JP2019116673A - 無電解めっき用フィルム - Google Patents

無電解めっき用フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2019116673A
JP2019116673A JP2017252100A JP2017252100A JP2019116673A JP 2019116673 A JP2019116673 A JP 2019116673A JP 2017252100 A JP2017252100 A JP 2017252100A JP 2017252100 A JP2017252100 A JP 2017252100A JP 2019116673 A JP2019116673 A JP 2019116673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
electroless plating
film
resin
insert
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017252100A
Other languages
English (en)
Inventor
達也 中辻
Tatsuya Nakatsuji
達也 中辻
卓実 田中
Takumi Tanaka
卓実 田中
央 草香
Hiroshi Kusaka
央 草香
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IOX KK
Mitsubishi Chemical Corp
Toyota Motor East Japan Inc
Iox KK
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
IOX KK
Mitsubishi Chemical Corp
Toyota Motor East Japan Inc
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Iox KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IOX KK, Mitsubishi Chemical Corp, Toyota Motor East Japan Inc, Mitsubishi Chemical Holdings Corp, Iox KK filed Critical IOX KK
Priority to JP2017252100A priority Critical patent/JP2019116673A/ja
Publication of JP2019116673A publication Critical patent/JP2019116673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】難めっき基材に対して、部分めっきされた部分の見切りを鮮明に形成でき、外観、密着性、及び耐食性に優れた無電解めっき皮膜を形成するための無電解めっき用フィルムおよび無電解めっき物を製造する方法の提供。【解決手段】少なくとも(A)触媒層、及び(B)インサート層を含み、前記(A)触媒層が、(ア)分散剤とパラジウム粒子(Pd粒子)との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有する触媒組成物からなるインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムであって、(1)(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び、(2)上記工程のインサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理及び無電解めっきを行う工程、を含む方法とする。【選択図】図2

Description

本発明は、難めっき基材に対して、部分めっきされた部分の見切りを鮮明に形成でき、外観、密着性、及び耐食性に優れた無電解めっき皮膜を形成するための無電解めっき用フィルムに関する。
ポリプロピレン(PP)やアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)等の樹脂成形品に、部分的な装飾めっきを形成する方法として、現在、一般的に実施されている工法は次の通りである。
ABS及びポリカーボネート(PC)の二色成形品で、ABSのみを選択的にめっきすることにより部分めっきを表現する方法がある。このプロセスは、成形金型として単色成形金型を用いる方法と比較すると、金型費用が約2倍かかる。また、ABSとPCの見切りに成形ガスによる汚染があると、めっき後の見切りにバリ等の不具合が発生してしまう。その結果、成形金型のメンテナンス周期も短くなる傾向がある。
また、ABSとPCは成型時の熱で溶融することで互いの界面が明瞭にならず、めっき界面の見切りが明確に形成できないことがある。
その他、全面めっきを施し、次いでめっき体裁部にマスキングを行い、非めっき部に塗装等を施して、次いでマスキングを剥離することにより、めっき部と塗装部(非めっき部)の組み合わせにより部分めっきを表現する方法がある。このプロセスは、マスキング等の工程が必要となり、工数も増えるため、より多くの製造費用がかかる。しかも、めっき上の塗装が必要になり、めっきと塗装との間で密着性に問題がある。
また、成形後に未めっき部に塗装等の方法によりマスキングを実施し、次いで未マスキング部にめっきを施し、次いで、マスキングを剥離することにより、部分めっきを表現する方法がある。このプロセスも、マスキング等の工程が必要となり、工数も増えるため、より多くの製造費用がかかる。しかも、めっき上の塗装が必要になり、めっきと塗装との間で密着性に問題がある。
また、マスキングめっき工法は、めっき面と被めっき面の界面から水分が浸透し易く、溶剤、人工汗、香水、油分などの液剤剥離が起こり易い状態にあるという問題もある。
樹脂成形品のめっきでは、樹脂成形品とめっきとの間に、優れた密着性が要求される。そのため、樹脂成形品の表面に微細な凹凸を形成するエッチングを行う(粗化する)ことで、アンカー効果(投錨効果)を付与することができる。しかし、このエッチングは、工程が煩雑である上、クロム酸等の環境負荷の高い薬品を使用する必要がある。
従来技術は、光沢フィルムを成型と同時に張り付けることができるが、金属箔なので伸ばすと割れてしまい、追随性に限界がある(図1)。
そのため、見切りが明瞭であり、クロム酸エッチングを使わずに高い密着性と耐久性を持つ立体形状への部分めっき方法が求められている。
従来技術は次の通りである。
特許文献1では、樹脂部品の金属調加飾として、アルミ蒸着フィルムをインサート成型により張り付ける手法が提案されている。しかし、特許文献1の方法は、めっきではなく真空蒸着による金属外観のため、クロムめっきの高級外観には見劣りする。また、アルミの伸び率に限界があるため複雑な立体形状に追随できない。
特許文献2では、互いに相溶性のない易めっき樹脂と難めっき樹脂による2色成型により、見切りを明瞭にする方法が提案されている。しかし、特許文献2の方法では、エッチング工程が必要であり、環境負荷が高く、工程が煩雑である。また、一方の樹脂は難めっき樹脂に限定されるため、使用できる基材がPPE、PPSなどの樹脂に制限される。
特許文献3は、無電解めっき用転写フィルム用触媒組成物から、インモールド転写により触媒組成物層を被着体に転写させることで、被着体上に触媒組成物層を形成させる方法が提案されている。
特許文献4は、Pdと分散剤の複合体、ナノ粒子、バインダー樹脂、溶媒からなる塗料を基材に塗布、硬化させ、次いでめっき処理を行うことにより密着性の高いめっき皮膜を形成する手法である。
特開平10-264201号公報 特開2015-172221号公報 特許第5843992号 特許第6072330号
本発明は、難めっき基材に対して、部分めっきされた部分の見切りを鮮明に形成でき、外観、密着性、及び耐食性に優れた無電解めっき皮膜を形成するための無電解めっき用フィルムを提供することが目的である。
本発明は、難めっき基材に対して、部分めっきされた部分の見切りを鮮明に形成でき、外観、密着性、及び耐食性に優れた無電解めっき皮膜を形成するための無電解めっき用フィルムである。
請求項1:
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムであって、
少なくとも(A)触媒層、及び(B)インサート層を含み、
前記(A)触媒層が、(ア)分散剤とパラジウム粒子(Pd粒子)との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有する触媒組成物からなる、
フィルム。
請求項2:
前記(B)インサート層がアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなる、請求項1に記載のフィルム。
請求項3:
請求項1又は2に記載のフィルムを製造する方法であって、
(1)(B)インサート層に、触媒組成物を塗布し、(A)触媒層を設ける工程
を含む方法。
請求項4:
請求項1又は2に記載のフィルムを用いて無電解めっき物を製造する方法であって、
(1)無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
(2)工程(1)のインサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理、及び無電解めっきを行う工程
を含む方法。
請求項5:
前記無電解めっき物がパターンめっき物である、請求項4に記載の方法。
本発明は、特許文献1と違って、塗膜が伸びることで追随し、後加工でめっきを行う。本発明は、複雑な形状に対してもクロムメッキの高級外観をインサート成型で形成することが可能である。
本発明は、特許文献2と違って、エッチング工程を必要としない。本発明は、環境への負荷が小さい。本発明は、ABSとABSとの場合、易めっき樹脂どうしの部分めっきも可能である。
特許文献3(図2)は、フィルムから触媒組成物層(メタロイド転写箔)を被着体に転写させる技術である。特許文献3は、メッキを後付けできるので、立体形状に追随できること、メタロイド塗膜を塗装レスで基材に形成できること、接着剤の選定で様々な基材に密着させること等が可能である。
