JP2019114029A - 相続情報を管理するためのシステム、装置、方法、及びプログラム - Google Patents

相続情報を管理するためのシステム、装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】相続する財産の内容が明確に判明していない中で、確定しているものと未確定のものが混在する財産の入力を受け付けて、相続財産を管理できるシステムを提供する。【解決手段】相続財産管理システムは、相続財産の入力項目として、個別の相続財産毎及び/又は相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、階層的に構成された相続情報入力受付手段を備え、各層で相続財産毎に概算であるか/確定であるかを区別して入力を受け付け、階層毎に概算又は確定であるかをデフォルトで設定もしくは入力作業者操作により変更可能に構成され、概算又は確定であるかの情報を相続財産概算フラグとして管理すると共に、受け付けた相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記録管理する手段を備える。【選択図】図3A−1

Description

本発明は、相続情報を管理するためのシステム、装置、方法、及びプログラムに関する。より具体的には、相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するためのシステム、装置、方法、及びプログラムに関する。
会計事務所等においては、顧客から、相続財産に関する相談を受けることがしばしばある。こうした場合、預金、有価証券、土地、建物等の被相続人の財産に関する情報を入手し、相続額を試算する必要がある。
特許文献1では、相続財産情報及び相続関係者の構成を取得して、推定相続税額を算出するシステムが開示されている(図2、図6など)。
また、特許文献2では、相続税の修正申告の可否を判断し、顧客に相続税還付のための総合的なサービスを提供する相続税還付支援システムが開示されている。ここで、当該システムでは、評価対象地の個別的要因と地域要因及び公示価格を含む不動産価格の概算を行うために必要な情報が入力され、前記入力された情報から、不動産価格の概算を算出している。
特開2017−102641号公報 特許4159740号
顧客から、相続財産に関する相談を受ける際に、相続税等の試算を行うことがある。相続の際の税金についてのアドバイスを実行するためには、相談者の相続財産をすべて把握する必要があり、且つそれを効率的に把握することが望ましい。
また、本来であれば、相続財産情報等についてすべての情報を確定する必要がある。しかしながら、それらは相談の初期段階では確定していないことが多い。
上述のように、相談の初期段階では確定していないことが多い中にあっても、相続関連の財産分与や納税額等の申請・申告が概算処理されることは、従来のシステムにおいては許されなかった。
そこで、相続財産情報等についてすべての情報を確定する為にも、階層毎に管理される財産項目における相続財産概算/確定設定項目が設定可能とすることで、顧客に対してはいち早い概算情報を含めた情報の提供とともに、会計事務所等においては最終段階で正確な申告業務へと結び付けられるものになる。
上記実情に鑑みて、本発明は、相続財産について未確定な情報を含む場合であっても大まかにこれらの情報入力できるシステム等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、入力画面において、階層別に表現した各相続財産について、確定なのか未確定なのかを設定する手段を設けることにした。
こうした改良に基づき、本発明は一側面において以下の発明を包含する。
(発明1)
相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するためのシステムであって、
相続情報入力画面用データ生成手段と、
相続情報入力画面表示手段と、
相続情報入力受付手段と、
相続情報入力データ記憶管理手段と、
相続情報出力用データ生成手段と、
相続情報出力手段と、
を少なくとも備え、

前記相続情報入力画面用データ生成手段は、少なくとも、
相続人情報入力画面用データと、
相続財産情報入力画面用データと、
を生成し、

前記相続情報入力画面表示手段は、前記相続人情報入力画面用データと前記相続財産情報入力画面用データとを用いて、
相続人情報入力画面と、
相続財産情報入力画面と、
表示し、
前記相続情報入力受付手段は、
前記相続人情報入力画面及び前記相続財産情報入力画面を介して入力された情報を前記相続情報入力データ記憶管理手段に送信し、

相続財産の入力項目として、相続財産を、個別の相続財産毎ないし相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層で管理する相続財産の種類毎ないし個別の相続財産毎よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、上位層から下位層にかけて第一層、第二層、第三層 を少なくとも含む階層構成となるよう構成され、

前記相続情報出力用データ生成手段は、前記入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成し、相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを包含し、
前記相続情報出力手段は、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて、相続情報を出力し、
前記相続情報入力画面用データ生成手段により、
第一層、第二層、第三層のいずれの階層においても、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備え、
前記相続情報入力受付手段において
前記相続財産概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定する値は、入力作業者操作により変更可能であって、
前記相続情報入力データ記憶管理手段は、前記概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定した値を相続財産概算フラグとして管理すると共に、
入力された前記相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記憶部に格納することを特徴とする、
該システム。
(発明2)
発明1に記載のシステムであって、前記第一層及び/又は第二層に対応する相続財産概算フラグは、デフォルトで概算値であることを示すように設定される、該システム。
(発明3)
発明1のシステムであって、第二層及び/又は第三層では、前記相続財産概算フラグは、デフォルトで確定値であることを示すように設定される、該システム。
(発明4)
発明1〜3いずれか1項のシステムであって、前記相続情報入力画面用データ生成手段において、各相続人に1:1で対応する、少なくとも相続人情報が概算か確定かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための概算/確定設定項目表示データ生成手段を備える、該システム。
(発明5)
発明1〜4のいずれか1つに記載のシステムであって、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて出力される相続情報において、前記相続財産概算フラグを用いて、特定の相続財産が概算値であることを示す、区別表示を行なう区別表示手段を備えた該システム。
(発明6)
発明4に記載のシステムであって、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて出力される相続情報において、各相続人による相続税の按分情報を含み、相続人概算フラグを用いて、特定の相続人に係る相続税額が概算値であることを示す、該システム。
(発明7)
発明1〜6のいずれか1つに記載のシステムであって、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて出力される相続情報において、少なくとも、相続財産の種類に応じて必要な添付書面の情報及び/又は相続手続きの進捗情報を含み、相続財産の種類に応じて必要な添付書面、提出までの期限、協力が必要な専門家、書類の入手先ないし申請先のいずれか1以上を含む提出書類データ及び、前記相続財産概算フラグを用いて、相続財産の種類に応じて必要な添付書面の管理表又は相続手続きの進捗度を示す管理表を出力することを特徴とする、該システム。
(発明8)
発明5又は6のシステムであって、相続財産の金額が概算値であること示す区別表示が画面上に表示され、
ここで、少なくとも以下のいずれか1つの操作を示す信号を受信した時に、概算値である財産の詳細情報を表示する、該システム:
相続財産概算フラグに対応する金額、前記区別表示、及び財産項目のうちいずれか1つに重なるよう指示ポインタが移動、
これらのうちいずれか1つをクリック 、タップ、若しくは長押し、又は、
音声操作することにより、前記詳細情報を表示することを特徴とする。
(発明9)
相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するための装置であって、
相続情報入力画面用データ生成手段と、
相続情報入力受付手段と、
相続情報入力データ記憶管理 手段と、
相続情報出力用データ生成手段と、
を少なくとも備え、

前記相続情報入力画面用データ生成手段は、少なくとも、
相続人情報入力画面用データと、
相続財産情報入力画面用データと、
を生成し、

ここで、前記相続人情報入力画面用データと前記相続財産情報入力画面用データとを用いて、相続人情報入力画面と、
相続財産情報入力画面と、
が作成され、
前記相続情報入力受付手段は、
前記相続人情報入力画面及び前記相続財産情報入力画面を介して入力された情報を前記相続情報入力データ記憶管理手段に送信し、

相続財産の入力項目として、相続財産を、個別の相続財産毎ないし相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層で管理する相続財産の種類毎ないし個別の相続財産毎よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、上位層から下位層にかけて第一層、第二層、第三層 を少なくとも含む階層構成となるよう構成され、

前記相続情報出力用データ生成手段は、前記入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成し、相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを包含し、
前記相続情報入力画面用データ生成手段により、
第一層、第二層、第三層のいずれの階層においても、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備え、
前記相続情報入力受付手段において
前記相続財産概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定する値は、入力作業者操作により変更可能であって、
前記相続情報入力データ記憶管理手段は、前記概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定した値を相続財産概算フラグとして管理すると共に、
入力された前記相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記憶部に格納することを特徴とする、
該装置。
(発明10)
発明2〜8のいずれか1つに記載の特徴を有する、発明9の装置。
(発明11)
相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するための方法であって、
前記方法は、
相続情報入力画面用データ生成手段と、
相続情報入力受付手段と、
相続情報入力データ記憶管理 手段と、
相続情報出力用データ生成手段と、
を少なくとも備える装置によって実行され、

前記方法は、
前記相続情報入力画面用データ生成手段により、少なくとも、
相続人情報入力画面用データと、
相続財産情報入力画面用データと、
を生成するステップと、

前記相続人情報入力画面用データと前記相続財産情報入力画面用データとを用いて作成された
相続人情報入力画面と、
相続財産情報入力画面と、
を介して入力された情報を、
前記相続情報入力受付手段が、
前記相続情報入力データ記憶管理手段に送信するステップと、
(ここで、相続財産の入力項目として、相続財産を、個別の相続財産毎ないし相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層で管理する相続財産の種類毎ないし個別の相続財産毎よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、上位層から下位層にかけて第一層、第二層、第三層 を少なくとも含む階層構成となるよう構成される)、

