JP6167894B2 - 空調用レジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、リテーナ内の通風路を開放及び閉鎖するシャットダンパが設けられた空調用レジスタに関する。
例えば、車両のインストルメントパネルには、空調装置から送られてきた空調用空気を通風路の吹出口から吹き出す空調用レジスタが組込まれている。この空調用レジスタでは、通風路の吹出口よりも上流に配置されたフィンが傾動されることで、吹出口から吹き出される空調用空気の向きが調整される。また、通風路のフィンよりも上流側にはシャットダンパが配置されている。シャットダンパは、軸を支点として、通風路を開放する開位置と、通風路を閉鎖する閉位置との間で傾動される。
上記構成の空調用レジスタでは、シャットダンパによる通風路閉鎖時の密閉性を高める工夫が種々なされている。
例えば、特許文献1に記載されたシャットダンパは、ダンパ本体及びシール体の2部品によって構成される。ダンパ本体は、硬質材料により板状に形成されている。シール体は、ウレタン等の軟質材料により環状に形成され、ダンパ本体の周縁に装着されている。そして、シャットダンパによる通風路閉鎖時には、シール体がリテーナの内壁面に接触して、シャットダンパよりも下流側への空調用空気の流通を遮断する。ところが、シャットダンパが、ダンパ本体とシール体との2部品構成となるため、シール体の部品費や組み付け工数が増えて製造コストの上昇を招く。
そこで、ダンパ本体の周縁にシール部を一体に設け、そのシール部の形状を工夫することで、通風路の閉鎖時には、シール部をリテーナの内壁面に接触させることなく通風路の密閉性を高めるようにした技術が、例えば特許文献2に記載されている。このシャットダンパでは、シール部の外周面が山形状に突出形成されており、同外周面が平坦状に形成されたものよりも大きな表面積を有している。そのため、シール部とリテーナの内壁面との隙間部での圧力損失が大きくなり、空調用空気が上記隙間部を通過しにくくなり、通風路の密閉性が向上する。その結果、シール体が不要となり、製造コストを低減することができる。
実用新案登録第2570855号公報 特開2013−39924号公報
ところが、シール部の外周面の表面積を大きくすることによる、通風路の密閉性を向上させる効果には限度があり、さらに高い密閉性が要求される場合には対処することが困難である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、部品点数を減らしつつ通風路の密閉性を高めることのできる空調用レジスタを提供することにある。
上記課題を解決する空調用レジスタは、空調用空気の通風路を有する筒状のリテーナと、板状のダンパ本体、及び同ダンパ本体の周縁に一体に設けられたシール部を備えて前記リテーナ内に配置され、軸を支点として、前記通風路を開放する開位置、及び前記通風路を閉鎖する閉位置の間で傾動するシャットダンパとを備える空調用レジスタであって、前記閉位置では、前記シール部の外周面は、前記リテーナの内壁面に接近する箇所に位置し、前記シール部前記外周面には、前記周縁に沿う方向に延びるとともに空調用空気の流れ方向と交差する溝部が形成されている。
上記の構成によれば、閉位置では、シャットダンパのシール部の外周面がリテーナの内壁面に接近し、外周面と内壁面との間に僅かな隙間部を生ずる。通風路のシャットダンパよりも上流側の空調用空気は、この隙間部を通って、通風路のシャットダンパよりも下流側へ流れようとする。
ところが、シール部の外周面には、前記周縁に沿う方向に延びるとともに空調用空気の流れ方向と交差する溝部を形成することで、同外周面の表面積を、同外周面が平坦状に形成されたものや、同外周面が山形状に突出形成されたものよりも増大させることが可能である。ここで、一般に、空調用空気が隙間部を通過する際の圧力損失は、シール部の外周面の表面積が大きくなるほど大きくなる。空調用空気がシール部の外周面に対しより広い面で接触し、同外周面との間で生ずる摩擦抵抗が大きくなるからである。従って、上記のように表面積を増大させることで圧力損失が大きくなって、空調用空気が隙間部を通過しにくくなる。