特許文献3は、転写された塗膜表面は平滑になるため光沢は出ること、アンカー効果による密着性、基材とメタロイドとの2つに密着する接着層を選定すること等は、検討の余地が有る。
本発明(図2)は、触媒組成物層が形成されたフィルムを被着体に貼り付けることで、被着体、フィルム、塗料組成物からなるめっき触媒層を形成する。本発明は、特許文献3とは異なる技術である。
本発明(図2)は、塗料組成物が塗布されたシートを無電解めっき前処理として用いる。本発明は、特許文献4とは異なる技術である。本発明により形成された厚膜化されためっきは、特許文献4の技術に比べて、めっきの見切りがより明瞭である。
本発明は、難めっき基材に対して、部分めっきされた部分の見切りを鮮明に形成でき、外観、密着性、及び耐食性に優れた無電解めっき皮膜を形成するための無電解めっき用フィルムを提供する。
従来の無電解めっきの工程を説明する図である。 本発明の無電解めっきの工程を説明する図である。 従来のめっき工法により、マスキング無しで厚膜化した際の基材とめっきとの見切りを説明する図である。 本発明により、マスキング無しで厚膜化した際の基材とめっきとの見切りを説明する図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の優位性
(1)本発明では、インサートシートは熱可塑性であり、各種材料への接着性が強く、ポリカーボネート(PC)等の難めっき樹脂に対して、溶着して強固に密着する。本発明では、溶着しづらいPP等の樹脂に対しても、インサートシートの裏面に接着層を形成させることで、強固に密着させることができる。
(2)本発明では、インサートシートは、熱可塑性のため、加熱すると延伸させることができる。また、シート状に形成された塗料組成物層も延伸に追随して、無電解めっき前処理層としての機能を維持することができる。本発明では、インサート成型時にシート、及び塗料組成物層が追随して、立体形状にめっきをすることが可能になる。
また、本発明では、成型時に塗料組成物が塗布されたインサートシートをパターンで打ち抜くことにより、容易に部分めっきが可能である。
(3)従来、マスキングめっきにより厚みのあるめっきを形成すると、めっき端部に電流が集中するため、端部がめっき不良になる問題があった。
従来技術に比べて、本発明は、インサート成型時にシートが基材側に沈み込み、塗装箇所と非塗装箇所に段差がなく平坦面になるため、端部に電流が集中せず、部分めっきをしても端部の見切りが明瞭な形状になる。本発明では、電気めっきにより厚膜化をしても、横方向にめっきが広がらないので、パターン形状が崩れることを抑制することができる。
(4)従来、端部が横に広がることにより、基材との密着性が十分に取れていない端面が形成されることで、端面から水等が染み込み易くなり、耐水性の低下に繋がっていた。
従来技術に比べて、本発明は、端面の広がりが抑制し、高い耐水性が得られる。
(5)従来、めっき皮膜と熱膨張係数との差が大きい基材では、熱負荷がかかると応力差で剥離が生じ易くなる。
従来技術に比べて、本発明は、インサートシートが間に入ることで、緩衝作用が生まれ、めっき皮膜と基材との応力差を緩和することができる。
(6)従来、メタロイド技術等では、高密着性と対候性のあるめっき皮膜を得るためには、熱硬化性樹脂を使用する。硬化温度が高く、耐熱性の低いABSやPC等の基材を使う場合、長時間の熱処理が必要である。
本発明では、インサート成型時に200〜300℃の高温にさらされ、熱硬化時間を短縮することが可能になる。
本発明では、無電解めっき用塗料組成物はABSシートに密着すれば良く、基材別に配合変更する必要がない。
[1]インサート成型で用いる無電解めっき用フィルム
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムは、少なくとも(A)触媒層、及び(B)インサート層を含み、前記(A)触媒層が、(ア)分散剤とパラジウム粒子(Pd粒子)との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有する触媒組成物からなることを特徴とする。
(B)インサート層は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなることが好ましい。
(A)触媒層
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムは(A)触媒層を含む。
(A)触媒層は、(ア)分散剤とPd粒子との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有する触媒組成物からなる。
(ア)分散剤とPd粒子との複合体(Pd複合体)
(A)触媒層を構成する触媒組成物は(ア)分散剤とPd粒子との複合体(以下「Pd複合体」とも記す)を含有する。
前記Pd複合体は、次の方法で製造することができる。
ポリカルボン酸系高分子等の分散剤の存在下、塩化パラジウム等のパラジウム化合物(以下「Pd化合物」とも記す)から供給されるパラジウムイオン(以下「Pdイオン」とも記す)を、ヒドラジンヒドラート等の2級又は3級アミン類で還元することによって得ることができる。
分散剤
前記分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤等を用いることが好ましい。分散剤は、市販品を使用することもできる。
ポリカルボン酸系高分子分散剤として、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸トリエチルアミン塩、ポリカルボン酸トリエタノールアミン塩等を使用することが好ましい。例えば、サンノプコ(株)製ノプコサントK,R,RFA、ノプコスパース44-C、SNディスパーサント5020, 5027, 5029, 5034, 5045, 5468、花王(株)製デモールP,EP,ポイズ520, 521, 530, 532A等を使用することができる。
ヒドロキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン酸塩等を使用することが好ましい。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製DISPERBYK190, 2010等を使用することができる。
カルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤として、アクリル酸−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸−スルホン酸共重合体等を使用することが好ましい。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)DISPERBYK180, 187, 191, 194、(株)日本触媒製アクアリックTL, GL, LSを使用することができる。
分散剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。分散剤の中でも、カルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤が好ましい。
Pd粒子
Pd粒子は、分散剤の存在下、Pd化合物から供給されるPdイオンを、還元剤を用いて還元することによって得ることができる。
前記Pdイオンを供給するPd化合物として、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、安息香酸パラジウム、サリチル酸パラジウム、パラトルエンスルホン酸パラジウム、過塩素酸パラジウム、ベンゼンスルホン酸パラジウム等を用いることが好ましい。
Pd化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記還元剤として、ヒドラジンヒドラート(ヒドラジン1水和物)、水素化ホウ素ナトリウム、N,Nジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等の2級又は3級アミン類を用いることが好ましい。
還元する際に使用される溶媒(分散剤及びPdイオンを存在させるための溶媒)は、次の(イ)溶媒を使用することができる。溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。Pdイオンを還元する方法としては、溶媒中に分散剤及びPdイオンを存在させた後、還元剤を前記溶媒中に加える方法が挙げられる。これによりPdイオンと還元剤とが接触し、Pdイオンを還元することができる。
Pd粒子の多くは、分散剤の外側に付着していると考えられる。例えば、Pd複合体の形状(分散剤全体の形状)が密集した球状である場合、Pd粒子の多くは当該球状の表面側(外側)に付着していると考えられる。
Pd複合体中のPd粒子と分散剤との重量比は、Pd粒子:分散剤=35:65〜85:15程度が好ましく、Pd粒子:分散剤=50:50〜75:25程度がより好ましい。
Pd粒子単独の平均粒子径は、特に限定されず、2〜10nm程度が好ましい。Pd粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定することが可能である。Pd粒子単独の平均粒子径は、Pd粒子をランダムに10点選択し、そのPd粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡で測定して、個数平均することで算出することができる(個数基準平均径)。
Pd複合体の平均粒子径は、特に限定されず、全体としては平均粒子径10〜300nm程度の球形状の構造を有していることが好ましく、10〜100nmがより好ましい。Pd複合体の平均粒子径は、粒径アナライザー(大塚電子株式会社、FPAR-1000)で測定することが可能である(重量基準平均径)。
(イ)溶媒
(A)触媒層を構成する触媒組成物は(イ)溶媒を含有する。
溶媒(分散媒)は、Pd複合体を分散させることができる。また、溶媒はバインダーとの親和性に優れている。無電解めっき用塗料組成物中のPd複合体の分散性を付与できるという観点から、水及びN-メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
