40は、2つの複素インピーダンスの測定周波数を、「拡散領域d」のうちの高周波数側に選択することによって、「垂直領域dc」等の低周波数側を選択する場合に比較して、充電電気量の推定に要する時間を抑えることができるようになる。
次に、充電電気量の推定に基づいて、電池10を構成する単電池間に生じている充電電気量の相違、いわゆる、ばらつきの判定について説明する。例えば、電池10は、複数の電池モジュールや単電池から構成される組電池である。なお、本実施形態では、処理部40はばらつき判定を行うばらつき判定部48を備え、ばらつき判定部48は、第1のばらつき判定と、第2のばらつき判定とを行うことができる。なお、ばらつき判定部48は、第1のばらつき判定と、第2のばらつき判定とのどちらか一方のみを行うものでもよい。
ばらつき判定部48は、第1のばらつき判定で、電池10が満充電であることに基づいて電池10を構成する各電池について充電電気量にばらつき判定を行う。詳述すると、記憶部50は、算出用データ52に、電池10が満充電であるときの適正な充電電気量である基準電気量を予め保持している。つまり、基準電気量は、電池10を構成する各電池が適正な充電電気量であるときに測定されるはずの充電電気量である。よって、基準電気量よりも、推定された充電電気量が少なければ、電池10を構成する各電池の少なくとも1つが充電電気量の低い状態にあって、電池10において充電電気量がばらついていると判定される。基準電気量は、電池温度の別に設定されてもよい値である。また、基準電気量は、測定結果に基づく値でもよいし、経験値や理論値であってもよい。
第1のばらつき判定の処理手順について説明する。
第1のばらつき判定では、まず、処理部40は、電池10を満充電させる。そして、処理部40は、前述した充電電気量を推定する手順(図6のステップS20〜S25)で満充電させた電池10の充電電気量を推定し、この推定した充電電気量を基準電気量と比較する。処理部40は、推定した充電電気量が基準電気量に対して所定の範囲内にあれば、電池10にはばらつきがないと判定する。一方、推定した充電電気量が基準電気量に対して所定の範囲外にあれば、電池10にはばらつきがあると判定する。これにより、電池10が満充電であることに基づいて電池10を構成する各電池について充電電気量にばらつきが判定される。
ばらつき判定部48は、第2のばらつき判定で、電池10について、総容量が同じ容量となるように2つにグループ分けした単電池又は電池モジュールの充電電気量を比較することに基づいてばらつき判定を行う。ここでは、電池10を構成する単電池を同数の単電池からなる第1のグループと第2のグループとに分け、この2つのグループの充電電気量を比較することに基づいてばらつきを判定する場合について説明する。
詳述すると、図7に示すように、第2のばらつき判定が開始されると、処理部40は、第1のグループについて充電電気量を推定する第1の充電電気量推定工程(ステップS30)を行う。また、処理部40は、第2のグループについて充電電気量を推定する第2の充電電気量推定工程(ステップS31)を行う。なお、第1及び第2の充電電気量推定工程は、前述した充電電気量を推定する手順(図6のステップS20〜S25)と同様である。
第1及び第2のグループのそれぞれの充電電気量が推定されると、処理部40は、推定された2つの充電電気量が対応する値であるか否かを判定する(ステップS32)。2つの充電電気量の差が、所定の範囲内にあれば2つの充電電気量は対応する値であると判定し、所定の範囲内になければ2つの充電電気量は対応する値ではないと判定する。所定の範囲は、推定された充電電気量に対する割合に基づいて規定される範囲でもよいし、所定の電気量として規定される範囲であってもよい。また、2つの充電電気量が対応するとの判定条件は、2つの充電電気量のうちの一方の充電電気量に対して設定された所定の範囲に他方の充電電気量が含まれているという条件でもよいし、この条件に加えて、他方の充電電気量に対して設定された所定の範囲に一方の充電電気量が含まれているという条件を併せたものでもよい。
推定された2つの充電電気量が対応する値であると判定された場合(ステップS32でYES)、処理部40は、電池10にはばらつきがないと判定する(ステップS33)。一方、推定された2つの充電電気量が対応する値ではないと判定された場合(ステップS32でNO)、処理部40は、電池10にはばらつきがあると判定する(ステップS34)。なお、判定結果は、処理部40で表示等に使用されてもよいし、外部に出力されてもよい。
