JP2019113163A - クラッチ装置及び変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ解放時のクラッチディスクの回転イナーシャを抑制しつつクラッチ容量を向上可能なクラッチ装置及び変速機を提供する。【解決手段】変速機のインプットシャフトに連結されるクラッチディスクと、クラッチディスクをエンジンのクランクシャフトに連結されたフライホイールに摩擦係合させる押圧部材と、を備えたクラッチ装置において、インプットシャフトに連結されてインプットシャフトとともに回転可能であり、クラッチディスクを支持する支持体と、クラッチディスクを支持体の回転軸線に平行な軸線を中心に支持体の径方向に交差する方向へと回転自在に支持する回転支持機構と、を備え、回転支持機構は、クラッチディスクの解放状態におけるクラッチディスクの重心位置を、クラッチディスクの摩擦係合状態における重心位置よりも支持体の回転中心の方向に近づける。【選択図】図6

Description

本発明は、クラッチ装置及び変速機に関する。
自動車等の車両には、エンジンから出力される回転を所定の変速比で変換して出力するための変速機が備えられている。変速機の一態様である有段式の変速機は、エンジン動力がクラッチを介して入力されるとともに複数の駆動ギヤが設けられた入力軸と、それぞれの駆動ギヤと常時噛み合って変速ギヤ列を形成する複数の従動ギヤが設けられた出力軸とを有している。変速ギヤ列を形成する駆動ギヤ及び従動ギヤのいずれか一方は、回転軸に対して回転自在に設けられる浮動ギヤとなっている。動力伝達を行う際には浮動ギヤと回転軸とが噛み合いクラッチによって連結される。運転者がシフトレバーを操作すると、噛み合いクラッチが作動して複数の変速ギヤ列のいずれかが動力伝達状態に切り換えられ、運転者の操作に応じたギヤ比が選択されることになる。
複数の変速ギヤ列はそれぞれ異なるギヤ比に形成されるため、円滑に変速ギヤ列を動力伝達状態に切り換える際には、浮動ギヤと回転軸との回転速度を合わせる必要がある。そのため、噛み合いクラッチにはシンクロメッシュ機構等のシンクロナイザが設けられ、浮動ギヤと回転軸との同期が図られている。シンクロナイザにはキー式、ピン式又はサーボ式等各種の形式があるが、いずれも浮動ギヤと回転軸とを噛み合わせる前に、回転軸側のシンクロナイザリングを浮動ギヤに接触させることで摩擦トルクを発生させ、この摩擦トルクを用いて浮動ギヤと回転軸とを同期回転させている。
また、有段式の変速機として、エンジンと変速機との間の動力伝達状態を切り換えるクラッチ装置を備えた変速機がある。クラッチ装置のうち、いわゆる乾式クラッチである摩擦式のクラッチ装置は、変速機の入力軸の端部に設けられ、エンジンのクランクシャフトの端部に設けられたフライホイールと摩擦係合可能なクラッチディスクを備えている。かかるクラッチディスクを、プレッシャプレートにより押圧してフライホイールに押し付けて摩擦係合させることにより、フライホイールからクラッチディスクへの動力伝達が可能になる。一方、プレッシャプレートによる押圧を解除して、クラッチディスクをフライホイールから切り離すことにより、フライホイールからクラッチディスクへの動力伝達が遮断される。上記のようなシンクロナイザを備えた変速機において、クラッチディスクの回転イナーシャが大きい場合には、シンクロナイザによる入力軸と出力軸との回転同期に必要なシフト荷重が増加する。
これに対して、特許文献1には、クラッチディスクとフライホイールとの摩擦係合中、クラッチディスクとともに回転し、摩擦係合を解く間クラッチディスクから切り離されるイナーシャマスが設けられたクラッチ装置が開示されている。特許文献1に記載のクラッチ装置によれば、クラッチの開放状態でクラッチディスクの回転イナーシャが小さくなり、手動変速機の変速時に同期がとり易くなり変速操作性を向上させることができるとされている。
また、特許文献2には、第1芯板及び第1芯板に固定された第1摩擦部材を有する第1摩擦部と、第2芯板及び第2芯板に固定された第2摩擦部材を有する第2摩擦部と、第1芯板と第2芯板との間に配置されたクッショニング部を有するクッショニングプレートとを備え、第2芯板がクッショニング部に係合した構成のクラッチディスクが開示されている。特許文献2に記載のクラッチディスクによれば、第2芯板とクッショニングプレートとの係合部が第2芯板と一体とされたプレートからなるため、リベットに比べて重量が小さく、クラッチディスク及び摩擦連結部全体の慣性モーメントを低減できるとされている。
特開昭62−181724号公報 特開平11−166558号公報
