JP7305034B2 - 切替装置 - Google Patents

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Description

本発明は駆動軸のトルクの伝達経路を切替える切替装置に関するものである。
特許文献1にはクラッチをつなぐか切るかの選択、及び、ブレーキを掛けるか外すかの選択により、駆動軸のトルクの伝達経路を切替える切替装置が開示されている。
特開2019-138462号公報
しかし上記技術では、切替装置の作動によってクラッチ板やブレーキ板が摩耗すると、伝達経路を切替えるときにクラッチをつないだり切ったりブレーキを掛けたり外したりするタイミングが、当初の設定値からずれるので、トルクの伝達経路がスムーズに切替わらなくなるおそれがある。
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、クラッチ板やブレーキ板が摩耗してもトルクの伝達経路をスムーズに切替えられる切替装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の切替装置は、第1経路または第2経路を経て駆動軸のトルクを出力するものであって、トルクを発生するトルク発生装置と、トルク発生装置が発生したトルクをスラスト力に変換する第1変換装置と、第1変換装置が発生したスラスト力によって係合する第1摩擦クラッチと、第1摩擦クラッチが係合して駆動軸のトルクによって互いに相対回転する第1部材および第2部材を含み、第1部材と第2部材との相対回転によって発生したトルクをスラスト力に変換する第2変換装置と、第2変換装置が発生したスラスト力によってスラスト方向の弾性力が相殺されるばねと、ばねのスラスト方向の弾性力によって係合する第2摩擦クラッチと、を備え、第2摩擦クラッチがつながると第2経路を経て駆動軸のトルクを出力し、第2摩擦クラッチがトルクの伝達を遮断すると、第1摩擦クラッチ及び第2変換装置を含む第1経路を経て駆動軸のトルクを出力する。
請求項1記載の切替装置によれば、ばねのスラスト方向の弾性力によって第2摩擦クラッチがつながると、第2経路を経て駆動軸のトルクを出力する。この状態でトルク発生装置がトルクを発生すると、そのトルクを第1変換装置がスラスト力に変換し、第1摩擦クラッチが係合する。第1摩擦クラッチが係合すると、第2変換装置は、駆動軸のトルクによって第1部材と第2部材とが相対回転して生じたトルクをスラスト力に変換する。第2変換装置が発生したスラスト力によってばねのスラスト方向の弾性力が相殺されると、第2摩擦クラッチが伝達するトルクが小さくなる。第2変換装置が発生したスラスト力が大きくなって第2摩擦クラッチがトルクの伝達を遮断すると、第1摩擦クラッチ及び第2変換装置を含む第1経路を経て駆動軸のトルクを出力する。
第1摩擦クラッチや第2摩擦クラッチのクラッチ板が摩耗しても、第1変換装置、第2変換装置およびばねはクラッチ板の摩耗による摩擦面間の広がりを埋めるので、第1摩擦クラッチの伝達トルクが大きくなると、機構的に第2摩擦クラッチの伝達トルクが小さくなる。よってトルクの伝達経路をスムーズに切替えられる。
請求項2記載の切替装置によれば、第2摩擦クラッチがトルクの伝達を遮断したときに制限装置が作動して、ばねの弾性力による第2摩擦クラッチの係合を防ぐ。第1摩擦クラッチを含む第1経路を経てトルクが出力された後に、第1経路の伝達トルクが小さくなり、ばねの弾性力よりも第2変換装置のスラスト力が小さくなると、第1経路から出力されるトルクがさらに小さくなるという現象が生じる。制限装置によってこの現象を防ぐことができるので、請求項1の効果に加え、第1経路から出力されるトルクを確保できる。
請求項3記載の切替装置によれば、トルク発生装置は制限装置の作動を解除する。これにより請求項2の効果に加え、トルク発生装置によって第1経路から第2経路の切替えと第2経路から第1経路の切替えができる。
請求項4記載の切替装置によれば、第2部材は軸方向に移動してばねにスラスト力を加える。ロック部は第2部材の軸方向の移動を規制するので、請求項1から3のいずれかの効果に加え、第1部材と第2部材とを一体に回転できる。
請求項5記載の切替装置によれば、第1摩擦クラッチは、第1摩擦クラッチが切れたときに2つのハブが互いに相対回転する。第2部材は、2つのハブのうち片方のハブに回転不能かつ軸方向に移動可能に結合し、軸方向に移動してばねにスラスト力を加える。よって請求項1から4のいずれかの効果に加え、切替装置の構造を簡素化できる。
請求項6記載の切替装置によれば、トルク発生装置は、アクチュエータと、アクチュエータから第1変換装置にトルクを伝える伝達部と、を含む。伝達部はセルフロック性を有しているので、請求項1から5のいずれかの効果に加え、アクチュエータの作動を解除してもトルクを出力する経路が変わらないようにできる。
請求項7記載の切替装置によれば、第1経路および第2経路は遊星歯車を含む。第2摩擦クラッチのクラッチ板は、遊星歯車を収容するケースと第2摩擦クラッチのハブとの間に支持され、ハブは遊星歯車のいずれかの回転要素に結合する。よって請求項1から6のいずれかの効果に加え、切替装置をコンパクトにできる。
