JP2021117076A - 温度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池の温度を高精度に推定しつつ、その推定に要する期間に蓄電池の温度を推定することができる温度推定装置を提供すること。【解決手段】蓄電池14を備える電源システム100に適用され、複数の周波数の交流電圧を蓄電池に印加しそれら各周波数で蓄電池のインピーダンスZAを算出するインピーダンス算出処理を実施するとともに、算出したインピーダンスに基づいて蓄電池の温度を推定する温度推定装置30であって、インピーダンス算出処理が実施されるインピーダンス算出期間であることを判定する期間判定部と、インピーダンス算出期間である場合に、現時点以前にインピーダンスに基づいて推定された蓄電池の温度と、蓄電池の温度又はその相関値を検出するセンサ18,20による検出値との少なくとも一方を用いた代替推定処理により、蓄電池の温度を推定する代替推定部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、インピーダンスに基づいて蓄電池の温度を推定する温度推定装置に関する。
従来、車両に搭載される蓄電池の温度を推定する温度推定装置として、蓄電池のインピーダンスを算出するものが知られている(例えば、特許文献1)。この温度推定装置では、所定周波数の交流電圧を蓄電池に印加し、その状態で取得された電流値に基づいて蓄電池のインピーダンスを算出する。そして、そのインピーダンスに基づいて蓄電池の温度を推定する。これにより、蓄電池のインピーダンスに基づいて蓄電池の温度を高精度に推定することができる。
特開2019−39763号公報
しかしながら、蓄電池において温度変化や経時劣化が生じることを考慮すると、インピーダンス算出のための電圧周波数を多段に用意し、それら各周波数で蓄電池のインピーダンス算出することが望ましい。この場合、蓄電池のインピーダンスを算出するためには、所定の期間が必要となり、蓄電池の温度推定が遅れる。蓄電池の温度を高精度に推定しつつ、その推定に要する期間に蓄電池の温度を推定することができる技術が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電池の温度を高精度に推定しつつ、その推定に要する期間に蓄電池の温度を推定することができる温度推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、蓄電池を備える電源システムに適用され、複数の周波数の交流電圧を前記蓄電池に印加しそれら各周波数で前記蓄電池のインピーダンスを算出するインピーダンス算出処理を実施するとともに、算出したインピーダンスに基づいて前記蓄電池の温度を推定する温度推定装置であって、前記インピーダンス算出処理が実施されるインピーダンス算出期間であることを判定する期間判定部と、前記インピーダンス算出期間である場合に、現時点以前に前記インピーダンスに基づいて推定された前記蓄電池の温度と、前記蓄電池の温度又はその相関値を検出するセンサによる検出値との少なくとも一方を用いた代替推定処理により、前記蓄電池の温度を推定する代替推定部と、を備える。
上記構成によれば、蓄電池のインピーダンスに基づいて蓄電池の温度を推定するため、蓄電池の温度を高精度に推定することができる。しかし、蓄電池のインピーダンスに基づいて蓄電池の温度を推定する場合、蓄電池の温度を推定する前に、複数の周波数の交流電圧を蓄電池に印加し、それら各周波数で蓄電池のインピーダンス算出するインピーダンス算出処理が実施される。インピーダンス算出処理には所定のインピーダンス算出期間が必要となり、インピーダンス算出期間において蓄電池の温度推定が遅れる。
この点、上記構成では、インピーダンス算出期間である場合に、代替推定処理により蓄電池の温度を推定する代替推定部を設けることとした。代替推定部は、現時点以前にインピーダンスに基づいて推定された蓄電池の温度と、蓄電池の温度又はその相関値を検出するセンサによる検出値と、の少なくとも一方を用いた代替推定処理により蓄電池の温度を推定するため、インピーダンス算出処理の実施中であっても蓄電池の温度を推定することができる。これにより、蓄電池の温度を高精度に推定しつつ、その推定に要する期間に蓄電池の温度を適宜推定することができる。
第2の手段では、前記インピーダンス算出期間である場合に、現時点以前に生じた温度変化要因の有無を判定する要因判定部を備え、前記代替推定部は、前記温度変化要因が生じているとの判定結果に基づいて、前記代替推定処理により前記蓄電池の温度を推定する。
代替推定処理により推定される蓄電池の温度は、インピーダンスに基づいて推定される蓄電池の温度に比べて、短期間で推定できる反面、低精度となる。そのため、この低精度の温度の要否を判定することが好ましい。この点、上記構成では、現時点以前に生じた温度変化要因の有無を判定し、温度変化要因が生じているとの判定結果に基づいて、代替推定処理により蓄電池の温度を推定することとした。そのため、温度変化要因が生じており、これにより蓄電池の温度推定を待つことができない場合に、代替推定処理により推定される蓄電池の温度を要すると判定することができる。
第3の手段では、前記要因判定部は、前記電源システムの起動時に、前記温度変化要因が生じている旨を判定する。
電源システムの起動時では、電源システムの起動前におけるシステム停止期間に電池の温度変化が生じていることがあり、温度変化要因が生じている。また、電源システムの起動時では、安全を考慮して蓄電池の温度が推定されるまでは、蓄電池の使用が禁止されることがあり、電源システムの起動後にインピーダンスに基づいて蓄電池の温度が推定されるまで蓄電池の温度推定を待つことは望ましくない。その点、上記構成では、電源システムの起動時に、温度変化要因が生じている旨を判定し、代替推定処理により蓄電池の温度を推定するようにした。これにより、電源システムの起動時に、蓄電池の温度を早期に推定することができる。
