JP2019113351A - X線分析装置及び異常検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要以上に高い電圧が検出器に印加されるのを防止することができるX線分析装置及び異常検知方法を提供する。【解決手段】X線分析装置1は、複数の検出器(検出ユニット3)と、電圧印加部(電気回路4)と、異常検知処理部61とを備える。複数の検出器は、X線を検出する。電圧印加部は、複数の検出器に電圧を印加する。異常検知処理部61は、試料から生じるX線が複数の検出器で検出されない状態で、電圧印加部から複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させ、そのときの複数の検出器からの検出信号に基づく測定値を閾値と比較することにより、異常を検知する。【選択図】 図2

Description

本発明は、試料から生じるX線を検出することにより分析を行うX線分析装置、及び、X線分析装置の異常検知方法に関するものである。
X線分析装置の一例として、試料にX線を照射することにより、試料に含まれる元素特有のX線(蛍光X線)を発生させ、そのX線を検出することにより試料中の成分を分析する蛍光X線分析装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。試料から生じるX線は、分光器により分光された後、検出器により検出される。
この種のX線分析装置の中には、分析対象となる元素ごとに分光器及び検出器を設けることにより、複数種類の元素について同時に分析を行うことができるものもある(同時型蛍光X線分析装置)。具体的には、分光器と検出器とが一体的に組み込まれることにより検出ユニットが構成され、その検出ユニットが試料の設置位置の周囲に複数配置される。これにより、ほぼ同じ構造を有する複数の検出ユニットが、互いに近接して設置されることとなる。
検出器は、例えばガスを封入した容器内に細線が挿入された構成であり、分析時には細線に高電圧が印加される。これにより、試料からのX線が容器内に入射したときには、容器内のガスに電離が起こり、その電離により生じる電流が出力信号として検出器から出力される。各検出ユニットの検出器は、分析対象となる元素の種類に応じて異なる形状の容器を備えており、その容器内に封入されるガスの種類も分析対象となる元素の種類に応じて異なる。そのため、検出器に印加される高電圧の値は、検出器ごとに異なっている。
一方で、各検出器が接続される電気回路は、各検出器に高電圧を印加して電離により生じる電流を検出するという処理が同じであるため、それぞれ全く同一の電気回路が用いられることが多い。すなわち、各検出ユニットには、外観では区別しづらい同一の電気回路が着脱可能に接続されている。
実開昭60−49455号公報
X線分析装置のメンテナンスを行う際や、部品の交換を行う際などには、各検出ユニットから電気回路が取り外された後、再び取り付けられる場合がある。このとき、上記のように各検出ユニットに取り付けられる電気回路が全く同一である場合には、各検出ユニットに対応しない電気回路を誤って接続してしまう可能性がある。この場合、必要以上に高い電圧が検出器に印加されることにより放電が発生し、検出器が破損するおそれがある。
また、上記のように各検出ユニットに対応しない電気回路を誤って接続してしまう場合だけでなく、検出器への印加電圧の設定を誤ってしまう可能性もある。このような場合にも、必要以上に高い電圧が検出器に印加され、検出器が破損するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、必要以上に高い電圧が検出器に印加されるのを防止することができるX線分析装置及び異常検知方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るX線分析装置は、試料から生じるX線を検出することにより分析を行うX線分析装置であって、複数の検出器と、電圧印加部と、異常検知処理部とを備える。前記複数の検出器は、X線を検出する。前記電圧印加部は、前記複数の検出器に電圧を印加する。前記異常検知処理部は、試料から生じるX線が前記複数の検出器で検出されない状態(例えば励起X線が試料に照射されていない状態)で、前記電圧印加部から前記複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させ、そのときの前記複数の検出器からの検出信号に基づく測定値を閾値と比較することにより、異常を検知する。
このような構成によれば、試料から生じるX線が複数の検出器で検出されない状態で、複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させることにより、複数の検出器からの検出信号に基づいて異常を検知することができる。試料から生じるX線が複数の検出器で検出されない状態では、正常であれば、検出器に印加する電圧を徐々に上昇させたとしても、検出器からの検出信号はほとんど変化しない。それにもかかわらず、検出器に対する印加電圧の上昇に伴い、検出器からの検出信号に基づく測定値が所定の閾値を超えた場合には、異常が生じていることを検知できる。これにより、必要以上に高い電圧が検出器に印加されるのを防止することができる。