ところで、クラッチ装置において、クラッチ容量を向上させるためには、フライホイールに対する摩擦面の大径化が有効な手段となり得る。ただし、摩擦面の大径化は、クラッチディスクの回転イナーシャの増加を伴うおそれがあり、変速機に備えられるシンクロナイザによる入力軸と出力軸との回転同期に必要なシフト荷重が増加することが考えられる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、クラッチ解放時のクラッチディスクの回転イナーシャを抑制しつつクラッチ容量を向上可能な、新規かつ改良されたクラッチ装置及び変速機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、変速機のインプットシャフトに連結されるクラッチディスクと、クラッチディスクをエンジンのクランクシャフトに連結されたフライホイールに摩擦係合させる押圧部材と、を備えたクラッチ装置において、インプットシャフトに連結されてインプットシャフトとともに回転可能であり、クラッチディスクを支持する支持体と、クラッチディスクを支持体の回転軸線に平行な軸線を中心に支持体の径方向に交差する方向へと回転自在に支持する回転支持機構と、を備え、回転支持機構は、クラッチディスクの解放状態におけるクラッチディスクの重心位置を、クラッチディスクの摩擦係合状態における重心位置よりも支持体の回転中心の方向に近づける、クラッチ装置が提供される。
回転支持機構は、クラッチディスクに形成されたディテント溝、及び、ディテント溝に押し付けられるディテントボールを含むディテント機構と、クラッチディスクを回転方向の一方側へと付勢する付勢部材と、を備えてもよい。
ディテント溝の深さが、一方向側の端部から他方側の端部に向けて漸減してもよい。
ディテントボールは、押圧部材により押圧される支持体とクラッチディスクとの間に配置されてもよい。
複数のクラッチディスクが、支持体の回転軸線の周りに等間隔で支持体に支持されてもよい。
クラッチディスクは、支持体の径方向の外側に位置し所定の第1の周方向幅を有する第1の部分、及び、径方向の内側に位置し第1の部分の第1の周方向幅よりも小さい第2の周方向幅を有する第2の部分、を有するクッショニングプレートと、クッショニングプレートの少なくとも第1の部分に配置されたフェイシングプレートと、を備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クラッチ装置と、クラッチ装置を介してエンジンの回転動力が伝達されるインプットシャフトと、変速歯車列を介してインプットシャフトの回転動力が伝達されるアウトプットシャフトと、を備え、クラッチ装置は、インプットシャフトに連結されたクラッチディスクと、クラッチディスクをエンジンのクランクシャフトに連結されたフライホイールに摩擦係合させる押圧部材と、インプットシャフトに連結されてインプットシャフトとともに回転可能であり、クラッチディスクを支持する支持体と、クラッチディスクを支持体の回転軸線に平行な軸線を中心に支持体の径方向に交差する方向へと回転自在に支持する回転支持機構と、を備え、回転支持機構は、クラッチディスクの解放状態におけるクラッチディスクの重心位置を、クラッチディスクの摩擦係合状態における重心位置よりも支持体の回転中心の方向に近づける、変速機が提供される。
以上説明したように本発明によれば、クラッチ解放時のクラッチディスクの回転イナーシャを抑制しつつクラッチ容量を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る変速機の構成を示す説明図である。 同実施形態に係る変速機のクラッチ装置の構成を示す説明図である。 クラッチディスクがフライホイールに対して摩擦結合したクラッチ装置の締結状態を示す模式図である。 クラッチディスクがフライホイールに対する摩擦結合から開放されたクラッチ装置の非締結状態を示す模式図である。 クラッチディスクがフライホイールに対して摩擦結合したクラッチ装置の締結状態を示す説明図である。 クラッチディスクがフライホイールに対する摩擦結合から開放されたクラッチ装置の非締結状態を示す説明図である。 クラッチ装置の締結状態におけるディテント溝内のディテントボールの位置及びクッショニングプレートの動作を示す説明図である。 クラッチ装置の非締結状態におけるディテント溝内のディテントボールの位置及びクッショニングプレートの動作を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.変速機の全体構成例>
まず、本実施形態に係るクラッチ装置を備えた変速機の構成例を説明する。図1は、本実施形態に係る変速機10のスケルトン図である。変速機10は、エンジン11のクランクシャフト18に連結される回転軸である入力回転軸(インプットシャフト)12と、入力回転軸12と平行に設けられ駆動輪に連結される回転軸である出力回転軸(アウトプットシャフト)13とを有している。出力回転軸13は、センタデファレンシャル装置14を介して前輪駆動軸15と後輪駆動軸16とに連結されている。前輪駆動軸15は、図示しない前輪と連結され、後輪駆動軸16は、図示しない後輪と連結される。図示する変速機10は、四輪駆動車に適用される手動変速機であり、車両に対して進行方向に搭載される縦置き式となっている。