第4の手段では、前記電源システムの起動前におけるシステム停止期間の長さを取得する期間長取得部を備え、前記代替推定部は、前記システム停止期間前に前記インピーダンスに基づいて推定された前記蓄電池の温度を用いて前記蓄電池の温度を推定する第1モードと、前記検出値を用いて前記蓄電池の温度を推定する第2モードとを実施可能であり、前記期間長取得部により取得された前記システム停止期間の長さに基づいて各モードを切り替えて実施する。
電源システムの起動時では、第1モード及び第2モードで代替推定処理を実施可能であり、この電源システムの起動時において代替推定処理により蓄電池の温度を推定する場合、システム停止期間の長さによっては、各モードにおける温度の推定精度が変化する。例えばシステム停止期間の長さが短い場合、蓄電池の温度はシステム停止期間前にインピーダンスに基づいて推定された蓄電池の温度と略等しいため、この温度を用いて蓄電池の温度を推定する第1モードにより蓄電池の温度を精度良く推定することができる。また例えばシステム停止期間の長さが長い場合、蓄電池の温度はセンサの検出値を用いて検出できるため、この検出値を用いて蓄電池の温度を推定する第2モードにより蓄電池の温度を精度良く推定することができる。このように、システム停止期間の長さに基づいて各モードを切り替えることで、蓄電池の温度を精度良く推定することができる。
第5の手段では、前記要因判定部は、前記インピーダンスに基づいた前記蓄電池の温度の前回推定時から現時点までの間に、前記蓄電池に流れる電流として所定以上の電流変化が生じている場合に、前記温度変化要因が生じている旨を判定する。
前回推定時から現時点までの間に、蓄電池に流れる電流として所定以上の電流変化が生じている場合、蓄電池の温度は前回推定時に推定された温度から所定以上変化していると考えられる。そのため、次回推定時まで蓄電池の温度推定を待つことは望ましくない。その点、上記構成では、蓄電池に流れる電流として所定以上の電流変化が生じている場合に、温度変化要因が生じている旨を判定し、代替推定処理により蓄電池の温度を推定するようにした。これにより、蓄電池の電流変化時に、蓄電池の温度を早期に推定することができる。
第6の手段では、車両に搭載される前記電源システムに適用され、前記車両は、前記蓄電池からの電力供給により駆動する前記車両の走行駆動源としての回転電機を備えており、運転者によるアクセル操作に応じて前記蓄電池から前記回転電機へ電力供給するものであり、前記要因判定部は、前記インピーダンスに基づいた前記蓄電池の温度の前回推定時から現時点までの間に、運転者による所定以上のアクセル操作に伴う前記車両の加速が生じている場合に、前記温度変化要因が生じている旨を判定する。
車両に搭載される電源システムでは、運転者によるアクセル操作に応じた蓄電池から回転電機への電力供給により蓄電池の温度が上昇する。そして、前回推定時から現時点までの間に、所定以上のアクセル操作に伴う車両の加速が生じている場合、蓄電池の温度は前回推定時に推定された温度から所定以上変化していると考えられる。そのため、次回推定時まで蓄電池の温度推定を待つことは望ましくない。その点、上記構成では、所定以上のアクセル操作に伴う車両の加速が生じている場合に、代替推定処理により蓄電池の温度を推定するようにした。これにより、車両加速時に、蓄電池の温度を早期に推定することができる。
第7の手段では、前記センサは、前記蓄電池又はその周辺に設けられた温度センサであり、前記代替推定処理では、前記インピーダンスに基づいた前記蓄電池の温度の前回推定時に推定された前記蓄電池の温度に、前記前回推定時から現時点までの間における前記温度センサの検出温度の変化量を加算することにより前記蓄電池の温度を推定する。
代替推定処理において温度センサの検出温度を用いて蓄電池の温度を推定する場合、インピーダンスに基づいて推定された蓄電池の温度と検出温度とは必ずしも等しくないが、これらの温度の所定期間における変化量は略等しい。上記構成では、代替推定処理により蓄電池の温度を推定する場合に、前回推定時にインピーダンスに基づいて推定された蓄電池の温度に、その前回推定時から現時点までの間における検出温度の変化量を加算することにより蓄電池の温度を推定するようにした。そのため、温度センサを用いて、蓄電池の温度を好適に推定することができる。
電源システムの全体構成図。 バッテリのインピーダンスの周波数特性を示す図。 制御処理の手順を示すフローチャート。 制御処理の一例を示すタイムチャート。 システム停止期間におけるバッテリ温度及び周辺温度の推移を示す図。 代替温度処理の一例を示す図。 代替温度処理の一例を示す図。 バッテリ電流と周辺温度の変化量との関係を示す図。
(実施形態)
以下、本発明に係る温度推定装置を車載の電源システム100に適用した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電源システム100は、回転電機10及び電気負荷12に電力を供給するシステムである。電源システム100は、バッテリ14と、発信装置16と、電流センサ18と、温度センサ20と、温度推定装置としての制御装置30と、を備えている。
回転電機10は、力行駆動及び回生駆動の機能を有し、具体的には、MG(Motor Generator)である。回転電機10は、バッテリ14との間で電力の入出力を行うものである。具体的には、回転電機10は、力行駆動時には、バッテリ14から入力される電力により駆動し、車両に推進力を付与する。つまり、回転電機10は、バッテリ14からの電力供給により駆動し、車両の走行駆動源として機能する。また、回転電機10は、回生駆動時には、車両の減速エネルギを用いて発電を行い、バッテリ14に電力を出力する。
電気負荷12は、定電圧要求負荷と一般負荷とを含む。ここで定電圧要求負荷は、供給電力の電圧が概ね一定、又は少なくとも所定範囲内で変動するよう安定していることが要求される負荷であり、一般負荷は、定電圧負荷以外の負荷である。
発信装置16は、バッテリ14と、回転電機10及び電気負荷12との間の接続点PAに接続されており、この接続点PAに所定の電圧周波数の交流信号を出力する。交流信号は、例えば正弦波信号や矩形波信号である。