そして、判定が終了すると、第2のばらつき判定は終了される。
以上説明したように、本実施形態の電池状態推定装置及び電池状態推定方法によれば、以下に記載するような効果が得られるようになる。
(1)複素インピーダンスZの測定結果に基づいて電池10の充電電気量を推定することができる。電池10において、「拡散領域d」の複素インピーダンスZは、例えば0.1Hz以下の低周波数帯で測定されるため、測定に比較的時間を要するものの、低周波数帯のうちの2点だけを利用することで充電電気量の推定に要する時間を抑えることができるようになる。つまり、拡散領域内の周波数域が0.1Hz以下である場合が多く、例えば、測定に0.1Hz〜0.01Hzを利用したとしても、10秒から100秒程度の実用的な時間範囲での測定が可能である。
また、複素インピーダンスZの変化が直線状であるので、2つの複素インピーダンスZの測定周波数の選択に係る制約も少ないとともに、2つの複素インピーダンスの成分の差が取得しやすい。
なお、予め設定された情報は、モデルとなる1つの情報を用いてもよいが、電池10の温度毎に設定された複数のモデルから選択したものであってもよい。
また、拡散領域内にある2つの複素インピーダンスZの成分のうち、虚数成分を電池10の電池状態の推定に利用することができるが、虚数成分と実数成分との間に相関がある場合、虚数成分を実数成分に置き換えて、実数成分を二次電池の電池状態の推定に利用することもできる。
(2)ばらつき判定部48を有することにより、電池10について、充電電気量のばらつきの有無を判定することができる。
(3)ばらつき判定部48を有することにより、複数の単電池や複数の電池モジュールから構成される組電池について、充電電気量のばらつきの有無を判定することができる。
(4)「拡散領域d」内にある2つの複素インピーダンスZの虚数成分Ziに基づいて電池状態を推定する。「拡散領域d」内の複素インピーダンスZは、低周波数側になると実数成分Zrの変化量が小さくなる傾向にあるため、虚数成分Ziを利用することで複素インピーダンスZの測定角速度の選択自由度を高くすることができる。
(5)測定角速度についてその差の逆数に対する虚数成分の差の割合のさらに逆数をパラメータとし、このパラメータと、予め設定された情報であって、電池10の電池状態とパラメータとの関係を示す情報とに基づいて二次電池の電池状態を推定することができるようになる。また、2つの複素インピーダンスZの測定角速度の差として、測定角速度についてその差の逆数を用いることで、傾きの逆数を線形、もしくは線形に近いかたちで得ることができるようになる。
(6)「拡散領域d」内にある2つの複素インピーダンスZのうち、「直線領域da」は実数成分Zrに対する虚数成分Ziの変化率が「1」に近い範囲にあるため、虚数成分Ziに代えて実数成分Zrを利用することも可能である。
(7)ニッケル水素二次電池は、電圧とSOCとの関係が比例関係ではないので電圧に基づいて充電電気量等の電池状態を推定することが困難である。本実施形態によれば、「拡散領域d」内における複素インピーダンスZの成分の変化に基づいて電池状態を推定することから、ニッケル水素二次電池にあっても、その電池状態を好適に推定することができるようになる。
(第2の実施形態)
図8〜図11に従って、電池状態推定装置及び電池状態推定方法を具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態は、電池状態の一つである電池10の温度を電池10の複素インピーダンスから算出されたパラメータに基づいて推定する点が第1の実施形態と相違する。以下では、相違点を中心に説明し、説明の便宜上、同様の構成には同様の符号を付して詳細な説明を割愛する。
図8に示すように、電池10の状態を測定する測定回路は、第1の実施形態の測定回路と同様である。すなわち、測定回路は、電池10と、電池10の端子間に接続された測定用充放電装置20及び電圧測定器21と、測定用充放電装置20と電池10との間に接続された電流測定器22とを備える。また、電池10には、電池10の温度を測定する温度測定器23が取り付けられている。
推定装置30は、電圧測定器21から電圧信号を取得し、電流測定器22から電流信号を取得し、測定用充放電装置20から交流電流の設定情報等を取得し、温度測定器23から温度信号を取得する。また、推定装置30は、処理部40と、記憶部50とを備える。
