JP2019110284A - 半導体モジュール及び半導体モジュールの製造方法 - Google Patents

半導体モジュール及び半導体モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】封止樹脂の上に突出するピンの突出長さが所望の値に制御された半導体モジュールを提供できる。【解決手段】半導体モジュールは、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)の上に平坦な下面を接合して設けられ、上面に開口した有底の第1穴部5a1及び第2穴部5b1を上部に有するブロック状の第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bと、第1穴部5a1及び第2穴部5b1の内側壁に、外側面の少なくとも一部が接した状態で第1穴部5a1及び第2穴部5b1に挿入された筒状の第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bと、第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bの内側に接して挿入された第1ピン7a及び第2ピン7bと、第1ピン7a及び第2ピン7bを、上部を除いて封止する封止樹脂8と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体モジュール及び半導体モジュールの製造方法に関する。
半導体装置、特に電力用半導体装置(パワー半導体装置)では、内部に半導体素子が搭載され全体が樹脂封止された半導体モジュールと汎用インバータ等の外部機器とが、封止樹脂の上に突出して延びる外部接続端子を介して接続されている。外部接続端子としてピン状の部材が用いられる場合、ピンは、例えば1本の長い銅線から、設定された一定の規格長さを有するように連続的に大量に切り出される。切断加工時には、冶具の位置ずれ等に起因して、例えば100μm〜200μm程度の僅かな相違が複数本のピンの長さの間で生じる場合がある。
ピンの長さの相違がたとえ僅かであっても、パワー半導体装置のように精密かつ大電流が流れる場合、ピンとピンに接合されるバスバー等の接続導体との間で接合不良が生じ、半導体装置の品質が劣化する懸念がある。そのため半導体モジュールから延びるピンの長さを、設計仕様値に則って正確に揃えることが重要である。
ピン状の外部接続端子が設けられた半導体装置として例えば特許文献1には、基板と、基板上に設けられ孔部を有するヒートスプレッダと、下部が孔部に挿し込まれヒートスプレッダと係止されたピン状の外部端子とを備える半導体モジュールが開示されている。また特許文献2には、金属製の回路基板の配線パターン上に筒状導通体を設け、筒状導通体の内側にピン状の外部端子が挿入される構造が開示されている。
またピン状の外部接続端子が挿し込まれる筒(スリーブ)状の部材として、例えば特許文献3には、絶縁基板の回路パターンの上に配置された複数の金属製ソケット電極端子と、金属製ソケット電極端子にそれぞれ上部から嵌合する両端が開口した複数のスリーブ部とが一体化された、一体型樹脂製スリーブの構造が開示されている。また特許文献4には、回路パターン部上に取り付けられた端子部材と、回路パターン部、半導体チップ及び端子部材を内部に封入したモールド樹脂と、を備えた半導体装置が開示されている。ナット等で構成される端子部材は筒状であって、上端面がモールド樹脂の外面に露出していると共に、上端面に開口したねじ孔を有する。また特許文献5には、回路パターンに一端が接合された円筒ソケットと、回路パターン、複数の円筒ソケット及び半導体素子を封止する封止体と、封止体に内側から挿し込まれた外部電極接続用端子とを備えた半導体装置が開示されている。外部電極接続用端子の胴体部の下部には、下側に突出する挿入部が複数個設けられ、挿入部が円筒ソケットの内側に挿入される。
また特許文献6には、樹脂筐体の上部に、底面が他の部分より低くなるように設けられた複数の樹脂筐体凹部と、樹脂筐体凹部の内側に、端子の棒状電極が上側に延びるように配置された半導体モジュールが開示されている。特許文献6の場合、まず絶縁回路基板の回路パターンの上に有底の円筒状の柱状電極がはんだ付け等により接合され、その後、絶縁回路基板をインサート構造物として用いる一体成形によって樹脂筐体の内部に樹脂が封止される。そして樹脂封止後に、外部に開口する柱状電極の筒の開口部から棒状電極が挿し込んで固定される。そして樹脂筐体凹部と端子との相対位置を測定して比較するだけで、インサート構造物、冶具、はんだレジスト等の寸法精度に起因する柱状電極の位置ズレを容易に検査できるとされている。
また特許文献7には、有底で底面に突起部が設けられた電極としての円筒状部材と、円筒状部材の内側にピンが挿入されることでピンの上部が円筒状部材の外側に位置する半導体モジュールが開示されている。上面側に位置するピンの上部は、半導体モジュールの端子として取り出される部分になる。また円筒状部材と下側の回路基板とがはんだ付けによって接合されることにより、円筒状部材の突起部が内側に介在するようにはんだ層が形成される。特許文献7の場合、基板上又は素子上に端子を固定するため、はんだ層の厚みが制御されている。
しかし特許文献1〜7のいずれの場合においても、封止樹脂の上に突出するピンの長さにズレが生じることや、長さを調節してズレを解消する技術は検討されていない。この点、特許文献6では筒状の柱状電極の位置ズレの検査が可能とされているが、この検査は平面パターンで見た場合の位置を確認することであり、突出するピンの長さや位置ズレを修正する具体的な手段ではない。
また特許文献6及び7のように絶縁回路基板が樹脂又はゲル等で封止された後、ピンが外側から絶縁回路基板に挿し込まれるアウトサート成形が採用される場合、ピンの挿入時点では、封止工程が既に完了しているため、封止された内部の部材の配置は殆ど修正できない。そのためアウトサート成形では、ピンの長さ及び位置の精度が低下した製品が比較的多く製造されてしまう懸念もある。
特開2007−027467号公報 特開2010−129797号公報 特開2013−030792号公報 特開2013−062407号公報 特開2014−049582号公報 特開2010−182879号公報 特開2010−283017号公報
本発明は上記した問題に着目して為されたものであって、封止樹脂の上に突出するピンの突出長さが所望の値に制御された半導体モジュール及びこの半導体モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る半導体モジュールのある態様は、絶縁回路基板と、平坦な下面を有し、絶縁回路基板の上に下面を接合して設けられ、上面に開口した有底の穴部を上部に有するブロック状の下部ベース部材と、穴部の内側壁に、外側面の少なくとも一部が接した状態で穴部に挿入された筒状の上部スライド支持部材と、上部スライド支持部材の筒の内側に接して挿入されたピンと、ピンの上部スライド支持部材とは反対側の上部を除いて、内部にピンを封止すると共に、絶縁回路基板、下部ベース部材及び上部スライド支持部材を封止する封止樹脂と、を備えることを要旨とする。
また発明に係る半導体モジュールの製造方法のある態様は、絶縁回路基板の上に、平坦な下面を有し、上面に開口した有底の穴部を上部に有するブロック状の下部ベース部材を、下面を介して接合する第1の工程と、筒状の上部スライド支持部材を穴部の内側壁に外側面が接した状態で穴部に挿し込む第2の工程と、上部スライド支持部材の筒の内側にピンを、ピンの下端と穴部の底との間に隙間を形成した状態で摺動自在に嵌合する第3の工程と、ピンの下端が隙間の内側で穴部の底に向かって移動するように、ピンの上部スライド支持部材とは反対側の上端を上部スライド支持部材側に押し込むことによりピンを上部スライド支持部材の内側で摺動させて予め設定された挿入深さに調節する第4の工程と、ピンの上部スライド支持部材とは反対側の上部を除いてピンを封止すると共に、絶縁回路基板、下部ベース部材及び上部スライド支持部材を封止樹脂で封止する第5の工程と、を含むことを要旨とする。