請求項8記載の切替装置によれば、第1経路および第2経路は、互いに平行な軸上に配置された2つの駆動ギヤと、駆動ギヤにかみ合う2つの被動ギヤと、を含む。よって請求項1から6のいずれかの効果に加え、切替装置の構造を簡素化できる。
請求項9記載の切替装置によれば、第1経路および第2経路は、互いに同軸上に配置される奇数段ギヤ及び偶数段ギヤを含む。よって請求項1から6のいずれかの効果に加え、奇数段と偶数段とをスムーズに切替えられる。
(a)は第1実施の形態における切替装置のスケルトン図であり、(b)は第1変換装置の部分断面図であり、(c)は第2変換装置の部分断面図である。 トルク発生装置がトルクを発生した直後の切替装置のスケルトン図である。 第2摩擦クラッチがトルクの伝達を遮断したときの切替装置のスケルトン図である。 (a)は第2摩擦クラッチが係合しているときの制限装置の断面図であり、(b)は制限装置が作動したときの制限装置の断面図であり、(c)は制限装置の作動を解除するときの制限装置の断面図であり、(d)は制限装置の作動を解除したときの制限装置の断面図である。 第2実施の形態における切替装置のスケルトン図である。 第3実施の形態における切替装置のスケルトン図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1(a)は第1実施の形態における切替装置10のスケルトン図である。切替装置10は、トルクの伝達経路を切替える装置であり、第1経路R1(図3参照)又は第2経路R2を経て駆動軸11のトルクを出力する。駆動軸11はエンジンやモータによって駆動される。図1では、駆動軸11を境にして切替装置10の片側の図示が省略されている(図2、図3、図5及び図6においても同じ)。切替装置10はトルク発生装置12、第1変換装置20、第1摩擦クラッチ30、第2変換装置40、第2摩擦クラッチ50及びばね55を備えている。
トルク発生装置12は、トルクを発生するモータ等のアクチュエータ13と、トルクを伝達する伝達部14と、を備えている。伝達部14は、本実施形態では、アクチュエータ13の出力軸に設けられた駆動ギヤ15と、駆動ギヤ15にかみ合う被動ギヤ16と、被動ギヤ16の隣に配置された被動ギヤ17と、を備えている。本実施形態では駆動ギヤ15はウォームであり、被動ギヤ16はウォームにかみ合うウォームホイールである。これにより伝達部14は、被動ギヤ16から駆動ギヤ15を回すことができないセルフロック性を有する。
操作軸18に結合された被動ギヤ16,17は一体に回転する。操作軸18は切替装置10のケース19に、回転自在に固定されている。被動ギヤ17の歯数は被動ギヤ16の歯数よりも多いので、被動ギヤ16,17は駆動ギヤ15の回転を減速する。被動ギヤ17は、第1変換装置20の第1部材21に設けられた歯にかみ合い、第1部材21にトルクを伝える。なお、ケース19は一部が図示されている。少なくとも第1変換装置20、第1摩擦クラッチ30、第2変換装置40、第2摩擦クラッチ50及びばね55は、ケース19に収納されている。
図1(b)は第1変換装置20の部分断面図である。第1変換装置20は第1部材21に設けたカム面22と第2部材23に設けたカム面24との間に複数のボール25が配置されている。ボール25をローラに代えても良い。第1部材21及び第2部材23は駆動軸11に回転可能に支持されている。第1部材21はベアリング26により、駆動軸11が延びる軸方向(スラスト方向)の位置が固定されている。第1変換装置20は、被動ギヤ17が第1部材21に入力したトルクを、駆動軸11が延びる方向のスラスト力に変換して、第2部材23が、ベアリング27を介してスラスト力を第1摩擦クラッチ30に加える。
図1(a)に戻る。第1摩擦クラッチ30は、駆動軸11のトルクを第2変換装置40へ伝達または遮断する装置である。第1摩擦クラッチ30は、駆動軸11に結合した入力ハブ31と、入力ハブ31の径方向の外側に配置された出力ハブ32と、入力ハブ31及び出力ハブ32にそれぞれ接続されたクラッチ板33と、第2部材23のスラスト力によってクラッチ板33の相対運動面を押し付ける押付部材34と、クラッチ板33による入力ハブ31と出力ハブ32との間のトルクの伝達を遮断する方向の力を押付部材34に加える戻しばね35と、を備えている。本実施形態では第1摩擦クラッチ30は湿式多板クラッチである。第1摩擦クラッチ30の潤滑油はケース19に充填されている。
図1(c)は第2変換装置40の部分断面図である。第2変換装置40は、第1部材41に設けたカム面45と第2部材42に設けたカム面46との間に複数のボール43が配置されている。ボール43をローラに代えても良い。カム面45,46の端には、ボール43の転がりを規制するロック部47が設けられている。
図1(a)に戻る。第1部材41は、駆動軸11の周りに回転可能、かつ、駆動軸11が延びる軸方向の位置が固定されている。第2部材42は、第1摩擦クラッチ30の出力ハブ32にスプライン等で結合しており、出力ハブ32に回転不能、かつ、軸方向に移動可能に固定されている。第2変換装置40を第1摩擦クラッチ30が支持するので、切替装置10の構造を簡素化できる。