図示しないトランスミッションケース内には、エンジン11のクランクシャフト18にクラッチ装置19を介して連結される入力回転軸12と、入力回転軸12と平行に設けられて入力回転軸12よりも下方に配置される中空の出力回転軸13とがそれぞれ回転自在に組み込まれている。入力回転軸12には、低速段側の第1速と第2速の固定歯車21,22が固定され、中高速段側の第3速〜第5速の浮動歯車23,24,25が回転自在に設けられている。一方、出力回転軸13には、固定歯車21,22にそれぞれ常時噛み合って第1速と第2速の変速歯車列を形成する浮動歯車31,32が回転自在に設けられ、浮動歯車23,24,25にそれぞれ常時噛み合って第3速〜第5速の変速歯車列を形成する固定歯車33,34,35が固定されている。
出力回転軸13には、変速歯車列のうち第1速と第2速のいずれかを動力伝達状態に切り換え、あるいは、いずれにも動力を伝達しない切断状態に切り換えるための第1の噛み合いクラッチ41が設けられている。一方、入力回転軸12には、第3速と第4速のいずれかを動力伝達状態に切り換え、あるいは、いずれにも動力を伝達しない切断状態に切り換えるための第2の噛み合いクラッチ42と、第5速の変速歯車列を動力伝達状態と切断状態とに切り換えるための第3の噛み合いクラッチ43とが設けられている。
それぞれの噛み合いクラッチ41,42,43は、同期噛み合いクラッチ、つまりシンクロメッシュ機構により形成されている。第1の噛み合いクラッチ41は、出力回転軸13に固定されるシンクロハブ41aと、シンクロハブ41aに軸方向に摺動自在に設けられるスリーブ41bとを有している。スリーブ41bは、浮動歯車31,32に設けられたスプライン31a,32aに噛み合うようになっている。第2の噛み合いクラッチ42及び第3の噛み合いクラッチ43は、それぞれ入力回転軸12に固定されるシンクロハブ42a,43aと、それぞれ軸方向に摺動自在に設けられるスリーブ42b,43bを有しており、それぞれ浮動歯車23,24,25に設けられたスプライン23a,24a,25aに噛み合うようになっている。
入力回転軸12には、後退用の駆動歯車26が一体に設けられ、スリーブ41bには後退用の従動歯車36が取り付けられている。図示しないアイドラ軸に軸方向に摺動自在に設けられた図示しないアイドラ歯車を駆動歯車26と従動歯車36とに噛み合わせると、入力回転軸12の回転は逆転されて出力回転軸13に伝達される。アイドラ歯車の軸方向移動は、図示しない作動機構により行われる。
運転者のシフトレバー操作により第1速〜第5速の変速段が設定された場合には、それぞれの噛み合いクラッチ41,42,43が作動され、入力回転軸12に入力されたエンジン動力は、変速段に応じた駆動力に変換されて出力回転軸13に伝達される。また、後退段に設定された場合には、入力回転軸12に入力されたエンジン動力がアイドラ歯車を介して回転方向に逆に変換されて出力回転軸13に伝達される。
出力回転軸13の後方端部には、差動歯車列44と多板クラッチ45とを備えるセンタデファレンシャル装置14が装着され、このセンタデファレンシャル装置14を介して前輪駆動軸15と後輪駆動軸16とが出力回転軸13に連結されている。センタデファレンシャル装置14は、差動歯車列44と多板クラッチ45とを介して接続された駆動歯車46を有し、この駆動歯車46に噛み合うように後輪駆動軸16に固定されて従動歯車47が設けられている。また、センタデファレンシャル装置14は、差動歯車列44を介して前輪駆動軸15に連結されている。このセンタデファレンシャル装置14により、旋回時やスリップ時等に前輪と後輪とに回転差が生じた場合には、差動歯車列44の差動回転により回転差が吸収される。
センタデファレンシャル装置14を介して後輪に向けて分配されたエンジン動力は、後輪駆動軸16から図示しないリヤデファレンシャル装置を介して図示しない後輪に伝達される。一方、図示しない前輪に向けて分配されたエンジン動力は、中空の出力回転軸13の内部に回転自在に組み込まれる前輪駆動軸15からフロントデファレンシャル装置48を介して前輪に伝達される。
<2.クラッチ装置>
次に、変速機10のクラッチ装置19について詳細に説明する。図2は、クラッチ装置19の基本的構成を説明するための図であって、変速機10の入力回転軸12の軸方向断面のうちの上側半分を示している。
クラッチ装置19は、図示しないエンジン11と変速機10との間に設けられ、エンジン11の回転出力を変速機10の変速歯車列に対して伝達あるいは切断するために設けられている。図2の左側にエンジン11が配置され、右側に変速機10が配置される。図示したクラッチ装置19は乾式クラッチ装置として構成されている。動力源であるエンジン11の動力を回転力に変換して出力するクランクシャフト18の出力端にはハブ53が嵌められ、当該ハブ53にフライホイール55の回転中心部分が結合されている。