記憶部50は、電池の温度を算出するために必要とされる、パラメータと充電電気量との相関データ53と、算出用データ52とを保持する。記憶部50には、電池10の温度毎にそれぞれ、パラメータと充電電気量との相関データ53が記憶されている。
図9に示すように、相関データ53には、電池10の温度毎にパラメータと充電電気量との関係を示すグラフL91〜L94に対応する情報が含まれている。
処理部40は、SOC調節部41と、温度測定部42と、インピーダンス測定部43と、ナイキスト線図作成部44と、パラメータ算出部45と、電池温度算出部47とを備える。
電池温度算出部47は、記憶部50に設定されている電池10の温度毎のパラメータと充電電気量との相関データ53と、パラメータ算出部45で算出したパラメータ「Q」とに基づいて、電池10に推定される電池温度を算出する(温度推定工程)。
図9に示すように、相関データ53は、電池10の温度が15℃、25℃、35℃、45℃であるときのそれぞれのパラメータと充電電気量との相関データ51からなるデータである。例えば、グラフL91は電池温度が15℃のときの相関データ51であり、グラフL92は電池温度が25℃のときの相関データ51であり、グラフL93は電池温度が35℃のときの相関データ51であり、グラフL94は電池温度が45℃のときの相関データ51である。例えば、電池10のパラメータは、充電電気量の多少にかかわらず、温度が15℃のときグラフL91に示す傾きを有し、温度が25℃のときグラフL92に示す傾きを有し、温度が35℃のときグラフL93に示す傾きを有し、温度が45℃のときグラフL94に示す傾きを有している。
よって、一例としては、温度変化のない条件下において、異なる充電電気量で取得した2つのパラメータの傾きと、図9に示す各グラフL91〜L94の傾きとに基づいて電池10の温度を推定することもできる。
本実施形態では、算出された1つのパラメータとそのときの電池10の充電電気量とから特定される図9に示されるグラフ上の位置と、相関データ53に含まれるグラフL91〜L94との対比に基づいて、電池10に推定される温度が取得される。つまり、パラメータと充電電気量とから電池10の温度として推定される。
図10及び図11を参照して、電池温度を推定するための相関データ53の設定と、相関データ53を利用しての電池温度の推定とについて説明する。
図10に示すように、処理部40は、温度毎のパラメータと充電電気量との関連を示す相関データ53を取得するとともに、記憶部50に記憶させる処理を実行することができる。また、図11に示すように、処理部40は、電池10から取得した複素インピーダンスZに基づいて当該電池10の温度を推定する処理を実行することができる。
まず、図10を参照して、相関データ53を設定する手順について説明する。
処理部40は、SOC調整工程(ステップS40)、電池温度測定工程(ステップS41)、インピーダンス測定工程(ステップS42)、パラメータ算出工程(ステップS43)を備える。また、処理部40は、温度毎にパラメータと充電電気量との相関データを算出する工程(ステップS44)、及び、相関データ記憶工程(ステップS45)を備える。なお、インピーダンス測定工程(ステップS42)及びパラメータ算出工程(ステップS43)はそれぞれ、第1の実施形態のインピーダンス測定工程(図2のステップS12)及びパラメータ算出工程(図2のステップS13)と同様の工程であるので、重複する説明は割愛する。
図10に示すように、SOC調整工程(ステップS40)では、SOC調節部41で、電池10のSOCを取得し、必要な場合は電池10のSOCを調整する。
電池温度測定工程(ステップS41)では、温度測定部42で、現在の電池10の温度を高い精度で取得するようにする。例えば、所定の環境温度下に所定の期間、端子間を開放した状態で静置した電池10の表面温度を取得する。このように静置した電池10であれば、極板等の電池内部の温度も表面温度に近くなっているため電池特性に強い影響を与える電池内部の温度を高い精度で得られるようになる。
処理部40は、インピーダンス測定工程(ステップS42)で2つの複素インピーダンスを測定してから、パラメータ算出工程(ステップS43)でパラメータを算出する。処理部40は、電池温度とパラメータ「Q」と充電電気量との相関データを算出し(ステップS44)、算出した充電電気量に対するパラメータ「Q」を温度毎にグラフL91〜L94の対応するデータとして記憶部50に記憶させる(ステップS45)。