第2変換装置40は、出力ハブ32が第2部材42に入力したトルクによって第1部材41と第2部材42との相対回転が生じると、その相対回転によって発生したトルクを軸方向のスラスト力に変換して、ベアリング44を介して第2部材42が第2摩擦クラッチ50へ出力する。さらに第1部材41と第2部材42との相対回転によってボール43がロック部47(図1(c)参照)に達すると、それ以上の第1部材41と第2部材42との相対回転が規制され、第1部材41及び第2部材42が一体に回転する。これにより第2変換装置40が発生する軸方向のスラスト力が制限される。
第2摩擦クラッチ50は、ばね55の軸方向の弾性力によって係合する装置である。第2摩擦クラッチ50は、ケース19の内側に配置された円筒状のハブ51と、ハブ51及びケース19にそれぞれ接続されたクラッチ板52と、ばね55のスラスト力によってクラッチ板52の相対運動面を押し付ける押付部材53と、を備えている。ばね55は、ケース19と押付部材53との間に配置されている。押付部材53のケース19に接する外周面には、周方向に延びる溝54が設けられている。本実施形態では第2摩擦クラッチ50は湿式多板クラッチである。第2摩擦クラッチ50の潤滑油はケース19に充填されている。
第2変換装置40の第2部材42は、クラッチ板52によるハブ51とケース19の間のトルクの伝達を遮断する方向の力を、ベアリング44を介して押付部材53に加える。第2摩擦クラッチ50は、ハブ51(回転体)とケース19(静止体)との相互作用によってハブ51を減速・停止し、又は、ハブ51を停止状態に保持するブレーキの機能をもつ。
遊星歯車60は、駆動軸11のトルクを出力する装置である。遊星歯車60のサンギヤ61は駆動軸11に結合し、リングギヤ62は第2摩擦クラッチ50のハブ51に結合している。サンギヤ61とリングギヤ62との間に、サンギヤ61及びリングギヤ62にかみ合う複数のピニオン63が配置されている。ピニオン63に接続されたキャリヤ64は、第2変換装置40の第1部材41に結合している。遊星歯車60を収容するケース19とハブ51との間にクラッチ板52が支持され、ハブ51は遊星歯車60のいずれかの回転要素(本実施形態ではリングギヤ62)に結合しているので、切替装置10をコンパクトにできる。
制限装置70は、第2摩擦クラッチ50の押付部材53のスラスト方向の移動を制限するための装置である。制限装置70は、ケース19の穴71に配置された棒状のストッパ72と、ストッパ72の一部を穴71の外に押し出すばね76と、穴71の外に一部が突出したストッパ72を元の位置に戻す操作軸18と、を備えている。ケース19の穴71は、ケース19のうち押付部材53が接する内周面に開口している。
第2摩擦クラッチ50が係合しているときは(クラッチ板52が滑り状態にあるときを含む)、押付部材53の溝54の位置はケース19の穴71に一致しないので、ストッパ72は溝54の中に進入できない。第2摩擦クラッチ50がトルクの伝達を遮断したときは(クラッチ板52が滑り状態にあるときは含まない)、押付部材53の溝54の位置はケース19の穴71に一致するので、ばね76の力でストッパ72は溝54の中に進入する。
図4を参照して制限装置70を説明する。図4(a)は第2摩擦クラッチ50が係合しているときの制限装置70の断面図である。図4(a)に示すようにストッパ72は、円柱状の基部73及び先端部74と、基部73と先端部74とを接続する円柱状の接続部75と、を備えている。接続部75は基部73及び先端部74よりも細い。操作軸18は穴71に交わるが、操作軸18の回転中心Cは穴71の外に位置する。操作軸18には、操作軸18の外周の一部を切り欠いた凹み77が設けられている。凹み77は、穴71に交わらない位置をとることができる。第2摩擦クラッチ50が係合しているときは、ストッパ72の接続部75は操作軸18の回転中心Cの位置にある。ストッパ72の基部73はばね76を圧縮しており、ストッパ72の先端部74は押付部材53に接している。
図1に戻って切替装置10の動作を説明する。第1摩擦クラッチ30がトルクの伝達を遮断した状態では、ばね55に押された押付部材53は第2摩擦クラッチ50を連結する。これにより切替装置10は第2経路R2を経て駆動軸11のトルクを出力する。トルク発生装置12の伝達部14は、被動ギヤ16から駆動ギヤ15を回すことができないセルフロック性を有するので、アクチュエータ13を作動しなくても、トルクを出力する第2経路R2が維持される。第2摩擦クラッチ50は、リングギヤ62が結合するハブ51を停止状態に保持するので、キャリヤ64の回転数は駆動軸11の回転数よりも小さく、キャリヤ64のトルクは駆動軸11のトルクよりも大きい。
図2に示すように、切替装置10がトルクの伝達経路を第2経路R2(図1参照)から第1経路R1(図3参照)に切替えるときは、アクチュエータ13を作動する。図2はトルク発生装置12がトルクを発生した直後の切替装置10のスケルトン図である。アクチュエータ13のトルクは、駆動ギヤ15及び被動ギヤ16を経て、被動ギヤ17及び操作軸18に伝わる。ストッパ72の接続部75(図4(a)参照)は操作軸18の回転中心Cの位置にあるので、操作軸18はストッパ72に邪魔されることなく図4(a)の反時計回りに回転する。アクチュエータ13のトルクは被動ギヤ17を経て第1変換装置20の第1部材21に伝わる。