フライホイール55の周部には、リング状のクラッチカバー57が取り付けられている。クラッチカバー57の内側には、フライホイール55の一面に対向するように配置されたクラッチディスク59と、クラッチディスク59に当接するプレッシャプレート(押圧部材)61とが設けられている。クラッチディスク59は、フライホイール55の一面に対して接触あるいは離間可能なフェイシングプレート59aと、フェイシングプレート59aを支持するクッショニングプレート59bとを備えている。
クラッチディスク59は、クランクシャフト18と同一軸線上に設けられた入力回転軸12の軸線に沿って移動する第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bに支持されている。第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bは、クラッチディスク59を回転自在に支持する支持体としての機能を有する。第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bは、入力回転軸12とともに回転可能に組み付けられている。入力回転軸12の外周面にはスプライン加工部12aが形成されており、スプライン加工部12aに沿って第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bがスライド移動する。プレッシャプレート61におけるクラッチディスク59と反対側の部分は、クラッチカバー57に取り付けられたダイヤフラムスプリング63の周縁部と結合されている。
ダイヤフラムスプリング63は、中心部が、入力回転軸12の外周部に結合されている。ダイヤフラムスプリング63は、図示しないクラッチペダルの踏み込み又は踏み込み解除の操作に連動して、入力回転軸12の外周面に沿って軸方向に移動可能になっている。クラッチペダルの踏み込みを解除した状態では、ダイヤフラムスプリング63が図の左方向に押し出され、ダイヤフラムスプリング63の外周部でプレッシャプレート61がクラッチディスク59に押し付けられる。これにより、クラッチディスク59が、フライホイール55とプレッシャプレート61とによって挟持された状態となり、クラッチディスク59とフライホール55とが摩擦係合状態になり、クランクシャフト18の回転力がフライホイール55を介してクラッチディスク59にも伝達されて回転する。クラッチディスク59が回転駆動されることにより入力回転軸12が回転することになり、クランクシャフト18の回転力が入力回転軸12に伝達される。
クラッチペダルが踏み込まれると、ダイヤフラムスプリング63はフライホイール55から離れる方向に移動し、プレッシャプレート61がクラッチディスク59から引き離される。これにより、クラッチディスク59がフライホイール55から離れた状態になり、クラッチディスク59とフライホイール55とが開放状態になる。その結果として、クランクシャフト18の回転力がフライホイール55を介してクラッチディスク59に伝達されなくなり、クラッチが切断された状態になる。
ここまで、クラッチ装置19の基本的構成及び動作を説明した。本実施形態では、かかるクラッチ装置19に、クラッチディスク59を第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bに対して回転自在に支持する回転支持機構70が設けられている。回転支持機構70は、クラッチディスク59の解放状態におけるクラッチディスク59の重心位置を、クラッチディスク59の摩擦係合状態における重心位置よりも第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの回転中心の方向に近づけるように構成されている。
図3〜図6は、本実施形態に係るクラッチ装置19の構成を示す説明図である。図3及び図5が、クラッチディスク59が図示しないフライホイールに対して摩擦結合したクラッチ装置19の締結状態を示し、図4及び図6が、クラッチディスク59がフライホイールに対する摩擦結合から開放されたクラッチ装置19の非締結状態を示している。なお、図3〜図6は、本実施形態に係るクラッチ装置19の理解を容易にするために現された概略図であり、寸法等は厳密に示されたものではない。
図3及び図4は、第1フランジ部材62a、第2フランジ部材62b、クラッチディスク59、プレッシャプレート61及び回転支持機構70を示す模式図である。図3及び図4の左側がクラッチ装置19の外周側であり、右側が内周側である。図5及び図6は、第1フランジ部材62a、クラッチディスク59、プレッシャプレート61及び回転支持機構70を示す模式図である。図5及び図6においては、第1フランジ部材62aの上側半分及び一つのクラッチディスク59のみ示されている。また、図5及び図6においては、第2フランジ部材62bが省略されている。