電流センサ18は、接続点PAと、回転電機10及び電気負荷12との間の電気経路LAに接続されており、発信装置16が交流信号を出力した時にバッテリ14に流れるバッテリ電流IEを検出する。温度センサ20は、バッテリ14又はその周辺に設けられており、バッテリ14の周辺温度TBを検出する。電流センサ18及び温度センサ20の検出値は、制御装置30に入力される。なお、本実施形態において、温度センサ20が「センサ」に相当し、周辺温度TBが「検出値,検出温度」に相当する。
バッテリ14は、充放電可能な蓄電池であり、複数の電池セルが直列接続された組電池である。バッテリ14は、例えばリチウムイオン蓄電池である。図1には、バッテリ14の電池セルの集合体22とともに、バッテリ14の内部抵抗24の等価回路が示されている。内部抵抗24は、バッテリ14の直流抵抗を表す第1抵抗成分RAと、正極及び負極における反応抵抗成分RB,CAという2組の抵抗成分の直列接続体として構成されている。反応抵抗成分RB,CAは、第2抵抗成分RB及び容量成分CAを有する並列回路として構成されている。つまり、バッテリ14は、内部抵抗24の等価回路の回路成分として、抵抗成分RA,RB及び容量成分CAを有しており、この抵抗成分RA,RB及び容量成分CAによる複素インピーダンス(以下、単にインピーダンス)ZAを有している。
制御装置30は、発信装置16を介して接続点PAに所定の交流信号を出力させ、発信装置16に出力された交流信号と、電流センサ18から入力される検出値に基づいて、バッテリ14のインピーダンスZAを算出する。
また、制御装置30は、IGスイッチ32及びアクセルセンサ34に接続されている。IGスイッチ32は、車両の起動スイッチである。制御装置30は、IGスイッチ32の開閉状態を監視する。アクセルセンサ34は、アクセルペダル40の操作量であるアクセル操作量XEを検出するセンサである。車両では、運転者によるアクセル操作に応じてバッテリ14から回転電機10へ電力供給が行われる。
制御装置30は、バッテリ14のインピーダンスZAやIGスイッチ32の開閉状態、及びアクセル操作量XE等に基づいて車両を制御する。制御装置30は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備えている。CPUは、ROM内の演算プログラムや制御データを参照して、車両を制御するための種々の機能を実現する。
図2に、バッテリ14のインピーダンスZAの周波数特性を示す。インピーダンスZAは、接続点PAに印加する交流信号の周波数により変化し、インピーダンスZAの実数成分ZRは、印加する周波数が小さくなるほど大きくなる。また、インピーダンスZAの虚数成分ZIは、第1特定周波数HS1、及び第1特定周波数HS1よりも低い第2特定周波数HS2でゼロとなる。虚数成分ZIは、第1特定周波数HS1よりも大きい周波数の範囲において、印加する周波数が大きくなるほど小さくなり、第2特定周波数HS2よりも小さい周波数の範囲において、印加する周波数が小さくなるほど大きくなる。また、虚数成分ZIは、第1特定周波数HS1と第2特定周波数HS2との間の周波数の範囲において、印加する周波数が小さくなるのに伴って、増加した後に減少する。
ところで、第1特定周波数HS1のインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEが推定可能であることが知られており、これによりバッテリ温度TEを高精度に推定することができる。ここで、バッテリ温度TEは、バッテリ14の内部温度であり、バッテリ14の周辺温度TBとは必ずしも等しくない。バッテリ温度TEは、例えばバッテリ14の凍結や過充放電などのバッテリ14の状態を表す。そのため、電源システム100に温度センサ20が設けられている場合でも、バッテリ温度TEの推定が実施され、この推定に用いられる第1特定周波数HS1のインピーダンスZAが算出される。
ここで第1特定周波数HS1は、バッテリ14の温度変化や経時劣化により変化する。そのため、第1特定周波数HS1のインピーダンスZAを算出するインピーダンス算出処理では、インピーダンス算出処理に用いられる周波数を多段に用意し、それら各周波数でバッテリ14のインピーダンス算出する必要がある。図2に示す例では、インピーダンス算出処理のために、第1周波数HAから第2周波数HBまでの周波数範囲HXを設定し、第1周波数HAと第2周波数HBとの間の周波数HCを含む複数(多段)の周波数を選出する。そして、選出された複数の周波数の交流電圧をバッテリ14にそれぞれ印加し、各周波数におけるバッテリ14のインピーダンスZAを算出する。
インピーダンス算出処理では、算出した複数のインピーダンスZAのうち、インピーダンスZAの大きさが極小となるインピーダンスZAを特定する。極小となるインピーダンスZAが存在しない場合には、周波数範囲HXを再設定し、再度インピーダンス算出処理を実施する。そして、極小となるインピーダンスZAを第1特定周波数HS1のインピーダンスZAとして特定し、このインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEを推定する。
つまり、第1特定周波数HS1のインピーダンスZAを算出するためには、複数の周波数でバッテリ14のインピーダンスZAを算出するインピーダンス算出処理を実施する必要があり、所定のインピーダンス算出期間が必要となる。その結果、バッテリ14の温度推定が遅れる。
本実施形態では、現時点がインピーダンス算出期間である場合に、代替推定処理によりバッテリ14の温度を推定する制御処理を実施するようにした。代替推定処理では、現時点以前にバッテリ14のインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEである前回値TPと、周辺温度TBとの少なくとも一方を用いてバッテリ14の温度を推定することとした。そのため、代替推定処理により推定されるバッテリ14の温度である代替温度TSを短期間で推定することができる。これにより、インピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEを高精度に推定しつつ、その推定に要するインピーダンス算出期間に代替推定処理により代替温度TSを適宜推定することができる。
