JP2019111601A - 工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削工具を移動させながらワークを切削する場合であっても刃先位置の変動を抑制して、ワークを高精度に切削加工する。【解決手段】ベース1と、ワークWを切削加工するための直線切刃H1を有する切削工具T1を直接取り付け可能又は保持可能なプレート状刃物台と21、プレート状刃物台21を、Z方向、X方向、及びY方向にそれぞれ移動させる移動機構20と、を備え、切削工具T1は、直線切刃H1がX方向から見てZ方向に対して傾いた状態でプレート状刃物台21に直接取り付けられ、又は保持されており、プレート状刃物台21がY方向、又はY方向とZ方向とを含んだ合成方向に移動することにより、X方向から見てZ方向に沿うワークWの表面上の母線Dに対して直線切刃H1の刃先がずれかつ母線D上の切削点がずれながらワークWの切削加工を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械に関する。
工作機械の1つである旋盤は、加工対象であるワークを主軸に保持し、ワークを回転させながらバイト等の切削工具により切削加工を行う。この旋盤において、直線切刃を有する切削工具を用いて、主軸(ワーク)の軸線と交差する方向に切削工具を移動させながらワークを切削する加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の工作機械は、加工対象のワークに合わせて切削工具を選定するため、複数の切削工具を保持可能なタレット式刃物台を用いている。そのため、タレット式刃物台の一部には、主軸の軸線と交差する方向に切削工具を送るスライダが取り付けられ、このスライダに切削工具が保持されている。
特開2016−203286号公報
ワークの加工時には、切削工具に対して、ワークの軸線に沿った送り方向における送り分力と、ワークの切り込み量を規定する方向における背分力とが作用する。特許文献1に記載の工作機械では、切削工具がタレット式刃物台に保持されているので、送り分力と背分力とがタレット式刃物台の回転軸部分にかかることになる。従って、タレット式刃物台の回転軸部分の剛性が低いと、切削工具を移動させながらワークを切削する場合に、刃先の移動に伴って刃先位置の変動が生じてしまい、高精度な切削加工を行うことができないといった問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、切削工具を移動させながらワークを切削する場合であっても刃先位置の変動を抑制して、ワークを高精度に切削加工することが可能な工作機械を提供することを目的とする。
本発明に係る工作機械は、ワークを保持してZ方向の軸線中心に回転する主軸を備える機械本体部と、主軸に保持されたワークを切削加工するための直線切刃を有する切削工具を直接取り付け可能又は保持可能なプレート状刃物台と、機械本体部に設けられ、プレート状刃物台を、Z方向、Z方向に直交しかつワークに対する切削量を規定するX方向、及びZ方向及びX方向の双方に直交するY方向にそれぞれ移動させる移動機構と、を備え、切削工具は、直線切刃がX方向から見て前記Z方向に対して傾いた状態でプレート状刃物台に直接取り付けられ、又は保持されており、プレート状刃物台がY方向、又はY方向とZ方向とを含んだ合成方向に移動することにより、X方向から見てZ方向に沿うワーク表面上の母線に対して直線切刃の刃先がずれかつ母線上の切削点がずれながらワークの切削加工を行う。
また、移動機構は、Z方向に沿って機械本体部に設けられたZ軸ガイドと、Z軸ガイドに沿ってZ方向に移動可能なZ軸スライダと、Z軸スライダに設けられ、Z方向に直交しかつワークに対する切削量を規定するX方向に沿うX軸ガイドと、X軸ガイドに沿ってX方向に移動可能なX軸スライダと、X軸スライダに設けられ、Z方向及びX方向の双方に直交するY方向に沿うY軸ガイドと、Y軸ガイドに沿ってY方向に移動可能なY軸スライダと、を備え、プレート状刃物台は、Y軸スライダに設けられ、Z方向、X方向、及びY方向にそれぞれ移動可能であってもよい。
また、X軸ガイドは、第1スパンの間隔で平行するように2本設けられ、Y軸ガイドは、第2スパンの間隔で平行するように2本設けられ、2本のY軸ガイドは、第1スパン内に配置され、切削工具は、第2スパン内に配置されるようにプレート状刃物台に保持されてもよい。また、2本のY軸ガイドは、第1スパンの中間位置に対して対称又はほぼ対称に配置されてもよい。また、切削工具は、第2スパンの中間位置又はほぼ中間位置に配置されてもよい。また、第1スパンの中間位置と、第2スパンの中間位置とは一致又はほぼ一致してもよい。
また、プレート状刃物台は、被取付面がY軸スライダの取付面に接触した状態でY軸スライダに取り付けられてもよい。また、プレート状刃物台は、複数の切削工具を直接取り付け可能又は保持可能であり、複数の切削工具は、いずれか1つの切削工具をワークの切削加工に用いる際に、他の切削工具がワークと干渉しないようにプレート状刃物台に配置されてもよい。また、複数の切削工具は、Y方向に沿った一列に、又はY方向に対してずれて配置されてもよい。また、複数の切削工具のうち少なくとも1つは、ワークの母線に沿って送られることによりワークの切削加工を行うシングルポイント加工用の切削工具であってもよい。
本発明の工作機械によれば、プレート状刃物台が移動機構によりZ方向、X方向、及びY方向に移動可能であり、かつ切削工具がプレート状刃物台に保持されているので、切削工具をY方向又は合成方向に移動させながらワークを切削する場合に、切削工具に作用する送り分力と背分力とをプレート状刃物台が受け止め、刃先位置の変動を抑制することができる。これにより、ワークを高精度に切削加工することができる。また、移動機構が、Z軸ガイドと、Z軸スライダと、X軸ガイドと、X軸スライダと、Y軸ガイドと、Y軸スライダとを備え、プレート状刃物台がY軸スライダに設けられる構成では、各方向のガイドとスライダとによってプレート状刃物台をZ方向、X方向、及びY方向に正確かつ安定して移動させることができる。
