JP2019116828A - 断熱サッシ - Google Patents

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Abstract

【課題】障子の開閉動作に抵抗を与えることなく、冷熱の伝達された空気の室内空間への対流を抑制し、断熱性能を向上させる。【解決手段】上下枠11、12及び左右縦枠を四周組みしてなり、案内レール111a、112a、121a、122aを備える枠体と、上下框21、22、31、32及び左右框を四周組みした框体の内周にパネル体を装着してなり、枠体の案内レール111a、112a、121a、122aに沿ってスライド移動して窓を開閉する障子2、3とを備え、枠体の少なくとも一辺には、框体の室内側面に向かって突出する突出部71、72が設けられ、突出部71、72は框体の室内側面に対して非接触状態で近接させる。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の開口部に設置される断熱サッシに関する。
従来、建物の開口部に設置されるサッシには断熱性が求められており、枠体を室内側部材と室外側部材とを断熱部材により連結して構成することにより、室内外に亘る熱の伝達を防止する引違い式の断熱サッシは知られている。
また、枠体及び框体の室内側部位を樹脂形材により形成して断熱性能を向上させた複合断熱サッシも知られている。
そして、引違い式の断熱サッシにおいて、室外側部材の外案内レールと室内側部材の内案内レールとの間に亘って樹脂製のカバー部材で覆うと共に、内案内レールの室外側に遮蔽部材を設けることにより、案内レールに直接外気等があたるのを防止して断熱性能を向上させた断熱サッシが知られていた(特許文献1)。
特開2001−55869号公報
通常、引違い式のサッシは障子と枠体とがタイト材で密閉され、室外と室内空間を遮断しているが、案内レール等を介して冷熱が伝達された空気が障子と枠体との間の空間で対流することにより冷熱が室内空間に伝達され、断熱性能の低下に繋がっていた。特に、障子上面と上枠内周面との間については、ケンドンによる立て込み寸法確保の都合上大きな空間を確保する必要が有り、また、障子をスライド移動させることから障子、枠体及びタイト材を接触させることにも制限があり、障子上面と上枠内周面との間の大きな空間での空気の対流による冷熱の伝達は無視できない存在だった。
上記特許文献1の断熱サッシにおいては、遮蔽部材を設けることにより、室内側部材の案内レールに直接外気があたることを抑制して断熱性能を向上させるものであるが、障子上面と上枠内周面との間の空間での空気の対流による冷熱の伝達については考慮されていなかった。
そのため、室外より室外側部材に伝達された冷熱は室外側部材の案内レールの室内面より輻射熱として空気に伝達され、さらに、障子と枠体との間の空間における空気の対流により室内に伝達されてしまう可能性があった。
また、枠体の室内側部位を樹脂形材により形成してなる複合断熱サッシにおいては、樹脂形材を固定するためのビスを介して伝達される冷熱が、障子と枠体との間の空間の空気の対流により室内に伝達されてしまう可能性があった。
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、障子の開閉動作に抵抗を与えることなく、冷熱の伝達された空気の室内空間への対流を抑制し、断熱性能を向上させることができる断熱サッシを提供することを目的とするものである。
本発明は、上下枠及び左右縦枠を四周組みしてなり、案内レールを備える枠体と、上下框及び左右框を四周組みした框体の内周にパネル体を装着してなり、枠体の案内レールに沿ってスライド移動して窓を開閉する障子とを備え、枠体の少なくとも一辺には、框体の室内側面に向かって突出する突出部が設けられ、突出部は框体の室内側面に対して非接触状態で近接していることを特徴とする。
枠体に設けた突出部により、障子と枠体との間の空間と室内空間とを分離して、冷熱の
伝達された空気の室内空間への対流を抑制することができる。しかも、枠体に設けた突出
部は、框体の側面に対して非接触状態で近接しているので、障子の開閉時に突出部が障子
に接触することなく、引違い障子のスムーズな開閉が維持できる。