(2)前記X線分析装置は、電圧停止処理部をさらに備えていてもよい。前記電圧停止処理部は、前記異常検知処理部により異常が検知された場合に、少なくとも前記測定値が閾値を超えた検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加を停止させる。
このような構成によれば、異常検知処理部により異常が検知された場合には、少なくとも測定値が閾値を超えた検出器に対する電圧の印加が停止されるため、その検出器に対して必要以上に高い電圧が印加されるのを確実に防止することができる。
(3)前記電圧停止処理部は、前記異常検知処理部により異常が検知された場合に、前記測定値が閾値を超えた検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加のみを停止させることが好ましい。この場合、前記異常検知処理部は、いずれかの検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加が停止された後も、前記電圧印加部から他の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させることにより、異常の検知を継続してもよい。
このような構成によれば、異常検知処理部により異常が検知された場合には、測定値が閾値を超えた検出器に対する電圧の印加のみが停止され、他の検出器に対する印加電圧は引き続き徐々に上昇されることにより、異常の検知が継続される。これにより、他の検出器に関する異常も継続して検知することが可能になるため、より確実に異常を検知することができる。
(4)前記X線分析装置は、報知処理部をさらに備えていてもよい。前記報知処理部は、前記異常検知処理部により異常が検知された場合に、その旨を報知する。
このような構成によれば、異常検知処理部により異常が検知された場合には、その旨が報知されるため、当該報知を確認したユーザが適切な処置を行うことができる。これにより、必要以上に高い電圧が検出器に印加されるのをより確実に防止することができる。
(5)前記電圧印加部は、前記複数の検出器に対して個別に着脱可能な接続部を有していてもよい。
このような構成によれば、検出器に対応しない接続部が誤って接続された場合に、その検出器からの検出信号に基づいて異常を検知することができる。したがって、接続部が誤って接続されることにより、必要以上に高い電圧が検出器に印加されるのを防止することができる。
(6)前記X線分析装置は、筐体と、開閉扉と、開閉センサとをさらに備えていてもよい。前記筐体は、前記複数の検出器を収容し、前記複数の検出器に対して前記接続部が着脱される空間が内部に形成されている。前記開閉扉は、前記筐体に設けられ、前記空間を開閉する。前記開閉センサは、前記開閉扉の開閉を検知する。この場合、前記異常検知処理部は、前記開閉センサにより前記開閉扉の開閉を検知した直後の検出器高圧印加時のみ、前記電圧印加部から前記複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させる処理を行なってもよい。
このような構成によれば、接続部が着脱された可能性が無い場合には、検出器に印加する電圧を徐々に上昇させると言う時間のかかる処理を省略することができる。
(7)本発明に係る異常検知方法は、電圧印加部から電圧が印加される複数の検出器で試料から生じるX線を検出することにより分析を行うX線分析装置の異常検知方法であって、異常検知ステップを含む。前記異常検知ステップでは、試料から生じるX線が前記複数の検出器で検出されない状態で、前記電圧印加部から前記複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させ、そのときの前記複数の検出器からの検出信号に基づく測定値を閾値と比較することにより、異常を検知する。
(8)前記異常検知方法は、電圧停止ステップをさらに含んでいてもよい。前記電圧停止ステップでは、前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、少なくとも前記測定値が閾値を超えた検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加を停止させる。
(9)前記電圧停止ステップでは、前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、前記測定値が閾値を超えた検出器のみに対する前記電圧印加部からの電圧の印加を停止させることが好ましい。この場合、前記異常検知ステップでは、いずれかの検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加が停止された後も、前記電圧印加部から他の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させることにより、異常の検知を継続してもよい。