本実施形態では、インピーダンス算出処理は、バッテリ温度TEの推定に用いられる第1特定周波数HS1を探索する周波数探索処理と、周波数探索処理により探索された第1特定周波数HS1のインピーダンスZAを算出する算出処理を含む。また、インピーダンス算出期間は、周波数探索処理が実施される探索期間YCと、算出処理が実施される算出期間YDとを含む(図4参照)。制御装置30の記憶部36には前回値TPが記憶されており、制御処理では、これらの期間YC,YDに、記憶部36に記憶された前回値TPと、温度センサ20から取得される周辺温度TBとの少なくとも一方を用いて代替温度TSを推定する。
図3に、本実施形態の制御処理のフローチャートを示す。制御装置30は、IGスイッチ32が閉状態とされている電源システム100のシステム駆動期間YBにおいて、所定の制御周期毎に制御処理を繰り返し実施する。
制御処理を開始すると、まずステップS10において、現時点がバッテリ温度TEの推定タイミングであるか否かを判定する。ここでバッテリ温度TEの推定時とは、算出期間YDの終了タイミングである。ステップS10で肯定判定すると、ステップS12において、この推定タイミングの直前の算出期間YDにおいて算出されたインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEを推定し、制御処理を終了する。以下、ステップS12の実施時を推定時と呼び、特に前回のステップS12の実施時を前回推定時と呼ぶ。
一方、ステップS10で否定判定すると、ステップS14において、現時点が探索期間YCであるか否かを判定する。ステップS14で否定判定すると、ステップS16において、現時点が算出期間YDであるか否かを判定する。探索期間YC及び算出期間YDでない場合、ステップS16で否定判定する。この場合、制御処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS10,S12の処理が「期間判定部」に相当する。
一方、現時点が探索期間YCと算出期間YDとのいずれか一方である場合、ステップS10又はステップS12で肯定判定する。この場合、ステップS18において、現時点が電源システム100の起動時であるか否かを判定する。ここで電源システム100の起動時とは、IGスイッチ32が閉状態に切り替えられてから所定期間が経過するまでの意味であり、この所定期間は、例えばIGスイッチ32が閉状態に切り替えられてからインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEが初めて推定されるまでの期間である。
ステップS18で肯定判定すると、ステップS22において、電源システム100の起動前におけるシステム停止期間YAの長さ(以下、停止期間長さ)LYを取得する。ここでシステム停止期間YAは、IGスイッチ32が開状態とされている期間を意味し、具体的にはIGスイッチ32が前回開状態に切り替えられてから、今回閉状態に切り替えられるまでの期間を意味する。続くステップS24〜S32において、ステップS22で取得された停止期間長さLYに応じて代替温度TSを推定する。なお、本実施形態において、ステップS22の処理が「期間長取得部」に相当する。
具体的には、まずステップS24において、停止期間長さLYが第1期間Yth1よりも短いか否かを判定する。第1期間Yth1は、例えば数分である。ステップS24で否定判定すると、ステップS26で停止期間長さLYが第2期間Yth2よりも短いか否かを判定する。第2期間Yth2は、第1期間Yth1よりも長く、例えば数時間である。
停止期間長さLYが第1期間Yth1よりも短い場合、ステップS24で肯定判定する。この場合、ステップS28において、前回値TPを用いて代替温度TSを推定し、制御処理を終了する。ステップS28では、前回値TPを代替温度TSとして推定してもよければ、前回値TPから第1所定値を減算したものを代替温度TSとして推定してもよい。なお、本実施形態において、ステップS28の代替推定処理が「第1モード」に相当する。
また、停止期間長さLYが第2期間Yth2よりも長い場合、ステップS26で否定判定する。この場合、ステップS30において、周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定し、制御処理を終了する。ステップS30では、周辺温度TBを代替温度TSとして推定してもよければ、周辺温度TBに第2所定値を加算したものを代替温度TSとして推定してもよい。なお、本実施形態において、ステップS30の代替推定処理が「第2モード」に相当する。
また、停止期間長さLYが第1期間Yth1よりも長く、且つ第2期間Yth2よりも短い場合、ステップS26で肯定判定する。この場合、ステップS32において、前回値TP及び周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定し、制御処理を終了する。なお、ステップS32の処理については、図6を用いて後述する。つまり、電源システム100の起動時では、停止期間長さLYに基づいてステップS28〜S32の代替推定処理を切り替えて実施する。
一方、現時点が電源システム100の起動時でない場合、ステップS18で否定判定する。この場合、ステップS36において、電流センサ18を用いて、前回推定時から現時点までの間に、バッテリ電流IEとして電流閾値Ith以上の電流変化が生じているか否かを判定する。ステップS36で否定判定すると、ステップS38において、アクセルセンサ34を用いて、前回推定時から現時点までの間に、運転者によりアクセル閾値Xth以上のアクセル操作が行われたか否かを判定する。
ステップS38で否定判定すると、ステップS40において、バッテリ温度TEが所定の安定状態であるか否かを判定する。ここで安定状態とは、前回推定時から現時点までの間に、バッテリ温度TEとして温度閾値Tth以上の温度変化が生じていないことを意味する。ステップS40で否定判定すると、制御処理を終了する。