さらに、上記隙間部のうち溝部に繋がる箇所では、空調用空気は、その溝部側へ引き寄せられて溝部内で渦を発生する。この空調用空気に対しては、上記隙間部において溝部よりも下流側へ戻そうとする力が作用する。この力により、溝部から空調用空気が引き出される。空調用空気は、溝部内に入り込む際や、溝部から出る際に流れ方向を変える。この流れ方向の変更のために、空調用空気のエネルギーが消費される。また、空調用空気のエネルギーは、溝部内での渦の発生のためにも消費される。その結果、これらの消費により、空調用空気のエネルギーが小さくなり、空調用空気はさらに隙間部を通過しにくくなる。
また、シール部はダンパ本体と一体となっているため、軟質材料からなる別途のシール体が不要となる。
上記空調用レジスタにおいて、前記シール部は、前記ダンパ本体の厚みよりも広い幅を有していることが好ましい。
上記の構成によれば、シール部の幅がダンパ本体の厚みよりも広く設定されることで、同じ又は狭く設定された場合よりも同シール部の外周面の表面積が増大する。また、幅の広いシール部に対しては、ダンパ本体の厚みと同じ又は狭い幅を有するシール部に対するよりも溝部を形成することが容易である。
上記空調用レジスタにおいて、前記溝部の幅は、同溝部の深さ方向に一様であることが好ましい。
上記の構成によれば、溝部が深くなるに従い幅が狭くなるものに比べ、溝部の壁面の表面積が多くなる。これに伴い、シール部の外周面の表面積が増大する。
上記空調用レジスタにおいて、前記溝部は、前記シール部の幅方向についての複数箇所に形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、溝部をシール部の幅方向についての複数箇所に形成することで、同シール部の外周面の表面積を、溝部をシール部の1箇所にのみ形成した場合よりも増大させることが容易となる。
また、溝部の数が増えることで、空調用空気が隙間部を通過する際に流れ方向を変える回数や、渦を発生する回数が増える。これに伴い、空調用空気のエネルギーがより多く消費され、空調用空気が隙間部をより一層通過しにくくなる。
上記空調用レジスタにおいて、前記シール部の幅は、前記溝部の深さ方向に一様であることが好ましい。
上記の構成によれば、シール部の幅は、溝部の深さ方向に一様であるため、深くなるに従い狭くなるものに比べ、溝部を形成するための領域が確保しやすく、シール部の幅方向についての複数箇所に溝部を形成することが容易となる。
上記空調用レジスタによれば、部品点数を減らしつつ通風路の密閉性を高めることができる。
空調用レジスタの一実施形態を示す図であり、シャットダンパが閉位置まで傾動された空調用レジスタの内部構造を示す側断面図。 シャットダンパが閉位置まで傾動された空調用レジスタの内部構造を、リテーナの上流側から見た図であり、一部を省略して示す部分断面図。 図1のX部を拡大して示す部分側断面図。 一実施形態において、開位置まで傾動されたシャットダンパのシール部を示す部分側断面図。 シャットダンパの変形例を示す図であり、(a)は閉位置まで傾動されたシャットダンパのシール部をリテーナとともに示す部分側断面図、(b)は開位置まで傾動されたシャットダンパのシール部を示す部分側断面図。 シャットダンパの変形例を示す図であり、閉位置まで傾動されたシャットダンパのシール部をリテーナとともに示す部分側断面図。 シャットダンパの変形例を示す図であり、閉位置まで傾動されたシャットダンパのシール部をリテーナとともに示す部分側断面図。 シャットダンパの変形例を示す図であり、閉位置まで傾動されたシャットダンパのシール部をリテーナとともに示す部分側断面図。
以下、車両のインストルメントパネルに組込まれる空調用レジスタに具体化した一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。
車室内において、車両の前席(運転席及び助手席)の前方にはインストルメントパネルが設けられ、その車幅方向についての中央部、両側部等には本実施形態の空調用レジスタが組込まれている。
図1及び図2に示すように、空調用レジスタは、リテーナ10及びフィンを基本的な構成要素として備える。次に、これら各部の構成について説明する。
<リテーナ10>