(10)前記異常検知方法は、報知ステップをさらに含んでいてもよい。前記報知ステップでは、前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、その旨を報知する。
本発明によれば、検出器に対する印加電圧の上昇に伴い、検出器からの検出信号に基づく測定値が所定の閾値を超えた場合には、異常が生じていることを検知できるため、必要以上に高い電圧が検出器に印加されるのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るX線分析装置の構成例を示した概略図である。 X線分析装置の電気的構成の一例を示したブロック図である。 異常検知処理部により行われる異常検知の具体例を示したフローチャートである。
1.X線分析装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るX線分析装置1の構成例を示した概略図である。このX線分析装置1は、試料設置位置に設置された試料SにX線を照射することにより、試料SからX線(蛍光X線)を発生させ、そのX線を検出することにより分析を行う蛍光X線分析装置である。X線分析装置1には、X線源2、検出ユニット3及び電気回路4などが備えられている。
X線源2は、例えばX線管球により構成されている。この種のX線源2には、例えば互いに間隔を隔てて配置されたフィラメント及びターゲット(いずれも図示せず)が備えられている。ターゲットは、例えばCu、Cr、Mo、Al、Ag又はAuにより形成することができる。X線源2には電力が供給され、フィラメントとターゲットとの間に高電圧が印加される。これにより、フィラメントからターゲットに向けて熱電子が放出され、この熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生する。X線源2から発生したX線は、試料Sに照射される。
X線が照射された試料Sからは、試料Sに含まれる元素特有のX線が蛍光X線として発生する。試料Sから発生したX線は、検出ユニット3により検出され、その検出信号が電気回路4に入力される。検出ユニット3は、接続部5を介して電気回路4に接続されている。接続部5は、例えば着脱可能なコネクタにより構成されており、検出ユニット3と電気回路4とを着脱可能に接続している。
検出ユニット3は、分光器31と検出器32とが一体的に組み込まれた1つの部品として構成されている。分光器31は、例えば分光結晶からなり、試料Sから発生したX線を分光する。そして、分光されたX線を検出器32で検出することにより、特定波長の強度を測定することができる。
検出器32は、例えば比例計数管又はシンチレーション計数管などにより構成される。検出器32は、例えばガスを封入した容器内に細線が挿入された構成であり、分析時には細線に高電圧が印加される。これにより、試料SからのX線が容器内に入射したときには、容器内のガスに電離が起こり、その電離により生じる電流が出力信号として検出器32から出力される。
電気回路4は、高電圧発生器41、増幅器42、波高分析器43及び計数器44などを備えている。高電圧発生器41は、接続部5とともに、検出器32に高電圧を印加する電圧印加部を構成している。増幅器42は、検出器32からの出力信号を増幅して波高分析器43に入力する。波高分析器43は、増幅器42から入力される検出器32からの出力信号(出力パルス)の波高を測定する。計数器44は、波高分析器43において所定の波高値を超えた出力信号(出力パルス)を計数する。
X線分析装置1は、内部空間11を有する中空状の筐体12を備えている。筐体12の内部空間11には、X線源2、検出ユニット3、電気回路4及び接続部5が収容されている。筐体12には、内部空間11を開閉するための開閉扉13が設けられている。したがって、開閉扉13を開いて内部空間11を開放することにより、内部空間11内で検出器32に対して接続部5を着脱することが可能になる。
2.X線分析装置の電気的構成
図2は、X線分析装置1の電気的構成の一例を示したブロック図である。X線分析装置1には、上述の検出ユニット3、電気回路4及び接続部5の他に、制御部6、開閉センサ7及び表示部8などが備えられている。制御部6は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、CPUがプログラムを実行することにより、異常検知処理部61、電圧停止処理部62及び報知処理部63などとして機能する。
図2に示すように、本実施形態に係るX線分析装置1には、複数の検出ユニット3が備えられている。各検出ユニット3に備えられた検出器32は、それぞれ異なる元素を検出するためのものであり、分析対象となる元素の種類に応じて異なる形状の容器を有するとともに、その容器内に異なる種類のガスが封入されている。