一方、前回推定時から現時点までの間に、バッテリ電流IEとして電流閾値Ith以上の電流変化が生じている電流変化時である場合、ステップS36で肯定判定する。また、前回推定時から現時点までの間に、運転者によりアクセル閾値Xth以上のアクセル操作が行われた車両加速時である場合、ステップS36で肯定判定する。また、前回推定時から現時点までの間に、バッテリ温度TEとして温度閾値Tth以上の温度変化が生じており、安定状態でない場合に、ステップS36で否定判定する。これらの場合、ステップS44において、前回値TP及び周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定し、制御処理を終了する。なお、ステップS32の処理については、図7を用いて後述する。
つまり、ステップS28〜30,S44の代替推定処理による代替温度TSの推定は、電源システム100の起動時、電流変化時、車両加速時等、バッテリ14の温度が変化する温度変化要因が生じている場合に実施される。なお、本実施形態において、ステップS28〜30,S44の処理が「代替推定部」に相当し、ステップS18,36〜38,S44の処理が「要因判定部」に相当する。
続いて、図4に、制御処理の一例を示す。図4は、電源システム100の起動時における代替推定処理の実施の推移を示す。
図4において、(A)は、IGスイッチ32の状態の推移を示し、(B)は、バッテリ温度TEの推移を示し、(C)は、バッテリ電流IEの推移を示し、(D)は、アクセル操作量XEの推移を示す。また、(E)は、周波数探索処理の実施の推移を示し、(F)は、算出処理の実施の推移を示し、(G)は、インピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEを推定する温度推定処理の実施の推移を示し、(H)は、温度センサ20から周辺温度TBを取得する周辺温度取得処理の実施の推移を示し、(I)は、代替推定処理の実施の推移を示す。なお、(E)〜(I)において、各処理が実施されている状況が「オン」で示されており、各処理が実施されていない状況が「オフ」で示されている。
図4に示すように、時刻t1までのIGスイッチ32の開期間、つまりシステム停止期間YAにおいて、バッテリ温度TEは、このシステム停止期間YAの停止期間長さLYに応じた温度となっている。
時刻t1にIGスイッチ32が閉状態に切り替えられてシステム駆動期間YBとなると、バッテリ14の通電開始に伴いバッテリ温度TEが上昇するとともに、バッテリ電流IEが上昇する。また、時刻t1に周波数探索処理が開始され、時刻t1から探索期間YCが経過した時刻t3に周波数探索処理が終了すると、この時刻t3に算出処理が実施される。そして、時刻t3から算出期間YDが経過した時刻t4に算出処理が終了すると、温度推定処理が実施され、当該算出期間YDで算出されたインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEが推定される。
つまり、電源システム100の起動時では、時刻t1から時刻t4までの期間YC,YDにおいてバッテリ温度TEが推定されない。電源システム100の起動時では、安全を考慮してバッテリ14の温度が推定されるまでは、バッテリ14の使用が禁止されることがあり、起動時においてバッテリ14のインピーダンスZAの算出が完了するまでバッテリ14の使用禁止が強いられることがある。
本実施形態では、電源システム100の起動時に代替推定処理により代替温度TSが推定される。これにより、バッテリ温度TEが推定される時刻t4よりも前の時刻t2に運転者によりアクセル操作が行われた場合でも、アクセル操作に応じてバッテリ14から回転電機10へ電力供給を行い、車両を加速することができる。
電源システム100の起動時では、複数の代替推定処理が実施可能であり、停止期間長さLYに基づいて代替推定処理が切り替えて実施される。
図5に、システム停止期間YAにおけるバッテリ温度TEと周辺温度TBの推移を示す。図5において、(A)は、IGスイッチ32の状態の推移を示し、(B)は、バッテリ温度TE及び周辺温度TBの推移を示す。
図5に示すように、時刻t21までのIGスイッチ32の閉期間、つまりシステム駆動期間YBにおいて、バッテリ温度TEは周辺温度TBよりも上昇している。そして、時刻t21にIGスイッチ32が開状態に切り替えられると、システム停止期間YAが開始される。
システム停止期間YAにおいて、バッテリ温度TEは時刻t21から第1期間Yth1が経過するまでは略一定に維持され、第1期間Yth1が経過した時刻t22に低下を開始する。また、周辺温度TBは一度上昇した後に低下する。バッテリ温度TE及び周辺温度TBは車両の環境温度まで低下すると略一定となり、時刻t21から第2期間Yth2が経過した時刻t23において互いに等しくなる。
そのため、停止期間長さLYが第1期間Yth1よりも短い場合、前回値TPを用いて代替温度TSを推定する。具体的には、前回値TPのうち、システム停止期間YA前にインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEを代替温度TSとして推定する。
また、停止期間長さLYが第2期間Yth2よりも短い場合、周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定する。具体的には、電源システム100の起動後に取得された周辺温度TBを代替温度TSとして推定する。システム駆動期間YBにおいて周辺温度取得処理は所定の取得周期YEで取得されている。取得周期YEは、探索期間YC及び算出期間YDよりも短い期間に設定されている。そのため、期間YC,YDに周辺温度TBを取得し、その周辺温度TBを代替温度TSとして推定することができる。
また、停止期間長さLYが第1期間Yth1よりも長く、且つ第2期間Yth2よりも短い場合、前回値TP及び周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定する。この代替推定処理である補間処理を、図6を用いて説明する。なお、図6の(A),(B)は、図5の(A),(B)と同一であるため、重複した説明を省略する。