リテーナ10は、硬質の樹脂材料によって形成された複数の部材からなり、両端が開放された筒状をなしている。リテーナ10の内部空間は、空調装置(図示略)から送られてくる空調用空気A1の流路(以下「通風路11」という)を構成している。ここで、通風路11での空調用空気A1の流れ方向について、空調装置に近い側(図1では左側)を上流側とし、同空調装置から遠い側(図1では右側)を下流側とする。通風路11の下流端は、空調用空気A1の吹出口12を構成している。
通風路11は、リテーナ10の4つの壁部によって取り囲まれている。これらの4つの壁部は、車幅方向に相対向する一対の第1壁部13と、上下方向に相対向する一対の第2壁部14とからなる。両第1壁部13の内壁面13a、及び両第2壁部14の内壁面14aはいずれも平坦な面に形成されている。これらの内壁面13a,14aには、通風路11側へ突出する突部や段差部は設けられていない。
<フィン>
図1に示すように、フィンは、複数の下流側フィン17及び複数の上流側フィン15からなる。複数の下流側フィン17は、通風路11において吹出口12の上流側近傍において、上下方向へ互いに離間した状態で配設されている。各下流側フィン17の車幅方向についての両方の端面からは、支軸(図示略)がそれぞれ同方向についての外方に向けて突出している。各下流側フィン17は、両支軸において両第1壁部13に支持されている。そのため、各下流側フィン17は、両支軸を支点として上下方向へ傾動可能である。
複数の上流側フィン15は、通風路11の下流側フィン17よりも上流側において、車幅方向へ互いに離間した状態で配設されている。各上流側フィン15の上下方向についての両方の端面からは、支軸16がそれぞれ同方向についての外方に向けて突出している。各上流側フィン15は、両支軸16において両第2壁部14に支持されている。そのため、各上流側フィン15は、両支軸16を支点として車幅方向へ傾動可能である。
上記空調用レジスタでは、空調用空気A1は、リテーナ10内の通風路11を通過する過程で、上流側フィン15及び下流側フィン17に沿って流れる。上流側フィン15が支軸16を支点として車幅方向へ傾動されると、上流側フィン15の同方向についての傾きが変えられる。下流側フィン17が支軸を支点として上下方向へ傾動されると、下流側フィン17の同方向についての傾きが変えられる。空調用空気A1は、上流側フィン15及び下流側フィン17の各傾きに応じた方向へ流れて吹出口12から吹出す。
図1及び図2に示すように、空調用レジスタは、上記基本構成に加え、シャットダンパ20を備えている。シャットダンパ20は、リテーナ10内の上流側フィン15よりも上流側で通風路11を開放及び閉鎖するためのものである。シャットダンパ20の主要部は、矩形の平板状をなすダンパ本体21によって構成されている。
ダンパ本体21の周縁からは、車幅方向についての外方へ向けて一対の軸22が突出している。シャットダンパ20は、両軸22において両第1壁部13に支持されている。ダンパ本体21の周縁であって両軸22を除く箇所には、図4に示すように、同ダンパ本体21の厚みT1よりも広い幅W1を有するシール部23が設けられている。この幅W1は、後述する溝部26の深さ方向についてのどの箇所でも略一定の大きさに設定されている。そして、これらのダンパ本体21、両軸22及びシール部23は、硬質の樹脂材料を用い、射出成形法等の成形法によって一体に形成されている。なお、特許文献1とは異なり、軟質材料からなるシール体は用いられていない。
ここで、シール部23の幅W1がダンパ本体21の厚みT1よりも広く設定されていることから、ダンパ本体21の厚みT1と同じ又は狭い幅W1を有するシール部23に対するよりも、溝部26をシール部23に形成することが容易である。
また、シール部23の幅W1が溝部26の深さ方向に一様であることから、深くなるに従い狭くなるものに比べ、溝部26を形成するための領域を確保しやすく、シール部23の幅方向についての複数箇所に溝部26を形成しやすい。