また、X軸ガイドが、第1スパンの間隔で平行するように2本設けられ、Y軸ガイドが、第2スパンの間隔で平行するように2本設けられ、2本のY軸ガイドが、第1スパン内に配置され、切削工具が、第2スパン内に配置されるようにプレート状刃物台に保持される構成では、切削工具に作用する送り分力及び背分力が、2本のX軸ガイド及びY軸ガイドのそれぞれにバランスよく分散されるので、刃先位置の変動を効率よく抑制することができる。また、2本のY軸ガイドが、第1スパンの中間位置に対して対称又はほぼ対称に配置される構成では、切削工具に作用する送り分力及び背分力を、2本のX軸ガイド及びY軸ガイドに適切に分散されることができる。また、切削工具が、第2スパンの中間位置又はほぼ中間位置に配置される構成では、切削工具に作用する背分力を、2本のY軸ガイドに対して均等又はほぼ均等に分散させることができ、送り分力が作用する方向が逆になっても刃先位置の変動を抑制できる。また、第1スパンの中間位置と、第2スパンの中間位置とが一致又はほぼ一致する構成では、2本のX軸ガイドと2本のY軸ガイドとがバランスよく配置されるので、切削工具に作用する送り分力及び背分力を、2本のX軸ガイド及びY軸ガイドでバランスよく受け止めることができる。
また、プレート状刃物台の被取付面がY軸スライダの取付面に接触した状態でY軸スライダに取り付けられる構成では、プレート状刃物台とY軸スライダとが面同士で接触しているため、プレート状刃物台の取付剛性を向上させ、刃先位置の変動を抑制できる。また、プレート状刃物台が、複数の切削工具を直接取り付け可能又は保持可能であり、複数の切削工具のいずれか1つをワークの切削加工に用いる際に、他の切削工具がワークと干渉しないようにホルダプレートに配置される構成では、プレート状刃物台に複数の切削工具を装着したままワークの切削加工を行うことができ、切削加工に用いる切削工具を容易に切り替えることができる。また、複数の切削工具が、Y方向に沿った一列に、又はY方向に対してずれて配置される構成では、プレート状刃物台をY方向に移動させるだけで、容易に切削工具を切り替えることができる。また、複数の切削工具のうち少なくとも1つが、ワークの母線に沿って送られることによりワークの切削加工を行うシングルポイント加工用の切削工具である構成では、Y軸スライダをY方向又は合成方向に送って切削加工を行うための切削工具と、Y軸スライダをY方向又は合成方向に送らずに、ワークの母線に沿って切削工具を送って切削加工を行うためのシングルポイント加工用の切削工具とを、Y軸スライダの移動により容易に切り替えることができる。
第1実施形態に係る工作機械の一例を示す正面図である。 工作機械をZ方向から見た側面図である。 (A)は、工作機械の一部をY方向から見た図であり、(B)及び(C)は、切削工具を+X側から見た場合の一例を示す図である。 プレート状刃物台の一例を示す斜視図である。 第1加工動作を開始する状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はZ方向から見た側面図、(C)はY方向から見た側面図である。 第1加工動作が完了した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はZ方向から見た側面図、(C)はY方向から見た側面図である。 X方向から見たときの切削工具T1の動きの一例を示す平面図であり、(A)は切削加工前の図、(B)は切削加工中の図、(C)は切削加工後の図である。 第2加工動作を開始する状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はZ方向から見た側面図、(C)はY方向から見た側面図である。 プレート状刃物台の他の例を示す図である。 プレート状刃物台の他の例を示す図である。 第2実施形態に係る工作機械の一部をZ方向から見た側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をYZ平面とする。このYZ平面において主軸7(対向軸8)の軸線AX方向をZ方向と表記し、Z方向に直交する方向をY方向と表記する。また、YZ平面に垂直な方向はX方向と表記する。X軸は、Z方向に直交し、かつ、ワークに対する切削量を規定する方向である。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る工作機械100について、図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る工作機械100の一例を示す正面図である。図2は、図1に示す工作機械100をZ方向から見た側面図である。図1及び図2に示す工作機械100は、旋盤である。図1及び図2において、工作機械100の+Y側が正面であり、−Y側が背面である。また、Z方向は工作機械100の左右方向である。
図1及び図2に示すように、工作機械100は、機械本体部であるベース1を有している。ベース1には、主軸台2と心押し台4とが設けられる。主軸台2は、不図示の軸受け等により主軸7を回転可能な状態で支持している。なお、主軸台2は、ベース1に固定されるが、Z方向、X方向、Y方向等に移動可能に形成され、モータ等の駆動によって移動する構成でもよい。主軸7の+Z側の端部には、チャック駆動部9が設けられている。チャック駆動部9は、複数の把握爪9aを主軸7の径方向に移動させてワークWを保持させる。図1では、主軸7の軸線AX周りに等間隔に配置された3つの把握爪9aを用いてワークWを把持しているが、これに限定されず、把握爪9aの個数や形状は、ワークWを保持可能な任意の構成のものが用いられる。なお、把握爪9aによって保持されるワークWは、表面Waを有する形状(例えば円柱形など)に形成されている。