前記相続情報出力用データ生成手段により、前記入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成するステップと(ここで、相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを包含する)、
を含み、
ここで、
前記相続情報入力画面用データ生成手段により、
第一層、第二層、第三層のいずれの階層においても、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備え、
前記相続情報入力受付手段において
前記相続財産概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定する値は、入力作業者操作により変更可能であって、
前記相続情報入力データ記憶管理手段は、前記概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定した値を相続財産概算フラグとして管理すると共に、
入力された前記相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記憶部に格納することを特徴とする、
該方法。
(発明12)
発明2〜8のいずれか1つに記載の特徴を有する、発明11の方法。
(発明13)
発明11又は12に記載の方法を実行するためのプログラム。
本発明は、一側面において、相続財産を階層的に入力するための手段として、各財産項目の相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備える。
また、この相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段により、入力作業者が選択又は入力した、各階層における相続財産の内容と、各相続財産が概算値か確定値かを区別しつつ、階層毎に相続財産の金額及び/又は規模を受け付ける手段を備える。
また、受け付けた相続財産の金額及び/又は規模を、相続財産の階層毎、相続財産毎に管理することにより、相続財産の一覧を表示する際に区別表示する手段、又は/及び相続財産に関して必要な書類及び期限の情報を含む管理帳票出力手段を備える。
これにより、いずれの階層においても、相続財産毎に、概算値か確定値かを設定することができる。
一側面において、本発明によれば、階層毎に概算/確定で区別して受付け、出力としての相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かした表示を行なうことにより、税金等についてのアドバイスを実行するための、効率的な相談者の相続財産の概算/確定の把握や把握した概算/確定の財産に対する入力不十分な箇所の管理を可能とし、申告業務での確認漏れを防ぐことができる。
一実施形態におけるシステム構成図を表す。 一実施形態における、本発明の装置の機能ブロック図を表す。 一実施形態における、本発明の装置の機能ブロック図を表す。 一実施形態における、本発明の全体の処理フローを表す。 一実施形態における、本発明の全体の処理フローを表す。 一実施形態における、本発明の相続人情報入力の処理フローを表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報入力の処理フローを表す。 一実施形態における、本発明の相続税額計算等の登録処理フローを表す。 一実施形態における、本発明の相続税額計算結果等の表示処理フローを表す。 一実施形態における、本発明の、情報収集用の帳票データ表示・出力処理フローを表す。 一実施形態における、本発明のデータを記憶するためのテーブル構成を表す。 一実施形態における、本発明のデータを記憶するためのテーブル構成を表す。 一実施形態における、本発明のデータを記憶するためのテーブル構成を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る入力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続人情報に係る入力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力シートを表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。 一実施形態における、本発明の相続財産情報に係る出力画面を表す。
以下、本発明を実施するための具体的な実施形態について説明する。以下の説明は、本発明の理解を促進するためのものである。即ち、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
1.システム構成
(1−1)全体の構成
一実施形態に係る、本発明のシステム構成を図1に示す。本発明のシステム構成は、特定の構成に限定されず、当分野で設計される任意の構成であってもよい。例えば、図1(A)に示すように、スタンドアロン構成であってもよい。あるいは、図1(B)に示すように、LANを経由して、サーバーとワークステーションが接続される構成であってもよい。あるいは、図1(C)に示すように、WAN(例:VPN、インターネットなど)を経由して、クラウドとワークステーションが接続される構成であってもよい。
また、図1(B)〜(C)に示すLANやWANに限定されず、公知のネットワーク技術を用いてもよい。さらには、図1(B)〜(C)に示すワークステーションは、パソコン、タブレット端末、スマートフォン、PDA等に置換可能である。
さらには、図1(B)〜(C)では、サーバーやクラウドの実態は、1台だけ存在するものとして描写されているが、複数台存在するように実装してもよい。そして、サーバーやクラウド側が担う後述する機能に応じて、複数台に分割してもよい(例えば、Webサーバーとデータベースサーバーなど)。あるいは、同様の機能を担うサーバーを複数台実装してもよい(例えば、クラスタ構成など)。このような場合には、別途ロードバランサ等を設けてもよい。
(1−2)個々の構成
(1−2−1)主要な処理を担う処理装置(スタンドアロン)
図1(A)に係る実施形態において、ハードウェア内部の構成を図2(A)に示す。当該構成は、基本的な機能部分と、本発明の主要な処理を担う機能とを含む。
基本的な機能として、入力部11と出力部12と通信部13とを備えてもよい(なお、スタンドアロン構成の場合には、通信部を省略してもよい)。入力部は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、音声等が挙げられる。入力部は、入力作業者が入力した情報を、入力受付部に送信することができる。そして、入力受付部は、受け付けた情報を、制御部内の他の処理部、及び/又は記憶部に送信することができる。出力部は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ等が挙げられる。出力部は、相続情報入力画面表示部及び/又は相続情報出力部を備えることができる(図2の26、27も同様)。
本発明の主要な処理を担う機能として、制御部14と、記憶部15とを備えてもよい。制御部は、入力部から受け取った情報を処理したり、記憶部から受け取った情報を処理したり、出力部へ情報を送信したり、及び/又は、記憶部に情報を送信したりすることができる。また、制御部は、通信部を経由して、外部から情報を受信及び/又は送信することができる。
制御部は、例えば、プロセッサ等を含むことができる。制御部は、上述した入力受付部のほか、相続人情報処理部、相続税確定申告書データ処理部、相続財産情報データ処理部、提出書類データ処理部、相続税総額等情報処理部、などを備えることができる。これらの処理部の役割については後述する。
記憶部は、一時的な記憶媒体(例えば、メモリ、例えば、各種RAM,ROM)、及び/又は、非一時的な記憶媒体(例えば、USBメモリ、ディスク(HDD、DVD等))を含むことができる。一例として、記憶部は、データベースを構成してもよい。データベースは、特定の種類(XML、階層型、ネットワーク型等)に限定されないが、典型的にはリレーショナルデータベースであってもよい。リレーショナルデータベースは、商用、オープンソース等に限定されず、例えば、Oracle、PostgreSQL、SQLServer、DB2等であってもよい。
リレーショナルデータベースでは、典型的には、各種テーブルを備えることができる。テーブルとしては、例えば、相続人情報管理テーブル、相続税確定申告書データテーブル、相続財産情報データテーブル、提出書類データ管理テーブル、相続税総額等情報データテーブルなどを含むことができる。これらのテーブルの役割については後述する。
(1−2−2)主要な処理を担う処理装置(サーバー、クラウドなど)
図1(B)〜(C)に対応する、サーバー及びクラウドの処理装置の構成を図2(B)(C)に示す。図2(A)とほぼ同様の構成となるが、いくつかの点で相違する。まず、図2(A)の入力部及び出力部が、ワークステーション側に移動した構成になっている(無論、サーバー及びクラウド側で入力部及び出力部を別途実装することを排除するものではない)。そして、サーバー及びクラウドと、ワークステーションとの間を、ネットワーク及びそれぞれの通信部が仲介することができる。
(1−2−3)端末側の処理装置(一般的なPC,タブレットなど)
図2(B)(C)に示すように、ワークステーション側が、入力部21及び出力部22を備えるため、入力作業者の実際の操作は、ワークステーションを使用して行うことができる。入力作業者の入力した情報、又は入力作業者に提示する情報を一時的に処理するために、ワークステーションは、制御部24及び記憶部25を備えることができる。
(1−2−4)その他の構成
図2(B)(C)では、入力部21及び出力部22に該当する部分だけを、ワークステーション側に移動させた構成となっているものの、別の実施形態では、更に、サーバー又はクラウド側の制御部及び/又は記憶部の機能の少なくとも一部を、ワークステーション側に移動させてもよい。例えば、サーバー又はクラウド側ではデータの記憶のみを行い、それ以外の処理部が行う機能は、ワークステーション側で行ってもよい。
2.全体の処理フロー
本発明の一実施形態に係る処理フローを図3Aに示す。当該処理フローは、図1(A)〜(C)のいずれのシステム構成においても実施可能な処理フローである。
2−1.アプリケーション起動
まず、最初に入力作業者は、アプリケーションの起動操作を行うことができる(S3A−1)。
2−2.相続人情報設定
アプリケーション起動後、相続人情報の設定を行うことができる(S3A−2)。制御部は、例えば、相続人情報の入力画面を起動する指示を示す入力作業者操作の信号を、受け取ることができる。その後、制御部は、相続情報入力用画面データ生成部を通して、相続人情報の入力画面を動的に作成することができる。
より具体的には、相続情報入力画面用データ生成部は、相続情報入力画面用データを作成することができる。そして、相続情報入力画面用データは、相続人情報入力画面用データと相続財産情報入力画面用データとを含む。相続情報入力画面用データ生成部は、これらのうち、相続人情報入力画面用データを作成することができる。
相続人情報入力画面用データを作成するため、相続情報入力画面用データ生成部は、記憶部にアクセスし、相続人情報管理テーブルから、相続人に関するデータを取得する。なお、初回の入力の場合には、相続人情報管理テーブルには、該当する相続人のデータがない状態となる。従って、取得データが無い状態となる。
次に、相続情報入力画面用データ生成部は、取得したデータに基づいて、相続人の情報を画面表示するためのデータを作成することができる(例えば、Web版だとHTML形式等)。