非プロトン性極性溶媒として、NMP、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等の非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド;γ-ブチロラクトン等を用いることが好ましい。非プロトン性極性溶媒の中でも、NMP、DMF及びDMAcからなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましい。
溶媒は、Pdイオンの還元反応後に変換することが可能である。例えば、溶媒を水からNMPに変換することが可能である。
Pd複合体の分散溶媒の含有量は、特に限定されず、前記Pd複合体100重量部に対して、1×102〜1×106重量部程度が好ましい。溶媒が水である場合は、前記Pd複合体100重量部に対して5×103〜3×105重量部が好ましく、1×104〜2×105重量部がより好ましい。溶媒が非プロトン性極性溶媒である場合は、前記Pd複合体100重量部に対して5×102〜5×103重量部が好ましく、1×103〜3×103重量部がより好ましい。
溶媒は、更に、前記触媒組成物に含まれる(ア)Pd複合体の分散性、(ウ)バインダーの溶解性、及び(エ)ナノ粒子の分散性等を考慮して、選択することができる。更に触媒組成物の粘度、蒸発速度、触媒組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性の観点で選択することが好ましい。これらの観点を満足させるため、前記Pd複合体の分散を目的として使用した溶媒の他に、更に別種の溶媒を追加して用いることができる。
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、1-ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、シクロヘキサノン等のケトン類等を追加で用いることが好ましい。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル等の芳香族カルボン酸エステル類等を追加で用いることが好ましい。
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n-へキサン、n-へプタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類等を追加で用いることが好ましい。
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類等を追加で用いることが好ましい。
酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルカノールエステル類;2-フェノキシエタノール(エチレングリコールフェニルエーテル)等を追加で用いることが好ましい。
特に、印刷性及び塗装性、印刷・塗装後のレベリング過程を考慮して、蒸発速度が遅い溶媒の使用が好ましい。
蒸発速度が遅い溶媒として、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート及び2-フェノキシエタノールが例示される。これらの溶媒は希釈溶媒として用いることができる。
溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ウ)バインダー
(A)触媒層を構成する触媒組成物は(ウ)バインダーを含有する。
バインダーは、触媒組成物の粘度、触媒組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性、硬化条件等の観点から、良好に無電解めっきの反応性が得られるものを選択することが好ましい。バインダーは、前記溶媒に分散又は溶解するものである。
具体的には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、シェラック樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル塩化ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂等を用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂は、アクリル酸エステルの重合体若しくはメタクリル酸エステルの重合体又はこれらをコモノマーとする共重合体であり、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等を用いることが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂とは、ポリイミド主鎖にアミド結合を導入した樹脂であり、無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応や無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応等で得られる樹脂を用いることが好ましい。
バインダーは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、エポキシ樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種が更に好ましい。
バインダーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
バインダーの含有量は、Pd複合体100重量部に対して、1〜1×105重量部程度が好ましく、50〜5×104重量部程度がより好ましい。
(エ)ナノ粒子
(A)触媒層を構成する触媒組成物は(エ)ナノ粒子を含有する。
ナノ粒子は、無電解めっきの反応の妨げとならなければ、特に限定されるものではない。
ナノ粒子として、無機系酸化物を用いることが好ましい。
無機系酸化物としては、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等を用いることが好ましい。
無機系酸化物の中でも、二酸化ケイ素を主成分とするナノ粒子を用いることが好ましい。二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とするナノ粒子としてシリカがある。シリカは、二酸化ケイ素の他に無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコンと呼ばれる。二酸化ケイ素を主成分とするナノ粒子は、ナノ粒子自体がアルカリ処理にて、溶解するため、無電解めっきの反応性及び密着性が高い。
アルカリ処理にて溶解しないナノ粒子であっても、バインダー樹脂を用いることで、バインダー樹脂がアルカリ処理にて膨潤し、溶解する。その結果、そのナノ粒子とバインダーとの間に隙間が生じ、またナノ粒子が脱落するため、アルカリ処理にて溶解するナノ粒子と同程度の効果を得ることができる。
ナノ粒子として金属粒子を使用すると、添加した金属が前記バインダーである有機成分の酸化分解触媒として働く場合がある。そのため、本発明では、ナノ粒子として金属粒子を使用することはあまり好ましくない。
ナノ粒子の形状は、特に限定されない。ナノ粒子の形状は、球形、多角形等であることが好ましい。
ナノ粒子添加量は、前記バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部程度が好ましく、0.05〜20重量部程度がより好ましく、0.1〜3重量部程度が更に好ましい。ナノ粒子の添加量が前記範囲であることで、触媒組成物の粘度が良好に維持され、塗布し易い触媒組成物となる。
また、触媒組成物と基材との密着性が良好であり、無電解めっき膜が容易に剥離されない。言い換えると、ナノ粒子の添加量が多過ぎると、粘度上昇が大きくなり過ぎ、塗布し難くなる傾向がある。また、触媒組成物と基材との密着性が低くなり、無電解めっき膜がテープで容易に剥離する現象を引き起こす傾向がある。少ないと添加の効果を十分に得ることができない。
ナノ粒子の平均粒子径は、10〜1,000nm程度の範囲であることが好ましく、10〜500nm程度がより好ましく、10〜250nm程度が更に好ましい。
ナノ粒子に規定する平均粒子径の範囲を満たさない粒子が含まれていても、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に制限されない。
本発明で、ナノ粒子の平均粒子径とは、ナノ粒子の一次粒子の粒子径を意味する。
ナノ粒子の粒子径は、その粒子径範囲により、およそ0.1μm以下であれば動的光散乱法や電子顕微鏡観察によりにより求めることが可能である。また、ナノ粒子の粒子径は、およそ0.1μm以上であればレーザー回折・散乱法により求めることが可能である。
ナノ粒子の平均粒子径は、動的光散乱法で測定したものは散乱光強度基準による調和平均粒子径(直径)とする。ナノ粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で測定したものは体積基準のメジアン径とする。
ナノ粒子の平均粒子径が10〜1,000nm程度の範囲であることで、粒子は凝集され難く、分散性が良好で、触媒組成物の扱い性が良い。また、ナノ粒子を含むインキ組成物を使用した場合に、めっき後の外観が良好である。
言い換えると、ナノ粒子の平均粒子径が10nm未満の粒子は、凝集力が強く、分散し難くなり、触媒組成物の良好な扱い性を得られなくなる傾向がある。また、触媒組成物に平均粒子径が1,000nmを超えるナノ粒子を使用すると、インキ組成物を用いてめっきすると、外観が劣る傾向がある。
ナノ粒子の表面処理
ナノ粒子は表面処理されていることが好ましい。つまり、触媒組成物は、ナノ粒子を含み、それは表面処理されたナノ粒子であること(表面処理ナノ粒子)が好ましい。
ナノ粒子が表面処理されていることで、ナノ粒子同士が良好に分散し、再凝集が引き起こさず、触媒組成物を用いて均一なめっきを得ることができる。言い換えると、表面処理がないと、粒子同士の分散不良並びに再凝集が起き易く、均一なめっきとならない傾向がある。