本発明の第1の実施形態に係る断熱サッシの縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る断熱サッシの横断面図である。 本発明の断熱サッシの上枠の召合せ部分を下から見た平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る断熱サッシの上枠部分の拡大縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る断熱サッシの上枠部分の拡大縦断面図である。 本発明の実施形態に係る断熱サッシの突出部が近接する框体の下コーナー部側面を説明する斜視図である。
本発明の実施形態の断熱サッシの構成を、図面を参照して説明する。
(全体の構成)
本発明の実施形態の断熱サッシは、建物開口部に設置され、上枠11、下枠12及び右、左縦枠13,14を四周に組んでなる枠体1と、上框21,31、下框22,32、左右縦框(戸先框23,34及び召合せ框24,33)を四周に組んでその内周にパネル体が嵌め込まれてなる内、外障子2,3とからなり、枠体1に形成された内、外案内レールに沿って内、外障子2,3を左右方向に移動可能に支持することにより、引き違い窓として構成されている。
なお、本発明の断熱サッシは、引き違い窓に限るものではなく、片引き窓など、窓枠に対して障子を横にスライドさせて開閉するものであれば、どのような方式の断熱サッシであってもよい。
−実施形態−
本発明の第1の実施形態の断熱サッシを、図1乃至4を参照して説明する。
(枠体の構成)
上枠11は、アルミニウム等の金属材料により形成された室外側上部材111及び室内側上部材112と、室外側上部材111と室内側上部材112とを連結する樹脂等の断熱材からなる連結部材113と、室内側上部材112の下面内周に配置固定される樹脂製の樹脂上部材114とにより構成されている。
室外側上部材111の室外寄りの下面には、外障子3を案内する外案内レール(案内レール)111aが垂下されるとともに、室内側上部材112の室外側端部の下面には、内障子2を案内する内案内レール(案内レール)112aが垂下されている。
樹脂上部材114は、室内側上部材112の内案内レール112aの室内面を覆う室外壁部114aと、室内側上部材112の下面を覆う上壁部114bと、上壁部114bの室内側端より下方に垂下する室内壁部114cと、室内壁部114cの下端より室内側に延設する額部114dとからなる。
そして、樹脂上部材114の上壁部114bを室内側上部材112に係合した状態で、両者を貫通するネジg等で内周側から複数箇所固定することにより、建物の開口部に強固に取付けられている。
外案内レール111aと内案内レール112aの間には、室外側上部材111の下面を覆う樹脂製のレール間上カバー51が配置されている。
レール間上カバー51は、上枠11の略半分の長さを備えた略平板状の長尺の部材として構成されており、少なくとも上枠11の召合せ部上方位置に設置された風止板dと左縦枠14との間に配置され、内、外障子2,3の閉鎖時において室内に露出される室外側上部材111の下面から冷熱が室内に伝達されることを防止している。
そして、外案内レール111aの室内側におけるレール間上カバー51の下面、及び、内案内レール112aの室内側における樹脂上部材114の上壁部114bの下面には、軟質樹脂等軟質材のヒレ状の突出部71,72が下方に行くほど室内側となるように傾斜しながら垂下しており、外、内障子2,3の上面に近接または当接するように設けられている。
上記突出部71,72は軟質材により変形復元自在に形成されているので、内、外障子2,3をケンドンで立て込む際には、ヒレ状の突出部71,72は容易に変形し、立て込み作業をスムーズに行うことができる。また、施工後は元の形状に復元して突出部71,72の下端を内、外障子2,3上面に近接または当接させることができるので、上枠11内周面と内、外障子2,3上面の間に障子を建て込み可能とするために十分な間隔を確保しつつ、建て込み完了後は突出部71,72が該間隔の少なくとも一部の範囲を塞ぐことができる。
これにより、外、内案内レール111a,112aの室内側における上枠11内周面と外、内障子2,3上面の間の空間を室内空間と分離して、外、内案内レール111a,112aの室内側面から冷熱が伝達された空気が該空間を通って室内に流れる対流を抑止している。