主軸7の−Z側の端部は主軸台2から−Z方向に突出しており、この端部にプーリ11が取り付けられる。プーリ11と、ベース1に設けられたモータ12の軸線との間にはベルト13が掛け渡されている。これにより、主軸7は、モータ12の駆動によりベルト13を介して回転する。モータ12は、不図示の制御部からの指示により回転数等が制御される。モータ12としては、例えば、トルク制御機構を備えたモータが用いられる。また、主軸7は、モータ12及びベルト13によって駆動されることに限定されず、モータ12の駆動を歯車列等で主軸7に伝達する構成や、モータ12によって直接主軸7を回転させる構成でもよい。
心押し台4は、ベース1上に設置されたZ軸ガイド3に沿って移動可能に形成される。心押し台4は、不図示の軸受け等により対向軸8を回転可能な状態で支持している。主軸7の軸線AX方向と、対向軸8の軸線方向とはZ方向に一致した状態となっている。心押し台4の−Z側の端部には、センタ10が取り付けられている。なお、対向軸8は、心押し台4に固定され、デッドセンタとして使用されてもよい。
ワークWが長尺である場合(Z方向に長い場合)は、ワークWの+Z側の端部を心押し台4のセンタ10で保持する。これにより、長尺のワークWは主軸7と対向軸8とに挟まれた状態で回転するため、切削加工時に安定してワークWを回転させることができる。ワークWが短尺の場合(Z方向に短い場合)、ワークWは、主軸7の把握爪9aのみにより保持されて回転する。この場合には、心押し台4を用いなくてもよい。
ベース1には、Z方向に配置された2本のZ軸ガイド5が設けられる。2本のZ軸ガイド5は、上下方向(Z方向)に並んで配置され、それぞれZ方向に延びて設けられる。なお、Z軸ガイド5は、図示のように上下に2本設けられることに限定されず、1本又は3本以上設けられてもよい。Z軸ガイド5には、Z軸ガイド5に沿ってZ方向に移動可能なZ軸スライダ17が設けられる。Z軸スライダ17は、Z方向駆動系M1の駆動によりZ方向に移動し、所定位置で保持される。なお、Z方向駆動系M1は、例えば、電気モータや油圧等の駆動装置が用いられる。
Z軸スライダ17の+Y側の面には、2本のX軸ガイド18が形成される。2本のX軸ガイド18は、第1スパンS1(図3参照)の間隔で平行するように、それぞれがX方向に延びて設けられる。X軸ガイド18には、2本のX軸ガイド18に沿って移動可能なX軸スライダ15が設けられる。X軸スライダ15は、X方向駆動系M2の駆動によりX方向に移動し、所定位置で保持される。なお、X方向駆動系M2は、例えば、電気モータや油圧等の駆動装置が用いられる。
X軸スライダ15の+X側の面には、2本のY軸ガイド16が形成される。2本のY軸ガイド16は、第2スパンS2(図3参照)の間隔で平行するように、それぞれがY方向に延びて設けられる。なお、第1スパンS1の中間位置Saと、第2スパンS2の中間位置Sbとは一致又はほぼ一致しているが、これに限定されず、第1スパンS1の中間位置Saと、第2スパンS2の中間位置Sbとが一致しなくてもよい。第2スパンS2は、第1スパンS1よりも間隔が小さい。なお、第2スパンS2は、第1スパンS1に対して間隔が大きくてもよいし、等しくてもよい。第1スパンS1と第2スパンS2とが等しいときは、第1スパンS1と第2スパンS2とが同一位置に配置されてもよい。また、2本のY軸ガイド16は、第1スパンS1内に配置される。さらに、2本のY軸ガイド16は、第1スパンS1の中間位置Saに対して対称又はほぼ対称に配置される。
Y軸ガイド16には、2本のY軸ガイド16に沿って移動可能なY軸スライダ19が設けられる。Y軸スライダ19は、Y方向駆動系M3の駆動によりY方向に移動し、所定位置で保持される。Y方向駆動系M3は、例えば、電気モータや油圧等の駆動装置が用いられる。なお、上記のZ方向駆動系M1、X方向駆動系M2及びY方向駆動系M3は、制御部CONTによって制御される。従って、制御部CONTで制御されることにより、Z方向駆動系M1、X方向駆動系M2及びY方向駆動系M3の2つ又は3つを同時に駆動させることができる。上記したZ軸ガイド5、Z軸スライダ17、X軸ガイド18、X軸スライダ15、Y軸ガイド16、Y軸スライダ19は、後述するプレート状刃物台21を、Z方向、Z方向に直交しかつワークWに対する切削量を規定するX方向、及びZ方向及びX方向の双方に直交するY方向にそれぞれ移動させる移動機構20を構成する。
Y軸スライダ19の+X側の面である取付面19aには、プレート状刃物台21が設けられる。プレート状刃物台21は、例えば金属などの素材で板状に形成されている。プレート状刃物台21は、下面側(−X側の面)を被取付面21aとし、この被取付面21aがY軸スライダ19の取付面19aに接触した状態で、ボルト等の締結部材によりY軸スライダ19に取り外し可能な状態で取り付けられる。このように、被取付面21aと取付面19aとが面接触した状態でプレート状刃物台21がY軸スライダ19に取り付けられるので、プレート状刃物台21の剛性を向上させることができる。プレート状刃物台21は、切削工具T1、T2を保持可能である。プレート状刃物台21の詳細については後述する。