ナノ粒子の表面処理として、親水性処理及び疎水性処理を共に利用することができる。ナノ粒子の表面処理は、触媒組成物に含まれる前記溶媒及びバインダーの種類によって、適宜選択することができる。
ナノ粒子の表面処理は、前記バインダー及び溶媒が疎水性を持つものが多いことから、疎水性処理が好ましい。疎水性処理として、シランカップリング剤を用いた表面処理が好ましい。
表面処理に使用されるシランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いることが好ましい。
表面処理として分散安定性の観点から、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
ナノ粒子(無機系酸化物)の表面処理は、例えば、未処理の無機充填材を混合機で常温にて攪拌分散させながら、前記シランカップリング剤を添加噴霧して5〜15分間攪拌することによって行なうことができる。混合機として、公知の混合機を使用することができ、例えばブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル等を用いることが好ましく、ミキサーを用いることがより好ましい。
例えば、シランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシラン((CH3O)3SiC6H5)、フェニルトリエトキシシラン((C2H5O)3SiC6H5)等を用いると、ナノ粒子の表面をフェニルシラン処理することが可能である。触媒組成物は、表面がフェニルシラン処理されたナノ粒子、言い換えると、表面がフェニルシラン基で表面改質されたナノ粒子やりフェニルシラン表面処理ナノ粒子を含むことが好ましい。
シランカップリング剤の処理量はナノ粒子100重量部当たり0.5〜2重量部程度が好ましい。
ナノ粒子は、平均粒子径が10〜1,000nm程度の球状シリカであることが好ましく、シリカはシランカップリング剤で表面処理(疎水性処理)されていることが好ましい。
触媒組成物はナノ粒子(二酸化ケイ素等)や表面処理されたナノ粒子(フェニルシラン処理されたシリカ等)を含む。これを用いて、所定の方法にて、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理、次いで無電解めっき処理を行うことで、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜を形成することが可能である。触媒組成物を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。
触媒組成物はナノ粒子や表面処理されたナノ粒子を含むことから、これを用いて形成させた皮膜は、温度差による基材とめっき皮膜の間に生じる応力を緩和する効果に優れる。その皮膜は、基材とめっき皮膜との間に存在することで、その応力を緩和し、密着力の低下を防ぐことが可能になる。
触媒組成物を用いて形成させためっき皮膜は、温度差の大きい環境に長時間曝されても、高い密着性を維持することができる。
(オ)触媒組成物の製造方法
触媒層を形成する触媒組成物は次の方法で製造することができる。Pd粒子は、前述の通り、分散剤の存在下、Pd化合物から供給されるPdイオンを、還元剤を用いて還元することによって得ることができる。
即ち、本発明の触媒組成物は、
(i)(イ)溶媒中に、Pdイオンと分散剤とを存在させ、還元剤を用いてそのPdイオンを還元し、(ア)Pd粒子と分散剤との複合体を作製する工程、
(ii)(イ)溶媒中に、(エ)ナノ粒子を分散させ、次いで(ウ)バインダーを混合して混合物を作製する工程、並びに、
(iii)前記工程(i)で得られた(イ)溶媒及び(ア)Pd粒子と分散剤との複合体の混合物に、前記工程(ii)で得られた(イ)溶媒、(エ)ナノ粒子及び(ウ)バインダーの混合物を混合する工程、
を含む製造方法により製造することが好ましい。
工程(i)及び工程(ii)は、どちらが先の工程であっても良い。
前記製造方法によれば、パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用される触媒組成物を製造することができる。
触媒組成物(触媒層)を用いると、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜形成することが可能である。触媒組成物(触媒層)を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。
触媒組成物(触媒層)を用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきの還元剤濃度を高めたり、反応温度を上げたりする等の処理を必要としない。触媒組成物(触媒層)を用いると、更に、有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
工程(i)
(イ)溶媒中に、Pdイオンと分散剤とを存在させ、還元剤を用いてそのPdイオンを還元し、(ア)Pd粒子と分散剤との複合体を作製する。
先ず、Pdイオンと分散剤とを溶媒(分散媒)中に存在させる。Pdイオンとして、供給源として前記Pdイオンを供給するPd化合物を使用することができる。
各成分の使用量(重量部)は「Pd化合物」基準とする。
分散剤として、前記分散剤を使用することができる。Pdイオンと分散剤との使用比率(重量比)は、Pd化合物100重量部に対して、分散剤を10〜200重量部程度使用することが好ましく、30〜150重量部程度がより好ましく、50〜100重量部程度が更に好ましい。
溶媒として、前記水等の(イ)溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、Pdイオンと分散剤を均一に存在させることができれば特に限定されず、Pd化合物100重量部に対して、1×104〜3×105重量部程度が好ましく、1×104〜1×105重量部程度がより好ましい。
次に、Pdイオンと還元剤とを反応させることにより、Pdイオンが還元剤によって還元される。即ち、Pdイオンの還元反応が生じ、結果として前記(ア)Pd粒子と分散剤との複合体(Pd複合体)を得ることができる。その還元剤として、前記Pd複合体を作製するために使用される還元剤を使用することができる。還元剤の使用量は、特に限定されず、Pd化合物100重量部に対して、100〜800重量部程度が好ましく、200〜600重量部程度がより好ましい。
還元剤を用いる反応は、35〜45℃程度の温度で行うことが好ましく、50〜60℃程度まで昇温することが好ましい。反応時間は、特に限定されず、1〜5時間程度とすることが好ましい。
反応の際の圧力及び雰囲気は、特に限定されず、大気圧下又は大気(空気)雰囲気下で行うことが好ましい。反応はビーカー等の開放系で行うことができる。反応方法として、Pdイオン(Pd化合物)、分散剤及び還元剤を含有する溶液を羽根付き撹拌棒で撹拌することが好ましい。
溶媒及びPd粒子と分散剤との複合体を含む混合物(Pd複合体含有液)を限外濾過し、Pd粒子と分散剤との複合体を分離することが好ましい。この操作により、Pd複合体含有液に含まれる無機塩や過剰の分散剤等を除去することができる。例えば、Pd複合体含有液に対して濾過処理を行い、水、NMP等の溶媒を補填することが可能である。この処理は、操作を繰り返すことができる。
Pdイオンの還元反応後に溶媒を変換することが可能である。例えば、前記溶媒として水を使用し、その後、前記水をNMP等(溶媒、分散媒)に変換することにより、NMP((イ)溶媒)及び(ア)Pd粒子と分散剤との複合体の混合物を作製することが可能である。
工程(ii)
(イ)溶媒中に、(エ)ナノ粒子を分散させ、次いで(ウ)バインダーを混合して混合物を作製する。
ナノ粒子を溶媒(分散媒)中に分散させる。ナノ粒子は、前記ナノ粒子を使用することができ、表面処理されたナノ粒子を用いることが好ましい。ナノ粒子は、平均粒子径が10〜1,000nm程度の球状シリカであることが好ましく、シリカはシランカップリング剤で表面処理(疎水性処理)されていることが好ましい。
溶媒として、前記2-フェノキシエタノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等の(イ)溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、ナノ粒子を均一に存在させることができれば特に限定されず、ナノ粒子100重量部に対して、100〜10,000重量部程度が好ましく、200〜5,000重量部程度がより好ましい。
バインダーとして、前記(ウ)バインダーを使用することができる。バインダーの使用量は、触媒組成物の粘度、触媒組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性、硬化条件等の観点から、ナノ粒子100重量部に対して、1〜10,000重量部程度が好ましく、5〜2,000重量部程度がより好ましく、33〜1000重量部程度が更に好ましい。
混合は、特に限定されず、大気圧下又は大気(空気)雰囲気下で行うことが好ましい。混合はビーカー等の開放系で行うことができる。混合方法として、溶媒、ナノ粒子及びバインダーを含有する混合物を羽根付き撹拌棒で撹拌することが好ましい。
工程(iii)
前記工程(i)で得られた(イ)溶媒及び(ア)Pd粒子と分散剤との複合体の混合物に、前記工程(ii)で得られた(イ)溶媒、(エ)ナノ粒子及び(ウ)バインダーの混合物を混合する。
(B)インサート層
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムは(B)インサート層を含む。
(B)インサート層はABS樹脂からなることが好ましい。
(B)インサート層は、ABS製インサート成型用シートを用いることが好ましい。
ABS樹脂は軟化温度が低く、またポリカなど難めっき樹脂に対して溶着性が高いという点で、好ましい。また、ABS樹脂は自動車用めっき部品として広く使用されているため、材料としての信頼性が高い点でも好ましい。
[2]インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムの製造方法