さらに、突出部71,72は、下方に行くほど室内側となるように傾斜しながら垂下させているので、障子の建て込み時における変形が長手方向全長にわたって一様に行われ、途中でネジレなどが発生することを防止でき、復元時に良好な近接又は当接状態を保つことができる。
なお、ヒレ状の突出部71,72は、軟質樹脂としてレール間上カバー51又は樹脂上部材114の樹脂形材に一体成型して形成することができるが、ヒレ状の突出部71,72のみを別体として形成し係合手段等によりレール間上 カバー51又は樹脂上部材114に取付けて形成することもできる。さらに、突出部71,72は、軟質材により形成された半円の中空部やヒンジ部等により揺動するように支持された硬質のヒレ部材でもよく、また、障子の上面に設けてもよい。その他、障子の立て込み時に変形し、立て込みが完了した後には復元する部材であれば、特に制限されない。
樹脂上部材114の室内壁部114cの下端室外側には、内障子2の上框21の室内側面に近接するように突出部81が設けられている。突出部81は、樹脂上部材114と一体的に形成されるヒレ片として形成されており、内障子2上面の空間を室内空間とを分離して、内案内レール112aや樹脂上部材114を固定するネジgを介して冷熱が伝達された空気が内障子2の上面と上枠11の下面との間を対流して室内に流れ込むことを抑制している。
突出部81によって内障子2上面の空間を室内空間と分離して空気の対流が抑制されるので、内案内レール112aにより伝達される冷熱のみならず、樹脂上部材114を固定するネジgにより伝達される冷熱を抑制することができ、さらに良好な断熱性能を得ることができる。さらに、ヒレ状の突出部72や突出部81を樹脂上部材114に形成することにより、枠体及び障子の樹脂部分と突出部72,81とにより樹脂材により囲まれる空間を形成することができ、断熱性を向上させることができる。
下枠12は、アルミニウム等の金属材料により形成された室外側下部材121及び室内側下部材122と、室外側下部材121と室内側下部材122とを連結する樹脂等の断熱材からなる連結部材123と、室内側下部材122の上面内周に配置固定される樹脂製の樹脂下部材124とにより構成されている。
室外側下部材121の室外寄りの上面には外障子を案内する外案内レール121aが設けられ、室内側下部材122の室外側端部より内障子を案内する内案内レール122aが設けられている。
そして、外案内レール121aと内案内レール122aの間には、室外側下部材121の上面を覆う樹脂製のレール間下カバー52が配置されている。
レール間下カバー52は、下枠12の略半分の長さを備えた略平板状の長尺の部材として構成されており、少なくとも下枠12の召合せ部下方位置に設置された召合せブロック(図示しない)と左縦枠14との間に配置され、内、外障子2,3の閉鎖時において室内に露出される室外側下部材121の上面から冷熱が室内に伝達されるのを抑制している。
樹脂下部材124は、室内側下部材122の上面を覆う底壁部124aと、底壁部124aの室内側端より上方に延設する室内壁部124bと、室内壁部124bの上端より室内側に延設する額部124cとからなり、樹脂下部材124の室内壁部124bの上端室外側には内障子2の下框22の室内側面に近接するように、突出部82が設けられており、内案内レール122aの室内側における下枠12内周面と内障子2上面の間の空間を室内空間と分離して、内案内レール122aの室内側面から冷熱が伝達された空気の室内への対流を抑制している。
右縦枠13は、アルミニウム等の金属材料により形成され、内周面に内障子2の戸先框23に配置される引寄せブロックfが当接する引寄せ片131aが設けられた本体部材131と、本体部材131の室内側内周面に配置固定される樹脂右部材132により構成されている。
樹脂右部材132は、本体部材131に係合される取付部132aと、取付部132aの室内側端より内周方向へ延びる右縦壁部132bと、右縦壁部132bの内周側端より室内側へ延設する額部132cにより構成され、取付部132aを本体部材131に係合させた状態で、両者を貫通するネジg等で内周側から複数箇所固定することにより、建物の開口部に強固に取付けられている。