第1変換装置20が発生したスラスト力は押付部材34に伝わり、第1摩擦クラッチ30が係合すると、クラッチ板33を介して入力ハブ31と出力ハブ32との間が連結状態になる。出力ハブ32の回転が伝わる第2変換装置40の第2部材42の回転数が、キャリヤ64に結合する第1部材41の回転数より大きくなると、カム面にボール43が係合して第2変換装置40が発生するスラスト力により、第2部材42が軸方向に押し出される。
第2部材42はベアリング44を介して押付部材53を押圧し、ばね55の軸方向の弾性力を相殺する。これにより第2摩擦クラッチ50に加わるスラスト力が小さくなるので、第2摩擦クラッチ50は、ハブ51をケース19に連結した状態から滑り状態にする。その結果、駆動軸11のトルクは、第2変換装置40及び第2摩擦クラッチ50の両方から遊星歯車60に伝えられる。
トルク発生装置12が第1変換装置20に加えるトルクが大きくなるにつれて、第2変換装置40のスラスト力が大きくなり、押付部材53は軸方向に移動してばね55の力をさらに相殺する。ばね55のスラスト力が小さくなるにつれて、第2摩擦クラッチ50が伝達するトルクは次第に小さく、第2変換装置40が伝達するトルクは次第に大きくなり、ハブ51の回転数は駆動軸11の回転数に近づく。
なお、ばね55の自由長(自由高さ)は、クラッチ板52が摩耗して、第2摩擦クラッチ50を連結状態にするときの押付部材53の位置がばね55から離れても、押付部材53を押し付けて第2摩擦クラッチ50を連結できる長さに設定されている。また、第2変換装置40のロック部47は、第2摩擦クラッチ50のトルクの伝達を遮断する(クラッチ板52が滑り状態にあるときは含まない)位置までばね55を押圧できるように、第1部材41と第2部材42とが相対回転できる位置に設けられている。
図3は第2摩擦クラッチ50がトルクの伝達を遮断したときの切替装置10のスケルトン図である。図4(b)は制限装置70が作動したときの制限装置70の断面図である。
第2摩擦クラッチ50がトルクの伝達を遮断すると、アクチュエータ13は作動を停止する。操作軸18の回転中心Cは穴71の外に位置し、操作軸18の凹み77は穴71に交わらない位置をとることができるので、押付部材53の溝54の位置がケース19の穴71に一致すると、ばね76の復元力で、ストッパ72の基部73は、必要に応じてバックラッシの分だけ操作軸18を回転させながら操作軸18の凹み77の位置に進入し、ストッパ72の先端部74は溝54の中に進入する。ストッパ72は押付部材53の移動を規制するので、制限装置70が作動すると第2摩擦クラッチ50は係合できない。
第2摩擦クラッチ50がトルクの伝達を遮断すると、遊星歯車60のピニオン63は回転しなくなり、キャリヤ64はサンギヤ61及びリングギヤ62と一緒に回転する。切替装置10は、駆動軸11のトルクを、第1摩擦クラッチ30及び第2変換装置40を含む第1経路R1を経て出力する。
切替装置10の作動によって、第1摩擦クラッチ30や第2摩擦クラッチ50のクラッチ板33,52は次第に摩耗する。しかし、第1変換装置20、第2変換装置40及びばね55はクラッチ板33,52の摩耗による摩擦面間の広がりを埋めるので、クラッチ板33,52が摩耗しても摩耗しなくても、第1摩擦クラッチ30の伝達トルクが大きくなると、機構的に第2摩擦クラッチ50の伝達トルクが小さくなる。よってトルクの伝達経路を常にスムーズに切替えられる。
本実施形態では、クラッチ板52が摩耗しても押付部材53を押し付けられる長さにばね55の自由長が設定されているので、クラッチ板52が摩耗しても、ばね55の弾性力で第2摩擦クラッチ50をつなぐことができる。ばね55の弾性力を相殺して第2摩擦クラッチ50を切るのは、第2変換装置40のカム面45,46にボール43が押し付けられて生じるスラスト力によるので、第2摩擦クラッチ50のクラッチ板52が摩耗してもトルクの伝達経路を第2経路R2から第1経路R1に切れ目なく切替えられる。
ロック部47によって第1部材41と第2部材42との相対回転が規制され、第2部材42の軸方向の移動が規制されると、第2部材42がばね55に加えるスラスト力が制限される。これにより第1部材41と第2部材42とが一体に回転する。なお、ロック部47を省略して、第1部材41と第2部材42との相対回転を制限する機能を、押付部材53の軸方向の移動を規制する制限装置70にもたせることは可能である。
切替装置10に制限装置70が無いと、第1摩擦クラッチ30を含む第1経路R1を経てトルクが出力された後に、キャリヤ64の伝達トルクが小さくなり、第2変換装置40の第1部材41の回転数が大きくなると、第1部材41と第2部材42との相対回転で生じる第2変換装置40のスラスト力が低下する。ばね55の弾性力よりも第2変換装置40のスラスト力が小さくなると、第1経路R1から出力されるトルクがさらに小さくなるという現象が生じる。切替装置10は制限装置70を備えているので、制限装置70が作動することによってこの現象を防ぐことができる。よって第1経路R1から出力されるトルクを確保できる。