画面の構成としては、少なくとも、図5−6に示すように、相続人名、続柄を入力するための項目を含むことができる。更には、各相続人の存在が、暫定的な者なのか、確定的な者なのかを少なくとも識別するための項目(各相続人に1:1で対応する、少なくとも相続人情報が概算か確定かを設定可能な概算/確定設定項目を階層毎に概算/確定で区別して受付け、相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かすために表示するための概算/確定設定項目表示データ生成手段)を含むことができる。相続人名は、テキスト入力、プルダウン形式による入力、又はコードによる入力により行われてもよい。また、続柄、及び、概算/確定設定項目については、チェックボックス、ラジオボタン、プルダウン、又はテキスト入力により行われてもよい。
上述した相続人情報入力画面用データを作成した後、制御部は、当該データを出力部に送信することができる。出力部は、当該データを利用して、相続情報入力画面表示手段として機能し、相続人情報入力画面を表示することができる。
入力作業者は、相続人情報入力画面を介して、相続人の追加、削除、変更等の操作を行うことができる(S3A−4)。また、それぞれの相続人に対して、確定、概算(「未確定」と同義、本明細書中の他の箇所の記載においても同じ)等を示す情報を入力する操作を行うことができる。
入力完了後、入力作業者は、相続人の追加、削除、変更等を反映させる指示を示す操作を実行することができる。こうした操作に関する情報は、入力部を介して、制御部内の相続情報入力受付部へ送信することができる。相続情報入力受付部は、入力部から受け取った情報を、相続情報入力データ記憶管理部に、直接的に又は間接的に送信することができる。そして、相続情報入力データ記憶管理部は、相続人情報登録処理を行うことができる。例えば、相続人の追加、削除、変更等を、記憶部の相続人情報管理テーブルに記憶させることができる(S3A−5)。別の実施形態では、相続情報入力受付部は、入力部から受け取った情報を、一旦、相続人情報処理部に送信した後、更に相続人情報処理部から、相続情報入力データ記憶管理に送信してもよい(間接的に送信)。例えば、入力部から受け取った情報について、エラーチェックを相続人情報処理部が行い、エラーが無いことを確認したうえで、相続情報入力データ記憶管理に情報を送信することができる。別の例では、入力部から受け取った情報について、情報の加工を相続人情報処理部が行った後で、相続情報入力データ記憶管理に情報を送信することができる。
また、相続人情報の入力画面は、図5−6のような表形式ではなく、例えば、家系図を画面表示し、配偶者、親子、兄弟の欄等を穴埋めする形式等であってもよい。
2−3.相続財産情報設定
次に、相続財産情報入力処理について説明する(S3A−6)。制御部は、例えば、相続財産情報の入力画面を起動する指示を示す入力作業者操作の信号を、受け取ることができる。その後、制御部は、相続情報入力用画面データ生成部を通して、相続財産情報の入力画面を動的に作成することができる。
より具体的には、相続情報入力画面用データ生成部は、相続情報入力画面用データを作成することができる。そして、上述のように、相続情報入力画面用データは、相続人情報入力画面用データと相続財産情報入力画面用データとを含む。相続情報入力画面用データ生成部は、これらのうち、相続財産情報入力画面用データを作成することができる。
相続財産情報入力画面用データを作成するため、相続情報入力画面用データ生成部は、記憶部にアクセスし、相続財産情報データテーブル及び/又は相続税確定申告書データテーブルから、相続財産に関するデータを取得する。なお、初回の入力の場合には、相続財産情報データテーブル及び/又は相続税確定申告書データテーブルには、相続財産のデータがない状態となる。
次に、処理部は、取得したデータに基づいて、被相続人の財産の情報の入力等を受け付ける画面を表示するためのデータを作成することができる(例えば、Web版だとHTML形式等)。画面の構成については、後で詳述するが、財産を階層構造で表示してもよい。階層構造は、少なくとも3階層設けることができる。場合により、4階層以上設けてもよい。
3階層を例に説明すると、当該階層構造は、上位層、中位層、下位層を含むことができる。中位層は、財産の種類ごとの入力するための階層である。下位層は、個別の相続財産ごとに入力するための階層である。上位層は、これらよりも大きい括りの財産を管理するための階層である。
また、上位層、中位層、下位層それぞれで、管理される財産項目において、相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を設けることができる。当該表示データ生成手段は、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定するための手段を画面上に設けることを可能にする。
画面の構成については、後で更に詳細に説明する。
上述した相続財産情報入力画面用データを作成した後、相続情報入力画面用データ生成部は、当該データを出力部に送信することができる。出力部は、当該データを利用して、相続情報入力画面表示手段として機能し、相続財産情報入力画面を表示することができる。
入力作業者は、相続財産情報入力画面を介して、相続財産の追加、削除、変更等の操作を行うことができる(S3A−6)。また、それぞれの財産項目に対して、確定、概算(未確定)等を示す情報を入力する操作を行うことができる。
入力完了後、入力作業者は、被相続人の財産の追加、削除、変更等を反映させる指示を示す操作を実行することができる。こうした操作に関する情報は、入力部を介して、制御部内の相続情報入力受付部へ送信することができる。相続情報入力受付部は、受け付けた情報を、相続情報入力データ記憶管理部に、直接的に又は間接的に送信することができる。そして、当該相続情報入力データ記憶管理部は、相続財産情報登録処理を行うことができる。即ち、被相続人の財産の追加、削除、変更等を、記憶部の相続財産情報データテーブルに記憶させることができる(S3A−7)。更には、被相続人の財産の追加、削除、変更等を、相続税確定申告書データテーブル、及び提出書類データ管理テーブルにも記憶させることができる。別の実施形態では、相続情報入力受付部は、入力部から受け取った情報を、一旦、相続財産情報データ処理部に送信した後、更に相続財産情報データ処理部から、相続情報入力データ記憶管理に送信してもよい(間接的に送信)。例えば、入力部から受け取った情報について、エラーチェックを相続財産情報データ処理部が行い、エラーが無いことを確認したうえで、相続情報入力データ記憶管理に情報を送信することができる。別の例では、入力部から受け取った情報について、情報の加工を相続財産情報データ処理部が行った後で、相続情報入力データ記憶管理に情報を送信することができる。
なお、留意すべき点として、図3Aの相続人情報の入力処理(S3A−4)と相続財産情報入力処理(S3A−6)は、任意の順序で行っても良い。図3Aでは、相続人情報の入力処理(S3A−4)の後に、相続財産情報入力処理(S3A−6)を行っているが、逆の順序で行ってもよい。あるいは、両者を並行して行ってもよい。また、相続財産の試算を行うだけであれば、相続人情報の入力処理を省略してもよい。
2−4.計算処理
上述した、相続人情報設定及び/又は相続財産情報設定を入力(概算による入力も含む)した後は、必須ではないものの、記憶したデータを利用して、計算処理及び登録処理を行ってもよい。こうした処理は、相続税確定申告書データ処理部、提出書類データ処理部、及び/又は相続税総額等情報処理部等が行うことができる。例えば、前記計算処理には、相続税の計算処理(S3A−8)を含むことができる。計算結果は、相続税総額等情報データテーブル、提出書類管理データテーブル、及び/又は相続税確定申告書データテーブルに記憶することができる。
2−5.表示処理
上述した入力(場合により、上述した計算処理)が行われた後、出力処理(S3A−9、S3A−10)を行うことができる。出力には、ディスプレイ又はプロジェクタによる表示、プリンタ等の印刷機械による出力(例えば、PDF形式)が含まれる。あるいは、これらに代えてファイルをダウンロードさせる形式を採用してもよい。ファイルの形式は、PDF、CSV、文書ファイル、表計算ソフトファイル、テキストファイル等、当分野で公知のファイル形式を採用することができる。
前記出力処理は、相続情報出力用データ生成部により実施されてもよい。相続情報出力用データ生成部は、入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成することができる。相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを含むことができる。画面出力用データは、例えば、HTML形式等であってもよい。また、帳票出力用データは、PDF形式等であってもよい。
相続情報出力用データ生成部は、相続財産情報データ処理部、相続税確定申告書データ処理部、提出書類データ処理部、相続税総額等情報処理部などのうち少なくともいずれか1つによって加工されたデータを利用して、相続情報出力用データを作成してもよい。画面出力用データ及び/又は帳票出力用データは、出力部に送られ、各々のデータ形式に応じて出力することができる。出力処理については、後で更に詳述する。
3.相続人情報入力の処理フロー及び相続財産情報入力の処理フロー
(3−1) 相続人情報入力の処理フロー
相続人情報は、相続税を確定するのに必要な情報となる。例えば、法定相続人の数に応じて、基礎控除額が算出されるため、人数が変われば、最終課税対象額が変動する。また、法定相続人が、配偶者である場合には、配偶者税額軽減により、一定限度額まで無税となる。その他、未成年者控除、障害者控除等の各種控除措置がある。従って、法定相続人が同一人数であったとしても、各種控除対象となるか否かで更に相続税の額は変動する。このように相続税額に影響を可能性のある情報を、相続人情報入力の処理を介して入力することになる。
相続人情報の処理フローの詳細を、図3Bに示す。上述したように、入力作業者からの指示に応じて、入力画面を表示する(例えば、図5−6)。当該入力画面を介して、入力作業者は相続人情報の入力を行う(S3B−1)。入力画面においては、少なくとも以下の項目について、入力作業者が設定することが可能である。
・相続人名(又は、相続人名に対応するコード)
・被相続人との続柄(例:配偶者、長男、長女、非嫡出子、父、母、兄弟姉妹など、又は続柄に対応するコード)
・相続人確定フラグ
なお相続人は、遺言書を作成している場合には血縁者に限定しないが、その情報もテーブルに反映してもよい(例、図4−1の相続者属性「8」の相続人)。
上記以外に、必要に応じて、以下のいずれか1つ以上の項目も設定することが可能である。
・各種控除措置に該当するか否かのフラグ(各種控除措置については後述)
・年齢及び/又は生年月日
・配分割合(又は法定相続分)
・法定相続人に該当するかのフラグ
・相続放棄するかのフラグ
相続人1人に対して、相続人確定フラグを1つ割り当てることができる。従って、4人の相続人が登録されている場合、相続人確定フラグは4つ存在することになる。
そして、相続人確定フラグは、当該相続人に関する上記内容が暫定的なもの(概算)なのか、それとも、確定的なものなのかを少なくとも管理することができる。あるいは、そもそも相続対象として登録すべきなのかどうかが確定していない(例えば、親子関係が確定していないなど)状態で暫定的に登録した場合に、暫定的なものとして、相続人確定フラグを設定してもよい。