そして、樹脂右部材132の右縦壁部132bの内周端室外側面より内障子2の戸先框23の室内側面に近接するように突出部83が設けられており、内障子2の戸先面と右縦枠13内周面の間の空間を室内空間と分離して、内障子2の戸先面と右縦枠13内周面の間の空間を通る空気の対流を抑制している。
左縦枠14は、アルミニウム等の金属材料により形成され、内周面に外障子3の戸先框34に配置される引寄せブロックfが当接する引寄せ片141aが設けられた本体部材141と、本体部材141の室内側内周面に配置固定される樹脂左部材142により構成されている。
樹脂左部材142は、本体部材141に係合され左縦枠14の室内側内周面を覆う本体部142aと、本体部142aの室内側に延設する額部142bとにより構成されており、本体部142aの室外面内周側端より外障子3の戸先框34の室内側面に近接するように突出部84が設けられており、外障子3の戸先面と左縦枠14内周面の間の空間を室内空間と分離して、冷熱が伝達された空気が該空間を通って室内に流れる対流を抑止している。
なお、上記実施形態において、突出部81乃至84は、図4に見られるように、ヒレ状をなしているが、例えば、図5に見られるように、半円形状の中空部として形成してもよく、突出部を中空構造とすることにより、空気の対流を抑えるとともに、中空部内の空気により断熱性を向上させることができる。
樹脂左部材142の本体部142aは、上下方向の複数箇所において内周方向に開口する取付凹部142cを備えており、取付凹部142cの底壁を左縦枠14の本体部材141に重合させた状態で、両者を貫通するネジg等で内周側から複数箇所固定することにより、建物の開口部に固定されている。
なお、取付凹部142cは、樹脂左部材142の長手方向(上下方向)に連続する溝部として構成してもよい。
取付凹部142cの開口周縁には、開口の中心(中心線)に向かって延びる変形可能なヒレ状の突出部91,91が複数設けられており、樹脂左部材142を左縦枠14の本体部材141に重合させた状態でネジg等で固定した際に、アルミニウム等よりなる左縦枠14の本体部材141を介してネジg等に伝達された冷熱が室内への伝達されることを抑制すると共に、ネジg等の頭が室内に露出することによる意匠の低下を抑えている。
上記ヒレ状の突出部91,91は変形可能なヒレ状に形成しているので、ネジg等による固定作業時にはヒレ状の突出部91,91を変形させて作業することができ、作業終了時には復元して、取付凹部142c内の空気の対流による断熱性能の低下を抑えることができる。
なお、ヒレ状の突出部91,91を設けることに代えて取付凹部142cを目板で覆うことにより、断熱性能の低下を抑えながら、意匠の低下を抑えることもできる。
(障子の構成)
障子の構成について、内障子2を用いて説明する。
内障子2の上框21は、アルミニウム等の金属材料により形成された上框室外側部211と樹脂等により形成された上框室内側部212とからなる複合框として構成されており、上框21の外周には、上枠11に形成された内案内レール112aにより案内される案内溝が形成されている。
案内溝の室外側上端及び室内側上端には、内案内レール112aに当接もしくは近接するタイト材が取付けられており、上枠11と上框21との間を気密して、上框21の上面と上枠11下面との間を通って外気が直接室内に入り込むことを防止している。
内障子2の下框22は、アルミニウム等の金属材料により形成された下框室外側部221と樹脂等より形成された下框室内側部222とからなる複合框として構成されており、下框22の外周には案内溝が形成され、案内溝内には、下枠12に形成された内案内レール122a上を走行する車輪aが配置されている。
案内溝の室外側下端には、内案内レール122aに当接するタイト材が取付けられており、下枠12と下框22との間を気密して、下框22の下面と下枠12上面との間を通って外気が直接室内に入り込むことを防止している。
内障子2の戸先框23は、アルミニウム等の金属材料により形成された戸先框室外側部231と樹脂等より形成された戸先框室内側部232とからなる複合框として構成されている。