こうして設定されたデータに基づいて作成されるグラフL91〜L94によれば、電池10の充電電気量(SOC)が判明している条件に基づいて、パラメータ「Q」から電池10の温度を推定することができるようになる。
図11を参照して、電池10の温度を推定する手順について説明する。
処理部40は、SOC取得工程(ステップS50)、インピーダンス測定工程(ステップS51)、及び、パラメータ算出工程(ステップS52)を備える。また、処理部40は、相関データとパラメータとの対比工程(ステップS54)、及び、温度推定工程(ステップS55)を備える。なお、インピーダンス測定工程(ステップS51)及びパラメータ算出工程(ステップS52)はそれぞれ、第1の実施形態のインピーダンス測定工程(図2のステップS12)及びパラメータ算出工程(図2のステップS13)と同様の工程であるので、重複する説明は割愛する。
SOC取得工程(ステップS50)では、処理部40で、電池10の現在のSOCを公知の技術で取得する。処理部40は、電池10のSOCを、SOC調節部41で測定してもよいし、外部から設定されたり入力したりしてよい。ここで取得されたSOCを変換して得られる充電電気量が、電池温度毎のパラメータと充電電気量との相関データ53(図9参照)との対比において適用される。なお、処理部40は、SOCに代えて、充電電気量を取得してもよい。
処理部40は、インピーダンス測定工程(ステップS51)で2つの複素インピーダンスを測定してから、パラメータ算出工程(ステップS52)でパラメータを算出する。
処理部40は、電池温度算出部47で、充電電気量と算出されたパラメータとを、グラフL91〜L94と対比することで対応する1つのグラフL91〜L94を特定する(相関データとパラメータとの対比工程(ステップS54))。そして処理部40は、特定したグラフL91〜L94の対応する温度を取得して、この取得した温度を電池10の温度として推定する(温度推定工程(ステップS55))。例えば、図9を参照すると、パラメータが「Q=1.0」、かつ、充電電気量が「2Ah」であることに基づいて電池温度が「15℃」であることが推定される。また例えば、パラメータが「Q=1.6」、かつ、充電電気量が「3Ah」であることに基づいて電池温度が「35℃」であることが推定される。これにより、電池10から測定された複素インピーダンスZとSOC(充電電気量)とに基づいて電池10の温度が推定されるようになる。
以上説明したように、本実施形態の電池状態推定装置及び電池状態推定方法によれば、第1の実施形態に記載した(1)〜(7)の効果に加えて、以下に記載するような効果が得られるようになる。
(8)複素インピーダンスZの測定結果に基づいて電池10の温度を推定することができる。電池10において、「拡散領域d」の複素インピーダンスZは、例えば0.1Hz以下の低周波数帯で測定されるため、測定に比較的時間を要するものの、低周波数帯のうちの2点だけを利用することで電池の温度の推定に要する時間を抑えることができるようになる。
また、通常、電池10の温度は電池10の表面で図られるため、充放電に強い影響を与える極板群の温度そのものを得ることはできなかった。この点、この構成によれば、電池10の温度として、極板群内の電流が流れる部分の状態に基づいて極板群自体の温度が推定される。よって、電池10の温度を高い精度で得ることができるようになる。
(第3の実施形態)
図13に従って、電池状態推定装置及び電池状態推定方法を具体化した第3の実施形態について説明する。本実施形態は、測定用充放電装置20がインピーダンス測定用のステップ電流を電池10に供給して電池10の複素インピーダンスを測定する点が第1又は第2の実施形態と相違する。以下では、相違点を中心に説明し、説明の便宜上、同様の構成には同様の符号を付して詳細な説明を割愛する。
測定用充放電装置20は、インピーダンス測定用のステップ電流を電池10に供給することができる。ステップ電流は、測定用の直流電流を構成する。測定用充放電装置20は、所定のサイクルのステップ電流を生成し、この生成したステップ電流を電池10の端子間に出力する。また、測定用充放電装置20は、必要があれば、ステップ電流のサイクルを変化させることが可能である。測定用充放電装置20は、ステップ電流のサイクルとが設定されており、この設定されたサイクルに対応するステップ電流を出力させる。ここで、サイクルは、一組のオン期間及びオフ期間や、一組の正極性期間及び負極性期間で構成されているものであり、ステップ電流は、サイクルを1回又は複数回の繰り返しで出力される。設定されるサイクルの期間としては、例えば、0.1Hzから1mHzまでの範囲のうちの1つが挙げられる。設定されたサイクルに対して「(2×n−1)倍」(但し、nは自然数)の周波数に対するインピーダンスを測定することが可能である。