クラッチディスク59は、L字状のクッショニングプレート59bと、二枚のフェイシングプレート59aとを有する。L字状のクッショニングプレート59bは、クラッチディスク59の径方向の外側に位置し所定の第1の周方向幅W1を有する第1の部分59baと、径方向の内側に位置し所定の第2の周方向幅W2を有する第2の部分59bbとを有する。第2の部分59bbの第2の周方向幅W2は、第1の部分の第1の周方向幅W1よりも小さくなっている。
クッショニングプレート59bの径方向外側に位置する第1の部分59baは、二枚のフェイシングプレート59aにより挟持されている。二枚のフェイシングプレート59a及びクッショニングプレート59bは、例えば図示しないディスクリベット等によって接続されて一体化されている。クラッチディスク59の一面側のフェイシングプレート59aには、プレッシャプレート61が接触又は離間可能になっている。プレッシャプレート61は、クラッチディスク59をフライホイールに押し付ける際に、接続部材63を介して、第1フランジ部材62aをクッショニングプレート59b側に押圧する。
クラッチディスク59は、回転支持機構70を介して、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bに対して回転自在に支持されている。クラッチディスク59は、入力回転軸12とともに回転する第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの回転軸線に平行な軸線を中心に第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの径方向に交差する方向へと回転自在になっている。具体的に、図4に示すように、クラッチディスク59は、回転軸部材77により、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの間に挟まれるように回転自在に連結されている。つまり、回転軸部材77は、クラッチディスク59の回転中心となる。
クッショニングプレート59bのうちフェイシングプレート59aが配置されていない第2の部分59bb側の端部には、付勢部材としてのスプリング75の一端が固定されている。スプリング75の他端は第1フランジ部材62aに固定されており、クラッチディスク59の一端側は、回転軸部材77を中心とする回転方向の一方側(図5中の矢印Xの向き)に付勢されている。また、クッショニングプレート59bのうちフェイシングプレート59aが配置されていない第2の部分59bbの、第1フランジ部材62aに対向する面にはディテント溝73が形成されている。ディテント溝73は、回転軸部材77を中心とする円弧状に形成されている。ディテント溝73の深さは、スプリング75の付勢方向(図5中の矢印Xの向き)側の端部から他方側の端部に向けて漸減している。
クッショニングプレート59bに対向する第1フランジ部材62aの一面には、ディテントボール71が配置されている。ディテントボール71は、第1フランジ部材62aの一面に嵌め込まれていてもよく、適宜の手段により固定されていてもよい。ディテントボール71は、クッショニングプレート59bに形成されたディテント溝73内に配置されている。
図3及び図5に示すクラッチ装置19の締結状態では、プレッシャプレート61は、クラッチディスク59をフライホイール側に押圧する際に、接続部材63を介して第1フランジ部材62aをクッショニングプレート59b側に押圧する。これにより、ディテント溝73のうち深さが深い領域にディテントボール71が配置されるように、スプリング75の付勢力に抗してクラッチディスク59が回転軸部材77を中心に回動する。ディテントボール71がディテント溝73のうち深さが深い領域に位置する状態では、クラッチディスク59のフェイシングプレート59aの大部分は、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bよりも径方向の外側に張出した状態で図示しないフライホイールに押し付けられる。
一方、図4及び図6に示すクラッチ装置19の非締結状態では、プレッシャプレート61の押圧力が低下し、第1フランジ部材62aによるクッショニングプレート59bへのティテントボール71の押し付け力が低下する。これにより、クラッチディスク59の第2の部分59bbがスプリング75の引張力により引っ張られ、クラッチディスク59が回転軸部材77を中心に回動する。この状態では、ディテント溝73のうち深さが浅い領域にディテントボール71が位置し、クラッチディスク59のフェイシングプレート59aの一部が第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの間の領域に位置する。クラッチ装置19の非締結状態におけるクラッチディスク59の重心位置C2は、クラッチ装置19の締結状態におけるクラッチディスク59の重心位置C1よりも、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの回転中心の方向である入力回転軸12の方向に近づけられている。