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムは、少なくとも(A)触媒層、及び(B)インサート層を含み、前記(A)触媒層が、(ア)分散剤とPd粒子との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有する触媒組成物からなることを特徴とし、
(1)(B)インサート層に、触媒組成物を塗布し、(A)触媒層を設ける工程
を含む方法により、製造することができる。
(B)インサート層はABS樹脂からなることが好ましい。
触媒組成物は、(ア)分散剤とPd粒子との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有し、各成分は前述の通りである。
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムの(B)インサート層に、触媒組成物を塗布し、(A)触媒層を設ける方法を説明する。
触媒組成物の塗布処理
(B)インサート層に対して触媒組成物を塗布する方法は限定されない。
塗布方法としては、バーコーター、グラビア印刷機(グラビアオフセット)、ダイレクトグラビア、マイクログラビア、ダイコーター、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、ディスペンサー、ディッピング、スプレー、スピンコーター、ロールコーター、リバースコーター、スクリーン印刷機等を用いる塗布方法がある。
マスキングレスや生産効率の観点ではグラビアオフセット印刷やパッド印刷、ディスペンサーが好ましい。パターンによってはスプレー塗装が好ましい。
塗布方法に合わせて、触媒組成物の粘度を調整することが好ましい。
グラビアオフセット印刷やパッド印刷にて塗布する場合、触媒組成物の粘度は50〜1,000mPa・s程度が好ましい。
ディスペンサーにて塗装する場合や、マスキングを施した上で、スプレー塗装する場合、触媒インキ組成物の粘度は100mPa・s程度以下が好ましい。
乾燥及び硬化前の触媒組成物の膜厚は、使用用途によって適宜選択することができ、触媒組成物の粘度に依存する。その膜厚は、触媒組成物を良好に塗布できる観点から、1〜120μm程度が好ましく、10〜100μm程度が更に好ましい。その膜厚であれば、触媒組成物は液垂れを引き起こない。
硬化処理
(B)インサート層に触媒組成物を塗布した後、触媒組成物に含まれる溶媒(溶剤)を揮発及び/又は乾燥させ、次いで硬化処理を行う。硬化処理により、バインダーが硬化される。
(B)インサート層に触媒組成物を塗布した後、乾燥処理を行うことができる。乾燥処理によって、無電解めっきを行う際に不必要な溶媒を効率的に除去すると共に、塗膜と(B)インサート層との密着性及び塗膜の表面強度を向上させることができる。
乾燥処理の温度は、60〜400℃程度が好ましく、80〜150℃程度がより好ましい。乾燥処理の時間は、乾燥温度に合わせて、6秒〜60分程度が好ましく、1分〜45分程度がより好ましい。
硬化処理の温度は触媒組成物に含まれる前記(ウ)バインダーの種類に合わせて調整することができる。硬化処理の温度は40〜400℃程度が好ましい。また、(B)インサート層としてプラスチックを用いる場合、プラスチック素材の軟化温度を考慮し、硬化処理の温度を40〜200℃程度に設定することが好ましい。
乾燥及び硬化後の触媒組成物の膜厚((A)触媒層)は、触媒組成物の固形分濃度に依存する。その膜厚は、無電解めっきを効率良く行うことができ、十分なめっき密着性が発揮されるという点から、0.05〜20μm程度が好ましく、1〜5μmが更に好ましい。その膜厚が0.05μm未満であっても、無電解めっきの反応性を得ることができるが、めっき密着性については十分に発揮されない傾向がある。その膜厚が20μmを超えると、無電解めっきの反応速度が劣る傾向がある。
[3]インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いる無電解めっき物の製造方法
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて、
(1)無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
(2)工程(1)のインサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理、及び無電解めっきを行う工程
を含む方法により、無電解めっき物を製造することができる。
(B)インサート層はABS樹脂からなることが好ましい。
無電解めっき物を、パターンめっき物とすることができる。
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて、基材に貼り付け、インサート成型、アルカリ処理及び無電解めっき処理を行うことで、基材上にめっき、好ましくはパターンめっきを形成することができる。
基材
基材は、無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を貼り付ける対象である。
基材(樹脂)は、インサート成型する対象である。
基材は、露出した(A)触媒層に対して、無電解めっきを行う対象である。
本発明で使用される基材は、特に限定されない。
基材として、プラスチック(樹脂)、ガラス、金属、セラミックス等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリメチルペンテン(TPX)等のポリオレフィン等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、また、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンの共重合合成樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル、エチレン及びスチレンの共重合合成樹脂)等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、更に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸エステル等のポリエステル;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂;ポリカーボネート(PC);PC/ABS;ポリ塩化ビニル等を用いることが好ましい。
ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタール;ポリエーテルエーテルケトン;ノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン;ポリフェニレンスルファイド(PPS);液晶ポリマー(LCP);変性ポリフェニルエーテル;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン(PES);フェノール;ポリフタルアミド(PPA);ポリアリレート等を用いることが好ましい。
バイオPC(バイオポリカーボネート系樹脂)、TSOP(トヨタスーパーオレフェンポリマー)等を用いることが好ましい。
バイオPCは含酸素脱環式骨格を有する植物由来のイソソルバイドなどを主原料としたポリカーボネートで、例として三菱ケミカル(株)製のデュラビオ(R)があげられる。
TSOPは、エラストマーを連続相とし、ポリプロピレン(PP)樹脂を微細分散結晶として働かせるという、トヨタ独自の分子設計理論に基づき開発した高性能PP系樹脂材料である。
セラミックスとしては、ガラス、アルミナ等が挙げられる。また、基材として不織布を使用する場合、木質繊維、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維等の不織布が挙げられる。
基材の形状としては、特に限定されない。例えば、板状(又はフィルム状)、不織布状(又は織布状)、糸状、金型で成形された各種形状、等のいずれであってもよい。
基材によって、触媒組成物に含まれる溶剤、バインダー等を適宜選択することができる。
(1)無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造するには、無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する。
基材への無電解めっき用フィルムの貼り付け
無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を基材に貼り付ける。
無電解めっき用フィルムをプレート状の金型にセットし、(B)インサート層が基材に貼り付けられる様に、溶融したABS樹脂を流し入れることが好ましい。
貼り付け物をインサート成型
貼り付け物をインサート成型する。
インサート成型されて一体となった無電解めっき用フィルムと基材(樹脂)を取り出し、樹脂成型品とすることが好ましい。
(2)工程(1)のインサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理、及び無電解めっきを行う工程
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造するには、インサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理、及び無電解めっきを行う。
(A)触媒層に対するアルカリ処理
基材をインサート成型し、インサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理を行う。
アルカリ処理によりバインダー成分に被覆されていない最表層のナノ粒子を溶解及び/又は脱落させることができる。その結果、その最表層の次の表層(最表層の下層)の薄い膜のバインダー成分で被覆されたナノ粒子層を露出させることができる。
このアルカリ処理は、非常に重要な工程である。
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて、これら一連の処理を行うことにより、基材上に触媒層(インキ膜)を形成することができる。触媒層には、Pd複合体が含まれる。Pd複合体は、塗膜に対して均一に分散された状態で存在する。そのため、触媒層上に対して、より効率的に無電解めっきを行うことができる。
無電解めっき