図4(c)は制限装置70の作動を解除するときの制限装置70の断面図である。図4(d)は制限装置70の作動を解除したときの制限装置70の断面図である。図4(c)に示すように制限装置70の作動を解除するときは、アクチュエータ13を作動して、トルクの出力経路を第2経路R2から第1経路R1へ切替えるときの操作軸18の回転方向と反対(図4(c)時計回り)に操作軸18を回す。操作軸18はストッパ72の基部73に凹み77を引っ掛けて、ストッパ72の先端部74を溝64から抜く。これにより第2摩擦クラッチ50が係合可能な状態になる。
トルク発生装置12及び第1変換装置20は、制限装置70の作動を解除するときの操作軸18の回転では第1摩擦クラッチ30の伝達トルクが減少しないように、伝達部14の減速比および第1変換装置20のカム面22,24が設定されている。これにより制限装置70の作動を解除するときの、第1経路R1から出力されるトルクの減少を低減できる。
アクチュエータ13の作動によって操作軸18が同じ方向にさらに回転すると、第1変換装置20のスラスト力が小さくなり、戻しばね35の復元力によって第1摩擦クラッチ30が切れる。そうすると第2変換装置40のスラスト力が小さくなり、ばね55が第2摩擦クラッチ50をつなぎ、最終的に図1に示す第2経路R2に切替る。トルクの出力経路の切替えを行うトルク発生装置12を使って、制限装置70の作動の解除も行うことができる。
図5を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施形態では、遊星歯車60にトルクを出力する切替装置10について説明した。これに対し第2実施形態では、互いに平行な軸上に配置された2つの駆動ギヤ83,84、及び、駆動ギヤ83,84にかみ合う2つの被動ギヤ86,87にトルクを出力する切替装置80について説明する。なお第1実施形態で説明した部分と同一の部分は、同じ符号を付して以下の説明を省略する。
図5は第2実施の形態における切替装置80のスケルトン図である。切替装置80はトルク発生装置12、第1変換装置20、第1摩擦クラッチ90、第2変換装置100、第2摩擦クラッチ110及びばね55を備えている。切替装置80は、駆動軸81のトルクを駆動ギヤ83,84のいずれかに出力する装置である。駆動軸81はエンジンやモータによって駆動される。
駆動ギヤ83は、駆動軸81に対して相対回転可能に駆動軸81と同軸に配置された中空軸82に結合している。駆動ギヤ84は駆動軸81に相対回転可能に配置されている。駆動軸81には、駆動ギヤ83,84を駆動軸81に選択的に結合するシンクロナイザ(図示せず)が配置されている。
被動ギヤ86,87が結合している被動軸85は、駆動軸81と平行に配置されている。被動ギヤ86は常に駆動ギヤ83にかみ合い、被動ギヤ87は常に駆動ギヤ84にかみ合う。被動ギヤ87は、軸89に配置された差動装置88に常にかみ合う。本実施形態では駆動ギヤ83及び被動ギヤ86,87の全体の減速比は、駆動ギヤ84と被動ギヤ87の減速比よりも小さい。
第1摩擦クラッチ90は、駆動軸81のトルクを第2変換装置100へ伝達または遮断する装置である。第1摩擦クラッチ90は、中空軸82に結合した入力ハブ91と、入力ハブ91の径方向の外側に配置された出力ハブ92と、入力ハブ91及び出力ハブ92にそれぞれ接続されたクラッチ板93と、第2部材23のスラスト力によってクラッチ板93の相対運動面を押し付ける押付部材94と、クラッチ板93による入力ハブ91と出力ハブ92との間のトルクの伝達を遮断する方向の力を押付部材94に加える戻しばね95と、を備えている。
第2変換装置100は、第1部材101に設けたカム面(図示せず)と第2部材102に設けたカム面(図示せず)との間に複数のボール103が配置されている。ボール103をローラに代えても良い。第1部材101は軸方向の位置が固定されており、駆動軸81に結合している。第2部材102は、第1摩擦クラッチ90の出力ハブ92にスプライン等で結合しており、出力ハブ92に回転不能、かつ、軸方向に移動可能に固定されている。第2変換装置100は、駆動軸81が第1部材101に入力したトルクによって第1部材101と第2部材102との相対回転が生じると、その相対回転によって発生したトルクをスラスト力に変換して、第2部材102を第1部材101から遠ざける。
第2摩擦クラッチ110は、ばね55の軸方向の弾性力によって係合する装置である。第2摩擦クラッチ110は、第2変換装置100の第1部材101及び駆動軸81に結合した入力ハブ111と、入力ハブ111の径方向の外側に配置されると共に駆動ギヤ84に結合した出力ハブ112と、入力ハブ111及び出力ハブ112にそれぞれ接続されたクラッチ板113と、ばね55のスラスト力によって押付部材53及びベアリング114を介してクラッチ板113の相対運動面を押し付ける当接部材115と、を備えている。当接部材115は、第2変換装置100の第2部材102の軸方向の端面に当接している。第2部材102は、第2摩擦クラッチ111のトルクの伝達を遮断する方向の力を当接部材114に加える。