図13(a)に示すように、測定用充放電装置20は、測定対象の電池10に対して、所定のサイクルのステップ電流(グラフL131参照)を印加する。印加するサイクルの回数は1回でも、複数回でもよい。また、このとき、測定対象の電池10からは、所定のサイクルのステップ電流(グラフL131参照)に対応する応答電圧(グラフL132参照)が出力される。そして、ステップ電流(グラフL131参照)及び、応答電圧(グラフL132参照)をそれぞれ処理部40でフーリエ変換する。
図13(b)に示すように、フーリエ変換によって、ステップ電流(グラフL131参照)に対応する電流の周波数応答(グラフL133参照)、応答電圧(グラフL132参照)に対する電圧の周波数応答(グラフL134参照)が得られる。つまり、正弦波に対応する角速度が測定角速度として定まる。よって、本実施形態では、ステップ電流や応答電圧をフーリエ変換することで正弦波に対応する周波数(角速度)特性が得られ、このとき得られた周波数(角速度)が測定角速度であって、この測定角速度に基づいて複素インピーダンスのナイキスト線図が作成される。
図13(c)に示すように、電流の周波数応答(グラフL133参照)及び電圧の周波数応答(グラフL134参照)に基づいて処理部40で複素インピーダンスを算出し、算出した複素インピーダンスのナイキスト線図(グラフL135参照)を作成する。つまり、ステップ応答の過渡応答を解析することで、正弦波に対応する角速度が測定角速度となるようにインピーダンスが測定される。例えば、電流の周波数応答と電圧の周波数応答とに基づいて、各周波数におけるインピーダンスがオームの法則「Z(抵抗)=V(電圧)/I(電流)」から求められる。
ステップ電流のサイクルは、電池10から測定されるインピーダンスに「拡散領域d」が含まれる、より好ましくは、「拡散領域d」のうちの「直線領域da」が含まれるように設定されている。
そして、算出されたインピーダンスを、複素インピーダンスZに関連するパラメータ「Q」と電池10の充電電気量との関係を示す情報と比較することで充電電気量を推定可能である。
また、算出されたインピーダンスを、電池10の充電電気量(SOC)が判明している条件に基づいて、パラメータ「Q」から電池10の温度を推定することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態の電池状態推定装置及び電池状態推定方法によれば、第1の実施形態に記載した(1)〜(8)の効果に加えて、以下に記載するような効果が得られるようになる。
(9)電池10にステップ電流を入力することによっても、電池10のインピーダンスを算出することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は以下の形態にて実施することもできる。
・上記各実施形態は、技術的に矛盾のない範囲で相互に組み合わせることができる。
・上記第3の実施形態において、ステップ電流のサイクルの期間ごとの電池10の負荷応答と、交流電流の周波数毎の電池10の負荷応答とを関連付ける。そして、この関連付けに、電池10のステップ電流に対する負荷応答を適用することに基づいて、交流電流に対応する負荷応答を取得するようにしてもよい。これにより、フーリエ変換等の算出を減らすことができる。
例えば、図14に示すように、ステップ電流に対する抵抗情報と、交流電流に対する抵抗情報との関係をグラフL141や関数f(x)として設定しておくことで、電池のステップ電流に対する負荷応答を取得し、この取得した負荷応答に対応する交流電流に対する負荷応答等を得ることができるようになる。なお、ステップ電流に対する抵抗情報は、ステップのサイクルや電流値や電圧値が含まれた情報であり、交流電流に対する抵抗情報は、交流周波数、電流値、電圧値及びインピーダンスが含まれた情報である。