図3(A)は、工作機械100の一部をY方向から見た図である。図3(A)に示すように、X軸ガイド18は、第1スパンS1の間隔で平行するように2本設けられている。2本のX軸ガイド18は、X方向の長さが同一又はほぼ同一であるが、長さが異なってもよい。Y軸ガイド16は、第2スパンS2の間隔で平行するように2本設けられている。2本のY軸ガイド16は、Y方向の長さが同一又はほぼ同一であるが、長さが異なってもよい。2本のY軸ガイド16は、双方とも2本のX軸ガイド18の第1スパンS1内に配置されている。
また、プレート状刃物台21は、切削工具T1を第2スパンS2内に配置するように保持している。切削工具T1には、図3(A)に示すように、軸線AX周りに回転するワークWを切削工具T1で切削加工した場合に、切削工具T1の送り方向(+Z方向又は−Z方向)と反対の方向(−Z方向又は+Z方向)の送り分力F1が作用する。同時に、切削工具T1には、ワークWに対して切込み量を規定する向き(+X方向)と逆向きの下向き(−X方向)に背分力F2が作用する。また、切削工具T1には、紙面と垂直の方向に主分力F3が作用する。なお、主分力F3については図示を省略している。
なお、プレート状刃物台21は、被取付面21aがY軸スライダ19の取付面19aに接触した状態でY軸スライダ19に取り付けられている。従って、背分力F2は、Y軸スライダ19の取付面19a全体に分散してY軸スライダ19に伝達される。背分力F2は、図3(A)に示すように、Y軸スライダ19から2本のY軸ガイド16に分散される。さらに、切削工具T1が2本のY軸ガイド16における第2スパンS2の範囲内に配置されているので、背分力F2は、2本のY軸ガイド16に等しく又は適切に分散され、2本のY軸ガイド16でバランスよく背分力F2を受け止める。なお、切削工具T1は、第2スパンS2の範囲内に配置されていればよく、例えば中間位置Sbに配置されてもよい。
さらに、2本のY軸ガイド16は、2本のX軸ガイド18の第1スパンS1内において中間位置Saに対して対称又はほぼ対称に配置されて中間位置Saと中間位置Sbとが一致又はほぼ一致している。このため、2本のY軸ガイド16に分散された背分力F2は、2本のX軸ガイド18に等しく又はほぼ等しく分散され、2本のX軸ガイド18でバランスよく背分力F2を受け止める。
従って、背分力F2は、2本のY軸ガイド16から2本のX軸ガイド18に分散されてZ軸スライダ17に伝達される。Z軸スライダ17に伝達された背分力F2は、2本のZ軸ガイド5を介してベース1に伝達される。このように、切削工具T1は、被取付面21aが取付面19aに接触した状態でY軸スライダ19に取り付けられて、剛性が高められたプレート状刃物台21に保持されており、さらに、背分力F2が2本のY軸ガイド16及び2本のX軸ガイド18にバランスよく分散されるので、切削工具T1をY方向又はY方向とZ方向とを含む合成方向に移動させながらワークWを切削加工する場合であっても、切削工具T1の刃先位置の変動を抑制することができる。
また、切削工具T1の送り方向が異なると、切削工具T1に作用する送り分力F1の向きが異なる。図3(B)及び(C)は、切削工具T1を+X側から見た場合の一例を示す図である。図3(B)に示すように、切削工具T1を+Y方向に移動させつつ−Z方向に移動させてワークWの切削加工を行う場合(図3(B)の黒矢印参照)、送り方向である−Z方向と反対の向きの+Z方向に送り分力F1aが作用する。また、図3(C)に示すように、切削工具T1を+Y方向に移動させつつ+Z方向に移動させてワークWの切削加工を行う場合(図3(C)の黒矢印参照)、送り方向である+Z方向と反対の向きの−Z方向に送り分力F1bが作用する。
本実施形態では、上記のように、剛性が高められたプレート状刃物台21に切削工具T1が保持されており、さらに、2本のY軸ガイド16の第2スパンS2の中間位置Sbと、2本のX軸ガイド18の第1スパンS1の中間位置Saとが一致又はほぼ一致しているため、切削工具T1の送り方向が−Z方向又は+Z方向にいずれであっても剛性を等しくすることができる。これにより、切削工具T1を−Z方向に送る場合と+Z方向に送る場合とで、切削工具T1の刃先の変動量を等しく又はほぼ等しくすることができ、切削工具T1の刃先位置の管理を容易に行うことができる。また、図示しない主分力F3(紙面の垂直方向に作用する力)による切削工具T1の変位は、2本のY軸ガイド16及びY軸スライダ19の剛性、及びY軸スライダ19の取付面19aに対して面接触して取り付けられているプレート状刃物台21の剛性によって低減されている。
プレート状刃物台21は、複数の切削工具T1、T2を直接取り付け可能、又は後述するホルダ24等を介して保持可能であり、複数の切削工具T1、T2のいずれか一方の切削工具をワークWの切削加工に用いる際に、他の切削工具がワークWと干渉しないようにプレート状刃物台21に配置される。このため、複数の切削工具T1、T2の双方をプレート状刃物台21に装着したまま、いずれかの切削工具によりワークWの切削加工を行うことが可能であり、ワークWが変わって(あるいは1つのワークWのうち加工対象面が変わって)切削工具を変更するときでも、プレート状刃物台21をY方向に移動させるだけで、ワークWの切削加工に用いる切削工具を容易に切り替えることができる。
図4は、プレート状刃物台21の一例を示す斜視図である。図4に示すように、プレート状刃物台21は、上面(−X側の面)に、ワークWを切削するための複数の切削工具T1、T2等を保持可能である。プレート状刃物台21は、切削工具T1を保持するホルダ24と、切削工具T2を保持するホルダ25とを介して、切削工具T1、T2を保持している。ホルダ24、25は、それぞれ1つの切削工具T1、T2を保持しているが、これに限定されず、1つのホルダで2つ以上の切削工具を保持させてもよい。ホルダ24、25は、ボルト等の締結部材によって、取り外し可能な状態でプレート状刃物台21に取り付けられる。切削工具T1、T2は、2本のY軸ガイド16の第2スパンS2内に配置されるようにプレート状刃物台21に保持される。