本発明によれば、封止樹脂の上に突出するピンの突出長さが所望の値に制御された半導体モジュールを提供できる。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体モジュールの構成の概略を模式的に説明する断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法の概略を模式的に説明する断面図である(その1)。 図3は、本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法の概略を模式的に説明する断面図である(その2)。 図4は、本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法の概略を模式的に説明する断面図である(その3)。 図5は、本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法の概略を模式的に説明する断面図である(その4)。 図6は、本発明の実施形態の第1変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の構成の概略を模式的に説明する断面図である。 図7は、本発明の実施形態の第2変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1穴部及び第1上部スライド支持部材の構成の概略を模式的に説明する断面図である。 図8(a)は、本発明の実施形態の第3変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の構成の概略を模式的に説明する正面図であり、図8(b)は、図8(a)中のA−A線方向から見た断面図である。 図9は、本発明の実施形態の第4変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の構成の概略を模式的に説明する斜視図(鳥瞰図)である。 図10は、本発明の実施形態の第5変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の構成の概略を、上部については正面から見た状態とし、下部を部分的に切り欠いて模式的に説明する断面図である。 図11は、本発明の実施形態の第6変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の構成の概略を模式的に説明する斜視図(鳥瞰図)である。 図12は、本発明の実施形態の第7変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の構成の概略を模式的に説明する斜視図(鳥瞰図)である。 図13は、本発明の実施形態の第8変形例に係る半導体モジュールの構成の概略を模式的に説明する断面図である。 図14(a1)、図14(b1)、図14(c1)、図14(d1)、図14(e1)は、本発明の実施形態の第9変形例に係る半導体モジュールで用いられる第1上部スライド支持部材の下部の構成のバリエーションの概略を模式的に説明する正面図であり、図14(a2)、図14(b2)、図14(c2)、図14(d2)、図14(e2)は、図14(a1)、図14(b1)、図14(c1)、図14(d1)、図14(e1)の各第1上部スライド支持部材の下部を下方向から見た図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。
―半導体モジュールの構造―
本発明の実施形態に係る半導体モジュールは、全体が例えば直方体状であって、図1に示すように、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)が封止樹脂8の内側に密封されている。絶縁回路基板(1,2,3a,3b)は、セラミック基板等で作製された絶縁板1と、絶縁板1の上面側に設けられた第1表面導電層3a及び第2表面導電層3bと、絶縁板1の下面側に設けられた裏面導電層2とを有する。第1表面導電層3a、第2表面導電層3b及び裏面導電層2は、例えば銅板等で作製できる。
第1表面導電層3a及び第2表面導電層3bの上には回路パターンが形成され、回路パターン上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)やダイオード等のパワー半導体チップが搭載される。説明の便宜のため、図1中ではパワー半導体チップの図示を省略する。
裏面導電層2の下面は封止樹脂8の下側で外部に露出しており、半導体モジュールの下面をなしている。第1表面導電層3aの上面上には、はんだ等の接合層4aが設けられ、この接合層4aの上にブロック状の第1下部ベース部材5aが平坦な下面を接合して設けられている。同様に、第2表面導電層3bの上面上には、接合層4bが設けられ、この接合層4bの上にブロック状の第2下部ベース部材5bが、平坦な下面を接合して設けられている。
第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bはいずれも銅等で作製でき、図1中の左右方向の一定の幅w、及び上下方向の一定の厚みtをそれぞれ有する。平坦な下面を有する第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの形状としては、製造上の便宜を考慮して、例えば円柱状、四角柱状等の簡易な形状が採用できる。また六角柱状或いは他の多角柱状等の形状も採用できる。
第1下部ベース部材5aは上部の図1中の左右方向のほぼ中央に、上面に開口した有底の第1穴部5a1を有し、第2下部ベース部材5bは上部の左右方向のほぼ中央に、上面に開口した有底の第2穴部5b1をそれぞれ有する。第1穴部5a1及び第2穴部5b1の底面は円形状であって、第1穴部5a1及び第2穴部5b1の内部空間は円柱状に構成されている。尚、第1穴部5a1及び第2穴部5b1の位置は、下部ベース部材の上部の中央に限定されず、任意の位置に適宜変更可能である。
第1穴部5a1の内側には円筒状の第1上部スライド支持部材6aが、第1穴部5a1の内側壁に外側面が接した状態で挿入されている。同様に第2穴部5b1の内側には円筒状の第2上部スライド支持部材6bが、第2穴部5b1の内側壁に外側面が接した状態で挿入されている。第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bは、いずれもほぼ同じ径(外径)R1を有する。
第1下部ベース部材5aの厚みtは、300μm以上、1mm以下であることが、経験則から好ましい。厚みtが300μm未満であると、第1下部ベース部材5aによる第1上部スライド支持部材6aの安定支持が困難になる。また厚みが上限値1mmを超えると、第1下部ベース部材5aが厚くなり過ぎて製造コストが嵩む。また第1下部ベース部材5aの、第1上部スライド支持部材6aの径R1に沿って測った幅wは、第1上部スライド支持部材6aの安定支持の観点から、第1上部スライド支持部材6aの径R1の3倍以上であることが好ましい。第2下部ベース部材5bの厚みt及び幅wについても、第1上部スライド支持部材6aの場合と同様に設定される。
図1中の左側の第1上部スライド支持部材6aは、第1穴部5a1の上面から上端が一定の高さ上側に突出した状態で第1穴部5a1の内側に嵌合され、第1穴部5a1の底面と第1上部スライド支持部材6aの下端との間には隙間9aが形成されている。図1中の右側の第2上部スライド支持部材6bは、第2穴部5b1の上面から上端が一定の高さ上側に突出した状態で、第2穴部5b1の内側に嵌合され、第2穴部5b1の底面と第2上部スライド支持部材6bの下端との間には隙間9bが形成されている。
第1上部スライド支持部材6aの筒の内側には、外部接続端子である円柱状の第1ピン7aが、外側面が第1上部スライド支持部材6aの筒の内側面に接した状態で挿入されている。第1ピン7aの下端は、第1穴部5a1の隙間9aの上で、第1上部スライド支持部材6aの下端より上に位置している。同様に第2上部スライド支持部材6bの筒の内側には、外部接続端子である円柱状の第2ピン7bが、外側面が筒の内側面に接した状態で挿入されている。第2ピン7bの下端は、第2穴部5b1の隙間9bの上で、第2上部スライド支持部材6bの下端より上に位置している。
第1ピン7a及び第2ピン7bはいずれもほぼ同じ径(外径)R2を有し、第1ピン7aの第1上部スライド支持部材6aとは反対側となる上部は、封止樹脂8の上面から一定の突出高さhで突出して上方に鉛直に延びている。同様に、第2ピン7bの上部も封止樹脂8の上面から、第1ピン7aと同じ突出高さhで突出して上方に鉛直に延びている。すなわち封止樹脂8の内部では、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)、第1下部ベース部材5a、及び第2下部ベース部材5bが同時に封止されていると共に、第1ピン7a及び第2ピン7bについては、それぞれの上部を除いて部分的に封止されている。図1中では、長さdを有する第1ピン7aの上端の高さは、長さdを有する第2ピン7bの上端の高さとほぼ揃えられているが、封止樹脂8の内部では、第1ピン7aの下端は第2ピン7bの下端より低い。