例えば、相続人確定フラグは、暫定(概算)の場合には、0(ゼロ)を割り当て、確定の場合には1を割り当ててもよい。即ち、少なくとも相続人情報が概算か確定かを設定可能である。
ここで、「少なくとも」と述べているが、相続人確定フラグは、確定/暫定(概算)といった2者択一形式に限定されない。即ち、3つ以上の選択肢が存在してもよい。例えば、「0:未入力、1:暫定、2:確定」としてもよい。あるいは、「0:未入力、1:暫定、2:確定、3:ロック変更不可」としてもよい
相続人に関する上記の情報の入力が、完了した後、入力作業者は登録処理(更新、削除を含む)を行うことができる(S3B−2)。当該登録処理に応答して、制御部は、相続人情報管理テーブルに、入力した内容を記憶させる。登録処理後は、再度入力画面を呼び出して、相続人に関する情報を再編集してもよい。例えば、前回登録したときには未確定だった相続人を、再編集によって確定させてもよい。あるいは、登録処理後、相続財産の入力処理を行ってもよい。
別の実施形態では、入力作業者による入力は、データをインポートする操作によって行われてもよい。例えば、当該データとしては、XML形式のデータ、CSV形式のデータ、表計算ソフト形式のデータ、テキスト形式のデータ、画像ファイル形式のデータ、PDF形式のデータ等が挙げられる。必要により、特定のデータ形式については、一旦、OCR処理等を行ってもよい。これらのインポートされたデータは、例えば、相続情報入力受付部に送信され、更に相続人情報処理部に送信され、そこでエラーチェック等を行い、その後、相続情報入力用画面データ生成部にて、相続人情報入力画面用データを再構成してもよい。
別の実施形態では、入力作業者による入力は、特定の方式に限定されず、キーボード操作、マウス操作、タッチパネル操作、音声入力操作等で行われてもよい。
(3−2) 相続財産情報入力の処理フロー
どの程度の括りで相続財産情報を入力することを望むかについては、顧客ごとに異なる。
例えば、被相続人の財産の総額が既に分かっている場合、財産の内訳について入力する必要が無い。また、別の例として、相続財産の種類毎に金額がある程度分かっている場合には、相続財産の種類毎に金額を入力すればよい(即ち、個別の相続財産ごとに入力する必要はない)。更に別の例として、個別の相続財産毎に入力することを望む場合もある。
更に別の例として、ある相続財産の種類については、相続財産の種類ごとに金額を入力することを望む一方で、別の相続財産の種類については、個別の財産毎に入力することを望む場合もある。
一実施形態における本発明は、このように、顧客ごとに、入力すべき財産に関する実情が異なることに対応することが可能である。
相続財産情報の入力処理の流れを、図3Cに示す。入力作業者は、まず入力方式選択画面を表示させるための操作を行う(S3C−1)。そして、図5−1に示すように相続財産情報の入力画面が起動する。
入力画面では、少なくとも「相続財産の合計額」(第一層)、「土地や建物といった大まかな種別」(第二層)、及び「個別財産」(第三層)の3つの階層レベルで、相続財産の入力が可能となっている(S3C−2)。
入力画面において、記載している各層の財産項目毎に概算と確定を区別して入力を受け付けることが可能である。
(3−2−1) 第一層の相続財産情報入力の処理フロー
例えば、プラスの財産の総額が既に分かっている場合には、「相続財産の合計」の行(図5−1の「相続財産の合計」の行)に金額を入力することができる(S3C−4)。また、入力した値(金額、単価、数量など)が、概算なのか確定値なのかを指定するため、概算フラグを設定することができる(図5−1の概算チェックの欄)。
相続人確定フラグと同様に、概算フラグについて、暫定(概算)の場合には、0(ゼロ)を割り当て、確定の場合には1を割り当ててもよい。
更に、相続人確定フラグと同様、概算フラグは、確定/暫定(概算)といった2者択一形式に限定されない。即ち、3つ以上の選択肢が存在してもよい。例えば、「0:未入力、1:暫定、2:確定」としてもよい。あるいは、「0:未入力、1:暫定、2:確定、3:ロック変更不可」としてもよい
好ましい実施形態では、デフォルトで、概算フラグが自動的に、暫定を示すになるように制御することができる。例えば、「暫定(概算)が0(ゼロ)、確定が1」の場合には、値を0になるよう制御することができる。
ここでいうデフォルトとは、初めてデータを入力する時点での状態のみならず、金額を入力した後に自動設定する場合(S3C−7)の場合もさす。
(3−2−2) 第二層の相続財産情報入力の処理フロー
おおまかな種類別に金額がわかっている場合には、種類別に金額を入力することができる(S3C−5)。例えば、現金・預金等と有価証券についてはすでに総額が分かっている場合には、それぞれ、「現金・預貯金等」と「有価証券 計」の行に金額を入力することができる(図5−1の「現金・預貯金等」と「有価証券 計」の行)。
上述した第一層と同様、概算フラグを、第二層においても設けることができる。概算フラグで取り扱う選択肢(2以上、又は3以上)、及びデフォルトの設定方法(S3C−8)についても、上述した第一層と同様であってもよい。
別の実施形態では、第二層の概算フラグは、デフォルトで、確定値を示すような値を設定してもよい。例えば、「暫定(概算)が0(ゼロ)、確定が1」の場合には、値を1になるよう制御することができる。第二層で管理する数値の大半が確定値である場合には、デフォルトが確定値を示すようにしておいた方が(そして、入力作業者操作によって概算を示す値に変更することができる状態にしておいた方が)、いちいち確定に設定する操作の手間が少なく有利である。
(3−2−3) 第三層の相続財産情報入力の処理フロー
例えば、第二層よりも更に細かい分類での金額の内訳が分かっている場合、第三層でのレベルで入力することができる(S3C−6)。例えば、土地について、田んぼ、畑、宅地、山林、庭木や山林の木等の更に細かい分類ごとに値(数量、単価、金額等)を入力することができる。なお、庭木や山林の木は、切断すると材木となり、動産となる。
上述した第一層〜第二層と同様、概算フラグを、第三層においても設けることができる。概算フラグは入力作業者によって設定可能であってもよい(S3C−9)。概算フラグで取り扱う選択肢(2以上、又は3以上)ついては、上述した第一層及び第二層と同様であってもよい。
別の実施形態では、第三層の概算フラグは、デフォルトで、確定値を示すような値を設定してもよい。例えば、「暫定(概算)が0(ゼロ)、確定が1」の場合には、値を1になるよう制御することができる。第三層で管理する数値の大半が確定値である場合には、デフォルトが確定値を示すようにしておいた方が(そして、入力作業者操作によって概算を示す値に変更することができる状態にしておいた方が)、いちいち確定に設定する操作の手間が少なく有利である。
ここでいうデフォルトとは、初めてデータを入力する時点での状態のみならず、金額を入力した後に自動設定する場合も含む。概算フラグのデフォルト設定は、第1層などの上位層では、大雑把にしか相続財産を把握していない場合を想定して、デフォルトで概算値としておき、第2層などの中間層でも、まだ財産の種類毎に大まかに把握しているに過ぎない可能性が高いことを想定して、 デフォルトで概算値としておく一方で、第3層などの下位層では、相続財産を個別に把握した上で入力していると推定されるので、デフォルトで確定値としておくことが考えられるが、これに限定されない。
(3−2−4) 第二層及び第三層の相続財産情報入力の処理フロー
上記の実施形態のほか、ある項目については第二層で入力し、ある項目については第三層で入力することも可能である。
例えば、現金・預金等についてはすでに総額が分かっているものの、土地については、複数存在し、特定の土地しか金額(例:評価額)が分からない場合がある。こうした場合には、「現金・預金等」の行(第二層)に入力を行う一方で、「田」「宅地」といった行(第三層)に金額を入力することができる。
(3−2−5) 財産情報の階層分類
上記実施形態では、財産情報を、「相続財産の合計額」(第一層)、「土地や建物といった大まかな種別」(第二層)、及び「個別財産」(第三層)として、表現したが、別の階層表現も可能である。例えば、第一層〜第三層まで、それぞれ大分類、中分類、小分類といった表現とすることも可能である(表1)。例えば、大分類は、不動産、動産、債権、債務といったカテゴリを含むことができる。また、これ以外に、相続税の控除対象となる葬式費用、非課税財産等も含むことができる。
また、中分類は、不動産に属する土地・建物等、動産に属する車・家財等、債権に属する現金・預貯金・有価証券等、債務に属する借入金等が挙げられる。
更に、小分類は、例えば、土地に属するものであれば、自用地、貸宅地、貸家建付地等が挙げられる。
更に、小分類の下に、極小分類(第四類)を導入してもよい。例えば、小分類の自用地に属するものとして、宅地、山、畑、田といった分類を含むことができる。更には、極小分類(第四類)の下に、個別の財産を設けてもよい。例えば、田が複数個所に存在する場合には、極小分類(第四類)の下に、田んぼA,田んぼBといった分類を設けてもよい。いずれにせよ、分類の設定方法は、表1の形態に限定されず、任意の分類に変更することができる。
(3−2−6) その他
入力する内容は金額に限定されず、例えば、単価×数量であってもよい。例えば土地などの場合坪単価×広さで入力してもよい。
また、上述した階層構造に対応した入力に加えて、更に相続人ごとの入力を行ってもよい。あるいは、既に相続人情報として分割割合が設定されている場合には、各財産項目に関する金額を当該分割割合に応じて按分した金額を自動的に表示することもできる。
また、図5−1では図示していないが、みなし相続財産及び/又は3年以内の贈与に係る財産と、それ以外の財産とを区別するフラグを設けても良い。みなし相続財産及び3年以内の贈与に係る財産は、後述する相続税の計算に必要になる。
別の実施形態では、入力作業者による入力は、データをインポートする操作によって行われてもよい。例えば、当該データとしては、XML形式のデータ、CSV形式のデータ、表計算ソフト形式のデータ、テキスト形式のデータ、画像ファイル形式のデータ、PDF形式のデータ等が挙げられる。必要により、特定のデータ形式については、一旦、OCR処理等を行ってもよい。これらのインポートされたデータは、例えば、相続情報入力受付部に送信され、更に相続財産情報データ処理部
に送信され、そこでエラーチェック等を行い、その後、相続情報入力用画面データ生成部にて、相続財産情報入力画面用データを再構成してもよい。
別の実施形態では、入力作業者による入力は、特定の方式に限定されず、キーボード操作、マウス操作、タッチパネル操作、音声入力操作等で行われてもよい。
4.相続財産情報の記憶管理フロー及び計算処理フロー
上述したように、相続人情報入力と相続財産情報入力とが、相続情報入力受付部及び相続情報入力データ記憶管理部を介して、記憶部内のテーブルに記録される。
(4−1) 相続財産情報の記憶管理
相続情報入力データ記憶管理部は、記憶部内のテーブルにデータを記憶する機能を有し、典型的にはリレーショナルデータベースである。そして、リレーショナルデータベースではテーブルを基礎として情報が記憶される。
(4−1−1) 相続人情報の記憶管理
例えば、上述した相続人情報入力処理によって入力された情報は、図4−1に示す形式のテーブルで保存されてもよいが、これらに限定されない。例えば、相続者IDを主キーとしてもよく、或いは相続者IDと被相続者IDの組み合わせを主キーとしてもよい。また、テーブルの正規化は必須ではなく、図4−1に示すように、相続者IDと相続者名が併存してもよい。