戸先框23の外周には右縦枠13に形成された引寄せ片131aに当接する引寄せブロックfが設置されているとともに、戸先框室外側部231の外周端には内障子2の閉鎖時に引寄せ片131aに当接するタイト材が取付けられており、右縦枠13と戸先框23との間を気密して、戸先框23の外周面と右縦枠13の内周面との間を通って外気が直接室内に入り込むことを防止している。
内障子2の召合せ框24は、アルミニウム等の金属材料により形成された召合せ框室外側部241と樹脂等により形成された召合せ框室内側部242とからなり、召合せ框室内側部242が召合せ框室外側部241の室内側面及び外周面、即ち、障子の閉鎖時に室内に露出する面を覆うように一体化され複合框として構成されている。
そして、召合せ框室外側部241の室外側面の略中央には片部が形成され、外障子3の召合せ框33の室内側面に形成された片部と協働して煙返しcを構成している。また、召合せ框室内側部242の外周面部分の室外側端には、外障子3の召合せ框33の室内側面に近接するように突出部85が設けられており、外障子3の召合せ框33と内障子2の召合せ框24との間の空間を室内空間と分離して、空気の対流を抑制している。
外障子3は、召合せ框33全体がアルミニウム等の金属材料により形成され、複合框として構成されていない点で内障子2と異なっている。そして、召合せ框33の室内側面に煙返しcを構成する片部を備えている。さらに、室内側面の外周端部には、内障子2の召合せ框24に当接するタイト材が取付けられており、外障子3の召合せ框33と内障子2の召合せ框24との間を通って外気が直接室内に入り込むことを防止している。
外障子3のその他の構成については、概ね内障子2と同様であるので、説明を省略する。
そして、本実施形態においては、内障子2は、戸先框23の内周の溝部bに上、下框21,22の端部を差し込んでなるホゾ組障子として構成されている。
図6に見られるように、ホゾ組障子は、上、下框21,22の見込み寸法が、戸先框23の見込み寸法よりも肉厚の寸法pだけ小さくなる。すなわち、戸先框23の室内側面が上,下框21,22の室内側面よりも肉厚の寸法pだけ室内側になる。
したがって、枠体1の内周開口部を四周に亘って一定の幅にした場合には、上,下枠11,12の室内壁部114c,124bの室外側面に設けた突出部81,82と、上,下框21,22の室内側面との間隔は、右縦枠13の右縦壁部132bの室外側面に設けた突出部83と戸先框23の室内側面との間隔より戸先框23の肉厚の寸法pだけ大きくなる。
そのような場合には、右縦枠13(戸先枠)については、右縦壁部132bの突出部83を小さなヒレ片により形成するか、もしくは右縦壁部132bに突出部83を設けずに右縦壁部132bを戸先框23の室内側面に直接近接させることにより、右縦枠13の突出部83と戸先框23の室内側面との間隔と、上下枠11,12の突出部81,82と上、下框21,22の室内側面との間隔を略同一にすることができる。
その他、上,下枠11,12の突出部81,82を中空部により大きめに形成するなど、それぞれの部位の間隔に応じて適宜適切な突出部を選択するのが好ましい。
さらに、戸先框23、召合せ框24の上端又は下端に上,下端部キャップ6を取付けて内障子2の隅部をおさめる際には、戸先框23、召合せ框24の上端又は下端に設けた上,下端部キャップ6に、例えば図6に示すように、上、下框21,22の室内側面と見込み方向で同一位置の鉛直面61を形成することにより、上、下框21,22の室内側面に左右方向に亘る面一部分wを形成し、上記突出部81,82の全長に亘って上、下框21,22の室内側面との間隔を同一となるように形成するのが好ましい。
なお、召合せ框24側については、外障子側の突出部81,82を適宜カッター等により切除することにより、突出部81,82と召合せ框24の上,下端部キャップ6の室内側面との間隔を略同一にすることもでき、その場合には、召合せ框24の上,下端部キャップ6に鉛直面を形成する必要はない。
本発明の実施形態の断熱サッシの断熱性能について検証する。
実施例1として、レール間上カバー51の下面にヒレ状の突出部71を設けた断熱サッシ、実施例2として、さらに、樹脂上部材114と樹脂下部材124と樹脂右部材132に、それぞれ突出部81,82,83を設けた断熱サッシを使用し、比較例として、上記ヒレ状の突出部71及び突出部81,82,83を設けないものとした。