図1中の左側の第1下部ベース部材5a、第1上部スライド支持部材6a及び第1ピン7aの構成と、右側に対称的に位置する第2下部ベース部材5b、第2下部ベース部材5b及び第2ピン7bの構成とはピンの長さ以外は等価である。そのため、以下、第1下部ベース部材5a、第1上部スライド支持部材6a及び第1ピン7aの組み合わせを代表例としてそれぞれの構成を説明し、第2下部ベース部材5b、第2下部ベース部材5b及び第2ピン7bの組み合わせについては重複部分の説明を省略する。
第1上部スライド支持部材6aは、図1に示した半導体モジュールとしての状態では、周囲に配置された封止樹脂8により第1下部ベース部材5aと一体化されているため、相対位置は固定されており、変化しない。しかし封止樹脂8で密封される前の半導体モジュールの組み立て段階においては、第1上部スライド支持部材6aは第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1の内側に圧入して挿し込まれているだけである。はんだ等の接合材料を用いた堅固な接合は行われておらず、第1上部スライド支持部材6aは第1穴部5a1の内側で滑らかに上下方向に摺動可能である。
第1穴部5a1の内側に嵌合された第1上部スライド支持部材6aの外側面には、第1穴部5a1の内壁面から一定の圧迫力が負荷されている。この圧迫力の大きさは、第1上部スライド支持部材6aが上下方向の高さ位置を保持しつつ、一方で、上側から下側に向かって一定の大きさ以上の力が加えられた場合には下側に摺動して、第1上部スライド支持部材6aの高さが変化するように制御されている。制御は例えば、第1上部スライド支持部材6aの径R1及び第1上部スライド支持部材6aが嵌合する第1穴部5a1の径、第1上部スライド支持部材6aの外側面及びこの外側面と接触する第1穴部5a1の内壁面の粗さ等の調整を介して実行できる。そのため第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1の内側では、下部の隙間9aを用いて第1上部スライド支持部材6aが上下方向に摺動可能である。
一方、第1ピン7a及び第1上部スライド支持部材6aについても、図1に示した状態では、封止樹脂8により、互いに一体化されているため、相対位置は固定されており、変化しない。しかし封止樹脂8で密封される前においては、第1ピン7aも第1上部スライド支持部材6aの内側に圧入して挿し込まれているだけであり、はんだ等の接合材料は用いられていない。そのため第1ピン7aは第1上部スライド支持部材6aの筒の内側で滑らかに上下方向に摺動可能である。
第1上部スライド支持部材6aの内側に嵌合された第1ピン7aの外側面には、第1上部スライド支持部材6aの内側面から一定の圧迫力が負荷されている。この圧迫力の大きさは、第1ピン7aが上下方向の高さ位置を保持しつつ、一方、上側から下側に向かって一定の大きさ以上の力が加えられた場合には第1ピン7aが下側に摺動して高さが変化するように制御されている。制御は例えば、第1ピン7aの径R2及び第1ピン7aが嵌合する第1上部スライド支持部材6aの筒の内径、第1ピン7aの外側面の粗さ及びこの外側面と接触する第1上部スライド支持部材6aの内側面の粗さ等の調整を介して実行できる。そのため第1下部ベース部材5aに支持された第1上部スライド支持部材6aの内側においても、下部の隙間9aを用いて第1ピン7aが上下方向に摺動可能である。
すなわち第1穴部5a1の内側では、第1ピン7aの上部に対して下側の力を加えることによって、第1ピン7aは隙間9aに向かって下側に変位し、第1上部スライド支持部材6aとの間の相対位置を変化させることができる。このとき第1上部スライド支持部材6aも第1穴部5a1の内側で摺動して下側に変位可能である。第1ピン7a及び第1上部スライド支持部材6aの少なくとも一方が下側に変位することによって、第1ピン7aの封止樹脂8の上への突出長さhが所望の長さに調節される。同様に、第2下部ベース部材5b、第2下部ベース部材5b及び第2ピン7bの組み合わせにおいても、第2穴部5b1の内側では、第2ピン7bの上部に対して下側の力を加えることによって、第2ピン7b及び第2上部スライド支持部材6bの少なくとも一方が下側に変位し、突出長さhが所望の長さに調節される。
そのため図1に示した半導体モジュールでは、長さの相違が生じる第1ピン7a及び第2ピン7bが用いられていても、それぞれの封止樹脂8上の突出高さhは、設計仕様値に則って均等に揃うように調整されている。尚、図1中では説明のため、第1ピン7aの長さd及び第2ピン7bの長さdは、相違が強調されるようにそれぞれ誇張して描かれている。
―半導体モジュールの製造方法―
次に本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法について、図2〜図5を参照して説明する。まず図2に示すように、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)上に、予め機械加工等により第1穴部5a1及び第2穴部5b1が一定の深さでそれぞれ設けられた第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bを用意する。そして用意した第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bを第1表面導電層3a上及び第2表面導電層3b上に、はんだ等で形成した接合層4a,4bを介して接合する。
次に、第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1の内側に、筒状の第1上部スライド支持部材6aの下部を挿し込んで圧入し、第1穴部5a1の内側に嵌合して取り付ける。同様に、第2下部ベース部材5bの第2穴部5b1の内側に、第2上部スライド支持部材6bの下部を挿し込んで圧入し、第2穴部5b1の内側に嵌合して取り付ける。嵌合により第1上部スライド支持部材6aの外側面は第1穴部5a1の内側壁に、第2上部スライド支持部材6bの外側面は第2穴部5b1の内側壁にそれぞれ接する。
次に第1上部スライド支持部材6aの筒の内側に、第1ピン7aを挿し込んで圧入し、第1上部スライド支持部材6aの内側に嵌合して、摺動自在に取り付ける。同様に第2上部スライド支持部材6bの筒の内側に、第2ピン7bを挿し込んで圧入し、第2上部スライド支持部材6bの内側に嵌合して、摺動自在に取り付ける。第1ピン7aの下端と第1穴部5a1の底との間、及び第2ピン7bの下端と第2穴部5b1の底との間には、それぞれ隙間9a,9bが形成される。
第1ピン7及び第2ピン7bを、例えばピン差し込み装置等を用いて自動的に挿し込む場合、ピン差し込み装置に設定されている一定の挿入深さd0で、いずれのピンも挿し込まれることになる。ここで図2に示すように、第1ピン7aの長さdの方が第2ピン7bの長さdより100μm程度僅かに長い。そのため第1ピン7及び第2ピン7bを挿し込んだ状態で絶縁回路基板(1,2,3a,3b)を平坦な面上に配置すると、第1ピン7aの上端の方が第2ピン7bの上端より高くなる。
次に第1ピン7a及び第2ピン7bが挿し込まれた絶縁回路基板(1,2,3a,3b)を、トランスファモールド装置に搬送する。図3に示すように、本発明の実施形態に係るトランスファモールド装置は、溶融した樹脂が流し込まれる箱状の製品部(11,12)を備える。製品部(11,12)は、第1の金型をなす鍋型の下型11と、下型11の上に設けられた第2の金型をなす蓋状の上型12とを有し、下型11の上に上型12が被せられて両者が一体化されることにより内部空間が形成される。下型11の底部には有底の第1凹部11a及び第2凹部11bが設けられ、第1凹部11a及び第2凹部11bはいずれも同じ深さd1で設けられている。
製品部(11,12)の上流には、製品部(11,12)の内部空間に連通するランナーが接続して設けられ、この接続部13は図3中では製品部(11,12)の左側に例示されている。接続部13の上流には、製品部(11,12)に流し込まれる樹脂が蓄積されるポットと、ポットの内側に蓄積された樹脂を押し出して製品部(11,12)に注入する押出プランジャが駆動装置等と共に設けられている。ポット、押出プランジャ及び駆動装置等の図示は省略する。
また製品部(11,12)の下流には、製品部(11,12)の内部空間に連通し、製品部(11,12)から流し出される樹脂が溜められる樹脂溜まりが接続して設けられている。この接続部14は図3中では製品部(11,12)の右側に例示されている。接続部14の下流に位置する樹脂溜まりの図示は省略する。