切替装置80の動作を説明する。シンクロナイザ(図示せず)によって低速段の駆動ギヤ84が駆動軸81に結合し、かつ、第1摩擦クラッチ90がトルクの伝達を遮断した状態では、ばね55に押された押付部材53は、ベアリング114及び当接部材115を介して第2摩擦クラッチ110を連結する。これにより切替装置80は、第2摩擦クラッチ110を含む第2経路を経て、駆動軸81のトルクを駆動ギヤ84へ出力する。
切替装置80がトルクの伝達経路を、第2経路から第1摩擦クラッチ90を含む第1経路に切替えるときは、アクチュエータ13を作動する。アクチュエータ13のトルクを第1変換装置20がスラスト力に変換すると、第1摩擦クラッチ90が係合し、クラッチ板93を介して入力ハブ91と出力ハブ92との間が連結状態になる。高速段の駆動ギヤ83が結合する中空軸82の回転数は、シンクロナイザを介して低速段の駆動ギヤ84が結合する駆動軸81の回転数よりも大きいので、クラッチ板93を介して中空軸82の回転が伝わる出力ハブ92及び第2部材102と、入力ハブ111を介して駆動軸81の回転が伝わる第1部材101と、の間に回転差が生じる。その結果、第1部材101及び第2部材102のカム面(図示せず)にボール103が係合して第2変換装置100が発生するスラスト力により、第2部材102が軸方向に押し出される。
第2部材102は、当接部材115及びベアリング114を介して押付部材53を押圧し、ばね55の軸方向の弾性力を相殺する。これにより第2摩擦クラッチ110にばね55が加えるスラスト力が小さくなるので、第2摩擦クラッチ110は、駆動ギヤ84を駆動軸81に連結した状態から滑り状態になる。トルク発生装置12が第1変換装置20に加えるトルクが大きくなるにつれて、第2変換装置100のスラスト力が大きくなり、当接部材115及び押付部材53は軸方向に移動してばね55の力を相殺する。
その結果、第2摩擦クラッチ110が伝達するトルクは次第に小さく、第2変換装置100及び第1摩擦クラッチ90が伝達するトルクは次第に大きくなる。シンクロナイザ(図示せず)によって高速段の駆動ギヤ83が駆動軸81に結合し、かつ、第2摩擦クラッチ110がトルクの伝達を遮断すると、切替装置80のトルクの伝達経路の、第2経路から第2変換装置100及び第1摩擦クラッチ90を含む第1経路への切替えが完了する。
図6を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態では、低速段と高速段の2速に切替える切替装置10,80について説明した。これに対し第3実施形態では、複数の奇数段ギヤ125と複数の偶数段ギヤ126との間のトルクの伝達を切替える切替装置120について説明する。なお第1実施形態および第2実施形態で説明した部分と同一の部分は、同じ符号を付して以下の説明を省略する。
図6は第3実施の形態における切替装置120のスケルトン図である。切替装置120はトルク発生装置12、第1変換装置20、第1摩擦クラッチ140、第2変換装置150、第2摩擦クラッチ110及びばね55を備えている。切替装置120は、駆動軸121のトルクを奇数段ギヤ125又は偶数段ギヤ126に出力する装置である。駆動軸121はエンジンによって駆動される。
駆動軸121は中空状であり、駆動軸121と同軸上に配置された第1軸122は、駆動軸121と相対回転可能に駆動軸121に支持されている。第1軸122と同軸上に配置された第2軸123は中空状であり、第1軸122と相対回転可能に第1軸122に支持されている。第3軸124は、駆動軸121、第1軸122及び第2軸123と平行に配置されている。
奇数段ギヤ125は、第2軸123及び第3軸124に配置されている。偶数段ギヤ126は、第1軸122及び第3軸124に配置されている。1速段の駆動ギヤ127及び3速段の駆動ギヤ128は、第2軸123と相対回転可能に第2軸123に配置されている。常に駆動ギヤ127,128にそれぞれかみ合う被動ギヤ129,130は第3軸124に結合している。2速段の駆動ギヤ131及び4速段の駆動ギヤ132は、第1軸122と相対回転可能に第1軸122に配置されている。常に駆動ギヤ131,132にそれぞれかみ合う被動ギヤ133,134は第3軸124に結合している。
第2軸123には、駆動ギヤ127,128を第2軸123に選択的に結合するシンクロナイザ(図示せず)が配置されている。第1軸122には、駆動ギヤ131,132を第1軸122に選択的に結合するシンクロナイザ(図示せず)が配置されている。第2軸123は、第2摩擦クラッチ110の出力ハブ112に結合している。
第1摩擦クラッチ140は、駆動軸121のトルクを第2変換装置150へ伝達または遮断する装置である。第1摩擦クラッチ140は、駆動軸121に結合した入力ハブ141と、入力ハブ141の径方向の内側に配置され第1軸122に結合した出力ハブ142と、入力ハブ141及び出力ハブ142にそれぞれ接続されたクラッチ板143と、第2部材23のスラスト力によってクラッチ板143の相対運動面を押し付ける押付部材144と、クラッチ板143による入力ハブ141と出力ハブ142との間のトルクの伝達を遮断する方向の力を押付部材144に加える戻しばね145と、を備えている。
