JP2019112957A - 車両構造 - Google Patents

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悦章 毛利
Yoshiaki Mori
悦章 毛利
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Abstract

【課題】簡単な構造で、チューニングホールの形成に起因する不具合を軽減すること。【解決手段】チューニングホール12は吸気ダクト10の外表面の所定位置に形成され、走行風は外表面に沿って所定位置に導かれる。所定位置の周辺のうち走行風の上流側の位置には、乱流を形成するための多数の突起14が設けられる。【選択図】図1

Description

この発明は、車両構造に関し、特に、チューニングホールが所定位置に形成された吸気ダクトを備える、車両構造に関する。
この種の吸気ダクトの一例が、特許文献1に開示されている。この文献によれば、一端がエアクリーナに接続され、他端が外気の導入のために開口された筒状の吸気ダクトの壁部に、消音用のチューニングホールが形成される。詳しくは、内壁面の底面から対向する天面に向けて突出する溝部が壁部に設けられ、チューニングホールは、溝部の先端に形成される。これによって、チューニングホールからの水やダストなどの異物の侵入等を防止することができる。
国際公開第2012−115178号公報
しかし、特許文献1のような吸気ダクトは、溝部の構造が複雑化するという問題がある。このような構造の溝部を設けるには、細い突起を有する金型を用いてチューニングホールを成形する必要があり、この場合、金型の強度低下、一般断面部より大きく延ばして成型することによる周辺部の板厚減少による面剛性の低下(ブロー成型の場合)、当該面剛性の低下に伴う放射音の悪化等が懸念される。
それゆえに、この発明の主たる目的は、簡単な構造で、チューニングホールの形成に起因する不具合を軽減することができる、車両構造を提供することである。
この発明に係る車両構造は、チューニングホールが所定位置に形成された外表面を有し、走行風が外表面に沿って所定位置に導かれる姿勢で配された吸気ダクト、および所定位置の周辺のうち走行風の上流側の位置に設けられて所定位置に乱流を形成する乱流形成部材を備える。
チューニングホールは吸気ダクトの外表面の所定位置に形成され、走行風は外表面に沿って所定位置に導かれる。これを踏まえて、走行風の上流側の位置に乱流形成部材を設けることで、所定位置に乱流を形成するようにしている。この結果、簡単な構造で、異物の侵入,吸気温の上昇,気流音の発生,通気抵抗の増加などのチューニングホールの形成に起因する不具合を軽減することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この実施例の車両構造を構成する吸気ダクトの要部構成を示す図解図である。 (A)は金型準備工程を示す図解図であり、(B)はブロー成型工程を示す図解図であり、(C)は後処理工程を示す図解図である。
図1を参照して、この実施例の車両構造は、開口OP1が形成された吸気ダクト10を備える。開口OP1から吸い込まれた空気は、吸気ダクト10を経てエンジンの燃焼室(図示せず)またはエアクリーナ(図示せず)に供給される。吸気ダクト10の外表面の所定位置には、吸気ダクト10の内表面に向かって貫通する消音用のチューニングホール12が形成される。
また、車両には、走行風を取り込むための開口(図示せず)が設けられる。吸気ダクト10は、当該開口から取り込まれた走行風が吸気ダクト10の外表面に沿って所定位置に導かれる姿勢で、エンジンルームに配される。
所定位置の周辺のうち走行風の上流側の位置には、多数の突起14が設けられる。突起14は、走行風が流れる方向に対して、不均一かつ多様に分布する。走行風はこのような突起14によって乖離され、これによって所定位置に乱流が形成される。換言すれば、チューニングホール12から吸気ダクト10の内側に吸入される空気の流れが、突起14によって阻害ないし遮断される。
この結果、水やダストのような異物の侵入,エンジンルーム内の暖気の吸入による吸気温の上昇,気流音の発生,吸気ダクト12内の主流が攪乱されることによる通気抵抗の増加などの、チューニングホールの形成に起因する不具合が軽減される。また、突起14を形成することで、チューニングホール12の拡径化ひいては消音効果の増大が可能となり、さらには拡径化に関わらず開口OP1からの吸入空気量つまりエンジン性能を維持することが可能となる。
吸気バルブ10は、ポリプロピレンまたはナイロンを素材とし、ブロー成型によって、図2(A)〜図2(C)に示す工程を経て形成される。
まず、内側面に突起14に対応する凹部22が彫り込まれた金型20が、図2(A)に示す金型準備工程で準備される。ここで、凹部22の形状は、吸気バルブ20の内表面の滑らかさを妨げない微細な形状とされる。
図2(B)に示すブロー成型工程では、熱で溶融された樹脂24が、図示しないブロー成型装置から金型20の内側に向けてパイプ状に押し出される。押し出されたパイプの内側には空気が吹き込まれる。樹脂24は、金型20の内壁面に押し付けられ、これによって吸気ダクト10の素体が作製される。
樹脂24が固まると、図2(C)に示す後処理工程において、金型20から素体が外される。素体の表面には仕上げ処理が施され、かつ所定位置にチューニングホール12(図2(C)では図示せず)が形成される。
以上の説明から分かるように、チューニングホール12は吸気ダクト10の外表面の所定位置に形成され、走行風は外表面に沿って所定位置に導かれる。これを踏まえて、所定位置の周辺のうち走行風の上流側の位置には、乱気流を形成するための多数の突起14が設けられる。この結果、簡単な構造で、異物の侵入,吸気温の上昇,気流音の発生,通気抵抗の増加などのチューニングホール12の形成に起因する不具合を軽減することができる。
なお、この実施例では、吸気ダクト10の外表面に多数の突起14を形成するようにしている。しかし、チューニングホール12が形成される位置に乱気流を形成できる限り、不均一かつ多様な凹凸を吸気ダクト10の外表面に形成するようにしてもよく、さらには走行風を遮るメッシュ状の壁をチューニングホール12よりも上流側に配置するようにしてもよい。
10 …吸気ダクト
12 …チューニングホール
14 …突状部

Claims (1)

  1. チューニングホールが所定位置に形成された外表面を有し、走行風が前記外表面に沿って前記所定位置に導かれる姿勢で配された吸気ダクト、および
    前記所定位置の周辺のうち前記走行風の上流側の位置に設けられて前記所定位置に乱流を形成する乱流形成部材を備える、車両構造。
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