図1に示すように、シャットダンパ20は、両軸22を支点として、開位置と閉位置との間で傾動可能である。シャットダンパ20は、開位置では、両第2壁部14間の中央部で、同第2壁部14に対し平行な状態又は平行に近い状態となる(図1の二点鎖線参照)。シャットダンパ20は、閉位置では、両第2壁部14に対し直交するか、又は直交に近い状態で傾斜する。また、閉位置では、シール部23の外周面24が第2壁部14の内壁面14aに対し離間した状態で接近する(図1の実線参照)。このとき、図3に示すように、シール部23の外周面24と第2壁部14の内壁面14aとの間に隙間部25が生ずるが、本実施形態では、この隙間部25が、ノミナル値で0.4mmに設定されている。ノミナル値は、リテーナ10及びシャットダンパ20の大きさの誤差を考慮した場合の中間値である。
さらに、シール部23には、外周面24において開口する溝部26が同シール部23の周方向に沿って形成されている。溝部26は、シール部23の幅方向(図3の左右方向)について、互いに離間した複数箇所に形成されている。各溝部26は、矩形状の断面を有しており、その深さ方向に一様の幅W2を有している(図4参照)。
なお、空調用レジスタには、開位置と閉位置との間でシャットダンパ20を傾動させるための機構(図示略)が設けられている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について、通風路11の閉鎖時及び開放時に分けて説明する。
<シャットダンパ20による通風路11の閉鎖時>
図1において実線で示すように、シャットダンパ20が軸22を支点として閉位置まで傾動させられると、ダンパ本体21が上下両第2壁部14対し直交するか、又は直交に近い状態で傾斜する。
このとき、図2及び図3に示すように、シール部23の外周面24が第2壁部14の内壁面14aに接近する。外周面24と内壁面14aとの間には、僅かな隙間部25が生ずる。通風路11のシャットダンパ20よりも上流側の空調用空気A1は、この隙間部25を通って、通風路11のシャットダンパ20よりも下流側へ流れようとする。
ここで、一般に、空調用空気A1が隙間部25を通過する際の圧力損失は、シール部23の外周面24の表面積が大きくなるほど大きくなる。空調用空気A1がシール部23の外周面24に対しより広い面で接触し、同外周面24との間で生ずる摩擦抵抗が大きくなるからである。
この点、本実施形態では、シール部23の幅W1がダンパ本体21の厚みT1よりも広く設定されている(図4参照)ことから、同じ又は狭く設定された場合よりも外周面24の表面積が増大している。
また、シール部23に、その外周面24において開口する溝部26が形成されることで、同シール部23の外周面24の表面積は、同外周面24が平坦状に形成されたものや、山形状に突出形成されたもの(特許文献2)よりも増大する。
さらに、各溝部26の幅W2が、同溝部26の深さ方向に一様である(図4参照)ことから、溝部26が深くなるに従い幅W2が狭くなるものに比べ、溝部26の壁面、ひいては外周面24の表面積が増大する。
加えて、溝部26がシール部23の幅方向についての複数箇所に形成されていることから、溝部26を1箇所にのみ形成した場合よりも、シール部23の外周面24の表面積を増大させることが容易である。
従って、上記のように表面積が増大することで、隙間部25での圧力損失が大きくなり、空調用空気A1が隙間部25を通過しにくくなる。
さらに、隙間部25のうち、溝部26に繋がっている箇所では、繋がっていない箇所よりも流路断面積が増大する。そのため、隙間部25を流れる空調用空気A1は、溝部26よりも上流側の箇所では、内壁面14aに沿って上流側から下流側へ真っ直ぐ流れる。しかし、空調用空気A1は、隙間部25のうち溝部26に繋がっている箇所では、その溝部26側へ引き寄せられて同溝部26内で渦27を発生する。この空調用空気A1に対しては、隙間部25において溝部26よりも下流側へ戻そうとする力が作用する。この力により、空調用空気A1は溝部26から引き出される。
空調用空気A1は、溝部26内に入り込む際や、溝部26から出る際に流れ方向を変える。この流れ方向の変更のために、空調用空気A1のエネルギーが消費される。また、空調用空気A1のエネルギーは、溝部26内での渦27の発生のためにも消費される。その結果、これらの消費により、空調用空気A1のエネルギーが小さくなり、空調用空気A1はさらに隙間部25を通過しにくくなる。