図7及び図8は、回転支持機構70の動作を示す説明図である。図7及び図8は、それぞれクラッチ装置19の締結状態及び非締結状態におけるディテント溝73内のディテントボール71の位置及びクッショニングプレート59bの動作を示している。
図7に示すように、クラッチ装置19の締結状態においては、プレッシャプレート61の押圧力により第1フランジ部材62aがクッショニングプレート59b側に押圧され、ディテントボール71がディテント溝73に押し付けられる。ディテント荷重がスプリング75の引張力を上回ると、ディテントボール71がディテント溝73のうち深さの深い領域に位置するように、クッショニングプレート59bがスプリング75の付勢力(引張力)に抗して回動する。このとき、いわゆる半クラッチ状態となる位置までにクラッチディスク59が回動するようにし、半クラッチ状態となる位置以降、クラッチ締結状態に至るまではクラッチディスク59が回動しないようにしてもよい。これにより、半クラッチ状態以降のクラッチ装置19の滑りを抑制して、エンジン11の回転力の伝達効率の低下を抑制することができる。
図8に示すように、クラッチ装置19の非締結状態においては、プレッシャプレート61の押圧力が低下して第1フランジ部材62aがクッショニングプレート59bから離間し、ディテント溝73へのディテントボール71の押し付け力が低下する。スプリング75の引張力がディテント荷重を上回ると、クッショニングプレート59bはスプリング75の引張力により回動し、ディテントボール71がディテント溝73のうちの深さの浅い領域に位置する。
このように、本実施形態に係るクラッチ装置19では、クラッチ装置19の締結状態において、クラッチディスク59とフライホイールとの摩擦面が比較的大径化され、クラッチ容量が大きくなる。したがって、エンジン11の回転力を変速機10の入力回転軸12へと効率的に伝達させることができる。一方、本実施形態に係るクラッチ装置19では、クラッチ装置19の非締結状態におけるクラッチディスク59の重心位置C2が、クラッチ装置19の締結状態におけるクラッチディスク59の重心位置C1よりも、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの回転中心の方向に近づけられる。したがって、クラッチ装置19の非締結状態では、入力回転軸12の回転イナーシャが低減され、シンクロナイザによる入力回転軸12と出力回転軸13との回転同期に必要なシフト荷重の増加を抑制することができる。また、これにより、運転者によるクラッチ操作性の低下を抑制することができる。
なお、クラッチ装置19は、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの回転軸線の周りに等間隔で第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bに支持された複数のクラッチディスク59を備えている。クラッチディスク59の数は特に限定されるものではなく、適宜の数であってよい。また、複数のクラッチディスク59を備える場合に、すべてのクラッチディスク59が回転自在に支持されていてもよく、一部のクラッチディスク59が回転自在に支持されていてもよい。一部又は全部のクラッチディスク59を回転自在に支持させる場合には、回転振動を抑制すべく、回転自在に支持されるクラッチディスク59が、入力回転軸12の軸回りに等間隔で配置されることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るクラッチ装置19及び変速機10において、クラッチ装置19の非締結状態のクラッチディスク59の重心位置を、クラッチ装置19の締結状態のクラッチディスク59の重心位置よりも、第1フランジ部材62a及び第2フランジ部材62bの回転中心の方向に近づけることができる。このため、クラッチ装置19の締結状態にクラッチディスク59とフライホイール55との摩擦面を大径化することと、クラッチ装置19の非締結状態に入力回転軸12の回転イナーシャを小さくすることとの両立を図ることができる。したがって、クラッチ容量を大きくしてエンジン11の回転力を効率よく変速機10に伝達できるとともに、運転者によるクラッチ操作性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係るクラッチ装置19及び変速機10は、新たに電子制御部品を追加することなく、機械的な構造によってクラッチディスク59の重心位置を変化させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、クラッチ装置19を適用した変速機10が手動変速機として構成されていたが、本発明はかかる例に限定されない。変速機10は、有段自動変速機の一態様であるDCT(Dual Clutch Transmission)であってもよい。DCTに本発明を適用することにより、回転軸の回転イナーシャが低下して、シフトフィーリングを向上させることができる。