図4に示すホルダ24、25は、プレート状刃物台21の−Z側の端辺に沿って、Y方向に並んで配置される。ホルダ24が−Y側に配置され、ホルダ25が+Y側に配置される。このように、プレート状刃物台21の−Z側の端辺に沿ってホルダ24、25が取り付けられる場合、ホルダ24、25に保持される切削工具T1、T2もプレート状刃物台21の−Z側に偏った状態となる。この場合、切削工具T1、T2のいずれか一方又は双方が、2本のY軸ガイド16の第2スパンS2の中間位置Sbに配置されるようにプレート状刃物台21がY軸スライダ19に取り付けられてもよい。
切削工具T1は、例えば、第2スパンS2の中間位置に配置され、直線切刃H1を有する。ホルダ24は、直線切刃H1の方向がX方向から見てZ方向に対して傾いた状態となるように切削工具T1を保持する。直線切刃H1のZ方向(母線D)に対する角度θ(図7(A)参照)は任意に設定可能である。また、ホルダ24で切削工具T1を保持する構成は、任意の構成が適用される。
切削工具T1は、ワークWの接線方向(軸線AXと交差する方向)に移動しながらワークWの切削加工を行う切削工具である。切削工具T1は、Y方向、又はY方向とZ方向とを含んだ合成方向に移動することにより、X方向から見てZ方向に沿うワークWの表面Wa上の母線D(図7参照)に対して直線切刃H1の刃先がY方向ずれつつ、かつ母線D上の切削点C(図7参照)がZ方向にずれながらワークWの切削加工を行うための切削工具である。
切削工具T2は、矩形状のチップの角部分に例えば曲線状の切刃H2を有する。ホルダ25は、切刃H2が−X方向かつ−Z方向に突出するように切削工具T2を保持する。切削工具T2は、例えば、Y方向には移動させずに、ワークWの母線Dに沿ってZ方向に送られることによりワークWの切削加工を行うためのシングルポイント加工用の切削工具である。
次に、以上のように構成された工作機械100の動作について説明する。まず、切削工具T1をワークWの接線方向(軸線AXと交差する方向)に移動しながらワークWの切削加工を行う第1加工動作について説明する。図5は、第1加工動作を開始する状態を示す図であり、(A)はX方向から見た平面図、(B)はZ方向から見た側面図、(C)はY方向から見た側面図である。図6は、第1加工動作を完了した状態を示す図であり、(A)はX方向から見た平面図、(B)はZ方向から見た側面図、(C)はY方向から見た側面図である。図7は、X方向からワークWを見たときの切削工具T1の動きの一例を示す平面図であり、(A)は切削加工前の図、(B)は切削加工中の図、(C)は切削加工後の図である。
以下、図5から図7を適宜参照しながら第1加工動作について説明する。なお、以下の説明に際して、適宜図1から図4の内容を参照する。先ず、加工対象であるワークWを主軸7に保持させる。ワークWを把持した後、モータ12を駆動して主軸7を回転させることにより、ワークWを軸線AX周りに回転させる。なお、主軸7と対向軸8とでワークWを把持する場合には、主軸7と対向軸8とを同期させて回転させる。また、ワークWの回転数は、加工処理に応じて適宜設定される。
続いて、切削工具T1のX方向の位置が調整される。この調整では、直線切刃H1がワークWの表面Waに対応するように、X方向駆動系M2によってプレート状刃物台21をX方向に移動させる。直線切刃H1のX方向の位置は、ワークWの表面Waに対する切削量を規定する。切削量は、制御部CONTによって予め設定された値に設定されてもよく、また、作業者のマニュアル操作によって設定されてもよい。
続いて、ワークWの回転が安定した段階で、切削工具T1のY方向及びZ方向の位置合わせを行う。切削工具T1のY方向及びZ方向の位置合わせ、並びに後述する合成方向Pへの移動は、Z軸スライダ17のZ方向への移動、及びY軸スライダ19(プレート状刃物台21)のY方向への移動によって行われる。切削工具T1は、図7(A)に示すワークWの切削範囲Lに応じて位置合わせされる。図5(A)から(C)及び図7(A)に示すように、切削工具T1の直線切刃H1の+Y側の端部H1aが、ワークWの母線Dの−Y側近傍であって切削範囲Lの+Z側に配置される。このとき、切削工具T2及びホルダ25は、ワークWに対して+Y側に位置するため、第1加工動作においてワークWと干渉することはない。
続いて、図5(A)及び図7(A)に示すように、直線切刃H1を、+Y方向と−Z方向とを合成した合成方向Pに移動させる。合成方向Pは、例えば、直線切刃H1の刃先に沿った長さと、ワークWの切削範囲Lとに応じて設定される。すなわち、切削工具T1が母線Dの−Y側から+Y側に抜けた際に(1回のパスで)切削範囲Lを直線切刃H1で切削加工するような合成方向Pに設定されている。ただし、合成方向Pに代えてY方向のみに切削工具T1を移動させてもよいし、合成方向Pとして1回のパスで切削範囲Lの一部を切削加工するような方向に設定されてもよい。
続いて、切削工具T1の直線切刃H1を、合成方向Pに移動させることによりワークWの表面Waに対して切削加工を行う。切削工具T1の直線切刃H1は、ワークWの表面Wa上のZ方向の母線Dに対して−Y側から+Y側に移動し、直線切刃H1の+Y側の端部H1aが先にワークWに当接し、この端部H1aにおいて表面Waの切削を行う。なお、図5において、端部H1aの表記は省略している。続いて、切削工具T1は、合成方向Pに移動しながらワークWの切削加工を行う。なお、合成方向Pは、ワークWの表面Waに対する接平面に沿った方向である。また、切削工具T1は、直線切刃H1の刃先に沿った方向が、母線Dと平行を保ちながら合成方向Pに移動する。