以下に、本発明の実施例1,2及び比較例の熱貫流率を表1に示す。
なお、熱貫流率とは、サッシ等の断熱性能を評価する基準の一つとして用いられ、サッシ等の内外の温度差が1度あったときに、1時間当たり、1m2を通過する熱量をワットで表したものであり、数値が小さいほど断熱性に優れていることを表す。
表中、LE3−G16−3とは、Low−E 3ミリガラス+中間ガス層16ミリ+フロート透明3ミリガラスの複層ガラス、LE3−A16−3とは、Low−E 3ミリガラス+中間空気層16ミリ+フロート透明3ミリガラスの複層ガラス、3−G16−3とは、フロート透明3ミリガラス+中空気層10ミリ+フロート透明3ミリガラスの複層ガラスを示す。
Figure 2019116828
表1から、いずれの複層ガラスを用いたサッシにおいても、レール間上カバー51の下面にヒレ状の突出部71を設けることにより、窓枠のいずれの辺にも突出部を設けない比較例に対して、熱貫流率が0.04〜0.05ポイント改善され、さらに、樹脂上部材114と樹脂下部材124と樹脂右部材132に、それぞれ突出部81,82,83を設けることにより、0.04〜0.05ポイント改善されており、サッシの断熱性が向上していることがわかる。
以上のように、本発明の実施形態においては、枠体1の上、下枠11,12及び右縦枠13の内周端に設けた突出部81,82,83により、枠体1の内周面と内障子2の外周面との間の空間と室内空間とを分離して、上記空間を通って冷熱の伝達された空気が室内空間への対流することを抑制することができ、内案内レール112a、122aの室内側面から冷熱が伝達された空気や、樹脂枠材(樹脂上部材114、樹脂右部材132)を固定するネジgの頭部から冷熱が伝達された空気が該空間を通って室内に流れる対流を抑止することができる。
また、枠体1の左縦枠14に設けた突出部84、及び、ヒレ状の突出部91,91により、左縦枠14の内周面において冷熱が伝達された空気が室内に流れる対流を抑止することができる。
しかも、枠体1に設けた突出部81,82,83,84は、框体の側面に対して非接触状態で近接しているので、障子の開閉時に突出部81,82,83,84が内、外障子2,3に接触することなく、引違い障子のスムーズな開閉が維持できる。
さらに、本実施形態においては、特に、大きな空間を確保する必要のある上枠部分においては、上枠11の樹脂上部材114の下面、及び、上枠11の案内レール間に配置される樹脂製のレール間上カバー51の下面には、突出部71,72が垂下して形成されている。
以上の各突出部71,72,81〜84,91は、いずれか一つを設ければ、単独でも断熱性能向上の効果を備えるが、特に、枠体1の上、下枠11,12及び右縦枠13の内周端に設けた突出部81,82,83と、左縦枠14の内周部に設けた突出部84と、上枠11の下面に形成された突出部71とによって、サッシの略四周に亘って室内空間と分離した空間を形成することができ、より効率的に、空気対流による冷熱の伝達を防止することができる。
なお、各突出部の先端と上枠または上框のいずれか一方に当接または2mm以下程度となっていることが好ましいが、10mm以下程度となるように近接していれば、ある程度対流を抑えることができ、断熱性能を向上することができる。
1 窓枠
11 上枠
111a 外案内レール
111b 内案内レール
12 下枠
13 右縦枠
14 左縦枠
2 内障子
21 上框
22 下框
23 戸先框
24 召合せ框
3 外障子
31 上框
32 下框
33 召合せ框
34 戸先框

51 レール間上カバー
52 レール間下カバー

71、72 突出部
81〜85 突出部
91 突出部

Claims (1)

  1. 上下枠及び左右縦枠を四周組みしてなり、案内レールを備える枠体と、
    上下框及び左右框を四周組みした框体の内周にパネル体を装着してなり、枠体の案内レールに沿ってスライド移動して窓を開閉する障子とを備え、
    枠体の少なくとも一辺には、框体の室内側面に向かって突出する突出部が設けられ、突出部は框体の室内側面に対して非接触状態で近接している
    ことを特徴とする断熱サッシ。
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