ただし、本発明の一実施形態において、相続者IDと1:1で対応するように、相続人確定フラグ(確定(1)/未確定(0))を設けることが好ましい。また、被相続人との関係を表す情報も、相続税を確定させるために管理することが望ましい(相続者属性)。また、顧客が、被相続人である場合、相続人である場合等考えられるので、別途顧客IDを設けることも好ましい。また、相続人に直接対応するものではないが、被相続者による遺言の有無や命日を一緒に管理してもよい。
(4−1−2) 相続財産情報の記憶管理
相続人情報と同様、相続財産情報も特定のテーブルに記憶させることができる。例えば、図4−3に示すような形式の相続財産情報データテーブルで保存されてもよいが、これらに限定されない。
例えば、図4−3のテーブルは、財産IDが主キーとなるが、この財産IDを、第一財産ID,第二財産ID、第三財産IDにわけ、これらを、上述した第一層、第二層、第三層で入力する財産項目に対応させてもよい。例えば、第二財産IDの値として、「35」(預貯金等をしめす)という値を設定し、第三財産IDとして、「35−1」(A銀行普通預金)、「35−2」(B銀行普通預金)といった値を設定してもよい。従って、好ましくは、階層の数だけテーブルを設けて、各階層と対応させてもよい。あるいは、1つのテーブルで、すべての階層を網羅できるように実装することも可能である。例えば、主キーを財産IDとして、更に、上位階層又は下位階層の財産IDのカラムを別途設け、外部キーとして保持する構成であってもよい。
また、別の形態のテーブルとして、財産IDのほかに被相続人IDを組み合わせて主キーとした構成であってもよい。
財産情報データテーブルでは、財産IDに1:1で対応する形で、財産確定フラグ(確定(1)/未確定(0))を設けることが好ましい。ただし、同一の財産種別に同一の財産IDを割り当てている場合(例えば、被相続人ID「HS0001」の預貯金等と、被相続人ID「HS0002」の預貯金等とに対して、同じ財産ID「35」が割り当てられている場合)、財産IDと被相続者IDの組み合わせに1:1で対応する形で、財産確定フラグ(確定(1)/未確定(0))を設けることが好ましい。
(4−1−3) 他のテーブル
上述した相続人情報及び相続財産情報を記憶するためには、最低限、相続人情報管理テーブル(図4−1)と相続財産情報データテーブル(図4−3)とがあればよい。
しかし、後で、これらの情報に基づいて、相続対象の額や、相続税の計算を行い、各種手続きの進捗管理などを行う必要がある。
従って、相続人情報管理テーブルと相続財産情報データテーブルとに書き込みを行う段階で、追加のテーブルに情報を書き込んでもよい。追加のテーブルの具体例としては、図3Aに記載の「提出書類データ管理テーブル」を設けてもよい。「提出書類データ管理テーブル」は、相続手続きに関連する書類を管理する目的で利用される。書類の例としては、登記簿謄本、固定資産税評価証明書、預金残高証明書、固定資産評価証明書、遺産分割協議書等が挙げられる。これらの情報の書き込みは、「提出書類データ処理部」などによって行われてもよい。
また、上記書類のなかで、相続税の申告に係る書類については、「提出書類データ管理テーブル」から独立させて、「相続税確定申告書データテーブル」を設けてもよい。この場合には、これらの情報の書き込みは、「相続税確定申告書確定申告書データ処理部」などによって行われてもよい。
(4−2) 相続税額の計算処理
一実施形態において、相続人情報入力と相続財産情報入力とが記憶部に記録された後は、入力データに基づいて、相続税額の計算処理を行ってもよい。更に、好ましい実施形態では、計算した結果を、記憶部(例:テーブル等(例えば、相続税総額等情報データテーブル))に記憶してもよい。計算結果を記憶しておくことで、出力する度に計算処理を行う必要がないため、リソースを節約することができる。
(4−2−1) 情報取得
相続税額の計算処理のフローを図3Dに示す。まず、相続人情報管理テーブルと相続財産情報データテーブルとから(場合により相続税確定申告書データテーブルからも)、入力した情報を取得することができる(S3D−1)。
(4−2−2) 遺産評価額の総額の計算
次に、遺産評価額の総額の計算を行うことができる。例えば、死亡保険金等のみなし相続財産(例:死亡保険金、死亡退職金など)、及び/又は相続開始3年以内の贈与等が存在する場合には、上記で入力した相続財産にこれらを更に加算することができる(S3D−2)。上述したみなし相続財産及び/又は相続開始3年以内の贈与等の入力処理、及び記憶処理については、相続財産情報と同じく、少なくとも、確定/概算の区別(又はこれら以外の更なる選択肢)を管理するフラグを設けてもよい。そして、相続財産情報入力処理で入力される対象に組み込んでもよい。その際に、みなし相続財産及び/又は相続開始3年以内の贈与等であることを識別するために上述したフラグを設けてもよい。
(4−2−3) 課税価格の計算
遺産評価額の総額の計算後、課税価格の計算を行うことができる(S3D−3)。より具体的には、遺産評価額の総額から、非課税財産等を差し引いた額を、課税価格として算出することができる。差し引く金額の例としては、非課税財産(例、(500万円×法定相続人の数)の死亡保険金及び死亡退職金)、葬式費用、債務などが挙げられる。これらの差し引く金額については、相続財産情報と同じく、少なくとも、確定/概算の区別(又はこれら以外の更なる選択肢)を管理するフラグを設けてもよい。そして、相続財産情報入力処理で入力される対象に組み込んでもよい(図5−1「債務」「葬式費用」など、或いは図5−1では示さないが、「死亡保険金及び死亡退職金」の項目を入力画面に設けてもよい)。
また、葬式費用に関しては、主に以下のものがあげられる。
(1)お通夜、本葬費用(会場費用、飲食代、お手伝いの人へのお礼、会葬御礼)、
(2)お布施、読経料、戒名料、
(3)火葬、埋葬、納骨費用、
(4)遺体運搬費用など。
(4−2−4) 各人の仮の相続税額の計算
課税価格を算出した後は、更に、各人の仮の相続税額の計算を行うことができる(S3D−4)。まず、相続税額計算テーブルから情報を取得することができる。当該テーブルは、税率及び控除額を速算するための情報が記憶されており、例えば以下の形式で記憶されてもよい。
また、これに加えて、相続人情報管理テーブルからも情報(例えば、相続人の人数、属性(配偶者、親、子、兄弟など)、法定相続分、分割割合など)を取得することができる。これらの取得情報に基づいて、基礎控除額(例:3000万円+600万円×法定相続人の数)を算出することができる。そして、上述した課税価格から、基礎控除額を差し引いて、最終課税対象額を算出することができる。
次に、法定通りに相続した場合を仮定して、各人の相続税を算出することができる。例えば、配偶者1人、長男1人、長女1人であれば、1/2、1/4、1/4となるため、課税対象額が3000万円だと、それぞれ1500万円、750万円、750万円となる。そして、相続税額計算テーブルを利用して、それぞれの金額に応じた相続税額を算出することができる。例えば、1500万円だと、税率15%、控除額50万円であるため、相続税は175万円となる(1500万円×0.15−50万円)。また、750万円だと、税率は10%であるため、75万円となる。
(4−2−5) 相続税額の総額の計算
上記で、各人の相続税額を算出した後、これらを合計して、相続税額の総額を算出することができる(S3D−5)。好ましい一実施形態において、上述した一連の計算は、概算値を含む相続税額の計算と、確定値だけの相続税額の計算との両方を行うことができる。そして、両者の計算結果を、記憶部に記憶することができる。
(4−2−6) 分割割合の情報取得
被相続人による遺言等の理由により、法定通りの相続が行われない場合もあり得る。従って、上述した工程(S3D−4、S3D−5)に加えて、或いはこれらに代えて、分割割合の情報を取得することができる(S3D−6)。分割割合の情報の取得元は特に限定されないが、例えば、相続人情報管理テーブルに、相続の割合を記憶するようにしてもよい。
(4−2−7) 相続人毎の相続税額の計算
分割割合の情報を取得した後は、上述した工程(S3D−4、S3D−5)と同様の処理を行うことができる(ただし、分割割合は、法定通りではなく、取得した分割割合の情報に基づく)。
(4−2−8) 税額控除
上記工程で、各人の相続税額について、税額控除を更に計算することができる(S3D−8)。例えば、税額控除には、以下の控除が含まれるが、これらに限定されない:(1)贈与税額控除、(2)配偶者控除、(3)未成年控除、(4)障害者控除、(5)相次相続控除、(6)外国税額控除、(7)二割加算など。
例えば、上述した配偶者の例であれば、相続税は175万円であるが、配偶者控除を適用することでゼロになる。また、上記長男は、相続税が75万円であるが、未成年で15歳である場合には、未成年控除を適用することで、25万円となる(75万円−(10万円×(20−15)=25万円)。
税額控除を加味した結果については、記憶部に格納することができる。
(4−2−9) 税制改正
ただし、ここに記載しているものはあくまでも一例であり、さらに、年度ごとに発生する税制改正によっても控除額が増減することがある。従って、好ましい実施形態においては、税制改正ごとに、計算ロジックをデータベース等で管理しておくことができる。そして、相続財産情報データテーブル、相続税確定申告書データテーブル等で、どの年度の税制が適用されるかを保持しておくことができる。
(4−3) 2次相続に係る相続税の計算
一実施形態において、本発明は、上述した相続税の計算だけでなく、2次相続の計算も行うことができる。当該計算は、相続税確定申告書データ処理部及び/又は相続税総額等情報処理部等が行うことができ、計算結果は、相続税確定申告書データテーブル及び/又は相続税総額等情報データテーブルに記憶させてもよい。
2次相続は、例えば、被相続人の配偶者が亡くなった後、配偶者の子どもが、配偶者の財産を相続する場合に、もともとは被相続人の財産を配偶者を経て相続するケースを指す。この場合、配偶者控除が適用されないこと、相続人の人数が減ること、小規模宅地等の特例が利用できない可能性があることから、1次相続より高額になる可能性がある。
一実施形態において、本発明は、配偶者が亡くなった場合を仮定して、図5−1に示す画面と同様のレイアウトの画面を、同様の仕組みで出力することができる(ただし、この場合、配偶者に関する欄は削除してもよい)。そして、被相続人から相続した場合の財産の情報を、相続財産情報データテーブルから取得して表示することができる。併せて、配偶者自身の財産を当該画面で入力することができる。更には、配偶者自身の財産と、被相続人から配偶者が相続する財産とを合わせた額を表示することができる。
この際に、被相続人の財産情報入力で設定した概算フラグの値を引き継いで、デフォルト値として区別表示することができる。これにより、2次相続の財産情報を入力する際に、再度、確定/未確定等の設定を行う手間を省略することができる。
5.相続財産情報の出力の処理フロー
次に、上述した入力情報、及び入力情報に基づいて計算した相続税額等については、特定の形式で出力することができる。
(5−1) 相続情報出力の処理フロー(その1)
出力処理の概要を図3Eに示す。最初に、出力したい内容を選択することができる(S3E−1)。例えば、出力したい内容として、相続財産の一覧、相続税額計算結果の表示等が挙げられる。一連の処理は、主に、相続情報出力用データ生成部により行われてもよい。
前記選択内容を受けて、出力に必要なデータを記憶部から取得することができる(S3E−2)。例えば、上述した相続財産情報データテーブル、相続人情報管理テーブル、提出書類データ管理テーブル、相続税確定申告書データテーブル、相続税総額等情報データテーブル等から取得してもよい。