各検出ユニット3は、ほぼ同じ構造を有しており、それぞれ試料Sの設置位置の周囲に配置される。これにより、複数の検出ユニット3が、互いに近接して設置された状態となる。分析時には、各検出ユニット3でそれぞれ異なる元素特有のX線を検出することにより、複数種類の元素について同時に分析を行うことができる。
各検出ユニット3には、それぞれ接続部5を介して電気回路4が接続されている。すなわち、本実施形態に係るX線分析装置1には、接続部5を介して互いに接続された検出ユニット3及び電気回路4が、複数組設けられている。各接続部5は、各検出ユニット3及び各電気回路4を個別に着脱可能である。各電気回路4は、上述の通り高電圧発生器41、増幅器42、波高分析器43及び計数器44などを備えており、それぞれ同一の回路構成を有している。そのため、各電気回路4は外観では区別しづらく、互いに対応しない異なる組の検出ユニット3と電気回路4とが、着脱可能な接続部5を介して誤って接続されるおそれがある。
そこで、本実施形態では、制御部6の制御により、各検出ユニット3に対応しない電気回路4が誤って接続されるのを防止できるような構成となっている。具体的には、異常検知処理部61により、各検出ユニット3の検出器32からの検出信号に基づいて異常が検知される。なお、「異常」には、各検出ユニット3に対応しない電気回路4が誤って接続される場合の他、高電圧発生器41から各検出器32に印加される電圧の設定を誤った場合などのように、各検出器32に想定外の電圧が印加される各種の状態が含まれるものとする。
異常検知処理部61は、X線分析装置1の試料設置位置に試料Sが設置されていない状態で、各電気回路4の高電圧発生器41から各検出ユニット3の検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させる。このとき、各検出器32に印加される電圧は、その検出器32の使用時に印加すべき電圧(設定電圧)に到達するまで、連続的又は段階的に上昇するように制御される。
異常検知処理部61による異常検知の際には、試料設置位置に試料Sが設置されていないため、何も異常がなければ、各検出器32からは検出信号が全く出力されないか、あるいは、出力されたとしても極僅かである。しかし、例えば各検出ユニット3に対応しない電気回路4が誤って接続されている場合や、各検出器32に印加される電圧の設定を誤った場合などのように、いずれかの検出器32に想定外の電圧が印加されたときには、その検出器32から放電に由来する検出信号が出力される場合がある。
そこで、異常検知処理部61は、各検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させたときの各検出器32からの検出信号に基づく測定値を閾値と比較することにより、上記のような異常を検知する。すなわち、いずれかの検出器32からの検出信号に基づく測定値が所定の閾値を超えている場合には、その検出器32について異常が発生していると判定することができる。上記測定値としては、計数率(cps)を例示することができるが、これに限られるものではない。
異常検知処理部61による異常検知は、検出器高圧を印加するタイミングで行なわれるべきであるが、本実施形態では、開閉扉13の開閉の有無に基づいて異常検知が開始されるようになっている。X線分析装置1には、例えば機械的又は光学的に開閉扉13の開閉を検知する開閉センサ7が備えられている。異常検知処理部61は、開閉センサ7により開閉扉13の開状態又は閉状態を検知した場合に、その直後の検出器高圧印加時のみ各電気回路4の高電圧発生器41から各検出ユニット3の検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させる処理を開始させる。これにより、接続部5が着脱された可能性が無い場合には、検出器に印加する電圧を徐々に上昇させると言う時間のかかる処理を省略することができる。
電圧停止処理部62は、異常検知処理部61により異常が検知された場合に、少なくとも異常が検知された検出器32(測定値が閾値を超えた検出器32)に対する電圧の印加を停止させる。すなわち、全ての検出器32に対する電圧の印加を停止させてもよいが、異常が検知された検出器32に対する電圧の印加のみを停止させ、他の検出器32に対する電圧の印加は継続してもよい。
報知処理部63は、異常検知処理部61により異常が検知された場合に、その旨をユーザに報知する。本実施形態では、報知処理部63が表示部8に対する表示を制御することにより、異常をユーザに報知する。表示部8は、例えば液晶表示器により構成されている。ただし、表示部8に対する表示に限らず、例えば音などの他の手段により異常を報知するような構成であってもよい。
3.異常検知の具体例
図3は、異常検知処理部61により行われる異常検知の具体例を示したフローチャートである。本実施形態では、開閉センサ7により開閉扉13の開閉が検知された場合に(ステップS101でYes)、異常検知処理部61による異常検知(ステップS102,S103,S106:異常検知ステップ)が開始される。