次に、このトランスファモールド装置の製品部(11,12)の内側に、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)を、裏面導電層2が上型12側に位置するように、図2に示した場合と天地を逆にしてインサート部品として配置する。上型12は裏面導電層2と当接し、一方、下型11の底部では、第1凹部11a及び第2凹部11bの底部が第1ピン7a及び第2ピン7bのそれぞれの上端(図3中の下端)と当接する。
ここで下型11の第1凹部11a及び第2凹部11bは、第1ピン7a及び第2ピン7bの上端(図3中の下端)が当接する位置に、第1ピン7a及び第2ピン7bの径よりも大きな開口幅を有して設けられている。そのため第1ピン7a及び第2ピン7bの上端(図3中の下端)は、下型11の第1凹部11a及び第2凹部11bの内側に滞りなく挿し込まれる。一方、第1ピン7aの長さd及び第2ピン7bの長さd間には相違が生じているため、同じ深さd1である第1凹部11a及び第2凹部11bに、長さの異なる第1ピン7a及び第2ピン7bがそれぞれ挿し込まれると、裏面導電層2の平坦な下面(図3中の上面)は、下型11の水平な底面に対して傾斜する。このように半導体モジュールが傾斜した状態で、製品部(11,12)の上型12を下型11に近付けて蓋をする。
次に図4に示すように、上型12及び下型11を一体的に固定して内部空間を密閉する。ここで上型12の下面及び下型11の上面間の距離d2は、図1に示した半導体モジュールの固化後の封止樹脂8の高さに対応して設定されている。また下型11の第1凹部11a及び第2凹部11bの深さd1は、第1ピン7a及び第2ピン7bの、固化後の封止樹脂8の上の突出高さhに対応して設定されている。そのため、挿入深さの調節前の絶縁回路基板(1,2,3a,3b)の裏面導電層2の下面(図3中の上面)及び第1ピン7aの上端(図3中の下端)間の長さは、第1凹部11aの深さd1及び内部空間の高さである距離d2の和より長い。
そして上型12及び下型11の一体化状態が保持されることにより、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)には、裏面導電層2の下面(図3中の上面)に当接する上型12の下面を介して、下向きの力が加えられる。この下向きの力により、摺動可能な第1下部ベース部材5a及び第1上部スライド支持部材6aは、図3中の下側の第1ピン7aに向かって押し込まれる。相対的には第1ピン7aが、図3中の上側の第1上部スライド支持部材6aの内側で、隙間9aに向かって挿し込まれる。同時に第1ピン7aには、第1ピン7aの上端(図3中の下端)に当接する下型11の第1凹部11aの底面を介して、上向きの力が加えられる。この上向きの力により、摺動可能な第1ピン7aは、図3中の上側の第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1の底部の隙間9aに向かって押し込まれる。
上型12からの下向きの力及び下型11からの上向きの力が第1ピン7aに一体的に作用し、第1ピン7a及び第1上部スライド支持部材6a間の嵌合状態を維持する圧迫力を超えると、第1ピン7aが図4中の上側へ摺動を開始する。第1ピン7aの上側への移動によって、第1ピン7aの上部(図4中の下部)の、下型11の上面から下側へ突出する部分の長さが、第1凹部11aの深さd1と同じ長さに到達すると、第1ピン7aに加えられる上型12及び下型11からの力が消滅する。第1ピン7aに加えられる力の消滅により第1ピン7aの移動が停止した時点で、第1ピン7aの第1上部スライド支持部材6aの内側への挿入深さは、予め設定された挿入深さに調節されることになる。
また第1ピン7aと同時に、上型12が下型11に近づいて一体的に固定されることにより、第2ピン7bも第2下部ベース部材5bの第2穴部5b1の隙間9bに向かって第2上部スライド支持部材6bの内側で摺動する。そして第1ピン7aと同様に、図4中の第2ピン7bの上部(図4中の下部)の、下型11の上面から下側へ突出する部分の長さが、第2凹部11bの深さd1と同じ長さに到達すると、第2ピン7bに加えられる上型12及び下型11からの力が消滅する。そして第2ピン7bの第2上部スライド支持部材6bの内側への挿入深さも、予め設定された挿入深さに調節されることになる。
次に図5に示すように、第1ピン7a及び第2ピン7bの上部(図5中の下部)の、下型11の上面からの突出長さが、第1凹部11a及び第2凹部11bの深さd1と同じ長さに到達した後、製品部(11,12)の内部空間内に溶融した樹脂15を注入する。そして密閉された内部空間に所定の保圧をかけ、更に、注入された樹脂15を固化した後、製品部(11,12)を型開きして、内部に絶縁回路基板(1,2,3a,3b)が封止された樹脂封止体を製品部(11,12)から取り出す。そして取り出した樹脂封止体に所定の整形処理等を施して余分な樹脂等を除去する。以上の工程により、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5b、並びに第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bが樹封止された、図1に示したような半導体モジュールを得ることができる。
得られた半導体モジュールでは、外部接続端子である第1ピン7a及び第2ピン7bは、上部を除いて封止樹脂8の内部に封止されている。そして一体成形前、第1ピン7a及び第2ピン7b間で長さが異なっていたとしても、一体成形の後、第1ピン7a及び第2ピン7bの封止樹脂8の上の突出高さは、いずれも規定の設計仕様値に則って正確に均等に揃えられる。
本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)上に取り付けられた第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bのそれぞれの第1穴部5a1及び第2穴部5b1に、第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bが、まずそれぞれ挿し込まれる。この1段目の摺動構造の中の第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bの内側に、第1ピン7a及び第2ピン7bが更に挿し込まれて2段目の摺動構造が実現される。そのため第1ピン7a及び第2ピン7bを、第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bの下側に向かって押し込むだけで、封止樹脂8の上の第1ピン7a及び第2ピン7bの突出長さhを一定の長さに、かつ、容易に調節できる。よってピンの突出長さhが製品仕様値に沿うように制御された、高品質の半導体モジュールを実現できる。
また第1下部ベース部材5aは下面が平坦なブロックであるため下側の絶縁回路基板(1,2,3a,3b)と安定的に接合され、第1ピン7aの位置精度が高められている。一方、第1下部ベース部材5aの上側には筒状の第1上部スライド支持部材6aが第1穴部5a1を介して立てて設けられることにより、第1ピン7aを支持するための必要な高さが稼がれている。すなわち第1ピン7aの下部では、安定指示に必要な高さ分の領域が、ブロック状の第1下部ベース部材5aでのみ担保されるのではなく、第1上部スライド支持部材6aを組み合わせて担保される。そのため第1下部ベース部材5aの幅wより狭い径R1の第1上部スライド支持部材6aを用いることにより、第1下部ベース部材5aの厚みを抑え、かつ、簡易な形状が採用可能になる。第2下部ベース部材5b、第2上部スライド支持部材6b、第2穴部5b1及び第2ピン7bについても左側のそれぞれ対応する部材と同様に組み合わされているため、第1下部ベース部材5aと同様に、第2下部ベース部材5bについても厚みを抑え、かつ、簡易な形状が採用可能になる。そのため製造コストを大きく低減できる。
また筒状の第1上部スライド支持部材6aを第1穴部5a1と組み合わせて用いることにより、第1ピン7aを単に第1穴部5a1にのみ挿入して突出高さhを調節する場合より、調節範囲を広くできる。第2上部スライド支持部材6bについても同様である。