アルカリ処理後のインキ(組成物)膜を、水洗した後、無電解めっきを行うことで、基材の上にパターンめっき(パターンめっき)を形成することができる。
触媒層(インキ膜)が形成された基材は、金属を析出させるためのめっき液と接触し、これにより無電解めっき皮膜が形成される。触媒層は、無電解めっきの反応性が良く、得られた無電解めっき皮膜はむらがなく、密着性及び外観性に優れる。
めっき液は、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば特に限定されない。めっき液として、例えば、銅、金、銀、ニッケル、クロム等を用いることが好ましい。めっき液として、触媒組成物によって形成されたインキ膜との関係から、銅又はニッケルを含むめっき液を用いることが好ましい。
めっき条件は、常法に従うことができる。触媒層は無電解めっきの反応性が非常に良好であるため、めっき液の還元剤濃度やアルカリ成分濃度を高める必要がない。そのため、めっき液の寿命が長持ちするだけでなく、インキのパターン通りにめっきが選択的に析出される。触媒層(インキ膜)は、パターン形成能に優れる。
無電解めっき処理で、無電解銅めっき浴を用いる場合、その処理温度は25〜65℃程度が好ましく、その処理時間は10〜20分程度が好ましい。この無電解めっき処理により、0.3〜1.0μm程度の析出膜厚を形成することができる。
無電解めっき処理で、無電解ニッケルボロン浴を用いる場合、その処理温度は55〜70℃程度が好ましく、その析出速度は5μm/hr(60℃)程度が好ましい。
無電解めっき処理で、無電解ニッケルりん浴を用いる場合、その処理温度は30〜95℃程度が好ましく、その析出速度は浴温30℃においては3μm/hr程度、90℃においては20μm/hr程度が好ましい。
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて基材上にめっきを形成する技術は、パターンめっきを対象とすることが好ましい。しかし、本発明では、触媒層を全面めっきに使用しても良い。
加飾を目的とする場合、無電解めっきの後、電解銅めっき、半光沢ニッケル、光沢ニッケル、クロムめっき等の一般的なプロセスを用いることが好ましい。
加飾処理で、電解銅めっき浴を用いる場合、その処理温度は20〜60℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/m2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜40μm程度の析出膜厚を形成することができる。
加飾処理で、半光沢ニッケルめっき浴を用いる場合、その処理温度は45〜55℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/m2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜20μm程度の析出膜厚となる。
加飾処理で、光沢ニッケルめっき浴を用いる場合、その処理温度は45〜55℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/dm2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜20μm程度の析出膜厚となる。
加飾処理で、クロムめっき浴を用いる場合、その処理温度は40〜60℃程度が好ましく、電流密度は10〜60A/m2程度が好ましく、処理時間は1〜5分程度が好ましい。この加飾処理により、0.1〜0.3μm程度の析出膜厚となる。
[4]無電解めっき物(成形品)
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて、その(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型し、次いで、インサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理、及び無電解めっきを行うことで、無電解めっき物を製造する。
パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用される無電解めっき皮膜を形成することができる。無電解めっき皮膜を載せた成形品(被めっき物)は、めっき皮膜の密着性に優れる。
無電解めっき皮膜を載せた成形品は、例えば、携帯電話、パソコン、冷蔵庫等の電化製品の筐体;エンブレム、スイッチベース、ラジエータグリル、ドアハンドル、ホイールカバー等の自動車用部品等に使用することができる。
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いると、基材(プラスチック(樹脂)等)上に、パターンめっきを行う無電解めっきにおいて、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る優れた密着性と装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現することができる。その無電解めっきでは、パターンの拡がりを抑え、良好に部分めっきをすることが可能である。
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきにおける還元剤の濃度を高める必要が無く、また無電解めっきの反応温度を上げる必要もない。更に、また有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
本発明のインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムの触媒層は、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る良好な密着性を実現できる理由は、次の原理によるものと考えられる。
先ず、基材(プラスチック等)と触媒組成物との密着メカニズムは次の通りである。
(A)触媒層に含まれる溶媒(溶剤)成分により、基材表面が浸食され、(A)触媒層のバインダー成分が基材に入り込み、基材と相溶し混成層を形成する。例えば、基材がABS樹脂であれば、ABS樹脂に含まれるブタジエンゴムが溶解し、膨潤するので、触媒組成物のバインダー成分が基材に入り込む。
無電解めっきの反応性及び密着性向上のメカニズムは次の通りである。(A)触媒層が塗布された基材をアルカリ処理することにより、バインダー成分に被覆されていない最表層のナノ粒子が溶解及び/又は脱落する。これにより、最表層の次の表層(最表層の下層)のバインダー成分で薄く被覆されたナノ粒子層が露出する。その結果、このナノ粒子層を被覆している薄いバインダー被膜に含まれる無電解めっきの触媒作用を持つPd粒子と、無電解めっき液との接触頻度が増える。
また、そのアルカリ処理により、ナノ粒子とバインダー成分との間に隙間が生じ、その隙間で毛細管現象が生じ、めっき液の(A)触媒層(インキ膜)内部への浸透性が良くなり、Pd粒子と無電解めっき液との接触頻度が増える。この現象により、(A)触媒層の表面から膜内部の深いところに存在するPd粒子により無電解めっき液中の金属イオンが還元され、還元された金属が根をはうように膜内部から析出するため、(A)触媒層とめっき膜との高い密着性が得られる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。
(1)パラジウム粒子(Pd粒子)と分散剤との複合体の作製
3Lフラスコに、イオン交換水944.5gと硝酸パラジウム5.0gとを加えて撹拌し、硝酸パラジウム水溶液を作製した。当該水溶液に、カルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤(DISPERBYK194、ビックケミー・ジャパン社製、不揮発分53wt%)3.8gを更に加えて、溶解させた。
この溶液を42℃になるまで加熱した後、撹拌しながらヒドラジン1水和物10.0gを加えた。この後、当該溶液を、室温下(23℃)で1時間撹拌した。溶液の温度は、ヒドラジン1水和物の添加後に53℃まで上昇したが、1時間撹拌した後の溶液の温度は40℃であった。
この操作により、水溶液中のパラジウムイオン(Pdイオン)が還元された。
この溶液を限外濾過フィルターAHP-1010(旭化成株式会社製)にて、還元されたPd複合体含有液と、無機塩含有液とを分離し、Pd複合体(Pd粒子と分散剤との複合体)含有液を得た。
当該Pd複合体含有液を遠心分離機にて、16時間、13,000G荷重のかかる回転速度で回転させ、固形分を沈降させた。上澄み液をデカンテーションで除去した後、当該除去した上澄み液と同じ重量分のN-メチルピロリドン(NMP)を加えた。この操作を幾度と繰り返し、分散媒をNMPとしたPd粒子と分散剤との複合体を得た。
(2)無電解めっき前処理インキ組成物の作製
無電解めっきの前処理用の触媒組成物をインキ組成物とも記す。
実施例2-1
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物1を作製した。
実施例2-2
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるポリアミド樹脂溶液(固形分10重量%)10重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物2を作製した。
実施例2-3
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径10nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA010C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物3を作製した。
実施例2-4
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてビニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SV2)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物4を作製した。
実施例2-5