具体的には、各検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させ(ステップS102)、各検出器32からの検出信号に基づく測定値(例えば計数率)が閾値(例えば10cps)と比較される(ステップS103)。その過程で、いずれかの検出器32からの検出信号に基づく測定値が閾値を超えた場合には(ステップS103でYes)、その検出器32に対する電圧の印加のみが停止される(ステップS104:電圧停止ステップ)。また、異常が検知された旨が、表示部8の表示によりユーザに報知される(ステップS105:報知ステップ)。このとき、異常が検知された検出器32を特定する情報が報知されてもよい。
上記のように、いずれかの検出器32に対する電圧の印加が停止された場合であっても、異常検知処理が終了するまでは(ステップS106でYesとなるまで)、他の検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させることにより(ステップS102)、異常の検知が継続される。そして、他の検出器32からの検出信号に基づく測定値が閾値を超えた場合には(ステップS103でYes)、その検出器32について電圧停止ステップ(ステップS104)及び報知ステップ(ステップS105)が行われる。
4.作用効果
(1)本実施形態では、試料Sから生じるX線が複数の検出器32で検出されない状態で、複数の検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させることにより(ステップS102)、複数の検出器32からの検出信号に基づいて異常を検知することができる(ステップS103)。試料Sから生じるX線が複数の検出器32で検出されない状態では、正常であれば、検出器32に印加する電圧を徐々に上昇させたとしても、検出器32からの検出信号はほとんど変化しない。それにもかかわらず、検出器32に対する印加電圧の上昇に伴い、検出器32からの検出信号に基づく測定値が所定の閾値を超えた場合には(ステップS103でYes)、異常が生じていることを検知できる。これにより、必要以上に高い電圧が検出器32に印加されるのを防止することができる。
(2)また、本実施形態では、異常検知処理部61により異常が検知された場合には(ステップS103でYes)、少なくとも測定値が閾値を超えた検出器32に対する電圧の印加が停止されるため(ステップS104)、その検出器32に対して必要以上に高い電圧が印加されるのを確実に防止することができる。
(3)特に、本実施形態では、異常検知処理部61により異常が検知された場合には(ステップS103でYes)、測定値が閾値を超えた検出器32に対する電圧の印加のみが停止され(ステップS104)、他の検出器32に対する印加電圧は引き続き徐々に上昇されることにより(ステップS102)、異常の検知が継続される。これにより、他の検出器32に関する異常も継続して検知することが可能になるため、より確実に異常を検知することができる。
(4)また、本実施形態では、異常検知処理部61により異常が検知された場合には(ステップS103でYes)、その旨が報知されるため(ステップS105)、当該報知を確認したユーザが適切な処置を行うことができる。これにより、必要以上に高い電圧が検出器32に印加されるのをより確実に防止することができる。
(5)本実施形態では、複数の検出器32に対して、個別に着脱可能な接続部5を介して各電気回路4が接続されている。したがって、検出器32に対応しない接続部5が誤って接続された場合に、その検出器32からの検出信号に基づいて異常を検知することができる。したがって、接続部5が誤って接続されることにより、必要以上に高い電圧が検出器32に印加されるのを防止することができる。
(6)また、本実施形態では、開閉扉13が開閉されなかった場合に(ステップS101でNo)、異常検知処理部61による異常の検知が省略される。開閉扉13が開閉された場合には、筐体12内に収容されている検出器32に対して接続部5が着脱された可能性がある。したがって、開閉扉13が開閉された場合には、異常検知処理部61による異常の検知が必要となるが、接続部5が着脱された可能性が無ければ、無駄に時間を費やす必要は無い。
5.変形例
異常検知処理部61による異常検知は、試料Sから生じるX線が各検出器32で検出されない状態で行われればよく、試料設置位置に試料Sが設置されていない状態に限られるものではない。すなわち、試料設置位置に設置された試料SにX線源2からのX線が照射されないような状態などで異常検知が行われてもよい。
異常検知処理部61による異常検知を開始するタイミングは、開閉扉13が開閉された場合に限られるものではない。例えば、X線分析装置1の電源が投入されたときなどのように、他の任意のタイミングで異常検知を開始することも可能である。
本発明は、波長分散型の蛍光X線分析装置に限らず、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置などの他のX線分析装置にも適用することができる。
1 X線分析装置
2 X線源
3 検出ユニット
4 電気回路
5 接続部
6 制御部
7 開閉センサ