その後、相続情報出力用データ生成部により、選択した表示画面に基づいて、画面表示データを生成することができる(S3E−3)。このほか、又はこれに代えて、帳票出力用データを生成することができる。
画面表示データ及び/又は帳票出力用データを生成した後は、これらのデータは相続情報出力部に送られ、出力される。画面表示データであれば、ディスプレイやプロジェクタ等により表示されてもよい。帳票出力用データであれば、直接画面に出力されることなく印刷機で出力されてもよい。あるいは、一旦PDF等の形式でディスプレイやプロジェクタ等により表示されてもよい。以下では、出力される画面や帳票の具体例を幾つか説明する。
(5−1−1) 相続財産表示画面(一覧表)
図5−2に相続財産表示画面(一覧表)の画面のレイアウトを示す。一実施形態においては、図5−1に示す入力画面で入力した内容を反映させる構成であってもよい。しかし、形式については特に限定されず、例えば、最も下位の層は省略して、中分類の層〜最上位層までを出力するようにしてもよい。また、各相続人の按分額を表示してもよい。なお、例として、図5−1は、画面表示で示しているが、印刷して直接記載してもよく、印刷して記載済のものをスキャナー等で読み込ませてもよい。
さらに、図5−2に表示されている項目の一部は、表示/非表示を切り替えられるようにしてもよい。例えば、各相続人の按分については参照する必要が無い場合には、入力作業者からの操作により、各相続人の按分を非表示にすることができる。あるいは、特定の層より下の階層は参照する必要が無い場合には、入力作業者からの操作により、これらを非表示にすることができる(例えば、図5−1に表示されている「+」及び「−」を切り替えて、下位の階層を表示させたり、非表示にさせたりすることができる。)。
また、財産項目それぞれについて、確定した数値なのか、未確定の数値なのかを階層毎に概算/確定で区別して受付け、相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かすために表示するための区別表示手段を設けることができる。即ち、図5−2の「概算」の欄に示すように、概算である場合には、「*」マークを表示し、確定である場合には、空欄にしてもよい。あるいは、概算のときには空欄にし、確定である場合には、「*」マークを表示するようにしてもよい。
なお、一実施形態において、下位の階層の特定の項目が概算である場合には、必然的に上位層の金額も概算となるため、自動的に、概算であることを示すマークを表示してもよい。
また、図5−2では表示していないものの、相続人自体についても、確定/未確定を区別表示する手段を設けてもよい。例えば、図5−2で、長男が相続放棄等の可能性があるために未確定である場合には、長男の氏名が表示されている欄に「*」マークを表示してもよい。
このように、階層毎に概算/確定で区別して受付け、相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かすために確定しているものと確定していないものとを区別して表示することで効率的に相続情報を把握することができる。なお、区別して表示する手段については、「*」マークに限定されず、他の手段で実現されてもよい。例えば、フォントの変更(例:アンダーライン付加、サイズ拡大、太字化、文字色変更、背景色変更)、背景点滅、他の記号付加(例:※、#、!)などが挙げられるがこれらに限定されない。
(5−1−2) 相続財産表示画面(グラフ等)
図5−3に相続財産表示画面(グラフ等)の画面のレイアウトを示す。図5−2では、相続財産の詳細を把握することができるが、図5−3に示す表示画面は、相続財産について全体像を把握するのに有効な出力形式となる。例えば、「相続財産内訳」という内容で、帯グラフ及び表を組み合わせて、相続財産の全体像を表現してもよい。図5−3では、「土地等」「家屋・構築物」「有価証券等」「預貯金等」「家庭用財産等」の5つの項目について、帯グラフ及び表を使って表現している。更には、この5つの項目の中で、概算が含まれている項目については、「*」マーク等を用いて、表現してもよい。 グラフについては、上述した帯グラフに限定されず、他の形式で表現してもよい。例えば、円グラフ、棒グラフ、ヒストグラムなどの形式が挙げられるがこれらに限定されない。
(5−1−2−1) 進捗情報の表現
更には、進捗情報(相続財産がどの程度確定しているのか)を表現することもできる。例えば、図5−3の円グラフに示すように、概算情報と、確定情報を、価格ベースで表現してもよい。そして、全体の価格に占める確定価格の割合を、進捗度を表す数値として示してもよい(図5−3の例では「60%」)。
あるいは、価格ベースではなく、項目数ベースで進捗度を数値表現してもよい。例えば、100項目のうち、確定している財産項目が80項目ある場合には、80%と表現してもよい。
(5−1−2−2) 内訳詳細の表現
更なる一実施形態において、特定の箇所に指示ポインタ(典型的にはマウスポインタ)が移動したときに、財産種別の内訳詳細を表示するように設定してもよい。例えば、図5−3では、「土地等」という文字、「*」マーク、又は金額「160,000,000」のところに重なるように指示ポインタが移動した際に、ポップアップ等の形式で、内訳詳細を表示してもよい。そして、内訳詳細において、概算である数値を含む項目に「*」マークを表示してもよい。
また、内訳表示のトリガーとなる操作は、上記の操作に限られず、クリック(右クリック、シングルクリック、ダブルクリック等含む) 、タップ、若しくは長押し、音声などの操作であってもよい。
財産種別「土地等」のなかに、まだ確定していない財産があることを認識した入力作業者が、財産種別「土地等」に属する内訳のなかで、どの項目が未確定なのかを知りたい場合がある。その時に、他の画面に遷移する手間を要することなく、簡単に参照することができるメリットがある。例えば、図5−3に示す例では、土地等のうち、宅地がまだ確定していないことをすぐに知ることができる。
このような内訳詳細の表現の仕組みは、図5−3「相続財産表示画面(グラフ)」に限られず、他の画面表示においても実装してもよい。
また、図5−3の相続財産表示画面に示すグラフ、表、内訳等については、個人別(即ち、特定の相続人を対象にして)に表示することもできる。例えば、被相続人のうち、長男だけの財産種類内訳を表示することもできる。
更には、図5−3には示していないが、相続税額も表示してもよい。また、個人別に相続財産表示画面に示すグラフ、表、内訳を表示する場合には、その個人が負担する相続税額も併せて表示してもよい。これにより、その相続人が負担する相続税が把握できるだけでなく、流動資産が多いか少ないかで、相続税を負担できる可能性を把握することができる。あるいは、確定した財産と未確定の財産との比率で、相続税を負担できる可能性を把握することができる。一方で、二次相続を見越して、宅地等の相続割合を増やすなどの検討も行うことができる。
(5−1−3) 相続税額等表示画面
図5−4に相続税額等表示画面のレイアウトを示す。図5−2及び図5−3では相続財産の方に主眼を置いた表示となっていたが、図5−4は相続税の算出を主眼に置いている。上述した「(4−2) 相続税額の計算処理」の項で説明した、計算結果に対応した表現になっている。例えば、図5−4の「課税価格の合計」〜「課税遺産総額」という欄は、上述した「(4−2−2) 遺産評価額の総額の計算」〜「(4−2−3) 課税価格の計算」に対応する。また、図5−4の下側に表示されている各相続人の表は、「(4−2−4) 各人の仮の相続税額の計算」〜「(4−2−7) 相続人毎の相続税額の計算」に対応する。
図5−4では、タブ形式の画面構成となっており、「相続税の総額計算」タブと、「納付税額計算」タブを設けている。「納付税額計算」タブは、上述した「(4−2−8) 税額控除」に対応する構成となっている。
図5−4に示す画面レイアウトにおいても、図5−2及び図5−3で示す画面レイアウトと同様、階層毎に概算/確定で区別して受付け、相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かすために確定した数値なのか、未確定の数値なのかを表示するための区別表示手段を設けることができる。また、相続人(あるいは当該相続人に係る相続税額)の確定/未確定についても同様に区別表示手段を設けることができる。
(5−2) 相続情報出力の処理フロー(その2)
図3Eとは別の出力処理の概要を図3Fに示す。図3Eでは、財産状況の把握に主眼を置いた出力処理であったが、図3Fは、相続の手続きに主眼を置いた出力処理である。一連の処理は、主に、相続情報出力用データ生成部により行われてもよい。そして、相続情報出力用データ生成部は、提出書類データ処理部、及び/又は相続税確定申告書データ処理部から加工データを取得して、出力用データを作成してもよい。
相談者(例 被相続人、又は主たる相続人など)の選択を行うことができる(S3F−1)。例えば、会計事務所等で、顧客から相続人関する相談をうけるケースがある。この場合、会計事務所では、複数の顧客のデータを登録していることが多いため、システム等で、情報の出力を行うためには、最初に、相談者の選択を行う必要がある。
相談者の選択を行った後は、相談者から特定されるID(顧客ID、相続者ID、及び/又は被相続者ID)をもとに、相続情報を記憶部から取得することができる(S3F−2)。例えば、図4−1及び図4−3に示す相続人情報管理テーブルや、相続財産情報データテーブル等から相続情報を取得してもよい。
その後、図4−2に示す提出書類データテーブル(必要により、相続税確定申告書データテーブル)から更にデータを取得する(S3F−3)。当該データの取得の目的は、相続財産毎に、必要な提出書類、提出期限、書類の入手先、書類の申請先、協力が必要な専門家や官公署等の情報取得である。
情報を取得した後は、出力用の帳票のデータを生成することができる(S3F−4)。これらのデータは、相続情報出力部に送信され、出力される。画面表示データであれば、ディスプレイやプロジェクタ等により表示されてもよい。帳票出力用データであれば、直接画面に出力されることなく印刷機で出力されてもよい。あるいは、一旦PDF等の形式でディスプレイやプロジェクタ等により表示されてもよい。以下では、出力される画面や帳票の具体例を幾つか説明する。
(5−2−1)相続人の手続き・提出書類の実施状況一覧
図5−5に示すのは、相続人の手続き・提出書類の実施状況一覧である。相続の手続きの際には、様々な手続きが必要となる。しかも、被相続人の死亡日を起算日として、手続き期限が決まっているものもある。従って、どの機関に対して、どの手続きを、いつまでに行わなければならないかを把握することは重要である。
レイアウトとして、縦側に関係届け先を表示し、横側に時間軸を表示することができる。あるいは、縦側と横側に表示する内容を逆にしてもよい。また、提出書類や必要な手続きを、該当する期日及び届け出先によって特定される位置に表示することができる。
届け先の情報については、例えば、図4−2に示す提出書類データ管理テーブルの、書類の届け先カラムに記載されたコードに基づいてもよい。また、時間軸(及び期日)については、例えば、図4−2に示す提出書類データ管理テーブルの、期限カラムに記載された日付に基づいてもよい。更には、提出書類や必要な手続き等については、例えば、図4−2に示す提出書類データ管理テーブルの、書類カラムに記載されたコードに基づいてもよい。
また、提出や手続きが完了していない案件については、特定のマークを追加することができる。例えば、パスポートの返納が済んでいない場合、又は、準確定申告が済んでいない場合には、「※」マークを表示することができる。