・上記第3の実施形態では、設定されるサイクルとして0.1Hzから1mHzまでの範囲のうちの1つが挙げられる場合について例示した。しかし、これに限られるものではなく、設定されるサイクルで測定できるインピーダンスが「拡散領域d」を含んでいるものであれば、サイクルが0.1Hzよりも高くなってもよいし、1mHzよりも低くなってもよい。
・上記第3の実施形態では、サイクルを有するステップ電流に対する電池10の過渡応答を解析することでインピーダンスを算出する場合について例示した。しかし、これに限らず、ステップが上がるときの1つ又は複数の過渡応答や、ステップが下がるときの1つ又は複数の過渡応答を解析することでインピーダンスを算出してもよい。例えば、ステップのサイクル長が過渡応答の収束時間以上であれば、ステップ電流の印加は、直流電流の印加と見なしてもよい。逆に、ステップのサイクル長が、過渡応答の収束時間に比べて十分に短ければ、ステップ電流の印加は、交流電流の印加と見なしてもよい。
・上記第3の実施形態では、ステップ電流を印加し、電圧の応答を測定する場合について例示した。これに限らず、ステップ電圧を印加し、電流の応答を測定してもよい。いずれにしても、インピーダンスを測定することができる。
・上記第1及び第2の実施形態では、正弦波の交流電流を印加し、上記第3の実施形態では、ステップ電流を印加する場合について例示した。しかしこれに限らず、電池の過渡応答を得ることができるのであれば、三角波やその他の波形形状の電流等を印加してもよい。
・上記各実施形態では、電池10が測定回路に接続されている場合について例示したが、これに限らず、電池は、測定回路に加えて、図示しない開閉器などを介して負荷や充電器等に接続されていてもよい。例えば、車載されている電池であれば、電池を駆動用の電源として利用しつつ、必要に応じて複素インピーダンスの測定を行い、当該電池の電池状態を推定することができる。
・上記各実施形態では、電池10はニッケル水素二次電池である場合について例示したが、これに限らず、ニッケルカドミウム電池等その他のアルカリ二次電池や、リチウムイオン二次電池等の二次電池であってもよい。
・上記各実施形態では、複素インピーダンスZの成分のうち虚数成分Ziを用いてパラメータを算出する場合について例示したが、これに限らず、複素インピーダンスZの成分のうち実数成分Zrを用いてパラメータQを算出してもよい。このとき、相関データも、実数成分Zrを用いたパラメータに基づいて設定すれば、充電電気量を推定することができる。また、このパラメータに併せて電池の温度毎に充電電気量とパラメータとの関係を示す相関データを予め準備すれば電池の温度を推定することもできる。例えば、「直線領域da」は実数成分Zrに対する虚数成分Ziの変化率が「1」に近い範囲にあるため、虚数成分Ziに代えて実数成分Zrを利用したとしても、電池10の複素インピーダンスZから充電電気量や電池温度を推定することができる。
・上記第1の実施形態では、第2のばらつき判定を行うとき、電池10を構成する単電池等を複数のグループに分ける場合について例示した。このとき、電池を構成する一部の単電池や電池モジュールを複数にグループ分けてもよい。これによっても、サンプリング的な検査を行うことができる。
また、逆に、一部の単電池等が重複して複数のグループに含まれていてもよい。これによっても、充電電気量の差の大きい電池等を絞り込むことができる。
・上記第1の実施形態では、第2のばらつき判定を行うとき、2つのグループの総容量が同じ容量である場合について例示した。しかしこれに限らず、2つのグループの総容量の差について補正を行うことができるのであれば、2つのグループの総容量が相違していてもよい。
・上記第1の実施形態では、第2のばらつき判定を行うとき、電池10を構成する単電池等を2つのグループに分ける場合について例示した。しかしこれに限らず、単電池等は、3つ以上のグループに分けられて、それらが比較されてもよい。
・上記第1の実施形態では、ばらつき判定部48は、第1のばらつき判定で、電池10が満充電であることに基づいて電池10を構成する各電池について充電電気量にばらつき判定を行う場合について例示した。しかしこれに限らず、第1のばらつき判定が、電池が所定のSOCであることに基づいてばらつき判定を行ってもよい。このとき、電池が所定のSOCであることを、周知の技術で推定するようにすればよい。
・上記第1の実施形態では、ばらつき判定部48が設けられる場合について例示したが、これに限らず、ばらつき判定が不要であれば、ばらつき判定部は設けられなくてもよい。