特に、溝部26がシール部23の幅方向についての複数箇所に形成されることで溝部26の数が増えている本実施形態では、空調用空気A1が隙間部25を通過する際に流れ方向を変える回数や、渦27を発生する回数が増える。これに伴い、空調用空気A1のエネルギーがより多く消費され、空調用空気A1が隙間部25をより一層通過しにくくなる。
<シャットダンパ20による通風路11の開放時>
図1において二点鎖線で示すように、シャットダンパ20が軸22を支点として開位置まで傾動されると、同シャットダンパ20が上下両第2壁部14間の中間部において、同第2壁部14に対し平行な状態となる。通風路11が大きく開放され、空調用空気A1が通風路11のシャットダンパ20よりも下流側へ流れることが可能となる。
この状態では、図4に示すように、溝部26の一部(シャットダンパ20の最上流部に位置する部分)が上流に向けて開口する。そのため、空調用空気A1が溝部26内に入り込み、圧力損失や騒音を悪化させる懸念がある。しかし、シール部23の幅方向についての複数箇所に形成された各溝部26の幅W2は狭い。そのため、空調用空気A1は各溝部26内に入り込みにくく、圧力損失や騒音を悪化させにくい。空調用空気A1は、図4において矢印で示すように分岐し、シール部23の外壁面23aに沿って流れる。実際に、本実施形態のシャットダンパ20を開位置まで傾動させた状態で通風路11に空調用空気A1を流し、圧力損失及び騒音を測定したところ、ダンパ本体の周縁に、軟質材料からなるシール体を装着したもの(特許文献1)と同程度であることが確認された。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)閉位置では、シール部23の外周面24を、第2壁部14の内壁面14aに接近した箇所に位置させる。このシール部23に、外周面24において開口する溝部26を形成している(図3)。
そのため、第2壁部14の内壁面14aとの間で隙間部25を画成するシール部23の外周面24の表面積を増大させて、同隙間部25での圧力損失を大きくすることができる。その結果、空調用空気A1が隙間部25を通じてシャットダンパ20よりも下流側へ漏れるのを抑制することができる。
また、空調用空気A1が隙間部25を通過する過程で、溝部26内に入り込ませたり、溝部26内で渦を発生させたり、溝部26から引き出したりすることで、空調用空気A1のエネルギーを消費させ、空調用空気A1が隙間部25を通じて漏れるのを一層抑制することができる。
その結果、外周面を山形状に形成した特許文献2よりも通風路11の密閉性を高めることができる。
(2)軟質材料からなるシール体に代えて、硬質材料からなるシール部23をダンパ本体21の周縁に一体に形成し、このシール部23に溝部26を形成することで、シャットダンパを1部品で構成している(図3)。
そのため、シャットダンパ20、ひいては空調用レジスタの部品点数を減らすことができる。その結果、部品費及び組付け工数が増えて製造コストが上昇するといった、2部品構成が有する問題を解消することができる。
(3)シール部23の幅W1をダンパ本体21の厚みT1よりも大きく設定している(図4)。
そのため、幅W1を厚みT1と同じか又は狭く設定した場合よりも外周面24の表面積を増大させることができる。また、溝部26をシール部23に形成しやすくすることができる。この点は、溝部26をシール部23の幅方向の複数箇所に形成する本実施形態では、特に有効である。
(4)溝部26の幅W2を、同溝部26の深さ方向に一様にしている(図4)。
そのため、溝部26が深くなるに従い幅W2が狭くなるものに比べ、溝部26の壁面の表面積を増大させることができる。このことは、シール部23の外周面24の表面積を増大させるうえで有効である。
(5)溝部26を、シール部23の幅方向についての複数箇所に形成している(図3)。
そのため、シール部23の外周面24の表面積を、溝部26を1箇所にのみ形成した場合よりも容易に増大させることができる。
また、溝部26の数を複数にすることで、空調用空気A1のエネルギーをより多く消費し、空調用空気A1にとって、隙間部25をより一層通過しにくいものにすることができる。
(6)シール部23の幅W1を、溝部26の深さ方向に一様にしている(図4)。
そのため、シール部23の幅W1が、溝部26が深くなるに従い狭くなるものに比べ、溝部26をシール部23の幅方向についての複数箇所に容易に形成することができる。