図6に示すように、補間推定処理では、前回値TPのうちシステム停止期間YA前にインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEである温度TX1、システム停止期間YA前に取得された周辺温度TBである温度TX2、及びシステム停止期間YA後に取得された周辺温度TBである温度TX3を用いて代替温度TSを推定する。
制御装置30の記憶部36には、システム停止期間YAの前後に取得された周辺温度TBである温度TX2,TX3に基づいて、システム停止期間YAにおける周辺温度TBを補間する補間式LBが記憶されている。補間処理では、この補間式LBを用いてシステム停止期間YAにおける周辺温度TBである温度TX4を補間する。また、制御装置30の記憶部36には、システム停止期間YA前にインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEである温度TX1、及びシステム停止期間YAにおける周辺温度TBである温度TX4に基づいて、システム停止期間YAにおけるバッテリ温度TEを推定する推定式LCが記憶されている。補間処理では、この推定式LCを用いてシステム停止期間YAにおけるバッテリ温度TEである温度TX5を推定する。そして、温度TX5のうち時刻t1、つまり電源システム100の起動タイミングにおける温度TX5を代替温度TSとして推定する。
図4に示すように、バッテリ電流IEは、時刻t4の後の時刻t5に基準電流IKに収束し、バッテリ温度TEは、その後の時刻t6に基準温度TKに収束する。そのため、時刻t4から時刻t6までの期間では、バッテリ温度TEは安定状態となっていない。本実施形態では、バッテリ温度TEが安定状態となっていない場合における期間YC,YDに代替推定処理により代替温度TSが推定される。これにより、前回推定時から現時点までの間におけるバッテリ温度TEの温度変化により、前回推定時のバッテリ温度TEと現時点のバッテリ温度TEが異なる場合でも、前回推定時のバッテリ温度TEよりも現時点のバッテリ温度TEに近い代替温度TSを用いてバッテリ14を適切に制御することができる。バッテリ14の制御は、例えば回転電機10への出力電力の制御である。
一方、時刻t6から時刻t7までの期間では、バッテリ温度TEが安定状態となるため、前回推定時のバッテリ温度TEと現時点のバッテリ温度TEが略同一となる。この場合、代替推定処理を実施せず、次回測定時までインピーダンスZAに基づくバッテリ温度TEの推定を待つようにする。これにより、制御装置30の処理負担を軽減することができる。
その後、時刻t7に運転者によりアクセル閾値Xth以上のアクセル操作が行われ、車両が加速されると、バッテリ電流IEが上昇するとともにバッテリ温度TEが上昇する。そのため、アクセル操作量XEがアクセル閾値Xth以上となる時刻t7から時刻t8までの車両加速時では、バッテリ温度TEは安定状態となっていない。本実施形態では、この車両加速時における期間YC,YDに代替推定処理により代替温度TSが推定される。これにより、前回推定時から現時点までの間におけるアクセル操作により、前回推定時のバッテリ温度TEと現時点のバッテリ温度TEが異なる場合でも、バッテリ14を適切に制御することができる。
時刻t8において運転者によるアクセル操作量XEがアクセル閾値Xthよりも小さくなると、バッテリ電流IEは低下し、時刻t9に基準電流IKに収束する。そのため、時刻t8から時刻t9までの期間は、バッテリ電流IEの変化によりバッテリ温度TEは安定状態となっていない。本実施形態では、この電流変化時における算出期間YDに代替推定処理により代替温度TSが推定される。これにより、前回推定時から現時点までの間における電流変化により、前回推定時のバッテリ温度TEと、現時点のバッテリ温度TEが異なる場合でも、バッテリ14を適切に制御することができる。
時刻t4以降では、現時点を含むシステム駆動期間YBにおいて前回値TPが推定されている。そのため、時刻t4以降では、前回値TP及び周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定する。この代替推定処理である変化量推定処理を、図7を用いて説明する。
図7に示すように、変化量推定処理では、前回値TPのうち前回推定時に推定されたバッテリ温度TEである温度TX6、前回推定時に取得された周辺温度TBである温度TX7、及び現時点で取得された周辺温度TBである温度TX8を用いて代替温度TSを推定する。具体的には、温度TX8から温度TX7を減算して、前回推定時から現時点までの間における周辺温度TBの変化量ΔTを算出する。そして、温度TX6に変化量ΔTを加算した値を代替温度TSとして推定する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・バッテリ14のインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEを推定するためには、探索期間YCや算出期間YDなどのインピーダンス算出期間が必要となる。本実施形態では、このインピーダンス算出期間である場合に、代替推定処理によりバッテリ14の温度である代替温度TSを推定するようにした。代替推定処理では、現時点以前にバッテリ14のインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEである前回値TPと、周辺温度TBとの少なくとも一方を用いて代替温度TSを推定する。そのため、周波数探索処理や算出処理などのインピーダンス算出処理の実施中であってもバッテリ14の温度を推定することができる。これにより、インピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEを高精度に推定しつつ、その推定に要するインピーダンス算出期間に代替推定処理により代替温度TSを適宜推定することができる。