・上記第1の実施形態では、電池10の温度を所定の温度にする場合について例示したが、これに限らず、図9に示すように、相関データを電池の温度毎に設けるとともに、電池の温度を取得することで、電池の温度に対応した相関データから充電電気量を取得するようにしてもよい。これにより、電池の温度を考慮して充電電気量を高い精度で推定することができる。
・上記各実施形態では、パラメータ「Q」が式(2)や式(3)から算出される場合について例示した。しかしこれに限らず、式(2)に表現される理論を示す算出式であればその表現形式は式(2)や式(3)に限られない。
・上記各実施形態では、2つの複素インピーダンスZが「拡散領域d」のうちの「直線領域da」にある場合について例示した。しかしこれに限らず、2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と2つの複素インピーダンスの虚数成分の差とが得られるのであれば、2つの複素インピーダンスのうちの一方が「拡散領域d」のうちの「領域db」や「垂直領域dc」などの領域にあってもよい。これによっても、他方の複素インピーダンスが「直線領域da」にあることで取得に要する時間を抑えることができるようになる。
・上記各実施形態では、2つの複素インピーダンスの測定角速度の差として、測定角速度についてその差の逆数を用いることで、パラメータを線形、もしくは線形に近いかたちで得る場合について例示した。しかしこれに限らず、2つの複素インピーダンスの測定角速度の差として、測定角速度についてその差をそのまま用いてもよい。パラメータが線形ではないにかたちで得られるが、このパラメータと電池状態との間に相関関係を得ることができる。
・上記各実施形態では、電池10が電気自動車もしくはハイブリッド自動車に搭載される場合について例示したが、これに限らず、電池は、ガソリン自動車やディーゼル自動車等の車両に搭載されてもよい。また電池は、鉄道、船舶、航空機やロボット等の移動体や、情報処理装置等の電気製品等の固定設置の電源として用いられてもよい。
10…電池、20…測定用充放電装置、21…電圧測定器、22…電流測定器、23…温度測定器、30…推定装置、40…処理部、41…SOC調節部、42…温度測定部、43…インピーダンス測定部、45…パラメータ算出部、46…電気量算出部、47…電池温度算出部、48…ばらつき判定部、50…記憶部、51…相関データ、52…算出用データ、53…相関データ。

Claims (13)

  1. 二次電池の充電電気量を推定する電池状態推定装置であって、
    測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
    前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量と前記パラメータとの関係を示す情報と、前記パラメータ算出部で算出した前記パラメータとに基づいて前記二次電池の充電電気量を推定する電気量推定部とを備える
    ことを特徴とする電池状態推定装置。
  2. 前記測定用の電力は、測定用の直流電力又は測定用の交流電力である
    請求項1に記載の電池状態推定装置。
  3. 二次電池の充電電気量を推定する電池状態推定装置であって、
    測定用の交流電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
    前記測定した複素インピーダンスのうち、拡散領域内にあり、かつ、測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量と前記パラメータとの関係を示す情報と、前記パラメータ算出部で算出した前記パラメータとに基づいて前記二次電池の充電電気量を推定する電気量推定部とを備える
    ことを特徴とする電池状態推定装置。
  4. 前記二次電池の温度を取得する温度取得部をさらに備え、
    前記予め設定された情報には、前記二次電池の温度毎に設定された情報が含まれており、
    前記電気量推定部は、前記二次電池の温度毎に設定された情報のうち前記取得した温度に対応する情報を前記予め設定された情報として選択する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  5. 前記二次電池が満充電であるとき推定した前記二次電池の充電電気量と、予め設定された基準電気量であって、前記二次電池が満充電のときの適正な充電電気量である前記基準電気量とを比較して、前記二次電池の充電電気量がばらついているか否かを判定する第1のばらつき判定部を備える