図5−5に示す画面においても、相続情報(例、相続財産、相続人等)の確定/未確定にかかわる書類・手続きについては、区別表示手段を設けることができる。例えば、相続財産が確定していない場合には、準確定申告ができない状況であるため、当該手続きに「*」マークを表示することができる。当該マークを表示するかどうかの判定は、図4−2に示す提出書類データ管理テーブルの確定(1)/未確定(0)カラムに基づいてもよい。あるいは、図4−1又は図4−3に示す相続人情報管理テーブルの確定(1)/未確定(0)カラム、及び/又は相続財産情報データテーブルの確定(1)/未確定(0)カラムに基づいてもよい。なお、区別して表示する手段については、「※」マークに限定されず、他の手段で実現されてもよい。例えば、フォントの変更(例:アンダーライン付加、サイズ拡大、太字化、文字色変更、背景色変更)、背景点滅、他の記号付加(例:@、#、!)などが挙げられるがこれらに限定されない。
(5−2−2)相続財産情報収集シート
図6に相続財産情報収集シートを示す。図5−5では、必要な手続きや提出書類を時系列で表示しているが、図6では、財産毎の必要な書類、申請先及び入手先等、専門家、期限等の情報を表示している。これらの情報は、例えば、図4−2に示す提出書類データ管理テーブルの、書類カラム、書類の提出先カラム、資料の入手先カラム、関連専門家カラム、期限カラム等に基づいて取得してもよい。
例えば、図6の一覧では、「2.債務関係」には、借入金の項目があるが、債務保証有無の欄があり、一覧を見れば債務保証の詳細な内容を確認することができる。
また、上記項目以外に、財産名や、確定/未確定の情報は、図4−2に示す提出書類データ管理テーブルの財産ID、確定(1)/未確定(0)カラムに基づいてもよい。あるいは、図4−3に示す相続財産情報データテーブルの財産ID、確定(1)/未確定(0)カラムに基づいてもよい。
更には、債務関係についても同様に、表現することができ、データの取得元としては、提出書類データ管理テーブルや相続財産情報データテーブルを利用してもよい。
そして、相続財産に直接結びつかない書類についても表示してもよい。例えば、身分関係に関連する書類として、遺言書や遺産分割協議書等に係る情報を表示してもよい。これらの書類の情報は、提出書類データ管理テーブルから取得してもよい。
図6に示すように、ここでも財産項目ごとに、階層毎に概算/確定で区別して受付け、相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かすために確定及び未確定を区別表示するようにしてもよい。これにより、確定している項目については手続きが可能であると認識でき、一方で未確定の項目については(且つ期限が近いもの)、急ぐ必要があることを認識することができる。
なお、相続財産を入力することで概算から確定に切り替わった際に、特に入力作業者が設定して、切り替わりを通知する機能を設けてもよく、通知方法としては、画面上に表示してもよいが、音声等の他の出力方法で通知してもよい。
(5−2−3)相続人毎の相続財産必要書類の管理表
図7に相続人毎の相続財産必要書類の管理表を示す。図6の相続財産情報収集シートと同様の情報を表示しているが、図6は特定の顧客向けに提供するシートであるのに対し、図7は、例えば複数の顧客(相談者)を抱える会計事務所等が、手続きの進捗状況を把握するのに利用することができる。
従って、図6の相続財産情報収集シートと違って、図7では、相談者名を表示しており、また、必要書類の入手の有無を表示している。これらの項目は、例えば、図4−2の提出書類データ管理テーブルには図示していないものの、対応するカラムを別途設けることで管理可能となる(例:顧客IDカラム、入手状況カラム)。
また、特定の項目(又は複数の項目の組み合わせ)に基づいて、項目をソートすることができる。例えば、図7では、相続者名を基準にソートされているが、確定/未確定でソートしてもよいし、入手/未入手でソートしてもよいし、申請先等でソートしてもよいし、専門家でソートしてもよいし、クリティカルポイント(期限)でソートしてもよい。ソートすることで、特定の観点からの情報の把握が容易になる(例えば、特定の専門家に関する情報の確認、期限が近い案件の確認など)。
図8−1のように、必要書類の内容は、まとめて報告書形式にして出力してもよく、その出力は、画面だけでなく、印刷やPDF等にして出力してもよい。報告書としてまとめられる資料としては、相続人情報として、相続人一覧や相続関係図等(例、図8−1の「相続人」表示ボタンにより表示)、相続財産情報として、財産種類内訳や相続人別内訳、個人財産内訳等(例、図8−1の「相続財産」表示ボタンにより表示)、相続税額情報として、相続税の総額計算や納付税額の計算等(例、図8−1の「相続税額」表示ボタンにより表示)、その他、二次相続(例、図8−1の「二次相続」表示ボタンにより表示)や納税資金(例、図8−1の「納税資金」表示ボタンにより表示)等あるが、これらに限定しない。出力される書類いずれにおいても、相続財産及び/又は相続人が、確定/未確定を示す区別表示を行うことができる。
報告書を画面に表示した場合、すべての資料をスクロール形式で閲覧できるようにしてもよい。また、図8−2のように、各報告書のページ毎に切り換えボタンを生成して画面上に表示して、相談者に説明するための主な要素である相続財産や相続人等の主要な要素を簡単にワンタッチで切り換えられるようにしてもよい。
さらに、会計事務所と相続人の間で契約を締結している場合、確定した相続財産情報を基に税務申告することになるが、その際、相続税確定申告書データテーブルから相続税確定申告処理が可能となる。
報告書を作成したものを結果として、レポートを出力してもよい。このレポートは画面に表示するだけでなく、印刷やPDF等にして出力してもよい。
図8−1のような画面(及び図8−2に示す切り替えの仕組み)については、相続情報出力用データ生成部によって画面用データを作成し、これを相続情報出力部に送信することで実現することが可能である。また、図8−1に示す画面において切り替えボタンをクリック(又はタップなど)された場合には、その情報が入力部から、制御部に送信され、必要なデータを記憶部から抽出して、相続情報出力用データ生成部によって画面用データを作成してもよい。
以上のように、図5−5、図6、及び図7に示す出力形態を採用することで、確定情報と未確定情報とを区別して把握することができ、未確定情報を確定させるために必要な手続きや相談すべき専門家等を容易に把握することができる。また、顧客から相談を受ける立場である、例えば、会計事務所などは、複数の顧客の案件を抱えている中、各役所の手続きや、各専門家との連携を容易に図ることができる。また、図5−5、図6、及び図7に示す出力形態に関連して、期限が迫っているものについては、警告手段により警告してもよい。例えば、警告手段は、期限と本日の日付を比較し、その差分が所定の日にち以内の時に、警告を発するよう実装されてもよい。警告を発する手段としては、画面上で表示したり、音声を出力したり、警告メールを送信したりする手段が挙げられるがこれらに限定されない。
更には、相談者と正式に契約を締結していない段階で入力を行い、正式に契約した後での状況の移管もスムーズに行うことができる。
まとめると、本発明では、階層毎に概算/確定で区別して受付け、出力としての相続財産の纏め表示や管理帳票出力の際に生かした表示を行なうことにより、税金等についてのアドバイスを実行するための、効率的な相談者の財産の概算/確定の把握や把握した概算/確定の財産に対する入力不十分な箇所の管理を可能とし、申告業務での確認漏れを防ぐことができる。
また、上述した実施形態の方法、システム、及び/又は装置(又はこれらを実現するためのプログラム)を利用することで記憶されるデータは、そのまま申告書の作業にも利用することができる。従って、相談者から相談を受けて試算等を行い、その後正式に相談者と契約を行った後、相続税の申告作業をスムーズに行うことができる。
(5−3) 相続情報出力の処理フロー(その3)
上述した出力処理フローと同様の処理フローを、2次相続に関しても行うことができる。例えば、2次相続に関する情報は、相続税確定申告書データテーブル及び/又は相続税総額等情報データテーブルから取得して、出力画面用のデータを相続情報出力用データ生成部により生成することができる。
6.出力帳票の活用
上述した帳票は、相談者から相続財産に関する相談を受けた会計事務所が、次回相談者と面談した時に、相談者に提案したり、ヒアリングしたりするのに利用することができる。例えば、上記帳票を提示することで、確定・未確定の箇所が区別表示されているため、どのような情報が更に必要なのかを、顧客に分かりやすく説明したうえでヒアリングを行うことができる。
また、上述した帳票により、例えば、現状でどのような情報が不足しているのか、あるいは現時点で判明している概算がどれくらいなのか、そして、今後確定していくことで、どの箇所の金額が変動するのか、どの程度概算からずれる可能性があるのか等を、相談者にわかりやすく提示することができる。
場合によっては、各相続人の財産の内訳及び相続税を提示することで、流動資産の比率(及びそのうち確定しているものと未確定のものとの比率)などを確認することができる。これにより、相続税を支払うことができる可能性について検討することができる。一方で、二次相続を見据えて、不動産の割合をどの程度増やすべきかを検討することができる。
さらには、上記相談者との面談を重ねた結果、会計事務所と相談者との間で顧問契約等を正式に締結した際には、既存の相続税申告書システム等他のシステムへの移管もスムーズに行うことができる。そして、入力などの重複作業が発生することなく、相続制の申告書等が作成できる。
相談者との面談の際に利用する資料については、図8−1に示す画面を利用して出力することができる。その際には、図8−1に示す画面を利用して、紙媒体に印刷して相談者に提出してもよいし、あるいは図8−1に示す画面をディスプレイやプロジェクタで相談者に提示してもよい。ディスプレイやプロジェクタで提示する場合には、図8−1に示す画面の左側にあるボタンをクリック(又はタップ)して、相談者との相談内容に応じて提示すべき画面を切り替えてもよい。
本明細書において、「又は」や「若しくは」という記載は、選択肢のいずれか1つのみを満たす場合、全ての選択肢を満たす場合を含む。例えば、「A又はB」「A若しくはB」という記載の場合、Aを満たしBを満たさない場合と、Bを満たしAを満たさない場合と、Aを満たし且つBを満たす場合のいずれも包含することを意図する。また、上述した実施形態は、それぞれの機能を実現するためのプログラム及び/又はそれらの組み合わせをハードウェアにインストールすることで実現してもよい。場合により、会計ソフト等の一部の機能として、当該プログラムをダウンロードし、インストールしてもよい。従って、本発明の一実施形態として、上記の機能いずれかを実現するためのプログラムも包含される。
以上、本発明の具体的な実施形態について説明してきた。上記実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上述の実施形態の1つに開示された技術的特徴は、他の実施形態に提供することができる。また、特定の方法については、一部の工程を他の工程の順序と入れ替えることも可能であり、特定の2つの工程の間に更なる工程を追加してもよい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。
10 PCなど
100 サーバー
20 ワークステーション
200 クラウド
11、21 入力部
12、22 出力部
13、23、130、230 通信部
14、24、140、240 制御部
15、25、150、250 記憶部
26 相続情報入力画面表示部
27 相続情報出力部