直線切刃H1は、図7(B)に示すように、表面Waに沿って合成方向Pに移動することにより、ワークWへの切削部分が端部H1aから端部H1bに向けて徐々にずれていく。さらに、直線切刃H1が合成方向Pに向けて移動する間に、ワークWの表面Waにおいて母線D上の切削点Cは、母線Dに沿って−Z方向に進んでいく。
その後、図6(A)から(C)及び図7(C)に示すように、直線切刃H1の端部H1bが母線Dから+Y側に離れた段階で、切削工具T1による表面Waの切削加工が終了する。なお、図6において、端部H1bの表記は省略している。上記した第1切削動作では、切削工具T1の直線切刃H1において端部H1aから端部H1bまでの全体を用いて表面Waの切削加工を行っているが、これに限定されず、直線切刃H1の一部を用いて表面Waの切削範囲Lを切削加工してもよい。
次に、切削工具T2を用いて、ワークWに対してシングルポイント加工を行う第2加工動作について説明する。シングルポイント加工は、矩形状のチップの角部分に曲線状の切刃H2を持つ切削工具T2を用いて、ワークWに対してY方向に移動させず、切刃H2を母線Dに沿ってZ方向に移動させつつワークWの表面Waを切削する加工である。
図8は、第2加工動作を開始する状態を示す図であり、(A)はX方向から見た平面図、(B)はZ方向から見た側面図、(C)はY方向から見た側面図である。第2加工動作では、先ず、ワークWの切削範囲Lの+Z側において、切削工具T2における切刃H2のX方向の位置が調整される。この調整では、切刃H2がワークWの表面Waに対して、X方向駆動系M2によってプレート状刃物台21をX方向に移動させる。切刃H2のX方向の位置は、ワークWの表面Waに対する切削量を規定する。
続いて、切削工具T2の位置合わせを行う。切削工具T2は、ワークWの切削範囲Lの+Z側において、Y方向の位置が調整される。切削工具T2は、切刃H2が母線Dの延長上となるようにY方向に位置合わせされるが、これに限定されない。例えば、切刃H2が母線DからずれたY方向の位置に設定されてもよい。なお、切削工具T1及びホルダ24は、ワークWに対して−Y側に位置するため、第2加工動作においてワークWと干渉することはない。
また、切削工具T2のY方向及びZ方向の移動は、切削工具T1と同様に、Z軸スライダ17のZ方向への移動、及びY軸スライダ19(プレート状刃物台21)のY方向への移動によって行われる。続いて、切削工具T2の切刃H2を、ワークWの表面Waの母線Dに沿った方向であるZ方向に移動させる。切削工具T2の切刃H2は、Z方向に移動して、図8(A)〜(C)に示すように、ワークWに当接する。
続いて、切削工具T2を、−Z方向に移動させることにより、切削工具T2の切刃H2でワークWの表面Waに対して切削加工を行う。切刃H2の移動方向は、母線Dに沿った方向である。切刃H2は、ワークWに接触して、この接触部分の表面Waの切削を行う。続いて、切刃H2を−Z方向に移動させることにより、切刃H2は、母線Dに沿って移動しながら、表面Waを切削しながら−Z方向に進んでいく。その後、切刃H2がワークWの切削範囲Lを+Z側に超えることにより、切削工具T2による表面Waの切削加工(シングルポイント加工)が終了する。
このように、本実施形態に係る工作機械100によれば、切削工具T1、T2を、剛性が高められたプレート状刃物台21に保持し、さらに、2本のY軸ガイド16及び2本のX軸ガイド18によって切削工具T1、T2に作用する送り分力と背分力とをバランスよく分散させるので、切削工具T1、T2の刃先位置の変動を抑制することができ、切削工具T1を移動させながらワークWを切削する場合であっても、直線切刃H1の刃先位置の変動を抑制して、ワークWを高精度に切削加工することができる。また、同様に、切削工具T2によるシングルポイント加工においても、ワークWを高精度に切削加工することができる。
上記した実施形態では、切削工具T1を保持するホルダ24がプレート状刃物台21に1つ配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図9及び図10は、それぞれプレート状刃物台の他の例を示す図である。図9及び図10に示すプレート状刃物台121、221は、いずれも上面(+X側の面)に複数の切削工具T1を保持した構成であり、他の構成については上記した実施形態と同様である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
プレート状刃物台121は、複数のホルダ24として、ホルダ24a、24b、24cを有する。ホルダ24a、24b、24cは、それぞれ直線切刃H1を有する切削工具T1を保持する。ホルダ24a、24c、24cは、直線切刃H1の位置が互いにY方向にずれた状態で、Z方向に並んで配置される。これにより、いずれか1つの切削工具T1を用いてワークWの切削加工を行う際に、他の切削工具T1がワークWに干渉することを防止できる。
なお、複数の切削工具T1は、個別のホルダ24a等にそれぞれ保持されることに限定されない。例えば、1つのホルダ24a等に2つ以上の切削工具T1が保持されてもよい。また、複数の切削工具T1は、直線切刃H1の向きがZ方向に対して同一の角度θ(図7(A)参照)に設定されてもよいし、互いに異なる角度θに設定されてもよい。この場合、例えば、複数の切削工具T1のうち、いずれか1つが粗加工に用いられ、他の1つが仕上げ加工に用いられてもよい。また、プレート状刃物台121は、ホルダ25により切削工具T2を保持している点は、上記した実施形態と同様である。
プレート状刃物台121のX方向、Y方向、Z方向への移動は、上記したプレート状刃物台21と同様である。なお、複数の切削工具T1において、直線切刃H1の高さ(X方向の位置)が同一又は、予め設置した差となるようにホルダ24a等に保持されている。これにより、複数の切削工具T1において直線切刃H1の高さの管理が容易となり、1つの切削工具T1から他の切削工具T1に切り替えるときにX方向の位置合わせを不要又は簡略化することができる。