加えて、本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、経験則から、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの幅wは、第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bの径R1の3倍以上に制御されている。そのため、第1ピン7a及び第2ピン7bの位置精度の向上と絶縁回路基板(1,2,3a,3b)との接合性との両立が、より効率的に実現されている。更に第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの厚みtについても、300μm以上、1mm以下に制御されているため、第1ピン7a及び第2ピン7bの位置精度の向上と製造コストの低減との両立も効率的に実現されている。
また第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bは、作製時の切断等によって長さの相違が生じているピンに対応できるだけでなく、設計上で長さが異なる複数のピンが同じ絶縁回路基板(1,2,3a,3b)上に並べて立てられる場合にも適用可能である。すなわち各種のピンに対して下部ベース部材は共通使用できるため、部品としての汎用性が高く、コスト性に優れている。
またブロック状の第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bは平坦な下面を介して絶縁回路基板(1,2,3a,3b)と接合される。そのため、例えば円筒状の支持部材をリング状の下面を介して絶縁回路基板(1,2,3a,3b)上に直接はんだ付けする方法に比べ、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)との接合面積を大きく確保できる。よって第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの接合に用いるはんだ量の制御精度が向上し、接合層4a,4bとなるはんだ層の厚みを一定に、かつ、容易に形成できる。結果、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの傾き、及び、上側に挿し込まれる第1上部スライド支持部材6aの傾きが抑制される。そして第1上部スライド支持部材6aの内側に挿し込まれる第1ピン7aの傾きも抑制され、第1ピン7aを鉛直に立てることが可能になる。第2ピン7bについても同様である。よって封止樹脂8の上の第1ピン7a及び第2ピン7bの上端を、平面パターンにおいても正確に位置決めできる。
また本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bが円筒状であり、大量生産に適した簡易な構造であるため、コスト性に優れている。
また本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの上部に形成された第1穴部5a1及び第2穴部5b1はいずれも有底であり、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの下面まで穴が貫通しない。ここで穴部が貫通孔であって、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bと絶縁回路基板(1,2,3a,3b)とをはんだ接合する場合には、リフロー時のはんだ飛びによってはんだ部材が穴部内へ侵入し、ピンの下部に付着して干渉する懸念がある。しかし本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、第1穴部5a1及び第2穴部5b1はいずれも有底であるため、はんだ部材の侵入が確実に防止され、はんだ部材の第1ピン7a及び第2ピン7bへの干渉を回避できる。
また本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材6aは第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1に嵌合するだけであり、第1上部スライド支持部材6a及び第1下部ベース部材5a間にはんだ層は存在しない。ここで特許文献6の場合のように、回路パターンの上に円筒状の柱状電極が直接はんだ付けされると、はんだ層の厚みムラにより、柱状電極の高さが変化する場合がある。こうした高さの変化を樹脂封止時に補正することは非常に困難であるため、樹脂封止後に得られる製品の品質の劣化が避けられない。
また特許文献7の場合のように、円筒状部材の底部に設けられた突起部が内側に介在するようにはんだ層が形成されると、樹脂封止後、円筒状部材を接合した底面のはんだと周囲の封止樹脂との境界を起点として剥離が発生する場合がある。この剥離が底面から円筒状部材の外側面と封止樹脂との境界に沿って進行し、円筒状部材の上端に到達すると、半導体モジュールの特性が劣化してしまう。しかし本発明の実施形態に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材6a及び第1下部ベース部材5aの接合にはんだ層が用いられないため、はんだ層の厚みムラに起因する第1上部スライド支持部材6aの高さの変化を回避できる。第2上部スライド支持部材6bについても、第1上部スライド支持部材6aと同様に、はんだ層の厚みムラに起因する高さの変化を回避できる。
また本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法では、一体成形時に用いる金型の内面を介して、第1ピン7a及び第2ピン7bの上端が下側に押し込まれる。そのため人手による労力を生じさせることなく、第1ピン7a及び第2ピン7bの突出長さが自動的に調節されるので、製造効率を高めることができる。
また本発明の実施形態に係る半導体モジュールの製造方法では、第1ピン7a及び第2ピン7bにそれぞれ対応する第1凹部11a及び第2凹部11bを有する下型11が用いられる。このように金型の内壁にピンの押し込み部としての複数の凹部をピンに対応して予め設けておくことにより、一体成形における型合わせを1回行うだけで、絶縁回路基板(1,2,3a,3b)に設けられている複数のピンのすべての突出長さを同時に調節できる。
尚、図3〜図5中では、第1ピン7a及び第2ピン7bの突出長さが、第1凹部11a及び第2凹部11bの深さd1と同じ長さに揃えられていたが、複数の凹部の深さをそれぞれ個別に異ならせることもできる。すなわち本発明では、半導体モジュールから延びるピンの突出長さをすべて均一に揃えるだけでなく、凹部の深さを個別に調節することによって、ピンの突出長さをピン毎に任意に制御することができる。
<第1変形例>
図6に示すように、本発明の実施形態の第1変形例に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材16は、筒状の本体の外側面に設けられ、筒の軸方向に直交する方向(図6中の左右方向)に張り出すフランジ16aを有する。フランジ16aは筒状の本体の上端と下端との間のほぼ中央の高さに設けられ、図6中の左右方向のフランジ16aの幅は、第1穴部5a1の径R1の幅より広く、フランジ16aの下面は第1下部ベース部材5aの上面と接触している。フランジ16aにより、第1穴部5a1の内側における第1上部スライド支持部材16の下側への摺動は制限されるため、フランジ16aはストッパーとして機能する。第1変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第1変形例に係る半導体モジュールによれば、フランジ16aの下面によって第1下部ベース部材5aの上面との接触領域が広範囲に確保されるため、第1上部スライド支持部材16及び第1下部ベース部材5a間の一体性を更に向上できる。第1変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第2変形例>
図7に示すように、本発明の実施形態の第2変形例に係る半導体モジュールでは、第1下部ベース部材25の上部には有底の第1穴部25aが設けられ、第1穴部25aの内側壁には雌ネジ部25a1が螺旋状の溝として形成されている。雌ネジ部25a1は、例えばタップ等により、第1穴部25aとなる下穴の内側壁を加工して作製できる。
一方、第1上部スライド支持部材26は、筒状の本体の外側面に、上側から下側に向かって螺旋状に延びるように設けられた雄ネジ部26aを有する。雄ネジ部26aは第1下部ベース部材25の第1穴部25aの雌ネジ部25a1と係合し、本発明の「係合部」をなす。雌ネジ部25a1は、例えばダイス等により、第1上部スライド支持部材26の筒状の本体の外側面を加工して作製できる。第2変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第2変形例に係る半導体モジュールによれば、第1下部ベース部材25の第1穴部25aの雌ネジ部25a1と、第1上部スライド支持部材26の雄ネジ部26aとがネジ結合することで、第1下部ベース部材25及び第1上部スライド支持部材26間の一体性を更に向上できる。第2変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第3変形例>