また、上記実施形態では、ディテント機構を含む回転支持機構70により、クラッチ装置19の締結状態と非締結状態とでクラッチディスク59の重心位置を変化させていただが、本発明はかかる例に限定されない。
10 変速機
11 エンジン
12 入力回転軸(インプットシャフト)
13 出力回転軸(アウトプットシャフト)
19 クラッチ装置
55 フライホイール
59 クラッチディスク
59a フェイシングプレート
59b クッショニングプレート
61 プレッシャプレート(押圧部材)
62a 第1フランジ部材(支持体)
62b 第2フランジ部材(支持体)
70 回転支持機構

Claims (7)

  1. 変速機のインプットシャフトに連結されるクラッチディスクと、
    前記クラッチディスクをエンジンのクランクシャフトに連結されたフライホイールに摩擦係合させる押圧部材と、
    を備えたクラッチ装置において、
    前記インプットシャフトに連結されて前記インプットシャフトとともに回転可能であり、前記クラッチディスクを支持する支持体と、
    前記クラッチディスクを前記支持体の回転軸線に平行な軸線を中心に前記支持体の径方向に交差する方向へと回転自在に支持する回転支持機構と、を備え、
    前記回転支持機構は、前記クラッチディスクの解放状態における前記クラッチディスクの重心位置を、前記クラッチディスクの摩擦係合状態における重心位置よりも前記支持体の回転中心の方向に近づける、クラッチ装置。
  2. 前記回転支持機構は、
    前記クラッチディスクに形成されたディテント溝、及び、前記ディテント溝に押し付けられるディテントボールを含むディテント機構と、
    前記クラッチディスクを回転方向の一方側へと付勢する付勢部材と、を備える、請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記ディテント溝の深さが、前記一方向側の端部から他方側の端部に向けて漸減する、請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記ディテントボールは、前記押圧部材により押圧される前記支持体と前記クラッチディスクとの間に配置される、請求項2又は3に記載のクラッチ装置。
  5. 複数の前記クラッチディスクが、前記支持体の回転軸線の周りに等間隔で前記支持体に支持される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクラッチ装置。
  6. 前記クラッチディスクは、
    前記支持体の径方向の外側に位置し所定の第1の周方向幅を有する第1の部分、及び、前記径方向の内側に位置し前記第1の部分の前記第1の周方向幅よりも小さい第2の周方向幅を有する第2の部分、を有するクッショニングプレートと、
    前記クッショニングプレートの少なくとも前記第1の部分に配置されたフェイシングプレートと、を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチ装置。
  7. クラッチ装置と、
    前記クラッチ装置を介してエンジンの回転動力が伝達されるインプットシャフトと、
    変速歯車列を介してインプットシャフトの回転動力が伝達されるアウトプットシャフトと、を備え、
    前記クラッチ装置は、
    前記インプットシャフトに連結されたクラッチディスクと、
    前記クラッチディスクをエンジンのクランクシャフトに連結されたフライホイールに摩擦係合させる押圧部材と、
    前記インプットシャフトに連結されて前記インプットシャフトとともに回転可能であり、前記クラッチディスクを支持する支持体と、
    前記クラッチディスクを前記支持体の回転軸線に平行な軸線を中心に前記支持体の径方向に交差する方向へと回転自在に支持する回転支持機構と、を備え、
    前記回転支持機構は、前記クラッチディスクの解放状態における前記クラッチディスクの重心位置を、前記クラッチディスクの摩擦係合状態における重心位置よりも前記支持体の回転中心の方向に近づける、変速機。
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