第2変換装置150は、第1部材151に設けたカム面(図示せず)と第2部材152に設けたカム面(図示せず)との間に複数のボール153が配置されている。ボール153をローラに代えても良い。第1部材151は軸方向の位置が固定されており、第2摩擦クラッチ110の入力ハブ111に結合している。第2部材152は、第1摩擦クラッチ140の入力ハブ141にスプライン等で結合しており、入力ハブ141に回転不能、かつ、駆動軸121が延びる軸方向の位置が固定されている。
第2部材152の軸方向の端面には、ばね55の弾性力によって、押付部材53及びベアリング114を介して第2摩擦クラッチ110の当接部材115が押し付けられている。第2変換装置150は、駆動軸121が第1部材151に入力したトルクによって第1部材151と第2部材152との相対回転が生じると、その相対回転によって発生したトルクをスラスト力に変換して、第2部材152を第1部材151から遠ざける。
切替装置120の動作を説明する。シンクロナイザ(図示せず)によって駆動ギヤ127,128(奇数段ギヤ125)のいずれかが第2軸123に結合し、かつ、第1摩擦クラッチ140がトルクの伝達を遮断した状態では、ばね55に押された押付部材53は、ベアリング114及び当接部材115を介して第2摩擦クラッチ110を連結すると共に第2変換装置150の第1部材151及び第2部材152にボール153を密接させる。これにより切替装置120は、入力ハブ141、第2変換装置150及び第2摩擦クラッチ110を含む第2経路を経て、駆動軸121のトルクを奇数段ギヤ125へ出力する。
奇数段ギヤ125から偶数段ギヤ126へのシフトアップのために、切替装置120がトルクの伝達経路を、第2経路から第1摩擦クラッチ140を含む第1経路に切替えるときは、シンクロナイザ(図示せず)によって駆動ギヤ131,132(偶数段ギヤ126)のいずれかを第1軸122に結合した後、アクチュエータ13を作動する。
アクチュエータ13のトルクを第1変換装置20がスラスト力に変換すると、第1摩擦クラッチ140が係合し、クラッチ板143を介して入力ハブ141と出力ハブ142との間が連結状態になる。高速段の駆動ギヤ131,132のいずれかが結合する第1軸122の回転数は、低速段の駆動ギヤ127,128のいずれかが結合する第2軸123の回転数よりも大きいので、クラッチ板143を介して第1軸122の回転が伝わる入力ハブ141及び第2部材152と、第2摩擦クラッチ110を介して第2軸123の回転が伝わる第1部材151と、の間に回転差が生じ、カム面にボール153が係合して第2変換装置150が発生するスラスト力により、第2部材152が軸方向に押し出される。
第2部材152は当接部材115及びベアリング114を介して押付部材53を押圧し、ばね55の軸方向の弾性力を相殺する。これにより第2摩擦クラッチ110に加わるスラスト力が小さくなるので、第2摩擦クラッチ110は、第2軸123及び出力ハブ112を入力ハブ111に連結した状態から滑り状態にする。トルク発生装置12が第1変換装置20に加えるトルクが大きくなるにつれて、第2変換装置150のスラスト力が大きくなり、当接部材115及び押付部材53は軸方向に移動してばね55の弾性力をさらに相殺する。
その結果、第2摩擦クラッチ110が伝達するトルクは次第に小さく、第2変換装置150及び第1摩擦クラッチ140が伝達するトルクは次第に大きくなる。第2摩擦クラッチ150がトルクの伝達を遮断すると、切替装置120のトルクの伝達経路の、第2経路から第1摩擦クラッチ140及び第2変換装置150を含む第1経路への切替えが完了する。これにより駆動軸121のトルクが、第1軸122に結合した駆動ギヤ131,132(偶数段ギヤ126)のいずれかに伝わり、奇数段ギヤ125から偶数段ギヤ126へのシフトアップがスムーズに行われる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施形態では、第1摩擦クラッチ30,90,140及び第2摩擦クラッチ50,110が、係合面が円板形状のディスククラッチであって湿式多板クラッチである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の摩擦クラッチを採用することは当然可能である。他の摩擦クラッチとしては例えばドラムクラッチ、円すいクラッチが挙げられる。ディスククラッチにおいても、単板クラッチ、多板クラッチ及び複板クラッチを採用可能である。さらに乾式クラッチを採用することは当然可能である。
実施形態では、アクチュエータ13から第1変換装置20にトルクを伝える駆動ギヤ15をウォーム、被動ギヤ16をウォームホイールとすることによって伝達部14にセルフロック機能をもたせる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。伝達部14にセルフロック機能をもたせる他の手段を採用することは当然可能である。他の手段としては、例えば内部循環トルクの利用やねじ等の摩擦の利用が挙げられる。
実施形態では、第2摩擦クラッチ50,110の押付部材53の溝54にストッパ72が進入して第2摩擦クラッチ50,110の係合を防ぐ制限装置70について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の機構の制限装置を採用することは当然可能である。