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGME)14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物5を作製した。
比較例2-1
ジアセトンアルコール14重量部に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物6を作製した。
(3)インサートシートへの無電解めっき前処理インキ組成物の塗工
実施例3-1
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、塗布シート1を得た。
実施例3-2
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物2を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、塗布シート2を得た。
実施例3-3
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物3を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、塗布シート3を得た。
実施例3-4
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物4を塗布膜厚24μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、塗布シート4を得た。
実施例3-5
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物5を塗布膜厚24μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、塗布シート5を得た。
実施例3-6
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、塗布シート6を得た。
実施例3-7
ダイレクトグラビア印刷により、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、塗布シート7を得た。
実施例3-8
マイクログラビア印刷により、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、塗布シート8を得た。
実施例3-9
ダイコーターにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、塗布シート9を得た。
比較例3-1
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物6を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、塗布シート10を得た。
比較例3-2
バーコータにより、アクリル製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき前処理インキ組成物6を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、塗布シート11を得た。
比較例3-4
バーコータにより、ABS樹脂(UMGABS社製3001M)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、樹脂成型品14を得た。
比較例3-5
バーコータにより、ABS樹脂(UMGABS社製3001M)上に、無電解めっき前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、樹脂成型品15を得た。
(4)インサート成型
実施例4-1
(3)で作製した塗布シート1をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品1を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例4-2
(3)で作製した塗布シート2をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品2を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例4-3
(3)で作製した塗布シート3をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は260℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品3を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例4-4
(3)で作製した塗布シート4をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品4を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は80%であった。
実施例4-5
(3)で作製した塗布シート5をプレート状の金型にセットし、溶融したポリカーボネート樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品5を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例4-6
(3)で作製した塗布シート6をプレート状の金型にセットし、溶融したポリカーボネート樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品6を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は80%であった。
実施例4-7
(3)で作製した塗布シート7をプレート状の金型にセットし、溶融したポリカーボネート樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は260℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品7を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例4-8
(3)で作製した塗布シート8をプレート状の金型にセットし、溶融したバイオポリカーボネート樹脂(三菱ケミカル社製デュラビオD5380AR)を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品8を得た。この時、成型されたバイオポリカーボネートシートの延伸率は25%であった。
実施例4-9
(3)で作製した塗布シート9をプレート状の金型にセットし、溶融したバイオポリカーボネート樹脂(三菱ケミカル社製デュラビオD5380AR)を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品9を得た。この時、成型されたバイオポリカーボネートシートの延伸率は80%であった。
実施例4-10
(3)で作製した塗布シート6をプレート状の金型にセットし、溶融したバイオポリカーボネート樹脂(三菱ケミカル社製デュラビオD5380AR)を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品10を得た。この時、成型されたバイオポリカーボネートシートの延伸率は80%であった。
実施例4-11
(3)で作製した塗布シート6の裏面に日本製紙社製ポリオレフィン樹脂(スーパークロン930)を塗布膜厚2μmで塗布した後、80℃で10分乾燥させた。得られたシートをプレート状の金型にセットし、溶融したTSOP樹脂(日本ポリプロ社製)を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品11を得た。この時、成型されたTSOPシートの延伸率は80%であった。
比較例4-1
(3)で作製した塗布シート10をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品12を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
比較例4-2
(3)で作製した塗布シート11をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品13を得た。この時、成型されたアクリルシートの延伸率は25%であった。
(5)評価項目1:無電解めっき反応性
実施例5-1〜5-11、比較例5-1、5-2、5-4、5-5
前記得られた樹脂成型品1〜15を、pH11〜14に調整され、60℃に加温されたアルカリ処理液に、3分間浸した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。
次に、無電解ニッケル(Ni)めっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
実施例5-12
前記得られた樹脂成型品1を、pH11〜14に調整され、60℃に加温されたアルカリ処理液に、3分間浸した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。
次に、無電解銅(Cu)めっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Cuめっき浴は、奥野製薬工業製OPCカッパーHFS(初期Cu濃度2.5g/L、浴容積500mL、40℃、20分)を用いた。
比較例5-3
前記得られた樹脂成型品1を無電解Niめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
無電解めっき反応性の評価基準
○:浸漬後3分以内に塗布パターン全部にめっきが析出したもの。
△:塗布パターンの部分的にめっきが析出したもの。
×:全く反応しなかったもの、或いは塗布パターン面積の1/10以下のめっき析出で止まったもの。
(6)評価項目2:クロムめっきまでの達成可否
無電解めっき処理の後、無電解銅(Cu)めっきであれば、電解Cuめっき、半光沢ニッケル(Ni)、光沢ニッケル(Ni)、クロム(Cr)めっきを順次行い、どの工程でめっきが剥離したかを評価した。