・代替推定処理により推定される代替温度TSは、インピーダンスZAに基づいて推定されるバッテリ温度TEに比べて、短期間で推定できる反面、低精度となる。そのため、この低精度の代替温度TSの要否を判定することが好ましい。この点、本実施形態では、現時点以前に生じた温度変化要因の有無を判定し、温度変化要因が生じているとの判定結果に基づいて、代替推定処理により代替温度TSを推定することとした。そのため、温度変化要因が生じており、これによりバッテリ14の温度推定が遅れることを許容できない場合に、代替推定処理により推定される代替温度TSを要すると判定することができる。
・温度変化要因は、例えば電源システム100の起動時に生じる。電源システム100の起動時では、電源システム100の起動前におけるシステム停止期間YAにバッテリ14の温度変化が生じていることがあり、温度変化要因が生じている。また、電源システム100の起動時では、安全を考慮してバッテリ14の温度が推定されるまでは、バッテリ14の使用が禁止されることがあり、電源システム100の起動後にインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEが推定されるまでバッテリ14の温度推定を待つことは望ましくない。その点、上記構成では、電源システム100の起動時に、温度変化要因が生じている旨を判定し、代替推定処理により代替温度TSを推定するようにした。これにより、電源システム100の起動時に、バッテリ14の温度を早期に推定することができる。
・電源システム100の起動時では、複数の代替推定処理を実施可能であり、この電源システム100の起動時において代替推定処理により代替温度TSを推定する場合、システム停止期間YAの長さである停止期間長さLYによっては、各代替推定処理における温度の推定精度が変化する。本実施形態では、停止期間長さLYに基づいて実施される代替推定処理を切り替えるようにした。これにより、代替温度TSを精度良く推定することができる。
・温度変化要因は、例えばバッテリ14に流れるバッテリ電流IEの電流変化時に生じる。前回推定時から現時点までの間に、バッテリ電流IEとして電流閾値Ith以上の電流変化が生じている場合、バッテリ14の温度は前回推定時に推定されたバッテリ温度TEから所定以上変化していると考えられる。そのため、次回推定時までバッテリ14の温度推定を待つことは望ましくない。その点、本実施形態では、バッテリ電流IEとして電流閾値Ith以上の電流変化が生じている場合に、温度変化要因が生じている旨を判定し、代替推定処理により代替温度TSを推定するようにした。これにより、バッテリ14の電流変化時に、バッテリ14の温度を早期に推定することができる。
・温度変化要因は、例えば運転者によるアクセル操作に伴う車両加速時に生じる。運転者によるアクセル操作に応じてバッテリ14から回転電機10に電力供給が行われ、バッテリ14の温度が上昇する。そして、前回推定時から現時点までの間に、アクセル閾値Xth以上のアクセル操作に伴う車両の加速が生じている場合、バッテリ14の温度は前回推定時に推定されたバッテリ温度TEから所定以上変化していると考えられる。そのため、次回推定時までバッテリ14の温度推定を待つことは望ましくない。その点、本実施形態では、アクセル閾値Xth以上のアクセル操作に伴う車両の加速が生じている場合に、代替推定処理により代替温度TSを推定するようにした。これにより、車両加速時に、バッテリ14の温度を早期に推定することができる。
・代替推定処理において周辺温度TBを用いて代替温度TSを推定する場合、インピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEと周辺温度TBとは必ずしも等しくないが、これらの温度TE,TSの所定期間における変化量ΔTは略等しい。本実施形態では、代替推定処理により代替温度TSを推定する場合に、前回推定時にインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEに、その前回推定時から現時点までの間における周辺温度TBの変化量ΔTを加算することにより代替温度TSを推定するようにした。そのため、温度センサ20を用いて、バッテリ14の温度を好適に推定することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・蓄電池は、リチウムイオン蓄電池に限られず、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池であってもよい。
・インピーダンス算出処理において蓄電池の温度の推定に用いられるインピーダンスZAを特定する方法は、極小となるインピーダンスZAを特定する方法に限られない。例えばインピーダンスZAの虚数成分ZIがゼロを超えて変化するようにインピーダンスZAを変化させ、ゼロを超える前のインピーダンスZAとゼロを超えた後のインピーダンスZAとの中間値、例えば中央値や平均値を特定してもよい。
・蓄電池の温度の推定に用いられる蓄電池のインピーダンスZAは、第1特定周波数HS1のインピーダンスZAに限られず、例えば第2特定周波数HS2や、第1特定周波数HS1と第2特定周波数HS2との間の周波数のインピーダンスZAを用いてもよい。ただし、第1特定周波数HS1のインピーダンスZAを用いることで、蓄電池に流れる電流の影響を受けることなく蓄電池の温度を高精度に推定できる。
・インピーダンス算出期間として、探索期間YCと算出期間YDとが含まれる例を示したが、これに限られない。例えば算出処理が実施される電池セルの数が少ない場合、算出期間YDは短くなり、算出期間YDにおいて、インピーダンスZAに基づくバッテリ温度TEの推定を待つことができる。この場合には、インピーダンス算出期間として、探索期間YCのみが含まれてもよい。
・温度センサ20が検出する検出温度は、周辺温度TBに限られずバッテリ14の表面温度であってもよい。また、「蓄電池の温度又はその相関値を検出するセンサ」は、温度センサ20に限られず、電流センサ18であってもよい。この場合、電流センサ18が検出するバッテリ電流IEが「センサによる検出値」及び「相関値」となる。