Claims (13)

  1. 相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するためのシステムであって、
    相続情報入力画面用データ生成手段と、
    相続情報入力画面表示手段と、
    相続情報入力受付手段と、
    相続情報入力データ記憶管理手段と、
    相続情報出力用データ生成手段と、
    相続情報出力手段と、
    を少なくとも備え、

    前記相続情報入力画面用データ生成手段は、少なくとも、
    相続人情報入力画面用データと、
    相続財産情報入力画面用データと、
    を生成し、

    前記相続情報入力画面表示手段は、前記相続人情報入力画面用データと前記相続財産情報入力画面用データとを用いて、
    相続人情報入力画面と、
    相続財産情報入力画面と、
    表示し、
    前記相続情報入力受付手段は、
    前記相続人情報入力画面及び前記相続財産情報入力画面を介して入力された情報を前記相続情報入力データ記憶管理手段に送信し、

    相続財産の入力項目として、相続財産を、個別の相続財産毎ないし相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層で管理する相続財産の種類毎ないし個別の相続財産毎よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、上位層から下位層にかけて第一層、第二層、第三層 を少なくとも含む階層構成となるよう構成され、

    前記相続情報出力用データ生成手段は、前記入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成し、相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを包含し、
    前記相続情報出力手段は、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて、相続情報を出力し、
    前記相続情報入力画面用データ生成手段により、
    第一層、第二層、第三層のいずれの階層においても、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備え、
    前記相続情報入力受付手段において
    前記相続財産概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定する値は、入力作業者操作により変更可能であって、
    前記相続情報入力データ記憶管理手段は、前記概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定した値を相続財産概算フラグとして管理すると共に、
    入力された前記相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記憶部に格納することを特徴とする、
    該システム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、前記第一層及び/又は第二層に対応する相続財産概算フラグは、デフォルトで概算値であることを示すように設定される、該システム。
  3. 請求項1のシステムであって、第二層及び/又は第三層では、前記相続財産概算フラグは、デフォルトで確定値であることを示すように設定される、該システム。
  4. 請求項1〜3いずれか1項のシステムであって、前記相続情報入力画面用データ生成手段において、各相続人に1:1で対応する、少なくとも相続人情報が概算か確定かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための概算/確定設定項目表示データ生成手段を備える、該システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステムであって、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて出力される相続情報において、前記相続財産概算フラグを用いて、特定の相続財産が概算値であることを示す、区別表示を行なう区別表示手段を備えた該システム。
  6. 請求項4に記載のシステムであって、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて出力される相続情報において、各相続人による相続税の按分情報を含み、相続人概算フラグを用いて、特定の相続人に係る相続税額が概算値であることを示す、該システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステムであって、前記画面出力用データ及び/又は前記帳票出力用データを用いて出力される相続情報において、少なくとも、相続財産の種類に応じて必要な添付書面の情報及び/又は相続手続きの進捗情報を含み、相続財産の種類に応じて必要な添付書面、提出までの期限、協力が必要な専門家、書類の入手先ないし申請先のいずれか1以上を含む提出書類データ及び、前記相続財産概算フラグを用いて、相続財産の種類に応じて必要な添付書面の管理表又は相続手続きの進捗度を示す管理表を出力することを特徴とする、該システム。
  8. 請求項5又は6のシステムであって、相続財産の金額が概算値であること示す区別表示が画面上に表示され、
    ここで、少なくとも以下のいずれか1つの操作を示す信号を受信した時に、概算値である財産の詳細情報を表示する、該システム:
    相続財産概算フラグに対応する金額、前記区別表示、及び財産項目のうちいずれか1つに重なるよう指示ポインタが移動、
    これらのうちいずれか1つをクリック 、タップ、若しくは長押し、又は、
    音声操作することにより、前記詳細情報を表示することを特徴とする。
  9. 相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するための装置であって、
    相続情報入力画面用データ生成手段と、
    相続情報入力受付手段と、
    相続情報入力データ記憶管理 手段と、
    相続情報出力用データ生成手段と、
    を少なくとも備え、

    前記相続情報入力画面用データ生成手段は、少なくとも、
    相続人情報入力画面用データと、
    相続財産情報入力画面用データと、
    を生成し、

    ここで、前記相続人情報入力画面用データと前記相続財産情報入力画面用データとを用いて、相続人情報入力画面と、
    相続財産情報入力画面と、

    前記相続情報入力受付手段は、
    前記相続人情報入力画面及び前記相続財産情報入力画面を介して入力された情報を前記相続情報入力データ記憶管理手段に送信し、

    相続財産の入力項目として、相続財産を、個別の相続財産毎ないし相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層で管理する相続財産の種類毎ないし個別の相続財産毎よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、上位層から下位層にかけて第一層、第二層、第三層 を少なくとも含む階層構成となるよう構成され、

    前記相続情報出力用データ生成手段は、前記入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成し、相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを包含し、
    前記相続情報入力画面用データ生成手段により、
    第一層、第二層、第三層のいずれの階層においても、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備え、
    前記相続情報入力受付手段において
    前記相続財産概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定する値は、入力作業者操作により変更可能であって、
    前記相続情報入力データ記憶管理手段は、前記概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定した値を相続財産概算フラグとして管理すると共に、
    入力された前記相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記憶部に格納することを特徴とする、
    該装置。
  10. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の特徴を有する、請求項9の装置。
  11. 相続人情報及び相続財産情報に関する相続情報を管理するための方法であって、
    前記方法は、
    相続情報入力画面用データ生成手段と、
    相続情報入力受付手段と、
    相続情報入力データ記憶管理 手段と、
    相続情報出力用データ生成手段と、
    を少なくとも備える装置によって実行され、

    前記方法は、
    前記相続情報入力画面用データ生成手段により、少なくとも、
    相続人情報入力画面用データと、
    相続財産情報入力画面用データと、
    を生成するステップと、

    前記相続人情報入力画面用データと前記相続財産情報入力画面用データとを用いて作成された
    相続人情報入力画面と、
    相続財産情報入力画面と、
    を介して入力された情報を、
    前記相続情報入力受付手段が、
    前記相続情報入力データ記憶管理手段に送信するステップと、
    (ここで、相続財産の入力項目として、相続財産を、個別の相続財産毎ないし相続財産の種類毎に入力できる下位層から中位層及び、中位層から下位層で管理する相続財産の種類毎ないし個別の相続財産毎よりも大まかな括りの上位層で入力できるように、上位層から下位層にかけて第一層、第二層、第三層 を少なくとも含む階層構成となるよう構成される)、

    前記相続情報出力用データ生成手段により、前記入力された情報を記憶部から取得し、相続情報出力用データを作成するステップと(ここで、相続情報出力用データは、画面出力用データ及び/又は帳票出力用データを包含する)、
    を含み、
    ここで、
    前記相続情報入力画面用データ生成手段により、
    第一層、第二層、第三層のいずれの階層においても、各相続財産の入力項目へ入力される財産の金額及び/又は規模が少なくとも概算値か確定値かを設定可能な概算/確定設定項目を表示するための相続財産概算/確定設定項目表示データ生成手段を備え、
    前記相続情報入力受付手段において
    前記相続財産概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定する値は、入力作業者操作により変更可能であって、
    前記相続情報入力データ記憶管理手段は、前記概算/確定設定表示データ生成手段に対して設定した値を相続財産概算フラグとして管理すると共に、
    入力された前記相続財産情報と相続財産概算フラグとを対応付けて記憶部に格納することを特徴とする、
    該方法。
  12. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の特徴を有する、請求項11の方法。
  13. 請求項11又は12に記載の方法を実行するためのプログラム。
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