図9のプレート状刃物台121では、複数のホルダ24をZ方向に並んで配置した構成を例に挙げて説明したが、これに対し、図10のプレート状刃物台221は、複数のホルダ224がY方向から傾いた方向に並んで配置されている。プレート状刃物台221は、上面(+X側の面)に複数のホルダ224としてホルダ224a、224b、224c、224dを保持している。各ホルダ224a等は、ボルト等の締結部材によりプレート状刃物台221対して取り外し可能に取り付けられる。
ホルダ224a、224b、224c、224dは、それぞれ直線切刃H1を有する切削工具T1を保持する。ホルダ224a、224b、224c、224dは、直線切刃H1の位置が互いにZ方向にずれた状態で、Y方向から傾いた方向に並んで配置される。すなわち、224a、224b、224c、224dは、Y方向に対してずれて配置されている。
プレート状刃物台221は、凹状の載置部221aと、段部221bと、クサビ配置部221cとを有する。載置部221aは、平面状であり、YZ平面に平行に配置される。載置部221aは、各ホルダ224が載置される。段部221bは、載置部221aの+Z側に配置され、Y方向から傾いた方向に沿って形成される。段部221bは、ホルダ224の+Z側の面が当接してホルダ224を位置決めする。段部221bは、ホルダ224の+Z側の面に対応するように階段状に形成される。クサビ配置部221cは、載置部221aの−Z側に載置部221aに沿って設けられる。クサビ配置部221cは、後述するクサビ部材226を配置するためのスペースである。クサビ配置部221cは、斜面221dを有している。
プレート状刃物台221は、クサビ部材226を備える。クサビ部材226は、段部221bから離れて、クサビ配置部221cに配置される。クサビ部材226は、ホルダ224の−Z側の面と、プレート状刃物台221の斜面221dとの間に配置される。クサビ部材226は、ボルト等によりプレート状刃物台221に取り付けられる。ホルダ224は、クサビ部材226と段部221bとの間に挟まれることにより、プレート状刃物台221に装着される。また、プレート状刃物台221は、ホルダ25により切削工具T2を保持している点は、上記した実施形態と同様である。
プレート状刃物台221のX方向、Y方向、Z方向への移動は、上記したプレート状刃物台21、121と同様である。なお、複数の切削工具T1において、直線切刃H1の高さ(X方向の位置)が同一、又は予め設置した差となるようにホルダ224a等に保持される点は、上記したプレート状刃物台121と同様である。また、ホルダ224a等に保持される切削工具T1は、それぞれZ方向に対する直線切刃H1の角度θ(図7(A)参照)が異なっているが、同一であってもよい。複数の切削工具T1が異なる角度θに設定される場合、例えば、複数の切削工具T1のうち、いずれか1つが粗加工に用いられ、他の1つが仕上げ加工に用いられてもよい。
図9に示すプレート状刃物台121及び図10に示すプレート状刃物台221のいずれ一方が用いられた場合でも、上記したプレート状刃物台21と同様に剛性が高められ、2本のY軸ガイド16及び2本のX軸ガイド18によって切削工具T1、T2に作用する送り分力と背分力とをバランスよく分散させるので、切削工具T1、T2の刃先位置の変動を抑制することができ、切削工具T1を移動させながらワークWを切削する場合であっても、直線切刃H1の刃先位置の変動を抑制して、ワークWを高精度に切削加工することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る工作機械200について、図面を用いて説明する。第1実施形態では、2本のZ軸ガイド5がXZ平面において、X方向に間隔を空けて平行に並んで配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図11は、第2実施形態に係る工作機械200の一部を示す側面図である。図11は、工作機械200の一部について示しており、図示していない部分については第1実施形態の工作機械100の構成が適用される。また、以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図11に示すように、工作機械200は、2本のZ軸ガイド5Aがベース1におけるXY平面(水平面)において、Y方向に間隔を空けて平行に並んで配置されている。また、Z軸スライダ17Aは、2本のZ軸ガイド5Aに沿ってZ方向に移動可能である。Z軸スライダ17Aは、上面(+X側の面)の−Y側から起立する壁部17Wを備えている。壁部17Wには、2本X軸ガイド18Aが設けられる。2本X軸ガイド18Aは、それぞれ壁部17Wの+Y側の面にX方向に沿って設けられ、Z方向に間隔を空けて平行に配置される。X軸スライダ15は、X軸ガイド18Aに沿ってX方向に移動可能である。上記したZ軸ガイド5A、Z軸スライダ17A、X軸ガイド18A、X軸スライダ15、Y軸ガイド16、Y軸スライダ19は、プレート状刃物台21を、Z方向、X方向、及びY方向にそれぞれ移動させる移動機構20Aを構成する。
このように、工作機械200によれば、Z軸ガイド5AがXY平面(水平面)に設けられるので、第1実施形態の工作機械100が有する効果に加えて、2本のX軸ガイド18によって分散された背分力を効率よくベース1で受け止めることができ、Z方向の剛性の影響を受けにくくして直線切刃H1の刃先位置の変動を抑制することにより、ワークWを高精度に切削加工することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記した実施形態において、図9のプレート状刃物台121では、複数の切削工具T1をZ方向に千鳥状に配置し、図10のプレート状刃物台221では、複数の切削工具T1を直線切刃H1の位置が互いにY方向にずれた状態でZ方向に並んで配置しているが、これに限定されない。例えば、複数の切削工具T1がY方向に沿った一列に並んだ状態でプレート状刃物台に保持されてもよい。