無電解ニッケル(Ni)めっきの場合は、ストライク銅(Cu)めっきの後、無電解Cuめっき同様の工程でクロム(Cr)めっきまで順次行い、どの工程でめっきが剥離したかを評価した。
Crめっきまでの達成可否の評価基準
○:Crめっきまで到達したもの。
×:途中の電解Cuや電解Niで剥離したもの。
ストライクCuめっき浴は、浴温45℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
電解Cuめっき浴は、浴温30℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
半光沢Ni浴は、浴温50℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
光沢Ni浴は、浴温50℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
Crめっき浴は、浴温45℃12A/dm2を用いた。
(7)評価項目3:パターン形成能の評価
電気めっきにより、30μm厚膜化した際の、めっきの横方向への広がりを測定した。
パターン形成能の評価基準
○:縦方向の広がりに対し、横方向への広がりが10%以内。
△:縦方向の広がりに対し、横方向への広がりが10〜100%。
×:縦方向の広がりに対し、横方向への広がりが100%以上。
(8)評価項目4:Crめっきまでの多層めっき膜のピール強度
前記評価項目3でCrめっきまで到達したサンプルは、90°剥離試験方法によりピール強度を評価した。
そのパターンめっきされた幅10mmの多層めっき皮膜を引き剥がし、その一端を引張試験機(IMADA製デジタルフォースゲージZTS-50N)の引張治具に持たせた。そのパターンめっきされた多層めっき皮膜の剥がしていない側をもう一つの引張治具に持たせ、試験速度25mm/分で引張試験を行った。その最大荷重をピール強度とした。
なお、Crめっきまで到達したサンプルはどれも従来のクロム酸エッチングを行った
前処理方法同様の光沢が得られ、くもりなどは見受けられなかった。
(9)評価項目5:電気Cuめっき皮膜の熱処理前後でのピール強度
前記評価項目2で電気Cuめっきまで到達したサンプルは、90°剥離試験方法によりピール強度を評価した。
また、測定後のサンプルを80℃で24時間放置し、再度ピール強度を評価した。
熱処理前後での密着性の評価基準
○:熱処理後に密着性の低下が見られない。
×:熱処理後に密着性の低下が見られる、若しくは剥離が起こる。
(10)評価項目6:塩水噴霧試験による見切り部の腐食性
前記評価項目3でCrめっきまで到達したサンプルを、CAS試験により、耐食性を評価した。
インサート成型工程
インサート成型工程は、(i)トリミングされたシート層がセットされた金型内に、溶融した樹脂を流し込んでも良く、或いは(ii)予め射出成型により賦形された被着体に、シートを型押しして貼り付けても良い。
本発明では、必ずしも高い密着性を要求されない用途(例えば無電解めっきのみの膜厚の薄いセンサー配線、めっき上からオーバーコート可能な装飾部品等)では、ナノ粒子を含有していなくても良い。

Claims (5)

  1. インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムであって、
    少なくとも(A)触媒層、及び(B)インサート層を含み、
    前記(A)触媒層が、(ア)分散剤とパラジウム粒子(Pd粒子)との複合体、(イ)溶媒、(ウ)バインダー、及び(エ)ナノ粒子を含有する触媒組成物からなる、
    フィルム。
  2. 前記(B)インサート層がアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなる、請求項1に記載のフィルム。
  3. 請求項1又は2に記載のフィルムを製造する方法であって、
    (1)(B)インサート層に、触媒組成物を塗布し、(A)触媒層を設ける工程
    を含む方法。
  4. 請求項1又は2に記載のフィルムを用いて無電解めっき物を製造する方法であって、
    (1)無電解めっき用フィルムの(B)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
    (2)工程(1)のインサート成型により露出した(A)触媒層に対して、アルカリ処理、及び無電解めっきを行う工程
    を含む方法。
  5. 前記無電解めっき物がパターンめっき物である、請求項4に記載の方法。
JP2017252100A 2017-12-27 2017-12-27 無電解めっき用フィルム Pending JP2019116673A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252100A JP2019116673A (ja) 2017-12-27 2017-12-27 無電解めっき用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252100A JP2019116673A (ja) 2017-12-27 2017-12-27 無電解めっき用フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019116673A true JP2019116673A (ja) 2019-07-18

Family

ID=67304088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017252100A Pending JP2019116673A (ja) 2017-12-27 2017-12-27 無電解めっき用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019116673A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62222816A (ja) * 1986-03-26 1987-09-30 Hitachi Chem Co Ltd 無電解めつき触媒つき成形品の製造法
JP2016194150A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 宮城県 パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物及び無電解めっき皮膜の形成方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62222816A (ja) * 1986-03-26 1987-09-30 Hitachi Chem Co Ltd 無電解めつき触媒つき成形品の製造法
JP2016194150A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 宮城県 パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物及び無電解めっき皮膜の形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2817948B1 (en) Shell, preparing method and application thereof in electronic product
EP2817146B1 (en) Method of prepairing aluminum alloy resin composite
TW201429705A (zh) 不鏽鋼樹脂組合物及其製備方法
KR101707447B1 (ko) 에나멜을 도포한 철판을 생산하는 방법
JP4738308B2 (ja) 金属皮膜付シクロオレフィンポリマー材の製造方法及びその製造方法を用いて得られる金属皮膜付シクロオレフィンポリマー材
US10085351B2 (en) Coating composition, composite prepared by using the coating composition and method for preparing the same
JP2012500903A (ja) 金属薄片の製造方法
EP2817147A1 (en) Aluminum alloy resin composite and method of preparing the same
JP6072330B2 (ja) パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物及び無電解めっき皮膜の形成方法
TW201028276A (en) Insert sheet and manufacturing method thereof
JP2016211028A (ja) 無電解めっき用転写フィルム用触媒組成物及び無電解めっき用転写フィルム
JP2017208540A (ja) めっき転写フィルム
JP2019116673A (ja) 無電解めっき用フィルム
JP6671583B2 (ja) 金属メッキ方法
CN105538596B (zh) 一种复合塑胶材料及其制备方法
JP2019116672A (ja) 無電解めっき物を製造する方法
JP2000129452A (ja) 無電解めっき用プライマ剤、並びに無電解めっき層を備える積層品及びその製造方法
JP4820989B2 (ja) 電鋳金型の製造方法
JP6072343B1 (ja) 無電解めっき用水圧転写フィルム
KR102062330B1 (ko) 다층 인쇄회로기판의 적층공정을 위한 수지층과의 접착성이 향상된 금속표면 처리방법
JP6029787B1 (ja) めっき特性に優れる無電解めっき触媒用分散液
JP2019206640A (ja) パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物、及び無電解めっき皮膜の形成方法
JP6284536B2 (ja) 無電解めっき用塗料組成物
KR101543122B1 (ko) 그래픽 칼라 복합코팅 구조와 그 코팅방법
JP5819020B1 (ja) 密着性に優れる無電解めっきを施すための塗料組成物、及び無電解めっき物を製造する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220308