図8(a)及び図8(b)に示すように、本発明の実施形態の第3変形例に係る半導体モジュールでは、円筒状の第1上部スライド支持部材36の下部には、複数のスリット37aを有するスリット部37が設けられている。第1上部スライド支持部材36のスリット37aは、図8(a)中で上下方向に沿って延び、図8(b)に示すように、円筒の周方向に沿ってほぼ等間隔で4本、それぞれ等幅で形成されている。そのため、4本のスリット37aによって第1上部スライド支持部材36のスリット部37は4分割され、図8(b)中には4個の分割領域36a〜36dが例示されている。
図8(a)に示すように、4個の分割領域36a〜36dは、スリット37aの上端から下端の間で、下端に、向うほど円筒の中心軸に向かうように内側に折り曲げられ、撓められている。それぞれの分割領域36a〜36dの下端は、隣り合う分割領域36a〜36dの端部同士で接触している。そのため図8(a)から分かるように、第1上部スライド支持部材36の円筒は、対向面間に形成される上端の径より下端の径が小さくなるように窄められている。そして第1上部スライド支持部材36の内側に挿し込まれた第1ピン7aは、第1上部スライド支持部材36の内径とほぼ同じ外径を有する。そのため図8(a)に示すように、第1ピン7aの下部は、第1上部スライド支持部材36の下部の内側において筒が窄められた領域の内側面に接する。
第1ピン7aが第1上部スライド支持部材36の内側の下部で、下側に摺動すると、摺動して移動した分、分割領域36a〜36dが更に内側に撓められ、撓められた分割領域36a〜36dからの復元力が第1ピン7aに加えられることになる。第3変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第3変形例に係る半導体モジュールによれば、第1上部スライド支持部材36の下部で、撓められた分割領域36a〜36dからの復元力を用いて、第1上部スライド支持部材36と第1ピン7aとの圧着性を一層向上することができる。第3変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第4変形例>
図9に示すように、本発明の実施形態の第4変形例に係る半導体モジュールでは、円筒状の第1上部スライド支持部材46の側壁には、上下の両端に亘って連続して延伸する1本のスリット46aが設けられている。例えば第1上部スライド支持部材46が樹脂等の一定の復元力を生じる材料で作製される場合、本体となる円筒部材としては、内径が、第1上部スライド支持部材46の内側に挿し込まれる第1ピンの外径より僅かに小さいものを用意できる。そして円筒の本体の側壁に切込みを入れることでスリット46aを形成することにより、第1上部スライド支持部材46の内側に挿し込まれた第1ピンに対して、密着する第1上部スライド支持部材46の内側面から復元力を与えることが可能である。
また図5に示したように、半導体モジュールの成形時に溶融した樹脂15が流し込まれる場合には、第1下部ベース部材との間で、第1上部スライド支持部材46の内部の下側の隙間の空気を、スリット46aを介して外側に移動させる。そして隙間の内側にも樹脂15を流し込むことが可能になる。第4変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第4変形例に係る半導体モジュールによれば、上下方向に延びるスリット46aによって第1上部スライド支持部材46の筒の側壁を部分的に開放し、第1上部スライド支持部材46全体に弾性力が付与される。そして第1上部スライド支持部材46の内径が第1ピンの外径より小さく調節されることで、第1上部スライド支持部材46から第1ピンに与える復元力を大きく生じさせ、第1ピンとの圧着性を向上することができる。また半導体モジュールの成形時には、スリット46aを利用することで隙間の空気抜きを促進して樹脂15を容易に注入でき、結果、封止樹脂と絶縁回路基板との一体性を高めることができる。第4変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第5変形例>
図10に示すように、本発明の実施形態の第5変形例に係る半導体モジュールでは、円筒状の第1上部スライド支持部材56の外側面に、上端及び下端間で螺旋状に延伸する溝56aが設けられている。この溝56aにより、第1上部スライド支持部材56が第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1に挿し込まれた際、第1穴部5a1の内壁面と溝56aの窪んだ表面との間に螺旋状の空隙が形成される。尚、図10中では説明のため、切り欠いて示された下部を除く上側の第1上部スライド支持部材56の領域については、正面から見た状態が組み合わせられて示されている。
螺旋状の空隙は、第1穴部5a1の底部の隙間と第1下部ベース部材5aの外部とを連通する空気の通り道として機能する。半導体モジュールの成形時には、第1上部スライド支持部材56の下側の隙間9aの空気を、螺旋状の空隙を介して外側に移動させる。そして隙間9aの内側にも溶融した樹脂15を流し込むことが可能になる。第5変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第5変形例に係る半導体モジュールによれば、螺旋状の空隙を利用することで隙間9aの空気抜きを促進して樹脂15を容易に注入でき、第4変形例の場合と同様に、封止樹脂と絶縁回路基板との一体性を高めることができる。第5変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第6変形例>
図11に示すように、本発明の実施形態の第6変形例に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材66の外形は円筒状でなく六角柱状であり、内側に第1ピン7aが挿し込まれる円柱状の内部空間が形成された筒状をなしている。第1上部スライド支持部材66は、底面の六角形の角部からそれぞれ立ち上がって6枚の外側面の境界線をなす6本の辺の部分が、第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1の内壁面に接して設けられている。第6変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第6変形例に係る半導体モジュールのように、本発明に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材66の外形は、多角柱状の筒であってよい。多角柱としては六角柱に限定されず、三角柱、四角柱、八角柱等、適宜選択できる。すなわち上部スライド支持部材が、下部ベース部材の穴部の内側壁に外側面の少なくとも一部が接した状態で挿入されればよい。また第1上部スライド支持部材66の外径に対応して、第1上部スライド支持部材66が挿し込まれる第1穴部の内部空間の形状も適宜変更できる。図11中では第1穴部5a1の内部空間は円柱状であるが、これに限定されず、六角柱状の第1上部スライド支持部材66に対応して、六角柱状の内部空間が形成されてもよいし、他の多角柱の形状が選択されてもよい。
第6変形例に係る半導体モジュールによれば、第1上部スライド支持部材66及び第1穴部の外形として多種類のバリエーションが選択可能であることにより、設計上の自由度を高めることができる。第6変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第7変形例>
図12に示すように、本発明の実施形態の第7変形例に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材76の外形は、直円筒状でなく朝顔型である。第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1に挿し込まれる第1上部スライド支持部材76の下部76aの形状は四角柱状である。一方、第1上部スライド支持部材76の下部から連なる上部76bの形状は、第1穴部5a1の開口部の位置から第1ピン7aの上端に向かうに従って第1ピン7aの径方向外側に拡がるように膨らんでいる。すなわち第1上部スライド支持部材76の内側では下端の径方向で対向する内壁間の幅よりも、上端の径方向で対向する内壁間の幅の方が広い。