(7)リテーナ10及びシャットダンパ20をともに硬質の樹脂材料で形成しているため、シャットダンパ20を閉位置へ傾動させたときに、仮に、シール部23がリテーナ10に接触すると、打音を発生するおそれがある。
しかし、本実施形態では、シール部23をリテーナ10に接触させずに通風路11を密閉している。そのため、シャットダンパ20を閉位置へ傾動させたときの打音の発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<シール部23の断面形状について>
シール部23の断面形状が上記実施形態とは異なるものに変更されてもよい。図5及び図6はその一例を示している。
・図5(a),(b)では、シール部23の幅W1は、溝部26が深くなるに従い狭くなっている。また、溝部26が断面三角形状に形成されており、溝部26の幅W2は、その溝部26が深くなるに従い狭くなっている。溝部26の壁面とシール部23の外壁面23aとによって挟まれた箇所の厚みは、溝部26の深さに拘らず一定となっている。こうした構成により、シール部23において溝部26の周辺部分の剛性が確保されている。
この場合にも、シール部23に溝部26が形成されることで、同シール部23の外周面24の表面積は、同外周面24が平坦状に形成されたものや、同外周面24が山形状に突出形成されたもの(特許文献2)よりも増大する。従って、上記のように表面積が増大することで、隙間部25での圧力損失が大きくなって、空調用空気A1が隙間部25を通過しにくくなる。
さらに、隙間部25のうち、溝部26に繋がっている箇所では、繋がっていない箇所よりも流路断面積が増大する。そのため、隙間部25を流れる空調用空気A1は、溝部26に繋がっている箇所では、その溝部26側へ引き寄せられて溝部26内で渦27を発生する。この空調用空気A1に対しては、隙間部25において溝部26よりも下流側へ戻そうとする力が作用する。この力により、空調用空気A1は溝部26から引き出される。
このように、空調用空気A1は、溝部26内に入り込む際や、溝部26から出る際に流れ方向を変える。この流れ方向の変更のために、空調用空気A1のエネルギーが消費される。また、空調用空気A1のエネルギーは、溝部26内での渦27の発生のためにも消費される。その結果、これらの消費により、空調用空気A1のエネルギーが小さくなり、空調用空気A1は、表面積が単に増大させられた場合(特許文献2)よりも隙間部25を通過しにくくなる。
また、図5(b)に示すように、シャットダンパ20が開位置まで傾動されて、上下両第2壁部14に対し平行な状態となった場合、溝部26のうちシャットダンパ20の最上流部に位置する部分が上流に向けて開口する。そのため、空調用空気A1が溝部26内に入り込み、圧力損失や騒音を悪化させる懸念がある。しかし、溝部26の幅W2が同溝部26の深さ方向に一様である場合に比べ、この変形例での溝部26は小さい。そのため、空調用空気A1は溝部26内に入り込みにくく、圧力損失や騒音を悪化させにくい。このときには、空調用空気A1は、同図5(b)において矢印で示すように、シール部23の外壁面23aに沿って流れ、ダンパ本体21に導かれる。
・溝部26の断面形状は、上述した矩形及び三角形とは異なる形状、例えば、半円形、台形等に変更されてもよい。
・図6に示すように、シール部23の外周面24が山形状に形成されてもよい。この場合、外周面24は、シール部23の幅方向についての中央部ほどダンパ本体21から多く突出するように屈曲する2つの傾斜面24a,24bによって構成される。両傾斜面24a,24bの一方(24b)は、シャットダンパ20が閉位置まで傾動させられた状態では、第2壁部14の内壁面14aに接近した箇所で同内壁面14aに平行になる。シール部23には、この傾斜面24bにおいて開口する溝部26が形成されてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・閉位置では、シール部23の外周面24の少なくとも一部が第2壁部14の内壁面14aに対し平行となることが望ましいが、同外周面24は内壁面14aに対し、僅かであれば傾斜してもよい。
<シール部23における溝部26の数について>