また、プレート状刃物台21、121、221に保持する切削工具T1の数は任意であり、2つ、3つ又は5つ以上の切削工具T1が1つのプレート状刃物台21等に保持されてもよい。同様に、プレート状刃物台21、121、221に保持する切削工具T2の数は任意であり、2つ以上の切削工具T2が1つのプレート状刃物台21等に保持されてもよい。また、プレート状刃物台21等には、切削工具T2が保持されなくてもよい。
AX・・・軸線
C・・・切削点
CONT・・・制御部
D・・・母線
F1・・・送り分力
F2・・・背分力
H1・・・直線切刃
H2・・・切刃
S1・・・第1スパン
S2・・・第2スパン
Sa、Sb・・・中間位置
T1、T2・・・切削工具
W・・・ワーク
Wa・・・表面
1・・・ベース(機械本体部)
5、5A・・・Z軸ガイド
7・・・主軸
15・・・X軸スライダ
16・・・Y軸ガイド
17、17A・・・Z軸スライダ
18、18A・・・X軸ガイド
19・・・Y軸スライダ
19a・・・取付面
20、20A・・・移動機構
21、121、221・・・プレート状刃物台
21a・・・被取付面
24、24a、24b、24c、25、224、224a、224b、224c、224d・・・ホルダ
100、200・・・工作機械

Claims (10)

  1. ワークを保持してZ方向の軸線中心に回転する主軸を備える機械本体部と、
    前記主軸に保持されたワークを切削加工するための直線切刃を有する切削工具を直接取り付け可能又は保持可能なプレート状刃物台と、
    前記機械本体部に設けられ、前記プレート状刃物台を、前記Z方向、前記Z方向に直交しかつ前記ワークに対する切削量を規定するX方向、及び前記Z方向及び前記X方向の双方に直交するY方向にそれぞれ移動させる移動機構と、を備え、
    前記切削工具は、前記直線切刃が前記X方向から見て前記Z方向に対して傾いた状態で前記プレート状刃物台に直接取り付けられ、又は保持されており、
    前記プレート状刃物台が前記Y方向、又は前記Y方向と前記Z方向とを含んだ合成方向に移動することにより、前記X方向から見て前記Z方向に沿うワークの表面上の母線に対して前記直線切刃の刃先がずれかつ前記母線上の切削点がずれながらワークの切削加工を行う、工作機械。
  2. 前記移動機構は、
    前記Z方向に沿って前記機械本体部に設けられたZ軸ガイドと、
    前記Z軸ガイドに沿って前記Z方向に移動可能なZ軸スライダと、
    前記Z軸スライダに設けられ、前記Z方向に直交しかつ前記ワークに対する切削量を規定するX方向に沿うX軸ガイドと、
    前記X軸ガイドに沿って前記X方向に移動可能なX軸スライダと、
    前記X軸スライダに設けられ、前記Z方向及び前記X方向の双方に直交するY方向に沿うY軸ガイドと、
    前記Y軸ガイドに沿って前記Y方向に移動可能なY軸スライダと、を備え、
    前記プレート状刃物台は、前記Y軸スライダに設けられて、前記Z方向、前記X方向、及び前記Y方向にそれぞれ移動可能である、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記X軸ガイドは、第1スパンの間隔で平行するように2本設けられ、
    前記Y軸ガイドは、第2スパンの間隔で平行するように2本設けられ、
    2本の前記Y軸ガイドは、前記第1スパン内に配置され、
    前記切削工具は、前記第2スパン内に配置されるように前記プレート状刃物台に保持される、請求項2に記載の工作機械。
  4. 2本の前記Y軸ガイドは、前記第1スパンの中間位置に対して対称又はほぼ対称に配置される、請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記切削工具は、前記第2スパンの中間位置又はほぼ中間位置に配置される、請求項3又は請求項4に記載の工作機械。
  6. 前記第1スパンの中間位置と、前記第2スパンの中間位置とは一致又はほぼ一致する、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の工作機械。
  7. 前記プレート状刃物台は、被取付面が前記Y軸スライダの取付面に接触した状態で前記Y軸スライダに取り付けられる、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の工作機械。
  8. 前記プレート状刃物台は、複数の前記切削工具を直接取り付け可能又は保持可能であり、
    複数の前記切削工具は、いずれか1つの前記切削工具をワークの切削加工に用いる際に、他の前記切削工具がワークと干渉しないように前記プレート状刃物台に配置される、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の工作機械。
  9. 複数の前記切削工具は、前記Y方向に沿った一列に、又は前記Y方向に対してずれて配置される、請求項8に記載の工作機械。
  10. 複数の前記切削工具のうち少なくとも1つは、ワークの前記母線に沿って送られることによりワークの切削加工を行うシングルポイント加工用の切削工具である、請求項8又は請求項9に記載の工作機械。
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