朝顔型の第1上部スライド支持部材76の作製方法としては、例えばまず一枚の平坦な銅板等と、四角柱状の先端を有する打ち抜き刃とを用意する。そして銅板の打ち抜き予定領域の周囲から更に外側に一定距離離間した領域は抑えずに、打ち抜き刃で打ち抜き予定領域を勢いよく打ち抜くことで、銅板を朝顔型に変形させた第1上部スライド支持部材76を作製可能である。
ここで朝顔型の第1上部スライド支持部材76の上端側から第1ピン7aが挿し込まれる際に、平面パターンで第1ピン7aの位置が、第1上部スライド支持部材76の下部76aの円柱状の内部空間の位置とずれた場合を検討する。第1上部スライド支持部材76の上部76bが膨らんでいるため、第1ピン7aの位置がずれても、第1ピン7aの下端は第1上部スライド支持部材76の上部76bの内壁面に接する。そして第1ピン7aが下側に押し込まれる際には、上側から下側に向かって窄む形状を有する上部76bによって、第1ピン7aは第1上部スライド支持部材76の下部76aに向かうようにガイドされる。第7変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第7変形例に係る半導体モジュールによれば、朝顔型の第1上部スライド支持部材76によって第1ピン7aの挿入がガイドされるため、平面パターンでの位置ズレ等に起因した不具合の発生を抑制できる。また第1上部スライド支持部材76は打ち抜き加工等により容易に作製可能であるため、コスト性にも優れる。第7変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第8変形例>
図13に示すように、本発明の実施形態の第8変形例に係る半導体モジュールでは、絶縁回路基板(1,2,3b,3c,3d)の上に、第2表面導電層3bと共に、第3表面導電層3c及び第4表面導電層3dが設けられている。第3表面導電層3cの上には、接合層4cを介して第1半導体チップ81aが搭載されている。第1半導体チップ81aの上面にはボンディングワイヤー等の第1配線82aの一端が接合され、第1配線82aの他端は第2下部ベース部材5bの上面に接合されている。
また第2下部ベース部材5bの上面上で接合された第1配線82aの他端の右側には、接合層4dを介して第2配線82bの一端が接合されている。第2配線82bの他端は、第4表面導電層3dの上に接合層4eを介して接合されている。また第2下部ベース部材5bの上面上で接合層4dの右側には、接合層4fを介して第2半導体チップ81bが搭載されている。
第8変形例に係る半導体モジュールのように、本発明では1個の第2下部ベース部材5bの上に、第2上部スライド支持部材6bを介して搭載された第2ピン7bだけでなく、第2配線82bの接合や第1半導体チップ81aの搭載等を併せて行うことができる。第8変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第8変形例に係る半導体モジュールによれば、1個の第2下部ベース部材5bの上に第2ピン7b以外の素子を各種搭載可能であることにより、半導体モジュールの設計上の自由度を高めることができる。第8変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<第9変形例>
図14(a1)、図14(b1)、図14(c1)、図14(d1)、図14(e1)、図14(a2)、図14(b2)、図14(c2)、図14(d2)、図14(e2)に示すように、本発明の実施形態の第9変形例に係る半導体モジュールでは、第1上部スライド支持部材96は、図1に示した第1ピン7aが挿入される筒状の上部96a1,96b1,96c1,96d1,96e1と、上部96a1,96b1,96c1,96d1,96e1の下面から延在し、図1に示した第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1に挿入される下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2とを有している。
第1上部スライド支持部材96の上部96a1,96b1,96c1,96d1,96e1の内壁間の幅は、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の外形の幅よりも広く形成されている。下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の外形の幅としては、例えば、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の外形の各頂点等に外接する外接円の直径を採用できる。第1上部スライド支持部材96の下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2は、例えば、図1に示した第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1に挿入して保持され、電気的及び機械的に接続される。下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の外形としては、例えば下部96a2のような円柱形状、下部96b2のような横方向の断面が十字型の柱形状、下部96c2のような下部の中心軸から外側へ放射状に突出した部分を有する形状、下部96d2のような断面が楕円の柱形状、及び下部96e2のような多角柱形状等が採用できる。また、図示しないが、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の下端の外形としては、上端側の径より下端側の径が小さい先細りのテーパー形状等も採用できる。
また、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の下方向への長さは、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の幅より長くしてもよい。第1上部スライド支持部材96の下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2は、上部96a1,96b1,96c1,96d1,96e1と同じ外形である下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2にプレス加工等を施して成形してもよい。第9変形例に係る半導体モジュールの他の構成については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールにおける同名の部材とそれぞれと等価であるため重複説明を省略する。
第9変形例に係る半導体モジュールによれば、第1下部ベース部材5aの第1穴部5a1の径を変えずに、第1穴部5a1の径より太い第1ピン7aを第1上部スライド支持部材96の上部96a1,96b1,96c1,96d1,96e1で保持できる。これによって、半導体モジュールの第1ピン7aを大電流化できる。また、第1上部スライド支持部材96の下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2を凹凸形状や、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2の下端を先細りのテーパー形状等にすることで、下部96a2,96b2,96c2,96d2,96e2を第1穴部5a1へ圧入し易くできる。第9変形例に係る半導体モジュールの他の効果については、図1〜図5を用いて説明した半導体モジュールの場合と同様である。
<その他の実施形態>
本発明は上記の開示した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。
例えば、図1に示したように本発明の実施形態では、第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bは、下地の回路パターンをなす第1表面導電層3a及び第2表面導電層3bとほぼ同じ幅wを有していた。しかし第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの幅wは、第1表面導電層3a及び第2表面導電層3bと同じ幅に限定されない。第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bの平面パターンは、第1表面導電層3a及び第2表面導電層3bの回路パターンの全体に応じた形状であってもよいし、或いは回路パターンの一部の領域の形状に応じた形状であってもよい。