・シール部23における溝部26の数が、上記実施形態とは異なる数に変更されてもよい。図7は、シール部23に、溝部26が1つのみ形成された例を示している。この場合には、同図7に示すように、溝部26の幅が、上記実施形態の各溝部26の幅よりも広くされてもよいし、同程度又は狭くされてもよい。
また、図示しないが、上記実施形態において溝部26がシール部23の幅方向に3つ以上設けられてもよい。
・なお、図示しないが、図5(a),(b)に示すような三角形の断面を有する溝部26が、シール部23の幅方向についての複数箇所に形成されてもよい。
・溝部26が、シール部23の幅方向についての複数箇所に形成される場合には、それらの溝部26は、共通の断面形状を有するものであってもよいし、互いに異なる断面形状を有するものであってもよい。
<シール部23の幅W1について>
・シール部23は、ダンパ本体21の厚みT1と同程度、又は小さな幅W1を有するものに変更されてもよい。
・溝部26が、シール部23の幅方向についての複数箇所に形成される場合には、シール部23の幅W1は、溝部26の深さ方向に一様であることが望ましい。溝部26の深さに拘らず、シール部23が幅方向に一様である方が、溝部26を形成するための領域を確保しやすいからである。
<閉位置でのシャットダンパ20の姿勢について>
・図8に示すように、閉位置では、シャットダンパ20のダンパ本体21が両第2壁部14に対し傾斜してもよい。ただし、この場合、シール部23は、その外周面24が第2壁部14の内壁面14aに対し平行となるように形成されることが望ましい。
<フィンについて>
・上流側フィン15及び下流側フィン17の少なくとも一方が省略されてもよい。また、上流側フィン15及び下流側フィン17に対し、他のフィンが加えられてもよい。
<適用箇所について>
・上記空調用レジスタは、車室内においてインストルメントパネルとは異なる箇所、例えばダッシュボードに組込まれるものにも適用可能である。
・上記空調用レジスタは、空調装置から送られてきて吹出口から室内に吹き出す空調用空気の向きを変更することに加え、通風路を開放及び閉鎖するシャットダンパを有するものであれば、車両に限らず広く適用可能である。
<その他>
・シャットダンパ20を開位置から閉位置へ傾動させる場合、閉位置に達する直前にシール部23と第2壁部14の内壁面14aとの間で大きな渦ができて、風切り音(笛吹音)を発生させるおそれがある。これに対しては、シール部23の外周面24に、小さな複数の凹凸を周方向に沿って形成することが有効である。このようにすると、空調用空気A1の大きな渦が凹凸部分を通過することで小さな渦に分けられ、風切り音(笛吹音)が抑制される。
10…リテーナ、11…通風路、13a,14a…内壁面、20…シャットダンパ、21…ダンパ本体、22…軸、23…シール部、24…外周面、26…溝部、A1…空調用空気、T1…厚み、W1,W2…幅。

Claims (5)

  1. 空調用空気の通風路を有する筒状のリテーナと、
    板状のダンパ本体、及び同ダンパ本体の周縁に一体に設けられたシール部を備えて前記リテーナ内に配置され、軸を支点として、前記通風路を開放する開位置、及び前記通風路を閉鎖する閉位置の間で傾動するシャットダンパとを備える空調用レジスタであって、
    前記閉位置では、前記シール部の外周面は、前記リテーナの内壁面に接近する箇所に位置し、
    前記シール部前記外周面には、前記周縁に沿う方向に延びるとともに空調用空気の流れ方向と交差する溝部が形成されている空調用レジスタ。
  2. 前記シール部は、前記ダンパ本体の厚みよりも広い幅を有している請求項1に記載の空調用レジスタ。
  3. 前記溝部の幅は、同溝部の深さ方向に一様である請求項1又は2に記載の空調用レジスタ。
  4. 前記溝部は、前記シール部の幅方向についての複数箇所に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調用レジスタ。
  5. 前記シール部の幅は、前記溝部の深さ方向に一様である請求項4に記載の空調用レジスタ。
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