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  6. 前記二次電池は組電池であって、
    前記組電池を少なくとも一部の電池が重複しないように区分けされた2つのグループについて前記電気量推定部がそれぞれ推定した充電電気量を取得し、前記2つのグループの充電電気量の比較に基づいて前記組電池を構成する電池間に充電電気量のばらつきがあるか否かを判定するばらつき判定部を備える
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  7. 二次電池の温度を推定する電池状態推定装置であって、
    前記二次電池の充電電気量を取得する電気量取得部と、
    測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
    前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量に対する前記パラメータと前記二次電池の温度との関係を示す情報に、前記電気量取得部で取得した充電電気量と前記パラメータ算出部で算出した前記パラメータとを適用することに基づいて前記二次電池の温度を推定する温度推定部とを備える
    ことを特徴とする電池状態推定装置。
  8. 前記2つの複素インピーダンスの成分はそれぞれ、複素インピーダンスの虚数成分である
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  9. 前記パラメータ算出部は、前記2つの複素インピーダンスの測定角速度の差の逆数を「Δ(ω−1)」とし、前記2つの複素インピーダンスの虚数成分の差を「ΔZi」とし、前記パラメータを「Q」とするとき下記式に基づいて算出する
    Figure 2019117180
    請求項8に記載の電池状態推定装置。
  10. 前記2つの複素インピーダンスの測定角速度は、前記2つの複素インピーダンスの実数成分に対する虚数成分の変化率の絶対値が0.5以上、かつ、2以下である範囲にある角速度である
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  11. 前記二次電池はニッケル水素二次電池である
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  12. 二次電池の充電電気量を推定する電池状態推定方法であって、
    測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、
    前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出工程と、
    予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量と前記パラメータとの関係を示す情報と、前記パラメータ算出工程で算出した前記パラメータとに基づいて前記二次電池の充電電気量を推定する電気量推定工程とを備える
    ことを特徴とする電池状態推定方法。
  13. 二次電池の温度を推定する電池状態推定方法であって、
    前記二次電池の充電電気量を取得する電気量取得工程と、
    測定用の電力の付与に基づいて前記二次電池の複素インピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、
    前記測定した複素インピーダンスのうちで拡散領域内に対応し、かつ、対応する角速度が測定角速度であり、前記測定角速度が相違する2つの複素インピーダンスの測定角速度の差と前記2つの複素インピーダンスの成分の差との比からなるパラメータを算出するパラメータ算出工程と、
    予め設定された情報であって、前記二次電池の充電電気量に対する前記パラメータと前記二次電池の温度との関係を示す情報に、前記電気量取得工程で取得した充電電気量と前記パラメータ算出工程で算出した前記パラメータとを適用することに基づいて前記二次電池の温度を推定する温度推定工程とを備える
    ことを特徴とする電池状態推定方法。
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