8 表示部
11 内部空間
12 筐体
13 開閉扉
31 分光器
32 検出器
41 高電圧発生器
42 増幅器
43 波高分析器
44 計数器
61 異常検知処理部
62 電圧停止処理部
63 報知処理部

Claims (10)

  1. 試料から生じるX線を検出することにより分析を行うX線分析装置であって、
    X線を検出する複数の検出器と、
    前記複数の検出器に電圧を印加する電圧印加部と、
    試料から生じるX線が前記複数の検出器で検出されない状態で、前記電圧印加部から前記複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させ、そのときの前記複数の検出器からの検出信号に基づく測定値を閾値と比較することにより、異常を検知する異常検知処理部とを備えることを特徴とするX線分析装置。
  2. 前記異常検知処理部により異常が検知された場合に、少なくとも前記測定値が閾値を超えた検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加を停止させる電圧停止処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のX線分析装置。
  3. 前記電圧停止処理部は、前記異常検知処理部により異常が検知された場合に、前記測定値が閾値を超えた検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加のみを停止させ、
    前記異常検知処理部は、いずれかの検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加が停止された後も、前記電圧印加部から他の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させることにより、異常の検知を継続することを特徴とする請求項2に記載のX線分析装置。
  4. 前記異常検知処理部により異常が検知された場合に、その旨を報知する報知処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線分析装置。
  5. 前記電圧印加部は、前記複数の検出器に対して個別に着脱可能な接続部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線分析装置。
  6. 前記複数の検出器を収容し、前記複数の検出器に対して前記接続部が着脱される空間が内部に形成された筐体と、
    前記筐体に設けられ、前記空間を開閉するための開閉扉と、
    前記開閉扉の開閉を検知する開閉センサとをさらに備え、
    前記異常検知処理部は、前記開閉センサにより前記開閉扉の開閉を検知した場合に、その直後の検出器高圧印加時のみに、前記電圧印加部から前記複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させる処理を実施することを特徴とする請求項5に記載のX線分析装置。
  7. 電圧印加部から電圧が印加される複数の検出器で試料から生じるX線を検出することにより分析を行うX線分析装置の異常検知方法であって、
    試料から生じるX線が前記複数の検出器で検出されない状態で、前記電圧印加部から前記複数の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させ、そのときの前記複数の検出器からの検出信号に基づく測定値を閾値と比較することにより、異常を検知する異常検知ステップを含むことを特徴とする異常検知方法。
  8. 前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、少なくとも前記測定値が閾値を超えた検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加を停止させる電圧停止ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の異常検知方法。
  9. 前記電圧停止ステップでは、前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、前記測定値が閾値を超えた検出器のみに対する前記電圧印加部からの電圧の印加を停止させ、
    前記異常検知ステップでは、いずれかの検出器に対する前記電圧印加部からの電圧の印加が停止された後も、前記電圧印加部から他の検出器に印加する電圧を徐々に上昇させることにより、異常の検知を継続することを特徴とする請求項8に記載の異常検知方法。
  10. 前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、その旨を報知する報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の異常検知方法。
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