バッテリ電流IEが「センサによる検出値」である場合、検出値を用いた代替推定処理は以下のように実施される。図7に示す変化量推定処理では、前回推定時から現時点までの間における周辺温度TBの変化量ΔTが算出されるが、図8に示すように、この変化量ΔTはバッテリ電流IEの2乗に比例する。そのため、バッテリ電流IEに基づいて変化量ΔTを算出し、温度TX6にこの変化量ΔTを加算することで代替温度TSを推定することができる。
・温度変化要因が生じている場合として、電源システム100の起動時、電流変化時、車両加速時を例示したが、これに限られない。例えばインピーダンスZAに基づいて推定されたバッテリ温度TEの単位時間当たりの変化量である変化率を算出し、この変化率が所定閾値よりも大きい場合に、温度変化要因が生じていると判定してもよい。
また、前々回のステップS16の実施時である前々回推定時のバッテリ温度TEと前回推定時のバッテリ温度TEとの差分値が所定閾値よりも大きい場合に、温度変化要因が生じていると判定してもよい。この場合に、前回推定時から次回のステップS16の実施時である次回推定時までの期間、つまり現時点を含む当該期間において、代替推定処理により代替温度TSを推定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、電源システム100の起動時において、停止期間長さLYに基づいて3つの代替推定処理を切り替えて実施する例を示したが、切り替えて実施される代替推定処理の数は、2つでもよければ、4つ以上であってもよい。
・上記実施形態では、インピーダンス算出処理がバッテリ14の放電時に実施される例を示したが、充電時に実施されてもよい。バッテリ14の充電時には、回転電機10の回生駆動時とともに、外部充電器による外部充電時が存在する。回生駆動時では、回転電機10のトルクにより低速充電と、低速充電よりもバッテリ電流IEが大きい高速充電とが切り替えられる。また、外部充電時では、外部充電器の充電モードにより低速充電と高速充電とが切り替えられる。
そして、高速充電時に、バッテリ温度TEが変化する温度変化要因が生じていると判定し、代替推定処理により代替温度TSを推定するようにしてもよい。これにより、前回推定時から現時点までの間における高速充電により、前回推定時のバッテリ温度TEと、現時点のバッテリ温度TEが異なる場合でも、前回推定時のバッテリ温度TEよりも現時点のバッテリ温度TEに近い代替温度TSを用いてバッテリ14を適切に制御することができる。
・本開示に記載の制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
14…バッテリ、18…電流センサ、20…温度センサ、30…制御装置、100…電源システム。

Claims (7)

  1. 蓄電池(14)を備える電源システム(100)に適用され、複数の周波数の交流電圧を前記蓄電池に印加しそれら各周波数で前記蓄電池のインピーダンスを算出するインピーダンス算出処理を実施するとともに、算出したインピーダンスに基づいて前記蓄電池の温度を推定する温度推定装置(30)であって、
    前記インピーダンス算出処理が実施されるインピーダンス算出期間であることを判定する期間判定部と、
    前記インピーダンス算出期間である場合に、現時点以前に前記インピーダンスに基づいて推定された前記蓄電池の温度と、前記蓄電池の温度又はその相関値を検出するセンサ(18,20)による検出値との少なくとも一方を用いた代替推定処理により、前記蓄電池の温度を推定する代替推定部と、を備える温度推定装置。
  2. 前記インピーダンス算出期間である場合に、現時点以前に生じた温度変化要因の有無を判定する要因判定部を備え、
    前記代替推定部は、前記温度変化要因が生じているとの判定結果に基づいて、前記代替推定処理により前記蓄電池の温度を推定する請求項1に記載の温度推定装置。
  3. 前記要因判定部は、前記電源システムの起動時に、前記温度変化要因が生じている旨を判定する請求項2に記載の温度推定装置。
  4. 前記電源システムの起動前におけるシステム停止期間の長さを取得する期間長取得部を備え、
    前記代替推定部は、前記システム停止期間前に前記インピーダンスに基づいて推定された前記蓄電池の温度を用いて前記蓄電池の温度を推定する第1モードと、前記検出値を用いて前記蓄電池の温度を推定する第2モードとを実施可能であり、前記期間長取得部により取得された前記システム停止期間の長さに基づいて各モードを切り替えて実施する請求項3に記載の温度推定装置。
  5. 前記要因判定部は、前記インピーダンスに基づいた前記蓄電池の温度の前回推定時から現時点までの間に、前記蓄電池に流れる電流として所定以上の電流変化が生じている場合に、前記温度変化要因が生じている旨を判定する請求項2から4までのいずれか一項に記載の温度推定装置。
  6. 車両に搭載される前記電源システムに適用され、前記車両は、前記蓄電池からの電力供給により駆動する前記車両の走行駆動源としての回転電機(10)を備えており、運転者によるアクセル操作に応じて前記蓄電池から前記回転電機へ電力供給するものであり、
    前記要因判定部は、前記インピーダンスに基づいた前記蓄電池の温度の前回推定時から現時点までの間に、運転者による所定以上のアクセル操作に伴う前記車両の加速が生じている場合に、前記温度変化要因が生じている旨を判定する請求項2から5までのいずれか一項に記載の温度推定装置。
  7. 前記センサは、前記蓄電池又はその周辺に設けられた温度センサ(20)であり、
    前記代替推定処理では、前記インピーダンスに基づいた前記蓄電池の温度の前回推定時に推定された前記蓄電池の温度に、前記前回推定時から現時点までの間における前記温度センサの検出温度の変化量を加算することにより前記蓄電池の温度を推定する請求項1から6までのいずれか一項に記載の温度推定装置。
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