また第1下部ベース部材5aは絶縁回路基板(1,2,3a,3b)の第1表面導電層3aの回路パターン上に、第2下部ベース部材5bは、第2表面導電層3bの回路パターン上にそれぞれ接合されていた。しかし第1下部ベース部材5a及び第2下部ベース部材5bは、下地に回路パターンがない部分の絶縁板1上に接合され、この接合部分とは異なる位置に形成されている回路パターンと、ワイヤー等により別途、電気的に接続することもできる。
また本発明の実施形態では、接合層4a,4bがはんだ付けにより形成される場合を例示したが、これに限定されず、加熱圧着法、超音波接合法、レーザー溶接法、金属微粒子焼結法等の他の方法によっても接合層を形成できる。また図1に示したように、本発明の実施形態では第1上部スライド支持部材6a及び第2上部スライド支持部材6bの長さは、第1穴部5a1及び第2穴部5b1の深さより深かったが、ほぼ同じ長さであってもよいし、或いは短くてもよい。
また図1〜図14に示した実施形態及び各変形例に係る半導体モジュールに含まれる構成を部分的に組み合わせてもよい。以上のとおり本発明は、上記に記載していない様々な実施形態等を含むとともに、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 絶縁板
2 裏面導電層
3a 第1表面導電層
3b 第2表面導電層
3c 第3表面導電層
3d 第4表面導電層
4a、4b、4c、4d、4e、4f 接合層
5a 第1下部ベース部材
5a1 第1穴部
5b 第2下部ベース部材
5b1 第2穴部
6a 第1上部スライド支持部材
6b 第2上部スライド支持部材
7a 第1ピン
7b 第2ピン
8 封止樹脂
9a,9b 隙間
11 下型
11a 第1凹部
11b 第2凹部
12 上型
13,14 接続部
15 樹脂
16 第1上部スライド支持部材
16a フランジ
25 第1下部ベース部材
25a 第1穴部
25a1 雌ネジ部
26 第1上部スライド支持部材
26a 雄ネジ部
36 第1上部スライド支持部材
36a、36b、36c、36d 分割領域
37 スリット部
37a スリット
46 第1上部スライド支持部材
46a スリット
56 第1上部スライド支持部材
56a 溝
66 第1上部スライド支持部材
76 第1上部スライド支持部材
76a 下部
76b 上部
81a 第1半導体チップ
81b 第2半導体チップ
82a 第1配線
82b 第2配線
96a 第1上部スライド支持部材
96a1 上部
96a2 下部
96b 第1上部スライド支持部材
96b1 上部
96b2 下部
96c 第1上部スライド支持部材
96c1 上部
96c2 下部
96d 第1上部スライド支持部材
96d1 上部
96d2 下部
96e 第1上部スライド支持部材
96e1 上部
96e2 下部
第1ピンの長さ
第2ピンの長さ
d0 ピンの挿入深さ
d1 凹部の深さ
d2 上型及び下型間の距離
h ピンの突出高さ
t 下部ベース部材の厚み
w 下部ベース部材の幅
R1 穴部の径
R2 ピンの径

Claims (16)

  1. 絶縁回路基板と、
    平坦な下面を有し、前記絶縁回路基板の上に前記下面を接合して設けられ、上面に開口した有底の穴部を上部に有するブロック状の下部ベース部材と、
    前記穴部の内側壁に、外側面の少なくとも一部が接した状態で前記穴部に挿入された筒状の上部スライド支持部材と、
    前記上部スライド支持部材の筒の内側に接して挿入されたピンと、
    前記ピンの前記上部スライド支持部材とは反対側の上部を除いて、内部に前記ピンを封止すると共に、前記絶縁回路基板、前記下部ベース部材及び前記上部スライド支持部材を封止する封止樹脂と、
    を備えることを特徴とする半導体モジュール。
  2. 前記上部スライド支持部材は円筒状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  3. 前記上部スライド支持部材は、上端と下端との間に前記穴部より幅が広いフランジを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  4. 前記上部スライド支持部材は、外側面に前記穴部の内側壁と係合する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  5. 前記上部スライド支持部材は、スリットが設けられたスリット部を有し、前記ピンが前記スリット部の内側面に接していることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  6. 前記スリットは、前記上部スライド支持部材の両端に亘って連続して延伸していることを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
  7. 前記上部スライド支持部材は、外側面に螺旋の溝を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  8. 前記上部スライド支持部材は、外形が多角柱状の筒であることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  9. 前記上部スライド支持部材は、前記下部ベース部材側の下端で対向する内壁間の幅よりも、前記下部ベース部材と反対側の上端で対向する内壁間の幅が広いことを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  10. 前記上部スライド支持部材は、前記ピンが挿入される筒状の上部と、当該上部の下面から延在し前記下部ベース部材の前記穴部に挿入される下部と、を有し、当該上部の筒の内壁間の幅が、前記下部の外形の幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  11. 前記上部スライド支持部材の前記下部は、外形が円柱形状、横方向の断面が十字型の柱形状、下部の中心軸から外側へ放射状に突出した部分を有する形状、断面が楕円の柱形状又は多角柱形状であることを特徴とする請求項10に記載の半導体モジュール。
  12. 前記上部スライド支持部材は、前記下部の幅よりも、前記下部の下方向の長さが長いことを特徴とする請求項10又は11に記載の半導体モジュール。
  13. 前記下部ベース部材の厚みは、300μm以上、1mm以下であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
  14. 前記下部ベース部材の、前記上部スライド支持部材の外径に沿って測った幅は、前記上部スライド支持部材の外径の3倍以上であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
  15. 絶縁回路基板の上に、平坦な下面を有し、上面に開口した有底の穴部を上部に有するブロック状の下部ベース部材を、前記下面を介して接合する第1の工程と、
    筒状の上部スライド支持部材を前記穴部の内側壁に外側面が接した状態で前記穴部に挿し込む第2の工程と、
    前記上部スライド支持部材の筒の内側にピンを、前記ピンの下端と前記穴部の底との間に隙間を形成した状態で摺動自在に嵌合する第3の工程と、
    前記ピンの下端が前記隙間の内側で穴部の底に向かって移動するように、前記ピンの前記上部スライド支持部材とは反対側の上端を前記上部スライド支持部材側に押し込むことにより前記ピンを前記上部スライド支持部材の内側で摺動させて予め設定された挿入深さに調節する第4の工程と、
    前記ピンの前記上部スライド支持部材とは反対側の上部を除いて前記ピンを封止すると共に、前記絶縁回路基板、前記下部ベース部材及び前記上部スライド支持部材を封止樹脂で封止する第5の工程と、
    を含むことを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
  16. 前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程後の前記第4の工程では、前記ピンの前記上部スライド支持部材とは反対側の上端と当接する第1の金型と、前記絶縁回路基板の下面と当接する第2の金型とを用いて、前記第1の金型と前記第2の金型とを近づけることで前記ピンを前記上部スライド支持部材の内側で摺動させて予め設定された挿入深さに調節し、
    前記第4の工程後の前記第5の工程では、前記第1の金型と前記第2の金型で形成された内部空間内に前記封止樹脂を注入することを特徴とする請求項15に記載の半導体モジュールの製造方法。
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