実施形態では、第2変換装置40の第1部材41及び第2部材42にロック部47を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ロック部47に代えて、例えば第2変換装置40が力を加える押付部材53の軸方向の移動を規制するロック部を設けることは可能である。この場合、ロック部が移動を規制した押付部材53を介して第1部材41と第2部材42との相対回転が規制される。このロック部としては、例えば止め輪を使ってばね55の圧縮長さを制限するものが挙げられる。ばね55の圧縮長さを制限することにより、それ以上の押付部材53の移動が規制される。
実施形態では、駆動ギヤ15及び被動ギヤ16,17によってトルク発生装置12の伝達部14が構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。伝達部14のギヤの枚数は適宜設定可能である。また、伝達部14にチェーン等を採用することは当然可能である。
第1実施形態では、遊星歯車60の回転要素のうちリングギヤ62をハブ51に結合する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。切替装置10が出力するトルクの要求特性に応じて、遊星歯車60の他の回転要素(サンギヤやキャリヤ)をハブ51に結合することは当然可能である。
10,80,120 切替装置
11,81,121 駆動軸
12 トルク発生装置
13 アクチュエータ
14 伝達部
19 ケース
20 第1変換装置
30,90,140 第1摩擦クラッチ
32,92 出力ハブ(片方のハブ)
40,100,150 第2変換装置
41,101,151 第1部材
42,102,152 第2部材
50,110 第2摩擦クラッチ
51 ハブ
55 ばね
60 遊星歯車
62 リングギヤ(回転要素の一つ)
70 制限装置
83,84 駆動ギヤ
86,87 被動ギヤ
125 奇数段ギヤ
126 偶数段ギヤ
141 入力ハブ(片方のハブ)
R1 第1経路
R2 第2経路

Claims (9)

  1. 第1経路または第2経路を経て駆動軸のトルクを出力する切替装置であって、
    トルクを発生するトルク発生装置と、
    前記トルク発生装置が発生したトルクをスラスト力に変換する第1変換装置と、
    前記第1変換装置が発生したスラスト力によって係合する第1摩擦クラッチと、
    前記第1摩擦クラッチが係合して前記駆動軸のトルクによって互いに相対回転する第1部材および第2部材を含み、前記第1部材と前記第2部材との相対回転によって発生したトルクをスラスト力に変換する第2変換装置と、
    前記第2変換装置が発生したスラスト力によってスラスト方向の弾性力が相殺されるばねと、
    前記ばねのスラスト方向の弾性力によって係合する第2摩擦クラッチと、を備え、
    前記第2摩擦クラッチがつながると前記第2経路を経て前記駆動軸のトルクを出力し、
    前記第2摩擦クラッチがトルクの伝達を遮断すると、前記第1摩擦クラッチ及び前記第2変換装置を含む前記第1経路を経て前記駆動軸のトルクを出力する切替装置。
  2. 制限装置をさらに備え、
    前記制限装置は、前記第2摩擦クラッチがトルクの伝達を遮断したときに作動して、前記ばねの弾性力による前記第2摩擦クラッチの係合を防ぐ請求項1記載の切替装置。
  3. 前記トルク発生装置は、前記制限装置の作動を解除する請求項2記載の切替装置。
  4. 前記第2部材は、軸方向に移動して前記ばねにスラスト力を加え、
    前記第2部材の軸方向の移動を規制するロック部をさらに備える請求項1から3のいずれかに記載の切替装置。
  5. 前記第1摩擦クラッチは、前記第1摩擦クラッチが切れたときに互いに相対回転する2つのハブを備え、
    前記第2部材は、前記2つのハブのうち片方のハブに回転不能かつ軸方向に移動可能に結合し、軸方向に移動して前記ばねにスラスト力を加える請求項1から4のいずれかに記載の切替装置。
  6. 前記トルク発生装置は、アクチュエータと、前記アクチュエータから前記第1変換装置にトルクを伝える伝達部と、を含み、
    前記伝達部はセルフロック性を有している請求項1から5のいずれかに記載の切替装置。
  7. 前記第1経路および前記第2経路は遊星歯車を含み、
    前記第2摩擦クラッチのクラッチ板は、前記遊星歯車を収容するケースと前記第2摩擦クラッチのハブとの間に支持され、
    前記ハブは、前記遊星歯車のいずれかの回転要素に結合する請求項1から6のいずれかに記載の切替装置。
  8. 前記第1経路および前記第2経路は、互いに平行な軸上に配置された2つの駆動ギヤと、前記駆動ギヤにかみ合う2つの被動ギヤと、を含む請求項1から6のいずれかに記載の切替装置。
  9. 前記第1経路および前記第2経路は、互いに同軸上に配置される奇数段ギヤ及び偶数段ギヤを含む請求項1から6のいずれかに記載の切替装置。
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